説明

旋回範囲制限装置

【課題】比較的安価な構成で、自在に旋回設定範囲を変更し得る旋回範囲制限装置を提供する。
【解決手段】この旋回範囲制限装置は、一対の近接センサ8A、8Bと、停止位置を設定するための旋回範囲設定指示信号を出力する停止位置設定スイッチ10と、制御部20と、を備えている。近接センサ8A、8Bは、相互が、ターンテーブル3を駆動するための歯車6の歯列方向でのピッチをずらした位置を監視可能にそれぞれ配置されている。そして、制御部20は、一対の近接センサ8A、8Bの出力波形の差異に応じて、ターンテーブル3の現在位置に応じた一つの計数値を常に計数する。さらに、前記旋回範囲設定指示信号とその時の計数値とを対応付けて、所望の旋回設定範囲を設定するとともに、常に計数値を監視して、旋回設定範囲内でのみターンテーブル3を旋回させるように旋回範囲を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回体が旋回動作をする作業機械において、その旋回体の旋回範囲を制限する旋回範囲制限装置に係り、特に、旋回体を所望の旋回設定範囲でのみ旋回動作可能とし、所望の旋回設定範囲を超えると旋回動作を停止させ得る旋回範囲制限装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、移動式クレーン等の、上部に旋回体を備えた作業機械においては、その旋回体の旋回方向の切換は、運転者によるレバー操作、すなわち手動操作により行われている。
しかし、アウトリガの設置状況や、障害物の存在などの機械周囲の状況によっては、旋回体の旋回範囲が規制をうける場合がある。このように旋回範囲が制約をうける場合には、旋回体の旋回範囲を所定の旋回設定範囲に限定して、その所定の旋回設定範囲から外れないうちに旋回体を自動停止させる等によって旋回範囲を制限することが望ましい。
【0003】
そこで、従来、この種の旋回範囲を制限する装置として、例えば、リミットスイッチ等を旋回体の下部に取り付けて、旋回作業中に、そのリミットスイッチを作動させることによって旋回体を自動停止させたり、あるいは、旋回範囲を制限する部材を設けることで所定の旋回設定範囲を予め設定して、機械的に旋回範囲を制限するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載の技術では、非旋回体と、この非旋回体に対して旋回動作をする旋回体を備える作業機械において、非旋回体および旋回体の相互間の相対移動を規制するための規制ブロックを設けており、この規制ブロックによって、旋回体の旋回範囲を機械的に所定の旋回範囲内に制限可能になっている。
また、他の構成としては、例えば、スリップリング等にエンコーダやポテンショメータ等の機器を内蔵し、コントローラによって旋回方向と旋回角度とを検出させたりすることによって旋回範囲を制限するものが一般的である。
【特許文献1】特開2003−193511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、旋回作業中に、リミットスイッチを作動させることによって旋回体を自動停止させる構成とする場合、リミットスイッチやそのリミットスイッチを作動させるための検出体等を、予め旋回設定範囲に対応する所定の位置に取り付ける必要がある。そのため、一度旋回設定範囲を設定すると、リミットスイッチ等の取り付け位置を変更して旋回設定範囲を設定し直すことは容易ではない。このことは、例えば上記特許文献1に記載の技術において、規制ブロックの設定位置を変更する場合でも同様である。
【0006】
これに対し、例えば、上記のスリップリング等によって旋回範囲を制限する場合には、例えばコントローラによって旋回方向や旋回角度を検出可能なので、自在に旋回設定範囲を設定し直すことができるものの、これらの機器は一般に高価であり、機器を設置するコストを考慮すれば、未だ改善の余地がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、比較的安価な構成で、容易に旋回設定範囲を変更し得る旋回範囲制限装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、旋回体が歯車機構を介して旋回動作をする作業機械に用いられ、前記旋回体の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、前記旋回状態検出手段によって検出された検出情報に基づいて、前記旋回体の現在の位置を特定する現在位置特定手段と、前記現在位置特定手段によって特定された現在位置情報に基づいて、前記旋回体の旋回範囲を所望の旋回設定範囲内に制限する旋回範囲制限手段と、を備える旋回範囲制限装置であって、前記旋回状態検出手段は、前記歯車機構の歯車の歯列方向での移動状態を検出可能に設置された非接触式の一対のセンサを備えて構成され、当該一対のセンサは、前記歯車が歯列方向の一方側に移動する場合と他方側に移動する場合とで出力波形同士の位相を異ならせるようにそれぞれ配置されており、前記現在位置特定手段は、前記位相の差異に応じて、前記一方側に向かっているときには現在の位置を特定するための計数値に所定の値を加算し、前記他方側に向かっているときには前記計数値から所定の値を減算することにより、前記現在位置情報として現在位置に応じた一つの計数値を取得することを特徴としている。
