説明

文書記録方法及び装置

【課題】書式が定められた一連の書類群の全部又は一部を、マイクロフィルムにホログラム形式で記録することにより、文書の真正性を損なうことなく、アナログ形式で記録する場合に比べ大容量の文書情報を、長期間にわたり記録保存することができる、文書記録方法及び装置を提供する。
【解決手段】マイクロフィルム文書用に書式が定められた一連の書類群の全部(最初を表す書類28、本文を表す書類26、及び最後を表す書類30)を、記録する書類に光を照射して得られた反射物体光と、参照光との干渉により記録されるホログラムである「アナログホログラム」の形式で、マイクロフィルム10の同じセクター24に多重記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書記録方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、公文書の保管など文書の長期保存には、マイクロフィルムやマイクロフィッシュ(以下、「マイクロフィルム等」という。)と称される記録媒体が利用されてきた。マイクロフィルム等には、通常、保存性に優れた銀塩感光材料が使用されるため、文書を記録したマイクロフィルム(以下、「マイクロフィルム文書」という。)は、100年以上の長期保存が可能である。
【0003】
また、マイクロフィルム等には、文書に含まれる各書類(ページ)の縮小画像(通常は、ポジ画像)が、アナログ形式で1本のフィルム又は1枚のシートに、書類毎にコマ番号を付与する等して順番に記録されている。マイクロフィルム文書から文書情報を読み出す場合には、コマ番号で閲覧文書及び閲覧ページを特定し、記録された縮小画像を光学的に拡大してディスプレイに表示する。
【0004】
マイクロフィルム文書には、光学的に拡大して判読できる見読性があり、改ざんが原理的に防止できる等の利点がある。現実に、マイクロフィルム文書は、情報をありのまま再現する特性や、JIS、ISO等で書式が国際的に規格化、標準化されていて信頼性が高い等の理由により、原本と同等の法的証拠能力(証拠性)を持っていることが、国内外の判例で実証されている。
【0005】
例えば、マイクロフィルムを用いた公文書の記録保存では、文書の真正性を確保するために、保存したい文書(本文を表す書類)の前後に、分解能チャート、撮影依頼書、件名、内容、及び撮影証明書などを配置し、これらで本文を挟み込んで、マイクロフィルムに記録する。このように、最初を表す書類、本文を表す書類、及び最後を表す書類を少なくとも含むように書式を定めることで、フィルムが切り貼りされてさえいなければ、一連の書類群からなる文書の証拠性が確保される。
【0006】
しかしながら、マイクロフィルム等は、文書の各書類の画像を縮小して記録するだけであり、記録容量には限界がある。例えば、標準的に利用されているマイクロフィルムは、幅が16mmで長さが66mのロールフィルムであり、これに40分の1の縮小で各ページを撮影して記録したとしても、フィルム1巻に約6000枚の書類しか記録できない。また、マイクロフィルム文書は、文書情報がアナログ形式で記録されているため、キーワード検索ができない等、検索性の点でも使い勝手の悪さが指摘されている。
【0007】
一方、近年では、紙文書、マイクロフィルム文書等、アナログ形式で記録された文書情報の電子化(デジタル化)が進められている。電子化によるメリットとしては、1)電子化データによれば、紙文書、マイクロフィルム文書、電子文書など種々の文書情報を統合管理できる、2)企業間での文書情報の変換・流通がスムーズに行える、3)マイクロフィルム文書の文書情報を手元のパソコンでデータとして有効活用できる、等がある。
【0008】
しかしながら、電子化によって文書の証拠性が失われるという大きな問題が生じる。アナログ形式で記録された文書情報は、アナログであるがゆえに高い証拠性を有している。この文書情報を一度デジタル化してしまうと、改ざんが容易になり、結果として証拠性を失うことになる。即ち、「デジタルの利便性」と「アナログの証拠性」とを両立することは困難である。
【0009】
例えば、デジタル形式で保存された文書情報をアナログ形式に変換し、アナログ形式の文書情報を、フィルム等の長期保存が可能なアナログメディアに書き込む「長期間の文書保存のための方法及び装置」が提案されている(特許文献1を参照)。この技術では、文書情報は、デジタル形式で保存された後に、アナログ形式に再変換されるので、電子化(デジタル化)によって文書の証拠性が既に失われている。
【0010】
【特許文献1】特開2002−202903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、書式が定められた一連の書類群の全部又は一部を、マイクロフィルムにホログラム形式で記録することにより、文書の真正性を損なうことなく、アナログ形式で記録する場合に比べ大容量の文書情報を、長期間にわたり記録保存することができる、文書記録方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、最初を表す書類、本文を表す書類、及び最後を表す書類を少なくとも含むように書式が定められた一連の書類群からなる文書を、マイクロフィルムに記録する文書記録方法であって、マイクロフィルムに、前記一連の書類群の全部又は一部を、物体光と参照光との干渉により得られたホログラム形式で記録することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の文書記録方法において、前記一連の書類群の全部又は一部を、前記マイクロフィルムの同じ領域に、ホログラム形式で多重記録する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の文書記録方法において、前記最初を表す書類を、前記マイクロフィルムの第1領域にアナログ形式で記録すると共に、前記最後を表す書類を、前記マイクロフィルムの前記第1領域とは異なる第2領域にアナログ形式で記録し、前記本文を表す書類の全部を、前記マイクロフィルムの前記第1領域と前記第2領域との間に在る第3領域にホログラム形式で多重記録する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の文書記録方法において、前記一連の書類群の全部又は一部を、前記マイクロフィルムの同じ領域に、各書類のアナログ画像を再生するアナログホログラム形式で記録する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の文書記録方法において、前記一連の書類群の全部又は一部を、前記マイクロフィルムの同じ領域に、各書類のアナログ画像を再生するアナログホログラム形式で記録すると共に、各書類の文書情報を明暗画像で表すデジタル画像を再生するデジタルホログラム形式で記録する、ことを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するために請求項6に記載の発明は、最初を表す書類、本文を表す書類、及び最後を表す書類を少なくとも含むように書式が定められた一連の書類群からなる文書を、マイクロフィルムに記録する文書記録装置であって、コヒーレント光を射出する光源と、前記光源から射出されたコヒーレント光を二光波に分岐する分岐手段と、前記分岐手段により分岐された一方の光波を、アナログホログラム形式で記録する書類に照射して、反射物体光を生成する物体光生成手段と、前記物体光生成手段により生成された反射物体光の光路を調整して、前記マイクロフィルムに照射する物体光照射手段と、前記分岐手段により分岐された他方の光波の光路を調整して、該光波を参照光として、前記マイクロフィルムの前記反射物体光が照