説明

料金徴収方法、料金徴収システム、処理装置及びコンピュータプログラム

【課題】 料金の支払及び徴収を簡単かつ低コストで行うことができる料金徴収方法、料金徴収システム、処理装置、コンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 有料の処理の実行要求を端末装置30から受付けるサービスサーバ10と、情報の使用料金を該情報の使用時の通信料金と共に徴収する情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を提供する情報提供装置20とを用いて、情報提供装置20から提供される課金用情報を端末装置30の使用者等に使用させることにより、サービスサーバ10が端末装置30から実行要求を受付けた有料の処理の料金を、課金用情報の使用料金として徴収する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報料金徴収代行サービスを使用して料金を徴収する料金徴収方法及びシステムと、情報料金徴収代行サービスを使用して料金を徴収する有料の処理の実行要求を受付けて実行する処理装置と、情報料金徴収代行サービスを使用して料金を徴収する有料の処理の実行要求をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】インターネット上には、様々な情報又は処理の実行(以下、サービスという)を提供するウェブサイトが多数開設されている。提供されるサービスは無料の場合が多いが、有料の場合もある。有料の場合、料金を徴収するが、代表的な料金徴収方法として、クレジットカードを用いた方法と、銀行振込又は小切手を用いた方法とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、クレジットカードを用いた方法では、サービスを提供するウェブサイトへ、クレジットカードのナンバー及び暗証番号を送信する必要があり、送信したナンバー及び暗証番号が漏洩する危険性がある。漏洩の危険性があるため、クレジットカードでの料金支払いに不安を持つユーザは多く、クレジットカードは積極的に利用されていない。
【0004】また、銀行振込又は小切手を用いた方法では、銀行へ振込に行く又は小切手を送付するのに手間がかかり、料金の支払いが面倒である。また、振込の確認又は小切手の受取りに時間を要し、サービスの使用開始が遅くなる。手間と時間がかかるため、銀行振込又は小切手も積極的に利用されていない。
【0005】クレジットカード、銀行振込又は小切手のいずれも積極的に利用されていないため、サービスの有料化を見送るケースも多々ある。特に小額の料金の徴収は、手数料の方が高い場合もあり、有料化は困難である。
【0006】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、実行要求を受付けた有料の処理の料金を、情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報の使用によって徴収することにより、前記有料の処理の料金の支払及び徴収を簡単かつ低コストで行うことができる料金徴収方法及び料金徴収システムを提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、実行要求を受付けた有料の処理の料金に応じて、情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を使用するための接続情報を作成することにより、例えば料金に応じて異なる接続情報を作成して、任意金額の料金を徴収することができる料金徴収方法、料金徴収システム、処理装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、課金用情報の使用者の識別番号を受付け、課金用情報の使用が済んだ識別番号を、有料の処理を実行する中央装置へ送信することにより、課金が完了した識別番号を含んだ実行要求に対して処理を実行することができる料金徴収方法、料金徴収システム、処理装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る料金徴収方法は、有料の処理の実行要求を端末装置から受付けて実行する中央装置と、情報の使用料金を該情報使用時の通信料金と共に徴収する情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を提供する情報提供装置とを用いて、中央装置で実行する有料の処理の料金を徴収する料金徴収方法であって、有料の処理の実行要求を中央装置で受付けるステップと、実行要求を受付けた前記有料の処理の料金に応じた課金用情報の使用を情報提供装置で検出するステップと、課金用情報の使用の検出後に、前記有料の処理を中央処理で実行するステップとを有することを特徴とする。
