説明

施肥マップ生成システム,その方法,産業用ヘリコプタ,サーバ,可変施肥機

【課題】広面積の圃場に対してもメッシュ毎の施肥を行ない、的確で効率的な施肥作業を可能とする。
【解決手段】産業用無人ヘリコプタに搭載された各種センサによる圃場のリモートセンシング(遠隔探査)を行い、土壌の画像及び自然光の反射率を計測する。一方、圃場の数地点の土壌をサンプリングして分析し、熱水抽出窒素を得る。得られたリモートセンシングデータと、土壌サンプリングデータとに基づいて、熱水抽出性窒素マップを生成する。この熱水抽出性窒素マップと、作付けする作物や使用する肥料のデータを基に演算処理を行い、例えば、10mメッシュ単位の施肥マップを生成する。生成した施肥マップと、GPS位置情報を基に、自動可変施肥機を自動制御し、適切な肥料を吐出して施肥を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートセンシング技術を活用して、作物に対する施肥を行なうための施肥マップ生成システム,その方法,産業用ヘリコプタ,サーバ,可変施肥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作物に対する施肥は、多くの場合、農業従事者の勘と経験に頼って行なわれている。しかし、国際競争の激化,後継者不足,安定した作物の提供などの課題に応えるとともに、持続的・安定的・効率的な産業とするためには、科学的な根拠に基づく合理的な施肥手法が必要である。
【0003】
従来の施肥手法としては、例えば、下記特許文献1に記載の「施肥情報管理システム,施肥情報管理システム用プログラム及び施肥情報管理システム用記録媒体」がある。これは、作物に対する期待される吸収割合としての肥効率を考慮して、施肥する堆肥の特に窒素,リン酸,カリウムの所要成分について、その過不足量を把握できるようにし、正確な施肥情報を提供して、施肥設計を確実に行なうことを目的としたもので、複数種類の作物毎に所定耕作面積当りにおいて所定収穫量を得るために必要な各所要成分の基準量を定めた基準データに基づいて決定された基本基準データと、複数種類の堆肥毎の各所要成分の成分量に係る肥料データとに基づいて、特定の作物に対し指定された施肥面積において施肥すべき当該特定の肥料の施肥量を算出し、算出した特定の肥料の施肥量のうち各所要成分の各々の全成分量を算出し、この全成分量に各所要成分の作物に対して期待される吸収割合としての肥効率を夫々乗じて各所要成分の有効成分量を算出し、この有効成分量及び基本基準データに基づいて各所要成分の施肥の過不足量を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−278816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した背景技術は、圃場単位での施肥量の算出であり、圃場内における肥料成分の変動には対応していない。従って、圃場の面積が広いような場合には、良好な施肥管理を行なうことができない。具体的には、圃場内の場所によって土壌の肥料成分のばらつきがある場合には、そのばらつきに対応した量の施肥を行なう必要があるが、前記背景技術では、適切に施肥量を調整することができない。
【0006】
本発明は、以上のような点に着目したもので、特に広面積の圃場に対しても効率的な施肥を行なうことができる施肥マップ生成システム,その方法,産業用ヘリコプタ,サーバ,可変施肥機を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、圃場に作付けする作物に施肥を行なう際の施肥量を示す施肥マップを生成する施肥マップ生成において、まず、対象となる圃場に対するリモートセンシングを行なって、圃場の画像データ及び環境光量データを得るとともに、前記圃場内の複数の調査地点において土壌をサンプリングし、土壌中に含まれている肥料成分を分析して土壌サンプリングデータを得る。次に、一方において、前記圃場の画像データ及び環境光量データと、前記土壌サンプリングデータとに基づいて、調査地点における自然光の反射率と熱水抽出性窒素量との関係を求めるとともに、他方において、リモートセンシングによって得たデータに基づいて、前記圃場における自然光の反射率を、予め定めたメッシュ毎に算出する。そして、前記調査地点における自然光の反射率と熱水抽出性窒素量との関係と、前記圃場のメッシュ毎の自然光の反射率のデータとに基づいて、圃場のメッシュ単位の熱水抽出性窒素マップを作成し、前記圃場の営農者が指定した当該圃場に作付けする作物及びその肥料に関するデータと、前記熱水抽出性窒素マップと、予め用意されている標準施肥量のデータとに基づいて、圃場のメッシュ単位の施肥マップを作成することを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、圃場に作付けする作物に施肥を行なう際の施肥量を示す施肥マップを生成する際に、対象となる圃場に対してリモートセンシングを行い、圃場による自然光の反射率を計測し、前記圃場内の複数の地点において土壌をサンプリングし、土壌中に含まれている肥料成分を分析し、前記計測データ及び分析データを利用して、予め設定した圃場のメッシュを単位とした施肥マップを生成することとしたので、広面積の圃場に対しても効率的な施肥を行なうことができ、的確な施肥作業を行なって、作物の収穫量の増大や安定供給,コストの低減,環境負荷の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1の全体を示す図である。
