説明

施設園芸用温室暖房システム

【課題】施設園芸用温室暖房システムにおいて、環境破壊を防ぐと共に安価に施設園芸用温室を暖房するようにする。
【解決手段】施設園芸用温室を暖房する施設園芸用温室暖房システム1において、木質燃料を燻炭化して一酸化炭素ガスを発生させるガス発生装置2と、このガス発生装置2により発生した一酸化炭素ガスを用いて施設園芸用温室を暖房する暖房手段(6,7)とを備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニルハウス、ガラス温室等の施設園芸用温室を暖房する施設園芸用温室暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設園芸用温室を暖房し、所望の温度環境で農作物を生産する施設園芸が行われている。この施設園芸を行うに際しては、面積10a毎に例えば10万kcal程度の膨大な熱量が必要となる。
【0003】
上記の暖房装置の燃料としては灯油、ガソリン等の化石燃料が用いられている。また、暖房装置を稼働させるために電力が必要となる場合もある。ここで、電力供給のために固体廃棄物を燃焼させてガス化し、このガスを基に発電する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−298783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、施設園芸用温室暖房システムにおいて、上記特許文献1のように固体廃棄物を用いて発電することにより暖房装置を稼働させることが考えられるが、上述のように、施設園芸用温室を暖房するには、膨大の熱量が必要となる。そのため、暖房装置に用いる化石燃料を得るために、コストが増大し、生産者に大きな負担となっていた。また、廃棄物は燃焼させる際に有毒ガスを発生させるため、環境破壊を促進させていた。
【0005】
なお、近年の化石燃料の枯渇化は著しいものがあり、化石燃料の減少が社会問題となっている。また、暖房装置は燃料を燃焼させる必要があるため、それに伴って二酸化炭素を発生させ、ひいては地球温暖化の進行を早めることになる。地球温暖化は、海面の上昇、生態系の破壊等の種々の弊害をもたらすため、化石燃料の減少と共に早急な対応が必要となっている。
【0006】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、環境破壊を防ぐと共に安価に施設園芸用温室を暖房することができる施設園芸用温室暖房システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の施設園芸用温室暖房システムは、施設園芸用温室を暖房する施設園芸用温室暖房システムにおいて、木質燃料を燻炭化して一酸化炭素ガスを発生させるガス発生装置と、このガス発生装置により発生した一酸化炭素ガスを用いて上記施設園芸用温室を暖房する暖房手段とを備える構成とする。
【0008】
また、上記暖房手段は、上記ガス発生装置により発生した一酸化炭素ガスを基に発電する発電機と、この発電機により発電された電力によって稼働すると共に木質燃料を用いて上記施設園芸用温室を暖房する暖房装置とを含む構成とするとよい。
【0009】
更に、上記発電機は、水冷式ガスエンジン発電機であり、この水冷式ガスエンジン発電機のエンジン冷却水、及び、上記水冷式ガスエンジン発電機の排気ガスと熱交換した温水、の少なくとも一方を通すことにより上記施設園芸用温室を暖房する温水パイプを更に備える構成とするとよい。
【0010】
更にまた、上記温水パイプは、上記施設園芸用温室内の地中に配設されている構成とするとよい。
【0011】
また、上記暖房手段は、上記ガス発生装置により発生した一酸化炭素ガスを燃焼させて上記施設園芸用温室を暖房するガス燃焼装置を含む構成とするとよい。
【0012】
また、上記ガス発生装置に上記木質燃料を供給するための燃料供給路と、上記燃料供給路を閉鎖してこの燃料供給路と上記ガス発生装置との気体の往来を抑える位置、及び、上記燃料供給路を開放して上記木質燃料を上記ガス発生装置に供給させる位置に移動可能な第1シャッタ及び第2シャッタと、この第1シャッタ及び第2シャッタの少なくとも一方が常に閉鎖するようにこの第1シャッタ及び第2シャッタをそれぞれ独立して駆動させる駆動手段とを更に備える構成とするとよい。
【0013】
