説明

数字ボタン早押しゲーム装置

【課題】反射神経のみならず思考力および計算力を短時間の間に訓練することができ、熟練度に合わせて難易度も変化させられる数字ボタン早押しゲーム装置を提供する。
【解決手段】5×5個の数字ボタンをランダムに配置して目標数字をクリアさせるゲームにおいて、目標数字と一致する数字ボタンを配置する場合の他に、合計することで目標数字になる複数の数字ボタンも含めるようにし、目標数字のクリアに用いた数字ボタンを画面上から消滅させるようにして、より短い時間で多くの数字ボタンをクリアさせることを競うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提示された条件にしたがって画面を指先でタッチするゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
ランダムに数字ボタンがマトリクス状に表示された画面上を数字ボタンの序列順に指先でタッチしてゆき、その数字ボタンが正しい順序でタッチされた場合には当該数字ボタンを画面上から消滅させて、全ての数字ボタンを押し終えると一面クリアとし、このクリアの速さを競うゲームが知られている。具体的には、マトリクス状にランダムに配置された数字ボタンを「1」→「2」→「3」→「4」→「5」・・・というようにタッチするものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような序列順タッチ形式のゲームでは、次にタッチしなければならない数字ボタンが排他的でであった。たとえば、「1」の次は必ず「2」をタッチしなければならず、その次は必ず「3」をタッチしなければ正解にならなかった。
【0004】
そのために、単に反射神経を競うだけのゲームとなってしまい、ゲームが単調になってしまい面白みのないものとなってしまっていた。また、タッチ画面が3〜4インチ程度の小さな画面では前記数字ボタンの表示個数にも限界があり、熟練度が高まるにしたがってゲームクリアが容易になってしまい、熟練度の高いユーザを当該ゲームにつなぎ止めておくことが困難だった。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、反射神経のみならず思考力および計算力を短時間の間に訓練することができ、熟練度に合わせて難易度も変化させられる数字ボタン早押しゲーム装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明の請求項1は、表示装置を兼ねたタッチ画面と、前記タッチ画面上のマトリクス状に区画された複数領域のそれぞれにランダムに数字ボタンを配置するとともに、前記複数領域の外部に目標数字を表示する表示制御手段と、ユーザの指先によるタッチ位置から前記数字ボタンの入力を認識して、前記数字ボタンに関連付けられた数値が前記目標数字と一致するとき、または2以上の数字ボタンがタッチされたときに当該数字ボタン毎に関連付けられた数値の合計値が前記目標数字と一致するときには、前記数字ボタンのタッチを正解として、前記表示制御手段に対して前記タッチされた数字ボタンを前記タッチ画面上から消滅させるゲーム判定手段と、前記ゲーム開始から前記タッチ画面上の全ての数字ボタンが消滅した時間を計測する計測手段と、前記計測手段による計測結果を前記表示制御手段によって前記タッチ画面上に表示させる数字ボタン早押しゲーム装置である。
【0007】
ここで、ゲーム装置としては数インチの静電容量型または感圧型のタッチパネル画面を備えたスマートホン、タブレット型パソコンを用いることができる。
【0008】
上記によれば、タッチ画面上に表示された目標数字に対する正解の数字ボタンは排他的でなく、たとえば目標数字が「5」である場合、数字ボタンの「5」を直接タッチしてもよいし、合計値が目標数値となる「2」と「3」を同時または順次タッチしてもよく、目標数値に対する数字ボタンの組み合わせ数を制御することによってゲームの難易度を変化させることもできる。
【0009】
したがって、表示する数字ボタンの数に制約がある3〜4インチ程度のスマートホンの小さなタッチ画面でも、目標数値に対して熟練度に合わせた難易度の数字の組み合わせを表示させることで、熟練度の高いユーザを飽きさせないゲームとすることができる。
【0010】
本発明の請求項2は、前記タッチ画面上にマトリクス状に配置された数字ボタンは、5×5個であることを特徴とする請求項1記載の数字ボタン早押しゲーム装置である。
【0011】
この数字ボタンは、1〜5の数字が表示され、また目標数字は、未だ消滅していないボタンのうちランダムで6個以内を抽出した合計となる。
【0012】
このように数字ボタンに表示される数字の範囲を1〜5、目標数字の抽出数を6個以内としたのは、スマートホン利用シーンを想定し、短時間でより楽しく遊べるのに最適な範囲および個数であることが本発明者らの実験により明らかになった。
【0013】
具体的には、数字ボタンに表示される数字の範囲を1〜5、1〜6、1〜7、1〜9、目標数字の抽出数を5個、6個の、8通りの組み合わせとなるスマートホンを用意して、被験者18人に対してゲームプレイを行ったところ、数字ボタンに表示される数字の範囲が1〜5、目標数字の抽出数が6個以内の場合が、最も飽きずにプレイできることがわかった。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、反射神経のみならず思考力および計算力を短時間の間に訓練することができ、熟練度に合わせて難易度も変化させられる数字ボタン早押しゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本ゲームがインストールされるスマートホン(ゲーム装置)の外観図
【図2】本ゲーム装置のハードウエアブロック図
【図3】ゲーム進行中のタッチパネル画面の表示例(1)
【図4】ゲーム進行中のタッチパネル画面の表示例(2)
【図5】ゲーム進行中のタッチパネル画面の表示例(3)
【図6】ゲーム進行中のタッチパネル画面の表示例(4)
【図7】ゲーム進行中のタッチパネル画面の表示例(5)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を図に基づいて説明する。
図1は、本ゲームがインストールされるスマートホン(ゲーム装置)の外観図である。
このゲーム装置は、Android端末(グーグル社の商標)、iPhone(アイホン社より許諾を受けたアップル社の商標)、Windows Phone(マイクロソフト社の商標)の端末を用いることができる。
【0017】
当該スマートホン(SMP)はその上面の殆どの領域を形成するタッチパネル(TP)と、前記タッチパネル(TP)の下部に設けられたボタン(BT)類で構成されている。これらのボタンは物理的なスイッチ機構を備えたボタンであり、メニューボタン、ホームボタン、リターンボタン等の機能が割り当てられている。
