説明

有道床軌道及び有道床軌道の施工方法

【課題】バラストの振動低減、騒音の吸音、雨水の浸透の機能を損なうことなく、軌道の沈下を抑えることができるとともに、バラストの交換作業や軌道位置の微変更を容易に行うことができる有道床軌道を提供することを目的としている。
【解決手段】バラスト11を盛り上げて形成される形成される道床1と、この道床1上に間隔を隔てて敷設される多数の枕木2と、これらの枕木2間に掛け渡されて枕木2に下方から支持されるレール3とを備える有道床軌道Aにおいて、道床1内に、荷重分散用の線状材4が埋設されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有道床軌道及び有道床軌道の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道軌道で最も一般的に用いられているのが、図8に示すように、路盤等の下地上にバラスト11と呼ばれる石を盛り上げて形成される道床100の上に枕木2を介してレール3を配置する有道床軌道である。
バラスト11は、列車の振動を弾性的に受け止めて、振動を減衰させる役割と、列車通過時の騒音を吸音する役割と、枕木を動かないように固定する役割と雨水を浸透させて、軌道上から除去する役割とを担っている。
【0003】
しかし、道床100は、局部的に掛かる列車荷重を受け止めているために、バラストが局部的に摩滅したり、荷重の少ない方向に移動したりして、時間が経過すると、軌道が沈下してしまうという問題がある。
すなわち、図8に示すように、列車5の荷重は、レール3、枕木2を介して道床10に伝わるが、道床100に伝わった荷重は、バラスト11間の摩擦抵抗の為、荷重が加わった部分の直下だけでなく、図8及び図9に示すように、枕木2とレール3との交点直下が最も大きく枕木2とレール3との交点直下をピークとする同心円状の荷重分布となるように分散される。しかしながら、枕木2の直下部分、特に枕木2とレール3との交点直下の部分のバラスト11にかかる荷重が他の部分に比べ非常に大きいため、どうしても枕木2の直下部分、特に枕木2とレール3との交点直下の部分のバラスト11が局部的に摩滅しやすい。
【0004】
その対策として、バラストを交換したり、バラストに振動を与える突き固め作業により元のバラストの状態に戻したりする作業が定期的に行なわれるようになっている。
しかしながら、これらの作業は、非常に人手を要する作業なので、これらの作業の頻度を出来るだけ減らすことが、軌道を保守する保線作業で非常に望まれている。
特に、分岐軌道や急曲線軌道やレール継目部分や踏み切り部分では、特に荷重が偏在したり、大荷重がかかるので、軌道の沈下が起き易く、従って、上記の保線作業の頻度低減が強く望まれている。
【0005】
そこで、上記の保線作業の頻度低減のために、バラストをアスファルトなどや樹脂などで固めてしまう方法も取られている(特許文献1参照)。
しかし、この方法の場合、保線作業の頻度低減を図ることができるものの、本来、バラストが担っていた、振動低減、騒音の吸音、雨水の浸透の機能を低下させてしまう問題、長期間が経過して、バラストが摩滅などして、バラストの交換や振動を与える作業を行う際には、固めてしまったバラストが作業の大きな障害になってしまう問題、軌道の位置を微変更させる際にも、固めてしまったバラストが作業の大きな障害になってしまう問題などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−242104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて、バラストの振動低減、騒音の吸音、雨水の浸透の機能を損なうことなく、軌道の沈下を抑えることができるとともに、バラストの交換作業や軌道位置の微変更を容易に行うことができる有道床軌道及びこの有道床軌道を容易に施工することができる施工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明にかかる有道床軌道は、バラストを盛り上げて形成される形成される道床と、この道床上に間隔を隔てて敷設される多数の枕木と、これらの枕木間に掛け渡されて枕木に下方から支持されるレールとを備える有道床軌道において、前記道床内に、荷重分散用の線状材が埋設されていることを特徴としている。
