説明

放電装置、照明装置および液晶表示装置

【課題】 安定に動作する電圧値、周波数の領域を広くし、輝度の調光範囲を広くする。
【解決手段】 前面板10と絶縁基板20と側板30とを一体に気密封着して扁平状の密閉容器1を構成し、前面板10の内面に互いに平行な第1、第2の放電電極40、41を設け、放電電極40、41の表面を第1の誘電体層50で覆い、絶縁基板20の内面に蛍光体60を塗布し、密閉容器1内の放電空間70に放電ガスを封入し、絶縁基板20の外面の中央部にアース電極80を放電電極40、41と平行にかつ放電空間70の全長に渡って設ける。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平面状に発光する平板型放電装置等の放電装置、たとえば液晶パネル等のバックライトが必要な表示素子を使用するテレビ、ゲーム機、カーナビゲーションシステム等の情報映像機器やワープロ等のOA機器、若しくは光源を内蔵した表示システムなどにおける放電装置、放電装置を用いた照明装置および液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルを有する液晶表示装置は薄型軽量でありかつ低消費電力であるため、パソコンやテレビ等各種の情報映像ディスプレイとして広く利用されているが、液晶パネル自体は発光素子でなく、表示のためには液晶パネルの背面から光を供給するバックライトが必要である。そして、通常液晶表示装置に用いられているバックライトは、細径の蛍光ランプとアクリル樹脂の導光体とを組み合わせたものが主であるが、平板型放電装置(放電ランプ)も使用されている。
【0003】図10はたとえば特願平7−272322号の明細書、図面に記載されている従来の平板型放電装置を示す断面図である。図に示すように、ソーダガラス等からなる透光性の前面板10とソーダガラス、セラミック等からなる絶縁基板20と側板30とがたとえば低融点ガラス(図示せず)で一体に気密封着され、扁平状の密閉容器1が構成されている。また、発光面となる前面板10の内面には互いに平行な第1、第2の(一対の)放電電極40、41が設けられ、放電電極40、41の表面は第1の誘電体層50で覆われている。また、絶縁基板20の内面には蛍光体60が塗布され、密閉容器1内の放電空間70には水銀と始動用ガスとしてアルゴンやネオンーアルゴン等の混合ガス、またはキセノン、クリプトン、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の希ガスの放電ガスが封入されている。
【0004】この平板型放電装置においては、放電電極40、41間に高周波の駆動電圧を印加すると、放電空間70内に放電が発生し、放電で発生した紫外線により蛍光体60が励起されて発光し、光が前面板10を通して外部に放射される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、平板型放電装置を液晶表示装置のバックライトに用いるためには、調光のために駆動電圧の電圧値、周波数等を変化させる必要がある。しかし、平板型放電装置を液晶表示装置のバックライトに用いるためには発光の輝度均せい度が良好であることが重要な条件の一つとなっているにもかかわらず、従来の平板型放電装置においては、駆動電圧の電圧値、周波数を変化させると、安定に動作する電圧値領域、周波数領域が狭いから、動作中に放電が不安定になり、輝度ムラやチラツキ、陽光柱の収縮等が発生しやすく、このために発光が不均一になり、輝度均せい度が悪くなることがあり、輝度の調光範囲が狭かった。
【0006】本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、安定に動作する電圧値、周波数の領域が広い放電装置、輝度の調光範囲が広い放電装置、照明装置、液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明においては、表面が第1の誘電体層で覆われた第1、第2の放電電極を有する放電装置において、上記第1、第2の放電電極の間にかつ上記第1、第2の放電電極とほぼ平行方向にアース電極を設ける。
【0008】また、透光性を有する前面板と絶縁基板とを組み合わせて扁平状の密閉容器を構成し、上記前面板の内面に第1、第2の放電電極を設け、上記第1、第2の放電電極の表面を覆って第1の誘電体層を設け、上記絶縁基板の内面に蛍光体を塗布し、上記密閉容器の内部に放電ガスを封入した放電装置において、上記密閉容器の上記絶縁基板または上記前面板の外面の上記第1、第2の放電電極の間にかつ上記第1、第2の放電電極とほぼ平行方向にアース電極を設ける。
【0009】この場合、上記アース電極として金属箔からなるものを用い、上記アース電極を上記密閉容器に接着する。
