説明

映像表示装置のハンドル構造

【課題】 映像表示装置本体の接続端子部を囲う枠型の把持可能なハンドルを備えることで接続端子部が破損することを抑制し壁寄せ設置時の接続ケーブルが挟み込まれる事を防止するハンドルを提供することを目的とする。
【解決手段】 映像表示装置本体100の背面に把持可能なハンドル105を備え、接続端子部を囲う枠型に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置に係り、特に高精細表示可能な入出力端子等の外部インターフェースを備えた映像表示装置において、設置する際に接続ケーブルを挟み込んだり突出している入出力端子部を保護する手段を備えた映像表示装置のハンドル構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、4K(横解像度が4,000Pixel程度)等の超高精細な表示可能な表示装置が知られている。
【0003】
超高精細表示装置の入力表示方法として、1本のケーブルで高解像度を入力する4K/QFHD モード(4096×2160又は3840×2160)の信号を入力する方法がある。一方、複数のケーブルを用いて入力表示する例として、4本のケーブルを用いてフルHDの4倍のQFHD解像度表示方法(3840×2160)とQuad Viewモード(4つの画面にそれぞれHD信号を表示し同時に4つの信号を同時に表示)による表示方法などがある。
【0004】
ところで、超高精細表示モニタは、高精細のビデオカメラやデジタルカメラで撮影した画像を再生又は編集したりする場合に使用されることもあり、出力機器や各種の入力機器に応じて多くの接続端子が必要となる。
【0005】
その場合、映像表示装置本体と外部入力機器を複数のケーブルで接続しなければならず、本数が多い事で雑然となり易い。また接続後の表示装置を壁寄せ配置する際にケーブルを挟み込む事があり、入出力端子部が破損する場合がある。
【0006】
そこで、その対策として、露出した接続端子の保護を行い複数のケーブルをカバーすることが可能な技術が特許文献1によって開示されている。
【0007】
また、特許文献2では、映像表示装置を設置する場合に、突出している入出力端子部が破損する事がない手法の技術として、映像表示装置の入出力端子部が設置時に背面の壁面に干渉しない位置にストッパーを設け、突出している接続ケーブルの破損を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−166035号公報
【特許文献2】特許第2674959号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、4本のケーブルを用いて1画面表示を表示させる超高解像度表示方法や4つの画面にそれぞれHD信号を表示し同時に4つの信号を同時に確認したい場合、複数のケーブルが必要となる。
【0010】
上述した特許文献1のコネクターカバーを用いて複数本のケーブル保護が可能であるが、部品点数が多くなり接続する際にコネクターカバーを外すと紛失の恐れや付け忘れる問題がある。また、コネクターカバーで接続端子部を蓋をされることで接続端子の位置が、適切であるかどうか接続後に視認できない課題がある。
【0011】
特許文献2では、入出力端子部が設置時に背面の壁面に干渉しない位置に表示装置を固定させる手法であり、設置する側の机に固定手法があり、別の場所へ表示装置を設置させる場合には、机ごと設置場所に移動させる必要である課題がある。
【0012】
そこで本発明は、映像表示装置本体の背面に把持可能なハンドルを備え、前記ハンドルは、接続端子部を囲う枠型に形成したことで、接続端子部を保護することが可能となり接続ケーブルを挟み込むことを抑制することができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明は、映像表示装置本体の背面に把持可能なハンドルを備え、複数の外部接続機器に接続される接続端子を有する映像表示装置において、前記ハンドルは前記接続端子を保護するために囲う枠型に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の入出力端子を有する表示装置に於いて、背面に把持可能なハンドルを備え、前記ハンドルは、接続端子部を囲う枠型に形成したことで、接続端子部を保護することが可能となり接続ケーブルを挟み込むことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例を実現する映像表示装置100の背面斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係る入力端子郡104にDVIケーブルが接続され壁寄せ設置された状態の詳細図である。
【図3】本発明の実施例1に係る映像表示装置100がコーナーに設置された状態の詳細図である。
【図4】本発明の実施例2に係るハンドルの着脱構造をわかり易く図に示したものである。
【図5】本発明の実施例3に係る上側から配置される接続ケーブルの場合、ハンドルが上側にも設置可能である構造をわかり易く図に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施例1]
以下、本発明の第1の実施例について説明する。
【0017】