射される位置に、前記反射物体光と同時に照射する参照光照射手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、最初を表す書類、本文を表す書類、及び最後を表す書類を少なくとも含むように書式が定められた一連の書類群からなる文書を、マイクロフィルムに記録する文書記録装置であって、コヒーレント光を射出する光源と、前記光源から射出されたコヒーレント光を二光波に分岐する分岐手段と、多数の画素を用いてデジタルホログラム形式で記録する書類の文書情報を明暗画像で表すデジタル画像を表示し、表示されたデジタル画像に応じて入射光を画素毎に変調する空間光変調器を備え、前記分岐手段により分岐された一方の光波を、前記空間光変調器に入射させ、前記空間光変調器に表示されたデジタル画像に応じて変調して、信号光を生成する信号光生成手段と、前記信号光生成手段により生成された信号光の光路を調整して、前記マイクロフィルムに照射する信号光照射手段と、前記分岐手段により分岐された他方の光波の光路を調整して、該光波を参照光として、前記マイクロフィルムの前記信号光が照射される位置に、前記信号光と同時に照射する参照光照射手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、最初を表す書類、本文を表す書類、及び最後を表す書類を少なくとも含むように書式が定められた一連の書類群からなる文書を、マイクロフィルムに記録する文書記録装置であって、コヒーレント光を射出する光源と、前記光源から射出されたコヒーレント光を三光波に分岐する分岐手段と、前記分岐手段により分岐された第1の光波を、アナログホログラム形式で記録する書類に照射して、反射物体光を生成する物体光生成手段と、前記物体光生成手段により生成された反射物体光の光路を調整して、前記マイクロフィルムに照射する物体光照射手段と、前記分岐手段により分岐された第2の光波の光路を調整して、該光波を参照光として、前記マイクロフィルムの前記反射物体光が照射される位置に、前記反射物体光と同時に照射する参照光照射手段と、多数の画素を用いてデジタルホログラム形式で記録する書類の文書情報を明暗画像で表すデジタル画像を表示し、表示されたデジタル画像に応じて入射光を画素毎に変調する空間光変調器を備え、前記分岐手段により分岐された第3の光波を、前記空間光変調器に入射させ、前記空間光変調器に表示されたデジタル画像に応じて変調して、信号光を生成する信号光生成手段と、前記信号光生成手段により生成された信号光の光路を調整して、前記マイクロフィルムの前記反射物体光が照射される位置に、前記参照光と同時に照射する信号光照射手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の各請求項に係る発明は、各々以下の効果を有する。
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、書式が定められた一連の書類群の全部又は一部を、マイクロフィルムにホログラム形式で記録することにより、文書の真正性を損なうことなく(改ざんを防止して証拠性を確保し)、アナログ形式で記録する場合と比較して大容量の文書情報を、長期間にわたり記録保存することができる、という効果がある。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、マイクロフィルムの同じ領域にホログラム形式で多重記録することで、更に改ざんを困難なものとすると共に、マイクロフィルムの記録容量が増大する、という効果がある。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、証拠性を確保するための文書情報が、マイクロフィルムにアナログ形式で記録されているので、見読性の観点から更に改ざんが困難になる、という効果がある。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、各書類の文書情報が、マイクロフィルムに記録されたアナログホログラムから、アナログ画像として再生されるので、改ざんを防止して証拠性を確保することが容易になる、という効果がある。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、各書類の文書情報が、マイクロフィルムに記録されたアナログホログラムからアナログ画像として再生されるので、改ざんを防止して証拠性を確保することが容易になる、という効果がある。同時に、各書類の文書情報が、マイクロフィルムに記録されたデジタルホログラムからデジタル画像として再生されるので、デジタル画像を復号することでデジタルデータを得ることができ、デジタルの利便性を享受できる、という効果もある。即ち、「デジタルの利便性」と「アナログの証拠性」とを両立することが可能になる。
【0026】
請求項6〜8の何れか1項に記載の発明によれば、書式が定められた一連の書類群の全部又は一部を、マイクロフィルムにホログラム形式で記録することにより、文書の真正性を損なうことなく(改ざんを防止して証拠性を確保し)、アナログ形式で記録する場合と比較して大容量の文書情報を、長期間にわたり記録保存することができる、という効果がある。
【0027】
特に、請求項6に記載の発明によれば、各書類の文書情報が、アナログ画像として再生されるアナログホログラムを記録できるので、改ざんを防止して証拠性を確保することが容易になる、という効果がある。
【0028】
また、請求項7に記載の発明によれば、各書類の文書情報が、デジタル画像として再生されるデジタルホログラムを記録できるので、再生されたデジタル画像を復号することでデジタルデータを得ることができ、デジタルの利便性を享受できる、という効果がある。
【0029】
また、請求項8に記載の発明によれば、各書類の文書情報が、アナログ画像として再生されるアナログホログラムを記録できるので、改ざんを防止して証拠性を確保することが容易になる、という効果があると同時に、各書類の文書情報が、デジタル画像として再生されるデジタルホログラムを記録できるので、再生されたデジタル画像を復号することでデジタルデータを得ることができ、デジタルの利便性を享受できる、という効果もある。即ち、「デジタルの利便性」と「アナログの証拠性」とを両立することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
(マイクロフィルム)
マイクロフィルムは、紙文書等の情報を縮小撮影して記録するための写真フィルムである。縮小撮影するために、一般の写真フィルムと比較して高い解像力を備えており、より小さな面積に多くの情報を記録することが可能である。マイクロフィルムは、少なくとも、フィルム状の支持体と、この支持体上に形成された感光記録層と、を含んで構成されている。フィルム状の支持体としては、一般に、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明な樹脂フィルムが使用されている。
【0031】
また、感光記録層には、通常は、写真フィルム用の感光材料が使用されている。本発明では、マイクロフィルムにホログラムを記録する。従って、マイクロフィルムの感光記録層に用いられる感光材料は、ホログラムが記録できればどのような感光材料でも構わないが、保存性に優れる銀塩感光材料が好適である。ハロゲン化銀乳剤等の銀塩感光材料を用いたマイクロフィルムでは、100年以上の長期間の保存性が保証される。
【0032】
図1(A)〜(C)はマイクロフィルムの種々の形態を示す図である。マイクロフィルムには、大きく分けて、ロール状のロールフィルムと、シート状のシートフィルムとがある。図1(A)及び(B)はロールフィルムの一例を示す図であり、図1(C)はシートフィルムの一形態であるマイクロフィッシュの一例を示す図である。
