説明

映像音声処理装置およびそのプログラム

【課題】 映像出力先がアナログ映像出力端子に設定される場合にも、HDMIデータから音声データを生成し出力すること。
【解決手段】 AVアンプは、映像入出力経路を、少なくとも、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子、又は、HDMI入力端子−画像処理部−HDMI出力端子に切り換える切換手段と、HDMI入力端子にHDMIデータが入力されているか否かを判断する入力判断手段と、映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子であるか否かを判断する経路判断手段とを備え、映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子であり、かつ、HDMI入力端子にHDMIデータが入力されている場合、HDMI受信部が、HDMIデータから音声データのみを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定規格デジタル入力端子と、アナログ映像入力端子と、所定規格デジタル出力端子と、アナログ映像出力端子とを備える、映像音声処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプは、映像出力端子として、HDMI出力端子、及び、アナログ映像出力端子(コンポーネント、Sビデオ、CVBS等)を備えているが、画像処理部(以下、VSPという。)を経由した映像データを、HDMI出力端子又はアナログ映像出力端子のどちらか一方からしか出力することができない。そのため、ユーザ操作によって、映像出力先をHDMI出力端子又はアナログ映像出力端子に設定する必要があり、この設定を誤ると、VSPを経由した映像をディスプレイ装置に出力できない。例えば、HDMI出力端子とアナログ映像出力端子に共にディスプレイ装置が接続されている状態で、HDMI出力端子に接続されているディスプレイ装置の電源をオフ状態にし、アナログ映像出力端子に接続されているディスプレイ装置の電源をオン状態にし、当該ディスプレイ装置に映像を表示する場合には、ユーザ操作によって、映像出力先をアナログ映像出力端子に設定する必要がある。
【0003】
この問題を解決するために、映像出力先を自動的に設定することが考えられる。例えば、HDMI出力端子に接続されているディスプレイ装置からのホットプラグ信号を検出し、ホットプラグ信号がハイレベルであれば、映像出力先をHDMI出力端子に設定し、ホットプラグ信号がローレベルであれば、映像出力先をアナログ映像出力端子に設定することが考えられる。
【0004】
ここで、HDMIは映像データと音声データとを含む所定規格デジタルデータであるが、AVアンプは、HDMIデータを、HDCP認証に成功した機器にしか出力することが許可されていない。映像出力先がアナログ映像出力端子に設定された場合、AVアンプは、アナログ映像出力端子に接続されるディスプレイ装置とHDCP認証に成功しない。従って、AVアンプは、映像入力元をHDMI入力端子に設定することができない。つまり、AVアンプは、映像入力元をアナログ映像入力端子に設定し、アナログ映像入力端子から入力された映像信号を、アナログ映像出力端子から出力するようになる。これに伴い、AVアンプは、音声入力元も、アナログ音声入力端子又はデジタル音声入力端子に設定し、アナログ音声入力端子又はデジタル音声入力端子から入力された音声信号を増幅してスピーカーに出力する。その結果、AVアンプは、HDMIデータに含まれている音声データを増幅してスピーカーに出力することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−100329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、映像出力先がアナログ映像出力端子に設定される場合にも、所定規格デジタルデータから音声データを生成し出力することができる映像音声処理装置およびそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態による映像音声処理装置は、映像データ及び音声データを含む所定規格デジタルデータが入力される1つ以上の所定規格デジタル入力端子と、アナログの映像信号が入力される1つ以上のアナログ映像入力端子と、前記所定規格デジタルデータを出力する1つ以上の所定規格デジタル出力端子と、アナログの映像信号を出力する1つ以上のアナログ映像出力端子と、前記所定規格デジタル入力端子に入力される所定規格デジタルデータを受信し、所定規格デジタルデータから映像データおよび/または音声データを生成する受信手段と、映像入出力経路を、少なくとも、アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子、又は、所定規格デジタル入力端子−所定規格デジタル出力端子に切り換える切換手段と、前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されているか否かを判断する入力判断手段と、映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子であるか否かを判断する経路判断手段とを備え、映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子であり、かつ、前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されている場合、前記受信手段が、所定規格デジタルデータから音声データのみを生成する。
【0008】
映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子であるにもかかわらず、所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されている場合には、受信手段は、所定規格デジタルデータから音声データのみを生成する。従って、映像音声処理装置は、映像出力先がアナログ映像出力端子に設定される場合にも、所定規格デジタルデータから音声データを生成し出力することができる。
【0009】
本発明の別の好ましい実施形態による映像音声処理装置は、映像データ及び音声データを含む所定規格デジタルデータが入力される1つ以上の所定規格デジタル入力端子と、アナログの映像信号が入力される1つ以上のアナログ映像入力端子と、前記所定規格デジタルデータを出力する1つ以上の所定規格デジタル出力端子と、アナログの映像信号を出力する1つ以上のアナログ映像出力端子と、前記所定規格デジタル入力端子に入力される所定規格デジタルデータを受信し、所定規格デジタルデータから映像データおよび/または音声データを生成する受信手段と、映像データに画像処理を実行する画像処理部と、映像入出力経路を、少なくとも、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子、又は、所定規格デジタル入力端子−画像処理部−所定規格デジタル出力端子に切り換える切換手段と、前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されているか否かを判断する入力判断手段と、映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子であるか否かを判断する経路判断手段とを備え、映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子であり、かつ、前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されている場合、前記受信手段が、所定規格デジタルデータから音声データのみを生成する。
