説明

撮像装置及び電子機器

【課題】 レンズの光軸方向に対する傾きを極力抑え、アクチュエータの負荷の低減、鮮明な画像を得ることが可能な撮像装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 撮像装置(1)は、撮像素子(13)とセクタドライバIC(18)とを搭載した撮像基板(11)、この撮像基板(11)よりも被写体側に配置したレンズ群(35〜37)、このレンズ群(35〜37)と一体となるセクタ駆動ユニット(40)を備える。さらに、セクタ駆動ユニット(40)とセクタドライバIC(18)とを接続するFPC(45)、レンズ駆動ユニット(20)を光軸方向(AL)に付勢してガタ寄せするバネ(54)を備える。レンズ駆動ユニット(20)は、FPC(45)とバネ(54)とによって被写体側に付勢され、光軸方向(LA)に対する垂直を維持しつつ光軸方向(LA)へ移動できる。これによりレンズ駆動ユニット(20)のアクチュエータの負荷を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び電子機器に関する。特にレンズ、レンズ鏡筒のガタ寄せ用の付勢手段、例えばバネ等を備えた撮像装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置に搭載されるズーム機構を備えたレンズ鏡筒は、レンズのガタ寄せをするための付勢手段、例えば、バネ等を備えたものが種々提案されている。特許文献1には、このような付勢手段を備えたズームレンズ鏡筒が提案されている。このズームレンズ鏡筒は、レンズ群を移動させるためにらせん溝が設けられた回転体としての送り棒と、この送り棒に貫通支持されているレンズ移動枠、光軸を挟んで送り棒と対向する位置においてレンズ移動枠を貫通支持し光軸に対する偏心を抑える案内棒を備えている。さらに、送り棒には移動枠を付勢するガタ寄せ用の付勢バネが装着されている。
【0003】
【特許文献1】特開平4−342211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に開示されたようなズームレンズ鏡筒に装着されたガタ寄せ用の付勢バネは、送り棒に装着されていることから、移動枠、すなわちレンズの付勢バネによる移動量は、僅かではあるが案内棒側に対して送り棒側が多くなる。この結果、移動枠が僅かに傾き、移動枠が移動する際の摩擦の増大、ひいてはアクチュエータの負荷を増大させることとなる。また、レンズの傾きは、例えそれが僅かなものであっても、鮮明な画像の再現の妨げとなる。
【0005】
そこで本発明は、ガタ寄せ用の付勢手段を備えていても、レンズ、レンズ鏡筒の光軸方向に対する傾きを極力抑え、アクチュエータの負荷の低減、鮮明な画像を得ることが可能な撮像装置及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するための本発明の撮像装置は、撮像素子を搭載した撮像基板と、前記撮像基板よりも被写体側に配置したレンズを支持する光学ユニットと、前記光学ユニットを前記レンズの光軸方向に進退移動させるレンズ駆動ユニットと、前記光学ユニットよりも被写体側に配置したセクタ駆動ユニットと、前記セクタ駆動ユニットと電気的に接続する弾性を備えた接続部材と、前記レンズ駆動ユニットを前記光軸方向に付勢してガタ寄せする弾性部材と、を備え、前記光学ユニットを前記接続部材と前記弾性部材とによって前記光軸方向に付勢したことを特徴とする。
【0007】
このような構成とすることにより、撮像素子と光学ユニットとの平行を維持しながらレンズを移動させることができる。すなわち、レンズの傾斜を抑えつつレンズを移動させることができるので、レンズのガイド等との摩擦を軽減することができ、アクチュエータの負荷を低減することができる。また、レンズの傾きが抑えられることから鮮明な画像の再現が可能となる。なお、セクタ駆動ユニットにはセクタとこれを駆動するためのアクチュエータ等を組み込んだものを採用することができ、前記弾性部材としてはバネ等を用いることができる。
【0008】
このような撮像装置では、前記弾性部材と前記接続部材との間に前記光学ユニットが位置するように、前記弾性部材と前記接続部材とが対向して配置されている構成とすることができる。このような構成として、光学ユニットを対向する位置で支持するようにすれば、光学ユニットを光軸方向に移動させる際のレンズの傾きを抑え、レンズの平行の維持が容易となる。光学ユニットはガイド軸やガイド筒に沿って移動するが、平行(光軸方向に対する垂直方向)を維持した状態で移動することにより、このようなガイド軸やガイド等との摩擦の増大を回避することができる。
