説明

杭引抜き装置

【課題】杭の引抜き操作途中であっても操作レバーのてこ比を変更でき、杭の引抜き作業を終始円滑に行うことができる杭引抜き装置を提供する。
【解決手段】支柱11上部の支点ボルト115に対する係合部141の係合位置を操作レバー14の軸線方向に移動させて当該操作レバー14のてこ比を変更するてこ比変更手段17を備え、このてこ比変更手段17は、杭Kの引き抜き操作途中に操作部142を上方へ戻し操作することによって、支点ボルト115に対する他側係合孔141bの係合を解除し、支点ボルト115に対する係合部141の係合位置を一側係合孔141aと合致する溝部171の一側端まで移動させた状態で、操作部142を下方へ操作して支点ボルト115に対する一側係合孔141aの係合を可能にして操作レバー14のてこ比を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農事作業用に地面に打ち込んで使用される鋼管製の杭を引き抜くための杭引抜き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農事作業において蔓性作物などの育成用またはビニールハウスの支柱として用いられる鋼管製の杭は、耕作地の地面に打ち込んで使用される。このような杭には、打ち込まれた耕作地の地質や打ち込まれてからの使用期間などが要因となって、錆が生じることがある。このため、錆びた杭を引き抜く際には、多大な引抜き力が必要となる。
【0003】
そこで、従来より、てこの原理を応用して杭を円滑に引抜くようにした杭引抜き装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この杭引抜き装置は、図11に示すように、支柱71と、該支柱71の下部に昇降自在に支持された昇降体72と、上記支柱71の上部に設けられた支点71aに対し係脱自在に係合する係合部73aを他端側に有しているとともに、一端側に操作部73bを有する操作レバー73とを備えている。上記昇降体72には、地面に打ち込まれた杭kを前方から受ける杭受け部74aを有する杭支持部材74が前方に突設されている。この杭支持部材74には、前方への進出時に上記杭受け部74aで受けた杭kを後方から狭持する挟持部74bが前後方向へ進退自在に支持されている。また、上記操作レバー73の他端には、上記操作部73bの下方への操作時に上記挟持部74bを進出移動させるとともに上記昇降体72を上方へ移動させるリンク機構75が連結されている。そして、杭kを引き抜く際には、上記操作部73bを下方へ操作することにより、上記杭受け部74aで受けた杭kを上記挟持部74bの進出移動により後方から狭持した状態で、上記リンク機構75を介して上記昇降体72を上方へ移動させることによって上記杭kを引き抜くようにしている。
【0004】
また、上記杭引抜き装置の係合部73aには、上記支点71aに対する上記係合部73aの係合位置を上記操作レバー73の軸線方向に移動させて当該操作レバー73のてこ比を変更するてこ比変更手段76を備えている。このてこ比変更手段76は、上記操作レバー73の軸線方向に沿って複数設けられた係合孔76a,76a,76aを備えている。上記てこ比変更手段76では、多本数の杭kの引抜き固さを予め想定して、上記支点71aに対する上記係合部73aの係合位置を最適な係合孔76aの合致位置まで移動させて上記操作レバー73のてこ比の変更を行っている。
つまり、上記杭kの引き抜き操作を開始する前に対象とする複数本の杭kの引抜き固さを予め想定していずれかの係合孔76aを選択し、上記支点71aに対する上記係合部73aの係合位置を上記選択された係合孔76aとの合致位置まで移動させる。そして、上記選択された係合孔76aに挿通されたボルト76bを支柱71上部の支点孔に挿通し、ナット76cにより止着して上記操作レバー73の支柱71に対する支点71aとすることで、上記操作レバー73のてこ比の変更を行い、この変更されたてこ比で多本数の杭kを連続して引抜くようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭58−54444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、多本数の杭を引き抜く場合、錆の生じ方の差異などによって個々の杭の引抜き固さは全て均一ではなく、杭の引抜き操作を実際に開始して始めて個々の杭の引抜き固さが判明する。
