説明

教育リソースを推奨するシステム及び方法

【課題】学生の教育グループへのクラスタ化を推奨するためのレコメンダ・システムに向けられる。
【解決手段】レコメンダ・システムは、複数の制約条件に従って複数の現行学生を少なくとも2つの教育グループにクラスタ化する要求を受け取るための、一連のプログラム可能な命令を実行するためのプロセッサを含む。プロセッサは、さらに、複数の学生に対応する学生データにアクセスし、学生データは、複数の学生のそれぞれの学生に対応する、その学生に関する少なくとも1つの属性を記述する属性データを含む。プロセッサは、さらに、複数の現行学生を選択された数のクラスタにクラスタ化し、クラスタ化の結果をユーザに対して出力する。クラスタ化は、複数の現行学生のそれぞれの現行学生に対応する属性データの同質性と、複数の制約条件とに少なくとも基づく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、教育リソースを推奨するためのシステム及び方法に関する。具体的には、本開示は、教育リソースを推奨するために学生データにクラスタリング・アルゴリズムを適用することに関する。
【背景技術】
【0002】
学生をクラス別にグループ化すること、学生を特定の教育活動のためにグループ化すること、適切な教材を選択すること、学生を最適な教育支援にマッチングすること、学生のためにいつどの教育的介入を用いるべきかを判断することなどといった教育上の選択は、決定を行う教育者が容易に入手できるような情報に基づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第12/109,496号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、学生の教育グループへのクラスタ化を推奨するためのレコメンダ・システムに向けられる。レコメンダ・システムは、複数の制約条件に従って複数の現行学生を少なくとも2つの教育グループにクラスタ化する要求を受け取るための、一連のプログラム可能な命令を実行するためのプロセッサを含む。プロセッサは、さらに、複数の学生に対応する学生データにアクセスし、学生データは、複数の学生のそれぞれの学生に対応する、その学生に関する少なくとも1つの属性を記述する属性データを含む。プロセッサは、さらに、複数の現行学生を選択された数のクラスタにクラスタ化し、クラスタ化の結果をユーザに対して出力する。クラスタ化は、複数の現行学生のそれぞれの現行学生に対応する属性データの同質性と、複数の制約条件とに少なくとも基づく。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本開示による1つの例示的な教育レコメンダ・システムのブロック図である。
【図2】本開示による、1人又はそれ以上の現行学生のために用いるべき教育リソースを推奨するための、図1に示された教育レコメンダ・システムによって用いられる方法のフローチャートを示す。
【図3】本開示による、1人又はそれ以上の現行学生のために用いるべき教育リソースを推奨するための、図1に示された教育レコメンダ・システムによって用いられる方法のフローチャートを示す。
【図4】本開示による、学生のグループをクラスタにクラスタ化するための、図1に示された教育レコメンダ・システムによって用いられる方法のフローチャートを示す。
【図5】本開示による、個別学習活動のために学生をグループ化するため、及び用いるべき教材を推奨するための、図1に示された教育レコメンダ・システムによって用いられる方法のフローチャートを示す。
【図6】本開示による、個別学習活動のために学生をグループ化するため、及び用いるべき教材を推奨するための、図1に示された教育レコメンダ・システムによって用いられる方法のフローチャートを示す。
【図7】本開示による、協同学習活動のために学生をグループ化するため、及び用いるべき教材を推奨するための、図1に示された教育レコメンダ・システムによって用いられる方法のフローチャートを示す。
【図8】本開示による、協同学習活動のために学生をグループ化するため、及び用いるべき教材を推奨するための、図1に示された教育レコメンダ・システムによって用いられる方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
最初に図1を参照すると、本開示による1つの例示的な教育レコメンダ・システムが示され、これは、全体として教育レコメンダ・システム100と称される。
【0007】
レコメンダ・システム100は、データ・ストレージ設備104へのアクセス権を有するサーバ102を含む。少なくとも1つの多機能デバイス(MFD)106及び少なくとも1つのクライアント・コンピュータ・デバイス108が、レコメンデーションを要求するため、及びデータ・ストレージ設備104に格納されたデータを更新するために、ネットワーク110を介してサーバ102及びデータ・ストレージ設備104とデータ通信する。
【0008】
ネットワーク110は、インターネット、イントラネット、イーサネット(登録商標)、LAN、WAN、又は複数のデジタル・デバイス間にデータ通信を提供するためのその他の手段とすることができる。レコメンダ・システム100のいずれかのコンポーネント間のデータ通信を、有線又は無線であり得る直接接続によるものとすることができることもまた想定される。本例示において、ネットワーク110はインターネットである。
【0009】