【0010】
アナログ映像入力端子から入力される映像信号を画像処理部で画像処理して、アナログ映像出力端子から出力することができる。また、映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子であるにもかかわらず、所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されている場合には、受信手段は、所定規格デジタルデータから音声データのみを生成する。従って、映像音声処理装置は、映像出力先がアナログ映像出力端子に設定される場合にも、所定規格デジタルデータから音声データを生成し出力することができる。
【0011】
好ましくは、映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子であり、かつ、前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されていない場合、前記受信手段が電源オフ状態になる。
【0012】
好ましくは、映像入出力経路が、所定規格デジタル入力端子−画像処理部−所定規格デジタル出力端子である場合、前記受信手段が、所定規格デジタルデータから映像データおよび/または音声データを生成する。
【0013】
好ましくは、前記切換手段が、映像入出力経路を、アナログ映像入力端子−画像処理部−所定規格デジタル出力端子にも切換可能であり、映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−所定規格デジタル出力端子である場合、前記受信手段が電源オフ状態になる。
【0014】
好ましくは、前記所定規格デジタル出力端子に接続される機器が所定規格デジタルデータを受信可能な状態であるか否かを判断する状態判断手段をさらに備え、前記所定規格デジタル出力端子に接続される機器が所定規格デジタルデータを受信可能な状態である場合、前記切換手段が、映像出力先を、前記所定規格デジタル出力端子に切り換え、前記所定規格デジタル出力端子に接続される機器が所定規格デジタルデータを受信不可能な状態である場合、前記切換手段が、映像出力先を、前記アナログ映像出力端子に切り換える。
【0015】
この場合、所定規格デジタル出力端子に接続される機器が所定規格デジタルデータを受信可能か否かに基づいて、映像出力先を所定規格デジタル出力端子に接続される機器とアナログ映像出力端子に接続される機器との間で自動的に切り換えることができる。従って、ユーザ操作に基づく映像出力先の設定が誤っており、映像が表示されないという問題を解決できる。
【発明の効果】
【0016】
映像出力先がアナログ映像出力端子に設定される場合にも、所定規格デジタルデータから音声データを生成し出力することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態による映像音声処理装置であるAVアンプ1について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0018】
図1Aは、AVアンプ1を示す概略図である。AVアンプ1は、1又は複数のHDMI入力端子(所定規格デジタル入力端子)IN1と、1又は複数のアナログ映像入力端子(例えばコンポーネント入力端子IN2、Sビデオ入力端子IN3、CVBS入力端子IN4)と、1又は複数の音声(アナログ又はデジタル)入力端子IN5、IN6とを有する。HDMI(所定規格デジタルデータ)はデジタルの映像データとデジタルの音声データとを送信することができる規格である。各入力端子には、DVDプレーヤ、VTR、CDプレーヤ等のコンテンツ再生装置が接続可能である。ここでは、HDMI入力端子IN1、コンポーネント入力端子IN2及び音声入力端子IN5にDVDプレーヤ50Aが接続されている。
【0019】
AVアンプ1は、1又は複数のHDMI出力端子(所定規格デジタル出力端子)OUT1と、1又は複数のアナログ映像出力端子(例えばコンポーネント出力端子OUT2、Sビデオ出力端子OUT3、CVBS出力端子OUT4)とを有する。本例では、HDMI出力端子OUT1にHDMI規格に準拠したディスプレイ装置60Aが接続され、コンポーネント出力端子OUT2にHDMI規格に準拠しないディスプレイ装置60Bが接続されている。
【0020】
AVアンプ1は、HDMI受信部(以下、RXという。)2と、スイッチ部3と、ビデオエンコーダ4と、画像処理部(以下、VSPという。)5と、HDMI送信部(以下、TXという。)6と、音声処理部7と、ビデオエンコーダ8と、スイッチ部9と、マイコン等の制御部10と、ROM及びRAM等のメモリ11と、操作表示部12と、スイッチ部13とを備える。
【0021】
RX2は、HDMI入力端子IN1に(DVDプレーヤ50Aから)入力されるHDMIデータを受信して、受信したHDMIデータから元の映像データ(HDMI変換前の映像データ)を生成し、VSP5に供給する。また、RX2は、受信したHDMIデータから元の音声データ(HDMI変換前の音声データ)を生成し、スイッチ部13を介して音声処理部7に供給する。
【0022】
スイッチ部3は、アナログ映像入力端子IN2〜IN4に入力される映像信号の中からビデオデコーダ4に供給する映像信号(つまりビデオデコーダ4に供給する映像信号が入力されるアナログ映像入力端子)を1つ選択する。また、スイッチ部3は、アナログ映像入力端子IN2〜IN4に入力される映像信号の中からスイッチ部9に供給すべき映像信号(つまりスイッチ部9に供給する映像信号が入力されるアナログ映像入力端子)を1又は複数選択する。つまり、スイッチ部3は、アナログ映像信号の入出力経路を切り換える手段の一部として機能する。スイッチ部3は、ユーザ操作によってセレクタ(DVDセレクタ、VTRセレクタ等)が変更された際や、HDMI出力端子OUT1に接続されている機器がHDMIデータを受信可能な状態か否かに基づいて、映像入出力経路を切り換える。
【0023】
ビデオデコーダ4は、スイッチ部3から供給された映像信号をデジタルの映像データに変換し、VSP5に供給する。
【0024】
VSP5は、RX2から供給される映像データ及びビデオデコーダ4から供給される映像データの中から、画像処理すべき1つの映像データを選択する。VSP5は、画像処理した映像データの出力先として、TX6及びビデオエンコーダ8の一方を選択する。VSP5は、選択して入力された映像データについて、画像処理(例えば、解像度変換および画質調整)を実行し、TX6およびビデオエンコーダ8のうち選択された方に出力する。
