説明

有価証券入金装置及び有価証券入金方法

【課題】一時保留部を利用した入金処理を行いながら一時保留部に収納可能な上限枚数を超える有価証券が投入された場合でも入金処理を継続する。
【解決手段】有価証券から画像を生成するセンサ部と、センサ部によって生成された画像から情報を読み取る読取処理部と、入金処理を終えた有価証券を収納する収納部と、収納指示がなされるまでの間、有価証券を一時的に収納する一時保留部と、一時保留部に関する情報を報知するための表示部と、一時保留部に収納済みの有価証券の枚数が予め設定された上限枚数に達して一時保留部に収納されるべき有価証券を収納できなくなったことを受けて収納指示がなされた場合には、一時保留部に収納済みの有価証券を収納部へ搬送して途中収納すると共に収納できなかった有価証券を一時保留部へ収納して入金処理を継続する制御を行う制御部とによって有価証券入金装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、小切手等の有価証券による入金を受け付ける有価証券入金装置及び有価証券入金方法に関し、特に、入金確定前の有価証券を一時的に収納する一時保留部を利用して入金処理を行う有価証券入金装置及び有価証券入金方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等の金融機関では、現金に加えて小切手等の有価証券による入金を受け付けるための有価証券入金装置が利用されている。例えば、特許文献1には、金融機関の営業時間終了後や休日に小切手による入金を受け付けるための自動取引装置が開示されている。
【0003】
特許文献1によれば、装置を利用する顧客が入金口座を指定して小切手を投入すると、小切手に記入された小切手金額、小切手に印字された小切手口座及び金融機関に関する情報等が読み取られる。そして、小切手口座から指定された入金口座へ、小切手金額分を入金する入金処理が行われる。小切手情報が読み取られた小切手は一時保留部に収納され、入金処理が完了するまでの間一時保留部内に保持される。小切手金額が取引限度額を超えている場合等、入金処理を行うことができない場合には一時保留部に収納されていた小切手は顧客に返却される。一方、入金処理が正常に完了した場合には、一時保留部に収納されていた小切手は、装置内部に設けられた収納部に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−222729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術における装置においては、一般的に、一時保留部の収納枚数を超える有価証券を受け付けることができないという問題がある。具体的には、一時保留部では内部に収納できる上限枚数が定められているので、この上限枚数を超える有価証券を有価証券入金装置に投入したい場合には、上限枚数を超えないように入金する有価証券を複数回に分けて投入する必要がある。
【0006】
例えば、銀行内で行員によって利用される有価証券入金装置では、一時保留部の上限枚数を超える大量の有価証券が処理される場合がある。有価証券入金装置の投入部に有価証券を投入して処理を開始した後、一時保留部に収納された有価証券の枚数が上限枚数に達したために途中で処理が中断されると、その後の処理に手間がかかっていた。
【0007】
具体的には、有価証券を処理している途中に一時保留部に収納された有価証券の枚数が上限枚数に達した場合、入金処理を一旦キャンセルして一時保留部から返却された有価証券を処理可能な枚数に分け、複数回に分けて入金処理を行わなければならなかった。
【0008】
そして、一処理として処理されるべき有価証券を複数回に分けて処理した場合には、入金処理を一取引分として取り扱うための後処理が必要になっていた。
【0009】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、一時保留部の上限枚数を超える有価証券が投入された場合でも、入金処理を継続することができる有価証券入金装置及び有価証券入金方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、有価証券入金装置であって、入金される有価証券が投入される投入口と、前記投入口に投入された前記有価証券を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記有価証券から画像を生成するセンサ部と、前記センサ部によって生成された有価証券画像から有価証券情報を読み取る読取処理部と、入金処理を終えた前記有価証券を収納する収納部と、前記有価証券を前記収納部へ収納する収納指示がなされるまでの間、前記有価証券を一時的に収納する一時保留部と、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券の枚数が予め設定された上限枚数に達して前記一時保留部に収納されるべき前記有価証券を収納できなくなったことを受けて前記収納指示がなされた場合には、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ搬送して途中収納すると共に収納できなかった前記有価証券を前記一時保留部へ収納して前記入金処理を継続する制御を行う制御部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券が、予め設定された途中収納判定条件を満たす場合にのみ、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ途中収納することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記途中収納判定条件は、少なくとも、前記有価証券画像に含まれる金額又は交換所番号又は金融機関番号のいずれか一つの情報が正常に読み取られたことを条件とすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記読取処理部によって前記有価証券から読み取られた情報を保