説明

普通型コンバイン

【課題】刈取走行経路に隣接する未刈領域に処理物が排出されにくくする。
【解決手段】走行機体上に脱穀装置5と穀粒回収部7とが左右に並べて設けられ、脱穀装置5を通過した処理物の排出口23が脱穀装置5の後端に形成されている普通型コンバインであって、排出口23の下方に、排出口23から排出される処理物を、走行機体の幅方向での脱穀装置5側から穀粒回収部7側へ誘導して地面に落下させる誘導傾斜部44が設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体上に脱穀装置と穀粒回収部とが左右に並べて設けられ、前記脱穀装置を通過した処理物の排出口が前記脱穀装置の後端に形成されている普通型コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の普通型コンバインとしては、前記脱穀装置の排出口は、走行機体の後方に張り出したカバーで覆われ、カバーの下方は開口する状態に形成されているものがあった(例えば、特許文献1参照)。
従って、脱穀装置から排出される稈等の処理物は、前記排出口から直接に地面に向けて落下していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−22320号公報(段落番号0021,図1〜3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンバインによる植立穀稈の刈り取りは、未刈領域において走行機体を走行させることで、走行機体の前端に備えられた刈取前処理装置の刈取幅寸法内に位置する穀稈を順次刈りとるものである。刈取走行跡には、刈取前処理装置の刈取幅寸法の幅の帯状既刈領域が形成される。
この帯状既刈領域が、隣接状態に並列するようにコンバインの走行を繰り返すことで、圃場全域の刈り取りを完了することができる。
従って、効率よく刈り取りを行うには、隣接する帯状既刈領域どうしが可能な限り重ならないようにコンバインを走行させることが必要となる。
具体的には、前記刈取前処理装置の既刈領域側の端部に位置するデバイダが、前方に位置している植立穀稈の内、隣接する既刈領域側の端部に位置する植立穀稈の株元を目差すように刈取走行経路をとることが重要である。
【0005】
上述した従来の普通型コンバインによれば、前記排出口から落下する排稈等の処理物は、当該コンバインによって刈り込んだ圃場上に排出される際、排出口の下方範囲を含む周辺地盤上に散乱する状態で排出される。
従って、処理物は、圃場の既刈領域のみならず、隣接する未刈領域にも達し、植立穀稈の株元にも被さる状態に排出されることがある。
その結果、上述のようにコンバインを走行させるにあたり、端部に位置する植立穀稈の株元に処理物が被さっていて、その位置を確認しにくい。
また、植立穀稈の株元に処理物が被さっていると、コンバインの走行に伴ってデバイダに処理物が引っ掛かったまま引きずられ、刈取の障害になる問題もある。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、刈取走行経路に隣接する未刈領域に処理物が排出されにくくできる普通型コンバインを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴構成は、走行機体上に脱穀装置と穀粒回収部とが左右に並べて設けられ、前記脱穀装置を通過した処理物の排出口が前記脱穀装置の後端に形成されている普通型コンバインであって、
前記排出口の下方に、前記排出口から排出される処理物を、前記走行機体の幅方向での前記脱穀装置側から前記穀粒回収部側へ誘導して地面に落下させる誘導傾斜部が設けてあるところにある。
【0008】
本発明の第1の特徴構成によれば、排出口から排出される処理物を、前記誘導傾斜部によって受けて、走行機体の幅方向での脱穀装置側から穀粒回収部側へ誘導して地面に落下させることができ、従来のように、処理物が、排出口から直接に地面に排出されるのに比べて、散乱しにくくできる。
また、コンバインの穀粒回収部側(一般には走行方向右側であることが多い)に既刈領域が位置し、脱穀装置側(一般には走行方向左側であることが多い)に未刈領域が位置するような配置環境下でコンバインの刈取走行を実施するような場合に、コンバインから排出される処理物は、既刈領域側に誘導され(以後、「処理物誘導作用」という)、未刈領域の植立穀稈の株元に被さり難くできるようになる。
