説明

書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラック

【課題】 本立てに収納保管する際において、整理整頓が煩雑であり、よく本の出し入れを行う場合においては、非常に手間をかかり、収納保管に際し、本の増加を考慮した大き目の本立てを供用しているため、無為に本立てがその卓上におけるスペースを占有している状況も生じる不具合も発生する。
【構成】 一枚又は複数枚の紙材を折曲形成機構及び組付け機構を介して、多面体を形成し、この多面体をある一面から視認した際に、3方向(長手方向、幅方向、高さ方向)の面で形成されるスペースを利用して、本、置物等の小物の形状、大きさ等に関係なく小物が横倒しない状態で、このラックを転回し、小物の形状、大きさ等に関係なく、多面体における大小の面の組み合わせで大小のスペースを形成し、スペースに照合したラックの占有面積を収納保管する量に基づいた必要最小限に止め得ることを特徴とした書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単行本、雑誌、百科事典、文庫本、漫画等の様々な種類の書籍(以下、本とする)、置物、花瓶、ペンケース、CDケース、文房具等の小物を書庫、たんす、本棚等の収納空間に収納保管する際において、厚さ、高さ等を異なる様々な小物を立設した状態において、例えば、その供用する本の本立ての幅員が、本の厚み、高さに追随及び/又は応動し、本立ての幅員が、その本に加圧することなく、纏りよく収納保管することができるような、また、前記本を取り出した際にも、その本の量に応じて、ラックを転回させることにより、幅員を随時、追随及び/又は応動することができ、前記隙間を埋めるラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
日常生活の中において、本、置物、花瓶、ペンケース、CDケース、文房具等の小物を使用に供することも日常生活においては、様々な場面で用いられる。そして、前記小物を収納保管する書庫、本棚、タンス、机の引き出し等の空間には、ラックが用いられる。このラックは、小物を収納保管した際に、例えば、厚みの薄い小物を供用した場合に、そのラックの幅員が広すぎるため、その小物が斜めに倒れたり、腰折れ状態で収納保管されて、この小物が折れたり、丸まったり、小物に圧力が加わって、不必要な変形を生じさせたり、ラックの幅員が狭い処へ本等を詰め合せるなどして小物に無理な力が懸かり出し入れに伴って小物に回復が容易でない傷みを与えてしまったりする事態などが生じる虞がある。また、これらの問題以外にも、形状、大きさの異なる小物が複数個ある場合等には、整理整頓が煩雑であり、よく小物の出し入れを行う場合、小物が横倒してしまい、その横倒した小物を直す(片付ける)作業には非常に手間をかかる。そして、収納保管に際し、小物の増加を考慮した大き目のラックを供用しているため、無為にラックがその卓上におけるスペースを占有している状況も生じる不具合も発生する。
【0003】
そして、このような上記の不具合から生じる問題点を解決するため、に各種の構造が提案されているので、その一例を下記に列挙する。
【0004】
先ず、文献(1)は、特開2005−305055の「本立て」であり、その要旨は、2枚以上の底板が相互に左右に平行移動し、この底板には、同じピッチ及びスリットが刻設されてあり、その底板に設けた背もたれレールにも同じピッチが刻設してあるので、この背もたれレールを抱持することで、このスリットの位置を調整する構成であって、書籍の増減及び/又は設置箇所に併せて、その希望の枚数に仕切り紙を固定することができて、分解持ち運び可能本立てを提供することを意図する。
【0005】
次に、文献(2)は、特開2007−615の「学習家具における仕切紙の取付装置」であり、その要旨は、学習机、机上棚、本立て等における水平板部と垂直板部とを備えた学習家具に仕切板を前面側から着脱可能に取付けてなる仕切板の取付装置であり、この仕切板の後端面に、この上部に係止部を形成し、この下部に当接部を形成した係着具を取付け、係着具の係止部を、垂直紙部に設けた上下縁が開放した横長紙部(背面紙)の上縁に上方から係止するとともに、当接部を横長紙部の下縁近傍に位置させる構成であって、机上棚や本立ての既存構造を利用してコスト上昇を最小限に抑制しつつ、また外観性を損なうことがなく、前記学習家具の前面側からの作業で所望位置に仕切板を取付けることが可能であり、また仕切紙の付け替えも容易である学習家具における仕切板の取付装置を提供することを意図する。
【0006】