【0009】
本発明の有道床軌道において、線状材としては、枕木を介して道床に加えられる荷重が分散できれば特に限定されないが、繊維強化樹脂組成物からなる線状成形品、可撓性を有するチューブからなる外層と、前記チューブ内に充填された繊維強化樹脂組成物からなる内層とを備えているもの、ワイヤロープ、ナイロンロープなどが挙げられ、中でも、軽量で強度的に優れていることから繊維強化樹脂組成物からなる線状成形品、あるいは、可撓性を有するチューブからなる外層と、前記チューブ内に充填された繊維強化樹脂組成物からなる内層とを備えているものが好ましい。
【0010】
上記繊維強化樹脂組成物を構成する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられ、発泡していても非発泡でも構わない。また、上記樹脂は、その弾性率が1000MPa以上であるものが好ましい。すなわち、弾性率が低すぎると、道床の沈下防止効果を十分発揮できなくなるおそれがある。
【0011】
繊維強化軟質樹脂を構成する強化繊維としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、ポリエステル繊維、カーボン繊維などが挙げられる。
繊維強化樹脂組成物中の上記強化繊維の配合割合としては、特に限定されないが、可撓性を有するチューブからなる外層と、このチューブ内に充填された繊維強化樹脂組成物からなる内層とを備えている線状材においては、少なすぎると補強効果が十分でなく、多すぎるとチューブに繊維強化樹脂組成物を注入しにくくなるため、組成物中の樹脂比率が30重量%以上80重量%以下となる範囲で添加することが好ましい。
【0012】
強化繊維の形状としては、特に限定されないが、モノフィラメント、撚り糸状、織布状、不織布状及びこれらの混合物が挙げられる。
また、強化繊維は、線状材の長手方向に平行となるように分散配置されていても、ランダムな方向に分散配置されていても構わない。
【0013】
また、上記繊維強化樹脂組成物中には、必要に応じて、例えば、難燃剤や炭酸カルシウム、珪砂、フライアッシュなどの固形の充填材を含んでも構わない。
【0014】
上記外層となるチューブの材質は、特に限定されないが、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等が望ましい。チューブとなる樹脂の弾性率は、特に限定されないが、1MPa以上500MPa 以下が好ましい。
すなわち、チューブとなる樹脂の弾性率が低すぎると、内層となる樹脂を注入した際にチューブが樹脂圧力に耐えられず、形状保持ができないおそれがあり、高すぎると、施工時に線状材を屈曲させにくくなるおそれがある。
【0015】
チューブの肉厚は、特に限定されないが、後述するチューブを道床内に先に埋設したのち、繊維強化樹脂組成物を注入する場合においては、チューブの肉厚が薄すぎると、樹脂を注入する前にバラストで穴があいてしまう、あるいは、樹脂注入の際に穴が開いてしまうおそれがあり、厚すぎると、内層の部分が少なくなり、補強効果が小さくなってしまうおそれがあるので、1mm以上20mm以下が望ましい。
【0016】
また、線状材の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、横長板状、縦長板状、正方形、円形、横長板状、縦長板状、正方形をした部分から周囲に突出部が突出した、☆型や十字型等が挙げられる。
そして、その断面の大きさとしては、特に限定されないが、余りに小さいと荷重の分散が行われないし、余りに大きいと、線状材の上部のバラストと下部のバラスとが分断されてしまって、振動の吸収や雨水の浸透が阻害されてしまうおそれがあるので、断面の最大長を20mm以上200mm以下とすることが望ましい。
【0017】