【0033】
図1(A)に示すように、ロールフィルム10は、帯状のフィルム12を備えている。帯状のフィルム12は、一端がリール14に固定され、リール14に巻き付けられている。なお、帯状のフィルム12の他端12Aは、開放端とされている。図1(B)に示すように、フィルム12には、記録領域であるコマ16が、フィルムの長さ方向に沿って多数配列されている。また、コマ16の各々には、第何番目のコマかを表すコマ番号18が付与されている。
【0034】
この例では、フィルム12の他端12A側から配列された、6個のコマ16〜16が図示されている。コマ16〜16の各々の下方には、コマ番号18〜18が記録されている。例えば、最初のコマ16のコマ番号18は「A01」であり、第3番目のコマ16のコマ番号18は「A03」である。マイクロフィルムに文書情報を記録した後は、このコマ番号18から文書情報を記録したコマ(領域)16を特定する。
【0035】
また、図1(C)に示すように、マイクロフィッシュ20は、シート状のフィルム12Bを備えている。シート状のフィルム12Bは、平面視が矩形状のフィルムである。フィルム12Bには、記録領域であるコマ16が、マトリクス状に多数配列されている。また、コマ16の各々には、第何番目のコマかを表すコマ番号18が付与されている。フィルム12Bの上部には、記録した文書の表題や記録した日付等のインデックス情報を記録する見出し欄22が配置されている。
【0036】
この例では、マイクロフィッシュ20のフィルム12Bには、15個のコマ16〜1615が図示されている。15個のコマ16〜1615は、3行5列のマトリクス状に配列されている。コマ16〜1615の各々の下方には、コマ番号18〜1815が記録されている。例えば、最初のコマ16のコマ番号18は「A01」であり、第15番目のコマ1615のコマ番号1815は「A15」である。また、見出し欄22には、「ABC・・・XYZ」という見出しが記録されている。
【0037】
標準的に利用されているロールフィルムは、幅が16mmで長さが66mである。このロールフィルムにアナログ形式で文書情報を記録する場合には、40分の1の縮小率で、フィルム1巻に約6000枚の書類を記録することが可能である。また、標準的に利用されているマイクロフィッシュは、A6版程度の大きさであり、60コマ用、98コマ用、244コマ用、270コマ用がある。
【0038】
図2はマイクロフィルムの記録領域の構造を示す図である。ここでは、図1(A)に示すロールフィルム10について、第1番目の記録領域であるコマ16の詳細な構造を図示している。従来は、マイクロフィルムの1コマに、1ページ分の縮小画像をアナログ形式で記録していた。本発明ではマイクロフィルムに文書情報をホログラム形式で記録する。文書情報をホログラム形式で記録する場合には、アナログ形式で記録する場合よりも記録領域の面積を小さくでき、マイクロフィルムの記録容量が増加する。画像をそのまま結像させるフレネルホログラムを、レンズでフーリエ変換して記録するフーリエ変換ホログラムとすれば、レンズで集光することで記録領域の面積をより小さくできる。
【0039】
従って、文書情報をホログラム形式で記録する場合には、1コマを複数のセクターに分割し、セクター毎に異なる文書情報を記録することができる。隣接するセクター間に仕切り線を設けるなど、光学的に区別できる方法で1コマが複数のセクターに分割される。
【0040】
また、文書情報をホログラム形式で記録する場合には、1個のセクターに複数枚分の書類の文書情報を多重記録することができる。例えば、書類毎に参照光の入射角度を変えて、まったく同じ場所に一連の書類群を角度多重記録することができる。あるいは、書類1枚分のホログラムを記録した後にわずかにフィルムを移動させて、ほとんど前の書類のホログラムと重なるように次の書類のホログラムを記録する、シフト多重記録を実施することもできる。
【0041】
この例では、フィルム12の第1番目の記録領域であるコマ16は、境界線により、12個のセクター24〜2412に分割されている。12個のセクター24〜2412は、4行3列のマトリクス状に配列されている。例えば、複数枚分の書類の文書情報を、コマ16の3行2列目のセクター24(白抜きで表示した領域)に、ホログラムで多重記録することができる。上述した通り、角度多重記録やシフト多重記録等の多重記録方法を用いることができる。なお、セクター24〜2412の各々を特に区別する必要が無い場合は、セクター24と総称する。
【0042】
図3(A)〜(C)はマイクロフィルム文書の書式の一例を示す図である。マイクロフィルム文書は、原本と同等の法的証拠能力(証拠性)を保証するために、JIS、ISO等で書式が国際的に規格化、標準化されている。例えば、社団法人日本画像情報マネジメント協会が定めたマイクロフィルム文書取扱規定では、「マイクロフィルム文書」とは、紙文書等の元の文書を撮影したマイクロフィルムであって、マスターフィルム文書及び活用フィルムをいう、と定義されている。
【0043】
ここで、「マスターフィルム文書」とは、法的証拠能力を保持したマイクロフィルムで、保存及び活用フィルム文書の複製等のため、管理責任者により保管されるマイクロフィルムをいう。また、「活用フィルム」とは、マスターフィルム文書を複製したマイクロフィルムであって、管理責任者が保管するマイクロフィルムをいう。
【0044】
上記のマイクロフィルム文書取扱規定では、マイクロフィルム文書の書式は、最初を表す書類、本文を表す書類、及び最後を表す書類を少なくとも含むように定められている。例えば、マイクロフィルム文書が、1本のロールフィルムで完結する場合には、図3(A)に示すように、本文を表す書類26の前に最初を表す書類28が配置され、本文を表す書類26の後に最後を表す書類30が配置される。このような書式を採用することで、フィルムが切り貼りされていない限り、マイクロフィルム文書の証拠性が保証される。
【0045】
最初を表す書類28には、開始表示(開0001)28A、分解能チャート(マイクロ写真解像力試験図票)28B、撮影依頼票(マイクロ写真撮影依頼票)28C、及び件名と内容28Dの各書類が含まれる。最後を表す書類30には、撮影証明書(マイクロ写真撮影証明書)30A、分解能チャート(マイクロ写真解像力試験図票)30B、及び終了表示(終)30Cの各書類が含まれる。図3(B)は、上記の撮影依頼票28Cの具体例を示す図であり、図3(C)は、上記の撮影証明書30Aの具体例を示す図である。
【0046】
以下では、上記のように書式が定められた一連の書類群からなる文書の全部又は一部を、書類の画像を縮小して記録するアナログ形式ではなく、物体光と参照光の干渉により得られるホログラム形式でマイクロフィルムに記録して、マイクロフィルム文書を作成する文書記録方法及び装置を具体的に説明する。なお、以下では、ロールフィルム10を用いる場合を図示し、マイクロフィルム10と言い換える。
【0047】
ホログラムは二光波の干渉縞を記録したものであり、破壊はできても意図的な改ざんは困難である。特に、多重記録されたホログラム群の一部(例えば、特定の書面に対応するホログラム)を、意図的に改ざんすることは不可能である。従って、書式が定められた一連の書類群の全部又は一部を、マイクロフィルムにホログラム形式で記録することにより、文書の真正性を損なうことなく(改ざんを防止して証拠性を確保し)、アナログ形式で記録する場合と比較して大容量の文書情報を、長期間にわたり記録保存することが可能となる。
