時刻表示装置、時刻表示方法およびプログラム
【課題】 躍動感および興趣性に富んだ時刻表示を行う時刻表示装置、時刻表示方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】 画像表示を行う表示部と、計時を行う時計部と、連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像のデータを複数記憶可能な記憶手段と、時刻の各桁の値を表わす複数の数値と記憶手段に記憶される複数の切抜動画像とを対応づける対応付け手段とを備え、時計部の計時値に従って表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、時刻の各桁の値を当該値に対応付けられている切抜動画像により表示する。
【解決手段】 画像表示を行う表示部と、計時を行う時計部と、連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像のデータを複数記憶可能な記憶手段と、時刻の各桁の値を表わす複数の数値と記憶手段に記憶される複数の切抜動画像とを対応づける対応付け手段とを備え、時計部の計時値に従って表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、時刻の各桁の値を当該値に対応付けられている切抜動画像により表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、時刻を表示する時刻表示装置、時刻表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像データを書き込んだメモリカードを挿入することで、画像を写真のように表示するデジタル写真立て(フォトフレームと呼ばれる)が普及している。デジタル写真立てには、画像の表示と併せてカレンダーや時計の表示を行う付加機能を有するものもある。
【0003】
また、近年、時刻を記したパネルを持った人物の静止画によって時刻を表示するコンピュータ画面用の表示時計がある。この表示時計においては、各パネルの時刻を1分ずつ異ならせて24時間分の静止画データを用意しておき、これらの静止画を時刻に連動させて切り替えていくことで時刻を表示する。
【0004】
また、本願発明に関連する技術として、特許文献1には、数字がスクロールされて時刻表示を行うデジタル時計の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4498549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタル写真立てにおいては、ユーザが作成した様々の画像を表示することができるのに、時刻表示については予め用意された複数の形態で時刻を表示できるだけである。
【0007】
また、24時間分の静止画を用いて時刻表示を行うものでは、表示画像のデータ量が非常に大きくなり、ユーザ自らが全ての画像データを作成するのは難しい。また、画像が静止している期間が長いので躍動感や興趣性にやや欠ける表示内容となる。
【0008】
この発明の目的は、興趣性に富んだ時刻表示を行うことのできる時刻表示装置、時刻表示方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
画像表示を行う表示部と、
計時を行う時計部と、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像のデータを複数記憶可能な記憶手段と、
時刻の各桁の値を表わす複数の数値と前記記憶手段に記憶される複数の前記切抜動画像とを対応づける対応付け手段と、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御手段と、
を備えていることを特徴とする時刻表示装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の時刻表示装置において、
撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜手段と、
を備え、
前記動画像切抜手段により作成された前記切抜動画像が前記記憶手段に記憶されることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明は、
画像表示を行う表示部と計時を行う時計部とを用いて時刻を表示する時刻表示方法において、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像を時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づける対応付けステップと、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御ステップと、
を含むことを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の時刻表示方法において、
撮影手段を用いて撮影を行う撮影ステップと、
前記撮影ステップにより撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜ステップと、
を含み、
前記動画像切抜ステップにより作成された前記切抜動画像が前記対応付けステップにより時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づけられることを特徴としている。
【0013】
請求項5記載の発明は、
画像表示を行う表示部と計時を行う計時部と接続されたコンピュータに、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像を時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づける対応付け機能と、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御機能と、
を実現させるプログラムである。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のプログラムにおいて、
さらに、前記コンピュータに、
撮影手段を用いて撮影を行う撮影機能と、
前記撮影機能により撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜機能と、
を実現させ、
前記動画像切抜機能により作成された前記切抜動画像が前記対応付け機能により時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づけられることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に従うと、ユーザが作成した切抜動画像を時刻の各桁の表示に用いて躍動感と興趣性に富んだ時刻表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態のフォトフレームの全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態のフォトフレームの外観を示す斜視図である。
【図3】記録媒体に形成される複数の記憶エリアと記憶データを示すデータチャートである。
【図4】時刻の各桁の値を表す数値と切抜動画像との対応関係の一例を示すデータテーブルである。
【図5】フォトフレームに表示される時刻表示の一例を示す図で、(a)は動画表示の例、(b)は通常のデジタル表示の例である。
【図6】CPUにより実行されるメイン制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS3の画像表示処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図6のステップS7の撮影処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図6のステップS11の画像切り抜き処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図6のステップS9の編集処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図6のステップS5の時計表示処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態のフォトフレーム1の全体構成を示すブロック図、図2は、フォトフレーム1の外観を示す斜視図である。
【0019】
この実施形態のフォトフレーム1は、図2に示すように、台の上に載置したり壁に掛けたりして、ユーザが用意した画像を写真のように表示するデジタル写真立てである。さらに、このフォトフレーム1には撮影機能と時計表示の機能も付加されている。
【0020】
