説明

時間表示手段を備えるデバイス

本発明は、ユーザによる開始動作が行なわれた時点以降の経過時間に応じて一つ以上の制御動作を実行する機能を備えたタイマーデバイスに関する。タイマーデバイスは2つの状態の間で動作する接触手段と、タイマー手段と、第1及び第2タイムスタンプを保存する手段とを備える。デバイスは、更に、接触手段が第1状態と第2状態の間で動作するのに応じて第1タイムスタンプを設定し、第2状態と第1状態との間で動作するのに応じて第2タイムスタンプを設定し、これらの2つのタイムスタンプ間の経過時間を計算し、経過時間を事前に設定した時間値と比較し、経過時間が事前に設定した時間値よりも長い場合に制御動作を実行する制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
技術分野
本発明は、ユーザによる開始動作が行なわれた時点以降の経過時間に応じて一つ以上の制御動作を実行する機能を備える表示デバイスに関する。例示的実施形態では、表示デバイスを、ユーザによる開始動作を実行する機能を備えるデバイスでの使用、特にインスリンのような活性物質の所定量をユーザに投与するような医療用注入器での使用に適合させる。
【0002】
背景技術
自分で薬剤を頻繁に注入する必要のある糖尿病患者のような患者にとって、いつ注入を行なうべきか、又はいつ直近の注入が行なわれたかを整理することが必要である。この情報は、正確な時間情報、例えば次の注入を5時00分に行なう必要がある、又は直近の注入が3時00分に行なわれた、といった正確な時間情報の形を採ることができるか、或いは、例えば次の注入を3時45分後に行なう必要がある、又は直近の注入が2時30分前に行なわれたといった、動的タイマー機能又はストップウォッチ機能といった形で提供することができる。
【0003】
患者がこのようなデバイスを使用して一日に何度もインスリンのような薬剤を注入するときに有用な情報を患者に提供する多くのデバイスが開示されている。
【0004】
EP87491(Gunter Petzによる)は、インスリンの薬瓶用の保存容器及び注射器を備えるキットを開示しており、このキットには直近の注入時間を手動で設定することができるタイマーデバイスが設けられている。更に、次の注入時刻を設定することができ、タイミングデバイスが次の注入時刻になると警報を発するアラームクロックとして機能する。しかしながら、人が異なる時間帯に短時間で移動することができ、これらの時間帯の時刻が夏時間から冬時間にシフトする世界では、時刻基準が不確定になることがある。このような場合にはカウントダウンの方が適するが、アラームが鳴ったときに即座に注入を行なう準備ができていない限り、例えばアラームがどの位の時間に亘るように設定されており、アラームが鳴ってから注入が実際に行なわれるまでどの位の時間が経過したかなど、新たに処理する時間が生じるという問題がある。
【0005】
DE3824217(Pavel Hanclによる)は、注入作動手段に接続されるタイマー兼制御手段を備える注入器、すなわちデバイスの各作動時間、従って通常の注入時間の正確な時間が自動的にタイマー兼制御手段によって捕捉され、メモリに記憶される注入器を開示している。作動(注入)する度に、注入薬剤量をタイムスタンプと一緒に、ログブックなどに、例えば5単位の所定インスリンが4時38分に注入された、と記録される。デバイスは、このような多くのログブックデータセットを記憶させ、次にログブックデータセットを患者又は付き添いの医療スタッフが取り出すことができるように設計されている。デバイスを動作させて、既に行なわれた個々の注入からの経過時間を示すこともできる。これらの特徴に加えて、DE3824217は、EP87491が開示しているタイマー、ストップウォッチ、及びアラーム手段を開示している。
【0006】
米国特許第6248090号(本出願人に譲渡)は、投与量設定機構、設定投与量の薬剤を注入するための注入動作を実行できるボタン、注入開始時又は注入完了時、或いは注入開始時又は注入完了時の間の或る時間に動作し、電子タイマー手段を動作させるスイッチを有する注入器を開示している。開示されている実施形態では、直近の投与量が記憶され、ストップウォッチがリセットされて、スイッチを動作させるとスタートし、更にデバイスは、例えばピクトグラムの形で各々が所定時間を表わす一つ以上のセグメントを表示する等してユーザに対して直近のリセット以降の経過時間を表示する手段を備えている。このように、ストップウォッチはスイッチが直近に動作してからの、すなわち直近の作動(注入)からの経過時間(例えば、1時間がLCDディスプレイの1セグメントで表わされる形式で経過時間数が示される)をカウントするので、ユーザは直近の注入以降の経過時間及びこの直近の注入量を目視確認することができる。このようにして、ユーザはこれらのパラメータに関して次の投与を設定することができる。
【0007】
上の記載から分かるように、ユーザが行なった特定の注入動作に関する時間情報をユーザに提供するデバイスについて説明してきた。これらのデバイスでは、投与量設定兼注入機構を、所望情報を提供するために必要な電子制御手段、クロック手段、及び表示手段と一体的に形成するので、デバイスは、再利用可能な、又は耐久性のあるデバイスとして使用するのに最も適する比較的高価なデバイス、例えば薬剤を補充することができるプレフィルドカートリッジのようなデバイスとなる。
【0008】
しかしながら、多くのユーザは、本出願人が製造販売するFlex Pen(登録商標)のような使い捨てのプレフィルド注入器の使用を好む。そのような使い捨てデバイスはコスト効率良く製造する必要があるため、電子制御手段及び表示手段は通常組み込まれない。