【0010】また、透光性を有する前面板と絶縁基板とを組み合わせて扁平状の密閉容器を構成し、上記前面板の内面に第1、第2の放電電極を設け、上記第1、第2の放電電極の表面を覆って第1の誘電体層を設け、上記絶縁基板の内面に蛍光体を塗布し、上記密閉容器の内部に放電ガスを封入した放電装置において、上記密閉容器の上記絶縁基板または上記前面板の内面の上記第1、第2の放電電極の間にかつ上記第1、第2の放電電極とほぼ平行方向にアース電極を設け、上記アース電極の表面を覆って第2の誘電体層を設ける。
【0011】この場合、上記前面板に設けた上記アース電極の表面を覆う上記第2の誘電体層として透光性の材料からなるものを用いる。
【0012】これらの場合、上記アース電極の幅を0.8mm以上にする。
【0013】また、上記アース電極を上記第1、第2の放電電極から8.5mm以上離して上記絶縁基板に設ける。
【0014】また、上記アース電極を上記第1、第2の放電電極から20mm以上離して上記前面板に設ける。
【0015】また、上記第1の誘電体層の表面に保護層を設ける。
【0016】また、上記前面板に設けた上記アース電極として透明導電膜からなるものを用いる。
【0017】また、照明装置において、上記の放電装置を用いて照明するように構成する。
【0018】また、液晶表示装置において、上記の放電装置をバックライトとして用いる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る平板型放電装置を示す一部切断斜視図である。図に示すように、前面板10と絶縁基板20と側板30とが一体に気密封着されて、扁平状の密閉容器1が構成され、前面板10の内面に互いに平行な放電電極40、41が設けられ、放電電極40、41の表面が厚膜印刷法によって設けられた第1の誘電体層50によって覆われ、絶縁基板20の内面に蛍光体60が塗布され、密閉容器1内の放電空間70に放電ガスが封入されている。また、絶縁基板20の外面の放電電極40、41の間すなわち中央部にはアース電極80が放電電極40、41と平行にかつ放電空間70の全長に渡って設けられている。
【0020】この平板型放電装置においては、放電電極40、41に図2に示すような駆動電圧を印加する。すなわち、放電電極40に図2(a)に示した−Vhの電圧を持つ矩形波電圧V1を印加し、放電電極41に図2(b)に示した位相が矩形波電圧V1と半周期ずれた矩形波電圧V2を印加する。また、アース電極80をアース電位に保持する。このような駆動方法により、放電空間70内に放電が発生し、放電で発生した紫外線により蛍光体60が励起されて発光し、光が前面板10を通して外部に放射される。
【0021】このような平板型放電装置においては、絶縁基板20の外面にアース電極80が設けられているから、放電空間70内に安定性、均一性の良好である放電が発生するので、蛍光体60が安定に励起されて発光する。このため、安定に動作する矩形波電圧V1、V2の電圧値、周波数の領域が広くなるから、矩形波電圧V1、V2の電圧値、周波数を大きく変化させたとしても、動作中に放電が不安定になることがなく、輝度ムラやチラツキ、陽光柱の収縮等が発生しにくく、発光が均一になり、輝度均せい度が良好であるので、輝度の調光範囲が広くなる。しかも、動作中に放電が不安定になることがないから、長寿命になる。また、誘電体層50を厚膜印刷法によって設けているから、誘電体層50を簡単に設けることができる。
【0022】なお、アース電極80はたとえばアルミニウム等の金属箔(リボン)を接着することで非常に簡単に設けることができるから、製造コストがほとんど増加しない。また、接着剤付の金属箔(金属テープ)を用いればさらに簡単にアース電極80を設けることができる。また、誘電体層50はその表面をたとえばMgO等の保護層(図示せず)で覆ってやることで、動作電圧の低下、スパッタリングの減少が可能になり、さらに長寿命の平板型放電装置を得ることができる。
【0023】図3は図1に示したような平板型放電装置の駆動電圧の安定動作領域を示すグラフで、このグラフは絶縁基板20の中央部に設けたアース電極80の幅が3mm、発光面の大きさが115mm×88mmであり、水銀とアルゴンが2.66kPa封入され、矩形波電圧V1、V2のパルス幅が5μs一定である場合のもので、矩形波電圧V1、V2の電圧値および周波数を変化させて放電が安定になる動作領域を調べた結果を示すものであり、領域aはアース電極80を設けた場合の安定動作領域を示し、領域bはアース電極80を設けない場合の安定動作領域を示す。このグラフから明らかなように、アース電極80を設けた場合には、アース電極を設けない場合と比較して安定動作領域を大幅に拡大できる。すなわち、アース電極を設けない場合には、安定動作周波数範囲が15〜30kHzであるが、アース電極80を設けた場合には、安定動作周波数範囲を10〜35kHzまで拡大することができる。つまり、アース電極80を設けた場合には、アース電極を設けない場合と比較して安定動作周波数範囲を上下各5kHzだけ拡大することができる。また、アース電極80を設けた場合には、動作周波数全体でほぼ一定の低い電圧値で動作することができる。