また、上記ガス発生装置は、上側炉とこの上側炉に連設されこの上側炉よりも小径の下側炉とを含み、上記上側炉は、上記木質燃料が供給される木質燃料供給口と、上記一酸化炭素ガスを排出するガス排出口とを有し、上記下側炉は、火格子と、燃焼空気を供給する燃焼空気供給部とを有する構成とするとよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、木質燃料を燻炭化して一酸化炭素ガスを発生させ、例えば、この一酸化炭素ガスを基に発電機により電力を得て木質燃料を燃焼させることにより、或いは上記の一酸化炭素ガスを燃焼させることにより、施設園芸用温室を暖房している。そのため、化石燃料の枯渇化を抑えることができる。また、二酸化炭素を吸う木質燃料を燃焼させても二酸化炭素の増加に直結せず、地球温暖化の進行をも抑えることができる。更には、高価な化石燃料を要さず、間伐材等の安価な木質燃料を用いることにより、コストの増大をも抑えることができる。よって、本発明によれば、環境破壊を防ぐと共に安価に施設園芸用温室を暖房することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る施設園芸用温室暖房システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態に係る施設園芸用温室暖房システムの全体構成を示す概略図である。
同図において、施設園芸用温室暖房システム1は、ガス発生装置2、燃料貯蔵庫3、ガス冷却機4、ガス清浄機5、発電機としての水冷式ガスエンジン発電機6、暖房装置7等を備え、図示しない施設園芸用温室に配設されている。なお、本実施の形態における暖房手段は、水冷式ガスエンジン発電機6及び暖房装置7から構成されている。
【0017】
ガス発生装置2は、詳しくは後述するが、燃料貯蔵庫3に貯蔵され燃料自動供給装置8によって供給される間伐材等の木質燃料(矢印f1)を燻炭化して一酸化炭素ガスを発生させている。
【0018】
ガス冷却機4は、ガス発生装置2により発生しガス発生装置2のガス排出管2aを介して供給される一酸化炭素ガス(矢印g1)を冷却している。ガス冷却機4には、図示しない熱交換部が配設されており、この熱交換部において、温水パイプ9a,9bを通る水(矢印w1,w2)と熱交換している。これら温水パイプ9a,9bは、施設園芸用温室を暖房するべく、例えば施設園芸用温室内の地中に配設されている。
【0019】
なお、ガス冷却機4における冷却の強弱は、一酸化炭素ガスが後述する水冷式ガスエンジン発電機6に、その許容温度以下で到達することができるように、水冷式ガスエンジン発電機6との距離、冷却ガス供給路10及び清浄ガス供給路11の特性等を考慮して適宜決定されればよい。
【0020】
ガス清浄機5には、塵埃除去のための図示しないフィルターが設けられている。ガス冷却機4において冷却され冷却ガス供給路10を介して供給される一酸化炭素ガス(矢印g2)は、上記のフィルターを通ることにより、灰等が除去される。
【0021】
水冷式ガスエンジン発電機6は、ガス清浄機5により灰等が除去され清浄ガス供給路11を介して供給される一酸化炭素ガス(矢印g3)を基に発電している。この電力は、後述する暖房装置7への給電以外に、施設園芸用温室の照明その他の機器への給電に使用することができ、電力を余分に発電することができる場合には、電力会社等に売ることも可能である。
【0022】
水冷式ガスエンジン発電機6には、図示しないエンジン冷却部及び排気部が配設されている。エンジン冷却部においてエンジンを冷却するエンジン冷却水(矢印w3,w4)は、例えば施設園芸用温室内の地中に配設される温水パイプ12a,12bを通って施設園芸用温室を暖房している。また、排気部においては、排出される排気ガスにより温水(矢印w5,w6)が温められ、この温水(矢印w5,w6)が例えば施設園芸用温室内の地中に配設される温水パイプ13a,13bを通って施設園芸用温室を暖房している。
【0023】
水冷式ガスエンジン発電機6において発電された電力(矢印e)は、電線14を介して暖房装置7を稼働させている。この暖房装置7は、燃料貯蔵庫3から燃料自動供給装置15を介して供給される木質燃料(矢印f2)を燃焼させ、この燃焼によって得られた熱により温風噴出し口7a,7bから温風(矢印a,a)を噴出し、施設園芸用温室を暖房している。
【0024】
なお、ガス冷却機4は、ガス発生装置2で発生する一酸化炭素ガスがガスエンジン冷却機6に到達するまでに自然冷却等される場合には設ける必要はない。また、ガス清浄機5も、冷却ガス供給路10等にフィルターを配置する場合には設ける必要はない。
【0025】
図2A及び図2Bは、それぞれ上記施設園芸用暖房システムのガス発生装置の内部構成を示す正面図及び平面図である。