サーバ102は、プロセッサ120、並びにデータ・ストレージ設備104、MFD106及び/又はクライアント・コンピュータ・デバイス108と直接又はネットワーク110を介して通信するために必要な全ての通信デバイスを有する、コンピュータ・デバイスである。サーバ102は、教育データを収集するサービスの提供及びクライアント・コンピュータ・デバイスへの教育的レコメンデーションの提供のためのソフトウェアを実行するコンピュータを含む。例えば、サーバ102は、ウェブ・サーバ、サーバ、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、パーソナル・コンピュータ、モバイル・コンピュータ・デバイスなどを含むことができる。サーバ102のプロセッサ120は、要求の処理及びレコメンデーションの提供のためのレコメンダ・ソフトウェア・モジュールを実行する。レコメンダ・ソフトウェア・モジュールの機能は、組み合わせて1つのモジュールとすることもでき、又は異なるモジュールの組み合わせの間で分散させることもできる。
【0010】
データ・ストレージ設備104は、サーバ102が要求されたレコメンデーションを作成するためにアクセスすることが必要な情報を格納するための、少なくとも1つの不揮発性ストレージ・デバイスを含む。この例では、データ・ストレージ設備104は、第1のストレージ・デバイス、学生データ倉庫140及び学習教材リポジトリ142を含む。データ・ストレージ設備104内のデータにアクセスするために必要な、データを検索し、データを操作し、データを格納することを含むソフトウェアは、サーバ102の中に含まれていてもよく、及び/又はデータ・ストレージ設備104の中に含まれていてもよい。サーバ102及びデータ・ストレージ設備104は、1つのコンポーネントとして構成されることもでき、又はデータ通信する別々のコンポーネントとして構成されることもできる。
【0011】
学生データ倉庫140は、複数の学生に関する学生データを格納する。学生データは、更新がほとんど必要ないか又は稀である、実質的に静的な、個人データのような各学生に関連する属性(例えば、在籍した学校、現在在籍している学校、生年月日、性別、地理的位置、社会経済学的情報、健康情報、学区、学年、教室など)と、動的であり頻繁に更新される可能性が高い経験データとを含む。
【0012】
学生データ倉庫140は、さらに、例えば、教師、専門家、及び/又は個別指導教官(チューター)などの複数の教育者の属性を記述する教育者データを格納することができる。このデータは、個人データ、及び教師の気質、授業スタイル、経験、上位者による評価などのような経験データを含むことができる。
【0013】
学生及び教育者についての経験データにおける属性の各々は、妥当な場合には、同質性(以下でさらに説明される)を判定する際の重み付けの目的で用いることができる、例えば1乃至10のスケールで表される、属性の強度を示す強度スコアに関連付けることができる。
【0014】
学習教材リポジトリ142は、教材データを含む。教材データは、例えば、物理的な教材(例えば、紙ベースの教科書、ワークシート、考査(assessment)、視覚表示(例えば、地図、グラフ)など)、及びデジタル教材(例えば、コンピュータ化された対話型授業プログラム、考査、ゲーム、視覚表示など)を含み、これらは、種々の難易度レベルで種々の技能及び/又は項目を教えるため用いられる。このような教材は、例えば、読み方、数学、理科、歴史、地理などのような学科を教え、考査するための教材を含むことができる。教材は、固定データ又は動的データを含むことができる。動的データを有する教材の一例は、以下でさらに説明される自然言語処理(NLP)を利用した教材である。教材データは、さらに、例えば、履修課程(カリキュラム)のセクション、単元、州の基準、推奨される教育指導方法などのような教育指導的教材属性を記述するデータを含む。
【0015】
教材データは、実際の教材を文書又はその他のデジタル・ファイルの形で含むこともでき、又は参考文献及び/又は教材へのリンクを含むこともできる。教材データはさらに、著者又は作成者、出版社、教育スタイル、長さ、難易度レベル、主題又は項目、対象としている技能、項目の多様性又は均質性の程度などのような、各々の教材又は教育法に関連付けられた属性を含む。一例において、属性又はその一部は、メタデータとして構成される。
【0016】
学生データ、教育者データ及び教材データは、全て検索可能であり、相互に関連付けられる。学生の考査データは、考査を受けた学生、用いられた教材、教材を教えた教育者にリンクされ又は関連付けられる。従って、成功のレベル(又は成功欠如のレベル)を学生属性、教育者属性及び教材属性に関連付けることが可能であり、この成功レベルは、総合レベル(総合点数に基づく)又は粒度(granular)レベル(考査の粒度データに基づく)を含むことができる。
【0017】
MFD106は、プリンタ・デバイス122、スキャナ・デバイス124、プロセッサ126、ユーザ・インターフェース(UI)128、並びにデータ・ストレージ設備104、サーバ102及び/又はクライアント・コンピュータ・デバイス108と直接又はネットワーク110を介して通信するために必要な全ての通信デバイスを含む。プリンタ・デバイス122、スキャナ124及びプロセッサ126は、統合して単一のハウジング内に格納することもでき、又は互いにインターフェースする別々のコンポーネントとすることもできる。プリンタ・デバイス122は、デジタル・コピー機、ゼログラフ印刷システム、インクジェット印刷システム、リプログラフィ印刷システム、製本機、ファクシミリ機などのような、いずれかの目的のためのマーキング出力機能を実行するあらゆるデバイス又はシステムを含む。マーキングの様式は、例えば、トナー、インク、染料などを基材などに付与することを含むことができる。基材は、紙、ボール紙、透明シート、紙の派生物などのような材料とすることができる。
【0018】