その結果、刈取走行経路に隣接する未刈領域に処理物が排出されにくくなり、未刈領域の植立穀稈の株元を処理物が隠すことを防止できるようになる。よって、コンバインの前方の(特に植立穀稈の株元における)見通しをよくして、刈取走行経路の選択を行う上での判断を、より正確に実施できるようになる。
即ち、前記刈取前処理装置の既刈領域側の端部に位置するデバイダが、前方に位置している植立穀稈の内、隣接する既刈領域側の端部に位置する植立穀稈の株元を目差すように刈取走行経路をとりやすくなり、隣接する帯状既刈領域どうしが重ならないようにして、効率よく刈り取りを行うことが実現する。
更には、未刈領域の植立穀稈の株元に被さった処理物がデバイダに引っ掛かったまま引きずられることも防止でき、良好な状態での刈り取りを実現できる。
【0009】
本発明の第2の特徴構成は、前記誘導傾斜部は、前記排出口の全幅の内、前記穀粒回収部とは反対側の端部に合わせて配置してあるところにある。
【0010】
本発明の第2の特徴構成によれば、排出口の全幅の内、穀粒回収部とは反対側の端部 (未刈領域側に近接している端部)に合わせて誘導傾斜部が配置されていることで、少なくとも、排出口の穀粒回収部とは反対側の端部では、処理物を誘導傾斜部で受け止めて穀粒回収部側へ誘導することができる。その結果、処理物が未刈領域側に落下するのをより確実に防止することができる。
【0011】
本発明の第3の特徴構成は、前記誘導傾斜部の周縁部の内、前記走行機体の幅方向での前記穀粒回収部とは反対側の端縁部と、前記走行機体の後方側の端縁部に、上方に立ち上がる立ち上がり壁部が設けてあるところにある。
【0012】
本発明の第3の特徴構成によれば、前記誘導傾斜部による前記処理物誘導作用を、前記立ち上がり壁部によってより好適に実施することが可能となる。
即ち、誘導傾斜部の上に落下する処理物が、傾斜面上から誘導傾斜部の傾斜上流側(穀粒回収部とは反対側)や後方側にこぼれ落ちるのを、前記立ち上がり壁部によって防止できる。従って、誘導傾斜部の上に落下した処理物を、走行機体の幅方向での穀粒回収部とは反対側や走行機体の後方側にこぼさずに、誘導傾斜部の傾斜方向下流側に確実に誘導落下させることができ、処理物誘導効果を更に向上させることができる。
更には、例えば、誘導傾斜部の上にある処理物に風が当たるような場合にも、前記立ち上がり壁部によって風を遮断することができ、処理物が吹き飛ばされて誘導傾斜部からこぼれるのを防止できる。
【0013】
本発明の第4の特徴構成は、前記誘導傾斜部の上空間から前記誘導傾斜部の前記穀粒回収部側に隣接する傾斜下流側空間を覆うカバーが設けてあり、
前記カバーには、少なくとも前記傾斜下流側空間の下方と後方が開口する開口部が設けてあるところにある。
【0014】
本発明の第4の特徴構成によれば、カバーによって、排出口から排出された処理物が周囲に散乱するのを防止できると共に、風や機体の揺れ等があってもより確実に前記処理物誘導作用を発揮できる。
また、カバーの開口部を、少なくとも傾斜下流側空間の下方と後方に設けてあることで、処理物が詰まり難い状態を維持してスムースな排出を叶えることができ、更には、排出口の近隣のメンテナンス等の作業を、前記開口部を通して走行機体の後方側から実施することが可能となる。
即ち、機能性とメンテナンス性の向上の両立化を図ることができる。
【0015】
本発明の第5の特徴構成は、前記カバーにおける前記穀粒回収部側の側面部分は、前記処理物を下方へ誘導する縦壁部として構成してあるところにある。
【0016】
本発明の第5の特徴構成によれば、誘導傾斜部の傾斜面に沿って落下する処理物を、前記縦壁部によって下方へ誘導することができるから、処理物が地面の広範囲に散乱するのを防止できる。更には、縦壁部の背面側に処理物が回り込むのを防止できるから、前記縦壁部の背面側に、例えば、各種機器やタンク等を配置しても処理物が被さるのを防止できる。
【0017】
本発明の第6の特徴構成は、前記縦壁部は、その下縁部が、前記誘導傾斜部の傾斜面下端部より低くなるように形成してあるところにある。
【0018】
本発明の第6の特徴構成によれば、誘導傾斜部の傾斜面の延長上に縦壁部を位置させることができるから、処理物の下方への誘導効果をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】普通型コンバインの全体左側面図
【図2】普通型コンバインの全体平面図
【図3】普通型コンバインの全体後面図
【図4】脱穀装置の縦断左側面図