【0048】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図4に示すように、マイクロフィルム文書用に書式が定められた一連の書類群の全部(最初を表す書類28、本文を表す書類26、及び最後を表す書類30)を、アナログホログラムの形式で、マイクロフィルム10の同じセクター24に多重記録する例について説明する。ここで、「アナログホログラム」とは、記録する書類に光を照射して得られた反射物体光と、参照光との干渉により記録されるホログラムである。マイクロフィルムにホログラム形式で記録することにより、アナログ形式で記録する場合と比較して、マイクロフィルムの記録容量が増大する。
【0049】
アナログホログラムに、記録時と同じ参照光を読出し光として照射すると、アナログホログラムから、反射物体光が再生される。再生された反射物体光を集光すると、記録した書類のアナログ画像が結像する。即ち、アナログホログラムの形式で記録すると、アナログ画像が再生される。アナログホログラムは、言わば、書類のホログラムを直接撮影して記録したものであり、改ざんを防止して証拠性を確保することが容易になる。
【0050】
図5は第1の実施の形態に係る文書記録装置の構成を示す概略図である。
この文書記録装置には、コヒーレント光であるレーザ光を発振する光源32が設けられている。光源32としては、例えば、発振波長が532nmの緑色レーザ光を発振するレーザ光源が用いられる。また、文書記録装置には、文書記録装置の各部を制御する制御部51が設けられている。光源32は、制御部51に接続されたレーザ駆動部53により駆動される。光源32の光射出側には、特定波長の直交する直線偏光成分間に所定の光路差(位相差)を与える波長板34、所定の偏光方向の光を反射し且つこれと直交する偏光方向の光を透過する偏光ビームスプリッタ36が、光源32側から光路に沿ってこの順に配置されている。
【0051】
偏光ビームスプリッタ36の光反射側には、反射ミラー40が配置されている。反射ミラー40の光反射側には、光路に対し挿入又は退避(開閉)が可能なシャッター42及び拡大・コリメート光学系であるビームエキスパンダ44が、反射ミラー40側から光路に沿ってこの順に配置されている。シャッター42は、制御部51に接続されたシャッター駆動部55により駆動されて開閉する(矢印A方向に移動する)。
【0052】
ビームエキスパンダ44の光射出側には、紙文書等、撮影される原文書の書類を保持する書類保持部46が設けられている。原文書の書類は、図示しない紙送り機構により1枚ずつ搬送されて、順次、書類保持部46に保持される。ビームエキスパンダ44から射出された光は、書類保持部46に保持された書類(例えば、図3(C)に示す撮影証明書30A)全体に照射される。書類保持部46に保持された書類からは、物体光が反射又は散乱される(反射物体光)。反射物体光の射出側には、フィルム保持部50に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に、反射物体光をフーリエ変換して集光するフーリエ変換レンズ48が配置されている。
【0053】
偏光ビームスプリッタ36の光透過側には、波長板38、所定の軸周りに回転する回転ミラー52及び一対のリレーレンズ54、56が配置されている。回転ミラー52は、制御部51に接続されたミラー駆動部58により駆動されて回転する(矢印B方向に回転する)。一対のリレーレンズ54、56は、回転ミラー52で反射された光をリレーして、参照光としてフィルム保持部50に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に照射する。
【0054】
次に、図5に示す文書記録装置の記録動作について説明する。
ホログラムを記録する場合には、シャッター42を開いて、光源32からレーザ光を照射する。光源32から発振されたレーザ光は、波長板34により偏光方向が調整され、偏光ビームスプリッタ36に入射して分岐される。偏光ビームスプリッタ36で反射された光は、反射ミラー40で反射される。
【0055】
反射ミラー40で反射され、光路が折り曲げられた光は、シャッター42を通過し、ビームエキスパンダ44により大径の平行光に変換され、書類保持部46に保持された書類全体に照射される。書類保持部46に保持された書類からは、物体光が反射又は散乱される(反射物体光)。反射物体光はフーリエ変換レンズ48によりフーリエ変換されて集光され、フィルム保持部50に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に照射される。
【0056】
一方、偏光ビームスプリッタ36を透過した光は、波長板38により偏光方向が調整され、回転ミラー52によって、回転ミラー52の回転角度に応じた所定方向に反射される。回転ミラー52で反射された光は、一対のリレーレンズ54、56によりリレーされて、フィルム保持部50に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に、参照光として照射される。参照光は反射物体光と同時に所定位置(セクター24)に照射される。反射物体光と参照光とが照射される位置において、反射物体光と参照光とが干渉して形成された干渉縞が、アナログホログラムとして記録される。
【0057】
例えば、偏光ビームスプリッタ36をS偏光を反射し且つP偏光を透過する構成とした場合には、波長板34によりレーザ光の偏光方向が制御され、偏光ビームスプリッタ36で2つの光路に分岐される。偏光ビームスプリッタ36で反射された(S偏光)は、反射ミラー40に進み、S偏光の反射物体光がセクター24に照射される。一方、偏光ビームスプリッタ36を透過した光(P偏光)は、波長板38によってS偏光に変換され、S偏光の参照光がセクター24に照射される。このとき、波長板34での偏光方向の調整により、参照光と反射物体光の強度比が調整される。
【0058】
本実施の形態では、上述したように、一連の書類群の全部(最初を表す書類28、本文を表す書類26、及び最後を表す書類30)を撮影し、アナログホログラムの形式で、マイクロフィルム10の同じセクター24に、1枚ずつ順次記録する(図4参照)。撮影される原文書の書類を、図示しない紙送り機構により1枚ずつ搬送して、順次、書類保持部46に保持し、書類毎に反射物体光と参照光とを干渉させて、書類毎にアナログホログラムを記録する。例えば、回転ミラー52を回転させて、書類毎に参照光の入射角度を変えることで、マイクロフィルム10の同じ記録領域(例えば、セクター24)に、一連の書類群の全部を角度多重記録することができる。
【0059】
記録されたデータを読み出す場合(再生)には、図6に示したように、マイクロフィルム10の光透過側に、フーリエ変換レンズ60と、CCDやCMOSアレイ等の撮像素子で構成されたセンサアレイ62を配置し、シャッター42を閉じて光源32からレーザ光を照射する。光源32から発振されたレーザ光は、波長板34により偏光方向が調整されて、偏光ビームスプリッタ36に入射する。このとき、波長板34を適宜調整し、参照光光路に総ての光を導くようにしたり、或いは適切な参照光強度に設定したりする。
【0060】
偏光ビームスプリッタ36を透過した光(P偏光)は、波長板38でS偏光に変換され、回転ミラー52によって、回転ミラー52の回転角度に応じた所定方向に反射される。回転ミラー52で反射された光は、一対のリレーレンズ54、56によりリレーされて、フィルム保持部50に保持されたマイクロフィルム10の記録領域に、読み出し用の参照光として照射される。再生時にはシャッター42を光路上に挿入することで、偏光ビームスプリッタ36で反射された光があった場合にも、参照光だけをマイクロフィルム10の記録領域(セクター24)に照射することができる。
【0061】