【図2】リモートセンシングを行なう産業用無人ヘリコプタと基地局の構成を示すブロック図である。
【図3】リモートセンシングで得たデータの解析・演算システムの構成を示すブロック図である。
【図4】リモートセンシングデータ及び土壌サンプリングデータの一例を示す図である。
【図5】主題図作成の主要工程を示す図である。
【図6】圃場区画処理,圃場画像処理の工程を示す図である。
【図7】圃場区画処理の様子を示す図である。
【図8】圃場画像処理の様子を示す図である。
【図9】主題図Aの一例を示す図である。
【図10】施肥マップ作成の手順を示す図である。
【図11】施肥マップ作成に使用する施肥区分及び標準施肥量の一例を示す図である。
【図12】可変施肥機の一例を示す図である。
【図13】施肥量の調整手順の一例を示す図である。
【図14】土壌サンプリング点の反射率と熱水抽出性窒素量との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
<概要> 最初に、図1を参照しながら、本発明の実施例1の概要を説明する。同図に示すように、本実施例の自動可変施肥システムは、以下の工程から構成されている。
(1)産業用無人ヘリコプタによるリモートセンシング(ステップS10):産業用無人ヘリコプタに搭載された各種センサによる圃場のリモートセンシング(遠隔探査)を行い、土壌の色の濃淡を計測する。
(2)土壌分析(ステップS12):圃場の数地点の土壌をサンプリングし、腐食含有量,熱水抽出窒素などを分析する。
(3)データの解析(ステップS14,S16):得られたリモートセンシングで計測された計測データと、前記土壌分析で得られた分析データを基に、モデル式の作成を行い、熱水抽出窒素マップを作成する。
(4)施肥マップの作成(ステップS18,S20):前記熱水抽出窒素マップと、使用する肥料の成分比を基に演算処理を行い、例えば、10mメッシュ単位の施肥マップを作成する。
(5)GPS搭載の施肥機による施肥(ステップS22):作成された施肥マップと、GPS位置情報を基に、自動可変施肥機の肥料繰出ローラを自動制御し、施肥機位置における適切な肥料を吐出する。
【0012】
以上の工程による処理を各圃場についてメッシュ単位で行うことで、圃場内の土壌における肥料成分のばらつきがあるために生ずる過剰な量の肥料の投入が抑制されて、適切な量の肥料が投入されるようになり、肥料コストが削減されるとともに、環境負荷の低減も実現できる。以下、前記各工程について詳述する。
【0013】
<産業用無人ヘリコプタによるリモートセンシング> まず、図2を参照しながら、産業用無人ヘリコプタ(以下単に「ヘリコプタ」という)によるデータ計測システムの構成と動作を説明する。図2には、データ計測に必要なヘリコプタ側及び基地局(ないし地上局)側のシステム構成がブロック図として示されている。同図において、ヘリコプタ100には、
a,ノートタイプのパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)110が搭載されている。このPC110には、
b,カードメモリ,USBメモリなどの外部メモリ112,
c,GPS(Global Positioning System)を利用して自機の現在位置を知るためのGPS計測装置120,
d,空中から施肥対象である圃場の画像を撮影する撮像装置130,
e,撮像装置130で撮影された映像から所望の静止画を切り出して保存するためのキャプチャ装置132,
f,撮像装置130で撮影された映像を基地局側に送信するための映像送信装置134,
g,太陽光量を計測する環境光量(AI)センサ140,
h,基地局側と交信するための無線LAN(Local Area Network)装置150,
i,以上の各部に必要な駆動電力を供給するヘリコプタ電源170,
が、適宜のインターフェース(図示せず)を介して接続されている。
【0014】
これらのうち、外部メモリ112は、例えばPC110のカードスロットに差し込まれたカードなどのカード型メモリであり、キャプチャ装置132から出力された静止画像が記録される。GPS計測装置120は、GPSアンテナ及び位置計測器を含み、計測された位置データは、PC110に例えばシリアルポートを介して供給される。
【0015】
撮像装置130は、いわゆるビデオカメラであり、本実施例では、赤(R),緑(G),近赤外(IR),の各スペクトルを検出するマルチスペクトルセンサとしても機能する。撮像装置130で撮影された映像は、キャプチャ装置132に供給されており、キャプチャ装置132で静止画像が切り取られてPC110の外部メモリ112に記録される。
【0016】
この場合において、ヘリコプタ100によって圃場を効率よくセンシングするためには、極力一枚の画像内に圃場の全体が入るように撮影することが効果的である。そこで、本実施例では、撮像装置130に俯角を付けた状態で、すなわち圃場を斜め上空から撮影している。そして、後述する主題図の作成の際に、