【0009】
従って、使い捨て(又は単純な)デバイスのユーザが、高価な(通常耐久性のある)デバイスが提供するものと同じ機能、例えば薬剤投与デバイスが直近に作動した時間に関する情報を提供し、ユーザがそのような情報を自分で行なう注入に関連付けることができる時間表示手段を享受できることが望ましい。
【0010】
課題を解決するための手段
本発明は、使い捨てデバイスに接続されるように設計した耐久性の良い制御デバイスによってユーザにとって高度に使い易い環境を実現させることを目的としており、この耐久性の良いデバイスは、2つのデバイスが互いに対して接続されるか、又は互いから切断されるときに実行される単純な記録に基づいて推定及び/又は提案を行なう。この点で、使い捨てデバイスは単にこれらの記録を行なう接触作動手段として機能する。
【0011】
上の記述だけでなく以下の記述においても、薬剤注入器、特にインスリン注入器について説明するが、本発明は、同様な使用状況により同様な問題が生じる他のどのような技術分野にも使用することができる。
【0012】
第1の態様では、本発明は、一のイベントが記録された時点以降の経過時間により、発生した出来事を示す、というコンセプトに基づく。同様に、デバイスには、行なわれた時間記録に従って「決定を行なう」又は「質問を行なう」制御手段が設けられる。
【0013】
更に詳細には、本発明の第1の態様に従ってタイマーデバイスが提供される。このタイマーデバイスは、第1状態と第2状態との間で動作する接触手段、タイマー手段、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプと第1期間値の保存手段、及び、接触手段が第1状態と第2状態との間で動作するのに応じて第1タイムスタンプを設定し、接触手段が第2状態と第1状態との間で動作するのに応じて第2タイムスタンプを設定し、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプとの間の経過時間を計算し、経過時間を第1期間値と比較し、且つ経過時間が第1期間値よりも長い場合に第1制御動作を実行する制御手段とを備えている。
【0014】
時間手段は通常、単一の集積回路(IC)の形で制御手段と一体的に設けられる水晶制御クロックデバイスであり、この集積回路は、実行プログラム命令を記憶するROMメモリだけでなく、異なるタイムスタンプを記憶するRAMメモリも含む。時間手段は普通のリアルタイムクロックとして動作することが好ましく、タイムスタンプは時点として保存されるが、第1タイムスタンプは「ゼロ」に設定することもでき、この場合第2スタンプは第1タイムスタンプ以降の経過時間を直接示す。接触手段は簡単なオン/オフ手段の形で設けることができるので、第1状態は「オン」状態を表わし、第2状態は「オフ」状態を表わし、例えば「オン」状態は2つのデバイス部分が所定の方法で組み合わされている状態を、「オフ」状態は2つのデバイス部分が互いから分離されている状態を表わすことができる。接触手段は、2つの個々の接触を使用して接触手段を第1状態と第2状態との間で動作させるシステムの形でも設けることができる。
【0015】
上述のように、制御手段は、第1時間状態になった場合、すなわち所定時間が経過した場合に制御動作を実行する。この制御動作は望ましいものであればどのような動作とすることができ、例えばストップウォッチのリセット及びスタート、タイムスタンプの設定、情報の送信、又はアラームを鳴らすなどの機能の実行などとすることができる。
【0016】
上述の説明のように、実行する動作は実際に行なわれるイベントに基づくものとする。例えば2つのデバイス部分が所定時間に亘り切り離されると、薬剤の注入等、それに対応する動作をユーザが実行する(又は実行しない)。2つのデバイス部分が非常に短い時間の間だけ切り離された場合、例えばうっかりして、又はデバイスで「いじって」いるとき等には、ユーザは動作を全く実行しないと推定されるので、それに応じた制御動作は全く行なわれない。これとは反対に、2つのデバイス部分が長期間に亘って切り離された場合には、ユーザが動作を実行すると推定されるので、それに応じて制御動作が行なわれるが、ユーザが全く動作を実行しない場合には、タイマーデバイスが第1制御動作を取り消す第1作動手段を含むことが好ましい。明らかであるが、第3タイムスタンプが保存されると、このタイムスタンプはユーザが最後に行なった注入の時点と見なすことができ、一方第1タイムスタンプ及び第2タイムスタンプを使用して制御動作を実行すべきかどうかを判断する。有利には、タイマーデバイスに、一つ以上のタイムスタンプを表示する及び/又は第3タイムスタンプ以降の経過時間を示す表示手段を設ける。
【0017】
好適な実施形態では、タイマーデバイスは更に第2期間値を保存する手段を備え、制御手段はさらに、経過時間を第2期間値と比較し、経過時間が第2期間値よりも長い場合に第2制御動作を実行するように設計される。
【0018】
この追加の構成により、タイマーデバイスは「異常」状態を正しく識別するように設計することができる。異常状態とは、例えばこれらの2つの部分が何らかの拍子で離れてしまった(例えば、バッグ又はポケットの中で持ち運んでいるときに)、又はユーザが注入の準備をするために2つの部分を離したが、予定の動作を実行している状況で、又は予定の動作を実行していない状況で注入が中断した(例えば電話によって)場合等、上述の2つのデバイス部分が「長」期間に亘って切り離された状態である。この場合、第2制御動作は、アラームを作動させてユーザに「異常」状態が生じていることを警告する、又は所定の投与計画に従ってタイムフラグを設定する、という形にすることができる。
