説明

時限式リレー動作回路

【課題】動作が速いリレーを、時限式リレー動作回路にて動作させると、過渡電圧がリレーに印加されたと同時に、リレーが誤動作する問題がある。
【解決手段】リレーと並列にコンデンサを接続して、電圧が印加された直後の過渡状態で、リレーに印加される電圧の上昇を、コンデンサで抑制し、この電圧の印加時間は、コンデンサに電荷が蓄積されることにより、減少してゆくので、数[ms]程である。そのため動作が速いリレーの誤動作を防止している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイマー機能を持たせた回路で、負荷にリレーを接続して、動作させる回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
時限式リレー動作回路内に電圧が印加された後、タイマー回路で指定された時間内は、電流は導通せず、リレーは動作しない。指定時間が経過後、電流が導通してリレーは動作する。
【0003】
図2は、従来のタイマー回路と、リレーを接続した接続図である。
100はタイマー回路、101はサイリスタ、102はリレー、103はコンデンサ、104は抵抗器である。103のコンデンサと104の抵抗器は、101のサイリスタのターンオン・ターンオフ時に発生するサージ電圧を減少させるスナバ回路である。
【0004】
電圧がタイマー回路に印加された後、指定した時間内は、サイリスタをオフしており、指定時間経過後、サイリスタがオンして、接続されるリレーに電流が流れ、リレーが動作するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61-39823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図2の接続図では、電圧印加直後、D点にリレーが動作するレベルの過渡電圧が印加され、リレーが指定されたオフ時間内に誤って動作する問題がある。(図3に示すタイムチャートを参照)
これは電圧印加直後、103のコンデンサに蓄積されている電荷は0[C]に等しく、コンデンサは導通状態となり、104の抵抗を通じて、リレー102(D点)に電圧が印加される為である。この電圧の印加時間は、コンデンサに電荷が蓄積されることにより、減少してゆくので、数[ms]程である。
この電圧レベルに対して、動作時間が遅いリレーを採用すれば、リレーは動作しないが、動作が速いリレーであれば、リレーが誤動作する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、タイマー動作回路によりON−OFFするサイリスタ、及び抵抗及び第1のコンデンサによるスナバ回路に負荷としてリレーを接続して構成され、電圧印加直後に該リレーに印加される過渡電圧が抑制される時限式リレー動作回路において、該リレーと並列に接続される第2のコンデンサを具備することを特徴とする。
【0008】
すなわち、時限式リレー動作回路において、電源電圧を投入直後、リレーに印加される過渡電圧を抑制するために、リレーと並列にコンデンサを接続して、動作が速いリレー誤動作の防止を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、タイマー回路、サイリスタ、リレー、コンデンサ、抵抗器を備えた時限式リレー動作回路において、電圧印加直後の過渡時におけるリレーの誤動作を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施方法を示した図である。
【図2】従来の実施例を示した図である。
【図3】図1・図2 各点の、電圧の状態を表したタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
電圧印加直後にリレーの誤動作防止という目的を、リレーと並列にコンデンサを接続することにより、実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の1実施例であって、100はタイマー回路、101はサイリスタ、102はリレー、103は第1のコンデンサ、104は抵抗器、105は第2のコンデンサである。
以上のように構成された本実施例の時限式リレー動作回路について、以下に動作説明をする。
まず、図1の接続図に於いて、電圧が印加され、タイマー回路が動作する。
電圧印加直後は、第1のコンデンサ103、及び第2のコンデンサ105には電荷が蓄積されておらず、電流が第1のコンデンサ103、抵抗器104、第2のコンデンサ105を通じて流れる。このため、リレー102(C点)に発生する過渡電圧レベルは、第2のコンデンサ105により、リレーが動作するレベル未満に抑制されることになる。(図3に示すタイムチャートを参照)
時間経過と共に第1のコンデンサ103、第2のコンデンサ105に電荷が蓄積され、電流が殆ど流れない状態となる。
タイマー回路100にて、指定した時間が経過した後、タイマー回路100はサイリスタ101のゲートに電流を流し、サイリスタ101はオンする。これにより、リレー102のコイルに電流が流れ、リレー102は動作する。
結果として、タイマー100が動作している時間内に、動作時間が速いリレーを102に使用しても、誤って動作することは無くなる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明によると、タイマー回路、サイリスタ、リレー、コンデンサ、抵抗器を備えた時限式リレー動作回路において、電圧印加直後の過渡時におけるリレーの誤動作を無くすことができる。このことにより、高い信頼性を持った製品を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0014】
100 タイマー回路
101 サイリスタ
102 リレー
103 第1のコンデンサ
104 抵抗器
105 第2のコンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイマー動作回路によりON−OFFするサイリスタ及び抵抗、第1のコンデンサによるスナバ回路に負荷としてリレーを接続して構成され、電圧印加直後に該リレーに印加される過渡電圧が抑制される時限式リレー動作回路において、該リレーと並列に接続される第2のコンデンサを具備することを特徴とする時限式リレー動作回路。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−164548(P2012−164548A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24735(P2011−24735)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000003115)東洋電機製造株式会社 (380)