【0018】
図2は、本スマートホン(ゲーム装置)のハードウエアブロック図である。同図に示すように、表示制御手段、ゲーム判定手段および計測手段として機能する中央処理装置(CPU)およびメインメモリ(MM)を中心にバス(BUS)で接続されたフラッシュメモリ(FM)および前述のタッチパネル(TP)を備えている。
【0019】
フラッシュメモリ(FM)内には、オペレーティングシステム(OS)とともにアプリケーションプログラム(APL)がインストールされている。このアプリケーションプログラム(APL)は、本スマートホン(SMP)をゲーム装置として機能させるためのプログラムであり、通信インターフェース(通信IF)を介してネットワーク上のサーバからダウンロードされる。
【0020】
フラッシュメモリ(FM)内にはさらにユーザの個人情報が登録されるユーザデータ(PDATA)と前記タッチパネル(TP)に表示される数字ボタン等の画像データ(IDATA)が格納されている。
【0021】
中央処理装置(CPU)は、前記フラッシュメモリ(FM)より前記アプリケーションプログラム(APL)を読み出して、バス(BUS)およびメインメモリ(MM)を介して順次実行処理することによって、当該スマートホン(SMP)がゲーム装置として機能する。
【0022】
以上のハードウエア構成を前提に、図3〜図7を用いて前記アプリケーションプログラム(APL)によって実行されるゲーム手順の詳細を説明する。
中央処理装置(CPU)は、前記アプリケーションプログラム(APL)にしたがってタッチパネル(TP)上でユーザがゲーム開始(図示しないSTART表示をタッチすることによる)を指示すると、第1画面として図3に示すような目標数字「2」、マトリクス状にランダムに配置された5×5個の数字ボタンを表示する。
【0023】
左上のメニューボタン(menu)はゲームを終了するボタンであり、右上のタイマ表示窓はゲームの進行に合わせてカウントアップするタイマ値を表示する。
【0024】
画面下部に表示された「reset」は数字ボタンの配置のリセットを意味する。ユーザは、この数字ボタンの配置が気に入らない場合には当該ボタンを指先でタッチすることによって数字ボタンの配置を変更することができる。この数字ボタンの再配置は、中央処理装置(CPU)が図示しないクロックに基づいて乱数を発生させて当該乱数に基づいて数字ボタンを配置するが、そのときに必ず目標数字と同じ数字ボタン(ここでは「2」)を含めるようにプログラムされている。また、この目標数字と同じ数字ボタンとともに、あるいは数字ボタンに代えて、合計値が目標数字「2」となる複数の数字ボタン(たとえば「1」と「2」)を必ず配置するようにプログラムされている。
【0025】
図3では、数字ボタン「2」(B11)をタッチすれば当該目標数字はクリアされる。またこの数字ボタン「2」(B11)の代わりに、数字ボタン「1」(B13)と「1」(B22)を順次タッチしてもよい。この場合には、合計値が「2」となるため、前記と同様に目標数字「2」がクリアされる。このように目標数字「2」がクリアされると、それをクリアするためにタッチされた数字ボタンが画面上から消滅する。次にあたらな画面が表示されるときには。前述の消滅した数字ボタンの個数だけ数字ボタンの領域が空白となる。図3の画面において、たとえばユーザが「1」(B13)と「1」(B22)をタッチして目標数字「2」をクリアした場合、2つの数字ボタンを用いてクリアしたため、図4に示すように2コマ分の数字ボタンの領域が消滅(空白領域)となっている。
【0026】
本ゲームでは、より早くより多くの数字ボタンを消滅させることが好成績につながるため、1つの数字ボタン「2」のみで目標数字「2」をクリアするよりも、2つの数字ボタン「1」と「1」で目標数字「2」をクリアした方が数字ボタンをより多く消滅させることができる。このように直感的に目標数字と同じ数字ボタンをタッチするだけのゲームに較べてどの数字ボタンを合計すれば目標数字になるのかを短時間で考える思考力を養うことができる。
【0027】
図4は、目標数字が「14」であり、いくつかの数字ボタンの組み合わせによって目標数字をクリアできるようになっている。ここでは第1例として「2」(B11)と、「2」(B23)と、「4」(B35)と、「6」(B45)との合計値「14」によって目標数字「14」がクリア可能である。また、第2例として「4」(B21)と、「5」(B32)と、「5」(B42)との組み合わせによっても合計値「14」となるため目標数字のクリアが可能である。しかし第1例では4個の数字ボタンをタッチして目標数字をクリアするのに対して、第2例では3個の数字ボタンのタッチで目標数字をクリアしている。本ゲームとしては、第1例の方がタッチした数字ボタンの数が多いため、消滅させる数字ボタン(空白領域)の数を多くすることができる。
【0028】
同様に、図5の画面例では、目標数字が「4」であり、第1例として「1」(B21)と、「1」(B23)と、「2」(B41)との4個の数字ボタンの組み合わせによって目標数字「4」がクリアできる。また第2例としては「4」(B45)の1個のみの数字ボタンで目標数字「4」がクリアできる。第1例は3個の数字ボタン、第2例は1個の数字ボタンをタッチすることになるため、第1例の方が消滅させることができる数字ボタンの数が2個分有利である。
【0029】
図6は、目標数字が「21」であるのに対して、残っている数字ボタンは5個であるので、その数字ボタンの合計が必ず目標数字と一致するように中央処理装置(CPU)が表示制御するようにプログラムされている。
【0030】
図7は、ゲームクリア画面であり、目標数字の表示領域にゲーム終了を意味する「FIN」の文字が表示され、その時点でタイマのカウントアップが停止され、このゲームクリア時間(タイマ表示)が表示されるようになっている。
【0031】
なお、図示は省略したが、当該ゲームクリア時間は通信IFを介してサーバに送信されて当該ゲームの参加者同士で順位を競うようにしてもよい。
また、ゲーム端末としてはスマートホンを用いた場合で説明したが、ゲーム専用端末であってもよいことは勿論である。
【0032】
本実施形態では、数字ボタンは5×5個としたが、これに限らない。
【0033】
また数字ボタンとして用いられる数字については、1〜5の範囲の数字とし、目標数字は、未だ消滅していない数字ボタンのうちランダムで6個以内を抽出した合計とすることが好ましいことが本発明者の実験により明らかとなった。具体的には、数字ボタンに表示される数字の範囲を1〜5、1〜6、1〜7、1〜9、目標数字の抽出数を5個、6個の、8通りの組み合わせとなるスマートホンを用意して、被験者18人に対してゲームプレイを行ったところ、数字ボタンに表示される数字の範囲が1〜5、目標数字の抽出数が6個以内の場合が、最も飽きずにプレイできることがわかった。