MFD106のスキャナ・デバイス124は、文書を画像化し、対応する画像データを生成するためのハードウェアを含む。画像データは、プロセッサ126と共に含まれるか又はプロセッサ126によりアクセス可能なストレージ・デバイスによって格納される。プロセッサ126は、画像データを処理するためのスキャナ・ソフトウェア・モジュールを実行する。プロセッサ126はさらに、考査文書に対応する画像データを処理し、画像データに含まれるどのマーキングが人間によるマーキングに対応するかを判断し、考査の回答を示す人間によるマーキングに対応した粒度考査データを生成するための、粒度考査データ生成モジュール(GADG)を実行する。プロセッサ126はさらに、プロセッサ126がサーバ102及び/又はデータ・ストレージ設備104と通信すること、UI128を介して入力を受け取り、かつユーザに対する出力を生成すること、以下でさらに説明されるような教育レコメンダ機能を提供するためにデータを処理することを可能にするための、教育レコメンダ・インターフェース(ERI)ソフトウェア・モジュールを実行する。
【0019】
UI128は、キーパッド、タッチパッド、タッチスクリーン又はそれらの均等物のようなユーザ入力デバイスと、インジケータ・ライト、表示スクリーンなどのような表示デバイスとを含む。UI128は、ユーザがそれを介して情報を入力し、かつ受け取ることができるグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を備えることができる。通信装置は、MFD106の中に統合されてもよく、又は独立したユニットとして設けてもよい。通信能力を提供することに加えて、通信デバイスは、例えば、停電又はネットワーク停止などの障害の場合にデータを保護する目的で、データをバッファに入れることができる。
【0020】
クライアント・コンピュータ・デバイス108は、プロセッサ130、UI132、データ・ストレージ設備104、並びにMFD106及び/又はサーバ102と直接又はネットワーク110を介して通信するために必要な全ての通信デバイスを有する、パーソナル・コンピュータ又はモバイル・コンピュータ・デバイスのようなコンピュータ・デバイスである。UI132は、キーボード、キーパッド、タッチパッド、マウス、タッチスクリーン又はそれらの均等物のようなユーザ入力デバイスと、インジケータ・ライト、表示スクリーンなどのような表示デバイスとを含む。UI132は、ユーザがそれを介して情報を入力し、かつ受け取ることができるグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を備えることができる。プロセッサ130は、プロセッサ130がサーバ102、データ・ストレージ設備104及び/又はMFD106と通信すること、UI132を介して入力を受け取り、かつユーザに対する出力を生成すること、並びに以下でさらに説明されるような教育レコメンダ機能を提供するためにデータを処理することを可能にするための、ERIソフトウェア・モジュールを実行する。プロセッサ130によって実行されるERIモジュールは、MFD106のプロセッサ126によって実行されるERIモジュールと比べて強化されたバージョンとすることができ、その両方が以下でより詳細に説明される。
【0021】
ERI及びGAGDモジュールを含むソフトウェア・モジュールの各々は、対応するプロセッサ126又は130が実行することが可能な一連のプログラム可能命令を含む。それぞれのソフトウェア・モジュールの機能を組み合わせて1つのモジュールとすることもでき、又は異なるモジュールの組み合わせの間で分散させることもできる。
【0022】
レコメンダ・システム100の動作をこれより説明する。サーバ102及びデータ・ストレージ設備104は、教育レコメンダ・サービス(ERS)プロバイダ150と呼ばれ、クライアント160にサービスを提供する。各クライアント160は、例えば、サービスに加入して、少なくとも1つのMFD106及び/又はコンピュータ・デバイス108上に必要なソフトウェアをロードすることなどによって、ERSプロバイダ150によって提供されるサービスへのアクセス権を得る。クライアント160は、教育レコメンデーションを求める要求を提出するために、又はデータ・ストレージ設備104に格納すべきデータを提出するために、サービスにアクセスすることができる。データ・ストレージ設備104内のデータは、時間が経つにつれて、学習教材及び非クライアントの学生についての属性(例えば研究に基づくもの)を格納することができるサービス管理者によって蓄積されるのはもちろんのこと、クライアント160が、学習教材、及びそのクライアント160が代表する学生についてのデータを提出することによっても蓄積される。データは、メタデータ、ラベル、他のデータ・フィールドなどに関連付けられるので、カテゴリー化することができ、必要時に検索することができる。従って、データ・ストレージ設備104は、開始時には比較的少量のデータしか保有していないかもしれないが、時間が経つにつれて大量のデータを蓄積する。
【0023】
クライアント160は、クライアント・コンピュータ・デバイス108又はMFD106のいずれかを介して、データをデータ・ストレージ設備104に提出する。サービスに加入することに加えて、クライアント160は、自分が代表する学生についてのデータをローカルに、例えばローカル・データベース上に格納することもでき、又はデータ格納についてERSプロバイダ150に部分的に又は全面的に頼ることもできる。クライアント160は、学習教材又は学生データ(これは学生属性データを含み、関連付けられたメタデータをさらに含むこともできる)を受け取るか又は生成すると、そのデータを格納のためにERSプロバイダ150に提出する。クライアント160のMFD106は、スキャナ取り込みされた文書の形で入力を受け取り、RSプロバイダ150に提供される対応する出力を生成する。出力は、.pdf形式又は.tff形式のような画像データとすることもでき、又は別の形式に変換することもでき、例えば光学式文字認識(OCR)によって、.doc又は.wpdのようなテキスト形式にすることができる。
【0024】