可撓性を有するチューブからなる外層と、このチューブ内に充填された繊維強化樹脂組成物からなる内層とを備えている線状材の製造方法は、特に限定されないが、チューブの一端から未硬化状態の繊維強化樹脂組成物をチューブ内にポンプ等を用いて注入する方法、チューブの一端から減圧し、他端から未硬化状態の繊維強化樹脂組成物をチューブ内に吸引する方法、両者を組み合わせた方法でチューブ内にする未硬化状態の繊維強化樹脂組成物を充満させたのち、繊維強化樹脂組成物を硬化させる方法が挙げられる。
【0018】
チューブ内に未硬化状態の繊維強化樹脂組成物を注入する時期としては、特に限定されず、線状材を道床内に埋設する前に注入してもよいし、まず、チューブを道床の線状材埋設部に配置したのち、現場で注入してもよい。
なお、現場で注入する場合においては、チューブを線状材埋設部に配置した直後でも構わないが、チューブを道床内に埋設し、しばらく列車を運行した後などバラストの隙間が均整化したのちに行うことが好ましい。
【0019】
線状材の埋設位置は、道床内であれば特に限定されないが、荷重が大きくかかりやすい枕木のレール支持部直下にできるだけ配置することが好ましい。
線状材の埋設深さは、特に限定されないが、枕木下端から路盤等の下地までの道床の厚さ(一般的には、20〜30cm)の1/2位置までが好ましい。
すなわち、埋設位置が深すぎると、荷重を分散させてバラストの劣化を防ぐことができなくなるおそれがある。
【0020】
線状材の配置パターンは、1つの線状材が複数の枕木或いはレールと立体的に交差しておれば、特に限定されないが、平面視で格子状のパターン、蛇行するパターン、及びこれらをくみあわせたパターンなどが挙げられ、複数の線状材が立体交差していても構わない。
線状材の配置密度は、バラストの本来有している機能の振動低減、騒音の吸音、枕木の固定等の機能や雨水の浸透を阻害しなければ特に限定されないが、平面視で道床の面積の
1%〜10%が好ましい。
すなわち、線状材の配置密度が低すぎると、道床沈下防止の効果が不十分となるおそれがあり、高すぎると、線状材より上のバラストと下のバラストとの一体感が弱まり、線状材より上側のバラストが横に滑ってしまうおそれがある。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる有道床軌道は、バラストを盛り上げて形成される形成される道床と、この道床上に間隔を隔てて敷設される多数の枕木と、これらの枕木間に掛け渡されて枕木に下方から支持されるレールとを備える有道床軌道において、前記道床内に、荷重分散用の線状材が埋設されているので、列車の通過により枕木から道床に加わる荷重が、線状材の上部に配置されたバラストを介して線状材に伝わり線状材によって分散されて、線状材下方のバラストに伝わる。したがって、レール直下のバラストに掛かる局所荷重を分散させることができる。これにより、バラストの短期間での局部的な摩滅を防止でき、振動低減、騒音の吸音、雨水の浸透の機能を損なうことなく、軌道の沈下を長期間抑えることができるとともに、バラストの交換作業や軌道位置の微変更を容易に行うことができる。
【0022】
しかも、バラストが樹脂などで固められていないため、バラストの交換作業や軌道位置の微変更などの作業頻度を低減できるとともに、雨水も容易に道床内に浸透する。
さらに、線状材を配置する場所や深さを調整することで、軌道の突き固め作業や軌道の位置を少しずらす作業にも支障ない。
【0023】
また、線状材は、道床内にて大きな面積をとらないので、列車から受ける荷重に対するバラストのクッション性を妨げることはない。
すなわち、枕木からの荷重に対するバラスト製道床のクッション性は道床の上下方向の厚さが厚いほど大きくなるが、例えば、線状材の代わりに道床内に板状材を敷設した場合、枕木からの荷重が板状材より上部に配置されたバラストを介して板状材に伝わり、板状材によって分散されるものの、板部材によってバラストが上下遮断されてしまう。したがって、板状材を配置した場合、クッション性が低下してしまうが、線状材の場合、面積が小さいので、上下のバラストとの間を完全に遮断せず、バラスト本来のクッション性を阻害しない。
【0024】