【0019】
好適にはタイマーデバイスは更に、第2制御動作を取り消すか又は確認する第1作動手段に加えて第2作動手段も備えるので、第2制御動作によって第3タイムスタンプを第2タイムスタンプと置き換えるか、又は第2作動手段の作動に応答して第1タイムスタンプと置き換えるか、或いはこれらの逆の動作を実行することができる。
【0020】
これらの追加の構成によって、ユーザはどのような制御動作も取り消すことができるので、タイマーデバイスを、最後の分離が行なわれる前の状態、例えば2つの部分が何らかの拍子でポケットの中で離れてしまう前の状態にリセットすることができ、或いはユーザはデバイスの状態を「切り替える」ことによって、2つの部分が離れたときに動作(例えば薬剤注入)が実際に実行された(例えば分離後ユーザが2つの部分を再び互いに装着しないまま電話に出た)、又は2つの部分を再び互いに装着する直前に動作が実行された(例えばユーザが電話の会話を終えて、電話が鳴ったときに開始した動作を再開した)ことを通知することができる。
【0021】
第1作動手段を使用する確認が要求される場合、第2作動手段を使用して異なるタイムスタンプの間でスタンプを切り替えることができ、切り替えの後、デバイスをリセットする前にスタンプの確認を行なう必要がある。
【0022】
上述の実施形態は、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプの間の経過時間を計算し、この計算によって上に概略を説明した多くの異なる動作を実行するための基礎を提供する、という原理に基づいているが、二重作動、すなわち「バウンス(bounce)」を防止するためのキーボード又は簡単な接触手段等を用いる原理を使用して、本発明の基本コンセプトを実行することも可能である。
【0023】
更に詳細には、このような別の構成の場合には、第1状態と第2状態との間で動作する接触手段、タイマー手段、期間値を保存する手段、並びに、接触手段が第1状態と第2状態との間で動作するのに応じてタイマーをスタートさせ、タイマーが期間値に達する前に、接触手段が第2状態と第1状態との間で動作するのに応じてタイマーを停止及びリセットし、又はタイマーが期間値に達したときに第1制御動作を実行するように設計された制御手段を備える。
【0024】
好適な実施形態では、タイマーデバイスは自己処置の医療用に患者が使用するデバイスに組み込まれる。このデバイスは、薬剤注入のような動作を実行する第1デバイス部分、及び上述したタイマーデバイスを含む第2デバイス部分を備え、第1及び第2デバイス部分は、第1及び第2デバイス部分を取り外し可能に組み立てて単一の携帯ユニットを形成する相互連結手段を有し、接触手段は第1及び第2デバイス部分が互いから離れるときに第1状態と第2状態との間で動作し、また接触手段は第1及び第2デバイス部分が互いに対して取り付けられるときに第2状態と第1状態との間で動作する。
【0025】
更に別の好適な実施形態では、第1デバイス部分は、薬剤を収容し、その先端部に貯蔵部の内部と流体連通する注射針が装着される貯蔵部、ユーザが薬剤の所望投与量を設定できる投与量設定手段、及び設定投与量に従って貯蔵部から薬剤を排出する駆動手段を備え、第2デバイス部分は、第1及び第2デバイス部分が互いに対して取り付けられるときに先端部を覆うように設計されたキャップの形態である。
【0026】
本発明の目的は、使い捨てデバイス(例えば使い捨てのプレフィル型薬剤注入器)と組み合わせて使用することができるように設計したタイマーデバイスを提供することにあるので、タイマーデバイスは、所定の使い捨てデバイスと組み合わせて使用することができるように設計した装置の任意の部品として提供されると考えることができる。
【0027】
従って更に別の好適な実施形態では、開放端及び医療機器を収納できるように設計した内部を有するキャップが設けられ、キャップはさらに上述のタイマーデバイスを含み、接触手段はキャップと医療機器が互いから取り外されるときに第1状態と第2状態との間で動作し、また接触手段は医療機器がキャップ内部に収納されるときに第2状態と第1状態との間で動作することができる。
【0028】
明らかなように、上に定義したキャップの機能構成は、本発明のこの態様の一部を形成しないデバイスとの連動を必要とするが、本技術分野の当業者であれば、上記機能に適合された接触手段を容易に認識できると考えられる。
【0029】
有利には、タイマーデバイスを一つ以上の追加の電子デバイスと組み合わせるか、又は一体的に形成することにより、電子制御兼記憶手段、表示手段及び作動手段のような部品を共有することができる。特定の好適な実施形態では、タイマーデバイス、例えば血糖値モニター(BGM)デバイスと組み合わせた体液分析装置が提供される。
【0030】
本発明の第2の態様では、自己処置の医療用に患者が使用するシステムが提供され、このシステムは、薬剤注入のような動作を実行するユーザ操作によるデバイス部分と、少なくとも第1キャップ及び第2キャップとを備え、これらのキャップの各々及びユーザ操作によるデバイス部分は、第1及び第2デバイス部分を取り外し可能に組み立てて単一の携帯ユニットを形成する相互連結手段を有し、第1キャップは上述のタイマーデバイスを備え、接触手段は、第1キャップとユーザ操作によるデバイス部分が互いから離れるとき、及び互いに対して再び取り付けられるときに動作する。