MFD106は、さらに、自身のGADGモジュールを用いて考査文書を処理し、対応する考査データを生成する。共に2008年12月19日付で本出願と同時に出願された、共にDeYoung他による、全て「AUTOMATIC EDUCATIONAL ASSESSMENT SERVICE」という名称の米国特許出願第12/237,692号及び2つの付加的な特許出願は全て、考査文書を処理し、考査データを生成するためのシステム及び方法を記載する。考査文書は、考査される学生又は学生を考査する教師によってマークされる答案用紙であり、試験又は考査に対応する。答案用紙は、データ・ストレージ設備104によって原本が提供され、MFD106によって印刷することができる。
【0025】
考査又は試験は学生に対して実施され、答案用紙は、学生によって、又は考査を実施する教師によって学生の回答に従ってマークされる。考査は複数の質問を含むことができ、各質問に対応する回答入力領域を含む。読み方において学習された流暢さを試験するために年少の学生に与えられる考査の一例は、教師が、種々の文字を含む視力検査表と似たチャートを学生に示し、学生に各文字を読むように指示する考査である。教師は各文字にマークを記し、マークは早さ及び/又は正確さを示す。
【0026】
従って、教育者又は学生が記入した学生の回答(又は成績)に対応するマークは、適切な回答入力領域に記入される。マークが記入された考査をスキャナ取り込みするMFD106に対して、マークが記入されていないバージョンの考査のテンプレートがデータ・ストレージ設備104から提供される。MFD106は、マークが記入された考査をマークが記入されていないテンプレートと比較することによってマークが記入された考査からマーキングを抽出するために、GADGモジュールを実行する。各回答入力領域に対応する抽出されたマーキングが、学生が生成した回答である。
【0027】
抽出されたマーキング・データは、MFD106、クライアント・コンピュータ・デバイス108又はサーバ102のいずれかによって、抽出されたマーキング・データをデータ・ストレージ設備104によって提供される実施された考査に対応する注釈データと比較することによって処理される。比較の結果は、実施された考査の中の各質問に対する学生の成績を示す粒度考査データである。特定の質問に対する学生の成績の指標は、学生がその質問に正答したか誤答したかを示すことができ、さらに、その学生が犯した誤りのタイプを示すことができる。粒度考査データは、格納され、考査を受けた学生及び用いられた特定の考査と関連付けられる。さらに、粒度考査データは、考査を受けた学生にその主題を教えることに関与した教育リソースに関連付けられる。粒度考査データは、さらに、その粒度考査データを生成するために用いられた考査の範囲に入る主題に関する格納されたその他のエンティティ、例えば、考査を実施した教育者、及び/又は考査の主題を範囲に含む履修課程のセクション、単元又は州基準に関連付けることができる。単一の総点数ではなく粒度考査データを提供することで、考査により、例えば特定の学業的弱点を特定するために、誤りのパターンを特定することができる。
【0028】
粒度考査データの説明を、MFD106を介して粒度考査データを収集することに関して記載してきたが、粒度考査データは、どのようなソースによってサーバ102及び/又はデータ・ストレージ設備104に提供することもできる。ソースにかかわりなく、粒度考査データは学生に対して実施された考査の結果を含み、この考査は現行の学生を考査するための複数の質問を含み、粒度考査データは複数の質問のそれぞれの質問の各々についての独立した評価を含む。
【0029】
これより、図2及び図3を参照して、サービス・プロバイダ150による、少なくとも1人の現行学生からなるグループのための教育レコメンデーションを求める要求の処理を説明する。ステップ202において、サーバ102は、現行学生に関連付けられた1つ又はそれ以上の学生属性に基づく、1人又はそれ以上の現行学生に用いるための教育リソースについてのレコメンデーションを求める要求を受け取る。教育リソースは、行動(アクション)(例えば、現行学生のグループ化の仕方)、指導方法(例えば、現行学生に実施する履修課程)、教材(例えば、現行学生に対して用いる教科書)、又は教育者(現行学生又はそのグループに割り当てる教師又は個別指導教官)などであり得る。教育リソースの例は、教育活動のため又は現行学生を特定の教師又は個別指導教官に割り当てるために現行学生をグループにクラスタ化すること、学力又は学習内容における不足箇所といった学生のリスクファクタを特定すること、及び使用すべき学習教材又は教育者を提案することを含む。
【0030】
ステップ204において、サーバ102は、データ・ストレージ設備104にアクセスする。随意的なステップ206において、サーバ102は、複数の先行学生を含む先行学生グループを決定する。先行グループは、現行学生のグループと同様の教育段階にある又はあった学生を含む(例えば、同学年である、そのレコメンデーションに関連する特定の試験又は学科課程を受講した、など)。先行グループは、複数の現行学生と比較した同質性を判定することにより選択することができる(同質性の判定の詳細な説明に関しては以下を参照のこと)。先行グループを、そのグループの中で選択された成功度を達成した学生、例えば、特定の考査に関して閾値の点数を上回る点数(又は下回る点数、この場合は成功の欠如を示す)を取った学生を含むように絞り込むことなどのように、選択制約条件で指定される選択された基準に基づいてさらに選択することができる。選択制約条件は、管理者が設定することもでき、又はユーザが提出した要求において指定することもできる。あるいは、先行グループは、その学生に関連付けられた学生データがデータ・ストレージ設備104に格納されている全て又は大部分の学生を含むことができる。
【0031】