【0009】
また、このような撮像装置では、前記接続部材を屈曲した構成とすることができる。例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)を用い、このFPCをより弾性が得やすいように屈曲させて用いることができる。
【0010】
以上のような撮像装置では、前記レンズ駆動ユニットには、アクチュエータによりレンズ駆動軸を介して前記レンズの光軸方向に進退し、前記光学ユニットが固定される鏡筒ホルダが設けられた構成により実現することができる。これにより撮像基板に対して、鏡筒(レンズ)とセクタ駆動ユニット、鏡筒ホルダとを一体として光軸方向に移動させることができる。したがって、弾性部材は一端側を撮像基板又はこの撮像基板に固定される部材に当接させ、他端側を一体となっている鏡筒、セクタ駆動ユニット、鏡筒ホルダのいずれかに当接させることにより鏡筒に対する付勢力を得ることができる。
【0011】
以上のような撮像装置は、例えば、カメラ、携帯電話等の電子機器に組み込むことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、弾性部材と、セクタ駆動ユニットと電気的に接続する接続部材とによって光学ユニットを付勢するようにしたので、光学ユニットを光軸方向に対する垂直を維持しつつ光軸方向へ移動させることができる。これにより光軸方向へ移動する際の摩擦の増大を回避してアクチュエータの負荷を低減することができる。また、鮮明な画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、撮像装置1を4つの主要部分に分解して示した斜視図である。図2は組付け状態の撮像装置1を示す斜視図である。図3は、図2におけるA−A矢視断面である。図4は、被写体側に位置するセクタ駆動ユニットと、組付けられた他のユニット(撮像モジュール)とを示した斜視図である。図5は、撮像装置1の平面図である。
【0015】
図1に示すように撮像装置1は、撮像素子13を含む撮像ユニット10、レンズ群を構成するレンズ35〜37を光軸方向LAに進退移動させるレンズ駆動ユニット20、レンズ35〜37を保持する光学ユニット30、及びセクタを駆動するセクタ駆動ユニット40を含んでいる。上記撮像ユニット10、レンズ駆動ユニット20及び光学ユニット30により撮像モジュールが構成される。なお、図1では上側が被写体側である。
【0016】
図1及び図3を参照すると、撮像ユニット10は撮像基板11上の所定位置にホルダ12、撮像素子13、光学フィルタ15を組付けした構造を含んでいる。ホルダ12は、撮像基板11の上面の一部を覆うように配置され、内部に所定空間が形成されている。この空間内に、図3で示すように、撮像素子13が収納されている。撮像素子13として例えばCCD、CMOS等のイメージセンサが配置されている。
【0017】
上記ホルダ12には、レンズ35〜37を通った入射光を撮像素子13に受光させる撮影用の開口12aが形成されており、ホルダ12の上面には、この開口12aを包囲する位置に光軸方向LAに延伸するフランジ12bが設けられている。このフランジ12b内に収納するとともに、開口12aを塞ぐように光学フィルタ15(IRカットフィルタやローパスフィルタ等)が配置されている。なお、撮像基板11上の他の部分には、撮像した画像のデータを処理するDSP(Digital Signal Processor)16、レンズ駆動ユニット20の駆動を制御するレンズドライバIC17、セクタ駆動ユニット40の駆動を制御するセクタ駆動回路に相当するセクタドライバIC18、並びに複数の電子部品19が配置されている。
【0018】
また、図3で示すように、ホルダ(部材)12の上面には、後述するレンズ駆動ユニット20のケース21の一部(下端面)が当接している。このように、撮像基板11に固定されているホルダ12にレンズ駆動ユニット20のケース21を当接する構造とすることにより、撮像ユニット10に対してレンズ駆動ユニット20が光軸方向LAで位置決めされる。また、ケース21の開口21aの内周面が、フランジ12bの外周面に当接している。したがって、撮像ユニット10に対してレンズ駆動ユニット20を光軸方向LAに垂直な方向で正確に位置決めできる。
【0019】
そして、ホルダ12と当接しない部分のケース21は、所定間隔をもって撮像基板11と対向した状態となっている。撮像基板11とケース21との間に空間が形成されている。この空間を利用して上記DSP16、レンズドライバIC17及びセクタドライバIC18が撮像基板11上に載置されている。この撮像装置1は、上記のように撮像ユニット10及びレンズ駆動ユニット20間に形成されたスペースを有効活用して、DSP16等の電子部品を効率良く配置している。