なお、このグラフでは電圧値の上限が800Vであるが、これは駆動回路を構成する回路素子の耐電圧の関係で実験できなかったものであり、これ以上の電圧値での測定は行なっていないが、たとえば矩形波電圧V1、V2の周波数が30kHzのときには、上限安定動作電圧が高くなっており、アース電極80を設けた場合には安定動作電圧値範囲も上下に拡大されることが明らかである。このように、平板型放電装置にアース電極80を付加することで、広い電圧値範囲、周波数範囲で放電の安定化を図ることができ、しかも発光輝度は電圧値、周波数に比例して高くなるから、輝度の調光範囲を2倍近く拡大することができる。さらに、アース電極80はアース電位に保持されており、動作中にアース電極80にはほとんど電流が流れないから、アース電極80を設けたとしても消費電力が増加することはない。
【0024】図4は図1に示したような平板型放電装置のアース電極80の幅と最低安定動作電圧との関係を示すグラフで、このグラフは周波数を32kHz(この周波数ではアース電極80が付加されないと安定に放電しない)とした以外は図3に示したグラフの場合と同様の場合のものである。このグラフから明らかなように、アース電極80の幅を0.8mm以上にすると、所定値以上の電圧値を有する矩形波電圧V1、V2を印加すれば放電が安定になる。また、アース電極80の幅を広くするに従い最低安定動作電圧は低下し、アース電極80の幅が3mm以上になると、最低安定動作電圧はほぼ一定になる。したがって、アース電極80の幅を0.8mm以上にしたときには、輝度の調光範囲を確実に広くすることができる。
【0025】図5は図1に示すような放電電極40とアース電極80との距離L1と最低安定動作電圧との関係を示すグラフであり、このグラフは放電電極40、41の内側間隔が76mm、アース電極80の幅が3mmで、アース電極80は絶縁基板20の外面に設けてあり、また動作条件は図4に示したグラフの場合と同様であり、矩形波電圧V1、V2の周波数は32kHz、パルス幅は5μsである場合のものである。このグラフから明らかなように、アース電極80を放電電極40から次第に離していき、距離L1が8.5mm以上になると、所定値以上の電圧値を有する矩形波電圧V1、V2を印加すれば放電が安定になる。この場合、最低安定動作電圧は約500Vとほぼ一定である。しかし、距離L1が8.5mm未満であると、すなわちアース電極80が8.5mmより放電電極40に近いと、電圧条件を変化させても安定な放電は得られない。また、距離L1が64.5mmを超えると、すなわちアース電極80と放電電極41との距離が8.5mm未満であると、電圧条件を変化させても安定な放電は得られない。したがって、アース電極80を放電電極40、41から8.5mm以上離して絶縁基板20に設けたときには、広い安定動作領域が得られ、均一性の良い発光が得られるから、輝度の調光範囲を確実に広くすることができる。
【0026】図6は本発明に係る他の平板型放電装置を示す断面図である。図に示すように、絶縁基板20の内面の中央部にアース電極81が放電電極40、41と平行にかつ放電空間70の全長に渡って設けられ、放電空間70にアース電極81が露出しないように、アース電極81が第2の誘電体層51で覆われ、絶縁基板20と誘電体層51との表面に蛍光体60が塗布されている。
【0027】この平板型放電装置においては、放電電極40とアース電極81との距離と最低安定動作電圧との関係は図1に示した平板型放電装置の場合と同様である。したがって、アース電極81を放電電極40、41から8.5mm以上離して絶縁基板20に設けたときには、広い安定動作領域が得られ、均一性の良い発光が得られるから、輝度の調光範囲を確実に広くすることができる。
【0028】なお、この実施の形態においては、アース電極81のみを誘電体層51で覆ったが、絶縁基板20の全面を第2の誘電体層で覆ってもよい。
【0029】図7は本発明に係る他の平板型放電装置を示す断面図である。図に示すように、放電電極40、41の表面が第1の誘電体層52で覆われ、前面板10の外面の中央部にITO膜、ネサ膜等の透明導電膜からなるアース電極82が放電電極40、41と平行にかつ放電空間70の全長に渡って設けられている。
【0030】この平板型放電装置においては、前面板10の外面に透明導電膜からなるアース電極82が設けられているから、アース電極82による輝度の減少がなく、輝度均せい度も良好である。
【0031】図8は図7に示すような放電電極40とアース電極82との距離L2と安定動作電圧との関係を示すグラフであり、このグラフは放電電極40、41の内側間隔が76mm、アース電極82の幅が3mmで、動作条件は図4に示したグラフの場合と同様であり、矩形波電圧V1、V2の周波数は32kHz、パルス幅は5μsである場合のものである。このグラフから明らかなように、アース電極82を放電電極40から次第に離していき、距離L2が20mm以上になると、所定値以上の電圧値を有する矩形波電圧V1、V2を印加すれば均一で安定な放電が発生するが、距離L2が20mm未満の場合には、電圧条件を変化させても安定な放電は得られない。また、距離L2が53mmを超えると、すなわちアース電極82が放電電極41から20mm未満であると、電圧条件を変化させても放電が不安定になる。したがって、アース電極82を放電電極40、41から20mm以上離して前面板10に設けたときには、輝度の調光範囲を確実に広くすることができる。