【0010】第2発明に係る料金徴収方法は、第1発明において、中央装置により、端末装置から実行要求を受付けた有料の処理の料金に応じて、課金用情報を使用するための接続情報を作成するステップと、作成した接続情報を前記端末装置へ送信するステップとを有することを特徴とする。
【0011】第3発明に係る料金徴収方法は、第2発明において、前記接続情報は、接続先の電話番号と、接続元を識別する識別番号とを含み、課金用情報を使用する接続元の識別番号を情報提供装置で受付けるステップと、課金用情報の使用後に前記識別番号を中央装置へ送信するステップと、送信した識別番号を中央装置で受付けて記憶するステップと、端末装置から送信された識別番号を中央装置で受付けるステップとを有し、端末装置から受付けた識別番号が中央装置に記憶されている場合、前記端末装置から実行要求を受付けた有料の処理を中央装置で実行することを特徴とする。
【0012】第4発明に係る料金徴収システムは、有料の処理の実行要求を端末装置から受付けて実行する中央装置と、情報の使用料金を該情報使用時の通信料金と共に徴収する情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を提供する情報提供装置とを備え、中央装置で実行する有料の処理の料金を徴収する料金徴収システムであって、有料の処理の実行要求を端末装置から受付ける受付手段と、実行要求を受付けた前記有料の処理の料金に応じた課金用情報の使用を検出する検出手段とを備え、課金用情報の使用の検出後に前記有料の処理を中央装置で実行すべくなしてあることを特徴とする。
【0013】第5発明に係る料金徴収システムは、第4発明において、前記中央装置は、端末装置から実行要求を受付けた有料の処理の料金に応じて、課金用情報を使用するための接続情報を作成する作成手段と、作成した接続情報を前記端末装置へ送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0014】第6発明に係る料金徴収システムは、第5発明において、前記接続情報は、接続先の電話番号と、接続元を識別する識別番号とを含み、前記受付手段は、端末装置から実行要求及び識別番号を受付けるように構成されており、前記情報提供装置は、課金用情報を使用する接続元の識別番号を受付ける手段と、課金用情報の使用後に前記識別番号を中央装置へ送信する手段とを備え、前記中央装置は、情報提供装置が送信した識別番号を受付ける識別番号受付手段と、受付けた識別番号を記憶する記憶部とを備え、端末装置から受付けた識別番号が記憶部に記憶されている場合、前記端末装置から実行要求を受付けた有料の処理を中央装置で実行すべくなしてあることを特徴とする。
【0015】第7発明に係る処理装置は、有料の処理の実行要求を受付けて実行する処理装置において、有料の処理の実行要求を受付ける受付手段と、情報の使用料金を該情報使用時の通信料金と共に徴収する情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を使用するための接続情報を、実行要求を受付けた前記有料の処理の料金に応じて作成する作成手段と、作成した接続情報を実行要求元へ送信する送信手段とを備え、課金用情報の使用後に前記有料の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする。
【0016】第8発明に係る処理装置は、第7発明において、前記接続情報は、接続先の電話番号と、接続元を識別する識別番号とを含み、前記受付手段は、実行要求及び識別番号を受付けるように構成されており、課金用情報の使用が済んでいる識別番号を受付ける識別番号受付手段と、受付けた識別番号を記憶する記憶部とを備え、実行要求元から受付けた識別番号が記憶部に記憶されている場合、前記実行要求元から実行要求を受付けた有料の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする。
【0017】第9発明に係るコンピュータプログラムは、有料の処理の実行要求をコンピュータに受付させ、実行させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、有料の処理の実行要求を受付けさせる手順と、コンピュータに、情報の使用料金を該情報使用時の通信料金と共に徴収する情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を使用するための接続情報を、実行要求を受付けた前記有料の処理の料金に応じて作成させる手順と、コンピュータに、作成した接続情報を実行要求元へ送信させる手順とを含むことを特徴とする。