a,俯角撮影により歪が生じた圃場の画像データの修正(オルソ補正),
b,画像データの他に姿勢角や太陽光量など様々なセンシングデータを利用して絶対値としての反射率変換,
が必要に応じて行われる。
【0017】
映像送信装置134は、映像送信機やアンテナを含んでおり、これらによって撮像装置130で撮影された映像が基地局側に送信される。環境光量センサ140は、天候により変動する圃場からの反射光を補正するために、太陽光量を計測するためのもので、計測されたデータは、A/Dコンバータ(図示せず)でデジタル信号に変換された後、PC110に送信されて記録される。無線LAN装置150は、PC110と基地局側とが無線LANを利用して交信を行なうためのものである。以上の各部には、ヘリコプタ電源170から駆動に必要な電力が供給されている。
【0018】
次に、基地局200には、
a,PC210,
b,ヘリコプタ側から映像信号を受信する映像受信装置234,
c,映像を表示する表示装置236,
d,ヘリコプタ側と交信するための無線LAN装置250,
e,以上の各部に必要な駆動電力を供給する基地局電源270
が設けられている。
【0019】
これらのうち、PC210は、どのようなものでもよいが、移動に便利なノートタイプが好適である。映像受信装置234は、ヘリコプタ100の映像送信装置134から送信された映像信号を受信するためのもので、アンテナや映像受信機を含んでいる。映像受信装置234による受信信号は、表示装置236に供給されて映像が表示される。無線LAN装置250は、PC210で実行される遠隔監視プログラム212に基づいて、ヘリコプタ100の無線LAN装置150との間で信号の授受を行なって、ヘリコプタ100におけるデータ計測の様子を監視するためのものである。以上の各部には、基地局電源270から駆動に必要な電力が供給されている。なお、ヘリコプタ100を無線操縦するためのシステムは公知であり、図示していない。基地局200は、映像受信装置234や無線LAN装置250における信号の送受信が可能な位置,具体的には計測対象の圃場近くに設置される。
【0020】
次に、以上のようなヘリコプタ100による計測の動作を説明する。ヘリコプタ100は、無線操縦により離陸し、計測対象となる圃場の上空を飛行する。一方、PC110では、データ計測プログラム114が実行されている。ヘリコプタ100では、撮像装置130によって上空から圃場が撮影され、その映像が映像送信装置134,映像受信装置234を介して基地局に受信され、表示装置236に表示される。撮像装置130による映像は、キャプチャ装置132にも送信され、ここで、必要な静止画の取り込みが行われる。取り込まれた静止画は、PC110によって外部メモリ112に記録・保存される。なお、キャプチャ装置132による動作タイミングは、予め時間間隔を設定しておいてもよいし、無線LANを利用して基地局側から指示するようにしてもよい。ヘリコプタ100は、計測対象の圃場上空を飛行してセンシングし、撮像装置130によってマルチスペクトルデータを計測するとともに、環境光量センサ140によって環境光量データを計測する。このとき、計測データの圃場における位置は、GPS計測装置120によって計測する。これらの計測データは、PC110ないし外部メモリ112に格納される。
【0021】
ところで、この場合において、ヘリコプタ飛行中の振動は激しく、特に離陸の際は激しい揺れを伴うため、計測データが保存されていないなどのトラブルが生ずる可能性がある。従来は、ヘリコプタ100の着陸後に計測データの保存状態を確認していたため、正しく計測データが保存されなかった場合は、再度「ヘリコプタ100を離陸」→「センシングしてデータを計測」→「ヘリコプタ100を着陸」→「計測データの保存状態を確認」といった動作を繰り返す必要があり、センシングの作業効率が低下してしまう。
【0022】
そこで、本実施例では、ヘリコプタ100に搭載されているPC110と基地局200のPC210を無線LAN装置150,250で接続し、遠隔監視プログラム212によってヘリコプタ側のPC110の遠隔監視ないし遠隔操作が行なわれている。遠隔監視プログラム212としては、例えば、「RealVNC」がある。これは、LANやインターネットで接続されているパソコンを遠隔操作することができる公知のフリーのソフトである。
【0023】
具体的な方法としては、まず、ヘリコプタ側のPC110において、RealVNCサーバをサービスとして常時起動させる。次に、基地局側のPC210において、RealVNCクライアントを起動させる。これにより、PC110の表示装置(図示せず)の内容が、PC210の表示装置236に仮想化されて表示されるようになり、これを参照することで、遠隔監視を行なうことができる。そして、仮想化された表示装置上で外部メモリ112の内容を表示ソフト(例えば、Windows(登録商標)であれば、エクスプローラ)で表示することで、データの保存状態が確認される。
【0024】
このような遠隔監視を行なうことで、
a,常時基地局200において計測データの保存状況を確認することが可能となる。