一方、本発明の有道床軌道の施工方法は、道床の線状材埋設部に線状材の外層となる可撓性を有するチューブを配置したのち、前記チューブの一端から他端に向かって未硬化状態の繊維強化熱硬化樹脂組成物を注入充填し、繊維強化熱硬化樹脂組成物をチューブ内で硬化させて線状材の内層を形成する工程を備えているので、耐久性に富んだ線状材を道床内の所望の位置に容易に配置することができる。
すなわち、繊維強化熱硬化樹脂組成物を注入する前のチューブは、可撓性を備え形状の自由度が高いので、運搬が容易で、かつ、現地で容易に所定の位置に設置することができる。そして、その後チューブ内に繊維強化熱硬化樹脂組成物を注入充填し、繊維強化熱硬化樹脂組成物をチューブ内で硬化させて線状材を形成するようにしたので、高強度な線状材を所望の位置に容易に配置することができる。
【0025】
また、バラストを盛った直後は、バラスト間の隙間が不均一で、しばらく列車が通過することにより隙間が均整化して、適した状態になる。
したがって、上記本発明の施工方法においては、ある程度バラスト間の隙間が均整化した後、繊維強化熱硬化樹脂組成物を注入充填し、繊維強化熱硬化樹脂組成物をチューブ内で硬化させて線状材を形成すれば、その後の道床の沈下をより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にかかる有道床軌道の第1の実施の形態をあらわす平面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図2のY−Y線断面図である。
【図4】本発明の有道床軌道における道床に加わる荷重の荷重分布を説明する図である。
【図5】本発明にかかる有道床軌道の第2の実施の形態をあらわす平面図である。
【図6】本発明にかかる有道床軌道の第3の実施の形態をあらわす平面図である。
【図7】本発明にかかる有道床軌道に用いられる線状材の別の態様をあらわす断面図である。
【図8】従来の有道床軌道の断面図である。
【図9】図8の有道床軌道における道床に加わる荷重の荷重分布を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図3は、本発明にかかる有道床軌道の第1の実施の形態をあらわしている。
【0028】
図1〜図3に示すように、この有道床軌道Aは、路盤等の下地(図示せず)上にバラスト11を盛り上げて形成される形成される道床1と、この道床1上に間隔を隔てて敷設される多数の枕木2と、これらの枕木2間に掛け渡されて枕木2に下方から支持されるレール3とを備えている。
そして、道床1内には、図1に示すように、線状材4が枕木2に略直交するように蛇行するとともに、雨水の浸透の機能を損なうことない密度で埋設されている。
【0029】
線状材4は、図3に示すように、外層41と内層42とを備えている。
外層41は、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等からなる可撓性を有するチューブで形成されている。
内層42は、繊維強化熱硬化性樹脂組成物で形成されている。
【0030】
そして、この有道床軌道Aは、以下のようにして施工されるようになっている。
すなわち、まず、下地上に線状材4の埋設高さ程度までバラスト11を盛り上げたのち、バラスト11上に線状材4の外層41となる上記チューブを図1に示す線状材4の配置パターンに沿って配置する。
【0031】
つぎに、チューブが埋設されるように、さらにバラスト11を上方に盛り上げて略道床1を形成する。なお、このとき、チューブの両端は道床1外に露出した状態にする。
その後、従来と同様にして枕木2及びレール3を敷設し、しばらく列車5を通過させて、バラスト11間の隙間をある程度均整化させたのち、チューブの一端から吸引しつつチューブの他端から内層42となる未硬化状態の繊維強化熱硬化性樹脂組成物をチューブ内にポンプを用いて注入して未硬化状態の繊維強化熱硬化性樹脂組成物をチューブ内に充満させる。
そして、繊維強化熱硬化性樹脂組成物をチューブ内で硬化させて内層42を形成する。
【0032】