最後に、文献(3)は、特開2006−326288の「学習家具における仕切紙の取付装置」であり、その要旨は、両側紙及び背紙とで形成された内部空間内に、一つ又は二つの収容体及び棚板を着脱可能にし、さらに左右方向に組み替え可能に装着し、学習机の天紙後部に載置する机上棚であり、この背紙に、前記収容体の背面に設けたフックを着脱可能に係止し、さらに収容体の取付位置を左右方向で変更可能とすべく、同一の高さ位置に2つ又は3つの横長のスリット孔を列設したものであり、棚板を側板及び収容体間、又は間隔を置いて装着した両収容体間に装着可能としてなる構成であって、本立て及び棚板を組み替え可能な学習机の机上棚において、本立て及び棚紙の取付高さを収容形態に応じて自由に変更可能となして、書籍、ノート、ファイル等の書籍類やCD、DVDのケースの収容効率を最大にすることが可能な学習机の机上棚を提供することを意図する。
【0007】
【特許文献1】特開2005−305055
【特許文献2】特開2000−246139
【特許文献3】特開2006−326288
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
文献(1)は、その構成において、同じピッチ及びスリットが刻設されているので、そのピッチ及びスリットの間隔でのみ、そのスリットの位置を調整することができないため、書籍の増減及び/又は設置箇所に併せて、位置調整を併せることに、構成上に難があり、さらに、背の高い本、背の低い本等の高さに応じて調整することができない。また、仕切り紙の間に無理やり圧力を加えて本を挟み込む等すると、不必要な変形を生じさせたりして、小物の幅員が狭い処へ小物を詰め合せるなどして小物に無理な力が懸かり出し入れに伴って小物に回復が容易でない傷みを与えてしまったりする事態等が生じる虞がある。さらに、この構造であると、最初から完成形として製造された本棚であるため、価格が高く、又既存の本立ての有効利用及びこの本棚、書庫、たんす等に時宜において、発生する空間(隙間)を埋めるラックを使用することができないという問題点も発生する。
【0009】
また文献(2)は、既存の机上棚及び本立てに仕切り紙を前面からのみの作業で取り付けることが可能であるとしているが、その取付け方法において、上部に係止部を形成し、下部に当接部を形成した係着具を、そして、この係着具の係止部を、垂直紙部に設けて、この上下縁が開放した横長紙部(背面紙)の上縁に上方から係止するとともに、当接部を横長紙部の下縁近傍に位置させるため、この取付け方法であると手間であること、また子供、お年寄り等には、この取付け方法は、難しく、労を要するものであり、誰でも簡単に取付けることができない。そして、この構成も(1)と同様に、、又既存の本立ての有効利用及びこの本棚、書庫、たんす等に時宜において、発生する空間(隙間)を埋めるラックを使用することができないという問題点も発生する。
【0010】
文献(3)も、文献(1)と同様に、スリットが設けられており、このスリットを介して、位置調整を行うことから、文献(1)と同様な問題点が指摘されることになる。さらに、フックを着脱自在に介在させるため、部品点数の増加に伴い、その構造上に複雑になり、子供、お年寄り等には、この位置を調整するのは、難しく、労を要するものであると考えられる。
【0011】
そして、この文献(1)〜(3)を始めとして、この種の本立ての文献は、散見されたが、前記文献と同様な問題点が生じるものであり、簡単かつ簡便に使用に供する組立て式本立てを提供する。
【0012】
上記に鑑み本発明は、以下の目的を達することを意図する。
(イ) 少ない厚みの薄い小物、頁数の多い厚みの厚い小物、高さの高い小物、高さの低い小さな小物の様々な小物の形状、大きさに関係なく横倒しない状態で、小物を整理整頓して収納保管することができ、瞬時に自分が使用したい小物が取り出せる又は取り入れることができる書庫、たんす、書庫、本棚等にある隙間を埋めるラックを提供すること等を意図する。
(ロ) 様々な厚みの小物に対応するため、小物が斜めに倒れたり、腰折れしたりすることもなく、さらに、小物の角部、隅部が折れて、例えば、本の場合は、頁にしわが入ったりして、頁がめくれにくくなったりすることもなく、正常な綺麗な状態で本を収納保管することができ、さらに書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックを提供すること等を意図する。
(ハ) また、ラックの幅員が狭い処へ小物を詰め合せるなどして小物に無理な力が懸かり小物の出し入れに伴い、小物が追随及び/又は応動し、小物に回復が容易でない傷みを与えずに、正常な状態で小物を収納保管することができる書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックを提供すること等を意図する。
(ニ) 小物の収納保管に際し、小物の増加を考慮した大きめのラックを供用しているため、無為にラックがその卓上におけるスペースを占有することも防止でき、スペースの有効利用を図ることもできる書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックを提供すること等を意図する。
