説明

日焼け止め

化粧用または局部的製薬的用途に好適なUV日焼け止め組成物において、
感光性であるおよび/または分解されるおよび/または分解が組成物の別の構成要素によって引き起こされるある量の1以上の有機成分と、
ある量の、他の要素がドープされたTiOおよび/またはZnOおよび/または還元酸化亜鉛とを含有し、
前記別の要素がドープされたTiOおよび/またはZnOまたは前記還元酸化亜鉛を含有しないことを除けば同じ配合を有する組成物よりも、少なくとも5%未満のUV吸収損失率を有する組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧用および局部的製薬的用途に好適なUV日焼け止め組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光線を浴びることに関する影響はよく知られている。したがって、UVAおよびUVB光に対する肌の露出は、たとえば、日焼け、早期老化、および皮膚がんにつながる場合がある。
【0003】
一般的に、市販の日焼け止めはUV光を反射および/または吸収することができる成分を含んでいる。これらの成分にはたとえば、無機酸化物、たとえば、酸化亜鉛および二酸化チタン、さらには有機日焼け止め剤がある。
【0004】
一般に人々は、わかりにくい太陽光線のその他の影響よりも、太陽光線の明らかな影響、主に肌の発赤につながる日焼けに、より関心がある。その結果、この市販の日焼け止め組成物はサン・プロテクション・ファクター(Sun Protection Factor)(SPF)によって評価される。これは、未処理の肌と比べた、1層の組成物下で肌が発赤するのに要する時間の測定値である。したがって、SPF20とは、未処理の肌に比べて、2mg/cmに塗布された1層の組成物下では、肌が発赤するのに20倍の長い時間を要するであろうことを示している。この発赤影響は主に、UVB光によって引き起こされる。UVA光は長期間ではより大きいダメージとなる場合があるにもかかわらず、UVA光の影響については、それに対応するファクターは認識されていない。
【0005】
大部分の有機日焼け止め剤はUVA−UVBスペクトルの一部に渡る光しか吸収しない。その結果、UVA−UVBスペクトル全体をカバーする日焼け止め効果を得るためには、一般的に異なる有機日焼け止め剤の組み合わせを用いることが必要である。有機日焼け止め剤および日焼け止め組成物の他の成分はUV光に対して安定であるものもあるが、感光性であるおよび/またはUV光によって励起された後に分解し得る、および/または組成物の別の構成要素の分解を引き起こすものもある。
【0006】
二酸化チタンおよび酸化亜鉛は一般的に、「ミクロ化」または「超微粒子」(20〜50nm)粒子(いわゆる、ミクロリフレクター)と呼ばれている。なぜなら、レイノルズ法によれば、そのサイズが入射光の波長の10%未満である粒子は光を散乱させ、その散乱光の強度は波長の4乗に反比例するからである。したがって、これらは、より長い可視光の波長よりも、UVB光(280または290〜315/320nmの波長を有する)およびUVA光(315/320〜400nmの波長を有する)を散乱させ、肌の上で目には見えない日焼けを防止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、二酸化チタンおよび酸化亜鉛は、効果的にUV光を吸収もするのだが、最初の形体の電子孔対を経て、過酸化物および水酸基ラジカルの形体へと移行し、順に組成物の他の成分にダメージを与える場合がある。結晶形体のTiOのアナタース形およびルチル形は、それぞれ、約385nmおよび400nmの光に相当する約3.23および3.06eVのバンドギャップエネルギーを有する半導体である(1eVは8066cm−2に相当する)。実に、TiOが、有機日焼け止め剤、たとえば、UVA有機日焼け止め(たとえば、アボベンゾン)の分解を助長し得ることを示唆する証拠がある。TiOおよびZnOの負の効果をコーティングによって低減しようとする試みもあるが、コーティングは不変的に有効というわけではない。
【0008】
なぜ、大部分の日焼け止め剤が実質的に永久的な効果(すなわち、実質的に一定のSPFファクター)を有さないかについての理由は、原理的に、有機日焼け止め剤は一度、UV光に曝された場合には、光によって分解されおよび/または日焼け止め組成物の他の成分によって悪影響を受けるからである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここで、驚くべきことに、本発明によれば、組成物が、他の要素がドープされたこの酸化亜鉛または二酸化チタンおよび/または還元酸化亜鉛を有していれば、分解されやすい有機日焼け止め剤や他の成分の分解を阻止することができることを見出した。言い換えれば、化粧用のまたは局部的製薬的な組成物に、通常の二酸化チタンまたは酸化亜鉛よりもむしろこれらのドープまたは還元材料を使用することによって、たとえば、同量の有機日焼け止め剤ではUV光に対してより良好な保護性を与える組成物を提供することができ、またはより少量の有機日焼け止め剤を含んでもUV光に対して同程度の日焼け止め効果を有する組成物を提供することができる。まさにドープおよび/または還元材料を導入することによって一日中保護性のある日焼け止めを提供することができる。
【0010】
したがって、本発明は、化粧用または局部的製薬的用途に好適な化粧用UV日焼け止め組成物を提供し、この組成物は、感光性であるおよび/または分解されるおよび/または分解が組成物の別の構成要素によって引き起こされるある量の1以上の有機成分と、ある量の、1以上の他の要素(典型的には第2の要素)がドープされたTiOおよび/またはZnOおよび/または還元酸化亜鉛とを含有し、この組成物は、前記別の要素がドープされたTiOおよび/またはZnOまたは還元酸化亜鉛を含有しないことを除けば同じ配合を有する組成物よりも、少なくとも5%未満のUV吸収損失率を有するものである。したがって、UVAおよび/またはUVBスペクトルの少なくとも均衡での(UV露光時の)UV吸収損失率がXであれば、感光性であるおよび/または組成物の別の構成要素によって分解されるその量の有機成分はYの前記損失率を有し、ここで、YはXより少なくとも5%大きく、ドープTiOおよび/またはZnOおよび/または還元酸化亜鉛の量はYからXへと前記損失率を低減させている。
【0011】