存するための記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ途中収納した場合には、途中収納した前記有価証券に対応する前記記憶部に保存済みの前記情報と、途中収納後に処理された前記有価証券から読み取られた情報とを区別可能に保存することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記入金処理を終える前に前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ途中収納する収納指示を行うための収納ボタンを含む操作部と、前記一時保留部に関する情報を報知するための表示部とをさらに備え、前記制御部は、前記途中収納判定条件を満たさない情報がある場合には、この情報と該情報を読み取った前記有価証券画像とを前記表示部に表示して、前記操作部による操作に基づいて前記情報を修正することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記情報に基づいて、前記収納部に途中収納された前記有価証券の枚数又は金額に関する情報を、前記表示部に、途中収納後に処理された前記有価証券に関する情報と区別可能に表示することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記有価証券から読み取られた情報を前記有価証券の処理担当者を識別する識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、有価証券入金方法であって、投入口に投入された有価証券から画像を生成する画像生成ステップと、前記画像生成ステップにより生成された有価証券画像から情報を読み取る情報読取ステップと、前記有価証券を前記収納部へ収納する収納指示がなされるまでの間、前記有価証券を一時保留部に一時的に収納する一時収納ステップと、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券の枚数が予め設定された上限枚数に達したか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記一時保留部に収納された前記有価証券の枚数が前記上限枚数に達したと判定されたことを受けて途中収納指示がなされた場合に、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ搬送して途中収納する途中収納ステップと、前記途中収納ステップにより前記一時保留部へ前記有価証券を収納可能な状態になった後に前記投入口に投入された前記有価証券の処理を再開して処理を継続する継続処理ステップとを含んだことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記途中収納ステップは、前記情報読取ステップにより前記一時保留部に収納済みの前記有価証券に関する情報が正常に読み取られたか否かを判定する判定ステップを含み、前記判定ステップで前記情報が正常に読み取られたと判定された場合にのみ前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ途中収納することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、前記途中収納ステップは、前記判定ステップで前記情報が正常に読み取られていないと判定された場合に、前記情報を修正する情報修正ステップをさらに含み、前記情報修正ステップによって前記情報が修正された後に前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ途中収納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、一時保留部に収納された有価証券の枚数が一時保留部に収納可能な上限枚数に達した場合でも、一時保留部に収納済みの有価証券を収納部に途中収納することにより有価証券の処理を停止せずに継続することができるので、一時保留部の収納上限枚数によらず効率よく有価証券を処理することができる。
【0021】
また、本発明によれば、有価証券の処理に問題が生ずる可能性があるか否かを判定するための途中収納判定条件を設定して、この条件を満たした場合にのみ途中収納を行うこととしたので、途中収納した後に収納部に収納された有価証券を取り出さなければならなくなるような事態を回避することができる。
【0022】
また、本発明によれば、途中収納判定条件として利用する有価証券情報を選択して設定することができるので、装置の利用者の運用に応じた設定とすることができる。
【0023】
また、本発明によれば、有価証券情報が正常に読み取られていない可能性があるために途中収納判定条件を満たさないと判定された場合でも、有価証券情報とこれに対応する有価証券画像を表示部に表示して比較しながら有価証券情報を修正することができるので、その後に有価証券の途中収納を行って有価証券の処理を継続することができる。
【0024】
また、本発明によれば、途中収納を行った有価証券に関する情報を他の有価証券情報に関する情報と区別可能に保存するので、途中収納を行った後に継続される処理において、途中収納された有価証券に関する情報を表示部に表示することができる。また、途中収納を行った後に入金処理がキャンセルされた場合でも、途中収納された有価証券については記憶部に保存された情報を利用することができるので、一時保留部に収納された有価証券のみを返却して再処理を行って入金処理を完了することができる。
【0025】
また、本発明によれば、途中収納された有価証券に関する情報を有価証券の処理担当者を識別する担当者IDと関連づけて記憶するので、入金処理がキャンセルされた後、処理が再開された場合に、誤って別の取り引きの情報として利用されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本実施例に係る有価証券入金装置及び該有価証券入金装置が接続される貨幣処理装置の外観構成例を示す斜視図である。