【0020】
また、撮像装置1は各ユニットを電気的に接続するため接続部材としてのFPC(Flexible Printed Circuit)を使用している。レンズ駆動ユニット20はFPC29により撮像基板11上の回路パターン(不図示)を介して撮像ユニット10のレンズドライバIC17と電気的に接続される。同様に、セクタ駆動ユニット40はFPC45により撮像基板11上の回路パターン(不図示)を介して撮像ユニット10のセクタドライバIC18と電気的に接続される。FPCは可撓性を備えたフィルム状であるので利便性の高い基板である。このようなFPC45を屈曲し、屈曲部45aを形成することにより弾性を備えさせることができる。図に示すように重畳するようにS字状に屈曲させた屈曲部45aを備えたFPC45を用いてセクタ駆動ユニット40と撮像ユニット10とを接続することにより、両者間に光軸方向LAに沿う向きの付勢力を与えることができる。つまり、セクタ駆動ユニット40は、FPC45に形成した屈曲部45aによって特に作用部45b周辺に作用する弾性力により被写体側へ付勢力を受けることになる。セクタ駆動ユニット40は後述するように鏡筒ホルダ25に固定される。また、この鏡筒ホルダ25にはレンズ35〜37を収容した鏡筒31が固定される。セクタドライバIC18は、撮像基板11上に限らず、別の基板に設けてもよい。また、FPC45の屈曲部45aを光学ユニット30の撮像素子側に当接するよう位置させ、光学ユニット30に光軸方向LAに沿う向きの付勢力を直接付与するようにしてもよい。
【0021】
撮像ユニット10の被写体側にはレンズ駆動ユニット20が配設されている。レンズ駆動ユニット20は、不図示のアクチュエータを駆動することで、3枚のレンズ35〜37とこれらのレンズを保持する鏡筒31とを備えた光学ユニット30を光軸方向LAに進退移動させるものである。
【0022】
ここでレンズ駆動ユニット20について、より詳細に説明する。まずレンズ駆動ユニット20は、外側を覆うケース21を有している。このケース21の片側に凹部23が形成されている。この凹部23は、光学ユニット30の鏡筒31及びセクタ駆動ユニット40の一部を受入れる形状となっている。また、ケース21には撮影用の開口21aが形成されており、上述したように開口21aの内周面がフランジ12bの外周面に当接している。レンズ駆動ユニット20は、凹部23の下部に鏡筒31を支持する鏡筒ホルダ25を備えている。鏡筒ホルダ25はリング状の部材である。図3で示すように、鏡筒ホルダ25の内周面と鏡筒31の撮像素子側の外周面とを当接させ、鏡筒ホルダ25上に光学ユニット30をセットする。この鏡筒ホルダ25には側方に延びる腕部25aが形成されており、ケース21に立設支持されたガイド軸52に昇降自在に取り付けられている。また、腕部25aにはレンズ駆動軸53が取り付けられている。レンズ駆動軸53は、リードスクリューになっており、腕部25aと螺合している。このレンズ駆動軸53がアクチュエータの回転によって鏡筒ホルダ25を昇降させる。さらに、腕部25aの下側にはケース21の下板21bとの間にバネ54が介装されている。このバネ54はレンズ駆動ユニット20の一部を構成する鏡筒ホルダ25を光軸方向に付勢してガタ寄せする弾性部材に相当し、FPC45との間に鏡筒31(レンズ群)が位置するようにFPC45と対向させて配置されている。これにより、セクタ駆動ユニット40、鏡筒31及び鏡筒ホルダ25は、バネ54とFPC45とによって光軸LA方向に付勢されることになる。バネ54と屈曲部45aとは開口を挟んでお互いが反対側に位置しており、バネ54の付勢力と屈曲部45aを設けたことにより生じる作用部45b周辺の付勢力とがセクタ駆動ユニット40、鏡筒31及び鏡筒ホルダ25をほぼ平行(光軸LA方向に対して垂直)に保つように作用する。つまり、バネ54と屈曲部45aとは光学ユニット30を挟んでお互いが反対側に位置している。
【0023】
鏡筒ホルダ25は、図1で示すように、光軸方向LAに立設した複数の爪部26を備えている。この爪部26は鏡筒ホルダ25の上面の外周縁寄りに形成されている。一方、鏡筒31の外周面には前記爪部26に対応する複数の凹部32が形成されている。鏡筒31が鏡筒ホルダ25上に搭載されたときに、凹部32が鏡筒ホルダ25の爪部26に係合する(図4の下側の図参照)。凹部32は、爪部26と係合した状態で内側に空間32SPが生じるように爪部26よりも大きめに形成されている。
【0024】
組付け工程では空間32SPに接着剤が注入される。空間32SPは鏡筒ホルダ25の上面、爪部26及び鏡筒31の凹部32により囲まれて形成されている。この空間に接着剤を注入することで鏡筒ホルダ25と鏡筒31とが接着される。鏡筒ホルダ25に爪部26を設けることにより接着剤との接触面積が拡大されるので、鏡筒ホルダ25と鏡筒31とを確実に固定できる。また、爪部26が接着剤を堰き止める機能も果たすので接着剤が周部へ流れ出すことを防止できる。なお、鏡筒ホルダ25の上面は光軸方向LAと垂直に形成され、鏡筒31の鏡筒ホルダ25と当接する面も高い平面度で形成されている。このように鏡筒31は鏡筒ホルダ25上に位置精度良く位置決めされるので、鏡筒31内のレンズ35〜37の中心と、撮像ユニット10の撮像素子13の受光部中心とが一致する。
【0025】
さらに鏡筒ホルダ25について説明する。鏡筒ホルダ25はリング状の本体部分から半径方向に突出した一対の突出部28を備え、この突出部28それぞれから光軸方向LAと平行に一対の突起27が立ち上がっている。突起27はリング状である鏡筒ホルダ25の中央の開口を挟んでほぼ対称に配置されている(図5参照)。なお、ケース21の凹部23の内壁は突出部28に対応する部分が凹状に形成されている。
【0026】
上記突起27は、セクタ駆動ユニット40を鏡筒ホルダ25に係合させるために形成した部材である。セクタ駆動ユニット40と鏡筒ホルダ25に設けた突起27との関係について説明する。セクタ駆動ユニット40は光学ユニット30側(被写体と反対側)に配置される地板41と被写体側のセクタ押え板42との間にセクタ室46が形成されている(図3参照)。このセクタ室46内に例えば2枚のセクタが揺動自在に配置されている。セクタ駆動ユニット40の収納部にはセクタを揺動させるアクチュエータ(不図示)が内蔵されている。アクチュエータはFPC45を介して撮像基板11上のセクタドライバIC18に接続されている。
【0027】
撮像装置1で最も被写体側となるのは、セクタ駆動ユニット40のセクタ押え板42である。このセクタ押え板42には撮影のための開口42aが形成されている。開口42aの中心は光学ユニット30のレンズ35〜37の中心と一致するように設計されている。
【0028】
上記地板41の外周部には一対の貫通穴43が形成されている。この貫通穴43は鏡筒ホルダ25の突起27と嵌合するように形成されている。また、上側のセクタ押え板42には突起27と係合する一対の切欠44が形成されている。よって、図4で示した状態から図2で示す組付け状態にすると、鏡筒ホルダ25の突起27に地板41の貫通穴43及び切欠44が係合する。そのためレンズ駆動ユニット20に対してセクタ駆動ユニット40が光軸回りで一定位置に固定される。
【0029】
以上説明した撮像装置1では、鏡筒ホルダ25がガイド軸52に沿って昇降するが、鏡筒ホルダ25、光学ユニット30及びセクタ駆動ユニット40はバネ54とFPC45とによって光軸方向の被写体側に付勢されていることから、常にほぼ平行(光軸方向LAに対して垂直)が保たれるようになっており、鏡筒ホルダ25、光学ユニット30及びセクタ駆動ユニット40を光軸方向LAに対して垂直に維持して光軸方向へ移動させることができる。これにより光軸方向LAへ移動する際の摩擦の増大を回避してアクチュエータの負荷を低減することができる。この結果、小型のアクチュエータを採用することができる。また、光軸方向LAに対するレンズ群の傾きを解消することができることから、鮮明な画像を得ることができる。
【0030】
以下、さらに撮像装置1の製造工程の一例を、図面を参照して説明する。撮像基板11に撮像素子13等の電子部品を搭載する。ホルダ12を撮像基板11に接着し、ホルダ12に光学フィルタ15を接着する。この工程により撮像ユニット10が製造される。
【0031】
ケース21内の所定位置に鏡筒ホルダ25を駆動するためのアクチュエータやレンズ駆動軸53を含む駆動機構を収納する。鏡筒ホルダ25を収容するときは、腕部25aの下側にはケース21の下板21bとの間にバネ54を介装する。また、アクチュエータにはFPC29の一端部を接続する。鏡筒31内にレンズ35〜37を保持している光学ユニット30を別途準備する。鏡筒31をケース21の凹部に嵌め込み下端に配置されている鏡筒ホルダ25上に搭載する。接着剤を空間32SP内に塗布し、鏡筒ホルダ25と鏡筒31とを一体的に固定する。
【0032】