本発明はまた、1以上の有機UV日焼け止め、または他の感光性の構成要素または化粧用UV日焼け止め組成物における組成物の別の構成要素によって分解される構成要素の濃度を減少させるため、さらには、1以上の有機UV日焼け止め剤を含有する日焼け止め組成物のUV吸収損失を減少させるための、ドープTiO/ZnOまたは還元酸化亜鉛の使用をも提供する。さらに本発明は、感光性であるおよび/または分解されるおよび/または分解が組成物の別の構成要素によって引き起こされる1以上の成分を含有する有機日焼け止め組成物の効果を増強する(安定性を改良する)方法であって、ドープTiO/ZnOおよび/または還元酸化亜鉛を組成物に導入することを包含する方法を提供する。分解生成物(分解された化学物質)は時には有毒である。したがって、本発明はまた、ドープTiO/ZnOおよび/または還元ZnOを組成物に導入することを包含する、UV日焼け止め組成物中の有毒化合物の生成を減少させる方法を提供する。
【0012】
「化粧用または局部的製薬的用途に好適なUV日焼け止め組成物」はUV日焼け止め活性を有するいずれかの化粧用または局部的製薬的組成物を意味し、すなわち、その主な機能が日焼け止めではない場合もある組成物を含む。いくつかの区分では「化粧用」という用語は製薬的効果を有する組成物にまで広がっていないので、「局部的製薬的」という用語を用いている。ドープTiO/ZnOまたは還元ZnOはUV日焼け止め活性を有する組成物の唯一の構成要素でもよく、すなわち、必ずしも組成物は有機UV日焼け止め剤を含有する必要がなくてもよい。組成物はドープまたは還元されていないTiOおよび/またはZnOを含有することもできると理解される。
【0013】
感光性であるまたは組成物の別の構成要素によって分解されうる有機成分は、一般的にUV日焼け止め剤である。UV吸収において損失を被る全ての有機日焼け止め剤を用いることはできないが、本発明は特にUVB領域だけでなくUVA領域で吸収する日焼け止め剤に有効である。
【0014】
しかし、他の有機成分は、分解された成分によって、UV日焼け止め剤の分解を潜在的に引き起こすフリーラジカル攻撃の影響を受ける場合がある。
【0015】
先に示すように、有機日焼け止め剤のUV吸収は一般的に、時間と共に減少する。逆にTiOまたはZnOのUV吸収は、時間と共に減少しない。TiOおよびZnOはUVA領域もUVB領域も共に吸収するが、有機日焼け止め剤は一般的により波長特異性があるので、UVA/UVB吸収比は時間と共に増加する場合があると見ることができる。同量の未ドープTiO/ZnOよりもむしろドープTiO/ZnOを使用する場合には、変化率は低下する。これは、ドープ材料が時間と共に有機日焼け止め剤の機能を増強させているからであろう。したがって、UVA日焼け止めを用いて、時間と共にUVA吸収損失を低減して(すなわち、ドープ材料が存在する場合には、UVA感応性はより安定である)、その率の変化の割合を減少させる。したがって、吸収の初期比が、
【数1】

であれば、
【数2】

となる(ここで、ドープ材料が用いられる場合にはxはより小さく、その結果変化率はよりより少ない。UVB日焼け止めを用いれば、より安定なUVB感応性の結果として、変化率も減少する)。
【0016】
吸収損失率は、ドープTiOおよび/またはZnOを有する組成物と有さない組成物の、規定の厚さの試料に、適当な波長のUV光を照射し、所定期間、典型的には60分間にわたって組成物によるUV吸収を同定し、問題の波長に対してこの期間にわたるプロットを得、カーブの下側領域を同定し、そこから損失率を計算することによって決定されうる。明らかに、カーブの下側領域が小さいほど、損失も小さくなる。UVA吸収については、320〜400、特に340〜390nmの波長が考慮される。
【0017】
UV吸収損失におけるいずれの減少も有効であるが、一般的にドープ酸化物の存在が少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、特に少なくとも20%および最も好ましくは少なくとも40%の量でUV吸収率を減少させるべきであることが望ましい。
【0018】
本発明のさらなる特徴はドープTiO/ZnOが一般的に着色しているということによる。その結果、このようなドープ材料の使用は、組成物が、組成物に影響を与える可視光をより多くの吸収すること、すなわち、より少ない可視光が透過し肌に達することにつながる。さらに、ある国々では、着色配合物はメリットが大きい。日本におけるスキンライトニング組成物では、ピンクの着色はその下にある肌の色むらを隠すのに有用である。インドネシアでは、黄色の着色が好まれると見られ得る。それでも着色を最小限にする場合には、粒子をコーティングすることによっておよび/またはドーピングの濃度を制御することによってこれを達成することができる。以下にその両方について議論する。
【0019】
ホスト格子中における他の要素の最適量は繰り返し実験によって決定されてもよく、いくつかの実施態様では粒子が着色しないように十分低くすることが好ましい。0.1mol%以下程度の低い量、たとえば、0.05mol%、または1mol%以上程度の高い量、たとえば、5mol%または10mol%が一般的に用いられ得る。典型的な濃度は0.5〜2重量mol%である。
【0020】
酸化物粒子用のドーパントは、好ましくはマンガンであり、たとえば、Mn2+特にMn3+、バナジウム、たとえば、V3+またはV5+、クロムおよび鉄が特に好ましいが、使用することができる他の材料には、ニッケル、銅、錫、アルミニウム、鉛、銀、ジルコニウム、亜鉛、コバルト、ガリウム、ニオビウム、たとえば、Nb5+、アンチモン、たとえば、Sb3+、タンタル、たとえば、Ta5+、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、モリブデン、たとえば、Mo3+、Mo5+、またはMo6+、さらにはシリコンがある。マンガンはMn3+として、コバルトはCo2+として、錫はSn4+さらにはSn2+として、存在するのが好ましい。これらの金属は、単独で、または2または3以上組み合わせて導入され得る。さらに、これらのドープ酸化物の詳細は、WO99/60994、さらにはWO01/40114に見られ得る。
【0021】