b,不測の事態が生じたときは、すぐにヘリコプタ100を着陸させ、対処することで、センシング作業の効率が向上する。
といった利点がある。
【0025】
<土壌分析> 次に、土壌分析について説明する。土壌分析は、上述したヘリコプタ100によるリモートセンシングを行なった圃場において、実際に土壌を採取ないしサンプリングすることによって行われる。このとき、ハンディGPS計測装置などを利用して、サンプリング地点を計測しておく。この土壌分析によって、当該サンプリング地点における腐植含有量,熱水抽出性窒素量などの土壌サンプリングデータを得る。
【0026】
前記腐植含有量は、土壌の炭素含有量から測定することができ、例えば、土壌環境分析法編集委員会編「土壌環境分析法」博友社,p225〜228に具体的な分析手法の一例が記述されている。腐植含有量は、土壌の黒色の程度に関係し、土壌の見た目で推定することもできる。例えば、土壌に黒味がないときは腐植含有量は1%以下,少し黒味があるときは数%程度,かなり黒味があるときは5%程度,黒に近い褐色であるときは10%以上という具合である。熱水抽出性窒素の分析手法については、例えば、北海道立中央農試・北海道農政部農業改良課「土襲および作物栄養の診断基準一分析法(改訂版)」(1992)のp80〜81に記述されている。なお、このとき、対象となる圃場の外郭線を示す地点も、計測しておくようにする。
【0027】
<主題図作成のシステム構成> 次に、ヘリコプタ100によるセンシングによって得られたリモートセンシングデータと、土壌分析によって得られた土壌サンプリングデータに基づいて、主題図A(熱水抽出性窒素マップ)と主題図B(可変施肥マップ)を作成するためのシステム構成について、図3を参照しながら説明する。同図に全体構成を示すように、インターネット300には、多数の営農者端末PC302と、主題図Bである可変施肥マップを作成するためのGIS(Geographic Information System)サーバ320が接続されている。また、上述したヘリコプタ100によるセンシングによって得られたリモートセンシングデータDRと、土壌分析によって得られた土壌サンプリングデータDSは、開発者端末PC(サービスを提供する会社のPC)310に入力されており、この開発者端末PC310が前記GISサーバ320に接続されている。なお、図示の例では、開発者端末PC310は、GISサーバ320に直接接続しているが、インターネット300を介して接続するようにしてもよい。
【0028】
開発者端末PC310には、前記リモートセンシングデータDRと、前記土壌サンプリングデータDSを解析して、主題図Aである熱水抽出性窒素マップを作成するためのプログラム312が用意されている。
【0029】
GISサーバ320は、主題図Bである可変施肥マップを作成するための可変施肥マップ生成プログラム322が用意されており、主題図Bを得るために必要なデータを格納したデータベース330が接続されている。データベース330には、施肥区分332,作物の標準施肥量334,肥料成分比336などのデータが予め格納されている。
【0030】
図4(A)及び(B)には、リモートセンシングデータDRの例が示されており、同図(A)は開発者端末PC310側で見た圃場の画像の一例,同図(B)は、マルチスペクトルデータとGPSデータの一例である。GPSデータで特定される位置の画素のR(赤),G(緑),B(青)の格納領域に、R(赤),G(緑),Nir(近赤外)の値がそれぞれ保存されている。図4(C)及び(D)には、土壌サンプリングデータDSの例が示されており、同図(C)は開発者端末PC310側で見た圃場の外郭線及び圃場内にある土壌採取調査地点を示す画像の一例,同図(D)はGPSデータと土壌の分析値の一例である。
【0031】
開発者端末PC310では、熱水抽出性窒素マップ生成プログラム312が実行され、入力されたリモートセンシングデータDR及び土壌サンプリングデータDSを利用して、主題図である熱水抽出性窒素マップが生成される。
【0032】
図5(A)には、主題図作成手順の概要が示されており、圃場区画処理ステップSA,熱水抽出性窒素マップ作成ステップSB,可変施肥マップ作成ステップSCによって構成されている。このうち、圃場区画処理ステップSAの詳細は図5(B)に示されている。また、熱水抽出性窒素マップ作成ステップSBの詳細は、図6に示されている。可変施肥マップ作成ステップSCの詳細は、図10に示されている。
【0033】
圃場区画処理ステップSA及び熱水抽出性窒素マップ作成ステップSBは、開発者端末PC310によって行われる。得られた熱水抽出性窒素マップから可変施肥マップを作成するステップSCは、営農者端末PC302からインターネット300を利用してGISサーバ320にアクセスして実行される。以下、順に説明する。
【0034】
<圃場区画処理> 図5(B)において、開発者端末PC310の画面上で、オペレータが「圃場区画データファイルをインポート」のメニューを選択(クリック)し、マップ作成の対象となる圃場を指定すると、該当する圃場区画データがインポートされて(ステップS10)、例えば図7(A)のように表示される。線L10が圃場H10の周囲ないし境界を表し、点P10,P12,・・・が土壌サンプリング調査地点を示す。オペレータは、その表示を見ることで、インポートされた圃場区画の形状が現地の形状と合っているかどうかを目視で確認する。