【0018】第9発明のコンピュータプログラムは、CD−ROM等のコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体に記録し、コンピュータに読み取らせて実行させることができる。
【0019】第1,第4発明においては、端末装置からの有料の処理の実行要求を中央装置で受付け、前記有料の処理の料金を、情報提供装置が提供する課金用情報の使用によって徴収する。課金用情報は情報料金徴収代行サービスが適用されるので、課金用情報の使用料は、電話会社などの通信事業者が通話料金等の接続料金と共に徴収し、課金用情報を提供する情報提供業者へ支払われる。前記中央装置の運営業者と前記情報提供業者とが例えば同一業者の場合、端末装置の使用者が課金用情報を使用することにより、前記端末装置から実行要求を受付けた有料の処理の料金を、情報料金徴収代行サービスによって徴収することができる。
【0020】第2,第5,第7,第9発明においては、実行要求を受付けた有料の処理の料金に応じて、課金用情報を使用するための接続情報を作成し、作成した接続情報を実行要求元へ送信する。接続情報には、課金用情報を使用するための電話番号が含まれる。接続情報は、例えば前記有料の処理の料金に応じて異なる課金用情報を使用するように作成する。実行要求元が、接続情報に含まれる電話番号に電話をかけて課金用情報を使用することにより、前記実行要求元から実行要求を受付けた有料の処理の料金が、情報料金徴収代行サービスによって徴収される。
【0021】第3,第6,第8発明においては、接続情報は、接続先の電話番号と接続元を識別する識別番号とを含み、課金用情報を使用する場合に接続元の識別番号を入力し、課金用情報の使用後は前記識別番号を、有料の処理を実行する装置へ送信する。例えば、電話が前記接続先の電話番号とつながったときに、識別番号の入力指示をアナウンスし、電話から識別番号を受付ける。課金用情報の使用が済んで課金が完了した場合、課金の完了をアナウンスする。課金の完了のアナウンスによって電話が切られた後、前記識別番号が前記装置へ送信される。
【0022】送信した識別番号は、前記装置で受付けて記憶される。実行要求元から送信された識別番号を前記装置で受付け、実行要求元から受付けた識別番号が前記装置に記憶されている場合、課金が完了しているので、有料の処理を実行する。前記装置には、課金が完了した識別番号が記憶されているので、課金が完了した識別番号を含んだ実行要求に対してのみ、有料の処理を実行することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。図1に本発明に係る料金徴収システムの一例を示す。図1に示す料金徴収システムは、有料の処理の実行要求(サービスの利用申込)を受付けて実行する中央装置又は処理装置を含むサービスサーバ10と、サービスサーバ10へサービスの利用を申込む端末装置30と、情報の使用料金を該情報使用時の通信料金と共に徴収する情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を提供する情報提供装置20とを備える。図1においては、インターネット等の通信ネットワーク40に、サービスサーバ10、情報提供装置20、端末装置30、課金管理装置42及び電話機44が接続されている。
【0024】サービスサーバ10は、インターネット上でウェブサイトを運営する装置であり、有料のサービスを提供する。端末装置30はインターネットにアクセスできる装置であり、前記ウェブサイトから提供される有料のサービスを利用することができる。端末装置は図示されたもの以外も多数存在し、通信ネットワーク40に接続されている。
【0025】また、情報提供装置20は、例えばダイヤルQ2 等の情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を提供する装置であり、本実施の形態では、サービスサーバ10の運営者が運営している。情報提供装置20は、有料情報を提供する提供手段22に加えて、電話機44等の接続元から識別番号の入力を受付ける受付手段24を備える。また、課金用情報の使用後に、前記識別番号をサービスサーバ10へ送信する送信手段26を備える。