【0008】
なお、歯列方向の一方側に移動する場合と他方側に移動する場合とで出力波形同士の位相を異ならせるための配置としては、例えば、一対のセンサ相互が、歯車の歯列方向でのピッチをずらした位置を監視するようにそれぞれ配置することで、所望の信号を出力させることができる。
ここで、本発明は、前記作業機械として、移動式クレーンに対し好適に適用することができる。
【0009】
本発明によれば、一対のセンサは、旋回体に旋回動作をさせる歯車機構の歯車の歯列方向での移動状態を検出可能な位置に設置されており、歯列方向の一方側に移動する場合と他方側に移動する場合とで出力波形同士の位相を異ならせているので、相互の出力波形の関係から、旋回体の旋回方向を知ることができる。
そして、現在位置特定手段は、その位相の差異に応じて、一方側に向かっているときには現在の位置を特定するための計数値に所定の値を加算し、前記他方側に向かっているときには前記計数値から所定の値を減算することにより、前記現在位置情報として現在位置に応じた一つの計数値を取得するようになっているので、その計数値から旋回体の絶対位置を知ることができる。したがって、例えば、上記のスリップリング等を備える機器と比べて、比較的安価な構成によって旋回体の移動状態を検出することができる。
【0010】
そして、例えば、所望の旋回設定範囲に対して、現在位置を一つの計数値として位置づけすれば、停止位置は一つの計数値から任意分増減させた値に達した位置であることから、旋回範囲を所望の旋回設定範囲に設定することができるので、例えば上記例示したような、予め旋回設定範囲に対応する所定の位置に、機器を取り付けることを不要とし、容易に旋回設定範囲を変更可能とすることができる。
【0011】
ここで、容易に旋回設定範囲を変更可能とする構成とする上では、前記旋回体の旋回設定範囲を設定するための旋回範囲設定指示信号を出力する信号出力手段をさらに備え、前記旋回範囲制限手段は、前記旋回設定範囲を設定する旋回範囲設定手段を備えた構成とし、当該旋回範囲設定手段は、前記旋回範囲設定指示信号が出力されたときの前記現在位置情報を、旋回を制限すべき制限位置情報として記憶するようになっており、前記旋回範囲設定指示信号の1回目の出力時に取得した前記現在位置情報を一方の制限位置情報とするとともに、前記旋回範囲設定指示信号の2回目の出力時に取得した前記現在位置情報を他方の制限位置情報として記憶することにより、前記旋回設定範囲を設定するように構成すれば好ましい。
【0012】
このような構成であれば、例えば作業機械の運転者の操作によって、旋回体を所望の旋回位置としたときに、運転者は、その旋回設定範囲を設定するための旋回範囲設定指示信号を信号出力手段によって出力可能であり、旋回範囲設定手段は、その信号出力手段で出力された旋回範囲設定指示信号に対して、そのときの、計数値を対応付けするだけで、旋回範囲を所望の旋回設定範囲に設定することができる。したがって、例えば上記例示したような、予め旋回設定範囲に対応する所定の位置に、機器を取り付けることを不要とする上で好適である。
【0013】
さらに、旋回範囲設定手段は、信号出力手段からの旋回範囲設定指示信号が出力されたとき、その時の現在位置情報(計数値)を、旋回を制限すべき制限位置情報として対応付けするので、例えば作業機械の運転者は、旋回体を所望の旋回位置としたときに、信号出力手段によって、その旋回位置を設定するための旋回範囲設定指示信号を改めて出力すれば、旋回設定範囲を変更することも容易にできる。
【0014】
また、前記旋回範囲制限手段は、前記現在位置情報としての計数値が、前記一方および他方の制限位置情報としての計数値同士の間にあるときのみ、前記旋回体を旋回させるようにその旋回範囲を制限するように構成すれば、より好ましい。このような構成であれば旋回設定範囲の設定およびその旋回設定範囲に基づく旋回範囲の制限を、上記の計数値のみによって管理することができる。したがって、旋回範囲制限装置の構成を簡単なものとする上で好適である。
【発明の効果】
【0015】
上述のように、本発明によれば、比較的安価な構成で、容易に旋回設定範囲を変更し得る旋回範囲制限装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る旋回範囲制限装置を、移動式クレーンに搭載した一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、その移動式クレーンを説明する図であり、同図では、平面方向から見た概略図を示している。なお、この移動式クレーンは、以下説明する本発明に係る旋回範囲制限装置を搭載する点を除き、公知の移動式クレーンと同様のものであるので、その説明については適宜省略する。