図2A及び図2Bに示すように、ガス発生装置2は、上側炉2bとこの上側炉2bに連設され上側炉2bよりも小径の下側炉2cとを含み、ここでは略円筒形状に構成されている。上側炉2b及び下側炉2cには、これら上側炉2bと下側炉2cとの連通を妨げないように図示しない連通孔が円形に穿設された板状部材2d,2eがそれぞれの接続端に配設されている。これら板状部材2d,2eは、複数箇所においてボルト2f,2gにより固定されている。
【0026】
上側炉2bは、木質燃料が供給される木質燃料供給口2h、上記のガス排出管2aに開口して一酸化炭素ガスを排出するガス排出口2i等を有している。また、下側炉2cは、
火格子2j、燃焼空気を供給する燃焼空気供給部としての風量可変ファン2k、着火兼灰取出し口2l等を有している。
【0027】
上側炉2b(木質燃料供給口2h)と上述の燃料自動供給装置8との間には、燃料供給炉16が設けられている。この燃料供給路16内には、第1シャッタ17及び第2シャッタ18が内蔵されている。これら第1シャッタ17及び第2シャッタ18は、燃料供給路16を閉鎖して燃料供給路16(燃料自動供給装置8)とガス発生装置2との気体の往来を抑える位置P1と、燃料供給路16を開放して木質燃料をガス発生装置2に供給させる位置P2とに移動可能となっている。
【0028】
また、第1シャッタ17及び第2シャッタ18には、これら第1シャッタ17及び第2シャッタ18の少なくとも一方が常に閉鎖するように第1シャッタ17及び第2シャッタ18をそれぞれ独立して駆動させる図示しない駆動手段が接続されている。この駆動手段は、例えば、所望量の一酸化炭素ガスを考慮して決定される時間毎に第1シャッタ17及び第2シャッタ18を駆動させるとよい。
【0029】
下側炉2cの風量可変ファン2kは、下側炉2cの内側壁面2mに開口した複数の空気噴出し口2nに連設された風路2oを介して、下側炉2c内に空気を噴出している。着火兼灰取出し口2lは、火格子2j上に貯められる木質燃料に着火するべく例えば火の付いた布等を火格子2jの下方に入れるため、及び、燃焼した木質燃料の灰を取出すために開口している。
【0030】
ここで、ガス発生装置2において一酸化炭素ガスを発生させるためには、木質燃料を上側炉2bに達するまでに溜めておき、木質燃料を燻炭化させるようにするとよい。このようにすることで、木質燃料は、一酸化炭素ガス、水素、水蒸気、灰等になる。
【0031】
これにより生じる水素は、一酸化炭素ガスと共に、水冷式ガスエンジン発電機6に送っても問題ない。また、灰は、着火兼灰取出し口2lから取出せばよい。そして、水蒸気は、例えば上述のガス冷却機4或いは上記の冷却ガス供給路10に水抜き弁を設けて排出するとよい。
【0032】
なお、下側炉2cは耐熱性の観点から煉瓦等を用いて構成するとよく、上側炉2bは、一酸化炭素ガスを良好に発生させることのできる600℃程度の耐熱性を有する部材により構成するとよい。また、図2においては、ガス発生装置2の上部に形成される蓋の図示を省略しているが、蓋を形成することでガス発生装置2内の清掃等を容易に行うことができる。
【0033】
以上説明した本実施の形態では、木質燃料を燻炭化して一酸化炭素ガス(矢印g1〜g3)を発生させ、この一酸化炭素ガス(矢印g1〜g3)を基に水冷式ガスエンジン発電機6により発電し、これにより生じる電力(矢印e)を用いて暖房装置7を稼働させて木質燃料を燃焼させることにより、施設園芸用温室を暖房している。そのため、化石燃料の枯渇化を抑えることができる。また、二酸化炭素を吸う木質燃料を燃焼させても二酸化炭素の増加に直結せず、地球温暖化の進行をも抑えることができる。更には、高価な化石燃料を要さず、間伐材等の安価な木質燃料を用いることにより、コストの増大をも抑えることができる。よって、本実施の形態によれば、環境破壊を防ぐと共に安価に施設園芸用温室を暖房することができる。
【0034】
また、本実施の形態では、施設園芸用温室暖房システム1は、発電機として水冷式ガスエンジン発電機6を採用し、この水冷式ガスエンジン発電機6のエンジン冷却部におけるエンジン冷却水(矢印w3,w4)、及び、水冷式ガスエンジン発電機6の排気部における排気ガスと熱交換した温水(矢印w5,w6)、の少なくとも一方(本実施の形態では両方)を通すことにより施設園芸用温室を暖房する温水パイプ12a,12b,13a,13bを備えている。したがって、熱損失を抑え、有効に施設園芸用温室を暖房することができる。
【0035】