これらの粒子は、ドープ酸化物および塩を調製する標準的方法のいずれか1つによって得られうる。したがって、これらは、ホスト格子(TiO/ZnO)の粒子を、塩(たとえば、塩化物)または酸素−含有陰イオン(たとえば、パークロレートまたはニトレート)の形体の第2の成分と、溶液または懸濁液(典型的には水溶液)中で混合し、次いでこれを典型的には少なくとも300℃の温度で焼成することによる焼成技術によって得られうる。ドープ材料を調製するのに用いてもよい別の方法には、j.Mat.Sci.(1997)36,6001−6008に記載されるタイプの沈殿法があり、ここでは、ドーパント塩の溶液とホスト金属(Ti/Zn)のアルコキシドの溶液を混合し、その混合溶液を次に加熱してアルコキシドと酸化物に変位させる。加熱は、ドープ材料の沈殿が得られるまで続けられる。この沈殿法のさらなる詳細は前述の特許明細書に見られ得る。
【0022】
ドープTiOまたはドープZnOは、燃焼熱分解法によってまたはプラズマ法によって得られうり、ここでは、適当なレベルの混合金属含有前駆体を燃焼またはプラズマに暴露して所望の生成物を得る。
【0023】
ルチル形のチタニアはアナタース形に比べてより光に安定であることで公知であり、したがって、好ましい。
【0024】
還元酸化亜鉛粒子(すなわち、酸素イオンに比べて過剰の亜鉛イオンを有する粒子)は、還元性雰囲気中で酸化亜鉛粒子を加熱して還元酸化亜鉛粒子を得ることによって容易に得られうる。この還元酸化亜鉛粒子はUV光、特に390nm以下の波長を有するUV光を吸収し、緑、好ましくは約500nmで再放射する。この還元酸化亜鉛粒子は、電子および/または正に帯電した孔の、粒子表面への移行を最小限にした還元酸化亜鉛を含有し、前記粒子が水性環境においてUV光に暴露された場合に、先に議論したような水酸基ラジカルの生成を実質的に減らすようにしていると、理解されるであろう。
【0025】
還元性雰囲気は、酸素含有量を減らしまたは水素含有量を増やした空気でありうるが、好ましくは水素と不活性ガス、たとえば、窒素またはアルゴンの混合物である。典型的には、水素濃度は、バランス不活性ガス、特に窒素を用いて、1〜20体積%、特に5〜15体積%である。好ましい還元性雰囲気は約10体積%の水素と約90体積%の窒素である。酸化亜鉛を、この雰囲気中で500℃〜1000℃、一般的に750〜850℃、たとえば、約800℃で、5〜60分間、一般的に10〜30分間加熱する。典型的に、約800℃に約20分間加熱する。
【0026】
還元酸化亜鉛粒子は吸収性コア内に過剰のZn2+を有すると考えられる。これらは局所的状態であり、たとえば、バンドギャップ内に存在してもよい。これについてのさらなる議論はWO99/60994に見られ得る。
【0027】
粒子の平均一次粒子サイズは一般的に、約1〜200nm、たとえば、約1〜150nm、好ましくは約1〜100nm、より好ましくは約1〜50nmおよび最も好ましくは約20〜50nmである。粒子サイズは好ましくは、最終製品の着色を生じさせないように選択される。したがって、ナノ粒子がしばしば用いられる。しかし、ある実施態様では僅かに大きい粒子、たとえば、100〜500nm、典型的に100〜400または450nm、特に150〜300nmおよび特に200〜250nmを用いることができる。これらはたとえば、認められないほど肌を白くすることなく、肌の不完全さを良好にカバーする。
【0028】
粒子が実質的に球形である場合には、粒子サイズは直径を用いて表される。しかし、発明は非球形である粒子をも含み、このような場合には、粒子サイズは最も大きい寸法を示す。
【0029】
本発明で使用される酸化物粒子は無機または有機コーティングを有してもよい。たとえば、粒子を、アルミニウム、ジルコニウムまたはシリコンのような元素の酸化物、特にシリカでコートしてもよい。また、金属酸化物の粒子を1以上の有機材料、たとえば、ポリオール、アミン、アルカノールアミン、ポリマー状有機シリコン化合物、たとえば、RSi[{OSi(Me)}xOR(ここで、RはC〜C10アルキルであり、Rはメチルまたはエチルであり、xは4〜12の整数である)、親水性ポリマー、たとえば、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースおよびキサンタンガムまたは界面活性剤、たとえば、TOPOでコートしてもよい。このようなコーティングは、少なくともある程度、ドープ粒子の有しうる色を隠す効果を有することができる。
【0030】
本発明の組成物は一般的に、化粧用用途のためのものであり、たとえば、口紅、たとえば、しわ防止配合物を含むクリームの形体の肌のアンチエージング組成物、スクラブ、クリームおよびローションを含む剥離製剤、たとえば、フェイスパウダーおよびクリームの形体のスキンライトニング組成物、クリームおよびローションを含む手用製剤、保湿製剤、髪を保護するための組成物、たとえば、コンディショナー、シャンプーおよびヘアーラッカーさらにはヘアーマスクおよびゲル、ワイプ、ローションおよびゲルを含む肌洗浄組成物、アイシャドーおよび頬紅、スキントナーおよび血清さらには洗浄製品、たとえば、シャワーゲル、バブルバス、バスオイルを含む浴用製品であってもよいが、好ましくは日焼け止めである。この関係で、ここで使用されるように「化粧用UV日焼け止め組成物」という表現は、肌に適用されるいずれかの組成物を含み、洗浄製品のように肌に残渣を残してもよい。本発明の組成物は、UV光からの保護性を提供するいずれの常套の配合物として用いられてもよい。また、組成物は局所的適用に好適な製薬的組成物であってもよい。このような組成物は特に、UV光によって悪影響を受け、多様な光皮疹を引き起こす肌の疾患に苦しむ患者にとって有用である。
【0031】
本発明の組成物中に使用されうる有機日焼け止め剤には、UV光に対して保護性を与える常套の日焼け止め剤があるが、他に感光性成分がないならば、日焼け止め剤は感光性であり、および/または組成物の別の構成要素によって分解される。
【0032】
好適な日焼け止め剤は、ガン研究のための国際機関によって公開されたキャンサー・プレベンション(Cancer Prevention)のIARCハンドブック(Handbook)、第5巻、サンスクリーン(Sunscreen)、リヨン、2001に掲載されており、次のものがある:
(a)パラアミノ安息香酸(PABA)、(UVB吸収剤)そのエステルおよび誘導体、たとえば、アミルジメチル−;エチルジヒドロキシプロピル−;エチルヘキシルジメチル−;エチル−;グリセリル−;および4−ビス−(ポリエトキシ)−PABA、