このフォトフレーム1は、図1に示すように、装置の全体的な制御を行うCPU(中央演算処理装置)10と、CPU10が実行する制御プログラムや制御データが格納されたプログラムROM(Read Only Memory)11と、CPU10に作業用のメモリ空間を提供するワークRAM(Random Access Memory)12と、画像表示を行う表示部13と、映像の撮像を行って静止画や動画の画像データを生成するカメラ部14と、外部から操作指令を入力するスイッチ部15と、画像データを記憶する挿抜可能にされた例えばメモリカードなとれの記録媒体21と、記録媒体21のデータ読み書きを行うI/F(インターフェース)部16と、現在時刻の計時を行う時計部17と、CPU10と各部とを結ぶバス19等を備えている。
【0021】
表示部13は、図2に示すように装置前面の表示パネル13Aを有し、CPU10により描画された画像を表示パネル13Aに表示出力する。
【0022】
カメラ部14は、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像部と、撮像部に映像を結ぶレンズと、撮像信号に対して信号処理を行ってデジタルの画像データを生成する信号処理部等を備え、CPU10の指令に基づいて撮影処理を実行する。
【0023】
スイッチ部15には、撮影タイミングを与えるシャッタースイッチ、動作モードの選択や各種設定の操作入力を行う複数の操作スイッチが設けられている。
【0024】
プログラムROM11には、ユーザによる動作モードの選択によってデジタル写真立て、デジタルカメラ、時計等の各機能を実現させるメイン制御処理のプログラムが格納されている。また、撮影した連続画像の中から動く被写体部分を切り抜いて、この動く被写体部分のみを表わした切抜動画像を作成するモジュールプログラムが格納されている。これらのプログラムは、プログラムROM11に格納するほか、例えば、データ読取装置を介してCPU10が読み取り可能な、例えば、光ディスク等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに格納しておくことが可能である。また、このようなプログラムをキャリアウェーブ(搬送波)を媒体として通信回線を介してフォトフレーム1にダウンロードされる形態を適用することもできる。
【0025】
切抜動画像の作成は次のようにして実現される。先ず、ほぼ固定された背景の手前で動く被写体が写っている連続画像と、背景のみの画像とをユーザに撮影させる。そして、動く被写体が写っている連続画像と背景のみの画像との差分をとることで動く被写体部分のみを抽出する。そして、背景の部分を透明とした動画像データを作成し、これを切抜動画像とする。
【0026】
或いは、次のようにして切抜動画像を作成するようにもできる。先ず、ほぼ固定された背景の手前で動く被写体が写っている連続画像をユーザに撮影させ、この連続画像に対して動く被写体を切抜対象のオブジェクトとして外部からユーザに指定操作させる。そして、連続画像の前後の比較から当該動く被写体部分と固定された背景とを分離する。続いて、動く被写体部分のみを抽出して背景を透明とした動画像データを作成し、これを切抜動画像とする。このような処理は周知の画像処理技術を用いて適宜実現可能なものであり、その詳細は省略する。
【0027】
図3には、記録媒体21に形成される複数の記憶エリアと記憶データを表わしたデータチャートを示す。
【0028】
記録媒体21には、カメラ部14により撮影された静止画像や動画像が記憶される画像エリア211と、切抜動画像のデータが記憶される切り抜き画像エリア212と、時計表示の際に数字の代わりとなる切抜動画像の対応データが記憶される時計画像エリア213とが形成される。なお、この記録媒体21を、他のデジタルカメラに装着して、このデジタルカメラで撮影や切抜動画像の作成を行うことで、撮影された動画像のデータが上記の画像エリア211に記憶され、作成された切抜動画像のデータが上記の切り抜き画像エリア212に記憶されるように構成しても良い。また、ユーザがコンピュータを用いて記録媒体21の画像エリア211に静止画や動画の画像データを書き込んだり、切り抜き画像エリア212に切抜動画像のデータを書き込んだりできるように構成しても良い。
【0029】
時計画像エリア213には、例えば時刻の時桁、10分桁、1分桁の値を表わす数字“0〜11”にそれぞれ対応した11個の記憶エリアが形成され、後述する編集処理において切り抜き画像エリア212の切抜動画像の番号が登録されるようになっている。この番号登録により、時刻を表示する“0〜11”の複数の数値と複数の切抜動画像とがそれぞれ対応付けられる。このような時計画像エリア213のデータにより、切抜動画像と時刻の各桁の値とを対応づける対応付け手段が構成される。
【0030】
次に、上記構成のフォトフレーム1の動作の概略を説明する。
【0031】
この実施形態のフォトフレーム1においては、通常の画像表示モードのときには、画像エリア211に格納された動画や静止画の画像データを表示パネル13Aに表示させて、写真立てのように機能する。ユーザが、画像の切替スイッチを操作することで、表示される動画や静止画を、画像エリア211に格納されている複数の画像データの中から一つずつ切り替えることができる。
【0032】
また、撮影モードに切り替えると、一般的なデジタルカメラと同様に静止画や短い動画の撮影を行って、撮影された画像データを記録媒体21の画像エリア211に格納することができる。
【0033】
図4には、時刻の各桁の値を表す数値と切抜動画像との対応関係の一例を表わしたデータテーブルを示す。図4中、切抜動画像はその最初と終わりの画像を矢印で結んで表わしている。図5には、表示パネル13Aに表示される時刻表示の一例を示す。図5の(a)は動画表示の例、(b)は通常のデジタル表示の例である。
【0034】
フォトフレーム1を時計表示モードに切り替えると、図5(a),(b)に示すように、表示パネル13Aの一部の領域に現在時刻の表示を行うことができる。図5(b)は数字を用いたる通常のデジタル表示であり、図5(a)は切抜動画像を用いた時刻の動画表示である。時刻のデジタル表示と動画表示とは切替スイッチの操作により、ユーザが切り替えることができる。
【0035】
なお、時刻表示モードの際には、表示パネル13Aに時刻表示のみを行うようにしても良いし、表示パネル13Aの一部の領域に画像表示を行いながら、他の領域に時刻表示を行うようにしても良い。或いは、表示パネル13Aに画像表示を行いながら、この画像表示に重ねて時刻表示を行うようにすることもできる。
【0036】
図5(a)の動画表示は、記録媒体21の時計画像エリア213のデータにより数値と対応付けられた切抜動画像が時刻の各桁の値として表示されるものである。図4に示すように、時刻の各桁の値を表わす数値“0〜11”に切り抜き画像エリア212の複数の切抜動画像がそれぞれ対応付けられている。そして、例えば“4時03分”であれば、時桁の表示領域41に、時計画像エリア213のエリア(4)に登録されている番号の切抜動画像(図4、図5の例では手旗信号の数字「4」を表わすもの)が表示され、10分桁の表示領域42にはエリア(0)の番号の切抜動画像が表示され、1分桁の表示領域43にはエリア(3)の番号の切抜動画像が表示される。
【0037】
ユーザは、時刻の各桁の値を表わす複数の切抜動画像を作成して、時計画像エリア213のデータにより数値“0〜11”にそれぞれ対応づけることで、この切抜動画像による時刻表示を楽しむことができる。
【0038】
この実施形態のフォトフレーム1では、さらに、表示画面を見ながらユーザがスイッチ部15を操作することで、上記撮影モードで撮影した動画像から切抜動画像を作成したり、作成した切抜動画像が時刻の動画表示に使用されるように数値との対応づけを行えるようになっている。
【0039】
次に、上記の各機能動作を実現するメイン制御処理についてフローチャートに基づき詳細に説明する。
【0040】
図6は、CPU10により実行されるメイン制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0041】
電源投入によりこのメイン制御処理が開始されると、先ず、CPU10はモードフラグ“MF”や各変数に初期値をセットするイニシャライズ処理(ステップS1)を行う。モードフラグ“MF”は、装置の動作モードを表わす値が代入される制御変数であり、初期値は“0”にされる。
【0042】
続いて、このモードフラグ“MF”の値に応じた分岐処理を繰り返す。すなわち、モードフラグ“MF”の値を判別し(ステップS2,S4,S6,S8,S10)、“0”であれば画像表示処理(ステップS3)へ移行し、“1”であれば時計表示処理(ステップS5)へ移行し、“2”であれば撮影処理(ステップS7)へ移行し、“3”であれば編集処理(ステップS9)へ移行し、“4”であれば画像切り抜き処理(ステップS11)へ移行する。
【0043】
モードフラグ“MF”の値は、ステップS3,S5,S7,S9,S11の各処理の中でモードスイッチの操作によりユーザにより切り替えられる。
【0044】
図7には、図6のステップS3の画像表示処理の詳細なフローチャートを示す。
【0045】