しかし、上記従来のものでは、操作レバーのてこ比を変更するに当たり、支点に対する係合部の係合位置を他の係合孔との合致位置まで移動させてから、上記係合孔に挿通したボルトを支柱上部の支点孔に止着し直すといった煩わしい作業が必要となる。このため、杭の引抜き操作を開始した時点で、操作レバーのてこ比では不向きな引抜き固さの杭が判明しても、その引抜き操作途中に操作レバーのてこ比を変更する作業をその都度行うわけにはいかず、杭の引抜き作業に苦行が強いられるおそれがある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、杭の引抜き操作途中であっても操作レバーのてこ比を変更でき、杭の引抜き作業を終始円滑に行うことができる杭引抜き装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明では、支柱と、該支柱に沿って昇降自在に支持された昇降体と、該昇降体より前方に突設され、地面に打ち込まれた杭を前方から受ける杭受け部を有する杭支持部材と、上記昇降体よりも上方となる上記支柱の上部に設けられた支持部に対し係脱自在に係合する係合部を他端側に有しているとともに、一端側に上記係合部を介して上記支持部回りに上下方向へ操作される操作部を有する操作レバーと、上記杭支持部材に進退自在に支持され、上記杭受け部で受けた杭を前方への進出時に後方から狭持する挟持部と、上記操作レバーの他端に連結され、上記操作レバーの下方への操作時に上記挟持部を進出移動させるとともに、上記昇降体を上方へ移動させるリンク機構と、上記支持部に対する上記係合部の係合位置を上記操作レバーの軸線方向に移動させて当該操作レバーのてこ比を変更するてこ比変更手段とを備え、上記てこ比変更手段により上記操作レバーのてこ比を任意に変更した状態で上記操作部を下方へ操作することにより、上記杭受け部で受けた杭を上記挟持部の進出移動により後方から狭持しつつ上記昇降体を上方へ移動させることによって上記杭を引き抜くようにした杭引抜き装置を前提とする。そして、 上記てこ比変更手段に、上記支持部に対する上記係合部の係合位置を上記操作レバーの軸線方向に移動させる溝部と、上記溝部上にそれぞれ設けられ、上記杭の引き抜き操作時における上記操作部の下方への操作により上記支持部に対する上記係合部の係合を可能とする一方上記杭の引き抜き操作途中での上記操作部の上方への戻し操作により上記支持部に対する上記係合部の係合を解除する複数の係合孔とを設けている。
【0009】
この特定事項により、上記杭の引き抜き操作途中に上記操作部を上方へ戻し操作することによって、上記支持部に対し係合されていた任意の係合孔の係合が解除されると、上記支持部に対する上記係合部の係合位置が上記溝部内において上記操作レバーの軸線方向に移動可能となる。そして、上記支持部に対する上記係合部の係合位置を他の係合孔と合致する位置まで溝部内で移動させた状態で、上記操作部を下方へ操作すると、上記支持部に対する上記他の係合孔の係合が可能となって、操作レバーのてこ比が変更される。
このため、杭の引抜き操作を開始した時点で、現在の操作レバーのてこ比では不向きな引抜き固さの杭であることが判明すれば、その引抜き操作途中に上記操作部を上方へ戻し操作し、上記支持部に対する上記係合部の係合位置を軸線方向へ移動させてから上記操作部を下方へ操作するといった簡単な操作で、操作レバーのてこ比が変更されることになる。これにより、個々に差がある杭の引抜き固さが判明した時点でその都度操作レバーが最適なてこ比に変更され、杭の引抜き作業を終始円滑に行うことが可能となる。
【0010】
しかも、上記杭の引抜き操作途中に上記操作部を上方へ戻し操作すると、上記挟持部が後方へ退出移動して後方からの杭の狭持状態が解除される。このとき、上記杭の引抜き操作時における上記昇降体の上昇に伴って引抜かれ始めた杭は、地中での土との摩擦により引き抜かれ始めた状態で取り残されるものの、上記昇降体は上記挟持部の退出移動に伴い下降する。
そのため、上記操作レバーの操作部を再度下方へ操作して杭の引抜き操作を再開すると、上記操作部の戻し操作により下降した昇降体の下降位置での上記挟持部の進出移動により杭が引抜かれ始めた位置よりも下方位置で狭持されて新たに持ち直される。この状態で、てこ比が変更されている操作レバーにより杭の引抜き操作を再開すると、新たに持ち直されて下降位置から再上昇する昇降体の上昇量によって杭を効率よく引き抜くことが可能となる。
【0011】
また、上記昇降体に、上記杭の引き抜き操作時に当該昇降体に対し作用する上記杭からの荷重による上記支柱との過接触を当該支柱に対する転動により軽減する転動部材を設けることが好ましい。これによれば、杭の引抜き操作時の支柱に対する昇降体の過接触が転動部材により緩和される上、昇降体と支柱との互いの摺接面に発生した錆などによる昇降体の昇降不良も転動部材により緩和されることになり、昇降体を支柱に対しスムーズに昇降させることができる。
【0012】
また、上記昇降体が、上記支柱の上下方向略中間部付近において昇降するものであることが好ましい。これによれば、支柱の上下方向略中間部付近を昇降する昇降体に突設された杭支持部材の杭受け部及び挟持部によって、支柱の上下方向略中間部付近で杭が狭持されることになり、支柱の下端を支点にして地面に打ち込まれた杭を効率よく揺って地中での杭の接触面または密着面を広げることが可能となり、杭の引抜き作業を効率よく行うことができる。