【0025】
TX6は、VSP5から供給された映像データをHDMIデータに変換する。TX6は、変換したHDMIデータを、HDMI出力端子OUT1を介して、ディスプレイ装置60Aに供給する。TX6は、ディスプレイ装置60AのRXとHDMIケーブルを介して接続されている。HDMIケーブルにはホットプラグラインが設けられているので、TX6は、ディスプレイ装置60Aからのホットプラグ信号を受信する。TX6は、ホットプラグ信号がハイレベルのとき、ディスプレイ装置60AがHDMIデータを受信可能な状態であることを判断でき、ホットプラグ信号がローレベルのとき、ディスプレイ装置60Aが未接続又は電源オフ状態である等の理由で、ディスプレイ装置60AがHDMIデータを受信不可能な状態であることを判断できる。
【0026】
スイッチ部13は、音声入力端子IN5、IN6に入力される音声信号およびRX2から供給される音声データの中から音声処理部7に供給する音声信号(つまり音声処理部7に供給する音声信号が入力される入力端子)を1つ選択する。スイッチ部13は、音声信号の入力経路を切り換える手段として機能する。スイッチ部13は、ユーザ操作によってセレクタ(DVDセレクタ、VTRセレクタ等)が変更された際や、HDMI出力端子OUT1に接続されている機器がHDMIデータを受信可能な状態か否かに基づいて、音声入力経路を切り換える。
【0027】
音声処理部7は、RX2からスイッチ部13を介して供給された音声データをデコードし、遅延処理、イコライザ処理、D/A変換処理、音量調整処理、増幅処理等の各処理を実行し、外部に接続されたスピーカー70に音声信号を供給する。音声処理部7は、音声入力端子IN5、IN6からスイッチ部13を介して入力された音声信号に、上記の各処理を実行し、外部に接続されたスピーカー70に音声信号を供給する。
【0028】
ビデオエンコーダ8は、VSP5から供給される映像データをアナログの映像信号に変換し、スイッチ部9に供給する。
【0029】
スイッチ部9は、スイッチ部3及びビデオエンコーダ8から供給される映像信号の中からアナログ映像出力端子OUT2〜OUT4に出力する映像信号を選択する。つまり、スイッチ部9は、アナログ映像信号の入出力経路を切り換える手段の一部として機能する。スイッチ部9は、ユーザ操作によってセレクタ(DVDセレクタ、VTRセレクタ等)が変更された際や、HDMI出力端子OUT1に接続されている機器がHDMIデータを受信可能な状態か否かに基づいて、映像入出力経路を切り換える。
【0030】
制御部10は、AVアンプ1の各部を制御するものであり、メモリ11に格納されている映像音声処理プログラムを実行することにより、後述する各処理を実行する。例えば、制御部10は、HDMI出力端子OUT1に接続されているディスプレイ装置60Aから出力されるホットプラグ信号を検出し、ホットプラグ信号がハイレベルの場合、映像出力先をHDMI出力端子OUT1に設定し、ローレベルの場合、映像出力先をアナログ映像出力端子(コンポーネント出力端子OUT2)に設定する。制御部10は、映像出力先をコンポーネント出力端子OUT2に設定する場合、映像入力元をアナログ映像入力端子IN2〜IN4に設定する。従って、ユーザ操作によって映像出力先がHDMI出力端子OUT1に設定されている場合でも、ディスプレイ装置60Aの電源がオフ状態にされると、自動的に映像出力先がコンポーネント出力端子OUT2に変更され、ディスプレイ装置60Bに映像信号を出力することができる。
【0031】
制御部10は、映像入出力経路が「アナログ映像入力端子−VSP5−アナログ映像出力端子」に設定される場合に、HDMIデータがHDMI入力端子IN1に入力されているか否かを判断する。入力されている場合には、制御部10は、音声入力元のみをHDMI入力端子IN1に設定し、RX2に、HDMIデータから音声データのみを生成させ、音声データを音声処理部7に供給させる。このように、映像入力元がアナログ映像入力端子IN2〜IN4に設定される場合でも、音声入力元はHDMI入力端子IN1に設定されるので、音声入力端子IN5、IN6から入力される音声信号よりも高音質であるHDMIデータから生成された音声信号を、増幅してスピーカー70に出力することができる。
【0032】
以下、本発明の動作を説明する。図2〜図10は、制御部10の処理を示すフローチャートである。
[メインルーチン]
図2は、制御部10のメインルーチンを示す。制御部10は、ユーザ操作による設定変更を確認する(S102)。例えば、セレクタが変更された、又は、出力解像度が変更されたか等が確認される。次に、制御部10は、各映像入力端子IN1〜IN4に信号が入力されているか否かを確認する(S103)。次に、制御部10は、HDMI出力端子OUT1にディスプレイ装置60Aが接続され、かつ、ディスプレイ装置60AがHDMIデータを受信可能であるか否かを確認する(S104)。次に、制御部10は、現在選択されている映像入力端子IN1〜IN4に入力されている映像信号の解像度情報を取得する(S105)。次に、制御部10は、S102〜S105の結果に基づいて、映像入出力経路を判定する(S106)。次に、制御部10は、S102〜S106の結果、現在の状態から変更すべき設定があるか否かを判断する(S107)。変更すべき設定がある場合(S107でYES)、制御部10は、信号入出力経路等の切り換え処理を実行する(S108)。以下、各処理の詳細を説明する。
【0033】
[入力映像信号検出処理]
図3はS103の詳細を示す。メモリ11には映像信号検出結果を記憶するためのフラグ(CVBSDET、SDET、CMPDET、HDMIDET)が格納されている。制御部10は、各フラグを全てクリアする(S201)。次に、制御部10は、コンポーネント入力端子IN2に映像信号が入力されているか否かを判断する(S202)。入力されている場合(S202でYES)、制御部10は、CMPDETをセットする(S203)。次に、制御部10は、Sビデオ入力端子IN3に映像信号が入力されているか否かを判断する(S204)。入力されている場合(S204でYES)、制御部10は、SDETをセットする(S205)。次に、制御部10は、CVBS入力端子IN4に映像信号が入力されているか否かを判断する(S206)。入力されている場合(S206でYES)、制御部10は、CVBSDETをセットする(S207)。次に、制御部10は、HDMI入力端子IN1にHDMIデータが入力されているか否かを判断する(S208)。入力されている場合(S208でYES)、制御部10は、HDMIDETをセットする(S209)。
【0034】
[HDMI出力端子OUT1に接続されている機器がHDMIデータを受信可能な状態か否かの判断処理]