【0031】
好適な実施形態では、第2キャップ及び/又はユーザ操作によるデバイス部分は電子手段を含まない、例えばユーザ操作によるデバイス部分は、任意の耐久性キャップとして提供される、タイマーデバイスを有する第1キャップを備えた使い捨てユニットとして販売される。
【0032】
また、本発明に関する上記開示から明らかなように、本出願に関して「タイマーデバイス」という用語を使用する場合、この用語は単に、時間に基づく機能が提供されていること、すなわちタイミング機能が、一つ以上の記録時点、又はストップウォッチのように或る時点から数え上げる、又はカウントダウンするタイマーの形式であることを意味する。所定のタイムスタンプを別のタイムスタンプで置き換えるという場合、これは、この別のタイムスタンプの「派生物」を含むことを意味する。例えば、何らかの理由により、タイムスタンプを置き換える前に別のタイムスタンプに所定時間を加算する、又は減算することが望ましい場合である。
【0033】
本明細書で使用する「薬物」又は「薬剤」という用語は、中空針のような投与手段により制御された状態で通過できる薬剤を含有する流動性の薬物であって、例えば液体、溶液、ゲル、又は微細懸濁液などである。基本的に本発明に使用できる液体薬剤のタイプに制限は無いが、被検者に本発明の注入器具を使用して自動で投与を行なうのに適さない液体薬剤は除く。代表的な薬剤としては、ペプチド、タンパク質、及びホルモンが挙げられる。好適な実施形態の記述において、インスリンの使用について記載する。従って、「皮下」注入という用語は、被検者に対する注入法の全てを含むものとする。
【実施例】
【0034】
以下に、添付図を参照しながら本発明について更に記載する。
【0035】
図1Aは、「ペン」デバイス又は「投与器」デバイスとしても知られるデバイスのような、患者による自己医療に使用される注入器を示している。
【0036】
注入器は、薬剤の皮下注入を行なう「投与器」型の第1デバイス部分10、及び投与器の上に取り付けられるように構成されたキャップ型の第2デバイス部分20を備える。投与器は、薬剤を収容し、先端に貯蔵部の内部と流体連通する注入針12が設けられた貯蔵部11、ユーザによる注入薬剤の所望投与量の設定を可能にする投与量設定機構(図示せず)、及び設定投与量に従って貯蔵部から薬剤を排出する駆動手段(例えば図示しないプッシュボタン)を備える。
【0037】
キャップは、投与器を受け入れる先端開口21を有する内部空間を備え(図1B参照)、内部空間に開口を画定する先端方向を向く周縁部は切欠き部を備え、この切欠き部があることにより投与器を掴み、引っ張り出すことができる。キャップは、LCDディスプレイ24と第1及び第2作動手段25、26とが設けられたユーザ方向に向く表面23を備える。ディスプレイは、第1時点を表示する第1表示手段27及び第2時点を表示する第2表示手段28に加え、さらに別の情報(以下に詳術する)を表示する第3表示手段29を備える。
【0038】
キャップ及び投与器には、2つのデバイス部を取り外し可能に組み立てて単一携帯ユニットを形成する相互連結手段が設けられる。キャップは、第1及び第2デバイス部分が互から取り外されるときに第1状態と第2状態との間で動作し、且つ第1及び第2デバイス部分が互いに対して取り付けられるときに第2状態と第1状態との間で動作する接触手段を備える。図示の実施形態では、接触手段はキャップキャビティ内に配置され、投与器の表面部分によって作動する。接触手段は、マイクロスイッチのような所望の性質を有しても、又は光電子手段又は磁気電子手段に基づくものでもよい。好適には、接触手段は、投与器が引き出されるか、又はキャップ内部に挿入されると直ぐに動作する。
【0039】
キャップは更に、所望機能を実行する多くの超小型電子部品を備える。図8に模式的に示すように、キャリア30には、タイマー兼クロック機能も実行する処理兼制御ユニット31、メモリ32、ディスプレイ33、並びにエネルギー供給源(図示せず)も設けられる。処理兼制御ユニットへの入力は、接触手段35(例えばマイクロスイッチ)及び作動手段36(例えば一つ以上のユーザ操作ボタン)を通して行なわれる。
【0040】
図1A〜1Cを参照し、第1の使用状況を説明する。投与器10がキャップ20から取り外されると、現在時間が第1表示手段によって表示される(図1A)。投与器が、メモリ32に保存される第1期間値に対応する所定期間(例えば12秒)が経過する前に再挿入されると、直近のユーザタイムスタンプが第2表示手段によって表示される。ユーザタイムスタンプ(内部的には、冒頭部分に記載した第3タイムスタンプとして表示してもよい)は、最後の注入が行なわれたと見做される時点、すなわち「注入目的」でキャップが取り外された直近時間に対応し、「CAP OFF」の表示が行なわれる。所定のタイムアウト期間(例えば30秒)の後、ディスプレイがオフになる。つまり、第1の使用状況は、短期間経過後にユーザがキャップを取り外すべきではなかったと考えたか、又はユーザが単にキャップをいじる、例えばボールペンの芯出し機構を使って遊ぶような時の状況に対応する。
【0041】
図2A〜2Dを参照し、第2の使用状況を説明する。投与器10がキャップ20から取り外されると、現在時間が第1表示手段27によって表示される(図2A)。投与器が所定期間(例えば4分、従って第1期間値に対応する12秒よりも長い時間)後に再挿入されると、薬剤の注入が行なわれたものと推定して、第2表示手段28がキャップの取り外された時点(19時54分)を表示する。図から分かるように、第1表示手段は実行時間を表示する。ユーザタイムスタンプが自動的にリセットされることを通知するために、第2表示手段は所定期間(例えば15秒)に亘って点滅し(図2B)、その後点滅を中止してユーザタイムスタンプがリセットされたことを通知する(図2C)。所定のタイムアウト期間(例えば30秒)の後、ディスプレイがオフする。つまり、第2の使用状況は、ユーザが注入を行なうために数分間に亘ってキャップを取り外した「正常」状況に対応する。