【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明はゲームをダウンロードしてプレイするスマートホンに利用できる。
【符号の説明】
【0035】
SMP スマートホン
BT 物理ボタン
TP タッチパネル
CPU 中央処理装置、




【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置を兼ねたタッチ画面と、
前記タッチ画面上のマトリクス状に区画された複数領域のそれぞれにランダムに数字ボタンを配置するとともに、前記複数領域の外部に目標数字を表示する表示制御手段と、
ユーザの指先によるタッチ位置から前記数字ボタンの入力を認識して、前記数字ボタンに関連付けられた数値が前記目標数字と一致するとき、または2以上の数字ボタンがタッチされたときに当該数字ボタン毎に関連付けられた数値の合計値が前記目標数字と一致するときには、前記数字ボタンのタッチを正解として、前記表示制御手段に対して前記タッチされた数字ボタンを前記タッチ画面上から消滅させるゲーム判定手段と、
前記ゲーム開始から前記タッチ画面上の全ての数字ボタンが消滅した時間を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測結果を前記表示制御手段によって前記タッチ画面上に表示させる数字ボタン早押しゲーム装置。
ここで、ゲーム装置としては数インチの静電容量型または感圧型のタッチパネル画面を備えたスマートホン、タブレット型パソコンを用いることができる。
上記によれば、タッチ画面上に表示された目標数字に対する正解の数字ボタンは排他的でなく、たとえば目標数字が「5」である場合、数字ボタンの「5」を直接タッチしてもよいし、合計値が目標数値となる「2」と「3」を同時または順次タッチしてもよく、目標数値に対する数字ボタンの組み合わせ数を制御することによってゲームの難易度を変化させることもできる。
したがって、表示する数字ボタンの数に制約がある3〜4インチ程度のスマートホンの小さなタッチ画面でも、目標数値に対して熟練度に合わせた難易度の数字の組み合わせを表示させることで、熟練度の高いユーザを飽きさせないゲームとすることができる。

【請求項2】
前記タッチ画面上にマトリクス状に配置された数字ボタンは、5×5個であり、数字ボタンに表示される数字の範囲は、1〜5であり、目標数字は未だ消滅していない数字ボタンのうちランダムで6個以内を抽出した合計となることを特徴とする請求項1記載の数字ボタン早押しゲーム装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−106918(P2013−106918A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256748(P2011−256748)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(509070463)株式会社コロプラ (8)
【Fターム(参考)】