【0032】図9は本発明に係る他の平板型放電装置を示す断面図である。図に示すように、たとえばガラス板を熱成形で作った箱形容器すなわち側板と一体になった絶縁基板21と前面板10とが一体に気密封着され、扁平状の密閉容器2が構成され、前面板10の放電電極40、41間にITO膜、ネサ膜等の透明導電膜からなるアース電極83が放電電極40、41と平行にかつ放電空間70の全長に渡って設けられ、透光性の材料からなりかつ第1、第2の誘電体層を兼ねる誘電体層53によって放電電極40、41およびアース電極83が覆われ、誘電体層53の表面にも蛍光体60が塗布されている。
【0033】この平板型放電装置においては、側板と一体になった絶縁基板21と前面板10とにより密閉容器2が構成されているから、組立が簡単になるので、製造コストが安価になる。また、アース電極83が透光性の材料からなる誘電体層53によって覆われているから、輝度が低下することがない。この平板型放電装置においても、図8に示した実験結果と同様の実験結果が得られた。したがって、アース電極83を放電電極40、41から20mm以上離して前面板10に設けたときには、輝度の調光範囲を確実に広くすることができる。
【0034】また、照明装置において、図1、図6、図7R>7、図9に示した平板型放電装置を用いて照明するように構成すれば、輝度の調光範囲が広くなるとともに、寿命が長くなる。
【0035】また、液晶表示装置において、図1、図6R>6、図7、図9に示した平板型放電装置をバックライトとして用いれば、輝度の調光範囲が広くなるとともに、バックライトの寿命が長くなる。
【0036】なお、上述実施の形態においては、平板型放電装置について説明したが、他の放電装置に本発明を適用することができる。また、上述実施の形態においては、アース電極80〜83を放電電極40、41と平行に設けたが、アース電極を第1、第2の放電電極とほぼ平行にすなわちアース電極を第1、第2の放電電極に対して多少傾斜させて設けてもよい。また、上述実施の形態においては、第1、第2の放電電極40、41を設けたが、放電電極40、41以外の放電電極を設けてもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る放電装置においては、安定に動作する電圧値、周波数の領域が広くなる。
【0038】また、透光性を有する前面板と絶縁基板とを組み合わせて扁平状の密閉容器を構成し、前面板の内面に第1、第2の放電電極を設け、第1、第2の放電電極の表面を覆って第1の誘電体層を設け、絶縁基板の内面に蛍光体を塗布し、密閉容器の内部に放電ガスを封入した放電装置において、密閉容器の絶縁基板または前面板の外面の第1、第2の放電電極の間にかつ第1、第2の放電電極とほぼ平行方向にアース電極を設けたときには、安定に動作する電圧値、周波数の領域が広くなるから、輝度の調光範囲が広くなる。
【0039】また、アース電極として金属箔からなるものを用い、アース電極を密閉容器に接着したときには、アース電極を簡単に設けることができるから、製造コストがほとんど増加しない。
【0040】また、透光性を有する前面板と絶縁基板とを組み合わせて扁平状の密閉容器を構成し、前面板の内面に第1、第2の放電電極を設け、第1、第2の放電電極の表面を覆って第1の誘電体層を設け、絶縁基板の内面に蛍光体を塗布し、密閉容器の内部に放電ガスを封入した放電装置において、密閉容器の絶縁基板または前面板の内面の第1、第2の放電電極の間にかつ第1、第2の放電電極とほぼ平行方向にアース電極を設け、アース電極の表面を覆って第2の誘電体層を設けたときには、安定に動作する電圧値、周波数の領域が広くなるから、輝度の調光範囲が広くなる。
【0041】また、前面板に設けたアース電極の表面を覆う第2の誘電体層として透光性の材料からなるものを用いたときには、輝度が低下することがなく、輝度均せい度が良好である。
【0042】また、アース電極の幅を0.8mm以上にしたときには、輝度の調光範囲を確実に広くすることができる。
【0043】また、アース電極を第1、第2の放電電極から8.5mm以上離して絶縁基板に設けたときには、輝度の調光範囲を確実に広くすることができる。
【0044】また、アース電極を第1、第2の放電電極から20mm以上離して前面板に設けたときには、輝度の調光範囲を確実に広くすることができる。
【0045】また、第1の誘電体層の表面に保護層を設けたときには、動作電圧の低下、スパッタリングの減少が可能になり、長寿命にすることができる。