モードフラグ“MF”が“0”で画像表示処理に移行すると、CPU10は、先ず、記録媒体21の画像エリア211の中からG番目の画像を表示部13に表示出力する(ステップS21)。さらに、表示する画像を切り替える切替スイッチの操作の有無を判別し(ステップS22)、無ければ、モードスイッチの操作の有無を判別する(ステップS26)。そして、この操作も無ければ、そのままこの画像表示処理を終了する。
【0046】
モードスイッチの操作が無くてモードフラグ“MF”が“0”のままであれば、図6のメイン制御処理の中でステップS3の画像表示処理が繰り返し実行される。それにより、ステップS21の表示処理が繰り返し実行されて、画像が動画像であれば、表示パネル13Aに動画像が表示される。
【0047】
この画像表示処理が繰り返し実行される間に、ユーザが切替スイッチを操作すれば、ステップS22の判別処理で“YES”側に移行して、表示画像の番号を示す変数“G”を画像数を超えないように1つずつ更新する(ステップS23〜S25)。これにより、表示部13に表示出力される画像が1つずつ変更される。
【0048】
また、画像表示処理が繰り返し実行される間に、ユーザがモードスイッチを操作すれば、ステップS26の判別処理で“YES”側に移行して、モードフラグ“MF”をモードスイッチに応じた値“0〜4”に書き換える(ステップS27)。これにより、図6のメイン制御処理で変更後の動作モードの処理に移行される。
【0049】
図8には、図6のステップS7の撮影処理の詳細なフローチャートを示す。
【0050】
モードフラグ“MF”が“2”に書き換えられて撮影処理に移行すると、先ず、CPU10はカメラ部14の電源をオンにしてカメラ部14を起動させる(ステップS31)。次いで、カメラ部14により撮像されたスルー画像の映像を表示部13に表示出力させる(ステップS32)。ユーザは、このスルー画像を見ながら撮影対象を選定できる。
【0051】
続いて、撮影開始を示すスタートスイッチの操作の有無を判別し(ステップS33)、無ければ、モードスイッチの操作の有無を判別し(ステップS39)、これも無ければ、ステップS32に戻って、スルー画像の表示処理(ステップS32)とスイッチ操作の判別処理(ステップS33,S39)とを繰り返す。
【0052】
そして、この繰り返し処理の間に、スタートスイッチが操作されたら、カメラ部14から出力される映像データをワークRAM12に蓄積し(ステップS34)、表示部13にこの映像を表示出力する(ステップS35)。そして、撮影終了を示すストップスイッチの操作の有無を判別し(ステップS36)、その操作がなければステップS34〜S36のループ処理を繰り返す。
【0053】
そして、ストップスイッチの操作がなされたら、ステップS36の判別処理で“YES”側へ移行して、記録媒体21の画像エリア211の空領域の番号を変数“G”に代入し(ステップS37)。ステップS34で蓄積した映像の動画像データを画像(G)として画像エリア211のG番目の領域に書き込む(ステップS38)。その後、再び、スイッチ操作の判別処理(S39,S33)とスルー画像の表示処理(ステップS32)とを繰り返す。
【0054】
ユーザは、この繰り返し処理の中で、スタートスイッチとストップスイッチを複数回操作することで、複数回の撮影を行って複数個の画像データを記録媒体21の画像エリア211に書き込むことができる。
【0055】
また、上記ステップS32,S33,S39の繰り返し処理の中で、ユーザがモードスイッチを操作することで、ステップS39の判別処理で“YES”側に移行して、CPU10は、モードフラグ“MF”をモードスイッチに応じた値“0〜4”に書き換える(ステップS40)。続いて、カメラ部14の電源をオフして(ステップS41)、この撮影処理を終了する。ステップS40のモードフラグ“MF”の書き換えにより、この後のメイン制御処理(図6)で次に選択された動作モードの処理に移行される。
【0056】
図9には、図6のステップS11の画像切り抜き処理のフローチャートを示す。
【0057】
この画像切り抜き処理は、記録媒体21の画像エリア211に格納されている動画像から切抜動画像を作成して、切り抜き画像エリア212に格納していく処理である。
【0058】
モードフラグ“MF”が“4”に書き換えられて画像切り抜き処理に移行すると、先ず、CPU10は、記録媒体21の画像エリア211のエリア番号を表わす変数“G”に初期値をセットし(ステップS51)、画像エリア211の画像(G)を表示部13に表示出力する(ステップS52)。
【0059】
そして、切替スイッチの操作の有無を判別して(ステップS53)、無ければ、動く被写体を切抜対象のオブジェクトとしてユーザに指定させるオブジェクト指定操作の有無を判別する(ステップS56)。その結果、この操作も無ければ、モードスイッチの操作の有無を判別して(ステップS60)、これも無ければステップS52に戻る。すなわち、画像(G)を表示して何も操作がなければ、上記のステップS51,S53,S56,S60のループ処理が繰り返される。
【0060】
このループ処理中に、切替スイッチが操作されると、ステップS53の判別処理で“YES”側に移行して、CPU10は、変数“G”の値を画像数を超えないように1つずらす(S54,S55,S51)。この処理により、画像エリア211に格納されている複数の画像の中から処理対象を一つずつ切り替えていくことができる。そして、再び、ステップS51,S53,S56,S60のループ処理に戻る。
【0061】
このループ処理中、オブジェクト指定操作(例えばカーソル移動による画面座標の指定操作など)が有ると、ステップS56の判別処理で“YES”側へ移行して、画像(G)から指定された動く被写体部分を切り抜いて切抜動画像を作成する画像処理を行う(ステップS57:動画像切抜手段)。そして、切り抜き画像エリア212の空き領域の番号を変数“KG”に代入し(ステップS58)、ステップS57で作成した切抜動画像を切り抜き画像エリア212のKG番目の領域に書き込む(ステップS59)。そして、再び、ステップS51,S53,S56,S60のループ処理に戻る。
【0062】
さらに、このループ処理中、モードスイッチの操作があれば、ステップS60の判別処理で“YES”側へ移行して、モードフラグ“MF”をモードスイッチに応じた値“0〜4”に書き換える(ステップS61)。そして、この画像切り抜き処理を終了する。この書き換えにより、この後のメイン制御処理(図6)で次に選択された動作モードの処理に移行される。
【0063】
なお、上記画像切り抜き処理では、撮影処理で作成された動画の画像データを後から選択して切抜動画像を作成する構成としているが、撮影処理の際に、切抜動画像の作成用に背景のみの映像と背景の前で被写体が動く映像とを撮影させ、同時に、両者の差分から動く被写体のみを切り抜いた切抜動画像を作成するように構成しても良い。
【0064】
図10には、図6のステップS9の編集処理の詳細なフローチャートを示す。
【0065】
この編集処理は、記録媒体21の切り抜き画像エリア212に格納された切抜動画像を、時刻の各桁の値を表わす各数値と対応づけるための処理である。
【0066】
モードフラグ“MF”が“3”に書き換えられて編集処理に移行すると、先ず、CPU10は、時刻の各桁の値を表わす変数“N”に初期値“0”を書き込む(ステップS71)。そして、表示部13に変数“N”の数字を表示出力する(ステップS72)。さらに、切り抜き画像エリア212のエリア番号を示す変数“KG”に初期値を代入し(ステップS73)、表示部13の変数“N”の値の表示近傍に、切り抜き画像エリア212のKG番目の切抜動画像を表示出力する(ステップS74)。
【0067】
その後、決定スイッチの操作の有無を判別し(ステップS75)、無ければ切替スイッチの操作の有無を判別し(ステップS76)、これも無ければモードスイッチの操作の有無を判別する(ステップS84)。さらに、これも無ければステップS75に戻り、何れかの操作が有るまでステップS75,S76,S84のループ処理を繰り返す。
【0068】
このループ処理中に、切替スイッチが操作されると、ステップS76の判別処理で“YES”側へ移行して、切り抜き画像エリア212のエリア番号の変数“KG”を画像数を超えないように一つずらす(ステップS77,S78,S73)。さらに、ステップS74の表示処理で切抜動画像の表示を次のKG番号のものに切り替える。これらの処理により、ユーザが切替スイッチを何度も操作することで、変数“N”の値に対応づける切抜動画像を次々と切り替えていくことができる。そして、再び、ステップS75,S76,S84のループ処理に戻る。
【0069】
また、このループ処理中、決定スイッチが操作されると、ステップS75の判別処理で“YES”側へ移行して、CPU10は、時計画像エリア213のN番目のエリアに変数“KG”の値を記憶させる(ステップS79)。次いで、変数“N”の値を更新し(ステップS80)、表示部13の表示出力をクリアして(ステップS81)、変数“N”の値が最大値“11”を超えずに循環的に更新されるように調整して(ステップS82,S83)、ステップS72に戻る。そして、更新された変数“N”の値の表示(ステップS72)と、0番目の切抜動画像の表示(ステップS73,S74)とを行って、再び、ステップS75,S76,S84のループ処理に戻る。
【0070】