【0035】
次に、オペレータは、「圃場四隅座標取得」メニューを選択する。すると、開発者端末PC310では、圃場H10の四隅(奥左、手前左、手前右、奥右)の座標が求められる(ステップS12)。なお、直接四隅の座標が分からないときは、線L10を延長して交点が求められる。このようにして得た圃場H10の四隅と土壌採取調査地点P10の座標は、後述する処理で使用する。図7(B)にはその様子が示されており、奥左隅C10,手前左隅C12の座標は圃場H10の線L10の交点から求められている。しかし、奥右隅C14,手前右隅C16の座標は、線L10を延長した交点から求められている。
【0036】
以上の処理を行なったオペレータが「座標情報保存」メニューを選択すると、以上のようにして設定した座標情報が保存される(ステップS14)。なお、次の「座標情報読込」のステップS16は、座標情報を作業途中で一旦保存し、再びその座標情報を読み込んで設定作業を行なうような場合を示す。
【0037】
<熱水抽出性窒素マップ作成> 次に、図6を参照しながら、熱水抽出性窒素マップ作成の手順を説明するオペレータは、画像データのロードを指示し、ヘリコプタ100で得た圃場H10の画像データ(bmp)を指定する。すると、開発者端末PC310に、図8(A)に示すように、圃場H10の指定した画像がロードされて表示される(ステップS100)。
【0038】
次に、オペレータは、各種ファイルのロードを指示し、当該圃場H10に対応する必要なデータファイルを選択する(ステップS102)。具体的には、
a,ヘリコプタ100で等間隔連続撮影を行ったときの画像情報(撮影時間,Gain(CCDカメラの感度),Exposure(CCDカメラの露光時間),ヘリコプタ位置)を撮影回数分記録したCSVファイル,
b,ヘリコプタ100に搭載した撮像装置130の赤、緑、近赤外の反射量データ(bmp)及び環境光量センサ140で取得した、赤,青,緑,近赤外の4バンドそれぞれの環境光量データを、例えば数秒の間隔で計測して保存したCSVファイル,
である。
【0039】
次に、オペレータは、図8(B)に示すように、開発者端末PC310の表示画面上で、圃場H10の四隅を指定する(ステップS104)。なお、図示のように、四隅位置が画像からはみ出して指定してもよい。四隅を指定した結果、画像データは幾何補正され、位置情報付きのデータとなる(S106)。
【0040】
次に、前記ステップS14で保存した土壌サンプリング調査地点P10,P12,・・・の座標から、その画面上の画素位置に○印が表示される。同時に、その土壌サンプリング調査地点P10,P12,・・・の画素の赤,緑,青値(RGB値)及び環境光量データを取得し(ステップS108)、開発者端末PC310の所定メモリ内に保存する。詳述すると、図8(A)〜(C)に示されている画像を詳細に見ると、画素の集まりであり、画素の赤,緑,青の格納領域には赤,緑,近赤外(Nir)の値が保存されているので、各画素の赤,緑,及び近赤外(Nir)の各輝度値が把握できる。
【0041】
次に、開発者端末PC310では、前記ステップS108で取得した赤,緑,及び近赤外の輝度値、環境光量データ、及び前記ステップS100でロードしたExposure,Gainの各値から、土壌サンプリング調査地点P10,P12,・・・の赤,緑,及び近赤外のバンド毎の自然光の反射率(Ref値)を算出し(ステップS110)、反射率のデータが保存される(ステップS112)。なお、前記反射率の計算式は、例えば、杉浦綾著「産業用無人ヘリコプタを用いたフィールド情報のリモートセンシングシステム」北海道大学大学院農学研究院邦文紀要,第28巻第2号(2007-02-16発行)のp168に記述されている式(4.1)を使用することができる。そして、以上のようにして得られた各土壌サンプリング点の反射率と、前記土壌サンプリングデータDSである調査地点の熱水抽出性窒素量(ステップS114)との関係を示す関係式ないし相関式が作成される(ステップS116)。
【0042】
図14には、その一例が示されている。同図において、横軸はヘリコプタで取得した反射率x(%)であり、縦軸は熱水抽出性窒素量y(%)である。例えば、近赤外について関係式を求めると、y=−0.1961x+19.66となる。緑及び赤についても、図示のとおりである。なお、図中、Rは決定係数を表し、緑は0.88,近赤外は0.90,赤は0.83となっている。
【0043】
一方、開発者端末PC310では、圃場全体のメッシュ毎のRGB値及び環境光量データを取得し(ステップS109)、開発者端末PC310の所定メモリ内に保存する。具体的には、メッシュ内に含まれている各画素のRGB値及び環境光量データの平均値を求める。この場合も、同様に、赤,緑,青に赤,緑,近赤外(Nir)の値が対応しているので、メッシュ毎の赤,緑,及び近赤外(Nir)の各輝度値が把握できる。前記ステップS109で取得した赤,緑,及び近赤外の輝度値,環境光量データ,及び前記ステップS100でロードしたExposure,Gainの各値から、圃場全体について、メッシュ毎の赤,緑,及び近赤外のバンド毎の自然光の反射率が算出され(ステップS118)、メッシュ毎に保存される(ステップS120)。次に、開発者端末PC310では、前記ステップS116で得た調査地点の自然光の反射率と熱水抽出性窒素量との関係を示す関係式と、前記ステップS120で得た圃場全体の反射率のデータを利用して、圃場H10全体の主題図である熱水抽出性窒素マップがメッシュ毎に作成され(ステップS122)、保存される(ステップS124)。保存された熱水抽出性窒素マップは、GISサーバ320に提供される。