【図2】図2は、本実施例に係る有価証券入金装置の内部構成概略を示す図である。
【図3】図3は、本実施例に係る有価証券入金装置の構成概略を示すブロック図である。
【図4】図4は、有価証券画像の一例を示す図である。
【図5】図5は、有価証券画像から取得された情報の修正方法を説明する図である。
【図6】図6は、有価証券の入金処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】図7は、途中収納が行われた後に入金処理がキャンセルされた場合の再処理の概要を示すフローチャートである。
【図8】図8は、一時保留部に収納された有価証券枚数が上限枚数に達した場合に表示される画面の例を示す図である。
【図9】図9は、途中収納判定条件の例を示す図である。
【図10】図10は、途中収納判定条件の別の例を示す図である。
【図11】図11は、途中収納が行われた後に入金処理がキャンセルされ再処理が開始された場合の画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る有価証券入金装置の好適な実施例を詳細に説明する。有価証券入金装置の処理対象となる有価証券としては、例えば、法人小切手、個人小切手、キャリアエンベロープ入り小切手等の特殊小切手、約束手形、為替手形、補箋付き手形、キャリアエンベロープ入り手形等のような特殊手形が挙げられる。以下では処理対象を小切手として、銀行内で大量の小切手及び現金の入金処理を行う場合を例に説明する。
【0028】
図1は、本実施例にかかる有価証券入金装置10及び該有価証券入金装置10が接続される貨幣処理装置30の外観構成例を示す斜視図である。有価証券入金装置10は、単体での利用も可能であるが、図1に示すように貨幣処理装置30と接続されることにより小切手及び現金の両方を含む入金の処理が可能となる。このため、銀行等の金融機関では、有価証券入金装置10と貨幣処理装置30とを接続して、大量の小切手及び現金の処理を行う出納機として利用する場合もある。
【0029】
貨幣処理装置30は、100枚単位で結束された束紙幣を処理する束紙幣処理部31及びバラ紙幣を1枚ずつ処理するバラ紙幣処理部32から成る紙幣処理装置33と、50枚単位で包装された包装硬貨を出金処理する包装硬貨出金装置34と、バラ硬貨を処理するバラ硬貨処理装置35とによって構成されている。貨幣処理装置30については従来装置を利用することができるので詳細な説明は省略する。
【0030】
図1に示すように、有価証券入金装置10は、各種情報の表示及び入力を行うための操作表示部11と、受け付けた小切手から情報を読み取って収納する本体部12とによって構成されている。操作表示部11は、例えば、液晶ディスプレイと、この液晶ディスプレイに表示される情報を確認しながら命令やデータの入力を行うためのキーボードを有している。
【0031】
図2は、有価証券入金装置10の本体部12内部の構成概略を説明する図である。有価証券入金装置10の本体部12は、小切手を投入するための投入口13と、投入口13から本体部12内に向けて1枚ずつ繰り出された小切手を各部へ搬送するための搬送部14と、搬送部14によって搬送される小切手から小切手画像を生成するスキャナ等から成るセンサ部15と、センサ部15によって情報を読み取ることができなかった小切手等を返却するための排出口16と、入金処理が完了するまでの間一時的に小切手を収納するための一時保留部17と、入金処理が完了した小切手を搬送部14によって搬送して分類収納するための収納部18とを有している。
【0032】
図3は、有価証券入金装置10の概略構成を説明するブロック図である。有価証券入金装置10は、図2に示した操作表示部11、搬送部14、センサ部15、一時保留部17及び収納部18に加えて、これらの動作を制御する制御部19と、各種データを記憶するための記憶部20と、貨幣処理装置30等の外部装置との間で通信を行うための通信部21を有している。
【0033】
制御部19は、センサ部15によって小切手情報を読み取るための制御を行う読取処理部19Aと、搬送部14によって小切手を搬送するための制御を行う搬送制御部19Bと、一時保留部17に収納された小切手を途中収納できるか否かを判定する途中収納条件判定部19Cと、小切手による入金金額の集計を行う集計処理部19Dと、小切手から読み取った小切手情報の確認及び修正を行うための小切手情報修正部19Eとを有している。
【0034】
ここで、小切手の途中収納とは、小切手に関する入金処理が完了する前、すなわち入金処理の途中で、一時保留部17に収納された小切手を収納部18へ搬送して収納する処理を言う。本実施例に係る有価証券入金装置10は、小切手の途中収納を行うことによって、一時保留部17に収納可能な上限枚数を超える小切手の入金処理を行うことができる点を一つの特徴としている。途中収納を行う際の一時保留部17の上限枚数は設定により変更することができる。例えば、一時保留部17がフル状態となる収納可能な最大枚数や、ニアフル状態となる最大枚数に達する前の所定枚数を上限枚数として設定する。なお、途中収納に係る詳細については後述する。
【0035】
読取処理部19Aは、例えばスキャナを含むセンサ部15を制御して、搬送部14によって搬送される小切手をスキャンして小切手画像を生成する処理を行う。また、この小切手画像の所定領域上でOCR技術を利用した文字認識を行って、小切手金額等の小切手情報を読み取る処理を行う。
【0036】
図4に、センサ部15及び読取処理部19Aによって生成される小切手画像101の例を示す。読取処理部19Aは、このような小切手画像101を生成して、これを小切手関連情報20Bの一部として記憶部20に保存する。また、読取処理部19は、この小切手画像101から、交換所整理番号等の交換所情報101a、金融機関番号や委託金融機関番号等の金融機関情報101b、小切手によって支払われる小切手金額101c、振出人の住所や名称等の振出人情報101d、クリアバンド101eに印字された情報等を含む小切手情報を読み取って、これを小切手関連情報20Bの一部として記憶部20に保存する。
【0037】