図4はS104の詳細を示す。制御部10は、HDMI出力端子OUT1に接続されているディスプレイ装置60Aから出力されるホットプラグ信号を検出する(S401)。制御部10は、ハイレベルのホットプラグ信号を検出できたか否かを判断する(S402)。HDMI出力端子OUT1にディスプレイ装置60Aが接続されており、かつ、HDMIデータを受信可能である場合、ハイレベルのホットプラグ信号が検出される(S402でYES)。このとき、制御部10は、映像出力先(Monitor Out)をHDMI出力端子OUT1に設定する(つまり、Monitor Out=HDMIをメモリ11に記憶する)。一方、HDMI出力端子OUT1にディスプレイ装置60Aが接続されていない、又は、ディスプレイ装置60Aが電源オフ状態である等の場合、ローレベルのホットプラグ信号が検出される(S402でNO)。このとき、制御部10は、映像出力先(Monitor Out)を所定のアナログ映像出力端子OUT2〜OUT4(ここではコンポーネント出力端子OUT2)に設定する(つまり、Monitor Out=Analogをメモリ11に記憶する)。
【0035】
[解像度情報取得]
図5はS105の詳細を示す。制御部10は、VSP5への映像入力がRX2からに設定されているか否かを判断する(S301)。VSP5への映像入力がRX2からに設定されている場合(S301でYES)、制御部10は、入力されている映像データの解像度情報をRX2から取得する(S302)。一方、VSP5への映像入力がビデオデコーダ4からに設定されている場合(S301でNO)、制御部10は、入力されている映像データの解像度情報をビデオデコーダ4から取得する(S303)。
【0036】
[映像入出力経路の判定]
図6はS106の詳細を示す。メモリ11には、映像入出力経路におけるアナログ映像入力端子を特定するための変数であるAnalog Video変数が格納されている。S501〜S507では、図3における入力信号検出処理の結果に基づいて、Analog Video変数が書き込まれる。Analog
Video変数の優先順位は、コンポーネント入力端子IN2、Sビデオ入力端子IN3、CVBS入力端子IN4の順番になっている。制御部10は、Analog Video変数をNONEに設定する(S501)。次に、制御部10は、CVBSDETがセットされているか否かを判断する(S502)。CVBSDETがセットされている場合(S502でYES)、CVBS入力端子IN4に映像信号が入力されているので、制御部10は、Analog Video変数にCVBSを書き込む(S503)。次に、制御部10は、SDETがセットされているか否かを判断する(S504)。SDETがセットされている場合(S504でYES)、Sビデオ入力端子IN3に映像信号が入力されているので、制御部10は、Analog Video変数にSVIDEOを書き込む(S505)。次に、制御部10は、CMPDETがセットされているか否かを判断する(S506)。CMPDETがセットされている場合(S506でYES)、コンポーネント入力端子IN2に映像信号が入力されているので、制御部10は、Analog Video変数にCMPを書き込む(S507)。
【0037】
制御部10は、図4において設定した映像出力先Monitor OutがHDMI出力端子OUT1であるか否かを判断する(S508)。Monitor OutがHDMI出力端子OUT1ではなく、アナログ映像出力端子OUT2である場合(S508でNO)、制御部10は、映像入出力経路を、「アナログ映像入力端子−VSP5−アナログ映像出力端子OUT2」に設定する。ここで、アナログ映像入力端子は、S501〜S507で設定したAnalog Video変数に書き込まれているアナログ映像入力端子IN2〜IN4である。つまり、Analog Video変数にCMPが書き込まれている場合には、アナログ映像入力端子は、コンポーネント入力端子IN2となる。
【0038】
Monitor OutがHDMI出力端子OUT1である場合(S508でYES)、制御部10は、図3のS209でHDMIDETがセットされているか否かを判断する(S510)。HDMIDETがセットされていない場合(S510でNO)、HDMI入力端子IN1にHDMIデータが入力されていないので、制御部10は、映像入出力経路を、「アナログ映像入力端子−VSP5−HDMI出力端子OUT1」に設定する(S511)。HDMIDETがセットされている場合(S510でYES)、HDMI入力端子IN1にHDMIデータが入力されているので、制御部10は、映像入出力経路を、「HDMI入力端子IN1−VSP5−HDMI出力端子OUT1」に設定する(S512)。
【0039】
[信号切り換え処理]
図7はS108の詳細を示す。制御部10は、映像入出力経路を切り換える際に、乱れた映像がディスプレイ装置に出力されないように、映像信号をミュート処理する(S601)。次に、制御部10は、スイッチ部3等を制御し、アナログ映像信号の入力経路を設定する(S602)。次に、制御部10は、RX2の各設定を実行する(詳細後述)(S603)。例えば、制御部10は、複数のHDMI入力端子が設けられている場合に、1つのHDMI入力端子を選択するようにRX2を制御する(S603)。
【0040】
次に、制御部10は、Monitor OUTがHDMI出力端子OUT1に設定されているか否かを判断する(S604)。Monitor OUTがHDMI出力端子OUT1ではなく、アナログ映像出力端子である場合(S604でNO)、S609に進む。Monitor OUTがHDMI出力端子OUT1である場合(S604でYES)、制御部10は、HDMI出力端子OUT1に接続されているディスプレイ装置60Aから解像度情報を取得済であるか否かを判断し(S605)、未取得である場合(S605でNO)、解像度情報を取得し終えるまで待機する(S606)。次に、制御部10は、VSP5への映像信号の入力元がRX2であるか否かを判断する(S607)。VSP5への映像信号の入力元がRX2である場合(S607でYES)、制御部10は、入力される映像データの解像度情報をRX2から取得する(S608)。一方、VSP5への映像信号の入力元がビデオデコーダ4である場合(S607でNO)、制御部10は、入力される映像データの解像度情報をビデオデコーダ4から取得する(S609)。次に、制御部10は、解像度情報を取得済であるか否かを判断し(S611)、未取得であれば(S611でNO)、解像度情報を取得し終えるまで待機する(S610)。
【0041】
次に、制御部10は、VSP5の設定を実行する(詳細は後述する)(S612)。次に、制御部10は、Monitor OUTがHDMI出力端子OUT1に設定されているか否かを判断する(S613)。Monitor OUTがHDMI出力端子OUT1である場合(S613でYES)、制御部10は、TX6の解像度設定などの設定を実行する(S614)。Monitor OUTがHDMI出力端子OUT1ではなく、アナログ映像出力端子である場合(S613でNO)、制御部10は、ビデオエンコーダ8の解像度設定などの設定を実行する(S615)。次に、制御部10は、スイッチ部9等を制御し、アナログ映像信号の出力経路を設定する(S616)。次に、制御部10は、映像のミュート処理を解除する。
【0042】
[VSP5の設定処理]