(b)メチルシンナメートエステルおよびメトキシシンナメートエステルを含むシンナメート(UVB)の特にエステル、たとえば、オクチルメトキシシンナメート、エチルメトキシシンナメート、特に2−エチルヘキシルパラ−メトキシシンナメート、イソアミルp−メトキシシンナメート、またはそのジイソプロピルシンナメートとの混合物、2−エトキシエチル−4−メトキシシンナメート、DEA−メトキシシンナメート(パラ−メトキシヒドロキシシンナメートのジエタノールアミン塩)またはα,β−ジ−(パラ−メトキシシンナモイル)−α’−(2−エチルヘキサノイル)−グリセリン、さらにはジイソプロピルメチルシンナメート;
(c)ベンゾフェノン(UVA)、たとえば、2,4−ジヒドロキシ−;2−ヒドロキシ−4−メトキシ−;2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−;2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−;2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−;および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチル−ベンゾフェノン、ベンゼンスルホン酸およびそのナトリウム塩;ナトリウム2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノンおよびオキシベンゾン;
(d)ジベンゾイルメタン(UVA)、たとえば、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、特に4−tert−ブチル−4’メトキシジベンゾイルメタン;
(e)2−フェニルベンズイミダゾール−5スルホン酸UVBおよびフェニルジベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩;
(f)アルキル−β,β−ジフェニルアクリレート(UVB)、たとえば、アルキルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、たとえば、オクトクリレン;
(g)トリアジン(UVB)、たとえば、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2−エチル−ヘキシル−1−オキシ)−1,3,5トリアジンさらにはオクチルトリアゾン、たとえば、エチルヘキシルトリアゾンおよびジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(h)カンファ誘導体(一般的にUVB)、たとえば、4−メチルベンジリデンおよび3−ベンジリデン−カンファおよびテレフタリリデンジカンファスルホン酸(UVA)、ベンジリデンカンファスルホン酸、カンファベンズアルコニウムメトスルフェートおよびポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファ;
(i)有機顔料日焼け止め剤、たとえば、メチレンビス−ベンゾトリアゾールテトラメチルブチルフェノール;
(j)シリコーンベースの日焼け止め剤、たとえば、ジメチコジエチルベンザルマロネート;
(k)サリチレート(UVB)、たとえば、ジプロピレングリコール−;エチレングリコール−;エチルヘキシル−;イソプロピルベンジル−;メチルー;フェニル−;3,3,5−トリメチル−およびTEA−サリチレート(2−ヒドロキシ安息香酸および2,2’,2”−ニトリロトリス(エタノール)の化合物);
(l)アントラニレート(UVA)、たとえば、メチルアントラニレートさらにはビスイミダジレート(UVA)、ジアルキルトリオレエート(UVB)、5−メチル−2−フェニルベンゾキサゾール(UVB)およびウロカニン酸(UVB)。
【0033】
いくつかの化合物は、UVAとUVBの両方に対して効果的である。これらには、アニソトリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾイルテトラメチルブチル−フェノールおよびドロメトリゾールトリシロキサン(メキソリル(Mexoryl)XL)がある。
【0034】
有機日焼け止め剤は典型的に、組成物中に組成物の重量に基づいて、0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、および特に2〜5重量%の濃度で存在する。
【0035】
一般的に水性の組成物中には、好ましくは、金属酸化物は、約0.5〜20重量%、好ましくは約1〜10重量%、およびより好ましくは約3〜8重量%、特に約4〜7重量%、たとえば、4〜6重量%、たとえば、約5重量%の濃度で存在する。
【0036】
組成物はたとえば、典型的に4000〜10,000mPasの粘度を有するローション、たとえば、ゲル化ローション、ゲル、小胞状の分散体、クリーム、典型的に10,000〜20,000mPasの粘度を有する流動性クリームまたは20,000〜100,000mPasの粘度のクリーム、ミルク、パウダー、固形スティックの形体であってもよく、任意にエアゾールとしてパッケージされてもよく、泡またはスプレイの形体で提供されてもよい。
【0037】
組成物はこのような配合物に使用されるいかなる構成要素を含有してもよく、これには、脂肪性物質、有機溶媒、シリコン、増粘剤、液体および固体の皮膚軟化剤、保護剤、他のUVA、UVBまたは広帯域の日焼け止め剤、消泡剤、酸化防止剤、たとえば、ブチルヒドロキシトルエン、緩衝剤、たとえば、乳酸とトリエタノールアミンまたは水酸化物ナトリウムのような塩基、植物抽出物、たとえば、アロエベラ、ヤグルマソウ、ウィッチ-ヘーゼル、ニワトコの花および胡瓜、活性増強剤、保湿剤、および湿潤剤、たとえば、グリセロール、ソルビトール、2−ピロリドン−5−カルボキシレート、ジブチルフタレート、ゼラチンおよびポリエチレングリコール、香料、防腐剤、たとえば、パラ−ヒドロキシベンゾエートエステル、界面活性剤、充填剤および増粘剤、隔離剤、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性または両性ポリマーまたはその混合物、推進剤、アルカリ性化または酸性化剤、100nm〜20000nmの粒子サイズを有する金属酸化物顔料、たとえば、酸化鉄さらには常套の(未ドープ)TiOおよびZnOを含む着色剤またはパウダーがある。
【0038】