【0044】
保存された熱水抽出性窒素マップは、図9(A)に示すように、土壌が持つ熱水抽出性窒素の量を10mメッシュポリゴンで保存したもので、この主題図から、各メッシュの座標,熱水抽出性窒素の値を知ることができる。これと、対象となる作物や、使用する肥料の成分比などのデータを加味することで、メッシュ毎に必要な窒素施用量を計算することができる。
【0045】
<可変施肥マップの作成> 次に、営農者端末PC302及びGISサーバ320による可変施肥マップの生成について説明する。GISサーバ320では、可変施肥マップ生成プログラム322が実行され、これによって、図10に示す手順で可変施肥マップが作成される。なお、図10は、後述する施肥機に、メインタンクとサブタンクがある場合の例で、メインタンクのみの場合は、サブタンク用の手順は不要である。
【0046】
まず、営農者は、自分の圃場で栽培しようとする作物,使用する肥料名,肥料成分比を営農者端末PC302で入力する。肥料成分比を入力することで、営農者が独自に配合した肥料を使用することもできる。これらの入力データは、インターネット300を介してGISサーバ320に送信される。GISサーバ320は、データベース330から、該当する営農者の圃場の各メッシュの施肥区分を得る(ステップS200)。施肥区分は、例えば図11(A)に示すようになっており、例えば、コード「273」は地帯区分が「十勝山麓」であり、土壌区分は「火山性土」という具合である。土壌の種類によって土壌に含まれる窒素量などが異なることから、それを考慮して施肥量を定める。
【0047】
次に、GISサーバ320は、データベース330から、営農者が指定した作物に相当する標準施肥量,営農者が指定した肥料の成分比の各データを各メッシュについて得る(ステップS202)。図11(B)には、標準施肥量の一例が示されている。例えば、十勝山麓[火山性土]に生食用ばれいしょを作付けする場合、窒素(N),リン(P),カリウム(K)の標準施肥量は、それぞれ6kg/10a,20kg/10a,12kg/10a,である。このときに、営農者が、肥料の成分比のデータを個別に入力することで、各種の肥料,例えば営農者が独自に用意した肥料を使用することができる。
【0048】
次に、以上のようにして取得したデータに基づいて、メッシュ毎に必要な施肥量を計算する。最初に、メインタンクの施肥量から算出する。営農者は、施肥方式を、固定,可変のいずれかから選択する(ステップS204)。可変の場合から説明すると、GISサーバ320は、最初に標準施肥量に基づく標準の窒素施肥量を算出する(ステップS208)。次に、作物,前記開発者端末PC310で得た熱水抽出性窒素マップにおける窒素量,前記窒素標準施肥量から、窒素肥料の補正値を算出する(ステップS210)。次に、使用する肥料の窒素(N),リン(P),カリウム(K)の成分比から、前記補正値に対応する窒素施肥量を算出し(ステップS212)、更に他の成分の施肥量も算出する(ステップS214)。なお、一定の量の窒素を施肥するときは、固定の施肥方式を選択し(ステップS204)、営農者が入力した値をそのまま窒素施肥量とする(ステップS206)。窒素施肥量が決まると、肥料の成分比から、他の成分の施肥量も算出される。
【0049】
続いて、サブタンクについて、同様の処理が行われる(ステップS224〜S234)。なお、サブタンクの場合は、メインタンクをサブタンクによって補完するという施肥方式もある。営農者によって指示された成分,例えば窒素のメインタンクでの施肥量と最低施肥量から不足分を算出し(ステップS236)、使用する肥料の成分比から前記不足分に対応した施肥量を算出する(ステップS238)。
【0050】
図9(B)にはその一例が示されており、同図(A)のメッシュに対し、同図(B)に示すような施肥量が対応付けられる。例えば、点々で示すメッシュについては、メインタンクからの施肥量は167kg/10aであり、サブタンクからの施肥量は0kg/10aである。黒色で示すメッシュについては、メインタンクからの施肥量は117kg/10aであり、サブタンクからの施肥量は32kg/10aである。他のメッシュの施肥量についても、図示のとおりである。
【0051】
以上のようにして得られた可変施肥マップは、インターネット300を介してGISサーバ320から営農者端末PC302にダウンロードされる。CD-ROMなどの記録媒体を利用して、各営農者に可変施肥マップを提供するようにしてもよい。
【0052】
このように、サブタンクを設けることで、メインタンク肥料とサブタンクの肥料を混合して使用することができるようになり、土壌の状態に応じた多様な施肥が可能となる。また、メインタンクで窒素,リン,カリウムの混合肥料を使用する場合、窒素を適正値としたために、リンやカリウムが不足することが考えられるが、サブタンクでそれらを補うようにすることができる。