図8は図7のS612の詳細を示す。制御部10は、Monitor OUTがHDMI出力端子OUT1に設定されているか否かを判断する(S701)。Monitor OUTがHDMI出力端子OUT1ではなく、アナログ映像出力端子である場合(S701でNO)、制御部10は、VSP5の出力先としてビデオエンコーダ8を選択する(S702)。次に、制御部10は、VSP5に入力される映像の周波数が50Hzであるか否かを判断する(S704)。制御部10は、周波数が50Hzでなければ(S704でNO)、VSP5のOSD出力用の解像度を480pに設定し(S705)、周波数が50Hzであれば(S704でYES)、VSP5のOSD出力用の解像度を576pに設定する(S706)。
【0043】
Monitor OUTがHDMI出力端子OUT1である場合(S701でYES)、制御部10は、VSP5の出力先としてTX6を選択する(S703)。次に、制御部10は、VSP5に入力される映像の周波数が50Hzであるか否かを判断する(S707)。制御部10は、周波数が50Hzでなければ(S707でNO)、VSP5のOSD出力用の解像度を480iに設定し(S708)、周波数が50Hzであれば(S707でYES)、VSP5のOSD出力用の解像度を576iに設定する(S709)。
【0044】
次に、制御部10は、図6で設定された映像入出力経路に基づいて、VSP5への入力元を設定する(S710)。つまり、制御部10は、映像入出力経路が「アナログ映像入力端子−VSP5−アナログ映像出力端子OUT2」又は「アナログ映像入力端子−VSP5−HDMI出力端子OUT1」である場合、VSP5への入力元としてビデオデコーダ4を選択し、「HDMI入力端子IN1−VSP5−HDMI出力端子OUT1」である場合、VSP5への入力元としてRX2を選択する。
【0045】
次に、制御部10は、VSP5の出力解像度設定および画質調整設定を実行する(S711、S712)。制御部10は、VSP5が指定の映像データを出力し、安定したか否かを判断する(S713)。安定していない場合(S713でNO)、安定するまで待機し(S714)。安定後、VSP5の設定処理を終了する。
【0046】
[アナログ映像信号の入出力切換処理]
図9は、S602,S616の詳細を示し、アナログの映像信号についてスイッチ部3及び9の切り換え処理を示す。制御部10は、Monitor OUTがHDMI出力端子OUT1に設定されているか否かを判断する(S801)。Monitor OUTがアナログ映像出力端子である場合(S801でNO)、制御部10は、Analog Video変数がCMPであるか否かを判断する(S802)。Analog Video変数がCMPであれば(S802でYES)、制御部10は、CVBS入力端子IN4からの映像信号をCVBS出力端子OUT4から出力し、Sビデオ入力端子IN3からの映像信号をSビデオ出力端子OUT3から出力し、コンポーネント入力端子IN2からの映像信号をVSP5経由でコンポーネント出力端子OUT2から出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S803)。
【0047】
Analog Video変数がCMPでなければ(S802でNO)、制御部10は、Analog Video変数がSVIDEOであるか否かを判断する(S804)。Analog Video変数がSVIDEOであれば(S804でYES)、制御部10は、出力解像度設定が「Through」に設定されているか否かを判断する(S805)。出力解像度設定が「Through」であれば(S805でYES)、制御部10は、Sビデオ入力端子IN3からの映像信号をVSP5経由で、CVBS出力端子OUT4とSビデオ出力端子OUT3とコンポーネント出力端子OUT2とから出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S806)。出力解像度設定が「Through」でなければ(S805でNO)、制御部10は、CVBS入力端子IN4からの映像信号をCVBS出力端子OUT4から出力し、Sビデオ入力端子IN3からの映像信号をSビデオ出力端子OUT3から出力し、Sビデオ入力端子IN3からの映像信号をVSP5経由でコンポーネント出力端子OUT2から出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S807)。
【0048】
Analog Video変数がSVIDEOでなければ(S804でNO)、制御部10は、Analog Video変数がCVBSであるか否かを判断する(S808)。Analog Video変数がCVBSであれば(S808でYES)、制御部10は、出力解像度設定が「Through」に設定されているか否かを判断する(S809)。出力解像度設定が「Through」であれば(S809でYES)、制御部10は、CVBS入力端子IN4からの映像信号をVSP5経由で、CVBS出力端子OUT4とSビデオ出力端子OUT3とコンポーネント出力端子OUT2とから出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S810)。出力解像度設定が「Through」でなければ(S809でNO)、制御部10は、CVBS入力端子IN4からの映像信号をCVBS出力端子OUT4から出力し、Sビデオ入力端子IN3からの映像信号をSビデオ出力端子OUT3から出力し、CVBS入力端子IN4からの映像信号をVSP5経由でコンポーネント出力端子OUT2から出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S811)。
【0049】
Analog Video変数がCVBSでなければ(S808でNO)、制御部10は、VSP5からの映像信号(例えばブルーバック)を、CVBS出力端子OUT4とSビデオ出力端子OUT3とコンポーネント出力端子OUT2とから出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S812)。
【0050】
Monitor OUTがHDMI出力端子である場合(S801でYES)、制御部10は、HDMIDETがセットされているか否かを判断する(S812)。HDMIDETがセットされている場合(S812でYES)、制御部10は、CVBS入力端子IN4からの映像信号をCVBS出力端子OUT4から出力し、Sビデオ入力端子IN3からの映像信号をSビデオ出力端子OUT3から出力し、コンポーネント入力端子IN2からの映像信号をコンポーネント出力端子OUT2から出力し、HDMI入力端子IN1からの映像データをVSP5経由でHDMI出力端子OUT1に出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S813)。
【0051】