【0017】
同図に示すように、この移動式クレーン1は、ベース2と、そのベース2上に、鉛直方向を向く軸周りに旋回可能な旋回体であるターンテーブル3を介して立設したコラム9と、を備える作業機械である。そして、コラム9の上部には、長手方向に伸縮可能なブーム4が取付けられている。ブーム4はコラム9に対して俯仰可能に構成され、その先端部にロープで吊り荷を吊り下げ可能になっている。
【0018】
図2は、歯車機構と、その歯車機構を駆動するための油圧機構を説明する図であり、同図では、その歯車機構を平面方向から見た概略図で示すとともに、油圧機構の概略構成をあわせて示している。また、図3は、本発明に係る旋回範囲制限装置の構成を説明するブロック図である。
図2に示すように、この移動式クレーン1は、上記のベース2とコラム9との間にある、ターンテーブル3を旋回動作させるための歯車機構5を有する。この歯車機構5は、ターンテーブル3と同軸の大歯車7と、その大歯車7に噛合う小径のピニオン歯車6とを備えている。このピニオン歯車6は、油圧モータ14の出力軸に連結されている。そして、油圧モータ14は、コントロールバルブ15から吐出管路17を介して油圧ポンプ16に接続されている。これにより、この移動式クレーン1は、コントロールバルブ15の切り替え操作を行うことにより、油圧ポンプ16からの圧油を油圧モータ14に送り、その駆動力によって歯車機構5を駆動して、ターンテーブル3を所望の回転方向に旋回可能になっている。
【0019】
油圧ポンプ16の吐出管路17にはアンロ―ド弁18が接続されている。このアンロ―ド弁18は、吐出管路17をブロックして油圧ポンプ16をオンロ―ドさせる位置と、タンク19に連通させてアンロ―ドさせる位置とに切換可能に構成されている。そして、このアンロ―ド弁18は、図3に示すように、制御部20からの制御信号を入力することによって制御されるようになっている。
【0020】
また、この移動式クレーン1には、図2に示すように、歯車機構5のピニオン歯車6に対して、その径方向外側に、一対の近接センサ8A、8Bが、略並行に配置されている。この近接センサ8A、8Bは、ターンテーブル3の回動状態を非接触で検出する旋回状態検出手段であり、各近接センサ8A、8Bは、その検出した随時の検出情報を、図2および図3に示すように、制御部20に出力可能に信号線を介して接続されている。
【0021】
さらに、この移動式クレーン1には、図2および図3に示すように、停止位置設定スイッチ10および設定解除スイッチ12が、それぞれの信号を、運転者によるスイッチ操作、すなわち手動操作により制御部20に入力可能に、信号線を介して制御部20に接続されている。これら停止位置設定スイッチ10および設定解除スイッチ12は、運転者が操作可能な操作盤(不図示)に設けられる。ここで、停止位置設定スイッチ10は、ターンテーブル3の旋回設定範囲を設定するための旋回範囲設定指示信号を出力する信号出力手段であり、運転者がスイッチを押したときにのみ信号を出力するようになっている。また、設定解除スイッチ12は、旋回範囲を制限した状態から、旋回範囲を制限しない通常の状態に切り替えるためのスイッチであり、いずれか一方に切り替えたときには、その切り替えた側の信号を継続して出力する信号出力手段になっている。
【0022】
次に、上記一対の近接センサ8A、8Bについてより詳しく説明する。
各近接センサ8A、8Bは、検出対象が近接したことによる変化を、それぞれハイ「H」またはロー「L」に二値化したパルスの検出情報として出力可能なものを用いており、図4に示すように、ピニオン歯車6の歯を検出しているときは検出信号「H」を出力(同図において、符号H)し、そうでないときは検出信号「L」を出力する(同図において、符号L)ようになっている。そして、これら一対の近接センサ8A、8Bは、相互が、ターンテーブル3を駆動するためのピニオン歯車6の歯列方向での歯のピッチを、1/4ピッチだけずらした位置を監視可能にそれぞれ配置されている。これにより、これら一対の近接センサ8A、8Bは、図4に示すように、ピッチをずらした分だけ出力波形の位相を異ならせており、いわば互い違いとなる二層のパルスを発生する。すなわち、これら一対の近接センサ8A、8Bは、ピニオン歯車6が、その歯列方向の一方側に移動する場合と他方側に移動する場合とで出力波形同士の位相を異ならせるようになっている。なお、同図において、符号Pは、ピニオン歯車6の回転方向での1ピッチに対応する範囲を示しており、符号P/4は、ピニオン歯車6の回転方向でのピッチを、1/4ピッチだけずらした範囲を示している。
【0023】
次に、制御部20についてより詳しく説明する。