【0026】課金管理装置42は、例えばダイヤルQ2 等の情報料金徴収代行サービスを提供する通信事業者が運営する装置であり、情報提供装置20が提供する課金用情報等の徴収代行する情報料金(情報の使用料金)の記録及び管理を行う。電話機44は、本実施の形態では、端末装置30の使用者が使用する。
【0027】通信ネットワーク40は、電話回線を含み、電話機44から情報提供装置20へ接続することができる。電話機44から情報提供装置20が提供する課金用情報への通話は、課金管理装置42によって記録及び管理され、料金徴収代行に使用される。電話機44の代わりに、端末装置30から情報提供装置20へ接続することも可能である。本発明においては、課金用情報は、課金のために用いる情報であり、情報の内容は任意である。
【0028】サービスサーバ10の構成例を図2に示す。サービスサーバ10は、通信ネットワーク40との通信制御を行う通信手段15と、マウス及びキーボード等の入力手段16と、モニタ及びプリンタ等の出力手段17と、DRAM等のRAM(Random Access Memory)12と、ハードディスク13と、フレキシブルディスクドライブ又はCD−ROMドライブ等の外部記憶手段14と、CPU(CentralProcessingUnit)11とを備える。
【0029】CPU11は、サービスサーバ10の上述した各部12〜17の制御を行う。また、CPU11は、入力手段16又は通信手段15から受取ったプログラム又はデータ、ハードディスク13又は外部記憶手段14から読み出したプログラム又はデータ等をRAM12に記憶し、RAM12に記憶したプログラムの実行又はデータの演算等の各種処理を行い、各種処理結果又は各種処理に用いる一時的なデータをRAM12に記憶する。RAM12に記憶した演算結果等のデータは、CPU11により、ハードディスク13に記憶されたり、出力手段17又は通信手段15から出力される。
【0030】端末装置30に関しても、図示していないが、通信ネットワーク40との通信制御を行う通信手段と、マウス及びキーボード等の入力手段と、モニタ及びプリンタ等の出力手段と、DRAM等のRAMと、ハードディスクと、フレキシブルディスクドライブ又はCD−ROMドライブ等の外部記憶手段と、CPUとを備える。
【0031】サービスサーバ10のCPU11は、端末装置30から申込まれたサービスの料金に応じて、課金用情報を使用するための接続情報を作成する手段(作成手段)として動作し、通信手段15は、作成した接続情報を前記端末装置30へ送信する手段(送信手段)として動作する。
【0032】接続情報は、例えば、接続先の電話番号と、接続元を識別する識別番号とを含む。情報提供装置20は、上述したように、受付手段24により、課金用情報を使用する接続元(電話機44)から識別番号を受付け、課金用情報の使用が済んだ識別番号を送信手段26からサービスサーバ10へ送信する。サービスサーバ10の通信手段15は、課金用情報の使用が済んだ識別番号を受付け、課金用情報の使用が済んだことを検出する手段(検出手段)として動作する。
【0033】サービスサーバ10の通信手段15は、端末装置30が送信した利用申込及び識別番号を受付ける手段(受付手段)、情報提供装置20が送信した識別番号を受付ける手段(識別番号受付手段)として動作し、ハードディスク13は、情報提供装置20から受付けた識別番号を記憶する手段(記憶部)として動作する。サービスサーバ10は、端末装置30から受付けた識別番号がハードディスク13に記憶されている場合、サービスを提供する。
【0034】CD−ROM等の記録媒体19に記録されたコンピュータプログラムを外部記憶手段14で読み出し、ハードディスク13に記憶してCPU11に実行させることにより、CPU11を上述した各手段として動作させることができる。通信手段15を用いて、通信ネットワーク40に接続された他の装置からコンピュータプログラムを受付けてハードディスク13に記憶することもできる。
【0035】本実施の形態では、サービスサーバ10は、ファイルの送信サービスを提供する。このサービスは、主に電子メールの添付ファイルの使用制限を超えた大容量のファイルの送信に利用される。ファイルの送信手順を簡単に説明すると、端末装置30からサービスサーバ10へ、送信元及び送信先メールアドレスとファイルとを送信する。サービスサーバ10は、受信したファイルをハードディスク13に記憶し、受信した送信先メールアドレスへファイルのアドレス(URL:Uniform Resource Locator)を通知する。通知を受信した受信者は、図示しない端末装置から前記アドレスへアクセスしてファイルをダウンロードする。