HDMIDETがセットされていない場合(S812でNO)、制御部10は、Analog Video変数がCMPであるか否かを判断する(S814)。Analog Video変数がCMPである場合(S814でYES)、制御部10は、CVBS入力端子IN4からの映像信号をCVBS出力端子OUT4から出力し、Sビデオ入力端子IN3からの映像信号をSビデオ出力端子OUT3から出力し、コンポーネント入力端子IN2からの映像信号をコンポーネント出力端子OUT2から出力し、コンポーネント入力端子IN2からの映像信号をVSP5経由でHDMI出力端子OUT1から出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S815)。
【0052】
Analog Video変数がCMPでない場合(S814でNO)、制御部10は、Analog Video変数がSVIDEOであるか否かを判断する(S816)。Analog
Video変数がSVIDEOである場合(S816でYES)、制御部10は、CVBS入力端子IN4からの映像信号をCVBS出力端子OUT4から出力し、Sビデオ入力端子IN3からの映像信号をSビデオ出力端子OUT3から出力し、コンポーネント入力端子IN2からの映像信号をコンポーネント出力端子OUT2から出力し、Sビデオ入力端子IN3からの映像信号をVSP5経由でHDMI出力端子OUT1から出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S817)。
【0053】
Analog Video変数がSVIDEOでない場合(S816でNO)、制御部10は、Analog Video変数がCVBSであるか否かを判断する(S818)。Analog Video変数がCVBSである場合(S818でYES)、制御部10は、CVBS入力端子IN4からの映像信号をCVBS出力端子OUT4から出力し、Sビデオ入力端子IN3からの映像信号をSビデオ出力端子OUT3から出力し、コンポーネント入力端子IN2からの映像信号をコンポーネント出力端子OUT2から出力し、CVBS入力端子IN4からの映像信号をVSP5経由でHDMI出力端子OUT1から出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S819)。
【0054】
Analog Video変数がCVBSでない場合(S818でNO)、制御部10は、VSP5からの映像信号(ブルーバック)を、CVBS出力端子OUT4とSビデオ出力端子OUT3とコンポーネント出力端子OUT2とHDMI出力端子OUT1とから出力するように、スイッチ部3および9を切り換え制御する(S820)。
【0055】
[RX2の設定処理]
図10は図7のS603の詳細を示す。制御部10は、図6における映像入出力経路の判断結果に基づいて、映像入出力経路が、「アナログ映像入力端子−VSP5−アナログ映像出力端子OUT2」であるか否かを判断する(S901)。映像入出力経路が、「アナログ映像入力端子−VSP5−アナログ映像出力端子OUT2」であれば(S901でYES)、制御部10は、HDMI入力端子IN1にHDMIデータが入力されているか否かを判断する(S902)。HDMIデータが入力されている場合(S902でYES)、制御部10は、スイッチ部13にRX2を選択させ、RX2を電源オフ状態にせずに、RX2に対して、HDMI入力端子IN1に入力されるHDMIデータを受信させ、HDMIデータから音声データのみを生成させ、スイッチ部13を介して音声処理部7に供給させる(S903)。制御部10は、RX2に対して、HDMI入力端子IN1に入力されるHDMIデータから、映像データを生成させず、映像データをVSP5に供給させない。
【0056】
一方、HDMIデータが入力されていない場合(S902でNO)、制御部10は、RX2を電源オフ状態に制御する(S904)。制御部10は、スイッチ部13に、音声入力端子IN5又はIN6を選択させる。
【0057】
映像入出力経路が、「アナログ映像入力端子−VSP5−アナログ映像出力端子OUT2」ではない場合(S901でNO)、制御部10は、映像出力経路が、「HDMI入力端子IN1−VSP5−HDMI出力端子OUT1」であるか否かを判断する(S905)。映像出力経路が、「HDMI入力端子IN1−VSP5−HDMI出力端子OUT1」であれば(S905でYES)、制御部10は、スイッチ部13にRX2を選択させ、RX2に対して、HDMI入力端子IN1に入力されるHDMIデータを受信させ、HDMIデータから映像データを生成させVSP5に供給させると共に、HDMIデータから音声データを生成させ、スイッチ部13を介して音声処理部7に供給させる(S906)。
【0058】
映像出力経路が、「アナログ映像入力端子−VSP5−HDMI出力端子OUT1」であれば(S905でNO)、制御部10は、RX2を電源オフ状態に制御する(S904)。制御部10は、スイッチ部13に、音声入力端子IN5又はIN6を選択させる。
【0059】
図10の処理による作用効果について説明する。
[ケース1]
図1Aに示すようにDVDプレーヤ50AがHDMI入力端子IN1と、コンポーネント入力端子IN2と、音声入力端子IN5に接続されており、各入力端子IN1、IN2、IN5にHDMIデータ、アナログ映像信号及び音声信号がそれぞれ入力されている。ディスプレイ装置60AがHDMI出力端子OUT1に接続され、ディスプレイ装置60Bがコンポーネント出力端子OUT2に接続されている。ディスプレイ装置60Aが電源オン状態で、ディスプレイ装置60Bが電源オフ状態である。このとき、DVDプレーヤ50AからHDMI入力端子IN1に入力されるHDMIデータが、RX2に供給される。RX2は、HDMIデータから映像データを生成し、VSP5に供給し、HDMIデータから音声データを生成し、スイッチ部13を介して音声処理部7に供給する。映像データは、VSP5を介してTX6に供給され、TX6においてHDMIデータに変換され、HDMI出力端子OUT1を介してディスプレイ装置60Aに供給される。従って、ディスプレイ装置60Aにおいて、映像データが表示される。音声データは音声処理部7において増幅され、スピーカー70に出力され、音声が再生される。
【0060】
この状況において、ディスプレイ装置60Aの電源がオフ状態にされ、ディスプレイ装置60Bの電源がオン状態にされる。図4において、ディスプレイ装置60Aの電源がオフ状態にされることにより、ホットプラグ信号がローレベルになるので(S402でNO)、Monitor OUTがAnalog(コンポーネント出力端子OUT2)に設定される。図9において、Monitor OUTがAnalogであり(S801でNO)、Analog Video変数がCMPであるので(S802でYES)、コンポーネント入力端子IN2からの映像信号がVSP5を経由してコンポーネント出力端子OUT2から出力されるようにスイッチ部3および9が切り換え制御される。図8において、VSP5への入力元としてビデオデコーダ4が選択され、VSP5からの出力先としてビデオエンコーダ8が選択される。その結果、DVDプレーヤ50Aからコンポーネント入力端子IN2に入力される映像信号が、VSP5において画像処理されて、コンポーネント出力端子OUT2から出力されるように自動的に設定される。従って、コンポーネント入力端子IN2に入力される映像信号を画像処理した後、ディスプレイ装置60Bに出力し、表示させることができる。