【0046】また、前面板に設けたアース電極として透明導電膜からなるものを用いたときには、輝度均せい度が良好である。
【0047】また、本発明に係る照明装置、液晶表示装置においては、輝度の調光範囲が広くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平板型放電装置を示す一部切断斜視図である。
【図2】図1に示した平板型放電装置の駆動電圧波形図である。
【図3】平板型放電装置の駆動電圧の安定動作領域を示すグラフである。
【図4】アース電極の幅と最低安定動作電圧との関係を示すグラフである。
【図5】放電電極とアース電極との距離L1と最低安定動作電圧との関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係る他の平板型放電装置を示す断面図である。
【図7】本発明に係る他の平板型放電装置を示す断面図である。
【図8】放電電極とアース電極との距離L2と最低安定動作電圧との関係を示すグラフである。
【図9】本発明に係る他の平板型放電装置を示す断面図である。
【図10】従来の平板型放電装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1…密閉容器
2…密閉容器
10…前面板
20…絶縁基板
21…絶縁基板
40…第1の放電電極
41…第2の放電電極
50…第1の誘電体層
51…第2の誘電体層
52…第1の誘電体層
53…誘電体層
60…蛍光体
80…アース電極
81…アース電極
82…アース電極
83…アース電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】表面が第1の誘電体層で覆われた第1、第2の放電電極を有する放電装置において、上記第1、第2の放電電極の間にかつ上記第1、第2の放電電極とほぼ平行方向にアース電極を設けたことを特徴とする放電装置。
【請求項2】透光性を有する前面板と絶縁基板とを組み合わせて扁平状の密閉容器を構成し、上記前面板の内面に第1、第2の放電電極を設け、上記第1、第2の放電電極の表面を覆って第1の誘電体層を設け、上記絶縁基板の内面に蛍光体を塗布し、上記密閉容器の内部に放電ガスを封入した放電装置において、上記密閉容器の上記絶縁基板または上記前面板の外面の上記第1、第2の放電電極の間にかつ上記第1、第2の放電電極とほぼ平行方向にアース電極を設けたことを特徴とする放電装置。
【請求項3】上記アース電極として金属箔からなるものを用い、上記アース電極を上記密閉容器に接着したことを特徴とする請求項2に記載の放電装置。
【請求項4】透光性を有する前面板と絶縁基板とを組み合わせて扁平状の密閉容器を構成し、上記前面板の内面に第1、第2の放電電極を設け、上記第1、第2の放電電極の表面を覆って第1の誘電体層を設け、上記絶縁基板の内面に蛍光体を塗布し、上記密閉容器の内部に放電ガスを封入した放電装置において、上記密閉容器の上記絶縁基板または上記前面板の内面の上記第1、第2の放電電極の間にかつ上記第1、第2の放電電極とほぼ平行方向にアース電極を設け、上記アース電極の表面を覆って第2の誘電体層を設けたことを特徴とする放電装置。
【請求項5】上記前面板に設けた上記アース電極の表面を覆う上記第2の誘電体層として透光性の材料からなるものを用いたことを特徴とする請求項4に記載の放電装置。
【請求項6】上記アース電極の幅を0.8mm以上にしたことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の放電装置。
【請求項7】上記アース電極を上記第1、第2の放電電極から8.5mm以上離して上記絶縁基板に設けたことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の放電装置。
【請求項8】上記アース電極を上記第1、第2の放電電極から20mm以上離して上記前面板に設けたことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の放電装置。
【請求項9】上記第1の誘電体層の表面に保護層を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の放電装置。
【請求項10】上記前面板に設けた上記アース電極として透明導電膜からなるものを用いたことを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の放電装置。
【請求項11】請求項2〜10のいずれかに記載の放電装置を用いて照明するように構成したことを特徴とする照明装置。
【請求項12】請求項2〜10のいずれかに記載の放電装置をバックライトとして用いたことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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