(ホ) 子供、お年寄り等の力のない者も含めて、誰にでも、簡易かつ安全に組み立てをでき、さらにその組み立て作業においても多面体を形成するため、このラックをパズル、ゲーム感覚で楽しく組み立てることができ、脳の活性化、情操教育に寄与することができる書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックを提供すること等を意図する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、前述の(イ)〜(ホ)を達成することを意図する。
【0014】
請求項1は、一枚又は複数枚のダンボール、紙類等の紙材を折曲形成機構及び組付け機構を介して、多面体を形成し、この多面体をある一面から視認した際に、3方向(長手方向、幅方向、高さ方向)の面で形成されるスペースを利用して、本、置物等の小物の形状、大きさ等に関係なく小物が横倒しない状態で、収納保管する書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックであって、
このラックを転回し、小物の形状、大きさ等に関係なく、多面体における大小の面の組み合わせで大小のスペースを形成し、このスペースに照合したラックの占有面積を収納保管する量に基づいた必要最小限に止め得ることを特徴とした書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するために最適な立面紙材と延面紙材を提供することを意図する。
【0016】
請求項2は、請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックであって、
このラックは、前記多面体のある一面の紙材を平行対面させて、自立性のある対に形成された立面紙材と、この立面紙材から延設する折曲形成機構を少なくとも2箇所設けた延面紙材とで構成される書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックである。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するために最適なある一面の紙材と他のある一面の紙材の組付けを行う機構を提供することを意図する。
【0018】
請求項3は、請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックの組付け機構であって、
前記立面紙材に設けられた開口部と、その開口部に嵌挿し前記延面紙材を固止するために設けた係止部とである一面の紙材とその他のある一面の紙材の組付けを行う立面紙材及び延面紙材で構成される書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックである。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するために最適な折曲線を設けた折曲形成機構を提供することを意図する。
【0020】
請求項4は、請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックの折曲形成機構であって、
前記組付け機構で固止するために設けた折曲線で、この折曲線を折曲ることにより形成される立面紙材及び延面紙材で構成される書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックである。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するために最適な幅員移行動作のズレを防止するロック機構を提供することを意図する。
【0022】
請求項5は、請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックであって、
この隙間を埋めるラックにおける底面部に幅員移行動作のズレを防止するための樹脂部材等のロック機構を貼付する構成である書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックである。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明は、一枚又は複数枚のダンボール、紙類等の紙材を折曲形成機構及び組付け機構を介して、多面体を形成し、この多面体をある一面から視認した際に、3方向(長手方向、幅方向、高さ方向)の面で形成されるスペースを利用して、本、置物等の小物の形状、大きさ等に関係なく小物が横倒しない状態で、収納保管する書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックであって、