【0042】
図3A〜3Dを参照し、第3の使用状況を説明する。投与器10がキャップ20から取り外されると、現在時間が同じように第1表示手段27によって表示される(図3A)。投与器が所定期間(例えば4分、従って第1期間値に対応する12秒よりも長い時間)後に再挿入されると、薬剤の注入が行なわれたものと推定して、第2表示手段28がキャップの取り外された時点(19時54分)を表示する。ユーザタイムスタンプが自動的にリセットされることを通知するために、第2表示手段は所定期間(例えば15秒)に亘って点滅する(図3B)。しかしながら、注入が行なわれなかった場合(例えば、ユーザが新規の針の装着位置を間違った場合)、ユーザは「キャンセル」ボタン25、すなわち第1作動手段を押すことによりリセット動作を取り消し、その結果、ディスプレイに直近のユーザタイムスタンプが現れる(図3C)。所定のタイムアウト期間(例えば30秒)の後、ディスプレイがオフする。つまり、第3の使用状況は、ユーザが何らかの理由により一度開始した注入動作を完了しなかった「中止」状況に対応する。
【0043】
インスリンが過剰に投与されて低血糖症の危険に陥るようなことが決して生じないようにするために、注入が実際に可能なとき、すなわちキャップが12秒以上に亘って外されていたときに注入が行なわれたと推定できるように上述のタイマーデバイスを設定する。自動リセット動作の取り消しにはユーザによる能動的動作が必要なので、過剰投与の危険が小さくなる。
【0044】
しかしながら、例えば成長ホルモン(GH)で治療中の場合などに、投与不足を防ぐ場合、注入が実際に可能であった場合、すなわちキャップが12秒以上に亘って外されていた場合でも注入が行なわれなかったと推定できるようにタイマーデバイスを設定することができる。ディスプレイはリセット時刻を依然として点滅させるが、この場合はリセット動作にはユーザによる能動的な「確認」動作が必要であり、そうしない限りタイマーはリセットされず、ユーザタイムスタンプは12時38分のままであるので、投与不足の危険が小さくなる。
【0045】
上述の3つの使用の状況を図4にまとめることができ、この図は2つの「動作」、即ち「12秒」の時間値に従ってタイマーデバイスが行なう第1動作51、及びユーザがタイマーデバイスを使用してそれぞれ行なうリセット又は取り消しの第2動作52を示している。図から分かるように、第1の使用状況は経路60、第2の使用状況は経路61、62、及び第3の使用状況は経路61、63に対応する。
【0046】
次に、本発明の一実施形態に対応する更に2つの使用状況について説明する。この実施形態は第2期間値を保存する手段を備えており、制御手段は、更に、経過時間を第2期間値と比較し、且つ第2作動手段と連動するように設計されている。
【0047】
図5A〜5Dを参照し、第4の使用状況を説明する。投与器10がキャップ20から取り外されると、現在時間が第1表示手段27によって表示される(図5A)。投与器が比較的長い期間(例えば73分、従って第2期間値に対応する30分よりも長い時間)後に再挿入されると、薬剤の注入が投与器の再挿入直前に行われたものと推定して、第2表示手段28がキャップの取り付けられた時点(21時07分)を示し、「CAP ON」の表示が行なわれる。ユーザタイムスタンプが自動的にリセットされることを通知するために、第2表示手段は所定期間(例えば15秒)に渡って点滅する(図5B)。しかしながら、キャップが取り外された直後に注入が行なわれた場合(例えば、ユーザが電話に出たことにより投与器の再挿入を忘れてしまった場合)は、第5の使用状況に対応し、ユーザは「セレクタ」ボタン26、すなわち第2作動手段を押すことによりリセット動作を切り替えることができ、その結果、ディスプレイに19時54分の「CAP OFF」タイムスタンプが現れる(図5C)。所定のタイムアウト期間(例えば30秒)の後、ディスプレイがオフになる。つまり、第4の使用状況は、ユーザが何らかの理由によりキャップをかなり長い期間に亘って放置しておいたがキャップの取り外し期間の最初又は最後のいずれかに注入を行なった「装着忘れ」状況に対応する。
【0048】
図5Bの状況で注入が行なわれなかった場合は、第6の使用状況(例えばデバイスをバッグに入れて携行しているときにキャップが落ちてしまった場合)に対応し、ユーザは「取り消し」ボタン25、すなわち第1作動手段を押すことによりリセット動作を取り消すことができ、その結果、ディスプレイに直近のユーザタイムスタンプが現れる、すなわち現在時間が第1表示手段が表示する21時07分になり、ユーザタイムスタンプが第2表示手段によって12時38分になる状況が生じる。つまり、第6の使用状況は、キャップが投与器から外れていることにユーザが気付く「脱落」状況に対応する。
【0049】
インスリンが過剰に投与されて低血糖症の危険に陥るようなことが決して生じないようにするために、注入が可能な限り遅く行なわれた、すなわち投与器が73分後にキャップに挿入されたと推定できるように上述のタイマーデバイスを設定する。自動リセット動作の取り消し、又は切り替えにはユーザによる能動的動作が必要なので、過剰投与の危険が小さくなる。