【0013】
更に、上記支持部に対する上記操作レバーの一端までの長さを上記支柱の下端から上記支持部までの長さよりも短く設定し、上記支柱、上記杭支持部材又は上記昇降体に、装置本体の不使用時に上記操作レバーを上記支持部回りに回転させて上記操作部を上記支柱の下部に位置付けた状態で当該操作レバーを固縛する固縛手段を設けることが好ましい。これによれば、装置本体の不使用時に操作レバーが支柱に沿って固縛されて非常に省スペースなものとなり、格納性及び持ち運び性に優れた杭引抜き装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上、要するに、支柱の支持部に対する係合部の係合位置を操作レバーの軸線方向に移動させる溝部上に、杭の引き抜き操作時における操作部の下方への操作により上記支持部に対する係合を可能とする一方杭の引き抜き操作途中での操作部の上方への戻し操作により上記支持部に対する係合を解除する複数の係合孔をそれぞれ設けることで、引抜き操作途中に操作部を上方へ戻し操作してから支持部に対する係合部の係合位置を移動させて操作部を下方へ操作するといった簡単な操作で、操作レバーのてこ比が変更される。これにより、個々に差がある杭の引抜き固さが判明した時点でその都度操作レバーを最適なてこ比に変更でき、杭の引抜き作業を終始円滑に行うことができる。
しかも、上記杭の引抜き操作途中に操作部を上方へ戻し操作すれば、挟持部による杭の狭持状態が解除されるので、操作レバーの操作部を再度下方へ操作して杭の引抜き操作を再開した際に杭が引抜かれ始めた位置よりも下方位置で新たに持ち直される。この状態で、てこ比が変更された操作レバーにより杭の引抜き操作を再開すると、新たに持ち直されて下降位置から再上昇する昇降体の上昇量によって杭を効率よく引き抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置を左側方から見た左側面図であって、地面に打ち込まれた杭を杭受け部と挟持部とで挟持した状態を示している。
【図2】本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置の昇降体付近を左斜め後方から見た斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置を転動ローラの直上方において切断して上方から見た断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置を支柱の支点孔付近で切断して上方から見た断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置を右側方から見た右側面図であって、(a)は支点に対して他側係合孔を係合させた状態を示し、(b)は支点に対して一側係合孔を係合させた状態を示している。
【図6】本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置の左側面図であって、操作レバーの下方への操作により地面に打ち込まれた杭を若干量引抜いた状態を示している。
【図7】本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置の左側面図であって、操作レバーの上方への戻し操作により支点に対して他側係合孔を離脱させた状態を示している。
【図8】本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置の左側面図であって、支点に対して一側係合孔を係合させて操作レバーのてこ比を変更した状態を示している。
【図9】本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置の左側面図であって、てこ比が変更された操作レバーの下方への再操作により昇降部を上昇させて地面に打ち込まれた杭を引き抜いた状態を示している。
【図10】本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置の左側面図であって、装置本体不使用時の格納状態を示している。
【図11】従来例に係る杭引抜き装置の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態に係る杭引抜き装置1の概略構成について説明する。
【0017】
図1に示すように、上記杭引抜き装置1は、支柱11と、昇降体12と、杭支持部材13と、操作レバー14と、リンク機構15とを備えている。
【0018】