このラックを転回し、小物の形状、大きさ等に関係なく、多面体における大小の面の組み合わせで大小のスペースを形成し、このスペースに照合したラックの占有面積を収納保管する量に基づいた必要最小限に止め得ることを特徴とした書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックである。
【0024】
従って、請求項1の発明は、下記の効果を提供できる書庫、たんす、本棚等の収納空間にある隙間を埋めるラックである。
(イ) 少ない厚みの薄い小物、頁数の多い厚みの厚い小物、高さの高い小物、高さの低い小さな小物等の様々な小物の形状、大きさに関係なく横倒しない状態で、小物を整理整頓して収納保管することができ、瞬時に自分の読みたい小物が取り出せる又は取り入れることができる書庫、たんす、書庫、本棚等にある隙間を埋めるラックを提供できる等の特徴を有する。
(ロ) 様々な厚みの小物に対応するため、小物が斜めに倒れたり、腰折れしたりすることもなく、さらに、小物の角部、隅部が折れて、例えば、本の場合は、頁にしわが入ったりして、頁がめくれにくくなったりすることもなく、正常な綺麗な状態で本を収納保管することができ、さらに書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックを提供できる等の特徴を有する。
(ハ) また、ラックの幅員が狭い処へ小物を詰め合せるなどして小物に無理な力が懸かり小物の出し入れに伴い、小物が追随及び/又は応動し、小物に回復が容易でない傷みを与えずに、正常な状態で小物を収納保管することができる書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックを提供できる等の特徴を有する。
(ニ) 小物の収納保管に際し、小物の増加を考慮した大きめのラックを供用しているため、無為にラックがその卓上におけるスペースを占有することも防止でき、スペースの有効利用を図ることもできる書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックを提供できる等の特徴を有する。
(ホ) 子供、お年寄り等の力のない者も含めて、誰にでも、簡易かつ安全に組み立てをでき、さらにその組み立て作業においても多面体を形成するため、このラックをパズル、ゲーム感覚で楽しく組み立てることができ、脳の活性化、情操教育に寄与することができる書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックを提供できる等の特徴を有する。
【0025】
請求項2の発明は、請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックであって、
このラックは、前記多面体のある一面の紙材を平行対面させて、自立性のある対に形成された立面紙材と、この立面紙材から延設する折曲形成機構を少なくとも2箇所設けた延面紙材とで構成される書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックである。
【0026】
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するために最適な立面紙材と延面紙材を提供できる等の特徴を有する。
【0027】
請求項3の発明は、請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックの組付け機構であって、
前記立面紙材に設けられた開口部と、その開口部に嵌挿し前記延面紙材を固止するために設けた係止部とである一面の紙材とその他のある一面の紙材の組付けを行う立面紙材及び延面紙材で構成される書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックである。
【0028】
従って、請求項3は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するために最適なある一面の紙材と他のある一面の紙材の組付けを行う機構を提供できること等の特徴を有する。
【0029】
請求項4の発明は、請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックの折曲形成機構であって、
前記組付け機構で固止するために設けた折曲線で、この折曲線を折曲ることにより形成される立面紙材及び延面紙材で構成される書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックである。
【0030】
従って、請求項4は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するために最適な折曲線を設けた折曲形成機構を提供できること等の特徴を有する。