化粧用組成物の他の構成要素、たとえば、幾分かの界面活性剤は、UV光の存在中である種の日焼け止め剤を分解する効果を有する場合がある。また、TiOおよびZnOも、ある種の有機日焼け止め、たとえば、アボベンゾンだけでなく酸化防止剤、たとえば、ビタミン(たとえば、ビタミンA、B、CおよびE)およびアンチエージングファクター、たとえば、ナイアシンアミド、レテノイド、コエンザイムMEQ10等を分解することで知られている。このような日焼け止めと共にドープTiOおよび/またはZnOおよび/または還元ZnOを使用することは特に有用であると評価されるであろう。これは、TiOおよびZnOは一般的に積極的なUV吸収効果を有するからである。したがって、ドープTiOおよび/またはZnOおよび/または還元ZnOを使用することによって、酸化防止剤をより少なく使用することができ、または配合物をより長く持続させうる。
【0039】
有機溶媒は典型的に、低級アルコールおよびポリオール、たとえば、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびソルビトールさらには塩化メチレン、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−エチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランである。
【0040】
脂肪性物質は、オイルまたはワックスまたはその混合物、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪性アルコール、ワセリン、パラフィン、ラノリン、水素化ラノリンまたはアセチル化ラノリン、蜜蝋、オゾケライトワックスおよびパラフィンワックスからなるものでもよい。
【0041】
オイルは典型的に、動物性、植物性、ミネラルまたは合成オイル、特に水素化椰子油、水素化キャスターオイル、ワセリンオイル、パラフィンオイル、パーセリン(Purcellin)オイル、シリコンオイル、たとえば、ポリジメチルシロキサンおよびイソパラフィンからのものである。
【0042】
ワックスは典型的に、動物性、化石質、植物性、ミネラルまたは合成ワックスである。このようなワックスには、蜜蝋、カルナウバ、カンデリラ、さとうきびまたは木蝋、オゾケライト、モンタン蝋、微結晶ワックス、パラフィンまたはシリコンワックスおよび樹脂がある。
【0043】
脂肪酸エステルは、たとえば、イソプロピルミリステート、イソプロピルアジペート、イソプロピルパルミテート、オクチルパルミテート、C12−C15脂肪アルコールベンゾエート(FINETEXからの「FINSOLV TN」)、3モルの酸化プロピレンを含有するオキシプロピレン化ミリスチンアルコール(WITCOからの「WITCONOL APM」)、カプリン酸およびカプリル酸トリグリセリド(HULSからの「MIGLYOL812」)である。
【0044】
組成物はまた、増粘剤、たとえば、架橋または非架橋アクリル酸ポリマー、特に多官能性の薬剤を用いて架橋されたポリアクリル酸、たとえば、GOODRICH社によって「CARBOPOL」の商品名で販売されている製品、セルロース、その誘導体、たとえば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、またはセチルステアリルアルコールと33モルの酸化エチレンを含有するオキシエチレン化セチルステアリルアルコールとの混合物を含有してもよい。
【0045】
望ましくは、水分散可能な二酸化チタンのオイル分散可能な二酸化チタンに対する重量比は1:4〜4:1、好ましくは1:2〜2:1、および理想的にはほぼ同じ重量比である。
【0046】
好適な皮膚軟化剤には、ステアリルアルコール、グリセリルモノリシノレエート、ミンクオイル、セチルアルコール、イソプロピルイソステアレート、ステアリン酸、イソブチルパルミテート、イソセチルステアレート、オレイルアルコール、イソプロピルラウレート、ヘキシルラウレート、デシルオレエート、オクタデカン−2−オール、イソセチルアルコール、エイコサニルアルコール、ベヘニルアルコール、セチルパルミテート、シリコンオイル、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジ−n−ブチルセバケート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、ブチルステアレート、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ココアバター、コーンオイル、綿実オイル、オリーブオイル、椰子核油、菜種油、紅花種油、月見草油、大豆油、ひまわり種油、アボカドオイル、ごま種油、ココナッツオイル、ピーナッツオイル、キャスターオイル、アセチレート化ラノリンアルコール、ワセリン、ミネラルオイル、ブチルミリステート、イソステアリン酸、パルミチン酸、イソプロピルリノレート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、デシルオレエート、ミリスチルミリステートがある。
【0047】
好適な推進剤には、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、笑気がある。
【0048】
好適なパウダーには、チョーク、タルク、フラー土、カオリン、スターチ、ガム、コロイド状シリカ、ナトリウムポリアクリレート、テトラアルキルおよび/またはトリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学的に変性させたマグネシウムアルミニウムシリケート、有機的に変性させたモンモリロナイト粘土、水和アルミニウムシリケート、フュームシリカ、カルボキシビニルポリマー、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチレングリコールモノステアレートがある。
【0049】