この有道床軌道Aは、上記のように、道床1内に線状材4が埋設されているので、レール3直下のバラスト11にかかる局所荷重が分散されることになり、バラスト11の振動低減、騒音の吸音を図るとともに、バラスト11の磨耗や道床1の沈下を抑制することができる。
【0033】
すなわち、列車5の荷重は、レール3、枕木2を介して道床1に伝わる。そして、道床1に伝わった荷重は、図2に示すように、道床1の線状材4の上側に位置する部分では、従来の道床10と同様に分散されるものの、道床1の線状材4の下方に位置する部分では、線状材4に加わった荷重は、線状材が有する曲げ剛性により更に分散される。その結果、道床1にかかる荷重が図4に実線で示すように、点線で示す従来の荷重分布に比べ、ピークの低いなだらかな荷重分布となり、局部的なバラストの摩滅を防ぎ、バラストの交換頻度を低減できる。
しかも、線状材4は、道床内にて大きな面積をとらないので、列車から受ける荷重に対するバラスト11のクッション性を妨げることはない。
【0034】
また、この有道床軌道Aは、バラスト11が樹脂などで固められていないため、バラスト11の交換作業や軌道位置の微変更などの作業頻度を低減できるとともに、雨水も容易に道床1内に浸透する。
【0035】
また、上記のように施工するようにすれば、線状材4を正確にかつ容易に所望の配置パターンで配置することができるとともに、ある程度バラスト11間の隙間が均整化した後、繊維強化熱硬化樹脂組成物を注入充填し、繊維強化熱硬化樹脂組成物をチューブ内で硬化させるので、その後の道床1の沈下をより確実に防止することができる。
【0036】
図5は、本発明にかかる有道床軌道の第2の実施の形態をあらわしている。
図5に示すように、この有道床軌道Bは、線状材4がレール3と交差する方向に蛇行している以外は、上記の有道床軌道Aと同様になっている。
【0037】
図6は、本発明にかかる有道床軌道の第3の実施の形態をあらわしている。
図6に示すように、この有道床軌道Cは、別の線状材4がレール3と交差する方向に蛇行するようにさらに設けられている以外は、上記の有道床軌道Aと同様になっている。
【0038】
図7は、本発明にかかる有道床軌道に用いられる線状材の他の態様の断面形状をあらわしている。
図7(a)〜(i)に示す線状材6は、断面形状が異なるが、いずれもオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの熱可塑性樹脂に強化繊維が分散混合された軟質の繊維強化樹脂組成物を線状に押出成形することによって得られる。
すなわち、この線状材6は、可撓性があり、容易に所定の配置パターンで道床1内に埋設させることができる。
【符号の説明】
【0039】
A,B,C 有道床軌道
1 道床
11 バラスト
2 枕木
3 レール
4,6 線状材
41 外層
42 内層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バラストを盛り上げて形成される道床と、この道床上に間隔を隔てて敷設される多数の枕木と、これらの枕木間に掛け渡されて枕木に下方から支持されるレールとを備える有道床軌道において、
前記道床内に、荷重分散用の線状材が埋設されていることを特徴とする有道床軌道。
【請求項2】
線状材が繊維強化樹脂組成物からなる線状成形品である請求項1に記載の有道床軌道。
【請求項3】
線状材が可撓性を有するチューブからなる外層と、前記チューブ内に充填された繊維強化樹脂組成物からなる内層とを備えている請求項1に記載の有道床軌道。
【請求項4】
道床の線状材埋設部に線状材の外層となる可撓性を有するチューブを配置したのち、前記チューブの一端から他端に向かって未硬化状態の繊維強化熱硬化樹脂組成物を注入充填し、繊維強化熱硬化樹脂組成物をチューブ内で硬化させて線状材の内層を形成する工程を備えている請求項3に記載の有道床軌道の施工方法。
【請求項5】
バラストの隙間が均質化したのちに、内層を形成する請求項4に記載の有道床軌道の施工方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate