説明

放電灯点灯装置

【課題】 管電圧の異なる放電灯に取替えても、その度に管電圧を検知することにより制御装置の誤動作を防止し、放電灯点灯装置の信頼性を向上させる。
【解決手段】
放電灯400を備える。該放電灯400を点灯するインバータ回路200を備える。前記インバータ回路200を制御する制御装置部300を備える。前記放電灯400の管電圧を検知する管電圧検知手段500を備える。前記制御装置部300は前記管電圧検知手段500により検知した前記放電灯400の管電圧を監視する管電圧監視部350を備える。前記管電圧監視部350は前記放電灯400が始動し安定した後の基準電圧を記憶する基準電圧保持手段352と、その後の管電圧を記憶する現在管電圧保持手段351と前記現在管電圧/前記基準管電圧の比が所定値を越えたときに前記インバータ回路200の動作を停止させる強制消灯手段353を備える。所定の操作がなされたときに前記基準電圧保持手段352の基準電圧をリセットするリセット手段600を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯を点灯するインバータ回路を備え、前記放電灯の管電圧を検知する管電圧検知手段を備え、前記放電灯の寿命時の管電圧を前記管電圧検知手段により検知し前記インバータ回路の動作を停止させる制御装置部を備えた放電灯点灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の放電灯点灯装置は、放電灯を備え、該放電灯を点灯するインバータ回路を備え、前記インバータ回路を制御する制御装置部を備え、前記放電灯の管電圧を検知する管電圧検知手段を備え、前記制御装置部は前記管電圧検知手段により検知した前記放電灯の管電圧が所定の値を超えたときに前記インバータの動作を停止させる強制消灯手段を備えたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記基準電圧は各放電灯装置固有の一定値であるため、管電圧の異なる放電灯を点灯させると制御回路が誤動作してしまう。
本発明の目的は、管電圧の異なる放電灯に取替えても、その度に管電圧を検知することにより制御装置の誤動作を防止し、放電灯点灯装置の信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、放電灯を点灯するインバータ回路を備え、前記インバータ回路を制御する制御装置部を備え、前記放電灯の管電圧を検知する管電圧検知手段を備え、前記制御装置部は前記管電圧検知手段により検知した前記放電灯の管電圧を監視する管電圧監視部を備え、前記管電圧監視部は前記放電灯が始動し安定した後の基準電圧を記憶する基準電圧保持手段と、その後の管電圧を記憶する現在管電圧保持手段と前記現在管電圧/前記基準管電圧の比が所定値を越えたときに前記インバータの動作を停止させる強制消灯手段を備える。
本発明においては、以上の手段を用いて異常管電圧を検知しインバータの動作を停止させる。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、管電圧の異なる放電灯に取替えても、その度に管電圧を検知することにより制御装置の誤動作を防止し、放電灯点灯装置の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1および図2を用いて、本発明の実施形態について説明する。図示装置は、交流電源100電圧を用い、放電灯400を高周波点灯させるインバータ回路20を備え、前記インバータ回路を制御する制御装置部300を備える。
前記制御装置部300は管電圧検知手段500により検出した前記放電灯400の管電圧を監視する管電圧監視部350を含む。
前記管電圧監視部350は前記放電灯400が始動し安定した後の基準電圧を記憶する基準電圧保持手段352と、その後の管電圧を記憶する現在管電圧保持手段351と前記現在管電圧/前記基準管電圧の比が所定値を越えたときに前記インバータの動作を停止させる強制消灯手段353を含む。
前記放電灯400が安定した後の管電圧を前記管電圧検知手段500により検知し、前記基準電圧保持手段352により基準電圧として設定する。
その後は、前記現在管電圧保持手段351により管電圧を随時検知し、現在管電圧/基準電圧の比が一定値を越えた際には、前記強制消灯手段353により強制消灯信号を発信し、インバータの動作を停止する。
【0007】
図2図示のフローについて説明する。前記フローは前記管電圧監視部350のシーケンスである。以下、この内容を箇条書きにして説明する。
放電灯を点灯させる(ブロック901)。前記放電灯の安定を見るタイマーを初期状態T0=0にセットし、タイマーT0のカウントを開始する。(ブロック902)。
前記放電灯が安定する時間T1とタイマーT0を比較しタイマーT0が放電灯が安定する時間T1より大きくなるまでタイマーT0のカウントを続ける。(ブロック903)。
タイマーT0がT1より大きくなる、すなわち、放電灯が安定した時に管電圧検知手段による検知値を現在管電圧保持手段に現在管電圧V1としてセットする(ブロック904)。基準電圧保持手段の基準電圧V0が0か否かを判定する(ブロック905)。
基準電圧V0が0の場合は、現在管電圧保持手段の現在管電圧V1を基準電圧保持手段の基準電圧V0としてセットする(ブロック906)。
放電灯の寿命末期状態の管電圧は基準電圧V0のK倍となる。基準電圧V0が0でない場合は、現在管電圧V1と基準電圧V0のK倍を比較する(ブロック907)。
現在管電圧V1が基準電圧V0のK倍より小さい場合は、放電灯が寿命末期ではないと判断できるので、ブロック904→905→907→904→…のループを現在管電圧V1が基準電圧V0のK倍になるまで繰り返す。
現在管電圧V1が基準電圧V0のK倍より大きい場合は、放電灯が寿命末期状態にあるので、放電灯及びインバータ回路保護のために、強制消灯手段から共生消灯信号を出力しインバータ回路の動作を停止させる(ブロック908)。
【0008】
図1図示のリセット手段600の説明を補足する。前記リセット手段600は、前記放電灯400を新規の放電灯に交換する時のみ、前記基準電圧保持手段352の基準電圧を0にリセットする。
リセット手段600をオンするとリセット信号が出力される。前記リセット信号は短時間の信号で、リセット手段600をオフし、再度リセット手段600をオンするまでは出力されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明装置の回路図である。
【図2】その動作説明用フローチャート図である。
【符号の説明】
【0010】
100:交流電源
200:インバータ回路
300:制御装置部
350:管電圧監視部
351:現在管電圧保持手段
352:基準電圧保持手段
353:強制消灯手段
400:放電灯
500:管電圧検知手段
600:リセット手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電灯を備え、該放電灯を点灯するインバータ回路を備え、前記インバータ回路を制御する制御装置部を備え、前記放電灯の管電圧を検知する管電圧検知手段を備え、前記制御装置部は前記管電圧検知手段により検知した前記放電灯の管電圧を監視する管電圧監視部を備え、前記管電圧監視部は前記放電灯が始動し安定した後の基準電圧を記憶する基準電圧保持手段と、その後の管電圧を記憶する現在管電圧保持手段と前記現在管電圧/前記基準管電圧の比が所定値を越えたときに前記インバータの動作を停止させる強制消灯手段を備え、所定の操作がなされたときに前記基準電圧保持手段の基準電圧をリセットするリセット手段を具備することを特徴とする放電灯点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−59783(P2006−59783A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268979(P2004−268979)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000005474)日立ライティング株式会社 (130)
【Fターム(参考)】