本発明の組成物が日焼け止めである場合には、組成物はたとえば、溶媒または脂肪性物質における懸濁液または分散体の形体で、またはエマルジョン(たとえば、クリームまたはミルク)として、軟膏、ゲル、固形スティックまたはエアゾールフォームの形体であってもよい。エマルジョン(水中にオイルまたはオイル中に水タイプのエマルジョンでありうる)はさらに、乳化剤を含有してもよく、これには、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性または両性界面活性剤があり;オイル中に水タイプのエマルジョンにとってはHLBは典型的に1〜6であるが、水中にオイルタイプのエマルジョンにとってはより大きい値、すなわち、>6が望ましい。一般的に、水は80体積%まで、典型的に5〜80体積%の量である。使用することができる特定の乳化剤には、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、グリセロールモノオレエート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノラウレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール、蜜蝋誘導体、PEG200ジラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(3.5)ノニルフェノール、PEG200モノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、PEG400ジオレエート、ポリオキシエチレン(5)モノステアレート、ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレエート、PEG300モノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(8)モノステアレート、PEG400モノオレエート、PEG400モノステアレート、ポリオキシエチレン(10)モノオレエート、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(9.3)オクチルフェノール、ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノラウレート、PEG600モノオレエート、PEG1000ジラウレート、ポリオキシエチレンソルビトールラノリン誘導体、ポリオキシエチレン(12)ラウリルエーテル、PEG1500ジオレエート、ポリオキシエチレン(14)ラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(25)オキシプロピレンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビトールモノラウレート、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(50)モノステアレート、およびPEG4000モノステアレートがある。場合によっては、乳化剤はシリコン界面活性剤、特にポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレン側鎖を有し、典型的に10,000〜50,000の分子量を有するジメチルポリシロキサン、特にシクロメチコンおよびジメチコンコポリオールでありうる。これらは公知の方法によって調製されるイオン性または非イオン性両親媒性液体の小胞状分散体の形体で提供されてもよい。
【0050】
水分散可能な二酸化チタンまたは酸化亜鉛とオイル分散可能な二酸化チタンまたは酸化亜鉛の両方であって、その少なくとも一方はドープされている二酸化チタンまたは酸化亜鉛(場合によっては還元酸化亜鉛)を用いることは効果的でありうる。エマルジョンを肌に塗った場合、エマルジョンは油性領域と非油性領域に壊れる傾向にあることを見出している。水が蒸発した場合にオイル分散可能な粒子は油性領域にあり、したがって、保護されていない領域を残すこととなるであろう。この点は、エマルジョン中に親水性と疎水性の両方の粒子を有し、親水性領域にとどまるものもあれば、疎水性領域にとどまるものもあるようにすることによって、排除され得る。
【0051】
水分散可能な粒子は、未コートでも、または粒子に親水性の表面特性を付与するような材料でコートされてもよい。このような材料の例には、酸化アルミニウムおよびアルミニウムシリケートがある。疎水性表面特性を有するオイル分散可能な粒子は、金属石鹸、たとえば、アルミニウムステアレート、アルミニウムラウレートまたは亜鉛ステアレートで、または有機シリコン化合物で適宜コートされる。
【実施例】
【0052】
以下の実施例は本発明をさらに説明するものである。
【0053】
(実施例1)
日焼け止め配合物の分解を以下のように評価した。
(方法):
試料の調製
10mm×25mmで12.5ミクロンの厚さのポリテンを2片切りとった。
石英スライドの中央から20mm離してポリテン片を配置した。
スライドの中央に約30mlの日焼け止め製剤をピペットで滴下した。
試料の上に第2の石英スライドを注意深く配置し、ポリテン片のところでスライドを圧縮し12.5μmの厚さの試験体を提供した。
気泡を注意深く排除した。
【0054】
照射
スコット(Schott)WG320フィルターでフィルターされたキセノンランプを用いて、照射を行った。
290〜400nmにキャリブレートされたスペクトロラジオメータを用いて出力された光のベース読み取りを行った。
水の試料を通過した光の強度(290〜400nm)を測定し、ブランク(Iq)として用いた290〜400nmの範囲にわたる強度は、真夏に平均的な地方で見られる強度の典型である。
光の下に置いた直後の時間0での試料(It)を通過した光の強度(290〜400nm)を測定し、次いで10分毎に1時間測定した。実験終了時、出力された光のベース読み取りをもう一度行い、光源が一定に保たれていたことを確認した。
【0055】
計算
各個別の波長での日焼け止めフィルムの透過率(K)を計算する。
K=It/Iq
これを用いて、各時点での波長対透過率をプロットすることができ、これは照射中の個別の日焼け止めの透過率の増加を示す。
各個別の波長での日焼け止めによる光吸収の損失(D)を、T=0での日焼け止めの吸収の、T=tでまだ残っている日焼け止めの吸収に対する割合として計算する。
D=K0/Kt
これ用いて、波長対光吸収の損失をプロットすることができる。このプロットによって、異なる日焼け止め製剤間の比較が可能となる。各時点でのこのカーブの下側の領域を測定することによって、全UVA吸収の変化率をも計算することができる。
【0056】
(配合物)
市販の日焼け止めファクター5およびファクター10。これらは以下の構成要素を有する。
下線の構成要素は活性日焼け止め剤である。
これらの配合物を、種々の濃度でのドープおよび非ドープTiOおよびZnOの導入によって変更した。そして、変更しない配合物と比較した。
【0057】
市販のファクター5

C12−15アルキルベンゾエート
グリセリン
ブチレングリコールジカプリレート/カプレート
セテアレス(Ceteareth)−20
グリセリルステアレート
エチルヘキシルトリアゾン
ブチルメトキシジベンゾイルメタン
ジナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート
PVP/ヘキサデカンコポリマー
トコフェニルアセテート
セチルパルミテート
セテアリルアルコール
セテアレス(Ceteareth)−12
フェノキシエタノール
メチルパラベン
エチルヘキシルグリセリン
トリナトリウムEDTA
クエン酸ナトリウム
クエン酸
PEG−4ラウレートPEG−4ジラウレート
PEG―4
ヨードプロピニルブチルカルバメート
香料
【0058】
市販のファクター10

エチルヘキシルメトキシシンナメート
グリセリン
セテアレス(Ceteareth)−20
ブチレングリコールジカプリレート/カプレート
C12−15アルキルベンゾエート
グリセロールステアレート
エチルヘキシルトリアゾン
ブチルメトキシジベンゾイルメタン
フェノキシエタノール
セチルパルミテート
セテアリルアルコール
セテアレス(Ceteareth)−12
PVP/ヘキサデカンコポリマー
フェニル/ベンズイミダゾールスルホネート
トコフェニルアセテート
メチルパラベン
エチルヘキシルグリセリン
トリナトリウムEDTA
PEG−4ラウレート
PEG−4ジラウレート
PEG―4
ヨードプロピニルブチルカルバメート
BHT
香料
【0059】
結果を添付の図面に示す。
【0060】
TiOおよびZnOの添加は分解率を低下させており、これは一部で散乱させ一部でさらに吸収しているためであると見ることができる。マグネシウムおよびバナジウムがドープされたTiOまたはZnOは特に、UV保護性の損失率を低下させるのにより大きな効果を有する。市販のファクター10を、通常のZnOまたは同様の物理特性の還元ZnOを5%導入することによって変更し、比較した。これらの材料に前述のように照射した。UVA吸収を全部で60分までの時間の関数として記録した。還元または通常の酸化亜鉛を含有する各配合物は、時間0で約2%の透過率を示した。しかし、通常の酸化亜鉛では約12%の損失率であり、還元酸化亜鉛では約8%の損失率であることから、還元酸化亜鉛は、UV光暴露の役割としてUVA吸収の損失率を減少させることを示した。
【0061】
(実施例2)
導入されるTiOの性質のみを異ならせた配合物の間で比較を行った。次にその吸収を測定した。
【0062】
日焼け止め配合物はスタンレイ・ブラック(Stanley Black)による手順に基づくものであった(www.sblack.com Formula Reference 1629)。
【0063】
相A

【0064】
相B

【0065】
これらを以下のように調製した。
相Aを75℃に加熱した。
相Aを75℃に加熱した。
相Aを相Bに勢いよく攪拌しながら添加した。
攪拌しながら室温まで冷却した。
【0066】
TiOは次のものであった。
A.約1mol%のレベルでマンガンがドープされたTiO
一次粒子サイズ;20〜30nm
結晶形体;99%ルチル形
コーティング;なし
B.BASFからのUvinul
一次粒子サイズ;約21nm
結晶形体;75%アナタース形/25%ルチル形
コーティング;トリメチルカプリリルシラン5%
C.Tayca社からのMT100AQ
一次粒子サイズ;15nm
結晶形体;c.100%ルチル形
コーティング;アルミナ/シリカ/アルギン酸30%以下
【0067】
得られた結果を図8にしめす。これは3つの組成物について異なる波長での吸収の程度を与えるものである。ドープTiOは、2つの市販の未ドープ材料に比べて、360nm付近、すなわちUVA領域での吸収に著しい増加をもたらしていることは、明らかである。したがって、このようなドープTiOを用いることによって、配合物中のUVA日焼け止め、有機物または無機物の濃度を低減することができ、および/またはUVA放射線に対する配合物の効果を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、未ドープまたは1%のバナジウムまたはマンガンがドープされた二酸化チタンを添加したファクター10の日焼け止め配合物についてのUVA吸収における時間の効果を示す。
【図2】図2は、いくつかの配合物についての平均損失パーセンテージを与えたものである。
【図3】図3は、時間=0からt=60で、UVA領域での市販のファクター10の配合物の吸収における損失を示す。
【図4】図4は、ドープまたは未ドープの二酸化チタンを添加したファクター5の配合物の分解を示す。
【図5】図5は、未ドープまたは1%のマンガンまたは鉄がドープされた酸化亜鉛を添加した市販のファクター10の配合物について、残存する保護率を示す。
【図6】図6は、未ドープまたはマンガンまたは鉄がドープされた酸化亜鉛を添加した市販のファクター10の配合物のUVA吸収における平均変化を示す。
【図7】マンガンがドープされた、またはコートされたTiOを添加した同じ組成物についてのUVA吸収における平均変化を示す。
【図8】図8は、本発明と2つの市販入手可能な組成物について、波長の関数として、吸収を比較したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用または局部的製薬的用途に好適なUV日焼け止め組成物において、
感光性であるおよび/または分解されるおよび/または分解が組成物の別の構成要素によって引き起こされるある量の1以上の有機成分と、
ある量の、1以上の他の要素がドープされたTiOおよび/またはZnOおよび/または還元酸化亜鉛とを含有し、
前記別の要素がドープされたTiOおよび/またはZnOまたは前記還元酸化亜鉛を含有しないことを除けば同じ配合を有する組成物よりも、少なくとも5%未満のUV吸収損失率を有する組成物。
【請求項2】
化粧用途に好適な請求項1による組成物。
【請求項3】
ドープまたは還元されていないTiOおよび/またはZnOを含有する請求項1または2による組成物。
【請求項4】
ドーパントがマンガン、バナジウム、クロムまたは鉄である前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項5】