ステップ208において、サーバ102は、先行学生又は現行学生のいずれかを少なくとも2つのクラスタにクラスタ化するためのクラスタリング・アルゴリズムを実行し、ここで、2人又はそれ以上の学生が、彼らに関連付けられた少なくとも1つの属性のうちの少なくとも1つの選択された属性の同質性に基づいてクラスタ化される。同質性に基づくクラスタ化を想像し、知覚する1つの方法は、多次元空間の各次元が1つの属性に対応しているような多次元空間を想定することである。各学生は多次元空間内の概念上の位置に関連付けられ、その位置はその学生の学生属性のうちの選択された属性によって定義される。2人の学生の同質性の判定は、その2人の学生に関係付けられた位置間の関係に基づく。2人又はそれ以上の学生が同質性の基準を満たすと判定された場合、彼らはクラスタ化される。クラスタ化されると、少なくとも2つのクラスタのうちの各クラスタ内のそれぞれの学生に関連付けられた少なくとも1つの選択された属性は、多次元空間内に概念上の領域を定義する。
【0032】
位置間の関係の1つのタイプは近さであり、この場合、2人の学生は、それぞれの位置が選択された近さの条件を満たした場合にクラスタ化される。近さの程度及び近さを判定する手法は、クラスタ制約条件又はデフォルト値により定義される。
【0033】
上記のように、同質性は、少なくとも1つの学生属性の組み合わせに基づく、比較される学生間の類似度の程度を指す。学生間の類似度の程度を判定するために、異なる学生属性に異なる重み付けを行うことができる。クラスタリング・アルゴリズムは、「同質性」に基づくものであり、それは選択された学生属性(例えば、1つ又はそれ以上の学生属性)における類似度を有する学生を一緒にグループ化することを含み、さらに、各クラスタの間でのそれらの属性における違いを、例えば各クラスタの平均学生の属性間の差異を最大化することなどによって、最大化することを含むことができる。クラスタリング・アルゴリズムは階層型又は非階層型の方法を用いることができ、それらの全てが本開示の範囲内である。
【0034】
この例において、クラスタリング・アルゴリズムは、特許文献1で用いられている大規模クラスタリング・アルゴリズムのような、統計的クラスタリング・アルゴリズムである。当業者に周知のように、潜在的意味インデキシング(Latent Semantic Indexing)、k平均クラスタリング、期待値最大化(expectation maximization)クラスタリングのような、クラスタ化のために有用な他の統計的クラスタリング・アルゴリズム又はアルゴリズムのクラスもまた、本開示の範囲内である。特許文献1において、クラスタ化されるエンティティ間の類似度を符号化する疎な類似度行列を計算し、その後、類似度行列に対して非負の因数分解を実行して、ソフト・クラスタ割当て(soft cluster assignment)が生成される。
【0035】
クラスタリング・アルゴリズムは、解かれる問題のタイプに応じて、疎又は密な類似度行列上で動作することができる。大規模なクラスタリング問題(例えば、ある年に全国試験を受けた全米の学生についてのデータを用いる場合などのような、数千人を越える先行又は現行学生)については、密な行列はメモリ及び計算コストの点で管理が困難であることから、疎な類似度行列が有用である。より小さな先行又は現行学生のグループが関与するクラスタリング問題(例えば、現行学生を次の年のクラスに割り当てること)については、密な行列が有用なことがある。
【0036】
クラスタリング・アルゴリズムは、種々の非負の行列の因数分解法を用いることができる。例えば、確率的潜在意味分析(PLSA:probabilistic latent semantic analysis)は、例えば、ある2人の学生が次の年に同じクラスに入るべき又は入るべきでないという事実などの制約条件をクラスタリングに容易に含めることができるので、学生クラスタリング問題に特に適している。
【0037】
ステップ210において、サーバ102は、クラスタ化されなかった学生をクラスタ化された学生に対してマッピングすることにより、ステップ208において形成されたクラスタに対するマッピングを行う。ステップ208において先行学生がクラスタ化された場合は、現行学生がクラスタにマッピングされる。同様に、ステップ208において現行学生がクラスタ化された場合は、先行学生がクラスタにマッピングされる。
【0038】
マッピングは、クラスタ内の学生の特定の学生属性と比較した、マッピングされるそれぞれの学生の特定の学生属性の同質性の程度に基づく。クラスタリング・ステップにおいて同質性を判定するための方法と同じ方法を、マッピングの際の同質性の判定に用いることができる。学生とクラスタは、学生に関連付けられた位置とクラスタに関連付けられた領域との間の関係がマッピング制約条件で与えられた選択された条件を満たす場合にマッピングされる
【0039】
マッピング制約条件は、学生をクラスタに対してマッピングするため、又はクラスタを学生に対してマッピングするために満たされなければならない関係及び条件を示す。マッピング制約条件は、クラスタリング制約条件と同じであってもよい。例えば、マッピング制約条件は、学生が、その学生に関連付けられた位置を含む又はその位置に最も近い領域にマッピングされることを指示するものとすることができる。最も近いことの判定は、領域の中心又は領域の平均位置に基づくことができる。この条件は、学生を先行学生に関連付けられた領域(又は位置)にマッピングするために満たさなければならない近さの程度(例えば、予め選択された距離)である。あるいは、近さの判定は、領域の境界又は領域の何らかの他の特徴に基づくものとすることができる。クラスタが重複する場合には、マッピング制約条件は、学生の位置が2つ又はそれ以上のクラスタに関連付けられた重複領域内に位置する場合に、その学生をどの領域にマッピングするか判定するための優先順位スキーム又は他の因子を含むことができる。マッピング制約条件は、ユーザが結果に満足するまで、ユーザによって対話型の手法で調整することができる。
マッピングに用いられるアルゴリズムは、クラスタリング・アルゴリズムに従って行われるべきである。
【0040】