上記支柱11は、上下方向へ延びる断面略円環状の鋼管などからなる。この支柱11の下端には、地面Gに対する設置面積を拡張させた略矩形状の拡張板111が固設され、この拡張板111によって支柱11の下端を閉塞している。また、上記支柱11の上部には、当該支柱11を地面Gに対し立設させた際に把持する有底筒状の把持部112が取り付けられ、この把持部112によって支柱11の上端を閉塞している。なお、支柱11の説明において規定した方向は、装置本体10の使用状態に基づくものであり、以降の説明の都合上、杭引抜き装置1を構成する他の構成要素についても装置本体10の使用状態に基づいて規定される方向を付すこととする。
【0019】
上記昇降体12は、図2にも示すように、内周面が上記支柱11の上下方向中央部付近の外周面に対し摺動自在に嵌合された断面略円環状の鋼管材などからなり、上記支柱11に沿って上下方向へ昇降自在となっている。上記昇降体12は、上記支柱11の下端から略三分の一程度の高さに固設された略円環状のストッパ113によってそれ以上下方への移動つまり下降が規制されている。つまり、上記昇降体12は、上記支柱11の上下方向略中間部付近において昇降するように構成されてなる。
【0020】
上記杭支持部材13は、図3に示すように、上記昇降体12の下部における前側右寄りに鋼製アングル材131を介して固設されている。この杭支持部材13は、上記昇降体12の下部における前側右寄りから前方へ突設された断面略コ字状の鋼材などからなる。上記杭支持部材13の先端(前端)には、上記昇降体12の下部における前側左寄りの前方において向き合うように左側方へ膨出する膨出部132が設けられている。この膨出部132には、地面Gに打ち込まれた杭Kを前方から受ける杭受け部133が固設されている。この杭受け部133は、略90°に折曲されたアングル鋼材よりなり、その凹入した側が後向き(支柱11側向き)となるように上記杭支持部材13先端の膨出部132に取り付けられている。なお、杭受け部133は、略90°に折曲されたものに限定されることはなく、支柱11側が平面のものや断面略半円弧状に凹入したもの、略90°以外の角度に折曲された凹入部を有するもの、複数の山形を並設したもの、鋸歯状のものなど種々の形状のものを用いることができる。
【0021】
上記操作レバー14には、図4にも示すように、上記昇降体12よりも上方となる上記支柱11の上部に設けられた支点114(支持部の一例)に対し係脱自在に係合する係合部141が設けられている。この操作レバー14は、長手方向に延びる軸線を有し、その一側(図1では右側)に上記係合部141を介して上記支点114回りに上下方向へ操作される操作部142を有している。また、上記操作レバー14は、その一側となる上記操作部142付近では断面略円環状に形成されているのに対し、他側となる反操作部142付近では断面略楕円状に形成されている。この場合、上記支点114は、上記支柱11の上部を左右方向に貫通する支点孔114aに挿通された支点ボルト115をナット116,116で止着することによって構成されている。
【0022】
上記リンク機構15は、図1〜図3に示すように、上記操作レバー14の他側端(図1では左側端)に上端が第1ボルト150及びナット157,157を介して回転自在に連結されて下方へ延びるステー部材151と、上記杭支持部材13の前後方向略中間部に第2ボルト152を介して角部が回転自在に連結された略台形板状の揺動部材153とを備えている。上記ステー部材151の下端は、上記揺動部材153の上記第2ボルト152側の角部に隣接する一方(図1では後方)の角部に第3ボルト158(図2に表れる)及びナット154を介して回転自在に連結されている。なお、134は、ステー部材151の下端に当接して当該ステー部材151のそれ以上下方への移動(杭支持部材13の下端よりも下方への移動)を規制するストッパ片である。
【0023】
上記揺動部材153の前側には、上記杭受け部133で受けた杭Kを後方から狭持する挟持部16が設けられている。この挟持部16は、略90°に折曲されたアングル鋼材よりなり、後方へ突出する左右一対の取付フランジ161,161を有している。そして、上記挟持部16は、その凹入した側が前向き(杭受け部133側向き)となるように上記揺動部材153の上記第2ボルト152及びナット159(図5に表れる)により連結された角部の他方(図1では上方)に隣接する角部に第4ボルト155及びナット156,156を介して取付フランジ161,161を回転自在に連結している。上記挟持部16は、上記杭支持部材13に対し上記第2ボルト152回りに揺動する上記揺動部材153に伴って前後方向へ進退自在に支持され、前方への進出時に上記杭受け部133で受けた杭Kを後方から狭持する。この挟持部16の前方への進出は、上記操作レバー14の操作部142を下方へ操作することにより行われ、上記操作レバー14の操作部142をさらに下方へ操作することによって、上記杭受け部133で受けた杭Kを上記挟持部16で狭持した状態で、上記昇降体12を上方へ移動させて上記杭Kを引き抜くようにしている。この場合、挟持部16の進出移動による杭Kの挟持力は、上記昇降体12を上方へ移動させるに従い漸増しながら作用している。
【0024】