小切手のクリアバンド101eには、交換所番号、金融機関番号、口座番号等の情報が予め印字されている。また、クリアバンド101eには、小切手による支払が行われた際に、小切手を受け取った銀行によって小切手金額が印字される。クリアバンド101eへは、磁気インク文字によって行われる。
【0038】
読取処理部19Aは、さらに、小切手情報を正確に読み取ることができたか否かを判定する処理を行う。具体的には、例えば、予め情報を読み取るよう設定された小切手画像101上の所定領域で文字を認識できなかった場合には、文字認識が正常に行われなかった、すなわち読取エラーがあったと判定する。その他の判定方法として、例えば、文字認識結果に含まれる文字数や文字種が予め設定された内容と異なっている場合に読取エラーと判定する。また、文字認識結果に含まれると予測される数字や文言を予め辞書登録しておき、文字認識結果が辞書登録された数字や文言と一致しない場合に読取エラーと判定してもよい。これらの判定結果は、小切手関連情報20Bの一部として記憶部20に保存され、小切手情報修正部19Eによって利用される。
【0039】
なお、読取処理部19Aによって行われる読取処理は、OCRを利用する態様に限られない。例えば、センサ部15がMICR(Magnetic Ink Character Recognition)リーダを有し、読取処理部19AがMICRリーダによってクリアバンド101eに印字された磁気インク文字を認識してもよい。
【0040】
搬送制御部19Bは、搬送ベルト、ローラ、分岐爪等からなる搬送部14を制御して、投入口13、センサ部15、排出口16、一時保留部17及び収納部18の間で小切手を搬送する。
【0041】
途中収納条件判定部19Cは、一時保留部17に収納された小切手枚数が一時保留部17に収納可能な上限枚数に達したか否かを判定する処理と、一時保留部17に収納された小切手枚数が上限枚数に達したと判定した場合に一時保留部17に収納された小切手を収納部18に途中収納できるか否かを判定する処理とを行う。
【0042】
集計処理部19Dは、読取処理部19Aによって読み取られた情報から、有価証券入金装置10に受け付けた小切手の合計枚数と小切手金額の合計金額とを算出する集計処理を行う。集計処理部19Dで集計された小切手の枚数及び金額は、有価証券入金装置10内部で利用する他、有価証券入金装置10に接続された貨幣処理装置30や管理装置等の外部装置に送信することもできる。また、集計処理部19Dは、有価証券入金装置10によって処理された紙幣や硬貨の金種や金額等に関する情報を、貨幣処理装置30や管理装置等の外部装置から受信して利用することもできる。
【0043】
小切手情報修正部19Eは、操作表示部11による操作に基づいて、記憶部20に記憶された小切手関連情報20Bを修正する処理を行う。小切手情報修正部19Eは、記憶部20に保存された小切手関連情報20Bを参照し、読取エラーを示す情報が保存されているか否かを判定する。そして、読取エラーを示す情報が保存されていた場合には、図5に示すように、読取エラーを示す小切手情報112と、この情報に対応する小切手画像111とを操作表示部11に表示する。操作表示部11の画面上では、図5に示したように、読取エラーと判定された文字認識結果114と、これに対応する小切手画像111上の文字認識対象領域113とが、他の情報と区別可能に強調して表示される。有価証券入金装置10のユーザは、操作表示部11に強調表示された表示を比較することによって誤認識された部分を認識して修正する。小切手情報が修正されると、記憶部20内の小切手関連情報20Bは修正された情報によって更新される。
【0044】
記憶部20には、途中収納条件判定部19Cによって小切手を途中収納できるか否かを判定するために利用される途中収納判定条件20Aと、読取処理部19Aによって生成された小切手関連情報20Bと、途中収納された小切手に関する小切手情報である途中収納済小切手情報20Cとが保存される。小切手関連情報20Bには、小切手から生成された小切手画像と、この小切手画像から文字認識された小切手情報とが含まれる。また、小切手関連情報20Bには、小切手情報に含まれる各情報が正常に読み取られたものであるか否かを判定した判定結果、すなわち読取エラーを示す情報も含まれている。途中収納済小切手関連情報20Cは、一時保留部17から収納部18に途中収納された小切手に関する小切手情報であり、切手関連情報20Bと同様のデータを含んでいる。
【0045】
有価証券入金装置10は、図2及び図3に示した構成部の他にも、小切手の裏書きを行うためのエンドーサや、処理結果を印字するためのプリンタ等を有しているが、これらについては説明を省略する。また、図2及び図3に示した各構成部についても従来の小切手処理に関する動作及び機能の説明は省略する。これらの構成部やその機能及び動作については、例えば特開2006−154973号公報に開示されている。
【0046】
次に、上記構成を有する有価証券入金装置10によって行われる小切手による入金処理を、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、本実施例に係る小切手による入金処理全体の流れを示すフローチャートである。図7は、途中収納を行った後に一旦入金がキャンセルされ、その後にキャンセルされた小切手に関する再入金処理が行われる場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
まず、図6を参照しながら小切手による入金処理の流れについて説明する。有価証券入金装置10では、小切手処理を開始する前に、まず小切手処理を行う担当者の担当者ID(識別番号)が入力される(ステップS1)。小切手処理の担当者が、操作表示部11を操作して、担当者IDを入力すると、これ以降の処理が担当者IDと関連付けて行われる。具体的には、小切手処理を行って得られた小切手画像や小切手情報が記憶部20に保存される際に担当者IDと関連付けて保存されるので、保存された情報に誤りがあった場合には、担当者IDによって特定される担当者に処理内容を確認できるようになっている。なお、担当者IDの入力は、操作表示部11を利用して入力する態様に限定されず、例えばカードリーダ等を利用する態様であっても構わない。担当者IDが入力された後、続いて、小切手処理が開始される。