【0050】
しかしながら、例えば成長ホルモン(GH)で治療中の場合等、投与不足を防ぐ必要がある場合、(i)実際には可能であったが注入は行なわれなかったと推定できるようにするか、又は(ii)注入が可能な限り早く行なわれた、すなわち投与器が73分前にキャップから取り外されたと推定できるようにタイマーデバイスを設定する。ディスプレイは21時07分の「cap−on」リセット時刻を依然として点滅させるが、この場合、リセット動作にはユーザによる能動的な「確認」動作が必要であり、そうしない限りタイマーをリセットすることができず、ユーザタイムスタンプは12時38分のままとなる。キャップが取り外されたときに注入が行なわれた場合には、ユーザはセレクタボタンを作動させて19時54分を点滅させることにより、この時刻を確認することができる。このようにして投与不足の危険が小さくなる。
【0051】
上述の6つの使用の状況を図6にまとめることができ、この図は5つの「動作」、即ち、「12秒」の時間値に従ってタイマーデバイスが行なう第1動作71、「30分」の時間値に従ってタイマーデバイスが行なう第2動作72、ユーザがタイマーデバイスを使用してリセット又は取り消しをそれぞれ行なう第3動作73、ユーザがタイマーデバイスを使用してリセット又は取り消しをそれぞれ行なう第4動作74、及びキャップ装着(cap−on)時刻又はキャップ取り外し(cap−off)時刻に従ってリセットを行なう第5動作75を示す。
【0052】
図から分かるように、第1の使用状況は経路80、第2の使用状況は経路81、82、83、第3の使用状況は経路81、82、84、第4の使用状況は経路81、85、86、87、第5の使用状況は経路81、85、86、88、第6の使用状況は経路81、85、89に対応する。
【0053】
図7に示すように、キャップ20が投与器10に装着されるときにセレクタボタン26を作動させると、ディスプレイ24が作動し、実際のユーザタイムスタンプ、すなわち直近注入時刻が表示される。
【0054】
上述の実施形態の多くの変形を、請求の範囲に定義する本発明の範囲内で実施することができる。例えば、第1及び第2作動手段を単一のボタンとして設け、短期間の作動動作によって第1タイプの作動を行ない、長期間に亘って持続する作動動作によって第2タイプの作動を行なう。「時点」ユーザタイムスタンプを表示するのに代えて、このタイムスタンプからの経過時間を「ストップウォッチの形態」で表示することができ、この表示は、リアルタイムクロックの形で、又は米国特許第6248090号に開示されているように複数のセグメントを図式で行なうことができる。タイマーデバイスの「インテリジェンス(intelligence)」を更に高めるために、追加の期間値を使用して生起するイベントを予測することができる。制御手段を予めプログラムするか、又はユーザがプログラムすることにより、ユーザが期間値を設定することができ、例えばメモリ手段を用いて日付スタンプに関連付けることもできる多くの近時のタイムスタンプ値(例えばユーザタイムスタンプ)を保存することが可能になる。
【0055】
好適な実施形態についての上記説明では、種々の部品(すなわち、投与量設定、貯蔵部、エネルギー供給源、メモリ、制御手段、ディスプレイなど)に関して説明した機能を実現する手段のような、種々の部品間の機械的及び電気的接触、及び通信を実現する種々の構造について、本発明のコンセプトが当業者読者に明らかになる程度に記載した。種々の構造に関する詳細構成及び仕様は、当業者が本明細書の開示内容に従って実施する普通の設計手順の対象となると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】A〜Cは第1の使用状況に対応する本発明の一実施形態を示す。
【図2】A〜Dは第2の使用状況に対応する本発明の一実施形態を示す。
【図3】A〜Dは第3の使用状況に対応する本発明の一実施形態を示す。
【図4】3つの使用状況を示す第1のフローチャートである。
【図5】A〜Dは第4及び第5の使用状況に対応する本発明の一実施形態を示す。
【図6】6つの使用状況を示す第2のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態を使用する別の使用状況を示す。
【図8】タイマーデバイスの模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 第1状態と第2状態の間で動作する接触手段(35)、
− タイマー手段(31)、
− 第1タイムスタンプ、第2タイムスタンプ、及び第1期間値を保存する手段(32)、並びに
− 接触手段が第1状態と第2状態の間で動作するのに応じて第1タイムスタンプを設定し、接触手段が第2状態と第1状態の間で動作するのに応じて第2タイムスタンプを設定し、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプの間の経過時間を計算し、経過時間を第1期間値と比較し、経過時間が第1期間値よりも長い場合に第1制御動作を実行するように設計された制御手段(31)
を備えるタイマーデバイス。
【請求項2】
− 制御動作に応じてリセットされるように設計されたストップウォッチ手段、及び
− ストップウォッチ手段のリセット以降の経過時間を表示する表示手段(33)
を更に備えた、請求項1記載のタイマーデバイス。
【請求項3】
− 第3タイムスタンプを保存する手段(32)
を更に備え、第1制御動作によって、第1又は第2タイムスタンプ、或いは第1及び/又は第2タイムスタンプに基づいて算出される時間値で第3タイムスタンプを置き換える、請求項1記載のタイマーデバイス。