ドーパントがMn3+である請求項4による組成物。
【請求項6】
ドーパントが0.05%〜10mol%の量で存在する前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項7】
ドーパントが0.5〜2重量mol%の量で存在する請求項6による組成物。
【請求項8】
ドープ二酸化チタンを含有する前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項9】
二酸化チタンはルチル型である前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項10】
還元酸化亜鉛を含有する請求項1〜3のいずれか1つによる組成物。
【請求項11】
0.5〜20重量mol%のドープTiOまたはZnOまたは還元ZnOを含有する前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項12】
ドープまたは還元酸化物は1〜200nmの粒子サイズを有する前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項13】
ドープまたは還元酸化物は100〜500nmの粒子サイズを有する請求項1〜11のいずれか1つによる組成物。
【請求項14】
前記1以上の有機成分はUV日焼け止め剤である前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項15】
有機日焼け止め剤はUVA領域のUV光を吸収する請求項14による組成物。
【請求項16】
有機日焼け止め剤は、パラアミノ安息香酸、そのエステルまたは誘導体、メトキシシンナメートエステル、ベンゾフェノン、ジベンジロメタン、アルキル−β,β−フェニルアクリレート、トリアジン、カンファ誘導体、有機顔料、シリコーンベースの日焼け止め剤または2−フェニルベンズイミダゾイル−5スルホン酸またはフェニルジベンズイミダゾイルスルホン酸である請求項14または15による組成物。
【請求項17】
前記UV吸収損失率はUVA吸収損失率である前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項18】
UVA吸収損失のUVB吸収損失に対する割合の変化率は、存在するTiOおよび/またはZnOがドープされていないことを除けば同じ配合の組成物に比べて少ない前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項19】
UVA吸収損失率が低下したために前記割合の変化率がより大きくなる請求項17による組成物。
【請求項20】
0.1重量%〜20重量%の有機日焼け止め剤を含有する前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項21】
1以上の脂肪性物質、有機溶媒、シリコン、増粘剤、保護剤、UVB日焼け止め剤、消泡剤、保湿剤、香料、防腐剤、界面活性剤、充填剤、隔離剤、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性または両性ポリマー、推進剤、アルカリ性化または酸性化剤、着色剤または金属酸化物顔料を含有する前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項22】
日焼け止めである前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項23】
ローション、ゲル、分散体、クリーム、ミルク、パウダーまたは固形スティックの形状である前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項24】
水分散可能およびオイル分散可能なTiOおよび/またはZnOを含有する請求項22または23による組成物。
【請求項25】
TiOおよび/またはZnOは無機または有機溶媒でコートされている前出の請求項のいずれか1つによる組成物。
【請求項26】
実質的に先に記載されたようなクリーム1による組成物。
【請求項27】
1以上の有機UV日焼け止め剤、または感光性であるおよび/または分解されるおよび/または分解が化粧用のUV日焼け止め組成物の別の構成要素によって引き起こされる他の構成要素の濃度を減少させるための、請求項1および4〜7のいずれか1つにおいて定義されたドープまたは還元TiO/ZnOの使用。
【請求項28】
日焼け止め組成物のUV吸収損失率を減少させるための、請求項1および4〜7のいずれか1つにおいて定義されたドープまたは還元TiO/ZnOの使用。
【請求項29】
感光性であるおよび/または組成物の別の構成要素によって分解される1以上の有機成分を含有する化粧用のUV日焼け止め組成物において、存在するTiOおよび/またはZnOがドープまたは還元されていないことを除けば同じ配合の組成物に比べて、UVA吸収損失のUVB吸収損失に対する割合の変化率を減少させるための、請求項1および4〜7のいずれか1つにおいて定義されたドープまたは還元TiO/ZnOの使用。
【請求項30】
感光性であるおよび/または分解されるおよび/または分解が組成物の別の構成要素によって引き起こされる1以上の成分を含有する有機UV日焼け止め組成物の効果を増強する方法であって、請求項1および4〜7のいずれか1つにおいて定義されたドープまたは還元TiO/ZnOを組成物に導入することを包含する方法。
【請求項31】
請求項1および4〜7のいずれか1つにおいて定義されたドープTiOおよび/またはドープまたは還元ZnOを組成物に導入することを包含する、UV日焼け止め組成物中の有毒化合物の生成を減少させる方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−514115(P2006−514115A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509719(P2005−509719)
【出願日】平成15年12月23日(2003.12.23)
【国際出願番号】PCT/GB2003/005658
【国際公開番号】WO2004/058209
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(301062455)オクソニカ リミテッド (6)
【Fターム(参考)】