照射された参照光は、マイクロフィルム10の記録領域を透過するときに、記録されたホログラムによって回折され、透過回折光がフーリエ変換レンズ60側に射出される。透過回折光は、フーリエ変換レンズ60により逆フーリエ変換されて、反射物体光が再生され、再生された反射物体光がセンサアレイ62に入射する。センサアレイ62の表面には、反射物体光が集光されて、書類のアナログ画像が結像される。センサアレイ62は、受光した光を電気信号に変換して出力する。この結果、書類のアナログ画像が撮像される。
【0062】
マイクロフィルム10の記録領域(セクター24)に、複数枚分の書類のアナログホログラムが多重記録されている場合には、読み出したい書類(例えば、撮影証明書30A)のアナログホログラムを記録したときと同じ参照光を照射する。例えば、複数枚分の書類のアナログホログラムが角度多重記録されている場合には、回転ミラー52の回転角度を調節して、撮影証明書30Aのアナログホログラムを記録したときと同じ入射角度で、マイクロフィルム10の記録領域に参照光を照射する。これにより、撮影証明書30Aのアナログ画像が再生される。
【0063】
なお、上記の第1の実施の形態では、一連の書類群の全部(最初を表す書類28、本文を表す書類26、及び最後を表す書類30)を、アナログホログラムの形式で、マイクロフィルム10の同じセクター24に多重記録する例について説明したが、図7に示すように、一連の書類群の一部(最初を表す書類28及び最後を表す書類30)を、従来通り、書類の画像を縮小して記録するアナログ形式で、マイクロフィルム10に記録してもよい。アナログ形式では、コマ16毎に1枚の書類を記録する。
【0064】
そして、本文を表す書類26だけを、最初を表す書類28のコマと、最後を表す書類30を表すコマとの間にある、マイクロフィルム10の同じ記録領域(セクター24)に、アナログホログラムの形式で多重記録することができる。例えば、図7に示すように、最初を表す書類28をコマ16〜16にアナログ形式で記録し、最後を表す書類30をコマ16n-2〜16nにアナログ形式で記録し、コマ16とコマ16n-2との間に挟まれたコマ16〜16n-3の何れかに存在するセクター24に、本文を表す書類26(複数枚分の書類)を、アナログホログラムの形式で多重記録することができる。
【0065】
マイクロフィルム文書の証拠性を確保するために付加される書類(最初を表す書類28及び最後を表す書類30)を、直接判読できるアナログ形式でマイクロフィルム10に記録することで、見読性の観点から更に改ざんが困難になる。また、本文を表す書類26を、アナログホログラムの形式で、マイクロフィルム10の同じセクター24に多重記録するので、改ざんを防止して証拠性を確保し、アナログ形式で記録する場合と比較して大容量の文書情報を、長期間にわたり記録保存することが可能となる。
【0066】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、図8に示すように、マイクロフィルム文書用に書式が定められた一連の書類群の全部(最初を表す書類28、本文を表す書類26、及び最後を表す書類30)を、書類毎に、アナログホログラムの形式及びデジタルホログラムの形式で、マイクロフィルム10の同じセクター24に多重記録する例について説明する。
【0067】
ここで、「デジタルホログラム」とは、記録する書類の文書情報を(二次元符号化した)明暗画像で表すデジタル画像に応じて変調された信号光と、参照光との干渉により記録されるホログラムである。デジタル画像としては、デジタルデータに対応して二次元にビット情報を配置したデジタル画像、デジタルデータに対応した二次元バーコード等が挙げられる。マイクロフィルムにホログラム形式で記録することにより、アナログ形式で記録する場合と比較して、マイクロフィルムの記録容量が増大する点は、第1の実施の形態と同様である。
【0068】
デジタルホログラムに、記録時と同じ参照光を読出し光として照射すると、デジタルホログラムから、信号光が再生される。再生された信号光を集光すると、記録した書類のデジタル画像が結像する。即ち、デジタルホログラムの形式で記録すると、デジタル画像が再生される。デジタル画像はデジタルデータ(電子化された書類の文書情報)に復号される。これにより、文書情報の統合管理、文書情報の交換・流通、文書情報の有効活用、検索性など、デジタルの利便性を享受できる。このように、同じ書類については、書類のアナログ画像を再生すると共に、書類のデジタルデータを再生するように、アナログホログラムとデジタルホログラムの両方を関連付けて記録することで、「デジタルの利便性」と「アナログの証拠性」とを両立することが可能になる。
【0069】
図9は第2の実施の形態に係る文書記録装置の構成を示す概略図である。
この文書記録装置には、コヒーレント光であるレーザ光を発振する光源60が設けられている。光源60としては、例えば、発振波長が532nmの緑色レーザ光を発振するレーザ光源が用いられる。また、文書記録装置には、文書記録装置の各部を制御する制御部98及び各種データを記憶するための記憶部106が設けられている。制御部98は、例えば、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータ等で構成することができる。記憶部106は、外部記憶装置として設けられたハードディスク装置(HDD)等で構成することができる。制御部98と記憶部106とは、データの授受が可能に接続されている。
【0070】
光源60は、制御部98に接続されたレーザ駆動部100により駆動される。光源60の光射出側には、特定波長の直交する直線偏光成分間に所定の光路差(位相差)を与える波長板62、所定の偏光方向の光を反射し且つこれと直交する偏光方向の光を透過する偏光ビームスプリッタ64が、光源60側から光路に沿ってこの順に配置されている。
【0071】
偏光ビームスプリッタ64の光透過側には、拡大・コリメート光学系であるビームエキスパンダ66、光路に対し挿入又は退避(開閉)が可能なシャッター68、及び二次元状に配列された画素毎に入射光を変調する透過型の空間光変調器70が、偏光ビームスプリッタ64側から光路に沿ってこの順に配置されている。シャッター68は、制御部98に接続されたシャッター駆動部102により駆動されて開閉する(矢印C方向に移動する)。
【0072】
空間光変調器70は、パターン発生器(図示せず)を介して制御部98に接続されている。パターン発生器は、制御部98から供給されたデジタルデータに応じて、空間光変調器70に表示するパターンを生成する。空間光変調器70は、表示パターンに応じて入射したレーザ光を変調して信号光を生成する。空間光変調器70の光透過側には、フィルム保持部74に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に、空間光変調器70で生成された信号光を、フーリエ変換して集光するフーリエ変換レンズ72が配置されている。
【0073】
後述する書類保持部88の近傍には、書類保持部88に保持された書類の画像を読み取るスキャナ等から構成された画像読取部108が設けられている。例えば、画像読取部108で書類の画像を読み取った後に、書類保持部88に書類を供給するように、画像読取部108を、書類の搬送方向に対し、書類保持部88の上流側に設けることができる。画像読取部108は、制御部98に接続されている。画像読取部108で読み取られた画像データは、制御部98でデジタルデータに変換され、書類のデジタルデータが記憶部106に記憶される。書類のデジタルデータは、書類を識別するための識別コード(例えば、文書IDや書類ID等)と関連付けて記憶部106に記憶される。
【0074】