各セクタを地板41とセクタ押え板42との間に挟持し、地板41とセクタ押え板42とを固定する。収納部にアクチュエータを収納する。アクチュエータにFPC45の一端部を接続する。この工程によりセクタ駆動ユニット40が製造される。セクタ駆動ユニット40の貫通穴43に鏡筒ホルダ25の突起27を貫通することで、ケース21の凹部に嵌め込む。このように嵌めこむことで、光学ユニット30上にセクタ駆動ユニット40を搭載する。より詳細には、地板41及びセクタ押え板42の貫通穴43及び切欠44と突起27を嵌合させる。地板41の開口と鏡筒31の外周面31aとを当接させる。これによりレンズ駆動ユニット20の鏡筒ホルダ25とセクタ駆動ユニット40の地板41との間に光学ユニット30の鏡筒31を挟持した構造となる。地板41及びセクタ押え板42の切欠44と鏡筒ホルダ25の突起27との嵌合部分に接着剤を塗布して鏡筒ホルダ25とセクタ駆動装置40とを固定する。このような構成のため、レンズ駆動ユニット20により光学ユニット30(鏡筒31)が光軸方向に駆動されると、セクタ駆動ユニット40も一緒に光軸方向に駆動される。なお、セクタ駆動ユニット40を図示しない外ケース等に固定し、レンズ駆動ユニット20により光学ユニット30のみを光軸方向に駆動するようにしてもよい。
【0033】
撮像ユニット10にレンズ駆動ユニット20を搭載する。撮像素子13の受光部の中心とレンズ35〜37の光軸とを合せながら、ケース21の開口21aの内周面をホルダ12のフランジ12bの外周面に当接させ、ホルダ12の上面にレンズ駆動ユニット20のケース21の下面とを接着する。最後に、レンズ駆動ユニット20のFPC29の他端部及びセクタ駆動ユニット40のFPC45の他端部を、撮像ユニット10側の撮像基板11のパターンと接続して撮像装置1を製造する。
【0034】
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】撮像装置を4つの主要部分に分解して示した斜視図である。
【図2】組付け状態の撮像装置を示す斜視図である。
【図3】図2におけるA−A矢視断面である。
【図4】被写体側に位置するセクタ駆動ユニットと、組付けられた他のユニットとを示した斜視図である。
【図5】撮像装置の平面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 撮像装置
10 撮像ユニット
11 撮像基板
12 ホルダ
13 撮像素子
17 レンズドライバIC
18 セクタドライバIC
20 レンズ駆動ユニット
21 ケース
22 突出部
23 凹部
25 鏡筒ホルダ
26 爪部
27 突起
29 FPC
30 光学ユニット
31 レンズホルダ
35〜37 レンズ
40 セクタ駆動ユニット
41 地板
42 セクタ押え板
42a 開口
45 FPC
52 ガイド軸
53 レンズ駆動軸
54 バネ
LA 光軸方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子を搭載した撮像基板と、
前記撮像基板よりも被写体側に配置したレンズを支持する光学ユニットと、
前記光学ユニットを前記レンズの光軸方向に進退移動させるレンズ駆動ユニットと、
前記光学ユニットよりも被写体側に配置したセクタ駆動ユニットと、
前記セクタ駆動ユニットと電気的に接続する弾性を備えた接続部材と、
前記レンズ駆動ユニットを前記光軸方向に付勢してガタ寄せする弾性部材と、
を備え、
前記光学ユニットを前記接続部材と前記弾性部材とによって前記光軸方向に付勢したことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記弾性部材と前記接続部材との間に前記光学ユニットが位置するように、前記弾性部材と前記接続部材とが対向して配置されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の撮像装置において、
前記接続部材が屈曲されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記レンズ駆動ユニットには、アクチュエータによりレンズ駆動軸を介して前記レンズの光軸方向に進退し、前記光学ユニットが固定される鏡筒ホルダが設けられている
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮像装置を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−17792(P2007−17792A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−200566(P2005−200566)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(396004981)セイコープレシジョン株式会社 (481)
【Fターム(参考)】