上記操作レバー14の係合部141は、上記操作レバー14の軸線方向に長い厚肉(例えば5〜7mm程度の肉厚)な鋼板よりなり、上記操作レバー14の他側寄りの上端に一方の長辺を固着して当該操作レバー14の他側寄りの上端よりも上方へ突設されてなる。この係合部141には、図5の(a)および(b)にも示すように、上記支点114に対する上記係合部141の係合位置を上記操作レバー14の軸線方向に移動させて当該操作レバー14のてこ比を変更するてこ比変更手段17が設けられている。てこ比変更手段17は、上記係合部141を上記操作レバー14の軸線方向に沿って延びる溝部171と、この溝部171の一側端及び他側端より反操作レバー14側向き(図5では上方向き)にそれぞれ切り欠いた一側及び他側係合孔141a,141bとを備えている。上記係合部141は、2枚の平座金117,117により左右両側から挟まれた状態で上記支点ボルト115の頭部側に挿通され、その頭部側において摺動自在な状態となっている。そして、上記各平座金117で係合部141を挟んだ支点ボルト115は、スペーサ118を介して支点孔114aに脚部側が挿通されて2つのナット116,116同士の締め合いにより取り付けられることで、上記溝部171を摺動する上記支点ボルト115に対する上記各係合孔141a,141bの係脱自在な係合を可能にしている。具体的には、上記係合部141の溝部171の両端のいずれか一方に上記支点ボルト115が位置しているとき、上記操作レバー14の操作部142を下方へ操作することにより当該支点ボルト115に対し一方の係合孔141a(又は141b)が係合する。そして、上記支点ボルト115が一方の係合孔141a(又は141b)に係合している状態で、上記操作レバー14の操作部142を上方へ戻し操作すると、当該支点ボルト115に対し一方の係合孔141a(又は141b)が離脱する。この場合、一側及び他側係合孔141a,141bから離脱している支点ボルト115は、操作レバー14の操作部142の上下方向への操作に応じて溝部171内を摺動する。
【0025】
また、図3に示すように、上記昇降体12の上端部には、その後部側(図3では下側)を断面略半円弧状に切り欠いた窓部121が設けられているとともに、この窓部121を介して上記支柱11の外周面に対し転動するつづみ形のローラ122(転動部材の一例)が設けられている。このローラ122は、上記昇降体12の上端部の上記窓部121に対応する前部側(図3では上側)に固設された略U字状のブラケット123の両端に第5ボルト124及びナット125,125を介して回転自在に支持されている。そして、上記ローラ122は、上記支柱11の外周面の曲率と略一致する周面形状を呈し、上記杭Kの引き抜き操作時に上記昇降体12に対し作用する上記杭Kからの荷重による上記支柱との過接触を当該支柱11に対する転動により軽減する。この場合、杭Kの引き抜き操作時に昇降体12に対し作用する杭Kからの荷重とは、昇降体12の上端部の後部側を前方に引き寄せるような荷重のことである。
【0026】
更に、図1に示すように、上記支点114に対し他側係合孔141bを係合させた状態での上記操作レバー14の一側端までの長さは、上記支柱11の下端から上記支点114までの長さよりも短く設定されている。そして、上記杭支持部材13の昇降体12寄りには、装置本体10の不使用時に上記操作レバー14を固縛する固縛手段19(図10参照)が設けられている。この固縛手段19は、上記杭支持部材13の昇降体12寄りに開口するボルト挿通孔191と、上記支点114回りに回転させて上記操作部142を上記支柱11の下部に位置付けた際に上記ボルト挿通孔191と対応する上記操作レバー14の対応位置に開口するボルト挿通孔192と、これらのボルト挿通孔191,192に挿通される蝶ボルト193と、この蝶ボルト193に螺着する蝶ナット194とからなる。そして、上記操作レバー14は、装置本体10の不使用時に上記支点114回りに回転させて上記操作部142を上記支柱11の下部に位置付けた状態で、ボルト挿通孔191,192に挿通された蝶ボルト193に対する蝶ナット194の螺着により固縛される。この場合、蝶ボルト193及び蝶ナット194は、装置本体10の邪魔にならない部位(例えば操作レバー14のボルト挿通孔192に挿通された状態)に付設され、装置本体10の不使用時に用いられる。
【0027】
次に、杭引抜き装置1による杭Kの引抜き動作の一例を図1、図6〜図10に基づいて説明する。
まず、図1に示すように、支点ボルト115を溝部171の他側(図1では左側)に摺動させた状態で、操作レバー14の操作部142を下方へ操作して上記支点ボルト115に対し係合部141の他側係合孔141bを係合させる。この支点ボルト115の他側係合孔141bに対する係合により設定される操作レバー14のてこ比は、多本数の杭K(図では1本のみ示す)の引抜き固さを予め想定して決められたものである。