【図5】排稈カバーを後方から見た断面図
【図6】排稈カバーの斜視図
【図7】燃料タンクの設置状況を示す左側面図
【図8】燃料タンクの設置状況を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る普通型(全稈投入型)コンバインの一例を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1及び図2に示すように、コンバインは、角パイプ材などの複数の鋼材を連結して機体フレーム1を構成し、機体フレーム1における前部の右側領域に搭乗運転部2を形成してある。
機体フレーム1の下部には左右一対のクローラ式走行装置3を装備してある。
機体フレーム1における左側の前端部には、作業走行時に車体の前方に位置する水稲や麦などの作物の穀稈を刈り取って搬送する刈取搬送部4を、左右向きの第1軸芯P1を支点にした昇降揺動が可能となるように連結してある。
機体フレーム1の左半部には、刈取搬送部4が搬送する刈り取り後の穀稈(以下、刈取穀稈と称する)を受け入れて脱穀処理・選別処理を施す脱穀装置5を搭載してある。
機体フレーム1の右後部には、揚送スクリュー6により脱穀装置5から搬出した単粒化穀粒を貯留して籾袋への詰め込みを可能にする袋詰装置(穀粒回収部の一例)7を搭載してある。
【0022】
搭乗運転部2は、その前端部位に立設したフロントパネル8に操縦レバー9などを備えている。搭乗運転部2の左端部位に立設したサイドパネル10に主変速レバー11や副変速レバー12などを備えている。搭乗運転部2の後側部位に運転座席13を配備してある。操縦レバー9は、左右方向に揺動操作すると車体操向用の操作具として機能し、前後方向に揺動操作すると刈取搬送部昇降用の操作具として機能する。
【0023】
左右のクローラ式走行装置3は、操縦レバー9の左右方向への揺動操作に基づいて、それらが等速作動する直進状態と差動する旋回状態とに切り換わるように構成してある。
【0024】
刈取搬送部4は、車体の走行に伴って、その前部の左右両端に配備したデバイダ14により未刈り穀稈を収穫対象の穀稈と収穫対象外の穀稈とに梳き分ける。又、刈取搬送部4の前部上方に配備した回転リール15により収穫対象穀稈の穂先側を後方に向けて掻き込み、刈取搬送部4の底部に装備したバリカン型の切断装置16により収穫対象穀稈の株元側を切断して、収穫対象の穀稈を刈り取る。
そして、切断装置16の後方に配備したオーガ17によって刈り取り後の刈取穀稈を左右方向の所定箇所に寄せ集めて後方に送り出し、その所定箇所から脱穀装置5にわたるように架設した掻き上げ搬送式のフィーダ18によって刈取穀稈を脱穀装置5に供給する。
【0025】
刈取搬送部4の昇降揺動は、機体フレーム1とフィーダ18とにわたって架設した油圧式の昇降シリンダ19の伸縮作動で行う。昇降シリンダ19は、操縦レバー9の前後方向への揺動操作に基づいて伸縮作動するように構成してある。つまり、操縦レバー9を前後方向に揺動操作して昇降シリンダ19を伸縮作動させることにより、未刈り穀稈に対する切断装置16の高さ位置を変更する刈り高さ調節などを行うことができる。
【0026】
図1〜図4に示すように、脱穀装置5には、フィーダ18が供給する刈取穀稈に脱穀処理を施す脱穀部5A、脱穀処理で得た選別対象物に選別処理を施す選別部5B、及び、選別処理で得た回収対象の穀粒を回収する回収部5Cを備えてある。
【0027】
脱穀部5Aは、図4に示すように、脱穀装置5の上部に形成した扱室20にバータイプの扱胴21を前後向きの第2軸芯P2を支点にして背面視左回りに回転するように配備して構成してある。
扱室20の前下部には、フィーダ18が掻き上げ搬送した刈取穀稈の扱室20への供給を可能にする供給口22を形成してある。扱室20の後下部には、脱穀処理後の刈取穀稈(以下、単に処理物Sと称する)の扱室20からの排出を可能にする排稈口(排出口に相当)23を形成してある。
扱室20は、扱胴21を支持する前支持板24と後支持板25、扱胴21の上部を上方から覆う上部カバー26、及び、扱胴21を下方から覆う前後方向視U字状の受網27などによって区画形成してある。
前記扱胴21を回転駆動させることにより、扱室20内に位置する刈取穀稈に扱胴21の打撃や梳き込みなどによる脱穀処理を施すことができる。
前記受網27の上を後方に移動した処理物Sは、前記排稈口23から脱穀装置5の後方に排出される。
【0028】