図1は、第1の実施例を実現する映像表示装置100の背面斜視図である。
【0018】
入力端子部に実施例として、DVIケーブルを4本用いてフルHDの4倍のQFHD解像度の表示方法(3840×2160)を行った場合で説明する。本実施形態では、接続端子にDVIを用いて説明するが、その他の接続端子を用いても良い。また、接続端子の種類は複数用いても可能である。
【0019】
映像表示装置100は、外観部材として図示しない表示面側に外装筐体であるフロントベゼル101、背面側に第一の背面102と第二の背面108から構成される。フロントベゼル101は、樹脂成型されたデザイン性を有する前面側の外装部材である。アルミニウムや鋼材の金属を用いて形成しても良い。図示しないフロントベゼル101の中央部には、画像を表示するための開口部が設けられ、超高解像度の表示可能な液晶表示パネルが配置されている。
【0020】
本実施形態では、表示装置として液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)を用いた場合で説明する。
【0021】
第一の背面102は、前記液晶表示装置や図示しない電源及び制御基板を背面部材で覆う外装部材で上側と下側には、映像表示装置100の内部温度を調節する為の放熱孔が設けられている。下側には、映像表示装置100の内部に外気を取り入れる為の吸気孔107が配置されている。上側には排気孔106が設けられ吸気孔107より取り入れられた外気で内部の放熱を行い排気孔106より排出する。
【0022】
第一の背面102の中央部には、突出した第二の背面108が配置されている。
【0023】
第二の背面108は、映像表示装置100と外部入力機器とケーブルで接続するための、入力端子郡104が左右に配置されている。
【0024】
ハンドル105は、第一の背面102の外周形状から延長された形状で、コーナー設置時に空間が確保できるように外形より内側に傾斜させた傾斜面103を設けて、入力端子郡104を囲う枠型に形成される。
【0025】
続いて、接続方法について説明する。
【0026】
入力端子郡104に、DVIケーブル4本を接続する。接続されたケーブルは、ハンドル105の中に通す為、最小半径で屈曲させる。この場合、映像表示装置100に設置されている入力端子郡104の位置は、接続されるケーブルが、屈曲可能でハンドル105に通せる位置に配置されている。
【0027】
接続されたケーブルは、ハンドル105と第一の背面102の中を通すことで結束された状態となりユーザーが所望する接続機器へ繋げられる。
【0028】
図2及び図3は、本発明の実施形態に係る入力端子郡104に実施例としてDVIケーブルが接続され壁寄せ設置された状態の詳細図である。
【0029】
図2が側面図で図3が壁寄せ設置状態を上から見た図である。
【0030】
図2と図3を使って壁寄せ設置された状態の実施例を説明する。
【0031】
ハンドル105は、形状が入力端子郡104を囲う枠型である為、接続されたDVIケーブルは、ハンドル105の中で結束された状態となり壁寄せ設置時に、ケーブルは壁と映像表示装置100の間で挟み込まれるのを回避する事が可能となる。また壁寄せ設置時に突出した入力端子郡104は、ハンドル105の外形が壁面に干渉する事により破損することが回避できる。
【0032】
図1と図3で、コーナー部に設置された場合で説明する。
【0033】
第一の背面102に設けられた排気孔106と吸気孔107は、壁面の間に空間が確保される為、放熱構造に影響しない事で、壁寄せ設置時に背面の空間距離を気にせず配置することが可能となる。ハンドル105に設けられた逃げ面103は約45°の傾斜の形状で形成され、コーナー部に垂直方向に設置された場合でも、ハンドル105が上側から把持可能な空間を確保している為、コーナー設置時でも、ハンドル105を使用して設置することが可能となる。
【0034】
ハンドル105の外形には弾性体からなる部材を設けても良い。
【0035】
この結果、複数の入出力端子を有する映像表示装置に於いて、背面に把持可能なハンドルを備え、前記ハンドルは、接続端子部を囲う枠型に形成したことで、接続端子部を保護することが可能となり接続ケーブルを挟み込むことを抑制することができる。
【0036】
[実施例2]
以下、本発明の第2の実施例について説明する。
【0037】
第1の実施例で述べた技術により入出力端子が保護され設置時に接続ケーブルを挟み込むことは改善される。
【0038】
しかし、例えば映像制作現場等で使用される映像表示装置は、高精細のビデオカメラで撮影した画像を再生したり、撮影した映像を編集したりする場合に使用されることもあり、出力機器や各種の入力機器に応じて多くの接続端子が使用され、そのため頻繁に接続ケーブルを替えることがある。
【0039】
そこで、第2の実施例では、第1の実施例に対し接続ケーブルをハンドルに通す際に作業性を改善する為に着脱可能な形状にしたことである。
【0040】
図4は、本実施例を実現するハンドルの着脱構造をわかり易く図に示したものである。
【0041】
ハンドル200先端には側面からスライドして固定するためのフランジ部201形状が配置される。入力端子部202の側面には、フランジ部201が勘合するためのT型の溝が配置されている。
【0042】
入力端子部202は、ケーブルは接続された状態で、ハンドル200を側面側よりスライドして勘合する。ハンドル200には、最終固定用ビス203が配置されており、スライド勘合させた後に締結を行う。