【0036】端末装置30は、図示しないハードディスクに記憶されたブラウザソフトを起動して、ウェブサイトを構成する各ページ(HTML文書)を閲覧することができる。ブラウザソフトは、ウェブサイトを運営するサーバと前記ウェブサイトへアクセスした端末装置との間でやりとりされる識別情報であるcookieを管理する機能を有する。cookieには、端末装置を識別する端末識別番号が含まれており、サービスサーバ10は、アクセスしてきた各端末装置を端末識別番号で識別することができる。
【0037】サービスサーバ10のハードディスク13には、料金情報及び受付情報が記憶される。料金情報は、ファイルの送信サービスの料金に関する情報であり、受付情報は、料金の課金状況に関する情報である。料金情報の一例を図3(a)に示す。図3(a)の例では、送信するファイルの容量に応じて料金が区分けされている。例えば30Mバイト以下の容量区分Aの料金は200円、31〜60Mバイトの容量区分Bの料金は250円、61〜100Mバイトの容量区分Cの料金は300円に設定されている。また、容量区分毎に、課金用情報を使用するための電話番号が設定されている。
【0038】情報料金徴収代行サービスで徴収代行される情報料金の課金は、1接続毎に課金する方法と、接続時間に比例して課金する方法とがある。また、1接続又は単位時間毎に課金する料金は、複数の段階的な料金の中から設定することができる。本実施の形態では、1接続毎に課金する。例えば、図3(a)に示すように、各容量区分に対応する電話番号により、課金する料金(区分Aの電話番号は200円、区分Bの電話番号は250円、区分Cの電話番号は300円)が異なるように設定されている。
【0039】また、受付情報の一例を図3(b)に示す。図3(b)に示す例では、CPU11で作成した識別情報と、サービスの課金の状況(“1”は完了、“0”は未完了)と、サービスの申込者のメールアドレスとが記憶されている。
【0040】識別番号は、CPU11により、例えば端末装置30の図示しないハードディスクに記憶されているcookieに含まれる端末識別番号(例えば1423)に、例えばサービスの利用申込を受付けた時刻(例えば18時)に応じた数字を付加して作成(142318)することができる。または、CPU11及びRAM12により、利用申込の受付順に受付番号をカウントし、利用申込を受付けた時刻に応じた数字を受付番号に付加して識別番号を作成することも可能である。
【0041】次に、本発明に係る料金徴収システムを用いた料金徴収について説明する。まず、識別番号の発行手順の例を図4に示す。端末装置30は、サービスサーバ10の運営するウェブサイト内の申込ページ(HTML文書)にアクセスし、サービスの利用申込を行う(S10)。例えば、CPU11により、ハードディスク13に記憶されている申込ページを読み出して、通信手段15から端末装置30へ送信する。申込ページを図示しない受信手段で受付けた端末装置30は、申込ページを出力手段へ表示し、入力手段で記入項目を入力し、通信手段からサービスサーバ10へ送信する。記入項目は、図3(a)に示した容量区分と連絡先のメールアドレスとを含む。
【0042】サービスサーバ10は、利用申込を受付け(S12)、識別番号を発行する(S14)。例えば、端末装置30から送信された記入項目を通信手段15で受信し、RAM12に記憶する。CPU11により、RAM12に記憶された記入事項に応じた識別番号を作成し、受付情報としてハードディスク13に記憶する。
【0043】CPU11は、ハードディスク13から容量区分に対応する電話番号をRAM12に読み出して、識別番号と共に、通信手段15から端末装置30へ送信する(S16)。送信した電話番号及び識別番号は、端末装置30の図示しない通信手段で受信され(S18)、図示していない出力手段に表示される。電話番号及び識別番号の送信は、受付情報のメールアドレスへ電子メールを送信する、または電話番号及び識別番号が表示される通知ページ(HTML文書)をCPU11で作成して端末装置30へ送信することができる。
【0044】次に、サービス料金の課金手順の例を図5に示す。端末装置30の使用者は電話機44から前記電話番号へダイヤルする(S30)。通話が開始されると、提供手段22により、この電話番号がファイル転送サービスの料金徴収用であること等のアナウンスの後、識別番号の入力が情報提供装置20から指示される(S32)ので、端末装置30の使用者は電話機44から識別番号を入力する(S34)。
【0045】識別番号を受付手段24で受付けた後、接続料金とは別の情報料金の課金が行われる(S36)。課金の完了後(S36:YES)、提供手段22により、課金の完了及びサービスの利用可能等のアナウンスを行い、課金の完了を通知する(S38)。課金の完了を聞いた端末装置30の使用者は、電話を切る(S40)。