【0061】
映像入出力経路が「HDMI入力端子IN1−VSP5−HDMI出力端子OUT1」から「アナログ映像入力端子IN2−VSP5−アナログ映像出力端子OUT2」に変更されるので、一般的にはRX2の電源がオフ状態にされ、RX2の処理が全く実行されなくなり、スイッチ部13は音声入力端子IN5を選択する。そのため、音声入力端子IN5に入力される音声信号が音声処理部7で増幅され、スピーカー70に出力される。その結果、HDMIデータに含まれる音声データを再生できなくなる。もしくは、DVDプレーヤ50Aが音声入力端子IN5に接続されていない場合には、音声を再生できなくなる。しかし、本発明では、映像入出力経路を「HDMI入力端子IN1−VSP5−HDMI出力端子OUT1」から「アナログ映像入力端子IN2−VSP5−アナログ映像出力端子OUT2」に変更すると、HDMI入力端子IN1にHDMIデータが入力されているか否かが判断され、HDMIデータが入力されている場合には、RX2を電源オフ状態にせず、RX2にHDMIデータから音声データのみを生成させる。従って、RX2は、HDMIデータから音声データを生成し、スイッチ部13を介して音声処理部7に音声データを供給するので、HDMIデータに含まれる音声データを増幅してスピーカーに出力することができる。
【0062】
以上のように、HDMI出力端子OUT1に接続されているディスプレイ装置60AがHDMIデータを受信できない状態になると、映像入出力経路が、コンポーネント入力端子IN2からVSP5を経由してコンポーネント出力端子OUT2に出力するように設定されるにもかかわらず、音声についてはHDMIデータに含まれる音声データを再生することができる。
【0063】
[ケース2]
図1Bに示すようにDVDプレーヤ50AがHDMI入力端子IN1に接続されている。DVDプレーヤ50Aは音楽CDを再生しているので、音声データのみを含むHDMIデータがHDMI入力端子IN1に入力される。DVDプレーヤ50Bがコンポーネント入力端子IN2に接続され、コンポーネント入力端子IN2に映像信号が入力されている。ディスプレイ装置60AがHDMI出力端子OUT1に接続され、ディスプレイ装置60Bがコンポーネント出力端子OUT2に接続されている。ディスプレイ装置60Aが電源オン状態で、ディスプレイ装置60Bが電源オフ状態である。このとき、DVDプレーヤ50AからHDMI入力端子IN1に入力されるHDMIデータが、RX2に供給される。RX2は、HDMIデータから音声データを生成し、スイッチ部13を介して音声処理部7に供給する。音声データは音声処理部7において増幅され、スピーカー70に出力され、音声が再生される。
【0064】
この状況において、ディスプレイ装置60Aの電源がオフ状態にされ、ディスプレイ装置60Bの電源がオン状態にされる。上記と同様に、DVDプレーヤ50Bからコンポーネント入力端子IN2に入力される映像信号が、VSP5において画像処理されて、コンポーネント出力端子OUT2から出力されるように自動的に設定される。従って、コンポーネント入力端子IN2に入力される映像信号を画像処理した後、ディスプレイ装置60Bに出力して、表示させることができる。
【0065】
ここで、映像入出力経路を「HDMI入力端子IN1−VSP5−HDMI出力端子OUT1」から「アナログ映像入力端子IN2−VSP5−アナログ映像出力端子OUT2」に変更すると、一般的にはRX2の電源がオフ状態にされ、RX2の処理が全く実行されなくなり、スイッチ部13は音声入力端子IN5又はIN6を選択する。その結果、HDMIデータに含まれる音声データを再生できなくなる。しかし、本発明では、映像入出力経路を「HDMI入力端子IN1−VSP5−HDMI出力端子OUT1」から「アナログ映像入力端子IN2−VSP5−アナログ映像出力端子OUT2」に変更すると、HDMI入力端子IN1にHDMIデータが入力されているか否かが判断され、HDMIデータが入力されている場合には、RX2を電源オフ状態にせず、RX2にHDMIデータから音声データのみを生成させる。従って、RX2は、HDMIデータから音声データを生成し、スイッチ部13を介して音声処理部7に供給するので、HDMIデータに含まれる音声データ(音楽CDの音声データ)を再生することができる。
【0066】
以上のように、HDMI出力端子OUT1に接続されているディスプレイ装置60AがHDMIデータを受信できない状態になると、映像信号の入出力経路が、コンポーネント入力端子IN2からVSP5を経由してコンポーネント出力端子OUT2に出力するように設定されるにもかかわらず、音声については、HDMIデータに含まれる音声データを再生することができる。
【0067】
なお、図6の処理において、S509で映像入出力経路が「アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子」に設定され、S511で映像入出力経路が「アナログ映像入力端子−HDMI出力端子」に設定され、S512で映像入出力経路が「HDMI入力端子−HDMI出力端子」に設定されてもよい。また、図10の処理において、S901で映像入出力経路が「アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子」であるかが判断され、S905で映像入出力経路が「HDMI入力端子−HDMI出力端子」であるかが判断されてもよい。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。AVアンプの上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、AVアンプ等に好適に採用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1A】本発明のAVアンプ1を示すブロック図である。
【図1B】本発明のAVアンプ1を示すブロック図である。
【図2】制御部10の処理を示すフローチャートである。
【図3】制御部10の処理を示すフローチャートである。
【図4】制御部10の処理を示すフローチャートである。
【図5】制御部10の処理を示すフローチャートである。
【図6】制御部10の処理を示すフローチャートである。
【図7】制御部10の処理を示すフローチャートである。
【図8】制御部10の処理を示すフローチャートである。
【図9】制御部10の処理を示すフローチャートである。
【図10】制御部10の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1 AVアンプ
2 HDMI受信部
3 スイッチ部
4 ビデオデコーダ
5 画像処理部
6 HDMI送信部
7 音声処理部
8 ビデオエンコーダ
9 スイッチ部
10 制御部
11 メモリ
12 操作表示部
13 スイッチ部
IN1 HDMI入力端子
IN2 コンポーネント入力端子
IN3 Sビデオ入力端子
IN4 CVBS入力端子
IN5 音声入力端子
IN6 音声入力端子
OUT1 HDMI出力端子