そして、上記操作部142の下方への操作に伴い、上記操作レバー14の他側端(図1では左側端)の第1ボルト150回りに上端が回転するステー部材151を介して揺動部材153が杭支持部材13の第2ボルト152回りに前方へ回転する。これにより、挟持部16が前方へ進出し、上記杭支持部材13前端の杭受け部133で受けた杭Kを後方から狭持する。
【0028】
次いで、図6に示すように、上記支点ボルト115を係合部141の他側係合孔141bに係合させた状態で、上記操作部142をさらに下方へ操作する。すると、杭受け部133で受けた杭Kを挟持部16で後方から狭持した状態で、リンク機構15(ステー部材151及び揺動部材153)を介して昇降体12が上方へ上昇し、この昇降体12の上昇に伴い地面Gから杭Kが引抜かれ始める。
このとき、支点ボルト115は係合部141の他側係合孔141bに係合しているので、操作レバー14の一側端から支点114までの距離が長くなるために操作部142の力が他側端からリンク機構15を介して昇降体12を上昇させる力つまり杭を引き抜く力として最も大きく作用することになる。しかし、その反面で操作レバー14の他側端から支点114までの距離が短くなるため、操作部142の下方への移動量に比して昇降体12の上昇量つまり杭Kの引抜き量が小さくなる。
【0029】
そこで、図7に示すように、地面Gから杭Kが引抜かれ始めた時点で上記操作レバー14の操作部142を上方へ戻し操作し、てこ比変更手段17により上記操作レバー14のてこ比を変更すべく上記支点ボルト115を他側係合孔141bから離脱させる。このとき、上記操作部142の上方への戻し操作によりステー部材151を介して揺動部材153が杭支持部材13の第2ボルト152回りに後方へ回転し、挟持部16が後方へ退出移動して杭Kの狭持を解除する。このため、上記杭Kの引抜き操作が開始されて上記昇降体12の上昇に伴い引抜かれ始めた杭Kは地中での土との摩擦により取り残されるものの、上記昇降体12は上記挟持部16の退出移動に伴い下降する。
【0030】
その後、図8に示すように、上記支点114に対する上記係合部141の係合位置を上記操作レバー14の軸線方向一側に移動させ、上記支点ボルト115に対し係合部141の一側係合孔141aを係合させて上記操作レバー14のてこ比を変更する。このとき、てこ比が変更された操作レバー14の操作部142を再度下方へ操作して杭Kの引抜き操作を再開すると、上記操作部142の上方への戻し操作により下降した昇降体12の下降位置においてリンク機構15を介して上記挟持部16が前方へ進出移動し、杭Kが引抜かれ始めた位置よりも下方位置で杭受け部133と挟持部16とで狭持されて新たに持ち直される。
【0031】
そして、図9に示すように、引抜かれ始めた位置よりも下方位置で挟持部16により狭持されて新たに持ち直された杭Kを、支点ボルト115を係合部141の一側係合孔141aに係合させることにより操作レバー14の他側端から支点114までの距離を長くして昇降体12の上昇量を大きくしたてこ比でもって一気に引抜く。
【0032】
しかる後、図10に示すように、杭Kの引抜き操作を全て終えた時点で、装置本体10を格納する。この格納では、蝶ボルト193及び蝶ナット194を装置本体10の邪魔にならない操作レバー14のボルト挿通孔192から抜き取り、操作レバー14を支点114回りに回転させて操作部142を支柱11の下部に位置付けた状態で、ボルト挿通孔191,192に蝶ボルト193を挿通し、蝶ナット194で螺着して操作レバー14を固縛する。
【0033】
このように、上記杭Kの引き抜き操作途中に上記操作部142を上方へ戻し操作することによって、上記支点ボルト115に対し係合されていた他側係合孔141bの係合が解除されると、上記支点ボルト115に対する上記係合部141の係合位置が上記溝部171内において上記操作レバー14の軸線方向に移動可能となる。そして、上記支点ボルト115に対する上記係合部141の係合位置を一側係合孔141aと合致する溝部171の一側端まで移動させた状態で、上記操作部142を下方へ操作すると、上記支点ボルト115に対する上記一側係合孔141aの係合が可能となって、操作レバー14のてこ比が変更される。
このため、杭Kの引抜き操作を開始した時点で、現在の操作レバー14のてこ比では不向きな引抜き固さの杭Kであることが判明、例えば若干量引き上げられた杭Kと地面Gとの密着度が低下するなどして小さい引抜き固さの杭Kであると判明すれば、その引抜き操作途中に上記操作部142を上方へ戻し操作してから、上記支点ボルト115に対する上記係合部141の係合位置を溝部171の一側端まで移動させて上記操作部142を下方へ操作するといった簡単な操作で、操作レバー14のてこ比が変更されることになる。これにより、個々に差がある杭Kの引抜き固さが判明した時点でその都度操作レバー14が最適なてこ比に変更され、杭Kの引抜き作業を終始円滑に行うことができる。