【0048】
投入口13に小切手の束が載置されると、小切手は1枚ずつ装置内に繰り出され、搬送部14によって搬送される間にセンサ部15及び読取処理部19Aによって小切手画像101が生成される(ステップS2)。生成された小切手画像は、小切手関連情報20Bの一部として記憶部20に保存される。
【0049】
続いて、読取処理部19Aが、小切手画像101の所定領域上でOCR処理を行って小切手金額、交換所番号及び金融機関番号等の小切手情報を取得する(ステップS3)。取得された小切手情報は、小切手関連情報20Bの一部として記憶部20に保存される。このとき、読取処理部19Aは、文字認識が正常に行われたか否かを判定する。そして、読取エラーの可能性がある場合には、これを示す情報を小切手関連情報20Bの一部として記憶部20に保存する。また、集計処理部19Dは、読取処理部19Aによって読み取られた小切手金額を積算して小切手の合計金額を算出する。
【0050】
センサ部15を通過した小切手は搬送部14によって搬送されて一時保留部17に収納される(ステップS4)。小切手が一時保留部17に収納されると、途中収納条件判定部19Cによって、一時保留部17に収納された小切手の枚数が、予め設定された上限枚数に達したか否かが判定される(ステップS5)。
【0051】
一時保留部17に収納された小切手枚数が上限枚数に達していない場合には(ステップS5;No)、続いて、制御部19によって、投入口13に載置された小切手の全てが処理されたか否かが判定される(ステップS6)。一時保留部17に収納された小切手枚数が上限枚数に達するまでの間は(ステップS5;No)、全ての小切手が処理されるまで(ステップS6;No)、小切手画像の生成から小切手を一時保留部17に収納するまでの一連の処理が繰り返し行われる(ステップS2〜S4)。
【0052】
一方、一時保留部17へ収納された小切手の枚数が上限枚数に達した場合には(ステップS5;Yes)、小切手を途中収納するための処理が開始される。
【0053】
まず、図8に示すように、一時保留部17へ収納された小切手枚数が上限枚数に達したことを報知するための確認画面が操作表示部11に表示される。小切手処理の担当者がこれを確認し、操作表示部11に設けられた収納ボタンを操作して途中収納を承認すると、続いて途中収納条件判定部19Cによって、一時保留部17内の小切手が途中収納判定条件20Aを満たしているか否かが判定される(ステップS7)。
【0054】
ここで、途中収納判定条件20Aとは、一時保留部17に収納された小切手を収納部18に途中収納可能であるか否かを判定するための条件である。小切手情報の中から選択された情報が正常に読み取られている場合には途中収納判定条件20Aを満たすと判定され、読取エラーの可能性がある場合には条件を満たさないと判定される。
【0055】
一時保留部17は、入金処理が確定するまでの間、小切手を一時的に収納するために利用され、一時保留部17内の小切手は入金処理が確定された後に収納部18に収納される。これに加えて本実施例に係る有価証券入金装置10では、一時保留部17の上限枚数を超える小切手が処理されることになった場合にも、入金処理確定前であるにも拘わらず一時保留部17に収納された小切手が収納部18に途中収納される。これにより、一時保留部17の利用が可能となり、小切手処理を継続することができる。
【0056】
しかし、一時保留部17に収納された小切手の中に、小切手情報が正常に取得されていない小切手が含まれる場合には、途中収納を行って小切手処理を継続しても最終的にエラーが発生したり小切手処理がキャンセルされる可能性が高い。途中収納後に途中収納した小切手に関する問題が発生することを回避するため、一時保留部17に収納されている小切手を収納部18に途中収納するか否かを判定する途中収納判定条件20Aを設定し、これを満たす場合にのみ途中収納が行われるようになっている。
【0057】
途中収納判定条件20Aは、予め操作表示部11によって設定され、記憶部20に保存されている。図9は、小切手途中収納判定条件20Aの設定例を示す図である。図9に示したように、例えば、予め設定A、設定B及び設定Cの3つの途中収納判定条件を設定しておき、この中から選択した条件を利用することができる。また、各設定条件として、小切手金額、交換所番号、金融機関番号、金融機関支店番号、委託金融機関番号、委託金融機関支店番号及びクリアバンドから読み取られる情報の中から、任意の情報を選択することができる。
【0058】
有価証券入金装置10が設定Aで利用される場合には、全ての情報が正常に文字認識されたと判定されている場合、すなわち読取エラーが無い場合に、途中収納判定条件20Aを満たすと判定される。また、設定Bで利用さる場合には、小切手金額に読取エラーがあると判定された場合でも、途中収納判定条件20Aを満たすと判定される。すなわち、設定Bでは、小切手金額が読み取れなかった場合でも途中収納が行われることになる。
【0059】
例えば、小切手金額がプリンタによって印字されている場合には、容易に文字認識できることから設定Aによって判定を行い、小切手金額が手書きである場合には文字認識できない可能性が高くなるので設定Bによって判定を行うというように、途中収納判定条件20Aが使い分けられる。
【0060】
なお、途中収納判定条件20Aを利用した判定は、図9に示したように全ての小切手に対して設定A〜Cから選択された1つの設定を適用する態様に限定されない。例えば、図9に示した設定とは別に又はこの設定に加えて、図10に示すように、小切手金額による条件設定を行ってもよい。図10に示した例では、小切手金額が100万円を超える場合に読取エラーがあると途中収納条件20Aを満たさないと判定され、小切手金額が小さくなるにつれて条件が緩和されるように設定されている。このように、小切手金額によって判定条件を使い分けてもよい。また、図示した判定条件は一例であって、本実施例がこれらに限定されるものではない。例えば、少なくとも、小切手金額又は交換所番号又は金融機関番号のいずれか一つの情報が正常に読み取られたことを途中収納判定条件とすることもできる。