つまり、決定スイッチを操作することで、表示部13に表示されている変数“N”の数値および切抜動画像が対応づけられるとともに、変数“N”が更新されて次の数値への切抜動画像の対応付けの処理に移行するようになっている。
【0071】
また、上記のステップS75,S76,S84のループ処理中、モードスイッチが操作されると、ステップS84の判別処理で“YES”側へ移行して、CPU10は、モードフラグ“MF”をモードスイッチに応じた値“0〜4”に書き換えて(ステップS85)、この編集処理を終了する。そして、この後のメイン制御処理(図6)で次に選択された動作モードの処理に移行される。
【0072】
図11には、図6のステップS5の時計表示処理の詳細なフローチャートを示す。
【0073】
時計表示処理は、時計部17の計時データに従って、表示部13に図5(a)のような時刻の動画表示、或いは、図5(b)のような時刻のデジタル表示を行うものである。
【0074】
モードフラグ“MF”が“1”に書き換えられて時刻表示処理に移行すると、先ず、CPU10は、時計部17より計時データを取得する(ステップS91)。そして、時刻の時桁、10分桁、1分桁の値をそれぞれ変数“H,M,N”に代入する(ステップS92)。
【0075】
次に、動画表示フラグ“AF”の値を確認して(ステップS93)、“1”であれば時計画像エリア213から変数“H,M,N”に対応する切抜動画像の番号を読み出して変数“KG1,KG2,KG3”に代入する(ステップS94:時刻表示制御手段)。そして、表示部13の時桁の表示領域41(図5参照)に切り抜き画像エリア212のKG1番目の切抜動画像を表示し、10分桁の表示領域42にKG2番目の切抜動画像を表示し、1分桁の表示領域43にKG3番目の切抜動画像を表示する(ステップS95:時刻表示制御手段)。そして、次に進む。
【0076】
一方、ステップS93の判別処理で動画表示フラグ“AF”の値が“1”以外であると判別されたら、CPU10は、変数“H,M,N”の値に従って表示部13の表示領域41〜43にデジタル表示用の数字画像を表示する(ステップS96)。そして、次に進む。
【0077】
つまり、上記ステップS93〜S96の処理により、動画表示フラグ“AF”の値に応じて時刻の動画表示又はデジタル表示が実行される。
【0078】
時刻の表示を行って次に進んだら、続いて、CPU10は、時計切替スイッチの操作の有無を判別し(ステップS97)、操作が有れば、動画表示フラグ“AF”の値を反転させる(ステップS98)。一方、操作が無ければ、そのまま次に進む。次いで、CPU10は、モードスイッチの操作の有無を判別し(ステップS99)、操作が無ければ、時刻の更新に遅れない程度の時間だけ待機処理を行って(ステップS100)、ステップS91に戻る。それにより、ステップS91からの処理が繰り返されて、時計部17の計時データに従って動画表示又は通常のデジタル表示により時刻が表示されていく。
【0079】
一方、モードスイッチが操作されていれば、ステップS99の判別処理で“YES”側へ移行して、モードフラグ“MF”をモードスイッチに応じた値“0〜4”に書き換え(ステップS101)、この時計表示処理を終了する。そして、この後のメイン制御処理(図6)で次に選択された動作モードの処理に移行される。
【0080】
以上のような制御処理により、上述したようなデジタル写真立て、デジタルカメラ、デジタル時計としての各機能、ならびに、時刻の動画表示に必要な設定処理が実現される。
【0081】
以上のように、この実施形態のフォトフレーム1によれば、記録媒体21に格納された切抜動画像を時刻の各桁を表わす数字と対応づけて、切抜動画像により時刻を表示することができるので、躍動感のある興趣性に富んだ時計を提供することができる。
【0082】
また、フォトフレーム1に、動画像の撮影機能、および、動画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像を作成する機能が備わっているので、フォトフレーム1のみで時刻表示に使用する切抜動画像の作成まで行うことができる。
【0083】
また、切抜動画像は、静止画と重ねて表示することで、この静止画内で被写体が動作しているような画像表示を行うことができる。従って、静止画の表示上に切抜動画像による時刻表示を重ねて行うことで、興趣性に非常に富んだ写真立ておよび時計の機能を実現できる。
【0084】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では、フォトフレーム1自体に撮影機能と切抜動画像の作成機能とを付加した形態を示したが、これらの機能を省くこともできる。その場合、例えば、デジタルカメラ等で撮影し作成した切抜動画像を記録媒体21の切り抜き画像エリア212に記憶させ、この記録媒体21をフォトフレーム1に装着するようにすれば良い。
【0085】
また、上記実施形態では、編集処理によって、ユーザが表示部13の画面を見ながら時刻の数字と切抜動画像との対応づけを行うようにしているが、その他の方式によりこの対応付けを行えるようにしても良い。例えば、記録媒体21に時刻の各数字に対応する領域或いはフォルダを設けて、そこに切抜動画像を格納することで、これらが対応付けられるようにしても良い。また、時刻の各数字と切抜動画像とのファイル名とを対応づけるデータテーブルを設けて、このデータテーブルにより両者の対応付けが行われるようにしても良い。このように構成した場合、ユーザは、切抜動画像の格納先やファイル名を変更することで、所望の切抜動画像を時刻の各数字に対応づけることができる。
【0086】
また、上記実施形態では、時刻の10秒桁や1秒桁は表示しないようにしているが、これらも同様に表示するようにしても良い。また、時刻の10時桁と1時桁を分離して切抜動画像により表示するようにしても良い。また、時刻だけでなく、年月日、曜日、天気情報なども同様に切抜動画像で表示するようにしても良い。天気情報は、通信回線を介して外部サーバからダウンロードして取得するように構成することができる。その他、実施形態で示した細部等は発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 フォトフレーム
10 CPU
11 プログラムROM
12 ワークRAM
13 表示部
13A 表示パネル
14 カメラ部(撮影手段)
15 スイッチ部
16 I/F部
17 時計部
19 バス
21 記録媒体(記憶手段)
211 画像エリア
212 切り抜き画像エリア
213 時計画像エリア(対応付け手段)
41 時桁の表示領域
42 10分桁の表示領域
43 1分桁の表示領域
【技術分野】
【0001】
この発明は、時刻を表示する時刻表示装置、時刻表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像データを書き込んだメモリカードを挿入することで、画像を写真のように表示するデジタル写真立て(フォトフレームと呼ばれる)が普及している。デジタル写真立てには、画像の表示と併せてカレンダーや時計の表示を行う付加機能を有するものもある。
【0003】
また、近年、時刻を記したパネルを持った人物の静止画によって時刻を表示するコンピュータ画面用の表示時計がある。この表示時計においては、各パネルの時刻を1分ずつ異ならせて24時間分の静止画データを用意しておき、これらの静止画を時刻に連動させて切り替えていくことで時刻を表示する。
【0004】
また、本願発明に関連する技術として、特許文献1には、数字がスクロールされて時刻表示を行うデジタル時計の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4498549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタル写真立てにおいては、ユーザが作成した様々の画像を表示することができるのに、時刻表示については予め用意された複数の形態で時刻を表示できるだけである。
【0007】
また、24時間分の静止画を用いて時刻表示を行うものでは、表示画像のデータ量が非常に大きくなり、ユーザ自らが全ての画像データを作成するのは難しい。また、画像が静止している期間が長いので躍動感や興趣性にやや欠ける表示内容となる。
【0008】
この発明の目的は、興趣性に富んだ時刻表示を行うことのできる時刻表示装置、時刻表示方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
画像表示を行う表示部と、
計時を行う時計部と、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像のデータを複数記憶可能な記憶手段と、
時刻の各桁の値を表わす複数の数値と前記記憶手段に記憶される複数の前記切抜動画像とを対応づける対応付け手段と、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御手段と、
を備えていることを特徴とする時刻表示装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の時刻表示装置において、
撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜手段と、
を備え、
前記動画像切抜手段により作成された前記切抜動画像が前記記憶手段に記憶されることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明は、
画像表示を行う表示部と計時を行う時計部とを用いて時刻を表示する時刻表示方法において、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像を時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づける対応付けステップと、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御ステップと、
を含むことを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の時刻表示方法において、
撮影手段を用いて撮影を行う撮影ステップと、
前記撮影ステップにより撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜ステップと、
を含み、
前記動画像切抜ステップにより作成された前記切抜動画像が前記対応付けステップにより時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づけられることを特徴としている。
【0013】
請求項5記載の発明は、
画像表示を行う表示部と計時を行う計時部と接続されたコンピュータに、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像を時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づける対応付け機能と、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御機能と、
を実現させるプログラムである。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のプログラムにおいて、
さらに、前記コンピュータに、
撮影手段を用いて撮影を行う撮影機能と、
前記撮影機能により撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜機能と、
を実現させ、
前記動画像切抜機能により作成された前記切抜動画像が前記対応付け機能により時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づけられることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に従うと、ユーザが作成した切抜動画像を時刻の各桁の表示に用いて躍動感と興趣性に富んだ時刻表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態のフォトフレームの全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態のフォトフレームの外観を示す斜視図である。
【図3】記録媒体に形成される複数の記憶エリアと記憶データを示すデータチャートである。
【図4】時刻の各桁の値を表す数値と切抜動画像との対応関係の一例を示すデータテーブルである。
【図5】フォトフレームに表示される時刻表示の一例を示す図で、(a)は動画表示の例、(b)は通常のデジタル表示の例である。
【図6】CPUにより実行されるメイン制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS3の画像表示処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図6のステップS7の撮影処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図6のステップS11の画像切り抜き処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図6のステップS9の編集処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図6のステップS5の時計表示処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態のフォトフレーム1の全体構成を示すブロック図、図2は、フォトフレーム1の外観を示す斜視図である。
【0019】
この実施形態のフォトフレーム1は、図2に示すように、台の上に載置したり壁に掛けたりして、ユーザが用意した画像を写真のように表示するデジタル写真立てである。さらに、このフォトフレーム1には撮影機能と時計表示の機能も付加されている。
【0020】
このフォトフレーム1は、図1に示すように、装置の全体的な制御を行うCPU(中央演算処理装置)10と、CPU10が実行する制御プログラムや制御データが格納されたプログラムROM(Read Only Memory)11と、CPU10に作業用のメモリ空間を提供するワークRAM(Random Access Memory)12と、画像表示を行う表示部13と、映像の撮像を行って静止画や動画の画像データを生成するカメラ部14と、外部から操作指令を入力するスイッチ部15と、画像データを記憶する挿抜可能にされた例えばメモリカードなとれの記録媒体21と、記録媒体21のデータ読み書きを行うI/F(インターフェース)部16と、現在時刻の計時を行う時計部17と、CPU10と各部とを結ぶバス19等を備えている。
【0021】
表示部13は、図2に示すように装置前面の表示パネル13Aを有し、CPU10により描画された画像を表示パネル13Aに表示出力する。
【0022】
カメラ部14は、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像部と、撮像部に映像を結ぶレンズと、撮像信号に対して信号処理を行ってデジタルの画像データを生成する信号処理部等を備え、CPU10の指令に基づいて撮影処理を実行する。
【0023】
スイッチ部15には、撮影タイミングを与えるシャッタースイッチ、動作モードの選択や各種設定の操作入力を行う複数の操作スイッチが設けられている。
【0024】
プログラムROM11には、ユーザによる動作モードの選択によってデジタル写真立て、デジタルカメラ、時計等の各機能を実現させるメイン制御処理のプログラムが格納されている。また、撮影した連続画像の中から動く被写体部分を切り抜いて、この動く被写体部分のみを表わした切抜動画像を作成するモジュールプログラムが格納されている。これらのプログラムは、プログラムROM11に格納するほか、例えば、データ読取装置を介してCPU10が読み取り可能な、例えば、光ディスク等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに格納しておくことが可能である。また、このようなプログラムをキャリアウェーブ(搬送波)を媒体として通信回線を介してフォトフレーム1にダウンロードされる形態を適用することもできる。
【0025】
切抜動画像の作成は次のようにして実現される。先ず、ほぼ固定された背景の手前で動く被写体が写っている連続画像と、背景のみの画像とをユーザに撮影させる。そして、動く被写体が写っている連続画像と背景のみの画像との差分をとることで動く被写体部分のみを抽出する。そして、背景の部分を透明とした動画像データを作成し、これを切抜動画像とする。
【0026】
或いは、次のようにして切抜動画像を作成するようにもできる。先ず、ほぼ固定された背景の手前で動く被写体が写っている連続画像をユーザに撮影させ、この連続画像に対して動く被写体を切抜対象のオブジェクトとして外部からユーザに指定操作させる。そして、連続画像の前後の比較から当該動く被写体部分と固定された背景とを分離する。続いて、動く被写体部分のみを抽出して背景を透明とした動画像データを作成し、これを切抜動画像とする。このような処理は周知の画像処理技術を用いて適宜実現可能なものであり、その詳細は省略する。
【0027】
図3には、記録媒体21に形成される複数の記憶エリアと記憶データを表わしたデータチャートを示す。
【0028】
記録媒体21には、カメラ部14により撮影された静止画像や動画像が記憶される画像エリア211と、切抜動画像のデータが記憶される切り抜き画像エリア212と、時計表示の際に数字の代わりとなる切抜動画像の対応データが記憶される時計画像エリア213とが形成される。なお、この記録媒体21を、他のデジタルカメラに装着して、このデジタルカメラで撮影や切抜動画像の作成を行うことで、撮影された動画像のデータが上記の画像エリア211に記憶され、作成された切抜動画像のデータが上記の切り抜き画像エリア212に記憶されるように構成しても良い。また、ユーザがコンピュータを用いて記録媒体21の画像エリア211に静止画や動画の画像データを書き込んだり、切り抜き画像エリア212に切抜動画像のデータを書き込んだりできるように構成しても良い。
【0029】
時計画像エリア213には、例えば時刻の時桁、10分桁、1分桁の値を表わす数字“0〜11”にそれぞれ対応した11個の記憶エリアが形成され、後述する編集処理において切り抜き画像エリア212の切抜動画像の番号が登録されるようになっている。この番号登録により、時刻を表示する“0〜11”の複数の数値と複数の切抜動画像とがそれぞれ対応付けられる。このような時計画像エリア213のデータにより、切抜動画像と時刻の各桁の値とを対応づける対応付け手段が構成される。
【0030】
次に、上記構成のフォトフレーム1の動作の概略を説明する。
【0031】
この実施形態のフォトフレーム1においては、通常の画像表示モードのときには、画像エリア211に格納された動画や静止画の画像データを表示パネル13Aに表示させて、写真立てのように機能する。ユーザが、画像の切替スイッチを操作することで、表示される動画や静止画を、画像エリア211に格納されている複数の画像データの中から一つずつ切り替えることができる。
【0032】
また、撮影モードに切り替えると、一般的なデジタルカメラと同様に静止画や短い動画の撮影を行って、撮影された画像データを記録媒体21の画像エリア211に格納することができる。
【0033】
図4には、時刻の各桁の値を表す数値と切抜動画像との対応関係の一例を表わしたデータテーブルを示す。図4中、切抜動画像はその最初と終わりの画像を矢印で結んで表わしている。図5には、表示パネル13Aに表示される時刻表示の一例を示す。図5の(a)は動画表示の例、(b)は通常のデジタル表示の例である。
【0034】
フォトフレーム1を時計表示モードに切り替えると、図5(a),(b)に示すように、表示パネル13Aの一部の領域に現在時刻の表示を行うことができる。図5(b)は数字を用いたる通常のデジタル表示であり、図5(a)は切抜動画像を用いた時刻の動画表示である。時刻のデジタル表示と動画表示とは切替スイッチの操作により、ユーザが切り替えることができる。
【0035】
なお、時刻表示モードの際には、表示パネル13Aに時刻表示のみを行うようにしても良いし、表示パネル13Aの一部の領域に画像表示を行いながら、他の領域に時刻表示を行うようにしても良い。或いは、表示パネル13Aに画像表示を行いながら、この画像表示に重ねて時刻表示を行うようにすることもできる。
【0036】
図5(a)の動画表示は、記録媒体21の時計画像エリア213のデータにより数値と対応付けられた切抜動画像が時刻の各桁の値として表示されるものである。図4に示すように、時刻の各桁の値を表わす数値“0〜11”に切り抜き画像エリア212の複数の切抜動画像がそれぞれ対応付けられている。そして、例えば“4時03分”であれば、時桁の表示領域41に、時計画像エリア213のエリア(4)に登録されている番号の切抜動画像(図4、図5の例では手旗信号の数字「4」を表わすもの)が表示され、10分桁の表示領域42にはエリア(0)の番号の切抜動画像が表示され、1分桁の表示領域43にはエリア(3)の番号の切抜動画像が表示される。
【0037】
ユーザは、時刻の各桁の値を表わす複数の切抜動画像を作成して、時計画像エリア213のデータにより数値“0〜11”にそれぞれ対応づけることで、この切抜動画像による時刻表示を楽しむことができる。
【0038】
この実施形態のフォトフレーム1では、さらに、表示画面を見ながらユーザがスイッチ部15を操作することで、上記撮影モードで撮影した動画像から切抜動画像を作成したり、作成した切抜動画像が時刻の動画表示に使用されるように数値との対応づけを行えるようになっている。
【0039】
次に、上記の各機能動作を実現するメイン制御処理についてフローチャートに基づき詳細に説明する。
【0040】
図6は、CPU10により実行されるメイン制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0041】
電源投入によりこのメイン制御処理が開始されると、先ず、CPU10はモードフラグ“MF”や各変数に初期値をセットするイニシャライズ処理(ステップS1)を行う。モードフラグ“MF”は、装置の動作モードを表わす値が代入される制御変数であり、初期値は“0”にされる。
【0042】
続いて、このモードフラグ“MF”の値に応じた分岐処理を繰り返す。すなわち、モードフラグ“MF”の値を判別し(ステップS2,S4,S6,S8,S10)、“0”であれば画像表示処理(ステップS3)へ移行し、“1”であれば時計表示処理(ステップS5)へ移行し、“2”であれば撮影処理(ステップS7)へ移行し、“3”であれば編集処理(ステップS9)へ移行し、“4”であれば画像切り抜き処理(ステップS11)へ移行する。
【0043】
モードフラグ“MF”の値は、ステップS3,S5,S7,S9,S11の各処理の中でモードスイッチの操作によりユーザにより切り替えられる。
【0044】
図7には、図6のステップS3の画像表示処理の詳細なフローチャートを示す。
【0045】
モードフラグ“MF”が“0”で画像表示処理に移行すると、CPU10は、先ず、記録媒体21の画像エリア211の中からG番目の画像を表示部13に表示出力する(ステップS21)。さらに、表示する画像を切り替える切替スイッチの操作の有無を判別し(ステップS22)、無ければ、モードスイッチの操作の有無を判別する(ステップS26)。そして、この操作も無ければ、そのままこの画像表示処理を終了する。
【0046】
モードスイッチの操作が無くてモードフラグ“MF”が“0”のままであれば、図6のメイン制御処理の中でステップS3の画像表示処理が繰り返し実行される。それにより、ステップS21の表示処理が繰り返し実行されて、画像が動画像であれば、表示パネル13Aに動画像が表示される。
【0047】
この画像表示処理が繰り返し実行される間に、ユーザが切替スイッチを操作すれば、ステップS22の判別処理で“YES”側に移行して、表示画像の番号を示す変数“G”を画像数を超えないように1つずつ更新する(ステップS23〜S25)。これにより、表示部13に表示出力される画像が1つずつ変更される。
【0048】
また、画像表示処理が繰り返し実行される間に、ユーザがモードスイッチを操作すれば、ステップS26の判別処理で“YES”側に移行して、モードフラグ“MF”をモードスイッチに応じた値“0〜4”に書き換える(ステップS27)。これにより、図6のメイン制御処理で変更後の動作モードの処理に移行される。
【0049】
図8には、図6のステップS7の撮影処理の詳細なフローチャートを示す。
【0050】
モードフラグ“MF”が“2”に書き換えられて撮影処理に移行すると、先ず、CPU10はカメラ部14の電源をオンにしてカメラ部14を起動させる(ステップS31)。次いで、カメラ部14により撮像されたスルー画像の映像を表示部13に表示出力させる(ステップS32)。ユーザは、このスルー画像を見ながら撮影対象を選定できる。
【0051】
続いて、撮影開始を示すスタートスイッチの操作の有無を判別し(ステップS33)、無ければ、モードスイッチの操作の有無を判別し(ステップS39)、これも無ければ、ステップS32に戻って、スルー画像の表示処理(ステップS32)とスイッチ操作の判別処理(ステップS33,S39)とを繰り返す。
【0052】
そして、この繰り返し処理の間に、スタートスイッチが操作されたら、カメラ部14から出力される映像データをワークRAM12に蓄積し(ステップS34)、表示部13にこの映像を表示出力する(ステップS35)。そして、撮影終了を示すストップスイッチの操作の有無を判別し(ステップS36)、その操作がなければステップS34〜S36のループ処理を繰り返す。
【0053】
そして、ストップスイッチの操作がなされたら、ステップS36の判別処理で“YES”側へ移行して、記録媒体21の画像エリア211の空領域の番号を変数“G”に代入し(ステップS37)。ステップS34で蓄積した映像の動画像データを画像(G)として画像エリア211のG番目の領域に書き込む(ステップS38)。その後、再び、スイッチ操作の判別処理(S39,S33)とスルー画像の表示処理(ステップS32)とを繰り返す。
【0054】
ユーザは、この繰り返し処理の中で、スタートスイッチとストップスイッチを複数回操作することで、複数回の撮影を行って複数個の画像データを記録媒体21の画像エリア211に書き込むことができる。
【0055】
また、上記ステップS32,S33,S39の繰り返し処理の中で、ユーザがモードスイッチを操作することで、ステップS39の判別処理で“YES”側に移行して、CPU10は、モードフラグ“MF”をモードスイッチに応じた値“0〜4”に書き換える(ステップS40)。続いて、カメラ部14の電源をオフして(ステップS41)、この撮影処理を終了する。ステップS40のモードフラグ“MF”の書き換えにより、この後のメイン制御処理(図6)で次に選択された動作モードの処理に移行される。
【0056】
図9には、図6のステップS11の画像切り抜き処理のフローチャートを示す。
【0057】
この画像切り抜き処理は、記録媒体21の画像エリア211に格納されている動画像から切抜動画像を作成して、切り抜き画像エリア212に格納していく処理である。
【0058】