記憶部106に記憶された書類のデジタルデータは、書類のデジタルホログラムを記録する時に、制御部98により読み出され、パターン発生器に供給される。例えば、図3(C)に示す撮影証明書30Aのデジタルホログラムを記録する時には、撮影証明書30Aのデジタルデータ(書類の文書情報)から、デジタルデータを明暗画像で表す表示パターン(デジタル画像)70Aが生成され、空間光変調器70には表示パターン70Aが表示される。
【0075】
偏光ビームスプリッタ64の光反射側には、波長板76及び偏光ビームスプリッタ78が、偏光ビームスプリッタ64側から光路に沿ってこの順に配置されている。偏光ビームスプリッタ78の光反射側には、所定の軸周りに回転する回転ミラー92及び一対のリレーレンズ94、96が、偏光ビームスプリッタ78側から光路に沿ってこの順に配置されている。回転ミラー92は、制御部98に接続されたミラー駆動部104により駆動されて回転する(矢印B方向に回転する)。一対のリレーレンズ94、96は、回転ミラー92で反射された光をリレーして、参照光としてフィルム保持部74に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に照射する。
【0076】
偏光ビームスプリッタ78の光透過側には、波長板80及び反射ミラー82が、偏光ビームスプリッタ78側から光路に沿ってこの順に配置されている。反射ミラー82の光反射側には、シャッター84及び拡大・コリメート光学系であるビームエキスパンダ86が、反射ミラー82側から光路に沿ってこの順に配置されている。シャッター84は、制御部98に接続されたシャッター駆動部102により駆動されて開閉する(矢印A方向に移動する)。
【0077】
ビームエキスパンダ86の光射出側には、紙文書等、撮影される原文書の書類を保持する書類保持部88が設けられている。原文書の書類は、図示しない紙送り機構により1枚ずつ搬送されて、順次、書類保持部88に保持される。ビームエキスパンダ86から射出された光は、書類保持部88に保持された書類(例えば、図3(C)に示す撮影証明書30A)全体に照射される。書類保持部88に保持された書類からは、物体光が反射又は散乱される(反射物体光)。反射物体光の射出側には、フィルム保持部74に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に、反射物体光を集光するフーリエ変換レンズ90が配置されている。
【0078】
次に、図9に示す文書記録装置の記録動作について説明する。
本実施の形態では、1枚の書類毎に、アナログホログラムとデジタルホログラムの両方を記録するが、記録する順序は問わない。アナログホログラムを記録した後でデジタルホログラムを記録してもよく、デジタルホログラムを記録した後でアナログホログラムを記録してもよい。
【0079】
アナログホログラムを記録する場合には、シャッター68を閉じると共にシャッター84を開いて、光源60からレーザ光を照射する。光源60から発振されたレーザ光は、波長板62により偏光方向が調整されて、偏光ビームスプリッタ64に入射する。波長板62は、入射した総ての光が偏光ビームスプリッタ64により反射されるように、又は適切な強度の光が偏光ビームスプリッタ64により反射されるように、入射したレーザ光の偏光方向を調整する。一部、偏光ビームスプリッタ64を透過した光がある場合には、シャッター68で遮断される。
【0080】
偏光ビームスプリッタ64で反射された光は、波長板76により偏光方向が調整されて、偏光ビームスプリッタ78に入射して分岐される。偏光ビームスプリッタ78を透過した光(P偏光)は、波長板80によりS偏光に変換されて、反射ミラー82で反射される。このとき、波長板80と反射ミラー82の順序は逆でもよい。
【0081】
反射ミラー82で反射され、光路が折り曲げられた光は、シャッター84を通過し、ビームエキスパンダ86により大径の平行光に変換され、書類保持部88に保持された書類全体に照射される。書類保持部88に保持された書類からは、物体光が反射又は散乱される(反射物体光)。反射物体光はフーリエ変換レンズ90によりフーリエ変換されて集光され、フィルム保持部74に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に照射される。上記の例では、S偏光の反射物体光がセクター24に照射される。
【0082】
一方、偏光ビームスプリッタ78で反射された光は、回転ミラー92によって、回転ミラー92の回転角度に応じた所定方向に反射される。回転ミラー92で反射された光は、一対のリレーレンズ94、96によりリレーされて、フィルム保持部74に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に、参照光として照射される。上記の例では、S偏光の参照光がセクター24に照射される。参照光は反射物体光と同時に所定位置(セクター24)に照射される。反射物体光と参照光とが照射される位置において、反射物体光と参照光とが干渉して形成された干渉縞が、アナログホログラムとして記録される。
【0083】
デジタルホログラムを記録する場合には、シャッター68を開くと共にシャッター84を閉じて、光源60からレーザ光を照射する。光源60から発振されたレーザ光は、波長板62により偏光方向が調整されて、偏光ビームスプリッタ64に入射する。偏光ビームスプリッタ64を透過した光は、ビームエキスパンダ66により大径の平行光に変換され、シャッター68を通過して、空間光変調器70に照射される。
【0084】
空間光変調器70には、書類保持部88に保持された書類のデジタルデータを明暗画像で表す表示パターンが表示されている。例えば、図3(C)に示す撮影証明書30Aが書類保持部88に保持されている場合には、撮影証明書30Aのデジタルデータに対応した表示パターン70Aが、空間光変調器70に表示される。表示パターンは、例えば、二値のデジタルデータ「0,1」が「暗(黒画素)、明(白画素)」で表現されたものである。
【0085】
空間光変調器70に入射した光は、表示パターンに応じて強度変調され、信号光が生成される。このとき、強度変調された信号光がS偏光となるように、空間光変調器70を設定したり、適宜波長板を設けたりする。空間光変調器70で変調されて生成された信号光は、フーリエ変換レンズ72によりフーリエ変換されて集光され、フィルム保持部74に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に照射される。
【0086】
一方、偏光ビームスプリッタ64で反射された光は、波長板76により偏光方向が調整されて、偏光ビームスプリッタ78に入射する。波長板76は、入射した総ての光が偏光ビームスプリッタ78により反射されるように、又は適切な強度の光が偏光ビームスプリッタ78により反射されるように、入射したレーザ光の偏光方向を調整する。偏光ビームスプリッタ78により反射された光は、S偏光の参照光となる。一部、偏光ビームスプリッタ78を透過した光がある場合には、シャッター84で遮断される。
【0087】
偏光ビームスプリッタ78で反射され、光路が折り曲げられた光は、回転ミラー92によって、回転ミラー92の回転角度に応じた所定方向に反射される。回転ミラー92で反射された光は、一対のリレーレンズ94、96によりリレーされて、フィルム保持部74に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に、参照光として照射される。上記の例では、S偏光の参照光がセクター24に照射される。参照光は信号光と同時に所定位置(セクター24)に照射される。信号光と参照光とが照射される位置において、信号光と参照光とが干渉して形成された干渉縞が、デジタルホログラムとして記録される。
【0088】