【0031】
請求項5の発明は、請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックであって、
この隙間を埋めるラックにおける底面部に幅員移行動作のズレを防止するための樹脂部材等のロック機構を貼付する構成である書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックである。
【0032】
従って、請求項5は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するために最適な幅員移行動作のズレを防止するロック機構を提供できること等の特徴を有する
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の一例を説明する。
【0034】
まず、図1−1は、本発明の一例を示した正面図、図1−2は、は図1−1の例における正面斜視図、図1−1の例における背面図、図3は、図1−1の例における平面図、図4は、図1−1の例における右側面図、図5は、図1−1の例における底面図、図6−1は、図1−1の例における展開図、図6−2は、図1−1の例における組み立て工程における第1工程を示した工程図、図6−3は、図1−1の例における組み立て工程における第2工程を示した工程図、図6−4は、図1−1の例における組み立て工程における第3工程を示した工程図、図6−5は、図1−1の例における組み立て工程における第4工程を示した工程図、図6−6は、図1−1の例における組み立て工程における第5工程を示した工程図、図6−7は、図1−1の例における組み立て工程における第6工程を示した工程図、図6−8は、図1−1の例における組み立て工程における第7工程を示した工程図、図6−9は、図1−1の例における組み立て工程における第8工程を示した工程図、図6−10は、図1−1の例における組み立て工程における第9工程を示した工程図、図6−11は、図1−1の例における組み立て工程における第10工程を示した工程図、図7−1は、図1−1の例における第1の使用例を示した参考図、図7−2は、図1−1の例における第2の使用例を示した参考図、図7−3は、図1−1の例における第3の使用例を示した参考図、図7−4は、図1−1の例における第4の使用例を示した参考図、図7−5は、図1−1の例における第5の使用例を示した参考図である。
【0035】
図1−1〜図5を基に書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラック1についてその一例について説明する。
【0036】
ラック1は、書庫、たんす、本棚、クローゼット、机の引き出し等の小物を収納保管する際にその都度に発生する空間で使用に供されるものであり、この空間(隙間)を埋めるラック1は、一枚又は複数枚の紙材5で構成されており、複数枚の紙材5で構成する場合は、詳細は後述する立面紙材7及び延面紙材8を分離した状態で紙材5を使用するのが望ましい。これは、製作者が組み立て形成する際に、製作者がどの紙をどのように折り曲げ形成すればいいか的確に製作できるためであり、組み立て作業の簡易化を図り、これに伴い、子供、お年寄り等の力のない者も含めて、誰にでも、例えば、工具等を用いることもなく、簡易かつ安全に組み立てをできる構造を提供するものである。なお、この立面紙材7及び延面紙材8を接着する一例としては、可能であるならば、ガタツキ・ズレ等が生じにくい又は互いの紙材5が剥離しにくい接着方法であればよく、例えば、両面テープ、紙テープ、接着剤等で貼付、接合を行う。そして、この組み立て作業を行うことにより、立面紙材7及び延面紙材8をどのようにして、このラック1を組み立てるかを考えながら作業ができるため、パズル、ゲーム感覚で組み立てることができ、情操教育に寄与し、脳の活性化を図ることができる。また、製作者は、この立面紙材7及び延面紙材8に文字、絵を付することにより、視覚的にも楽しむことができる。さらに、一例として、この立面紙材7及び延面紙材8に色を塗りこむこと、シールを貼り付けることで、前記の組み立て作業でヒントになり、視覚的にも楽しむことができる。そして、このような構造を採用することで、立面紙材7及び延面紙材8等の紙材5を組み合わせることにより、他の板材5との、貼付、接合により視覚的に楽しむことができる。そして、この立面紙材7及び延面紙材8等の紙材5に点字を貼付、組付けることで、視覚が少し弱い者でも、このラック1を安全に組み立てることができ、製作者の拡充に寄与できる。
【0037】
また、このラック1は、紙材5でできているため、ラック1が故障した場合にも修理が容易であり、廃棄時でも、再利用を図れ、低価格で提供できること、また、環境にもやさしいこと等の紙材5を活かした汎用性を有するラック1を提供することができる。