【請求項4】
第1制御動作を取り消す第1作動手段(36、25)を更に備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタイマーデバイス。
【請求項5】
第1制御動作を確認する第1作動手段(36、25)を更に備え、確認が無い場合に第1制御動作が取り消される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタイマーデバイス。
【請求項6】
− 第2期間値を保存する手段(32)
を更に備え、制御手段が、更に、経過時間を第2期間値と比較し、経過時間が第2期間値よりも長い場合に第2制御動作を実行するように設計されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタイマーデバイス。
【請求項7】
− 第2制御動作を取り消す第1作動手段(25)、及び
− 第2作動手段(26)
を更に備え、第2制御動作によって第3タイムスタンプが第2タイムスタンプと置き換えられるか、又は第2作動手段の作動に応じて第1タイムスタンプと置き換えられる、請求項6記載のタイマーデバイス。
【請求項8】
− 第2制御動作を確認し、確認が無い場合に第2制御動作を取り消す第1作動手段(25)、及び
− 第2作動手段(26)
を更に備え、第2制御動作によって第3タイムスタンプを第2タイムスタンプと置き換えるか、又は第2作動手段の作動に応じて第1タイムスタンプと置き換える、請求項6記載のタイマーデバイス。
【請求項9】
− 第2制御動作を確認し、確認が無い場合に第2制御動作を取り消す第1作動手段(25)、及び
− 第2作動手段(26)
を更に備え、第2制御動作によって第3タイムスタンプを第1タイムスタンプと置き換えるか、又は第2作動手段の作動に応じ第2タイムスタンプと置き換える、請求項6記載のタイマーデバイス。
【請求項10】
− 一つ以上のタイムスタンプを表示する、及び/又は第3タイムスタンプ以降の経過時間を示す表示手段(33、27、28、29)
を更に備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のタイマーデバイス。
【請求項11】
自己治療型医療用に患者が使用するデバイスであって、
− 動作を実行する第1デバイス部分(10)、及び
− 請求項1乃至10のいずれか一項に定義されるタイマーデバイスを備えた第2デバイス部分(20)
を備え、第1及び第2デバイス部分は、第1及び第2デバイス部分を取り外し可能に組み立てて単一の携帯ユニットを形成する相互連結手段を有し、接触手段は、第1及び第2デバイス部分が互いから離れるときに第1状態と第2状態との間で動作し、及び第1及び第2デバイス部分が互いに対して取り付けられるときに第2状態と第1状態との間で動作する、デバイス。
【請求項12】
第1デバイス部分は、事前に設定した投与量の薬剤を患者に投与するための手段を含む、請求項11記載のデバイス。
【請求項13】
第1デバイス部分は、注入針が装着される先端部を更に含み、第2デバイス部分は、第1及び第2デバイス部分が互いに対して取り付けられるときに先端部を覆うように装着可能なキャップの形態であり、好適にはキャップは体液分析器を含む、請求項12記載のデバイス。
【請求項14】
医療機器を収納できるように設計した開放端及び内部空間を有するキャップ(20)であって、医療機器は所定の投与量の薬剤を患者に投与するための手段を含み、キャップは請求項1乃至10のいずれか一項に定義されるタイマーデバイスを含み、接触手段は、キャップと医療機器が互いから取り外されるときに第1状態と第2状態との間で動作することができ、及び医療機器がキャップ内部に収納されるときに第2状態と第1状態との間で動作することができる、キャップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 第1状態と第2状態の間で動作する接触手段(35)、
− タイマー手段(31)、
− 第1タイムスタンプ、第2タイムスタンプ、及び第1期間値を保存する手段(32)、並びに
− 接触手段が第1状態と第2状態の間で動作するのに応じて第1タイムスタンプを設定し、接触手段が第2状態と第1状態の間で動作するのに応じて第2タイムスタンプを設定し、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプの間の経過時間を計算し、経過時間を第1期間値と比較し、経過時間が第1期間値よりも長い場合に第1制御動作を実行するように設計された制御手段(31)
を備えるタイマーデバイス。
【請求項2】
− 制御動作に応じてリセットされるように設計されたストップウォッチ手段、及び
− ストップウォッチ手段のリセット以降の経過時間を表示する表示手段(33)
を更に備えた、請求項1記載のタイマーデバイス。
【請求項3】
− 第3タイムスタンプを保存する手段(32)
を更に備え、第1制御動作によって、第1又は第2タイムスタンプ、或いは第1及び/又は第2タイムスタンプに基づいて算出される時間値で第3タイムスタンプを置き換える、請求項1記載のタイマーデバイス。
【請求項4】
第1制御動作を取り消す第1作動手段(36、25)を更に備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタイマーデバイス。
【請求項5】