【0061】
一時保留部17に収納された小切手の枚数が上限枚数に達した場合に(図6ステップS5;Yes)、一時保留部17に収納された全ての小切手が途中収納判定条件20Aを満たすと判定された場合には(ステップS7;Yes)、一時保留部17の小切手が搬送部14によって搬送されて収納部18に途中収納される(ステップS8)。
【0062】
一方、一時保留部17に収納された小切手の中に途中収納判定条件20Aを満たさない小切手がある場合には(ステップS7;No)、小切手情報修正部19Eによって、小切手情報を確認して修正する処理が行われる(ステップS9)。具体的には、図5を参照しながら説明したように、読取エラーの可能性がある小切手情報と、これに対応する小切手画像とが操作表示部11に表示され、両者を比較して小切手情報に誤りがあった場合には操作表示部11を操作して小切手情報が修正される。小切手情報が修正されると、記憶部20内の小切手情報が修正後の情報によって更新される。
【0063】
小切手情報が修正され、途中収納判定条件20Aを満たすと判定されると(図6ステップS7;Yes)、一時保留部17に収納された小切手が収納部18に途中収納される(ステップS8)。
【0064】
一時保留部17に収納された小切手が収納部18に途中収納された場合には、これらの小切手について記憶部20に保存されていた小切手関連情報20Bは、途中収納済小切手関連情報20Cとして記憶部20内で保持される。すなわち、途中収納後に小切手処理が再開されて一時保留部17に収納される小切手の小切手関連情報20Bと、一時保留部17から収納部18に途中収納された小切手に関する小切手情報である途中収納済小切手関連情報20Cとが、記憶部20内で区別して保存される。
【0065】
こうして、一時保留部17に収納された小切手が収納部18に途中収納されて、再び一時保留部17へ小切手を収納できる状態になると、投入口13に残っている小切手の処理が再開される(ステップS2〜S6)。
【0066】
途中収納が行われた後の小切手処理では、操作表示部11の画面上で、途中収納が行われた後の処理であることを認識できるようになっている。具体的には、例えば図11に示すように、小切手を途中収納済みであることを示す情報121や、途中収納済み小切手に関する情報122が操作表示部11の画面上に表示される。この画面表示によって、現在処理中の小切手の合計枚数及び合計金額と、これに含まれる途中収納済み小切手の枚数や金額とを認識することができる。
【0067】
なお、有価証券入金装置10では、管理装置や貨幣処理装置30等の外部装置から情報を受信して表示することもできる。具体的には、例えば、貨幣及び小切手による入金処理を受け付けた場合に、入金伝票に記入された金額を管理装置から受信して、貨幣の計数結果を貨幣処理装置30から受信する。そして、図11に示したように、入金伝票に記入された入金金額と、有価証券入金装置10によって処理された小切手枚数及び小切手による入金金額と、貨幣処理装置30によって処理された紙幣及び硬貨による入金金額と、伝票に記載された入金金額に対する小切手及び貨幣による入金金額との差額とを画面に表示することができる。有価証券入金装置10や貨幣処理装置30による処理が進められるに従って、これらの表示が更新される。
【0068】
こうして、投入口13に載置された全ての小切手の小切手情報が取得されると(図6ステップS6;Yes)、制御部19によって、読取処理部19Aによって読み取られた小切手情報の中に読取エラーがあったか否かが判定される(ステップS10)。
【0069】
そして、読取エラーの可能性があると判定された小切手情報がある場合には(ステップS10;No)、小切手情報修正部19Eにより小切手情報を確認して修正する処理が行われる(ステップS11)。具体的には、図5に示したように、読取エラーの可能性がある小切手情報と、これに対応する小切手画像とが操作表示部11に表示され、両者を比較して小切手情報に誤りがあった場合には操作表示部11を操作して小切手情報が修正される。小切手情報が修正されると、記憶部20内の小切手情報が修正後の情報によって更新される。
【0070】
全ての小切手情報が正常に読み取れている場合又は読取エラーの可能性がある全ての小切手情報の確認及び修正が行われた場合には、小切手情報に問題は無いと判定される(図6ステップS10;Yes)。
【0071】
次に、各小切手から読み取った小切手金額を集計した結果に問題が無いか否かが判定される(ステップS12)。例えば、投入口13に載置された小切手金額の合計金額が予め分かっている場合には、この金額と、各小切手から読み取られた小切手金額に基づいて集計処理部19Dによって算出された合計金額とが一致するか否かが判定される。具体的には、入金伝票に記載された小切手による入金金額が操作表示部11から入力され、小切手処理が開始されると、全ての小切手から小切手金額を読み取って積算した合計金額と伝票上の入金金額とが一致するか否かが判定される。
【0072】
また、例えば、図11に示した例では、小切手及び貨幣による入金処理を受け付けた際の伝票に記入された入金金額と、小切手及び貨幣による入金金額との差額が0(ゼロ)となった場合に、集計結果に問題は無いと判定される。
【0073】
そして、集計処理結果に問題が無いと判定された場合には、一時保留部17に収納された小切手が収納部18へ収納される(図6ステップS13)。これにより、一連の小切手処理が完了する。
【0074】
小切手処理の途中で途中収納(ステップS8)がされている場合には、途中収納された小切手に関する途中収納済小切手関連情報20Cと、途中収納後に処理された小切手に関する小切手関連情報20Bとが記憶部20内で区別して保存されている。集計処理結果に問題がないと判定された後(ステップS12;Yes)、途中収納済小切手関連情報20Cは小切手関連情報20Bに統合され、途中収納分と途中収納後の全ての小切手、すなわち一取引分の小切手に対応する小切手関連情報20Bが生成される。