モードフラグ“MF”が“4”に書き換えられて画像切り抜き処理に移行すると、先ず、CPU10は、記録媒体21の画像エリア211のエリア番号を表わす変数“G”に初期値をセットし(ステップS51)、画像エリア211の画像(G)を表示部13に表示出力する(ステップS52)。
【0059】
そして、切替スイッチの操作の有無を判別して(ステップS53)、無ければ、動く被写体を切抜対象のオブジェクトとしてユーザに指定させるオブジェクト指定操作の有無を判別する(ステップS56)。その結果、この操作も無ければ、モードスイッチの操作の有無を判別して(ステップS60)、これも無ければステップS52に戻る。すなわち、画像(G)を表示して何も操作がなければ、上記のステップS51,S53,S56,S60のループ処理が繰り返される。
【0060】
このループ処理中に、切替スイッチが操作されると、ステップS53の判別処理で“YES”側に移行して、CPU10は、変数“G”の値を画像数を超えないように1つずらす(S54,S55,S51)。この処理により、画像エリア211に格納されている複数の画像の中から処理対象を一つずつ切り替えていくことができる。そして、再び、ステップS51,S53,S56,S60のループ処理に戻る。
【0061】
このループ処理中、オブジェクト指定操作(例えばカーソル移動による画面座標の指定操作など)が有ると、ステップS56の判別処理で“YES”側へ移行して、画像(G)から指定された動く被写体部分を切り抜いて切抜動画像を作成する画像処理を行う(ステップS57:動画像切抜手段)。そして、切り抜き画像エリア212の空き領域の番号を変数“KG”に代入し(ステップS58)、ステップS57で作成した切抜動画像を切り抜き画像エリア212のKG番目の領域に書き込む(ステップS59)。そして、再び、ステップS51,S53,S56,S60のループ処理に戻る。
【0062】
さらに、このループ処理中、モードスイッチの操作があれば、ステップS60の判別処理で“YES”側へ移行して、モードフラグ“MF”をモードスイッチに応じた値“0〜4”に書き換える(ステップS61)。そして、この画像切り抜き処理を終了する。この書き換えにより、この後のメイン制御処理(図6)で次に選択された動作モードの処理に移行される。
【0063】
なお、上記画像切り抜き処理では、撮影処理で作成された動画の画像データを後から選択して切抜動画像を作成する構成としているが、撮影処理の際に、切抜動画像の作成用に背景のみの映像と背景の前で被写体が動く映像とを撮影させ、同時に、両者の差分から動く被写体のみを切り抜いた切抜動画像を作成するように構成しても良い。
【0064】
図10には、図6のステップS9の編集処理の詳細なフローチャートを示す。
【0065】
この編集処理は、記録媒体21の切り抜き画像エリア212に格納された切抜動画像を、時刻の各桁の値を表わす各数値と対応づけるための処理である。
【0066】
モードフラグ“MF”が“3”に書き換えられて編集処理に移行すると、先ず、CPU10は、時刻の各桁の値を表わす変数“N”に初期値“0”を書き込む(ステップS71)。そして、表示部13に変数“N”の数字を表示出力する(ステップS72)。さらに、切り抜き画像エリア212のエリア番号を示す変数“KG”に初期値を代入し(ステップS73)、表示部13の変数“N”の値の表示近傍に、切り抜き画像エリア212のKG番目の切抜動画像を表示出力する(ステップS74)。
【0067】
その後、決定スイッチの操作の有無を判別し(ステップS75)、無ければ切替スイッチの操作の有無を判別し(ステップS76)、これも無ければモードスイッチの操作の有無を判別する(ステップS84)。さらに、これも無ければステップS75に戻り、何れかの操作が有るまでステップS75,S76,S84のループ処理を繰り返す。
【0068】
このループ処理中に、切替スイッチが操作されると、ステップS76の判別処理で“YES”側へ移行して、切り抜き画像エリア212のエリア番号の変数“KG”を画像数を超えないように一つずらす(ステップS77,S78,S73)。さらに、ステップS74の表示処理で切抜動画像の表示を次のKG番号のものに切り替える。これらの処理により、ユーザが切替スイッチを何度も操作することで、変数“N”の値に対応づける切抜動画像を次々と切り替えていくことができる。そして、再び、ステップS75,S76,S84のループ処理に戻る。
【0069】
また、このループ処理中、決定スイッチが操作されると、ステップS75の判別処理で“YES”側へ移行して、CPU10は、時計画像エリア213のN番目のエリアに変数“KG”の値を記憶させる(ステップS79)。次いで、変数“N”の値を更新し(ステップS80)、表示部13の表示出力をクリアして(ステップS81)、変数“N”の値が最大値“11”を超えずに循環的に更新されるように調整して(ステップS82,S83)、ステップS72に戻る。そして、更新された変数“N”の値の表示(ステップS72)と、0番目の切抜動画像の表示(ステップS73,S74)とを行って、再び、ステップS75,S76,S84のループ処理に戻る。
【0070】
つまり、決定スイッチを操作することで、表示部13に表示されている変数“N”の数値および切抜動画像が対応づけられるとともに、変数“N”が更新されて次の数値への切抜動画像の対応付けの処理に移行するようになっている。
【0071】
また、上記のステップS75,S76,S84のループ処理中、モードスイッチが操作されると、ステップS84の判別処理で“YES”側へ移行して、CPU10は、モードフラグ“MF”をモードスイッチに応じた値“0〜4”に書き換えて(ステップS85)、この編集処理を終了する。そして、この後のメイン制御処理(図6)で次に選択された動作モードの処理に移行される。
【0072】
図11には、図6のステップS5の時計表示処理の詳細なフローチャートを示す。
【0073】
時計表示処理は、時計部17の計時データに従って、表示部13に図5(a)のような時刻の動画表示、或いは、図5(b)のような時刻のデジタル表示を行うものである。
【0074】
モードフラグ“MF”が“1”に書き換えられて時刻表示処理に移行すると、先ず、CPU10は、時計部17より計時データを取得する(ステップS91)。そして、時刻の時桁、10分桁、1分桁の値をそれぞれ変数“H,M,N”に代入する(ステップS92)。
【0075】
次に、動画表示フラグ“AF”の値を確認して(ステップS93)、“1”であれば時計画像エリア213から変数“H,M,N”に対応する切抜動画像の番号を読み出して変数“KG1,KG2,KG3”に代入する(ステップS94:時刻表示制御手段)。そして、表示部13の時桁の表示領域41(図5参照)に切り抜き画像エリア212のKG1番目の切抜動画像を表示し、10分桁の表示領域42にKG2番目の切抜動画像を表示し、1分桁の表示領域43にKG3番目の切抜動画像を表示する(ステップS95:時刻表示制御手段)。そして、次に進む。
【0076】
一方、ステップS93の判別処理で動画表示フラグ“AF”の値が“1”以外であると判別されたら、CPU10は、変数“H,M,N”の値に従って表示部13の表示領域41〜43にデジタル表示用の数字画像を表示する(ステップS96)。そして、次に進む。
【0077】
つまり、上記ステップS93〜S96の処理により、動画表示フラグ“AF”の値に応じて時刻の動画表示又はデジタル表示が実行される。
【0078】
時刻の表示を行って次に進んだら、続いて、CPU10は、時計切替スイッチの操作の有無を判別し(ステップS97)、操作が有れば、動画表示フラグ“AF”の値を反転させる(ステップS98)。一方、操作が無ければ、そのまま次に進む。次いで、CPU10は、モードスイッチの操作の有無を判別し(ステップS99)、操作が無ければ、時刻の更新に遅れない程度の時間だけ待機処理を行って(ステップS100)、ステップS91に戻る。それにより、ステップS91からの処理が繰り返されて、時計部17の計時データに従って動画表示又は通常のデジタル表示により時刻が表示されていく。
【0079】
一方、モードスイッチが操作されていれば、ステップS99の判別処理で“YES”側へ移行して、モードフラグ“MF”をモードスイッチに応じた値“0〜4”に書き換え(ステップS101)、この時計表示処理を終了する。そして、この後のメイン制御処理(図6)で次に選択された動作モードの処理に移行される。
【0080】
以上のような制御処理により、上述したようなデジタル写真立て、デジタルカメラ、デジタル時計としての各機能、ならびに、時刻の動画表示に必要な設定処理が実現される。
【0081】
以上のように、この実施形態のフォトフレーム1によれば、記録媒体21に格納された切抜動画像を時刻の各桁を表わす数字と対応づけて、切抜動画像により時刻を表示することができるので、躍動感のある興趣性に富んだ時計を提供することができる。
【0082】
また、フォトフレーム1に、動画像の撮影機能、および、動画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像を作成する機能が備わっているので、フォトフレーム1のみで時刻表示に使用する切抜動画像の作成まで行うことができる。