この制御部20は、以下、いずれも図示しない、所定の制御プログラムに基づいて、演算およびこの移動式クレーン1のシステム全体を制御するCPUと、所定領域に予めCPUの制御プログラム等を格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMと、移動式クレーン1の操作盤等を含めた外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(インターフェイス)とで構成されている。これらは、データを転送するための信号線であるバスで相互にかつデータ授受可能に接続されている。そして、その操作盤からは、上記旋回管理処理の実行指令となる、上記停止位置設定スイッチ10および設定解除スイッチ12それぞれの信号を、運転者によるスイッチ操作により入力されるようになっている。
【0024】
そして、この制御部20は、上記の各近接センサ8A、8Bで検出された「H」または「L」に二値化したパルスの検出情報を獲得し、その獲得した検出情報を制御部20内のRAMの所定領域に格納可能に構成されている。さらに、制御部20は、各近接センサ8A、8Bによって検出された随時の検出情報に基づいて、ターンテーブル3の現在の位置を特定可能になっている。
【0025】
ここで、この制御部20での、ターンテーブル3の現在の位置を特定する現在位置特定処理について詳しく説明する。図5は、制御部20内で実行される現在位置特定処理のフローチャートである。
この移動式クレーン1では、運転者が、移動式クレーン1の運転を開始すると、同図に示す現在位置特定処理がCPUにおいて実行されて、まず、ステップS21に移行するようになっている。
【0026】
ステップS21では、設定解除スイッチ12がONか否かを判定する。すなわち、設定解除スイッチ12がONであれば(YES)、ステップS22に移行し、そうでなければ(NO)ステップS23に移行する。
ステップS22では、現在の位置を特定するための計数値Nを、「0」にリセットして、ステップS23に移行する。ステップS23では、各近接センサ8A、8Bによって検出された検出情報を獲得して、ステップS24に移行する。
【0027】
そして、ステップS24では、ターンテーブル3の旋回方向(回転方向)を特定するための一連の処理がなされて、ステップS25に移行する。
ここで、上記一対の近接センサ8A、8Bは、ピニオン歯車6が歯列方向の一方側に移動する場合と他方側に移動する場合とで出力波形同士の位相を異ならせる位置に設置されているが、このステップS24での一連の処理では、その位相の差異に応じて、ターンテーブル3の旋回方向(回転方向)を特定している。
【0028】
そして、続くステップS25では、ターンテーブル3の旋回方向(回転方向)が右旋回方向か否かを判定し、右旋回方向であれば(YES)ステップS26に移行し、そうでなければ(NO)ステップS27に移行する。そして、ステップS26では、現在の位置を特定するための計数値Nに所定の値として1が加算されて、処理をステップS21に戻す。また、ステップS27では、現在の位置を特定するための計数値Nから所定の値として1が減算されて、処理をステップS21に戻す。
【0029】
ここで、ターンテーブル3の旋回方向(回転方向)の特定について詳しく説明する。
上述のように、上記の各近接センサ8A、8Bの検出情報は、図6に示すように、右旋回方向(カウントアップ側とも呼ぶ)での信号の変化と、左旋回方向(カウントダウン側とも呼ぶ)での信号の変化とが異なる。そこで、制御部20内には、同図に示す4つのパターンが、予め設定されたテーブルデータとして格納されており、随時に獲得される各近接センサ8A、8B相互の検出情報の組み合わせを、そのテーブルデータの組み合わせとそれぞれ比較することで、旋回方向を特定可能に構成されている。ここで、当該テーブルデータは、制御部20内のROMの所定領域に随時参照可能に格納されている。
【0030】
より具体的には、上記ステップS23で獲得された近接センサ8Aの検出情報が、「H」から「L」に変化し、このときに獲得された近接センサ8Bの検出情報が、「H」であれば、制御部20は、上記テーブルデータの組み合わせとそれぞれ比較して、ターンテーブル3が右旋回をしているものと特定する(ステップS24)。そして、制御部20は、ターンテーブル3が右旋回をしているものと判定したときは(ステップS25でのYES)、それまでの計数値Nに対し、パルスの累計を、N=N+1として増加(カウントアップ)する計数処理を行ない、新たに現在の位置に応じた一つの計数値Nを取得する。
【0031】
また、上記ステップS23で獲得された近接センサ8Aの検出情報が、「H」から「L」に変化し、このときに獲得された近接センサ8Bの検出情報が、「L」であれば、制御部20は、ターンテーブル3が左旋回をしているものと特定する(ステップS24)。そして、制御部20は、ターンテーブル3が左旋回をしているものと判定したときは(ステップS25でのNO)、それまでの計数値Nに対し、パルスの累計を、N=N−1として減算(カウントダウン)する計数処理を行ない、新たに現在の位置に応じた一つの計数値Nを取得する。