マッピングに関与する先行学生は、成功制約条件により指定された成功の尺度を示す成績のレベルに基づいて選択された、先行の学生である。成功は何らかの評価尺度により示され、成功制約条件に従って、学科、学科のサブセット、行動機能、感情機能(例えば、満足)などにおける成功を示すことができる。成功制約条件は、要求に含まれるか、又は管理者若しくはデフォルト値により決定される。成功制約条件は、ユーザが結果に満足するまで、ユーザによって対話型の手法で調整することができる。成功制約条件は、例えば、学業領域、行動領域又は感情領域における成功の達成に基づいて、クラスタリング及び/又はマッピング・ステップに含まれることになる先行学生を選択するか否か、及び/又はいつ選択するかを指定することができる。
【0041】
指定される成功度の閾値は低いものであってもよく、成功制約条件は、選択される先行学生が指定された閾値を下回る成功度を示したことに基づいて選択されることを指定するものであってもよい。これは、類似の学生に対して不成功であることが証明された教育リソースを特定及び/又は排除するためなど、種々の目的のために用いることができる。ステップ212において、現行学生の各々を、その現行学生がマッピングされた先行学生又は先行学生のクラスタに関連付けられたリソースに相関させる。ステップ208において先行学生がクラスタ化され、ステップ210において現行学生がクラスタに対してマッピングされる場合、現行の学生を、クラスタ内の学生によって用いられた1つより多くの教育リソースに相関させることができ、教育リソースはクラスタ内の学生によって達成された成功度に基づいてランク付けされている。ステップ208において現行学生がクラスタ化され、ステップ210において先行学生がマッピングされる場合、クラスタ内の各学生を、そのクラスタにマッピングされた先行学生に関連付けられた教育リソースに相関させ、もしマッピングの段階でランク付けが成されていた場合には、相関は、先行学生のランキングを指定することができる。
【0042】
ステップ214において、サーバは、要求に応答した教育レコメンデーションを生成する。教育レコメンデーションは、少なくとも1人の現行学生のうちの各々の現行学生にその学生と相関する1つ又はそれ以上の判定された教育リソースを使用することを薦めるレコメンデーションを含む。ステップ216において、レコメンデーションはユーザに伝達される。ステップ218において、サーバ102は、ユーザからフィードバックを受け取り、そのフィードバックがレコメンデーションの容認又は要求の調整のどちらを含むかを判定する。
【0043】
ユーザは、クライアント側160から、MFD又はクライアント・コンピュータ・デバイス108のどちらかを介して、対応するUI128又は132を操作することによってフィードバックを提出する。UI128又は132は、ユーザが、学生属性に関連付けられた制約条件及び重み並びに現行の要求に含まれる重みを目で見て調整することによって要求を調整することを可能にする、GUIを含むことができる。
【0044】
現行の要求は調整された要求で置換されるが、元の要求の調整された全てのバージョンにユーザがアクセス可能であり得ることに留意されたい。ユーザが要求を調整することを選択すると、制御はステップ220に渡る。ステップ220において、要求に対する調整が受け取られる。ステップ222において、ステップ220において受け取られた要求基準に対する調整が先行グループから学生を選択することについての基準を含むかどうかの判定が行われる。含む場合には、制御は、先行グループから選択するためのステップ206に渡され、含まない場合には、制御は、選択された先行グループをクラスタ化するためのステップ208に渡される。ユーザがレコメンデーションを容認した場合には、プロシージャは終了し、サーバは別の要求を受け取るために待機する。
【0045】
従って、レコメンデーション・プロセスは対話型であり、ユーザが制約条件及び制約条件の重みなどに対する調整を行うこと、及び結果を見ることを可能にする。ユーザは、対話プロセスのそれぞれの反復の間に生成される結果の各々から、ユーザが最良であると考える一組の結果(例えば、学生のグループ化及び/又は使用すべき学習教材に関する教育レコメンデーション)を選択することができる。
【0046】
調整可能な制約条件及びそれに関連付けられた重みは、クラスタリングと、マッピングと、クラスタリング及びマッピングの実施対象となる学生の選択とが行われる方法を制御する。制約条件及び関連付けられた重みの各々の初期値及び調整後の値が選択される。この意味での「選択される」という用語は、ユーザによる選択、アルゴリズムの実行に基づく場合を含み得る、プロセッサによる選択、又はデフォルト値(例えば、製造業者又は管理者により設定されたもの)に従う選択のことを表す。
【0047】
これより、図4を参照して、サービス・プロバイダ150による、少なくとも1人の現行の学生のグループのための教育レコメンデーションを求める要求の処理の別の例を説明する。ステップ402において、サーバ102は、複数のクラスタリング制約条件に基づいて現行学生のグループを選択された数のクラスタにクラスタ化するためのレコメンデーションを求める要求を受け取る。このような要求は、例えば来年度の学生のためのクラス配置(これは、教師及び/又は学生を特定のクラスに割り当てることを含み得る)を行う管理者によって用いられることができ、又は、例えば教科(例えば、読み方又は数学)をより小さなグループで教えるため、又はグループ活動若しくはプロジェクトを実施するために、1つのクラスを個別のグループに分割するために教育者によって用いられることができる。
【0048】
要求は、現行学生のグループを特定し、要求されるレコメンデーションのタイプ(例えば、教室及び/又は割当て、各グループが用いるべき教材についての要求を含む又含まない、グループ活動の割当て)、形成されるべきクラスタの選択された数、及びクラスタリング制約条件を指定する。クラスタリング制約条件は、ロジスティクス制約条件、現行学生属性制約条件、及び/又は教育リソース制約条件を含む。要求は、さらに、クラスタリング制約条件の各々に付加される重みを含んでもよい。重みが付加されない場合は、クラスタリング・プロセス中はデフォルトの重みが用いられることになる。