第1制御動作を確認する第1作動手段(36、25)を更に備え、確認が無い場合に第1制御動作が取り消される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタイマーデバイス。
【請求項6】
− 第2期間値を保存する手段(32)
を更に備え、制御手段が、更に、経過時間を第2期間値と比較し、経過時間が第2期間値よりも長い場合に第2制御動作を実行するように設計されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタイマーデバイス。
【請求項7】
− 第2制御動作を取り消す第1作動手段(25)、及び
− 第2作動手段(26)
を更に備え、第2制御動作によって第3タイムスタンプが第2タイムスタンプと置き換えられるか、又は第2作動手段の作動に応じて第1タイムスタンプと置き換えられる、請求項6記載のタイマーデバイス。
【請求項8】
− 第2制御動作を確認し、確認が無い場合に第2制御動作を取り消す第1作動手段(25)、及び
− 第2作動手段(26)
を更に備え、第2制御動作によって第3タイムスタンプを第2タイムスタンプと置き換えるか、又は第2作動手段の作動に応じて第1タイムスタンプと置き換える、請求項6記載のタイマーデバイス。
【請求項9】
− 第2制御動作を確認し、確認が無い場合に第2制御動作を取り消す第1作動手段(25)、及び
− 第2作動手段(26)
を更に備え、第2制御動作によって第3タイムスタンプを第1タイムスタンプと置き換えるか、又は第2作動手段の作動に応じ第2タイムスタンプと置き換える、請求項6記載のタイマーデバイス。
【請求項10】
− 一つ以上のタイムスタンプを表示する、及び/又は第3タイムスタンプ以降の経過時間を示す表示手段(33、27、28、29)
を更に備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のタイマーデバイス。
【請求項11】
自己治療型医療用に患者が使用するデバイスであって、
− 動作を実行する第1デバイス部分(10)、及び
− 請求項1乃至10のいずれか一項に定義されるタイマーデバイスを備えた第2デバイス部分(20)
を備え、第1及び第2デバイス部分は、第1及び第2デバイス部分を取り外し可能に組み立てて単一の携帯ユニットを形成する相互連結手段を有し、接触手段は、第1及び第2デバイス部分が互いから離れるときに第1状態と第2状態との間で動作し、及び第1及び第2デバイス部分が互いに対して取り付けられるときに第2状態と第1状態との間で動作する、デバイス。
【請求項12】
第1デバイス部分は、事前に設定した投与量の薬剤を患者に投与するための手段を含む、請求項11記載のデバイス。
【請求項13】
第1デバイス部分は、注入針が装着される先端部を更に含み、第2デバイス部分は、第1及び第2デバイス部分が互いに対して取り付けられるときに先端部を覆うように装着可能なキャップの形態であり、好適にはキャップは体液分析器を含む、請求項12記載のデバイス。
【請求項14】
医療機器を収納できるように設計した開放端及び内部空間を有するキャップ(20)であって、医療機器は所定の投与量の薬剤を患者に投与するための手段を含み、キャップは請求項1乃至10のいずれか一項に定義されるタイマーデバイスを含み、接触手段は、キャップと医療機器が互いから取り外されるときに第1状態と第2状態との間で動作することができ、及び医療機器がキャップ内部に収納されるときに第2状態と第1状態との間で動作することができる、キャップ。
【請求項15】
自己治療型医療用に患者が使用するデバイスであって、
− 所定の投与量の薬剤を患者に投与するための手段を含む第1デバイス部分(10)、及び
− 第2デバイス部分(20)
を備え、第2デバイス部分が、
− 第1状態と第2状態との間で動作可能な接触手段(35)、
− タイマーデバイス(31)、
− 第1タイムスタンプ、第2タイムスタンプ、及び第1期間値を保存する手段(32)、並びに
− 接触手段が第1状態と第2状態の間で動作するのに応じて第1タイムスタンプを設定し、接触手段が第2状態と第1状態の間で動作するのに応じて第2タイムスタンプを設定し、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプの間の経過時間を計算し、経過時間を第1期間値と比較し、経過時間が第1期間値よりも長い場合に第1制御動作を実行するように設計された制御手段(31)
を備え、第1及び第2デバイス部分が、第1及び第2デバイス部分を取り外し可能に組み立てて単一の携帯ユニットを形成する相互連結手段を有しており、接触手段が、第1及び第2デバイス部分が互いから離れるときに第1状態と第2状態の間で動作し、及び第1及び第2デバイス部分が互いに対して取り付けられるときに第2状態と第1状態との間で動作することを特徴とする、デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−507856(P2006−507856A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−522442(P2004−522442)
【出願日】平成15年7月12日(2003.7.12)
【国際出願番号】PCT/EP2003/007559
【国際公開番号】WO2004/010231
【国際公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(596113096)ノボ・ノルデイスク・エー/エス (241)
【出願人】(505027915)ライフスキャン インク (1)
【Fターム(参考)】