【0032】
以下、図6に示す4つのパターンについても同様に処理がなされて、これにより、随時に獲得された検出情報は、制御部20において、ターンテーブル3の旋回方向に応じてパルスの累計を適宜増減させる計数処理を行って、ターンテーブル3の現在の位置に応じた一つの計数値Nを取得するとともに、その現在の位置での回転方向を、当該テーブルデータを参照して容易に特定可能になっている。ここで、上記の現在位置特定手段には、この現在位置特定処理でのステップS21〜S27が対応する。
【0033】
次に、この制御部20で実行される旋回管理処理について詳しく説明する。
図7は、制御部20内で実行される旋回管理処理のフローチャートである。また、図8は、旋回管理処理のステップS3でのティーチング処理のフローチャートである。
この移動式クレーン1での旋回管理処理では、運転者が、移動式クレーン1の運転を開始すると、上記現在位置特定処理と並行して、図7に示す旋回管理処理がCPUにおいて同時に実行されて、まず、ステップS1に移行するようになっている。
【0034】
ステップS1では、設定解除スイッチ12がONか否かを判定する。すなわち、設定解除スイッチ12がONであれば(YES)、ステップS6に移行し、そうでなければ(NO)ステップS2に移行する。
ステップS2では、旋回設定範囲を設定するティーチング(記憶)が済んでいるか否かを判定する。この判定は、ティーチング設定フラグを参照して、ティーチング設定フラグが「1」、すなわち、ティーチングが済んでいれば(YES)ステップS4に移行し、ティーチング設定フラグが「0」であれば(NO)ステップS3に移行する。なお、設定解除スイッチ12が「ON」にされたときには、このティーチング設定フラグは再び「0」に設定されるようになっている。
【0035】
ステップS3では、一連のティーチング処理が実行される。すなわち、このティーチング処理が実行されると、図8に示すように、まず、ステップS31に移行して、1回目の停止位置設定スイッチ10が押されたか否かを判定し、押されていれば、つまり、旋回範囲設定指示信号が出力されていれば(YES)ステップS32に移行し、そうでなければ(NO)ステップS31で待機する。ステップS32では、1回目の停止位置設定スイッチ10が押されたときの計数値Nを参照して、これを一方側での停止位置(旋回制限位置)として記憶する。つまり、その計数値Nを、一方側での旋回を制限すべき制限位置情報として所定の記憶領域に記憶して、ステップS33に移行する。
【0036】
ここで、本発明の旋回範囲制限装置は、旋回体の旋回方向での一方側および他方側は、右旋回方向および左旋回方向に限定されず、任意の側から設定可能であるが、本実施形態での説明では、理解を容易にするために、一方側を右旋回方向とし、また、他方側を左旋回方向に設定するものとして説明する。すなわち、この例では、右旋回方向での計数値Nを停止位置Aの計数値Aとして、所定の記憶領域に制限位置情報として記憶して、ステップS33に移行する。なお、この旋回方向での一方側および他方側は、右旋回方向および左旋回方向に限定されないことは、上記現在位置特定処理において同様である。
【0037】
ステップS33では、2回目の停止位置設定スイッチ10が押されたか否かを判定し、押されていれば(YES)、ステップS34に移行し、そうでなければ(NO)、ステップS33で待機する。ステップS34では、2回目の停止位置設定スイッチ10が押されたときの計数値Nを参照して、その計数値Nを他方側(この例では左旋回方向)での停止位置B(旋回制限位置)の計数値Bとして、所定の記憶領域に制限位置情報として記憶し、さらに、ティーチング設定フラグを「1」に設定して処理を戻す。つまり、ステップS3でのティーチング処理を終えて、ステップS2に復帰する。
【0038】
そして、ステップS4では、上述した現在位置特定処理で随時計数されている累計パルスの計数値Nを参照して、これを現在の位置での計数値Nとして取得して、ステップS5に移行する。
ステップS5では、現在の位置での計数値Nが、計数値Aおよび計数値Bの間にあるか否かを判定する。すなわち、計数値Nが、「計数値A<計数値N<計数値B」であれば(YES)、ステップS6に移行し、そうでなければ(NO)、ステップS7に移行する。
【0039】
ステップS6では、通常行われる所定の通常動作が実行されて処理を戻す。
ステップS7では、計数値Nと計数値Bとを比較する。すなわち、現在の位置での計数値Nが、「計数値N≦計数値B」であれば(YES)ステップS8に移行し、そうでなければ(NO)ステップS9に移行する。
ステップS8では、所定の左旋回停止制御がなされて処理をステップS2に戻す。すなわち、アンロ―ド弁18に、制御信号(左旋回停止信号)が出力されて、アンロ―ド弁18は、油圧ポンプ16の吐出管路17をタンク19に連通させて圧油をアンロ―ドする。これにより、ターンテーブル3は、左方向への旋回を停止する。