【0043】
設置又は運搬の際に使用されるハンドル200は、主に上下方向に荷重がかかる。フランジ部201は、入力端子部202の側面よりT型の溝をスライドさせて勘合させる為、荷重方向には、しっかりと固定されている為、抜け防止の最終固定用ビス203が1本で固定できる事が可能となる。
【0044】
また、入力端子部202へ接続ケーブルが増える場合や接続機器が交換になった場合に、ハンドル200は、着脱可能な為、容易にケーブルをまとめる事が可能となる。
【0045】
この結果、着脱可能で把持可能なハンドルを備え、前記ハンドルは、接続端子接続端子部を保護することができ、接続ケーブルをハンドルに通す事が容易にできることが可能となる。
【0046】
[実施例3]
以下、本発明の第3の実施例について説明する。
【0047】
第2の実施例で述べた技術によりハンドルの着脱が容易に行なえ、接続端子を保護することが可能となり、ケーブル交換の際の作業性は改善される。
【0048】
しかし、壁寄せ設置時において接続するケーブルが下側に配置できるとは限らない。また、接続ケーブルの長さも10m以上の物を使用することもあり接続機器が何処に配置されているのか不明な為、下側に出せない課題がある。
【0049】
そこで、実施例3では、第2の実施例に対しケーブルが映像表示装置の上側から接続される場合でも入力端子の保護が行なえ容易にハンドルの着脱が行なえるに構造にしたことである。
【0050】
図5は、本実施例を実現する上側から配置される接続ケーブルの場合、ハンドルが上側にも設置可能であり、ハンドルの着脱が容易に行なえる構造をわかり易く図に示したものである。
【0051】
実施例2との相違点は、着脱可能なハンドル300を入力端子郡301の上側と下側に配置できることである。
【0052】
ハンドル300は、実施例2と同様の映像表示装置の側面方向からスライドして勘合可能なフランジ部が形成されたハンドルである。
【0053】
入力端子郡301は、上側と下側に、側面からハンドル300が着脱可能なT型の溝が配置されている。
【0054】
入力端子部301には、上側から配置されるケーブルが接続される。
【0055】
上側に配置されるハンドル300を側面からスライドさせて勘合し最終固定用ビス302で固定する。この場合他の接続ケーブルが下側より接続される場合は、下側の設置されるハンドル300を着脱させることで、下側にも配置される接続ケーブルの場合でもケーブルをクランプすることが可能となる。
【0056】
この結果、着脱可能で把持可能なハンドルを備え、前記ハンドルは、接続端子接続端子部を保護することができ、接続ケーブルをハンドルに通す事が容易にできることが可能で、接続されるケーブルは、映像表示装置の上側又は下側のどちらか又は両方の場合でも対応することが可能となる。
【符号の説明】
【0057】
100 映像表示装置 101 フロントベゼル 102 第一の背面
103 傾斜面 104 入力端子郡 105 ハンドル
106 排気孔 107 吸気孔 108 第二の背面
200 ハンドル 201 フランジ部 202 入力端子部
203 最終固定用ビス 300 ハンドル 301 入力端子群
302 最終固定用ビス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像表示装置のハンドル構造であって、前記映像表示装置は、第一の背面と、第二の背面と、前記第一の背面と前記第二の背面に固定されるとともに、複数の外部接続機器に接続される接続端子とを備え、前記接続端子は前記第一の背面と前記第二の背面との段差による側面に位置する構成において、前記接続端子に接続されるケーブルを囲う枠型に形成した把持可能なハンドル構造。
【請求項2】
映像表示装置における外形部、もしくは前記第一の背面における外形部から位置される第一の形状面と、前記第二の背面における外形部から位置される第二の形状面を有し、
前記第一の形状面は斜面、前記第二の形状面は前記第二の背面と同様面であり、左右に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置のハンドル構造。
【請求項3】
前記第一の形状面と、前記第二の形状面に、弾性体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置のハンドル構造。
【請求項4】
前記ハンドルにおいて、少なくとも固定部にねじ固定される着脱可能な取付手段を有したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の映像表示装置のハンドル構造。
【請求項5】
前記接続端子における上下位置に着脱可能な取付部を有したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の映像表示装置のハンドル構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−105022(P2013−105022A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248644(P2011−248644)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】