OUT2 コンポーネント出力端子
OUT3 Sビデオ出力端子
OUT4 CVBS出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データ及び音声データを含む所定規格デジタルデータが入力される1つ以上の所定規格デジタル入力端子と、
アナログの映像信号が入力される1つ以上のアナログ映像入力端子と、
前記所定規格デジタルデータを出力する1つ以上の所定規格デジタル出力端子と、
アナログの映像信号を出力する1つ以上のアナログ映像出力端子と、
前記所定規格デジタル入力端子に入力される所定規格デジタルデータを受信し、所定規格デジタルデータから映像データおよび/または音声データを生成する受信手段と、
映像入出力経路を、少なくとも、アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子、又は、所定規格デジタル入力端子−所定規格デジタル出力端子に切り換える切換手段と、
前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されているか否かを判断する入力判断手段と、
映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子であるか否かを判断する経路判断手段とを備え、
映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子であり、かつ、前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されている場合、前記受信手段が、所定規格デジタルデータから音声データのみを生成する、映像音声処理装置。
【請求項2】
映像データ及び音声データを含む所定規格デジタルデータが入力される1つ以上の所定規格デジタル入力端子と、
アナログの映像信号が入力される1つ以上のアナログ映像入力端子と、
前記所定規格デジタルデータを出力する1つ以上の所定規格デジタル出力端子と、
アナログの映像信号を出力する1つ以上のアナログ映像出力端子と、
前記所定規格デジタル入力端子に入力される所定規格デジタルデータを受信し、所定規格デジタルデータから映像データおよび/または音声データを生成する受信手段と、
映像データに画像処理を実行する画像処理部と、
映像入出力経路を、少なくとも、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子、又は、所定規格デジタル入力端子−画像処理部−所定規格デジタル出力端子に切り換える切換手段と、
前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されているか否かを判断する入力判断手段と、
映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子であるか否かを判断する経路判断手段とを備え、
映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子であり、かつ、前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されている場合、前記受信手段が、所定規格デジタルデータから音声データのみを生成する、映像音声処理装置。
【請求項3】
映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−アナログ映像出力端子であり、かつ、前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されていない場合、前記受信手段が電源オフ状態になる、請求項2に記載の映像音声処理装置。
【請求項4】
映像入出力経路が、所定規格デジタル入力端子−画像処理部−所定規格デジタル出力端子である場合、前記受信手段が、所定規格デジタルデータから映像データおよび/または音声データを生成する、請求項2または3に記載の映像音声処理装置。
【請求項5】
前記切換手段が、映像入出力経路を、アナログ映像入力端子−画像処理部−所定規格デジタル出力端子にも切換可能であり、
映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−画像処理部−所定規格デジタル出力端子である場合、前記受信手段が電源オフ状態になる、請求項2〜4のいずれかに記載の映像音声処理装置。
【請求項6】
前記所定規格デジタル出力端子に接続される機器が所定規格デジタルデータを受信可能な状態であるか否かを判断する状態判断手段をさらに備え、
前記所定規格デジタル出力端子に接続される機器が所定規格デジタルデータを受信可能な状態である場合、前記切換手段が、映像出力先を、前記所定規格デジタル出力端子に切り換え、
前記所定規格デジタル出力端子に接続される機器が所定規格デジタルデータを受信不可能な状態である場合、前記切換手段が、映像出力先を、前記アナログ映像出力端子に切り換える、請求項1〜5のいずれかに記載の映像音声処理装置。
【請求項7】
映像データ及び音声データを含む所定規格デジタルデータが入力される1つ以上の所定規格デジタル入力端子と、
アナログの映像信号が入力される1つ以上のアナログ映像入力端子と、
前記所定規格デジタルデータを出力する1つ以上の所定規格デジタル出力端子と、
アナログの映像信号を出力する1つ以上のアナログ映像出力端子と、
前記所定規格デジタル入力端子に入力される所定規格デジタルデータを受信し、所定規格デジタルデータから映像データおよび/または音声データを生成する受信手段と、
映像入出力経路を、少なくとも、アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子、又は、所定規格デジタル入力端子−所定規格デジタル出力端子に切り換える切換手段とを備える映像音声処理装置に、
前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されているか否かを判断するステップと、
映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子であるか否かを判断するステップと、
映像入出力経路が、アナログ映像入力端子−アナログ映像出力端子であり、かつ、前記所定規格デジタル入力端子に所定規格デジタルデータが入力されている場合、前記受信手段に、所定規格デジタルデータから音声データのみを生成させるステップとを実行させる、映像音声処理プログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−4315(P2011−4315A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147469(P2009−147469)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【特許番号】特許第4506898号(P4506898)
【特許公報発行日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】