【0040】
ステップS9では、計数値Nと計数値Aとを比較する。すなわち、現在の位置での計数値Nが、「計数値N≧計数値A」であれば(YES)ステップS10に移行し、そうでなければ(NO)ステップS2に処理を戻す。
ステップS10では、所定の右旋回停止制御がなされて処理をステップS2に戻す。すなわち、アンロ―ド弁18に、制御信号(右旋回停止信号)が出力されて、アンロ―ド弁18は、油圧ポンプ16の吐出管路17をタンク19に連通させて圧油をアンロ―ドする。これにより、ターンテーブル3は、右方向への旋回を停止する。
ここで、上記旋回範囲制限手段には、この制御部20で実行される旋回管理処理(ステップS1〜S10)が対応し、上記旋回範囲設定手段には、その旋回管理処理でのステップS3(ステップS31〜S34)が対応する。
【0041】
次に、この旋回範囲制限装置の作用・効果について説明する。
この移動式クレーンにおいて、ターンテーブル3の旋回範囲を所望の旋回設定範囲内に制限するときは、運転者は、まず、所望の旋回設定範囲を設定するためのティーチングを行う。
ティーチングは、運転者が、旋回制限を行う一方の停止位置A(図1参照)にブーム4が向くまでターンテーブル3を右旋回させる。
次いで、運転者は、その停止位置Aで停止位置設定スイッチ10を押す(1回目)。これにより、制御部20は、この停止位置Aとそのときのカウント数である計数値Nとを対応付けて一方の旋回制限位置として設定し、これを記憶する(ステップS31〜S32)。
【0042】
次いで、運転者は、旋回制限を行う他方の停止位置B(図1参照)にブーム4が向くまでターンテーブル3を左旋回させる。
次いで、運転者は、その停止位置Bで停止位置設定スイッチ10を押す(2回目)。これにより、制御部20は、この停止位置Bとそのときのカウント数である計数値Nとを対応付けて他方の旋回制限位置として設定し、これを記憶する(ステップS33〜S34)。
以上により、運転者の所望の旋回範囲が、旋回設定範囲Rとして設定される。そして、このティーチング後は、運転者は、特に旋回範囲を考慮することなく運転しても、上記の制御部20で実行される旋回管理処理によって、設定した旋回設定範囲R内でのみ旋回操作が可能となる(ステップS4〜S10)。
【0043】
したがって、この旋回範囲制限装置によれば、例えばアウトリガの設置状況や、障害物の存在などの機械周囲の環境によって、ブーム4を含めたターンテーブル3の旋回範囲が規制をうける場合であっても、ターンテーブル3の旋回範囲を所望の旋回設定範囲R内に限定して、その所望の旋回設定範囲Rから外れないうちにターンテーブル3を自動停止させることができる。なお、運転者は、設定解除スイッチ12を押すことで、いつでも旋回範囲を制限した状態から、通常の、旋回範囲を制限しない状態に切り替えることができる(ステップS1)。
【0044】
特に、この旋回範囲制限装置によれば、一対の近接センサ8A、8Bは、ターンテーブル3に旋回動作をさせる歯車機構5の歯車6の移動状態を検出可能な位置に設置されており、相互が、歯車6の歯列方向でのピッチを、1/4ピッチだけずらした位置を監視するようにそれぞれ配置されているので、各近接センサ8A、8Bは、ピッチをずらした分だけ、出力波形同士の位相を異ならせる信号を出力する(図4参照)。そして、制御部20は、相互の出力の関係(図5参照)から、ターンテーブル3の現在位置に応じた一つの計数値Nを取得することができる。したがって、この旋回範囲制限装置によれば、例えば、上記のスリップリング等を備える機器と比べて、比較的安価な構成によってターンテーブル3の旋回状態を検出し、その絶対位置を特定することができる。
【0045】
さらに、この旋回範囲制限装置によれば、移動式クレーンの運転者は、ブーム4を所望の旋回位置としたときに、その旋回位置を、停止位置設定スイッチ10によって停止位置として設定するための旋回範囲設定指示信号を制御部20に出力可能であり、制御部20は、その停止位置設定スイッチ10で出力された旋回範囲設定指示信号に対して、そのときの計数値Nを対応付けするだけで、旋回範囲を所望の旋回設定範囲Rに設定することができるので、例えば上記例示したような、予め旋回設定範囲に対応する所定の位置に、機器を取り付けることは不要である。
【0046】
また、この旋回範囲制限装置によれば、制御部20は、停止位置設定スイッチ10から出力された旋回範囲設定指示信号に対して、そのときの、計数値Nを対応付けするだけなので、所望の旋回設定範囲Rに設定するときは、運転者は、設定解除スイッチ12によって先の設定をリセットして、再び、ターンテーブル3を所望の旋回位置としたときに、停止位置設定スイッチ10によって、その旋回位置を停止位置として設定するための旋回範囲設定指示信号を改めて出力すれば、旋回設定範囲を容易(自在)に変更することができる。
【0047】