本実施の形態では、上述したように、一連の書類群の全部(最初を表す書類28、本文を表す書類26、及び最後を表す書類30)を撮影し、アナログホログラムの形式及びデジタルホログラムの形式で、マイクロフィルム10の同じセクター24に、1枚ずつ順次記録する(図8参照)。撮影される原文書の書類を、図示しない紙送り機構により1枚ずつ搬送して、順次、書類保持部88に保持し、書類毎に、反射物体光と参照光とを干渉させてアナログホログラムを記録すると共に、信号光と参照光とを干渉させてデジタルホログラムを記録する。
【0089】
1枚の書類のアナログホログラムとデジタルホログラムとは、同じ参照光を用いて、マイクロフィルム10の同じ記録領域(セクター24)に多重記録することが可能である。これにより、同じ記録領域内に、同じ書類の文書情報が、アナログ情報として記録されると共に、デジタル情報として記録される。同じ記録領域内には、アナログ情報とデジタル情報とが混在することになる。
【0090】
同じ参照光を用いてアナログホログラムとデジタルホログラムとを記録した場合には、同じ参照光を読出し光として用いて、書類のアナログ画像とデジタルデータとを同時に再生することが可能となる。即ち、アナログホログラムとデジタルホログラムとが多重記録されたホログラム内では、アナログホログラムとして記録された書類は、デジタルホログラムとして記録された書類と同一の書類であることが保証される。従って、デジタルホログラムが、デジタルデータに変換された文書情報を基に記録されたものであっても、書類のアナログ画像と関連付けられているので、アナログホログラムから再生されたアナログ画像の見読性から、デジタルデータの証拠性が確保される。
【0091】
詳しくは、アナログホログラムから再生された書類のアナログ画像は、マイクロフィルムにアナログ形式で縮小記録された書類の画像と同様に、人が判読可能なものであり、改ざんは困難である。また、デジタルホログラムから再生されたデジタルデータは、参照光により書類のアナログ画像と関連付けられているので、証拠性が確保される。なお、アナログホログラムとデジタルホログラムとで適宜参照光を変調する等して、異なる参照光を用いることもできる。
【0092】
異なる書類については、例えば、回転ミラー92を回転させて、書類毎に参照光の入射角度を変えることで、マイクロフィルム10の同じ記録領域(例えば、セクター24)に、一連の書類群の全部について、アナログホログラム及びデジタルホログラムを角度多重記録することができる。
【0093】
記録されたデータを読み出す場合(再生)には、図10に示したように、マイクロフィルム10の光透過側に、アナログホログラムからの再生像を検出するためのフーリエ変換レンズ110及びセンサアレイ112を配置すると共に、デジタルホログラムからの再生像を検出するためのフーリエ変換レンズ114及びセンサアレイ116を配置する。そして、シャッター68、84を閉じて(図9参照)、光源60からレーザ光を照射する。波長板62、76が調整され、シャッター68、84が閉じているので、他の分岐光は途中で遮断され、参照光だけがマイクロフィルム10の記録領域(セクター24)に照射される。図10では、参照光の光路以外は省略して図示している。
【0094】
光源60から発振されたレーザ光は、波長板62により偏光方向が調整されて、偏光ビームスプリッタ64に入射する。偏光ビームスプリッタ64で反射された光は、波長板76により偏光方向が調整されて、偏光ビームスプリッタ78に入射する。偏光ビームスプリッタ78で反射され、光路が折り曲げられた光は、回転ミラー92によって、回転ミラー92の回転角度に応じた所定方向に反射される。回転ミラー92で反射された光は、一対のリレーレンズ94、96によりリレーされて、フィルム保持部74に保持されたマイクロフィルム10の所定位置(セクター24)に、読み出し用の参照光として照射される。
【0095】
照射された参照光は、マイクロフィルム10の記録領域を透過するときに、記録されたホログラムによって回折され、透過回折光が生成される。アナログホログラムから生成された透過回折光は、フーリエ変換レンズ110側に射出される。透過回折光は、フーリエ変換レンズ110により逆フーリエ変換されて、反射物体光が再生され、再生された反射物体光がセンサアレイ112に入射する。センサアレイ112の表面には、反射物体光が集光されて、書類のアナログ画像が結像される。センサアレイ112は、受光した光を電気信号に変換して出力する。この結果、書類のアナログ画像が撮像される。
【0096】
デジタルホログラムから生成された透過回折光は、フーリエ変換レンズ114側に射出される。透過回折光は、フーリエ変換レンズ114により逆フーリエ変換されて、信号光が再生され、再生された信号光がセンサアレイ116に入射する。センサアレイ116の表面には、信号光が集光されて、書類のデジタル画像が結像される。センサアレイ116は、受光した光を電気信号に変換して出力する。この結果、書類のデジタル画像が撮像される。
【0097】
センサアレイ116は、デジタル抽出フィルタ118を介して、制御部98に接続されている。ホログラムを多重記録した結果として、センサアレイ116で撮像されたデジタル画像は、多くのノイズを含んでいる。このため、デジタル抽出フィルタ118により、デジタル画像を抽出してノイズを除去してからデジタルデータに復号し、復号されたデジタルデータを制御部98に出力する。復号されたデジタルデータは、例えば、記憶部106に記憶しておくことができ、適宜、読み出して活用することが可能である。例えば、デジタルデータを用いて、キーワード検索やプリントアウトを行うこともできる。
【0098】
また、既に説明したとおり、デジタルホログラムから再生されたデジタルデータは証拠性が保証されるので、識別コード等で識別される1枚の書類について、記憶部106に記憶されたデジタルデータを、デジタルホログラムから再生されたデジタルデータと照合することで、記憶されたデジタルデータの証拠性を証明することもできる。
【0099】
また、マイクロフィルム10の記録領域(セクター24)に、複数枚分の書類のアナログホログラム及びデジタルホログラムが多重記録されている場合には、読み出したい書類(例えば、撮影証明書30A)の2種類のホログラムを記録したときと同じ参照光を照射する。例えば、複数枚分の書類のホログラムが角度多重記録されている場合には、回転ミラー92の回転角度を調節して、撮影証明書30Aの2種類のホログラムを記録したときと同じ入射角度で、マイクロフィルム10の記録領域に参照光を照射する。これにより、撮影証明書30Aのアナログ画像及びデジタル画像が再生される。
【0100】
なお、上記の第2の実施の形態では、一連の書類群の全部(最初を表す書類28、本文を表す書類26、及び最後を表す書類30)を、アナログホログラム及びデジタルホログラムの形式で、マイクロフィルム10の同じセクター24に多重記録する例について説明したが、第1の実施の形態と同様に、図11に示すように、一連の書類群の一部(最初を表す書類28及び最後を表す書類30)を、従来通りアナログ形式でマイクロフィルム10に記録し、本文を表す書類26だけを、最初を表す書類28のコマと、最後を表す書類30を表すコマとの間にある、記録領域(セクター24)に、アナログホログラム及びデジタルホログラムの形式で多重記録することができる。第1の実施の形態と同様に、見読性の観点から更に改ざんが困難になる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】(A)〜(C)はマイクロフィルムの種々の形態を示す図である。
【図2】マイクロフィルムの記録領域の構造を示す図である。