【0038】
そして、この紙材5は、好ましくは、ラック1に小物10を収納保管する時に、この小物10の横圧(加圧)に耐圧できるような強度を保持する部材が望ましく、例えば、ダンボール、紙類、筋交い、詰め物等が挙げられるが、その部材は、後述する組付け機構2及び折曲形成機構3を有している部材、つまり、折り曲げ形成でき、組付け(係止又は脱抜)することができる部材であればよい。
【0039】
次に、ある一面の紙材6について説明する。このある一面の紙材6は、展開図を示した図6−1にも記載してあるように、一枚又は複数枚の紙材5から組付け機構2及び折曲形成機構3を介して、ラック1を組み立て形成した際に視認できる面の組み合わせから成立する。換言すると、これらの面の組み合わせである一つの面を一つのある一面の紙材6として視認し、このある一面の紙材6を視認した際に生じるスペースAに、ラック1を転回し、小物10の形状、大きさ等に関係なく横倒しない状態にて、そのある一面の紙材6における大小の面の組み合わせで大小のスペースAを形成させるものであり、このスペースAに照合したラック1の占有面積を照合しながら、小物10の収納保管する量に基づいた必要最小限に止め得る構造とするものである。この占有面積は、随時変更できるため、ある面から視認した際とは異なる、その他の面から視認すると、そのある一面の紙材6における大小の面の組み合わせで形成される大小のスペースAが生じ、このスペースAに照らし合わせて、ラック1を転回することにより、小物10とのスペースの有効利用を図り、脳の活性化にも繋がると考えられる。
【0040】
ある一面の紙材6は、図1−1〜図5に示すように、4面のある一面の紙材6から成立する各々のある一面の紙材6を平行対面させて、自立性のある対に形成された立面紙材7と、この立面紙材7から延設する折曲形成機構3を少なくとも2箇所以上は設けた延面紙材8で構成されている。この延面紙材8は、その紙材が持つ性質等から、製作者の恣意に応じて、スペースAを変更できるため、その小物10の大きさ、厚さに照合させることができる。このため、延面紙材8は、立面紙材7に確実に係止でき、ガタツキ、ズレ等が生じなければ、その形状は限定されていない。
【0041】
それでは、このある一面の紙材6を組付け機構2及び折曲形成機構3を介して、組み立て形成する工程について図6−1〜図6−11を基に説明する。
【0042】
第1に、この組み立て工程における組付け機構2及び折曲形成機構3について説明する。組付け機構2は、立面紙材7aのその幅方向に亘って、開口部20が穿設されている。そして、この開口部20に嵌挿する係止部21が延面紙材8aの先端に設けられている。この係止部21を開口部20に嵌挿することにより、係止又は脱抜、組付けが図れる構造となっている。なお、図示しないが、この係止部61には、爪片、フック片を設け、開口部20に嵌挿する際に確実に係止できる構造が考えられる。爪片、フック片以外を配備する構造以外にも、開口部20をテーパー形状にし、係止部21を奥へ嵌挿すると、この係止部21に加圧がかかり、簡単に抜けだしができない構造も考えられる。また、この組付け機構2は、延面紙材8を立面紙材7から係止又は脱抜を司る機構であるので、これら以外にも、様々な構造が考えられる。
【0043】
また、前記開口部20は、立面紙材7の幅方向に亘って穿設されているが、その形状、大きさ等は、変更可能であるとする。さらに、前述したように、この開口部20の位置を変更することにより、スペース幅Aを変更できるため、その小物10の大きさ、形状に照合でき、又延面紙材8の大きさ、長さ等において、任意に変更することもできる。
【0044】
第2に、折曲形成機構3について、説明する。この折曲形成機構3は、折曲線30が刻設されてある。この折曲線30は、折曲形成機構3のある一例であり、製作者は、この折曲線30を外折り又は内折りに折り曲げることで、図1−1〜図5に示すようなラック1が形成される。なお、この折曲形成機構3は、折曲線30以外にも、製作者が前記紙材5を折り曲げる位置が確実に把握することができれば、限定されることはない。そして、この折曲形成機構3は、子供、お年寄り等の力のない者も含めて、誰にでも、簡易かつ安全に組み立てをできる構造を提供するものである。
【0045】
それでは、図6−1〜図6−10にいたるまでの組み立て形成における工程図を基に説明する。まず、通常図6−1における展開図のような紙材5の状態において、メーカーで製作して、出荷される。この図6−1の状態から、製作者は、図6−2、図6−3‥‥図6−11までのような組み立て作業を経て、このラック1は組み立て形成され、使用に供される。
【0046】