【0075】
小切手処理が完了すると、小切手枚数や小切手金額の合計金額等の情報が、有価証券入金装置10又は有価証券入金装置10に接続された管理装置の備えるプリンタから印字されたり、有価証券入金装置10から管理装置又は貨幣処理装置30に送信される。また、同様に、記憶部20に保存された小切手関連情報20Bが、一取引分の小切手に関連する情報として、管理装置又は貨幣処理装置30に送信される場合もある。
【0076】
一方、集計処理結果に問題があると判定された場合には(ステップS12;No)、小切手による入金をキャンセルするキャンセル処理(ステップS14)が行われる。キャンセル処理が行われると、一時保留部17に収納された小切手が排出口16から返却される(ステップS15)。また、返却された小切手について記憶部20に保存されていた小切手画像や小切手金額等の小切手関連情報20Bが消去され、小切手処理が完了する。このとき、途中収納(ステップS8)がされている場合には、収納部18に途中収納された小切手に関する途中収納済小切手関連情報20Cは消去されずに記憶部20内で保持される。また、収納部18に収納された小切手も返却されず収納部18内に保持される。
【0077】
小切手入金がキャンセルされると(ステップS14)、有価証券入金装置10の担当者は、返却された小切手の枚数等を目視確認した後、再度、返却された小切手を投入口13に載置して小切手の入金処理を行う。
【0078】
図7は、再処理として行われる小切手入金処理の流れを示すフローチャートである。小切手の再処理を行う場合には、まず担当者IDの入力が求められる(ステップS20)。記憶部20では、担当者IDと関連付けてデータが保存されている。制御部19は、操作表示部11から担当者IDが入力されると、この担当者IDと関連する途中収納済小切手関連情報20Cを検索する(ステップS21)。
【0079】
そして、関連する途中収納済小切手関連情報20Cが保存されている場合には、記憶部20からこれを読み出して、操作表示部11に表示する(ステップS22)。その後、図11に示すように、操作表示部11に、途中収納済小切手の枚数や金額等の情報122を表示しながら、再処理分の小切手の処理が開始される(ステップS23)。これにより、途中収納された小切手と再処理分の小切手を同じ一取引に含まれる小切手として処理を続けることができる。
【0080】
一方、担当者IDと関連する途中収納済小切手関連情報20Cが保存されていない場合には(ステップS21;No)、通常通り小切手処理が開始される(ステップS23)。
【0081】
この後の小切手処理は、図6を参照しながら説明した処理と同様であるため説明を省略する。なお、小切手の再処理は、途中収納直後の段階からの処理として、図6ステップS8完了後のフローに従って処理が行われることになる。
【0082】
なお、操作表示部11に設けられた収納ボタンを操作して途中収納を承認する例を説明したが、本実施例がこれに限定されるものではなく、予め設定された途中収納条件を満たしている場合には自動的に収納部に途中収納される態様であってもよいし、例えば通信可能に接続された現金処理機やホストサーバー等の外部装置から途中収納を承認する指示を受信することによって途中収納される態様であっても構わない。
【0083】
上述してきたように、本実施例によれば、一時保留部17に収納可能な上限枚数を超えた小切手を処理する場合でも、一時保留部17の小切手を収納部18に途中収納することにより、小切手処理を継続して行うことができる。このため、上限枚数を超えないように小切手を複数回に分けて処理する必要がなく、一取引として処理する小切手枚数に制限がなくなるので効率よく入金処理を行うことができる。
【0084】
また、途中収納可能な条件として途中収納判定条件を設け、条件を満たさず小切手から読み取られた小切手情報に問題があると判定された場合には、これらの小切手情報を確認した後に途中収納を行うこととしたので、途中収納後に問題が生じて収納部に途中収納された小切手を再度取り出して確認するという事態を極力回避することができる。また、途中収納判定条件に利用する小切手情報を任意に選択することができるので、有価証券入金装置10の利用者の運用に合わせた条件設定を行うことができる。また、複数の途中収納判定条件を設定可能とし、予め設定された複数条件の中から条件を選択して利用することができるので、小切手の種類等に合わせた柔軟な対応が可能となる。
【0085】
また、途中収納された小切手に関する情報を記憶部20に記憶して、入金処理がキャンセルされた後、再処理が行われる場合にこれを利用することができるので、収納部18に収納済みの小切手を取り出すことなく再処理を行うことができる。
【0086】
記憶部20では小切手情報が担当者IDと関連付けて記憶され、担当者IDが入力されると途中収納済小切手に関する情報が操作表示部11に表示されるので、容易に再処理を行うことができる。また、担当者IDと関連付けることにより他の担当者が誤って途中収納済小切手に関する情報を利用することを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上のように、本発明は、銀行等の金融機関において一時保留部を有する有価証券入金装置を利用して大量の小切手を処理する場合に有用な技術である。
【符号の説明】
【0088】
10 有価証券入金装置
11 操作表示部
12 本体部
13 投入口
14 搬送部
15 センサ部
16 排出口
17 一時保留部
18 収納部
19 制御部
19A 読取処理部
19B 搬送制御部
19C 途中収納条件判定部
19D 集計処理部
19E 小切手情報修正部
20 記憶部
20A 途中収納判定条件
20B 小切手関連情報
20C 途中収納済小切手関連情報
21 通信部
30 貨幣処理装置
101 小切手画像
101a 交換所情報
101b 金融機関情報
101c 小切手金額
101d 振出人情報