また、この旋回範囲制限装置によれば、一対の近接センサ8A、8Bを歯車6の移動状態を検出可能な位置に設置し、停止位置設定スイッチ10および設定解除スイッチ12を、運転者によるスイッチ操作により制御部20に入力可能に設け、制御部20は、上述の旋回管理処理を実行可能に構成(例えばプログラム)すればよいので、既納車に対しても比較的容易に後付け可能である。
【0048】
以上説明したように、この旋回範囲制限装置によれば、比較的安価で、容易(自在)に旋回設定範囲を変更し得る旋回範囲制限装置を提供することができる。
なお、本発明に係る旋回範囲制限装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明に係る旋回範囲制限装置を搭載する作業機械として、移動式クレーンを例に説明したが、これに限定されず、本発明は、上部に旋回体を備え、その旋回体が歯車機構を介して旋回動作をする作業機械であれば、種々の建設機械や荷役機械等の作業機械に適用可能である。しかし、移動式クレーンは、アウトリガの設置状況や、障害物の存在などの機械周囲の環境によって、旋回体の旋回範囲が規制をうける場合が比較的多いので、本発明に係る旋回範囲制限装置を搭載する作業機械として好適である。
【0049】
また、上記実施形態では、信号出力手段として、停止位置設定スイッチ10および設定解除スイッチ12を備える例で説明したが、これに限定されず、例えば信号出力手段として、停止位置設定スイッチ10のみを備える構成としてもよい。この場合、例えば停止位置設定スイッチ10が3回目に押されたときに、制御部20は、これをリセット信号として獲得するようにすれば、容易に旋回設定範囲を変更し得る。しかし、いつでも旋回範囲を制限した状態から、通常の、旋回範囲を制限しない状態に切り替える操作での誤操作を防止する等、フールプルーフの点では、上記実施形態のように、別個に設定解除スイッチ12を備える構成とすることが好ましい。
【0050】
また、上記実施形態では、制御部20は、旋回設定範囲Rとして、旋回方向での一方側および他方側をともに設定する例で説明したが、これに限定されず、いずれか一方の側のみを停止位置として設定し、他方側については、旋回制限をせずに、通常の旋回操作を可能なように構成してもよい。
また、上記実施形態では、上記計数値Nに対応付けする停止位置を二箇所とし、一つの旋回設定範囲R内でのみ旋回可能とする例で説明したが、これに限定されず、例えば上記計数値Nに対応付けする他の旋回位置として、旋回設定範囲の中央の位置を更に設定し、その位置で一旦停止させるように構成してもよいし、また、例えば、旋回設定範囲の内側の範囲を更に設定して、その位置で予めアラームを出すような構成とする等、計数値Nに対応付けする旋回位置をさらに増やしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態におけるティーチングでは、制御部20は、停止位置Aで停止位置設定スイッチ10を押す(1回目)ことで、この停止位置Aと、そのときのカウント数である計数値Nとを対応付けて一方の旋回制限位置として設定し、次いで、他方の停止位置Bまでブーム4を旋回させ、停止位置Bで停止位置設定スイッチ10を押して(2回目)、この停止位置Bと、そのときのカウント数である計数値Nとを対応付けて、他方の旋回制限位置として設定すると説明しているが、制御部20は、停止位置Aで停止位置設定スイッチ10を押す(1回目)ことで、計数値Nを一旦イニシャル(例えばN=0)することで、停止位置Aを基準点として設定し、次いで、他方の停止位置Bまでブーム4を旋回させ、停止位置Bで停止位置設定スイッチ10を押して(2回目)、停止位置Bと基準点である停止位置Aからカウントした計数値Nを他方の旋回制限位置として設定してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、一対の近接センサ8A、8Bは、ターンテーブル3に旋回動作をさせる歯車機構5のピニオン歯車6の移動状態を検出可能な位置に設置されており、相互が、ピニオン歯車6の回転方向でのピッチを、1/4ピッチだけずらした位置を監視するようにそれぞれ配置されている例で説明したが、相互の位置は、1/4ピッチだけずらした位置に限定されず、各近接センサ8A、8Bは、例えば0を超えて1/2ピッチ未満の範囲で、回転方向でのピッチずらした位置を監視して、相互に、出力波形の位相を異ならせ、互い違いとなる信号を発生するように配置されていればよい。しかし、安定した出力を得る上では、ピニオン歯車6の回転方向でのピッチを、1/4ピッチだけずらした位置を監視するようにそれぞれ配置されていることが好ましい。また、移動状態を検出する歯車として、ピニオン歯車6を例に説明したが、大歯車7に対してセンサを取り付けてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、歯車の歯列方向での移動状態を検出可能な旋回状態検出手段として、一対の近接センサ8A、8Bを備える例で説明したが、一対のセンサは、近接センサに限定されず、歯車の歯列方向での移動状態を非接触で検出可能なセンサであれば、例えば光電センサを用いてもよい。