選別部5Bは、後端部に備えた偏心カム式の駆動機構28が作動することで前後方向に選別揺動する揺動選別機構29を受網27の下方に配備してある。又、左右向きの第3軸芯P3を支点にして左側面視左回りに回転することで選別風を発生させる唐箕30を揺動選別機構29の前下方に配備してある。揺動選別機構29は、選別揺動しながら受網27から漏下した選別対象物を受け止めることで篩い選別する。唐箕30は、その回転で発生させた選別風を受網27から漏下した選別対象物や揺動選別機構29を漏下する選別対象物に供給することで風力選別する。
【0029】
回収部5Cは、揺動選別機構29の選別方向上手側の下方に1番回収部31を形成してある。又、揺動選別機構29の選別方向下手側の下方に2番回収部32を形成してある。
1番回収部31において回収された選別対象物は、単粒化穀粒として、搬送スクリュー6を介して袋詰装置7に送られる。2番回収部32に回収された選別対処物は、揺動選別機構29に還元される。
【0030】
図1、図2、図4に示すように、脱穀装置5の後端下部には、板金製の排稈カバー40(カバーに相当)を排稈口23を後方から覆うように配備してある。また、袋詰装置7の後方には、燃料タンク50が機体フレーム1に支持される状態に設けられている。
【0031】
排稈カバー40は、図5、図6に示すように、排稈口23の幅に合わせた幅寸法に形成してあり、脱穀装置5の後面の左右端縁部にそれぞれ備えた支柱部5aに、排稈カバー40の取付用フランジ部40aを沿わせて両者をネジ固定して取り付けてある。
排稈カバー40は、左右の側板部41と、両側板部41の上縁部にわたる天板部42と、両側板部41の後縁部にわたる後板部43とを溶接によって一体に構成してある。また、前記取付用フランジ部40aは、左右の側板部41の前方側の端縁部から内側に直角に屈曲する状態に形成されている。
因みに、以後の説明において、左右の記載は、機体フレーム1の前方を基準にして、左側を左といい、右側を右という。
また、前記デバイダ14と排稈カバー40との関係は、機体フレーム1の幅方向において、デバイダ14が、排稈カバー40より外方に位置する状態に配置されている。左側のデバイダ14は、図3に示すようにコンバインを後方から見た状態で、クローラ式走行装置3の左側の外方で、且つ、脱穀装置5の左側の外方に位置している。右側のデバイダ14は、クローラ式走行装置3の右側の外方で、且つ、袋詰装置7の右側面より内側に位置している。
【0032】
側板部41は、側面視形状が、縦長の矩形形状における後方上隅を面取した台形形状に形成してある。
また、左右の側板部41は、上縁部どうしを同じ高さに位置させてある一方、下縁部は、右側の側板部41Rの方が左側の側板部41Lより下方に位置するように形成してある。
因みに、右側の側板部41Rの下端部は、機体フレーム1の近傍まで達している。
左側の側板部41Lの下端部は、排稈口23の下縁部と右側の側板部41Rの下縁部との間に位置させてある。
【0033】
また、左側の側板部41Lの下縁部には、同幅で右側に下り勾配の誘導傾斜板(誘導傾斜部に相当)44が連設してある。
この誘導傾斜板44の下端部は、排稈口23の幅の中央部分の直下位置近傍まで達している。
【0034】
後板部43は、両側板部41の面取部分にわたる矩形の後板面取部43aと、その下方に垂下する矩形の後板垂下部43bと、後板垂下部43bから下方の前記誘導傾斜板44にわたる三角形の後板蓋部43cとを一体的に設けて構成してある(図6参照)。
【0035】
誘導傾斜板44の上空間V1は、左側を前記左側の側板部41Lで、後方側を前記後板蓋部43cによって覆われているから、前記排稈口23から前記上空間V1に排出される処理物Sを誘導傾斜板44の上面に落下するように案内することができる。
当該実施形態においては、左側の側板部41Lと後板蓋部43cとは、本発明に係る立ち上がり壁部W1に相当する。
また、処理物Sは、誘導傾斜板44の上面を下り勾配に沿って滑りながら、誘導傾斜板44の右側に隣接する傾斜下流側空間V2に誘導されて地面上に落下する。
その際、誘導傾斜板44を滑り落ちる処理物Sは、右側の側板部41Rに当たることで下方へ誘導され、広範囲に飛散するのを抑制される。
当該実施形態においては、右側の側板部41Rは、本発明に係る縦壁部W2に相当する。
【0036】
前記排稈カバー40によれば、傾斜下流側空間V2の下方と後方とに開口部40Aが確保されるから、処理物Sが詰まり難く、且つ、広範囲に散乱するのを防止した状態で排出することができる。また、後方の開口部40Aを通して、内部のメンテナンス作業等をより簡単に実施することが可能となる。