また、本実施の形態では、ガス冷却機4は、その熱交換部において、熱交換する水(矢印w1,w2)を通すことにより施設園芸用温室を暖房する温水パイプ9a,9bを有している。したがって、温水パイプ9a,9bが上記温水パイプ12a,12b,13a,13bと同様に、熱損失を抑え、有効に施設園芸用温室を暖房することができる。
【0036】
更に、本実施の形態では、温水パイプ9a,9b,12a,12b,13a,13bを施設園芸用温室内の地中に配設している。そのため、農作物を加温するのに最適な根圏において有効に農作物を加温することができ、施設園芸用温室の暖房量を抑えることができる。したがって、少ない熱量で有効に施設園芸用温室を暖房することができる。
【0037】
また、本実施の形態では、施設園芸用温室暖房システム1は、燃料供給路16を閉鎖してこの燃料供給路16(燃料自動供給装置8)とガス発生装置2との気体の往来を抑える位置P1、及び、燃料供給路16を開放して木質燃料をガス発生装置2に供給させる位置P2に移動可能な第1シャッタ17及び第2シャッタ18と、これら第1シャッタ17及び第2シャッタ18の少なくとも一方が常に閉鎖するように第1シャッタ17及び第2シャッタ18をそれぞれ独立して駆動させる図示しない駆動手段とを備えている。そのため、ガス発生装置2において発生する一酸化炭素ガス等が燃料供給路16ひいては燃料自動供給装置8に逆流するのを、及び、燃料自動供給装置8側からガス発生装置2に酸素が流れて一酸化炭素ガスの発生を阻害するのを、防止することができると共に、所定量の木質燃料をガス発生装置2に供給することができる。したがって、良好な条件で一酸化炭素ガスを発生させることができ、有効に施設園芸用温室を暖房することができる。
【0038】
また、本実施の形態では、ガス発生装置2は、木質燃料が供給される木質燃料供給口2h、及び一酸化炭素ガスを排出するガス排出口2iを有する上側炉2bと、火格子2j、
及び燃焼空気を供給する風量可変ファン2kを有すると共に上側炉2bに連設され上側炉2bよりも小径である下側炉2cとを含んで構成されている。したがって、ガス発生装置2は、良好な条件で一酸化炭素ガスを発生させることができ、有効に施設園芸用温室を暖房することができる。
【0039】
図3は、本発明の他の実施の形態に係る施設園芸用温室暖房システムの全体構成を示す概略図である。同図に示す施設園芸用温室暖房システム21は、図1に示す水冷式ガスエンジン発電機6(発電機)を有しておらず、一酸化炭素ガス自体を燃焼させる点で主に上述の施設園芸用温室暖房システム1と相違するのみであるため、詳細な説明は省略する。
【0040】
同図において、施設園芸用温室暖房システム21は、ガス発生装置22、燃料貯蔵庫23、ガス清浄機25、暖房手段としてのガス燃焼装置27等を備え、図示しない施設園芸用温室に配設されている。
【0041】
ガス発生装置22は、上記実施の形態に係るガス発生装置2と同様に、燃料貯蔵庫23に貯蔵され燃料自動供給装置28によって供給される間伐材等の木質燃料(矢印f)を燻炭化して一酸化炭素ガス(矢印g1´)を発生させている。
【0042】
ガス清浄機25には、塵埃除去のための図示しないフィルターが設けられている。ガス発生装置22において発生しガス排出管22aを介して供給される上記の一酸化炭素ガス(矢印g1´)は、上記のフィルターを通ることにより、灰等が除去される。なお、ガス清浄機25は、ガス排出管22a等にフィルターを配置することにより、設置を省略することも可能である。
【0043】
ガス燃焼装置27は、ガス清浄機25により灰等が除去され清浄ガス供給路31を介して供給される一酸化炭素ガス(矢印g2´)を燃焼させ、この燃焼によって得られた熱により温風噴出し口27a,27bから温風(矢印a´,a´)を噴出し、施設園芸用温室を暖房している。
【0044】
以上説明した本実施の形態では、木質燃料を燻炭化して一酸化炭素ガス(矢印g1´〜g2´)を発生させ、この一酸化炭素ガス(矢印g1´〜g2´)を燃焼させることにより、施設園芸用温室を暖房している。そのため、化石燃料の枯渇化を抑えることができる。また、二酸化炭素を吸う木質燃料を燃焼させても二酸化炭素の増加に直結せず、地球温暖化の進行をも抑えることができる。更には、高価な化石燃料を要さず、間伐材等の安価な木質燃料を用いることにより、コストの増大をも抑えることができる。よって、本実施の形態によれば、上記実施の形態と同様に、環境破壊を防ぐと共に安価に施設園芸用温室を暖房することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態に係る施設園芸用温室暖房システムの全体構成を示す概略図である。