【0083】
また、切抜動画像は、静止画と重ねて表示することで、この静止画内で被写体が動作しているような画像表示を行うことができる。従って、静止画の表示上に切抜動画像による時刻表示を重ねて行うことで、興趣性に非常に富んだ写真立ておよび時計の機能を実現できる。
【0084】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では、フォトフレーム1自体に撮影機能と切抜動画像の作成機能とを付加した形態を示したが、これらの機能を省くこともできる。その場合、例えば、デジタルカメラ等で撮影し作成した切抜動画像を記録媒体21の切り抜き画像エリア212に記憶させ、この記録媒体21をフォトフレーム1に装着するようにすれば良い。
【0085】
また、上記実施形態では、編集処理によって、ユーザが表示部13の画面を見ながら時刻の数字と切抜動画像との対応づけを行うようにしているが、その他の方式によりこの対応付けを行えるようにしても良い。例えば、記録媒体21に時刻の各数字に対応する領域或いはフォルダを設けて、そこに切抜動画像を格納することで、これらが対応付けられるようにしても良い。また、時刻の各数字と切抜動画像とのファイル名とを対応づけるデータテーブルを設けて、このデータテーブルにより両者の対応付けが行われるようにしても良い。このように構成した場合、ユーザは、切抜動画像の格納先やファイル名を変更することで、所望の切抜動画像を時刻の各数字に対応づけることができる。
【0086】
また、上記実施形態では、時刻の10秒桁や1秒桁は表示しないようにしているが、これらも同様に表示するようにしても良い。また、時刻の10時桁と1時桁を分離して切抜動画像により表示するようにしても良い。また、時刻だけでなく、年月日、曜日、天気情報なども同様に切抜動画像で表示するようにしても良い。天気情報は、通信回線を介して外部サーバからダウンロードして取得するように構成することができる。その他、実施形態で示した細部等は発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 フォトフレーム
10 CPU
11 プログラムROM
12 ワークRAM
13 表示部
13A 表示パネル
14 カメラ部(撮影手段)
15 スイッチ部
16 I/F部
17 時計部
19 バス
21 記録媒体(記憶手段)
211 画像エリア
212 切り抜き画像エリア
213 時計画像エリア(対応付け手段)
41 時桁の表示領域
42 10分桁の表示領域
43 1分桁の表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示を行う表示部と、
計時を行う時計部と、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像のデータを複数記憶可能な記憶手段と、
時刻の各桁の値を表わす複数の数値と前記記憶手段に記憶される複数の前記切抜動画像とを対応づける対応付け手段と、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御手段と、
を備えていることを特徴とする時刻表示装置。
【請求項2】
撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜手段と、
を備え、
前記動画像切抜手段により作成された前記切抜動画像が前記記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項1記載の時刻表示装置。
【請求項3】
画像表示を行う表示部と計時を行う時計部とを用いて時刻を表示する時刻表示方法において、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像を時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づける対応付けステップと、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする時刻表示方法。
【請求項4】
撮影手段を用いて撮影を行う撮影ステップと、
前記撮影ステップにより撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜ステップと、
を含み、
前記動画像切抜ステップにより作成された前記切抜動画像が前記対応付けステップにより時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づけられることを特徴とする請求項3記載の時刻表示方法。
【請求項5】
画像表示を行う表示部と計時を行う計時部と接続されたコンピュータに、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像を時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づける対応付け機能と、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
さらに、
撮影手段を用いて撮影を行う撮影機能と、
前記撮影機能により撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜機能と、
を実現させ、
前記動画像切抜機能により作成された前記切抜動画像が前記対応付け機能により時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づけられることを特徴とする請求項5記載のプログラム。
【請求項1】
画像表示を行う表示部と、
計時を行う時計部と、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像のデータを複数記憶可能な記憶手段と、
時刻の各桁の値を表わす複数の数値と前記記憶手段に記憶される複数の前記切抜動画像とを対応づける対応付け手段と、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御手段と、
を備えていることを特徴とする時刻表示装置。
【請求項2】
撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜手段と、
を備え、
前記動画像切抜手段により作成された前記切抜動画像が前記記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項1記載の時刻表示装置。
【請求項3】
画像表示を行う表示部と計時を行う時計部とを用いて時刻を表示する時刻表示方法において、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像を時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づける対応付けステップと、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする時刻表示方法。
【請求項4】
撮影手段を用いて撮影を行う撮影ステップと、
前記撮影ステップにより撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜ステップと、
を含み、
前記動画像切抜ステップにより作成された前記切抜動画像が前記対応付けステップにより時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づけられることを特徴とする請求項3記載の時刻表示方法。
【請求項5】
画像表示を行う表示部と計時を行う計時部と接続されたコンピュータに、
連続画像から動く被写体部分を切り抜いてなる切抜動画像を時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づける対応付け機能と、
前記時計部の計時値に従って前記表示部の所定位置に時刻の各桁の値を表示することで時刻を表示するとともに、前記各桁の値を当該値に対応付けられている前記切抜動画像により表示する時刻表示制御機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
さらに、
撮影手段を用いて撮影を行う撮影機能と、
前記撮影機能により撮影された連続画像から動く被写体部分を切り抜いて前記切抜動画像を作成する動画像切抜機能と、
を実現させ、
前記動画像切抜機能により作成された前記切抜動画像が前記対応付け機能により時刻の各桁の値を表わす各数値に対応づけられることを特徴とする請求項5記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−93270(P2012−93270A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241709(P2010−241709)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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