【0046】また、課金の完了後(S36:YES)、送信手段26は、課金が完了した識別番号を、サービスサーバ10へ送信する(S42)。送信した識別番号は、サービスサーバ10の通信手段15で受信され、CPU11により、受付情報の対応する識別番号の「課金」が“0”から“1”へ更新される。
【0047】次に、課金完了後のサービスの利用手順の例を図6に示す。端末装置30は、サービスを利用するために識別番号を入力する(S50)。例えば、上述した申込ページ内に識別番号入力欄を設けておく。端末装置30の使用者は、図示しない入力手段から識別番号を入力し、図示しない通信手段からサービスサーバ10へ送信する。
【0048】サービスサーバ10は、通信手段15で識別番号を受付け(S52)、CPU11により、ハードディスク13に記憶された受付情報の対応する識別番号の「課金」と照合して、受付けた識別番号の課金の完了を判定する(S54)。課金が完了していない場合(S54:NO)は、申込ページをハードディスク13から読み出して、通信手段15から送信する。端末装置30は、図示しない通信手段で申込ページを受信し(S58)、上述した識別番号の発行手順と同様にして、利用申込を行う(S60)。
【0049】サービスサーバ10は、課金が完了している場合(S54:YES)、サービスの提供を行う(S62)。サービスの提供後、CPU11により、ハードディスク13の受付情報からサービス利用済みの識別番号を削除する(S64)。
【0050】サービスサーバ10及び情報提供装置20を運営してファイルの送信サービス及び課金用情報を提供するサービス業者と、端末装置30を操作してサービスサーバ10の提供するファイルの送信サービスを利用する利用者と、情報料金徴収代行サービスを提供する通信業者との間の料金支払の概要を図7に示す。
【0051】利用者は、通信業者へ接続料金と共に情報料金を支払う。通信業者はサービス業者へ情報料金を支払い、サービス業者は通信業者へ手数料を支払う。利用者は、単に電話をかけるだけで、有料のサービスをすぐに利用することができ、サービス業者は低コストで料金を徴収することができる。
【0052】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定はされない。例えば、本発明の課金用情報は、料金徴収を目的としたものであり、単に接続だけ行う。よって、例えば図9R>9に示すように、課金管理装置42で接続の有無に応じて課金を行うこともできる。この場合、課金管理装置42は、図示していないが、情報提供装置と同様に、アナウンス及び課金情報を提供する提供手段と、識別番号を受付ける受付手段と、課金の完了後、前記識別番号をサービスサーバ10へ送信する送信手段を備える。
【0053】また、識別番号は、例えば端末装置30の図示しないハードディスクに記憶されている端末識別番号(例えば1423)と、容量区分を表す番号(例えば区分Aは1、区分Bは2、区分Cは3)とを組合せて作成することができる。例えば端末識別番号が「1423」で容量区分Bの場合は、「2−1423」が作成される。または、申込の受付順に受付番号をカウントし、受付番号と容量区分を表す番号とを組合せて識別番号を作成することも可能である。
【0054】識別番号の先頭に容量区分を表す数字を付加することにより、例えば、情報提供装置20側で、課金する料金(例えば「1−1423」は200円、「2−1423」は250円、「3−1423」は300円)を識別することができる。この場合、1つの電話番号に接続して、容量区分を表す数字に応じて課金する料金を変更することも可能である。
【0055】情報料の課金は、接続時間に応じて課金することもできる。その場合は、サービスの料金に応じた接続時間をCPU11で設定する。例えば図8に示すサービス料金の課金手順のように、利用申込を受付けた(S12)後、CPU11で接続時間を算出する。例えば、記憶容量が区分Aのファイルの送信料金を100円、区分Bを200円、区分Cを300円とし、3分あたりの情報提供料金を100円とした場合、接続時間は夫々1秒〜2分59秒、3分〜5分59秒、6分〜8分59秒となる。
【0056】CPU11は、接続時間の算出後、接続時間に応じた識別番号を発行する(S14)。例えば、端末識別番号(例えば1423)と、接続時間を表す番号(例えば3分未満は0、3分以上6分未満は3、6分以上9分未満は6)とを組合せて作成することができる。例えば端末識別番号の識別番号が「1423」で接続時間が3分以上6分未満の場合は、「1423−3」が作成される。