まず、図6−2に示すように、係止部61を設けた延面紙材8aを矢印「イ」のように、折曲線30を介して、垂直に折り曲げる。図6−3では、この折曲線30にて折り曲げた延面紙材8aを抱持し、更に垂直に、延面紙材8b及び、延面紙材8cの間に刻設された折曲線30を折り曲げる。図6−4では、この延面紙材8cと立面紙材7aの間に刻設された折曲線30を折り曲げる。この工程で、折曲線30を3回折り曲げることで、コ字状の延面紙材8a、8b、8cが形成される。なお、この延面紙材8aには、前述したように係止部61が設けられているため、この工程で、確実に立面紙材7aに設けた開口部60に嵌挿する。次に、図6−5では、立面紙材7aと立面紙材7bの間に刻設された折曲線30を手前側に折り曲げる。また、図6−6では、立面紙材7aと立面紙材7dの間に刻設された折曲線30を手前側に折り曲げる。さらに、図6−7では、立面紙材7cと立面紙材7dの間に刻設された折曲線30を奥側に折り曲げる。この図6−5〜図6−7の工程で、各々の立面紙材(7a及び7c、7b及び7d)を平行対面させて、自立性のある対に形成された立面紙材7a、7b、7c、7dが形成される。図6−8では、延面紙材8hと延面紙材8jの間に刻設された折曲線30を手前側に折り曲げる。図6―9では、延面紙材8iと延面紙材8hの間に刻設された折曲線30を手前側に折り曲げる。図6―10では、延面紙材8gと延面紙材8hの間に刻設された折曲線30を左側に折り曲げる。図6―11では、延面紙材8eと延面紙材8fの間に刻設された折曲線30を右側に折り曲げる。この工程で、折曲線30を4回折り曲げることで、コ字状の2種類の延面紙材8e、8f、8g、8h、8i、8jが形成される。さらに、この延面紙材8eには、前述したように係止部61が設けられているため、この工程で、確実に立面紙材7dに設けた開口部60に嵌挿する。なお、この延面紙材8及び立面紙材7による組み立て工程における工程は、あくまでも、一例であるため、これに限定されない。
【0047】
そして、この組み立て工程で組み立て形成されたラック1を転回し、ある一面の紙材6における大小の面の組み合わせで大小のスペースAを形成し、スペースAに照合した占有面積を収納保管する量に基づいた必要最小限に止め得る効果を生じ、小物10の収納保管に際し、小物10の増加を考慮した大きめのラック1を供用しているため、無為にラック1がその卓上におけるスペースを占有することも防止でき、スペースの有効利用を図ることもできるラック1を提供できる等の効果を生じる。
【0048】
ロック機構20について、説明する。このロック機構20は、ラック1を前記スペース幅Aに照合して、転回した際において、底面となる部分B(接地面B)に樹脂部材等の抵抗のある部材を貼着することで、ラック1を滑らないようにするものである。滑りとめの機能を有するものであるならば、これに限定されない。
【0049】
なお、図7−1〜図7−5は、使用例の一例を示したものであり、この他、小物10の形状、卓上Hの幅員に応じて、様々な例が生じる。これは、このラック1を転回することにより、限られたスペースAの中でどのように、このラック1を卓上Hに載置するかを思考することにより、頭の体操にもなり、情操教育の豊かな発展に寄与することができるとも考えられえる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1−1は、本発明の一例を示した正面図
【図1−2】図1−2は、図1−1の例における正面斜視図
【図2】図2は、図1−1の例における背面図
【図3】図3は、図1−1の例における平面図
【図4】図4は、図1−1の例における右側面図
【図5】図5は、図1−1の例における底面図
【図6−1】図6−1は、図1−1の例における展開図
【図6−2】図6−2は、図1−1の例における組み立て工程における第1工程を示した工程図
【図6−3】図6−3は、図1−1の例における組み立て工程における第2工程を示した工程図
【図6−4】図6−4は、図1−1の例における組み立て工程における第3工程を示した工程図
【図6−5】図6−5は、図1−1の例における組み立て工程における第4工程を示した工程図
【図6−6】図6−6は、図1−1の例における組み立て工程における第5工程を示した工程図
【図6−7】図6−7は、図1−1の例における組み立て工程における第6工程を示した工程図
【図6−8】図6−8は、図1−1の例における組み立て工程における第7工程を示した工程図
【図6−9】図6−9は、図1−1の例における組み立て工程における第8工程を示した工程図
【図6−10】図6−10は、図1−1の例における組み立て工程における第9工程を示した工程図
【図6−11】図6−11は、図1−1の例における組み立て工程における第10工程を示した工程図
【図7−1】図7−1は、図1−1の例における第1の使用例を示した参考図
【図7−2】図7−2は、図1−1の例における第2の使用例を示した参考図
【図7−3】図7−3は、図1−1の例における第3の使用例を示した参考図