【0034】
しかも、上記杭Kの引抜き操作途中に上記操作部142を上方へ戻し操作すると、上記挟持部16がリンク機構15を介して後方へ退出移動して後方からの杭Kの狭持状態が解除される。このとき、上記杭Kの引抜き操作時における上記昇降体12の上昇に伴って引抜かれ始めた杭Kは、地中での土との摩擦により引き抜かれ始めた状態で取り残されるものの、上記昇降体12は上記挟持部16の退出移動に伴い下降する。
そのため、上記操作レバー14の操作部142を再度下方へ操作して杭Kの引抜き操作を再開すると、上記操作部142の戻し操作により下降した昇降体12の下降位置での上記挟持部16の進出移動により杭Kが引抜かれ始めた位置よりも下方位置で狭持されて新たに持ち直される。このとき、上記操作レバー14のてこ比は、上記支点ボルト115に対し上記係合部141の一側係合孔141aを係合させて操作レバー14の他側端から支点114までの距離を長くすることにより昇降体12の上昇量を大きくするように変更されている。このようにてこ比が変更された操作レバー14により杭Kの引抜き操作を再開すると、新たに持ち直されて下降位置から再上昇する上昇量の大きな昇降体12によって杭Kを効率よく引き抜くことができる。
【0035】
また、上記昇降体12の上端部に、その後部側(図3では下側)を断面略半円弧状に切り欠いた窓部121を介して上記支柱11の外周面に対し転動するつづみ形のローラ122が設けられている。これにより、杭Kの引抜き操作時の支柱11に対する昇降体12の過接触がローラ122により緩和される上、昇降体12と支柱11との互いの摺接面に発生した錆などによる昇降体12の昇降不良もローラ122により緩和されることになり、昇降体12を支柱11に対しスムーズに昇降させることができる。
【0036】
また、支柱11の上下方向略中間部付近を昇降する昇降体12に突設された杭支持部材13の杭受け部133及び挟持部16によって、支柱11の上下方向略中間部付近で杭Kが狭持されている。これにより、支柱11の下端を支点にして地面Gに打ち込まれた杭Kを効率よく揺って地中での杭Kの接触面または密着面を広げて引き抜き易くすることもでき、杭Kの引抜き作業を効率よく行うことができる。
【0037】
更に、上記杭支持部材13に、装置本体10の不使用時に上記操作レバー14を上記支点114回りに回転させて上記操作部142を上記支柱11の下部に位置付けた状態で当該操作レバー14を固縛する固縛手段19が設けられている。つまり、上記操作レバー14は、装置本体10の不使用時に支点114回りに回転させて上記操作部142を上記支柱11の下部に位置付けた状態で、ボルト挿通孔191,192に挿通された蝶ボルト193に対する蝶ナット194の螺着により固縛される。これにより、操作レバー14が支柱11に沿って固縛されて非常に省スペースなものとなり、格納性及び持ち運び性に優れた杭引抜き装置1を提供することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施の形態では、杭Kの引抜き操作を開始するに当たり、支点ボルト115を係合部141の他側係合孔141bに係合させたが、支点ボルトを係合部の一側係合孔に係合させた状態で杭の引抜き操作を開始するようにしてもよい。この場合、杭の引抜き操作を開始した時点で、現在の操作レバーのてこ比では引き抜けない引抜き固さの杭であると判明すれば、この引抜き操作途中に操作部を上方へ戻し操作することによって、最適なてこ比となる他側係合孔を支柱の支点ボルトに対し係合させるように操作レバーを軸線方向他側へ移動させればよい。
【0039】
また、上記実施の形態では、てこ比変更手段17を、係合部141に設けた溝部171とその溝部両端の係合孔141a,141bとで構成したが、支柱の上部に固設されたプレート状の支持部に設けられ、かつ上記支柱と直行する前後方向に延びる溝部と、この溝部の両端(前後両端)に設けた係合孔とでてこ比変更手段を構成し、上記溝部内を前後方向へ摺動自在な支点ボルトを操作レバーに設けることによって、てこ比変更手段による操作レバーのてこ比の変更を可能とするようにしてもよい。
【0040】
また、上記実施の形態では、挟持部16の進出移動による杭Kの挟持力を、昇降体12を上方へ移動させるに従い漸増しながら作用させるような揺動部材153を用いたが、挟持部が進出移動して杭を狭持した際に、杭支持部材に対し回転自在に支持された第2ボルトを通る鉛直線よりもステー部材下端の第3ボルトが前方に位置するようなトグル機構によって揺動部材が構成されていてもよい。この場合には、挟持部の進出移動による杭の挟持力は、上記第3ボルトが上記第2ボルトを通る鉛直線よりも前方に移動した時点で挟持部の進出移動による杭の挟持力が一定に保たれ、それ以上の挟持力が発生しない。そして、上記第3ボルトはスプリングなどの付勢手段により上記第2ボルトを通る鉛直線よりも前方の位置で保持され、杭の引抜き操作途中に操作部を上方へ戻し操作した際に上記第3ボルトが上記付勢手段の付勢力に抗して上記第2ボルトを通る鉛直線よりも後方に移動すると、トグル機構(揺動部材)による挟持部の挟持力が解除される。