しかし、水、油、粉塵等のかかる悪環境下での使用を考慮すれば、上記実施形態のように、一対のセンサとして、近接センサを用いることは好ましい。また、歯車に対するセンサの検出軸の方向についても、歯車の移動状態を検出可能に設置されていれば、特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る旋回範囲制限装置を搭載した移動式クレーンを説明する図であり、同図では、平面方向から見た概略図を示している。
【図2】歯車機構と、その歯車機構を駆動するための油圧機構を説明する図であり、同図では、その歯車機構を平面方向から見た概略図で示すとともに、油圧機構の概略構成を示している。
【図3】本発明に係る旋回範囲制限装置の構成を説明するブロック図である。
【図4】センサからの出力信号を説明するタイミングチャートである。
【図5】制御部内で実行される絶対位置設定処理のフローチャートである。
【図6】センサからの出力信号に基づいて、制御部内で計数値を計数する際に参照する設定テーブルを説明する図である。
【図7】制御部内で実行される旋回管理処理のフローチャートである。
【図8】制御部内で実行される旋回管理処理(ティーチング処理)のフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 移動式クレーン(作業機械)
2 ベース
3 ターンテーブル(旋回体)
4 ブーム
5 歯車機構
6 ピニオン歯車
7 大歯車
8A、8B 近接センサ(旋回状態検出手段)
9 コラム
10 停止位置設定スイッチ(信号出力手段)
12 設定解除スイッチ
14 油圧モータ
15 コントロールバルブ
16 油圧ポンプ
17 吐出管路
18 アンロード弁
19 タンク
20 制御部
P 歯車のピッチ
R 旋回設定範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回体が歯車機構を介して旋回動作をする作業機械に用いられ、前記旋回体の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、前記旋回状態検出手段によって検出された検出情報に基づいて、前記旋回体の現在の位置を特定する現在位置特定手段と、前記現在位置特定手段によって特定された現在位置情報に基づいて、前記旋回体の旋回範囲を所望の旋回設定範囲内に制限する旋回範囲制限手段と、を備える旋回範囲制限装置であって、
前記旋回状態検出手段は、前記歯車機構の歯車の歯列方向での移動状態を検出可能に設置された非接触式の一対のセンサを備えて構成され、当該一対のセンサは、前記歯車が歯列方向の一方側に移動する場合と他方側に移動する場合とで出力波形同士の位相を異ならせるようにそれぞれ配置されており、
前記現在位置特定手段は、前記位相の差異に応じて、前記一方側に向かっているときには現在の位置を特定するための計数値に所定の値を加算し、前記他方側に向かっているときには前記計数値から所定の値を減算することにより、前記現在位置情報として現在位置に応じた一つの計数値を取得することを特徴とする旋回範囲制限装置。
【請求項2】
請求項1に記載の旋回範囲制限装置において、
前記旋回体の旋回設定範囲を設定するための旋回範囲設定指示信号を出力する信号出力手段をさらに備え、
前記旋回範囲制限手段は、前記旋回設定範囲を設定する旋回範囲設定手段を備え、当該旋回範囲設定手段は、前記旋回範囲設定指示信号が出力されたときの前記現在位置情報を、旋回を制限すべき制限位置情報として記憶するようになっており、
前記旋回範囲設定指示信号の1回目の出力時に取得した前記現在位置情報を一方の制限位置情報とするとともに、前記旋回範囲設定指示信号の2回目の出力時に取得した前記現在位置情報を他方の制限位置情報として記憶することにより、前記旋回設定範囲を任意に設定することを特徴とする旋回範囲制限装置。
【請求項3】
請求項2に記載の旋回範囲制限装置において、
前記旋回範囲制限手段は、前記現在位置情報としての計数値が、前記一方および他方の制限位置情報としての計数値同士の間にあるときのみ、前記旋回体を旋回させるようにその旋回範囲を制限することを特徴とする旋回範囲制限装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−176650(P2007−176650A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−377256(P2005−377256)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(506002823)古河ユニック株式会社 (54)
【Fターム(参考)】