101e クリアバンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入金される有価証券が投入される投入口と、
前記投入口に投入された前記有価証券を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記有価証券から画像を生成するセンサ部と、
前記センサ部によって生成された有価証券画像から有価証券情報を読み取る読取処理部と、
入金処理を終えた前記有価証券を収納する収納部と、
前記有価証券を前記収納部へ収納する収納指示がなされるまでの間、前記有価証券を一時的に収納する一時保留部と、
前記一時保留部に収納済みの前記有価証券の枚数が予め設定された上限枚数に達して前記一時保留部に収納されるべき前記有価証券を収納できなくなったことを受けて前記収納指示がなされた場合には、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ搬送して途中収納すると共に収納できなかった前記有価証券を前記一時保留部へ収納して前記入金処理を継続する制御を行う制御部と
を備えたことを特徴とする有価証券入金装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券が、予め設定された途中収納判定条件を満たす場合にのみ、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ途中収納することを特徴とする請求項1に記載の有価証券入金装置。
【請求項3】
前記途中収納判定条件は、少なくとも、前記有価証券画像に含まれる金額又は交換所番号又は金融機関番号のいずれか一つの情報が正常に読み取られたことを条件とすることを特徴とする請求項2に記載の有価証券入金装置。
【請求項4】
前記読取処理部によって前記有価証券から読み取られた情報を保存するための記憶部
をさらに備え、
前記制御部は、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ途中収納した場合には、途中収納した前記有価証券に対応する前記記憶部に保存済みの前記情報と、途中収納後に処理された前記有価証券から読み取られた情報とを区別可能に保存することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有価証券入金装置。
【請求項5】
前記入金処理を終える前に前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ途中収納する収納指示を行うための収納ボタンを含む操作部と、
前記一時保留部に関する情報を報知するための表示部と
をさらに備え、
前記制御部は、前記途中収納判定条件を満たさない情報がある場合には、この情報と該情報を読み取った前記有価証券画像とを前記表示部に表示して、前記操作部による操作に基づいて前記情報を修正することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の有価証券入金装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記情報に基づいて、前記収納部に途中収納された前記有価証券の枚数又は金額に関する情報を、前記表示部に、途中収納後に処理された前記有価証券に関する情報と区別可能に表示することを特徴とする請求項4に記載の有価証券入金装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記有価証券から読み取られた情報を前記有価証券の処理担当者を識別する識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項4又は6に記載の有価証券入金装置。
【請求項8】
投入口に投入された有価証券から画像を生成する画像生成ステップと、
前記画像生成ステップにより生成された有価証券画像から情報を読み取る情報読取ステップと、
前記有価証券を収納部へ収納する収納指示がなされるまでの間、前記有価証券を一時保留部に一時的に収納する一時収納ステップと、
前記一時保留部に収納済みの前記有価証券の枚数が予め設定された上限枚数に達したか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記一時保留部に収納された前記有価証券の枚数が前記上限枚数に達したと判定されたことを受けて途中収納指示がなされた場合に、前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ搬送して途中収納する途中収納ステップと、
前記途中収納ステップにより前記一時保留部へ前記有価証券を収納可能な状態になった後に前記投入口に投入された前記有価証券の処理を再開して処理を継続する継続処理ステップと
を含んだことを特徴とする有価証券入金方法。
【請求項9】
前記途中収納ステップは、
前記情報読取ステップにより前記一時保留部に収納済みの前記有価証券に関する情報が正常に読み取られたか否かを判定する判定ステップ
を含み、
前記判定ステップで前記情報が正常に読み取られたと判定された場合にのみ前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ途中収納することを特徴とする請求項8に記載の有価証券入金方法。
【請求項10】
前記途中収納ステップは、
前記判定ステップで前記情報が正常に読み取られていないと判定された場合に、前記情報を修正する情報修正ステップ
をさらに含み、
前記情報修正ステップによって前記情報が修正された後に前記一時保留部に収納済みの前記有価証券を前記収納部へ途中収納することを特徴とする請求項9に記載の有価証券入金方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−77207(P2013−77207A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217319(P2011−217319)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】