【図2A】上記施設園芸用暖房システムのガス発生装置の内部構成を示す正面図である。
【図2B】上記施設園芸用暖房システムのガス発生装置の内部構成を示す平面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る施設園芸用温室暖房システムの全体構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0046】
1 施設園芸用温室暖房システム
2 ガス発生装置
2a ガス排出管
2b 上側炉
2c 下側炉
2d,2e 板状部材
2f,2g ボルト
2h 木質燃料供給口
2i ガス排出口
2j 火格子
2k 風量可変ファン
2l 着火兼灰取出し口
2m 内側壁面
2n 空気噴出し口
2o 風路
3 燃料貯蔵庫
4 ガス冷却機
5 ガス清浄機
6 水冷式ガスエンジン発電機
7 暖房装置
7a,7b 温風噴出し口
8 燃料自動供給装置
9a,9b 温水パイプ
10 冷却ガス供給路
11 清浄ガス供給路
12a,12b 温水パイプ
13a,13b 温水パイプ
14 電線
15 燃料自動供給装置
16 燃料供給炉
17 第1シャッタ
18 第2シャッタ
21 施設園芸用温室暖房システム
22 ガス発生装置
22a ガス排出管
23 燃料貯蔵庫
25 ガス清浄機
27 ガス燃焼装置
27a,27b 温風噴出し口
31 清浄ガス供給路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設園芸用温室を暖房する施設園芸用温室暖房システムにおいて、
木質燃料を燻炭化して一酸化炭素ガスを発生させるガス発生装置と、
該ガス発生装置により発生した一酸化炭素ガスを用いて前記施設園芸用温室を暖房する暖房手段と
を備えることを特徴とする施設園芸用温室暖房システム。
【請求項2】
前記暖房手段は、前記ガス発生装置により発生した一酸化炭素ガスを基に発電する発電機と、該発電機により発電された電力によって稼働すると共に木質燃料を用いて前記施設園芸用温室を暖房する暖房装置とを含むことを特徴とする請求項1記載の施設園芸用温室暖房システム。
【請求項3】
前記発電機は、水冷式ガスエンジン発電機であり、
該水冷式ガスエンジン発電機のエンジン冷却水、及び、前記水冷式ガスエンジン発電機の排気ガスと熱交換した温水、の少なくとも一方を通すことにより前記施設園芸用温室を暖房する温水パイプを更に備えることを特徴とする請求項2記載の施設園芸用温室暖房システム。
【請求項4】
前記温水パイプは、前記施設園芸用温室内の地中に配設されていることを特徴とする請求項3記載の施設園芸用温室暖房システム。
【請求項5】
前記暖房手段は、前記ガス発生装置により発生した一酸化炭素ガスを燃焼させて前記施設園芸用温室を暖房するガス燃焼装置を含むことを特徴とする請求項1記載の施設園芸用温室暖房システム。
【請求項6】
前記ガス発生装置に前記木質燃料を供給するための燃料供給路と、
前記燃料供給路を閉鎖して該燃料供給路と前記ガス発生装置との気体の往来を抑える位置、及び、前記燃料供給路を開放して前記木質燃料を前記ガス発生装置に供給させる位置に移動可能な第1シャッタ及び第2シャッタと、
該第1シャッタ及び第2シャッタの少なくとも一方が常に閉鎖するように該第1シャッタ及び第2シャッタをそれぞれ独立して駆動させる駆動手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載の施設園芸用温室暖房システム。
【請求項7】
前記ガス発生装置は、上側炉と該上側炉に連設され該上側炉よりも小径の下側炉とを含み、
前記上側炉は、前記木質燃料が供給される木質燃料供給口と、前記一酸化炭素ガスを排出するガス排出口とを有し、
前記下側炉は、火格子と、燃焼空気を供給する燃焼空気供給部とを有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項記載の施設園芸用温室暖房システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−104382(P2008−104382A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−289165(P2006−289165)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(000111292)ネポン株式会社 (24)
【Fターム(参考)】