【図7−4】図7−4は、図1−1の例における第4の使用例を示した参考図
【図7−5】図7−5は、図1−1の例における第5の使用例を示した参考図
【符号の説明】
【0051】
1 ラック
2 組付け機構
20 開口部
21 係止部
3 折曲形成機構
30 折曲線
5 紙材
6 ある一面の紙材
7 立面紙材
7a 立面紙材
7b 立面紙材
7c 立面紙材
7d 立面紙材
8 延面紙材
8a 延面紙材
8b 延面紙材
8c 延面紙材
8d 延面紙材
8e 延面紙材
8f 延面紙材
8g 延面紙材
8h 延面紙材
8i 延面紙材
8j 延面紙材
10 小物
20 ロック機構
A スペース
H 卓上
イ 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚又は複数枚のダンボール、紙類等の紙材を折曲形成機構及び組付け機構を介して、多面体を形成し、この多面体をある一面から視認した際に、3方向(長手方向、幅方向、高さ方向)の面で形成されるスペースを利用して、本、置物等の小物の形状、大きさ等に関係なく小物が横倒しない状態で、収納保管する書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックであって、
このラックを転回し、小物の形状、大きさ等に関係なく、多面体における大小の面の組み合わせで大小のスペースを形成し、このスペースに照合したラックの占有面積を収納保管する量に基づいた必要最小限に止め得ることを特徴とした書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラック。
【請求項2】
請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックであって、
このラックは、前記多面体のある一面の紙材を平行対面させて、自立性のある対に形成された立面紙材と、この立面紙材から延設する折曲形成機構を少なくとも2箇所設けた延面紙材とで構成される書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラック。
【請求項3】
請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックの組付け機構であって、
前記立面紙材に設けられた開口部と、その開口部に嵌挿し前記延面紙材を固止するために設けた係止部とである一面の紙材とその他のある一面の紙材の脱着を行う立面紙材及び延面紙材で構成される書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラック。
【請求項4】
請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックの折曲形成機構であって、
前記組付け機構で固止するために設けた折曲線で、この折曲線を折曲ることにより形成される立面紙材及び延面紙材で構成される書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラック。
【請求項5】
請求項1に記載の書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラックであって、
この隙間を埋めるラックにおける底面部に幅員移行動作のズレを防止するための樹脂部材等のロック機構を貼付する構成である書庫、たんす、本棚等にある隙間を埋めるラック。

【図1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図6−5】
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【図6−6】
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【図6−7】
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【図6−8】
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【図6−9】
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【図6−10】
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【図6−11】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図7−4】
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【図7−5】
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