【図3】(A)〜(C)はマイクロフィルム文書の書式の一例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係る文書記録方法を説明するための概念図である。
【図5】第1の実施の形態に係る文書記録装置の構成を示す概略図である。
【図6】第1の実施の形態に係る文書記録方法で記録したホログラムの再生方法を説明する図である。
【図7】第1の実施の形態に係る文書記録方法の変形例を説明するための概念図である。
【図8】第2の実施の形態に係る文書記録方法を説明するための概念図である。
【図9】第2の実施の形態に係る文書記録装置の構成を示す概略図である。
【図10】第2の実施の形態に係る文書記録方法で記録したホログラムの再生方法を説明する図である。
【図11】第2の実施の形態に係る文書記録方法の変形例を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0102】
10 マイクロフィルム(ロールフィルム)
12 フィルム
14 リール
16 コマ
18 コマ番号
20 マイクロフィッシュ
22 見出し欄
24 セクター
26 本文を表す書類
28 最初を表す書類
28C 撮影依頼票
30 最後を表す書類
30A 撮影証明書
32 光源(レーザ)
34 波長板
36 偏光ビームスプリッタ
38 波長板
40 反射ミラー
42 シャッター
44 ビームエキスパンダ
46 書類保持部
48 フーリエ変換レンズ
50 フィルム保持部
52 回転ミラー
51 制御部
54 リレーレンズ
53 レーザ駆動部
55 シャッター駆動部
58 ミラー駆動部
60 フーリエ変換レンズ
60 光源(レーザ)
62 センサアレイ(撮像素子)
62 波長板
64 偏光ビームスプリッタ
66 ビームエキスパンダ
68 シャッター
70 回転ミラー
70 空間光変調器
70A 表示パターン
72 フーリエ変換レンズ
74 フィルム保持部
76 波長板
78 偏光ビームスプリッタ
80 波長板
82 反射ミラー
84 シャッター
86 ビームエキスパンダ
88 書類保持部
90 フーリエ変換レンズ
92 回転ミラー
94 リレーレンズ
98 制御部
100 レーザ駆動部
102 シャッター駆動部
104 ミラー駆動部
106 記憶部
108 画像読取部
110 フーリエ変換レンズ
112 センサアレイ(撮像素子)
114 フーリエ変換レンズ
116 センサアレイ(撮像素子)
118 デジタル抽出フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最初を表す書類、本文を表す書類、及び最後を表す書類を少なくとも含むように書式が定められた一連の書類群からなる文書を、マイクロフィルムに記録する文書記録方法であって、
マイクロフィルムに、前記一連の書類群の全部又は一部を、物体光と参照光との干渉により得られたホログラム形式で記録することを特徴とする文書記録方法。
【請求項2】
前記一連の書類群の全部又は一部を、前記マイクロフィルムの同じ領域に、ホログラム形式で多重記録する、
請求項1に記載の文書記録方法。
【請求項3】
前記最初を表す書類を、前記マイクロフィルムの第1領域にアナログ形式で記録すると共に、前記最後を表す書類を、前記マイクロフィルムの前記第1領域とは異なる第2領域にアナログ形式で記録し、
前記本文を表す書類の全部を、前記マイクロフィルムの前記第1領域と前記第2領域との間に在る第3領域にホログラム形式で多重記録する、
請求項1又は2に記載の文書記録方法。
【請求項4】
前記一連の書類群の全部又は一部を、前記マイクロフィルムの同じ領域に、各書類のアナログ画像を再生するアナログホログラム形式で記録する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の文書記録方法。
【請求項5】
前記一連の書類群の全部又は一部を、前記マイクロフィルムの同じ領域に、各書類のアナログ画像を再生するアナログホログラム形式で記録すると共に、各書類の文書情報を明暗画像で表すデジタル画像を再生するデジタルホログラム形式で記録する、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の文書記録方法。
【請求項6】
最初を表す書類、本文を表す書類、及び最後を表す書類を少なくとも含むように書式が定められた一連の書類群からなる文書を、マイクロフィルムに記録する文書記録装置であって、
コヒーレント光を射出する光源と、
前記光源から射出されたコヒーレント光を二光波に分岐する分岐手段と、
前記分岐手段により分岐された一方の光波を、アナログホログラム形式で記録する書類に照射して、反射物体光を生成する物体光生成手段と、
前記物体光生成手段により生成された反射物体光の光路を調整して、前記マイクロフィルムに照射する物体光照射手段と、
前記分岐手段により分岐された他方の光波の光路を調整して、該光波を参照光として、前記マイクロフィルムの前記反射物体光が照射される位置に、前記反射物体光と同時に照射する参照光照射手段と、
を備えることを特徴とする文書記録装置。
【請求項7】
最初を表す書類、本文を表す書類、及び最後を表す書類を少なくとも含むように書式が定められた一連の書類群からなる文書を、マイクロフィルムに記録する文書記録装置であって、
コヒーレント光を射出する光源と、
前記光源から射出されたコヒーレント光を二光波に分岐する分岐手段と、
多数の画素を用いてデジタルホログラム形式で記録する書類の文書情報を明暗画像で表すデジタル画像を表示し、表示されたデジタル画像に応じて入射光を画素毎に変調する空間光変調器を備え、前記分岐手段により分岐された一方の光波を、前記空間光変調器に入射させ、前記空間光変調器に表示されたデジタル画像に応じて変調して、信号光を生成する信号光生成手段と、
前記信号光生成手段により生成された信号光の光路を調整して、前記マイクロフィルムに照射する信号光照射手段と、
前記分岐手段により分岐された他方の光波の光路を調整して、該光波を参照光として、前記マイクロフィルムの前記信号光が照射される位置に、前記信号光と同時に照射する参照光照射手段と、
を備えることを特徴とする文書記録装置。
【請求項8】
最初を表す書類、本文を表す書類、及び最後を表す書類を少なくとも含むように書式が定められた一連の書類群からなる文書を、マイクロフィルムに記録する文書記録装置であって、
コヒーレント光を射出する光源と、
前記光源から射出されたコヒーレント光を三光波に分岐する分岐手段と、
前記分岐手段により分岐された第1の光波を、アナログホログラム形式で記録する書類に照射して、反射物体光を生成する物体光生成手段と、
前記物体光生成手段により生成された反射物体光の光路を調整して、前記マイクロフィルムに照射する物体光照射手段と、
前記分岐手段により分岐された第2の光波の光路を調整して、該光波を参照光として、前記マイクロフィルムの前記反射物体光が照射される位置に、前記反射物体光と同時に照射する参照光照射手段と、
多数の画素を用いてデジタルホログラム形式で記録する書類の文書情報を明暗画像で表すデジタル画像を表示し、表示されたデジタル画像に応じて入射光を画素毎に変調する空間光変調器を備え、前記分岐手段により分岐された第3の光波を、前記空間光変調器に入射させ、前記空間光変調器に表示されたデジタル画像に応じて変調して、信号光を生成する信号光生成手段と、
前記信号光生成手段により生成された信号光の光路を調整して、前記マイクロフィルムの前記反射物体光が照射される位置に、前記参照光と同時に照射する信号光照射手段と、
を備えることを特徴とする文書記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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