【0049】
ステップ404において、サーバ102は、データ・ストレージ設備104にアクセスし、現行学生に関する属性にアクセスする。要求が教育リソースについての属性を指定していた場合は、サーバは、要求において指定された属性に最も類似した又は最も近い属性を有する教育リソースを選択し、選択された教育リソースを、クラスタリングを実施するために用いる。要求が教育リソースを指定しているが、その要求において指定された教育リソースに関するデータがデータ・ストレージ設備104に格納されていない(又は十分なデータが格納されていない)とサーバが判断した場合には、サーバ102は、要求において指定された教育リソースに最も密接にマッチする代理の教育リソースを選択する。代理は、その代理の属性、及び要求において指定された教育リソースの属性に基づいて選択される。教育リソースの属性は、要求の中で指定されてもよく、又はデータ・ストレージ設備104内で指定された教育リソースに関するデータが入手できないことを発見したときにサーバ102がユーザに属性を提供することを促してもよい。
【0050】
別の状況において、サーバ102は、データ・ストレージ設備104において入手できる指定された教育リソースの成功に関するデータが不十分である(データが非常に少ない又はデータが存在しない)と判断した場合に、十分なデータ又は大量のデータがデータ・ストレージ設備104に格納されている教育リソースを代理と機能させるために選択することができる。代理を選択するための基準は、管理者によって選択されてもよく、又は要求の中で指定されてもよい。要求が最初に提出された後で代理の必要性が判断された場合には、ユーザに代理を選択するための基準を提供するように促してもよい。最初の要求を提出した後に入力促進(プロンプト)を通じてユーザによって提出された情報は、この例の目的については、要求に含まれているものと見なすことができる。
【0051】
ステップ406において、サーバ102は、クラスタリング制約条件に基づいて現行学生のグループを選択された数のクラスタ(例えば、少なくとも2つのクラスタ)にクラスタ化するためのクラスタリング・アルゴリズムを実行する。従って、クラスタ化は、学生属性、例えば学生属性制約条件において指定された学生属性の同質性に基づき、さらに、要求において指定されたロジスティック制約条件を満たす。クラスタ化されている現行学生の各々は、学生属性制約条件において指定された学生属性により定義された次元を有する多次元空間内の位置に関連付けられる。クラスタ化は、図2及び図3に関して説明されたように、選択可能な重み付けされたクラスタリング制約条件に従って、互いにその関係が選択された条件を満たす位置を有する現行学生をクラスタ化することを含む。
【0052】
サーバ102は、要求においてマッチング制約条件として与えられた学生とリソースとをマッチングするための基準(又は、何も指定されていない場合はマッチングのためのデフォルト基準)に基づいて、現行学生の各クラスタの属性をそれぞれの教育リソース又は関連付けられた代理の属性に対してマッチングする。現行学生の各クラスタは、最も良好にマッチした教育リソースに対してマッピングされる。現行学生の各クラスタに対してマッピングされた教育リソースが、現行学生のそのクラスタに対して推奨される。
【0053】
要求が、ある教育リソースの使用に関する成功についての履歴情報を用いる要求を含む場合には、データ・ストレージ設備は、先行学生のデータを検討して、それぞれの特定された教育リソースを経験したことのある学生を探す。先行学生のデータは、選択制約条件(これは、要求の中で提供されるか又は管理者によって選択されるかのいずれかである)に基づいて絞り込むことができる。
【0054】
より具体的には、この例において、要求の中で特定された各教育リソースの分析は、例えば成功制約条件(これは、要求の中で提供されるか又は管理者によって選択されるかのいずれかである)において指定される何らかの予め選択された閾値レベルに従い、例えば考査データによって示されるような、その教育リソース又は関連付けられた代理を用いて成功した(又は不成功だった)先行学生を全て選択することにより実施される。先行学生は、比較的高い閾値を上回ることにより示される成功した成績、又は比較的低い閾値を下回ることにより示される不成功の成績に基づいて選択することができる。
【0055】
選択された先行学生は、クラスタリング制約条件に基づいて、要求において指定された数のクラスタにクラスタ化される。クラスタ化は、現行学生のクラスタ化に用いられたものと同じ学生属性の同質性に基づく。現行学生のクラスタは、現行学生及び先行学生のクラスタ化に用いられたものと同じ学生属性の同質性に基づいて、マッピング制約条件に従って、先行の学生クラスタに対してマッピングされる。現行学生の各クラスタを、その現行学生のクラスタがマッピングされた先行の学生クラスタによって成功裡に用いられた教育リソースに相関(又は代理に教育上、対応)させる。
【0056】
ステップ408において、クラスタ化の結果に基づいて、要求に応答したレコメンデーションが生成される。レコメンデーションは、現行学生によって形成されるクラスタを含む。レコメンデーションは、さらに、各クラスタと相関する教材を含むことができる。ステップ410において、レコメンデーションは、現行の学生をステップ406において生成されたクラスタにクラスタ化するために、ユーザに伝達される。
【0057】