【0041】
また、上記実施の形態では、装置本体10の不使用時に操作レバー14をボルト挿通孔191,192に挿通された蝶ボルト193に対する蝶ナット194の螺着により固縛したが、装置本体の不使用時に面ファスナー式のベルトやゴムベルトなどにより操作レバーを支柱、杭支持部材又は昇降体に固縛する固縛手段が構成されていてもよい。
【0042】
また、上記実施の形態では、昇降体12上端部の窓部121に対応する前部側に固設された略U字状のブラケット123の両端に第5ボルト124及びナット125,125を介して回転自在に支持されたつづみ形のローラ122により転動手段を構成したが、昇降体上端部に断面略円環形状のブラケットを固設し、このブラケットの窓部に対応する部位に周方向所定間隔おきに回転自在に支持された複数のベアリングによって転動手段が構成されていてもよい。
【0043】
更に、上記実施の形態では係合部141の溝部171の一側端及び他側端に係合孔141a,141bを設けたが、溝の長手方向途中位置にも単一又は複数の係合孔が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 杭引抜き装置
10 装置本体
11 支柱
114 支点(支持部)
12 昇降体
122 ローラ(転動手段)
13 杭支持部材
133 杭受け部
14 操作レバー
141 係合部
141a 一側係合孔(係合孔)
141b 他側係合孔(係合孔)
142 操作部
15 リンク機構
16 挟持部
17 てこ比変更手段
171 溝部
19 固縛手段
G 地面
K 杭

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、該支柱に沿って昇降自在に支持された昇降体と、該昇降体より前方に突設され、地面に打ち込まれた杭を前方から受ける杭受け部を有する杭支持部材と、上記昇降体よりも上方となる上記支柱の上部に設けられた支持部に対し係脱自在に係合する係合部を他端側に有しているとともに、一端側に上記係合部を介して上記支持部回りに上下方向へ操作される操作部を有する操作レバーと、上記杭支持部材に進退自在に支持され、上記杭受け部で受けた杭を前方への進出時に後方から狭持する挟持部と、上記操作レバーの他端に連結され、上記操作レバーの下方への操作時に上記挟持部を進出移動させるとともに、上記昇降体を上方へ移動させるリンク機構と、上記支持部に対する上記係合部の係合位置を上記操作レバーの軸線方向に移動させて当該操作レバーのてこ比を変更するてこ比変更手段とを備え、上記てこ比変更手段により上記操作レバーのてこ比を任意に変更した状態で上記操作部を下方へ操作することにより、上記杭受け部で受けた杭を上記挟持部の進出移動により後方から狭持しつつ上記昇降体を上方へ移動させることによって上記杭を引き抜くようにした杭引抜き装置であって、
上記てこ比変更手段は、
上記支持部に対する上記係合部の係合位置を上記操作レバーの軸線方向に移動させる溝部と、
上記溝部上にそれぞれ設けられ、上記杭の引き抜き操作時における上記操作部の下方への操作により上記支持部に対する上記係合部の係合を可能とする一方上記杭の引き抜き操作途中での上記操作部の上方への戻し操作により上記支持部に対する上記係合部の係合を解除する複数の係合孔と
を備えていることを特徴とする杭引抜き装置。
【請求項2】
上記昇降体には、上記杭の引き抜き操作時に当該昇降体に対し作用する上記杭からの荷重による上記支柱との過接触を当該支柱に対する転動により軽減する転動部材が設けられている請求項1に記載の杭引抜き装置。
【請求項3】
上記昇降体が、上記支柱の上下方向略中間部付近において昇降するものである請求項1または請求項2に記載の杭引抜き装置。
【請求項4】
上記支持部に対する上記操作レバーの一端までの長さは、上記支柱の下端から上記支持部までの長さよりも短く設定されており、
上記支柱、上記杭支持部材又は上記昇降体には、装置本体の不使用時に上記操作レバーを上記支持部回りに回転させて上記操作部を上記支柱の下部に位置付けた状態で当該操作レバーを固縛する固縛手段が設けられている請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の杭引抜き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−74710(P2011−74710A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229490(P2009−229490)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(502028485)
【Fターム(参考)】