【0037】
前記燃料タンク50は、図7、図8に示すように、機体フレーム1の後端面を構成しているパイプフレーム1Aから、後方に突出状態に溶接によって固着された矩形形状の支持フレーム60の上に設置されている。
因みに、支持フレーム60は、溶接によってのみ機体フレーム1に取り付けることに限るものではなく、例えば、ボルトによって着脱自在に取り付けできるように構成してあってもよい。
【0038】
支持フレーム60は、パイプフレーム1Aに前端部を溶接した左右一対の前後フレーム形鋼60Aと、両前後フレーム形鋼60Aの後端部間にわたって固着された横フレーム形鋼60Bとを備えて構成してある。
支持フレーム60への燃料タンク50の固定は、図に示す金属ベルト61を燃料タンク50に架け廻して、端部を機体フレーム1と支持フレーム60とにボルト固定して実施されている。
【0039】
また、燃料タンク50の平面範囲より左右方向、及び、後方にはみ出した位置に、金属パイプ製のタンク保護枠62が設けてある。タンク保護枠62は、機体フレーム1の前記パイプフレーム1Aと、支持フレーム60とに、それぞれボルトによって着脱自在に取り付けてある。
【0040】
本実施形態の普通型コンバインによれば、排稈口23から排出される処理物が、走行軌跡における左側には落下し難くでき、未刈領域と既刈領域との境界部分に処理物が落下し難くできる。
【0041】
〔別実施形態〕
【0042】
〔1〕全稈投入型のコンバインとしては、袋詰装置7に代えて、穀粒タンクと穀粒タンクからの穀粒の排出を可能にするスクリュー式の穀粒排出装置とを備えるように構成したものであってもよい。又、排稈口23から流下した脱粒穀稈を細断する細断装置(チョッパ)を備えるものであってもよい。
〔2〕扱胴21としては、円筒状に形成した胴体部材の外周に螺旋歯や扱歯などを装備して構成したドラムタイプのものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
当該コンバインは、穀粒回収部として袋詰装置で構成したものに替えて、グレンタンクを搭載するものであっても利用できる。
【符号の説明】
【0044】
5 脱穀装置
7 袋詰装置(穀粒回収部の一例)
23 排稈口(排出口に相当)
40 排稈カバー(カバーに相当)
40A 開口部
44 誘導傾斜板(誘導傾斜部に相当)
S 処理物
V1 上空間
V2 傾斜下流側空間
W1 立ち上がり壁部
W2 縦壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体上に脱穀装置と穀粒回収部とが左右に並べて設けられ、前記脱穀装置を通過した処理物の排出口が前記脱穀装置の後端に形成されている普通型コンバインであって、
前記排出口の下方に、前記排出口から排出される処理物を、前記走行機体の幅方向での前記脱穀装置側から前記穀粒回収部側へ誘導して地面に落下させる誘導傾斜部が設けてある普通型コンバイン。
【請求項2】
前記誘導傾斜部は、前記排出口の全幅の内、前記穀粒回収部とは反対側の端部に合わせて配置してある請求項1に記載の普通型コンバイン。
【請求項3】
前記誘導傾斜部の周縁部の内、前記走行機体の幅方向での前記穀粒回収部とは反対側の端縁部と、前記走行機体の後方側の端縁部に、上方に立ち上がる立ち上がり壁部が設けてある請求項1又は2に記載の普通型コンバイン。
【請求項4】
前記誘導傾斜部の上空間から前記誘導傾斜部の前記穀粒回収部側に隣接する傾斜下流側空間を覆うカバーが設けてあり、
前記カバーには、少なくとも前記傾斜下流側空間の下方と後方が開口する開口部が設けてある請求項1〜3の何れか一項に記載の普通型コンバイン。
【請求項5】
前記カバーにおける前記穀粒回収部側の側面部分は、前記処理物を下方へ誘導する縦壁部として構成してある請求項4に記載の普通型コンバイン。
【請求項6】
前記縦壁部は、その下縁部が、前記誘導傾斜部の傾斜面下端部より低くなるように形成してある請求項5に記載の普通型コンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−210163(P2012−210163A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76589(P2011−76589)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】