ステップ412において、サーバ102は、ユーザからのフィードバックを待ち、フィードバックがレコメンデーションの容認又は要求の調整のどちらを含むかを判定する。ユーザは、クライアント側160からMFD又はクライアント・コンピュータ・デバイス108のどちらかを介して、対応するUI128又は132を操作すること、例えば、学生属性に関連付けられた制約条件及び重み、並びに要求に含まれる制約条件を調整することによってフィードバックを提出する。調整可能な制約条件は、クラスタリング制約条件、マッピング制約条件、選択制約条件、成功制約条件、学生とリソースとをマッチングするための基準などを含む。さらに、制約条件を外すこと又は追加することができる。現行の要求は調整された要求で置換されるが、元の要求の調整された全てのバージョンにユーザがアクセス可能であり得ることに留意されたい。
【0058】
ユーザが要求を調整することを選択した場合には、制御はステップ414に渡る。ステップ414において、サーバ102は、要求に対する調整を受け取り、その後、制御は現行学生をクラスタ化するためのステップ408に渡される。ユーザがレコメンデーションを容認した場合には、ステップ416においてプロシージャは終了し、サーバ102は、別の要求を受け取るために待機する。
【0059】
従って、レコメンデーション・プロセスは対話型であり、ユーザが、制約条件及び制約条件の重みなどに対する調整を行うこと、及び結果を見ることを可能にする。ユーザは、対話プロセスのそれぞれの反復の間に生成される結果の各々から、ユーザが最良であると考える一組の結果(例えば、学生のグループ化及び/又は使用すべき学習教材に関する教育レコメンデーション)を選択することができる。
【0060】
制約条件及びそれに関連付けられた重みは、クラスタリングと、マッピングと、クラスタリング及びマッピングの実施対象となる学生の選択とが行われる方法を制御する。制約条件及び関連付けられた重みの各々の初期値及び調整後の値が選択される。この意味での「選択される」という用語は、ユーザによる選択、アルゴリズムの実行に基づく場合を含み得る、プロセッサによる選択、又はデフォルト値(例えば、製造業者又は管理者により設定されたもの)に従う選択のことを表す。本出願の全体を通じて、「予め選択される」という用語は、ここで説明した「選択される」と同じ意味を有する。
【符号の説明】
【0061】
100:教育レコメンダ・システム
102:サーバ
104:データ・ストレージ設備
106:多機能デバイス
108:クライアント・コンピュータ・デバイス
110:ネットワーク
120、126、130:プロセッサ
122:印刷デバイス
124:スキャナ・デバイス
128、132:ユーザ・インターフェース
140:学生データ倉庫
142:学習教材リポジトリ
150:教育レコメンダ・サービス・プロバイダ
160:クライアント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
学生の教育グループへのクラスタ化を推奨するためのレコメンダ・システムであって、
複数の制約条件に従い、複数の現行学生を選択された数の教育グループにクラスタ化する要求を受け取り、前記選択された数は少なくとも2であり、
複数の学生に対応する学生データにアクセスし、前記学生データは、前記複数の学生のそれぞれの学生に対応する、前記学生に関する少なくとも1つの属性を記述する属性データを含み、
前記複数の現行学生のそれぞれの現行学生に対応する前記属性データの同質性と複数の制約条件とに少なくとも基づいて、前記複数の現行学生を選択された数のクラスタにクラスタ化し、
前記クラスタ化の結果をユーザに対して出力するための、
一連のプログラム可能命令を実行するためのプロセッサを含むことを特徴とするレコメンダ・システム。
【請求項2】
前記それぞれの学生の各々に対応する前記少なくとも1つの学生属性は、その次元の各々がそれぞれの属性に関連する多次元空間内の位置を定義し、前記少なくとも1つの学生属性のうちの選択された属性は各々、前記多次元空間のそれぞれの次元に関連付けられ、前記属性データの同質性に基づく前記クラスタ化は、前記それぞれの現行学生に関連付けられた前記位置間の関係に基づいてクラスタ化することを含むことを特徴とする請求項1に記載のレコメンダ・システム。
【請求項3】
前記複数の学生の各学生は、前記学生についての粒度考査データを符号化するD次元ベクトルに関連付けられ、前記ベクトルは、D個のそれぞれの質問に対する各回答の評価を示す値を含み、前記D個の質問の各質問に関する前記値は、正答については+1、誤答については−1であり、
前記クラスタ化は、関連付けられたベクトルuを有する第1の学生と、関連付けられたベクトルvを有する第2の学生との同質性を判定し、前記u及び前記vに式を適用することとを含むことを特徴とする請求項1に記載のレコメンダ・システム。
【請求項4】
学生の教育グループへのクラスタ化を推奨するための方法であって、
複数の制約条件に従い、複数の現行学生に関する行動計画を推奨することを求める要求を受け取り、
前記複数の現行学生に対応する学生データを格納するコンピュータ・データベースにアクセスし、前記学生データは、前記複数の現行学生のそれぞれの学生に対応する、前記それぞれの学生に関する少なくとも1つの属性を記述するための属性データを含み、
前記複数の現行学生のそれぞれの現行学生に対応する前記属性データの同質性と複数の制約条件とに少なくとも基づいて、コンピュータ・プロセスで、前記複数の現行学生を選択された数のクラスタにクラスタ化し、
前記クラスタ化の結果をユーザに対して出力するステップ
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−146561(P2010−146561A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282561(P2009−282561)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【出願人】(504407000)パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】