【0057】作成した識別番号は、CPU11により、通信手段15から情報提供装置20へ送信される(S20)。送信した識別番号は、情報提供装置20の図示していない通信手段で受信され(S22)、図示していないハードディスクに記憶される。識別番号を受信した情報提供装置20は、接続時間に応じたアナウンスの設定等の課金の前処理を行う(S24)。図8に示す他の処理(S10、S16及びS18)は、上述した実施の形態と同様である。
【0058】徴収するサービス料金に応じて接続時間を設定する場合は、課金用情報の使用時間が識別番号に設定された接続時間に達するまで課金は完了しない(図5のS36:NO)が、サービス料金をほぼ任意の金額に設定することができる。例えば、10Mあたりの送信料金を10円とし、10秒ごとに10円を課金すること等も可能である。
【0059】上述した課金料金の設定は、情報料金徴収代行サービスが提供する課金料金体系に応じて任意に設定することができる。
【0060】
【発明の効果】第1,第4発明によれば、実行要求を受付けた有料の処理の料金を、情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報の使用によって徴収することにより、実行要求者は電話をかけて課金用情報を使用するだけで、前記有料の処理の料金を支払うことができる。また、有料の処理の提供者は、料金の徴収を情報料金徴収代行サービスの提供者に代行させることができる。有料の処理の料金の支払及び徴収を簡単かつ低コストで行うことができる。
【0061】第2,第5,第7,第9発明によれば、実行要求を受付けた有料の処理の料金に応じて、情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を使用するための接続情報を作成し、作成した接続情報を実行要求元へ送信することにより、例えば前記有料の処理の料金に応じて異なる接続情報を作成して、任意金額の料金を徴収することができる。
【0062】第3,第6,第8発明によれば、課金用情報の使用者の識別番号を受付け、課金用情報の使用が済んだ識別番号を、有料の処理を実行する装置へ送信することにより、課金が完了した識別番号を前記装置に記憶することができる。課金が完了した識別番号が記憶されているので、前記装置は、課金が完了した識別番号を含む実行要求に対してのみ、処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る料金徴収システムの一例を示す図である。
【図2】図1に示すサービスサーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示すサービスサーバに記憶される情報の例を示す図である。
【図4】識別番号の発行手順の例を示すフローチャートである。
【図5】サービス料金の課金手順の例を示すフローチャートである。
【図6】課金完了後のサービスの利用手順の例を示すフローチャートである。
【図7】料金支払の概要を示す図である。
【図8】識別番号の発行手順の他の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る料金徴収システムの他の例を示す図である。
【符号の説明】
10 サービスサーバ(中央装置、処理装置)
20 情報提供装置
24 受付手段
26 送信手段
30 端末装置
11 CPU(作成手段)
13 ハードディスク(記憶部)
15 通信手段(受付手段、検出手段、送信手段、識別番号受付手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 有料の処理の実行要求を端末装置から受付けて実行する中央装置と、情報の使用料金を該情報使用時の通信料金と共に徴収する情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を提供する情報提供装置とを用いて、中央装置で実行する有料の処理の料金を徴収する料金徴収方法であって、有料の処理の実行要求を中央装置で受付けるステップと、実行要求を受付けた前記有料の処理の料金に応じた課金用情報の使用を情報提供装置で検出するステップと、課金用情報の使用の検出後に、前記有料の処理を中央処理で実行するステップとを有することを特徴とする料金徴収方法。
【請求項2】 中央装置により、端末装置から実行要求を受付けた有料の処理の料金に応じて、課金用情報を使用するための接続情報を作成するステップと、作成した接続情報を前記端末装置へ送信するステップとを有することを特徴とする請求項1記載の料金徴収方法。