【0053】
<GPS搭載自動可変施肥機による施肥> 図12(A)には、本実施例で使用する自動可変施肥機400の構成が示されており、GPS測定装置402,可変施肥用PC404,施肥量制御用マイコン406,施肥器408を備えている。なお、図示の例は、トラクター搭載型の施肥機であるが、各種タイプの施肥機に適用可能である。
【0054】
上述した営農者端末PC302に提供された可変施肥マップは、自動可変施肥機400の可変施肥用PC404に入力される。可変施肥用PC404では、図12(B)に示すように、GPS測定装置402から自動可変施肥機400の現在位置情報が入力されており、当該位置に対応する施肥量データが可変施肥用PC404により可変施肥マップから抽出される。抽出された施肥量データは、可変施肥用PC404により制御用データに変換されて、施肥量制御用マイコン406に供給される。施肥量制御用マイコン406は、入力された施肥量に基づいて施肥器408を駆動し、メインタンク及びサブタンクから該当する量の肥料を繰り出して施肥を行なう。
【0055】
例えば、図9(A)の点々のメッシュに自動可変施肥機400が位置するときは、メインタンクから167kg/10aの量の施肥が行なわれるが、サブタンクからは施肥は行なわれない。右下がり斜線で示すメッシュについては、メインタンクから133kg/10aの施肥が行なわれ、サブタンクから21kg/10aの施肥が行なわれる。他のメッシュについても、図示のとおりである。
【0056】
<施肥量の調整> 次に、図13及び図14を参照しながら、施肥量の調整について説明する。営農者は、例えば、前年の作付け作物や施肥の投入実績を考慮して施肥量を増減したい場合があり、GISサーバ320の施肥量調整プログラム324によって施肥量を自由に調整ないし編集する。
【0057】
施肥量を調整したいときは、営農者は、その営農者端末PC302からインターネット300を介してGISサーバ320にアクセスし、施肥量調整メニューを選択する。
【0058】
メッシュ単位で施肥量調整を行なうときは、図13(A)に示すように、まず、調整対象のメッシュをクリックして指定する。すると、当該メッシュが選択状態となるので、同図(B)の画面から既存施肥量のいずれかを選択するか、同図(C)に示す設定画面で所望の施肥量の数値を入力する。図示の例では、メインタンクの施肥量を、150kg/10aに設定している。なお、同図(D)に示すように、複数のメッシュを含む矩形領域を選択すれば、それら選択された領域に含まれているメッシュについて、上述した方法で施肥量の調整が行なわれる。調整対象のメッシュの指定方法は、複数のメッシュを順次クリックして指定するようにしてもよいし、矩形以外の各種の形状で指定できるようにしてもよい。
【0059】
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)産業用無人ヘリコプタを使用することとしたので、広範囲の面積の圃場について施肥マップを作成することができる。
(2)圃場を更に細分化したメッシュ毎に、必要な施肥量を得ることができ、的確な施肥作業を行なうことができ、作物の収穫量の増大,安定供給を図ることができる。
(3)不要な施肥を避けることで、肥料コスト,施肥コストの低減や、環境負荷の軽減を図ることができる。
(4)農業経営の持続性・安定性・効率性を確保することでき、作物の高位平準化も可能となる。
【0060】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例では、主題図として、窒素施肥マップを作成する場合を示したが、窒素以外の各種の肥料について適用可能である。
(2)前記実施例で示したシステムや自動可変施肥機の構成,表示画面などは一例であり、前記実施例に限定されるものではない。例えば、前記実施例では産業用無人ヘリコプタを使用してリモートセンシングを行なったが、衛星など、各種のものを用いてよい。前記実施例では、開発者端末PCによって熱水抽出性窒素マップを作成し、営農者端末PC及びGISサーバ320によって可変施肥マップを作成したが、コンピュータシステムの構成は各種可能であり、いずれとしてもよい。また、前記実施例では、自動可変施肥機を備えたトラクターによって施肥作業を行なうこととしたが、他の機械・器具等を用いて施肥を行なうことを妨げるものではない。
(3)本発明は、特に食用の作物に好適であるが、食用以外の花などの作物も適用対象である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明によれば、リモートセンシングによって得た情報を利用して施肥マップを得ることができ、各種作物の施肥作業に好適である。
【符号の説明】
【0062】
100:ヘリコプタ
110:PC
112:外部メモリ
114:データ計測プログラム
120:GPS計測装置
122:データ通信装置
130:撮像装置
132:キャプチャ装置
134:映像送信装置
140:環境光量センサ
150,250:無線LAN装置
170:ヘリコプタ電源
200:基地局
210:PC
212:遠隔監視プログラム