【請求項3】 前記接続情報は、接続先の電話番号と、接続元を識別する識別番号とを含み、課金用情報を使用する接続元の識別番号を情報提供装置で受付けるステップと、課金用情報の使用後に前記識別番号を中央装置へ送信するステップと、送信した識別番号を中央装置で受付けて記憶するステップと、端末装置から送信された識別番号を中央装置で受付けるステップとを有し、端末装置から受付けた識別番号が中央装置に記憶されている場合、前記端末装置から実行要求を受付けた有料の処理を中央装置で実行することを特徴とする請求項2記載の料金徴収方法。
【請求項4】 有料の処理の実行要求を端末装置から受付けて実行する中央装置と、情報の使用料金を該情報使用時の通信料金と共に徴収する情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を提供する情報提供装置とを備え、中央装置で実行する有料の処理の料金を徴収する料金徴収システムであって、有料の処理の実行要求を端末装置から受付ける受付手段と、実行要求を受付けた前記有料の処理の料金に応じた課金用情報の使用を検出する検出手段とを備え、課金用情報の使用の検出後に前記有料の処理を中央装置で実行すべくなしてあることを特徴とする料金徴収システム。
【請求項5】 前記中央装置は、端末装置から実行要求を受付けた有料の処理の料金に応じて、課金用情報を使用するための接続情報を作成する作成手段と、作成した接続情報を前記端末装置へ送信する送信手段とを備えることを特徴とする請求項4記載の料金徴収システム。
【請求項6】 前記接続情報は、接続先の電話番号と、接続元を識別する識別番号とを含み、前記受付手段は、端末装置から実行要求及び識別番号を受付けるように構成されており、前記情報提供装置は、課金用情報を使用する接続元の識別番号を受付ける手段と、課金用情報の使用後に前記識別番号を中央装置へ送信する手段とを備え、前記中央装置は、情報提供装置が送信した識別番号を受付ける識別番号受付手段と、受付けた識別番号を記憶する記憶部とを備え、端末装置から受付けた識別番号が記憶部に記憶されている場合、前記端末装置から実行要求を受付けた有料の処理を中央装置で実行すべくなしてあることを特徴とする請求項5記載の料金徴収システム。
【請求項7】 有料の処理の実行要求を受付けて実行する処理装置において、有料の処理の実行要求を受付ける受付手段と、情報の使用料金を該情報使用時の通信料金と共に徴収する情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を使用するための接続情報を、実行要求を受付けた前記有料の処理の料金に応じて作成する作成手段と、作成した接続情報を実行要求元へ送信する送信手段とを備え、課金用情報の使用後に前記有料の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする処理装置。
【請求項8】 前記接続情報は、接続先の電話番号と、接続元を識別する識別番号とを含み、前記受付手段は、実行要求及び識別番号を受付けるように構成されており、課金用情報の使用が済んでいる識別番号を受付ける識別番号受付手段と、受付けた識別番号を記憶する記憶部とを備え、実行要求元から受付けた識別番号が記憶部に記憶されている場合、前記実行要求元から実行要求を受付けた有料の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする請求項7記載の処理装置。
【請求項9】 有料の処理の実行要求をコンピュータに受付させ、実行させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、有料の処理の実行要求を受付けさせる手順と、コンピュータに、情報の使用料金を該情報使用時の通信料金と共に徴収する情報料金徴収代行サービスが適用される課金用情報を使用するための接続情報を、実行要求を受付けた前記有料の処理の料金に応じて作成させる手順と、コンピュータに、作成した接続情報を実行要求元へ送信させる手順とを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2003−233766(P2003−233766A)
【公開日】平成15年8月22日(2003.8.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−29518(P2002−29518)
【出願日】平成14年2月6日(2002.2.6)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)