234:映像受信装置
236:表示装置
270:基地局電源
300:インターネット
302:営農者端末PC
310:開発者端末PC
312:熱水抽出性窒素マップ生成プログラム
320:GISサーバ
322:可変施肥マップ生成プログラム
324:施肥量調整プログラム
330:データベース
332:施肥区分
334:作物の標準施肥量
336:肥料成分比
400:自動可変施肥機
402:GPS測定装置
404:可変施肥用PC
406:施肥量制御用マイコン
408:施肥器
C10:奥左隅
C12:手前左隅
C14:奥右隅
C16:手前右隅
DR:リモートセンシングデータ
DS:土壌サンプリングデータ
H10:圃場
L10:線
P10〜P16:土壌サンプリング調査地点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に作付けする作物に施肥を行なう際の施肥量を示す施肥マップを生成する施肥マップ生成システムであって、
対象となる圃場に対するリモートセンシングによって得た圃場の画像データ及び環境光量データと、前記圃場内の複数の調査地点において土壌をサンプリングし、土壌中に含まれている肥料成分を分析して得た土壌サンプリングデータとに基づいて、調査地点における自然光の反射率と熱水抽出性窒素量との関係を求める熱水抽出性窒素量算出手段,
前記リモートセンシングセンシングによって得たデータに基づいて、前記圃場における自然光の反射率を、予め定めたメッシュ毎に算出する反射率算出手段,
前記熱水抽出性窒素量算出手段で得た調査地点における自然光の反射率と熱水抽出性窒素量との関係と、前記反射率算出手段で得た圃場のメッシュ毎の自然光の反射率のデータとに基づいて、圃場のメッシュ単位の熱水抽出性窒素マップを作成する第1の主題図作成手段,
前記圃場の営農者が、当該圃場に作付けする作物及びその肥料に関するデータを指定するための営農者入力手段,
前記第1の主題図作成手段によって作成された熱水抽出性窒素マップと、前記営農者入力手段によって入力された作物及び肥料に関するデータと、予め用意されている標準施肥量のデータとに基づいて、圃場のメッシュ単位の施肥マップを作成する第2の主題図作成手段,
を含むことを特徴とする施肥マップ生成システム。
【請求項2】
前記営農者入力手段による入力に基づいて、前記施肥マップにおける施肥量をメッシュ単位で調整する施肥量調整手段を、前記第2の主題図作成手段に設けたことを特徴とする請求項1記載の施肥マップ生成システム。
【請求項3】
前記営農者入力手段がネットワークに接続されている情報入力端末であり、前記第2の主題図作成手段が前記ネットワークに接続されているサーバであることを特徴とする請求項1又は2記載の施肥マップ生成システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の施肥マップ生成システムにおけるリモートセンシングを行なうための産業用ヘリコプタであって、リモートセンシングして得たデータの保存状態を確認する遠隔監視手段を備えたことを特徴とする産業用ヘリコプタ。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の施肥マップ生成システムのためのサーバであって、前記第2の主題図作成手段を備えたことを特徴とする施肥マップ生成サーバ。
【請求項6】
GPS機能によって圃場内における位置を取得し、請求項1〜3のいずれか一項に記載の施肥マップ生成システムによって生成された施肥マップに基づいて施肥を行なうことを特徴とする可変施肥機。
【請求項7】
圃場に作付けする作物に施肥を行なう際の施肥量を示す施肥マップを生成する施肥マップ生成方法であって、
対象となる圃場に対するリモートセンシングを行なって、圃場の画像データ及び環境光量データを得るステップ1,
前記圃場内の複数の調査地点において土壌をサンプリングし、土壌中に含まれている肥料成分を分析して土壌サンプリングデータを得るステップ2,
前記ステップ1によって得た圃場の画像データ及び環境光量データと、前記ステップ2で得た土壌サンプリングデータとに基づいて、調査地点における自然光の反射率と熱水抽出性窒素量との関係を求めるステップ3,
前記ステップ1によって得たデータに基づいて、前記圃場における自然光の反射率を、予め定めたメッシュ毎に算出するステップ4,
前記ステップ3で得た調査地点における自然光の反射率と熱水抽出性窒素量との関係と、前記ステップ4で得た圃場のメッシュ毎の自然光の反射率のデータとに基づいて、圃場のメッシュ単位の熱水抽出性窒素マップを作成するステップ5,
前記圃場の営農者が、当該圃場に作付けする作物及びその肥料に関するデータを指定するためのステップ6,
前記ステップ5によって作成された熱水抽出性窒素マップと、前記ステップ6によって入力された作物及び肥料に関するデータと、予め用意されている標準施肥量のデータとに基づいて、圃場のメッシュ単位の施肥マップを作成するステップ7,
を含むことを特徴とする施肥マップ生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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