説明

杭頭接合部の設計方法及びそれに用いるアンボンドアンカー

【課題】アンボンド処理を実際の構造物に反映できるようにする。
【解決手段】本発明に係る設計方法は、杭、引張材及びコンクリートの仕様をそれぞれ設定し、杭頭接合部の許容曲げモーメントMaを算出し、そのときの杭頭回転角θjを、εを引張材のひずみ度として
θj=εLb/(Dp/2+rs−xno
Lb;曲げ引張側の引張材の埋込み長
Dp;杭の外径
s;引張材の配置半径
no;断面の圧縮縁から中立軸位置までの距離
で算出し、回転剛性Kθを算出し、発生曲げモーメントMθを算出し、Ma以下であるかどうかを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭頭接合部の設計方法及びそれに用いるアンボンドアンカーに関する。
【背景技術】
【0002】
杭基礎には支持杭形式と摩擦杭形式とがあり、前者は、良質な支持層が地下深くにある場合に該支持層まで打ち込んだ杭の上に上部構造物を構築することによって、構造物重量を支持層で安定支持する形式であり、後者は、良質な支持層がない場合に周辺地盤との摩擦力によって上部構造物を支持する形式の基礎形式である。
【0003】
これらの杭は、その杭頭にて上部構造物の基礎スラブや基礎梁に接合されるが、かかる接合部においては、長期荷重として圧縮力が作用するほか、地震時には、上部構造物の転倒モーメントに起因する引抜き力、水平力に起因するせん断力あるいは曲げモーメントが作用する。
【0004】
そして、上部構造物がきわめて大きな地震に遭遇した場合には、杭頭に過大なせん断力や曲げモーメントが作用し、杭の破壊ひいては上部構造物の倒壊といった不測の事態を招くおそれがある。
【0005】
また、杭頭接合部を設計する際、一般的には剛接とみなすことが多いが、杭の頭部と上部構造物とを完全に剛接合にすることは困難であって実際の接合度は1未満、例えば0.8〜0.9程度になることが多いため、杭頭接合部が本来負担すべき曲げモーメントが杭頭に流れ、結果として設計時に想定したよりも大きな曲げモーメントが杭頭に作用することがあり、上述した大地震時の過大な曲げモーメントと相まって、杭の破壊や上部構造物の倒壊といった懸念がさらに増加する。
【0006】
そこで、最近では、杭頭で発生する曲げモーメントを低減すべく、杭頭の端板に立設された異形スタッドの一部を切削加工したり、杭頭鉄筋の一部を筒体(シース管、スリーブ)内に配置したり、アンカーボルトにアスファルトを塗布したりすることで、基礎スラブを構成するコンクリートと異形スタッドや杭頭鉄筋あるいはアンカーボルトとの付着力を弱めあるいは付着を切る、いわゆるアンボンド処理が行われるようになってきた。
【0007】
かかるアンボンド処理を行うことにより、杭頭に発生する曲げモーメントを低減することが可能となる。
【0008】
【特許文献1】特開2000−144763
【特許文献2】特開2001−123462
【特許文献3】特開2002−317454
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このようなアンボンド処理によって杭頭に発生する曲げモーメントを低減することができたとしても、それを設計に反映する手法が確立しておらず、それゆえ、実際の構造物に適用することが困難であるという問題を生じていた。
【0010】
また、上述したアンボンド処理は、異形スタッドを切削加工したり筒体を配置したりするのに手間とコストがかかり、経済的な観点で改善の余地があった。加えて、アンカーボルトにアスファルトを塗布するアンボンド処理が提案されてはいるものの、実際にはストレートアスファルトが主として道路舗装用に使用され、ブローンアスファルトが防水紙、防水板、防水フェルトを製造するために用いられているにとどまり、具体的にアンボンド処理という用途にアスファルトを用いることができるかどうかは全く不明であるという問題を生じていた。
【0011】
そして何より、異形スタッド、鉄筋あるいはアンカーボルトといった鋼棒がコンクリートの中性化等によって経年的に腐食膨張するとともに該腐食膨張に起因してコンクリートとの付着が生じ、その結果、アンボンド状態を長期間維持することが困難であるという問題も生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、アンボンド処理を実際の構造物に反映することが可能な杭頭接合部の設計方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、アンボンド状態を長期間維持することが可能なアンボンドアンカーを提供することを目的とする。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る杭頭接合部の設計方法は請求項1に記載したように、杭径及び杭種を内容とする杭の仕様と、該杭の頭部から延び該杭が支持する上部構造物の杭頭接合部に埋設されるアンボンドの引張材であって取付け本数、径、降伏荷重及び埋込み長を内容とする引張材の仕様と、前記引張材が埋設されるパイルキャップのコンクリートの仕様とを設定し、前記杭頭接合部の許容曲げモーメントMaを算出し、該許容曲げモーメントMaが前記杭頭接合部に作用したときの杭頭回転角θjを、次式、
θj=Δb/(Dp/2+rs−xno) (1)
=εLb/(Dp/2+rs−xno) (2)
Δb;曲げ引張側の引張材の伸び
Lb;曲げ引張側の引張材の埋込み長
Dp;杭の外径
s;引張材の配置半径
no;断面の圧縮縁から中立軸位置までの距離
ε;引張材のひずみ度
で算出し、算出された杭頭回転角θjを用いて回転剛性Kθを、次式、
θ=Ma/θj (3)
によって算出し、算出された回転剛性Kθを用いて発生曲げモーメントMθを算出し、該低減された発生曲げモーメントMθが、次式、
θ≦Ma (5)
を満たすどうかを判定し、(5)式が成立する場合、前記低減された発生曲げモーメントMθ及び杭設計用せん断力Sを用いて前記杭に発生する曲げモーメントMPを算出し、
曲げモーメントMp≦杭の許容曲げモーメント (6)
が前記杭の全長にわたって成立するかどうかを判定し、(6)式が成立する場合、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様をそれぞれ前記引張材の最終仕様、前記杭の最終仕様及び前記コンクリートの最終仕様とするものである。
【0015】
また、本発明に係る杭頭接合部の設計方法は、前記(5)式が成立しない場合、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が上がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返すものであって、前記引張材の仕様を上げるにあたっては、前記取付け本数の増加、前記径の増加、前記降伏荷重の増加及び前記埋込み長の増加のうち、少なくともいずれかを選択し、前記杭の仕様を上げるにあたっては、前記杭径の増加及び前記杭強度の増加の少なくともいずれかを選択し、前記コンクリートの仕様を上げるにあたっては該コンクリートの許容圧縮応力度を増加するものである。
【0016】
また、本発明に係る杭頭接合部の設計方法は、前記(5)式が成立する場合、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が下がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返すものであって、前記引張材の仕様を下げるにあたっては、前記取付け本数の低減、前記径の低減、前記降伏荷重の低減及び前記埋込み長の低減のうち、少なくともいずれかを選択し、前記杭の仕様を下げるにあたっては、前記杭径の低減及び前記杭強度の低減の少なくともいずれかを選択し、前記コンクリートの仕様を下げるにあたっては該コンクリートの許容圧縮応力度を低減するものである。
【0017】
また、本発明に係る杭頭接合部の設計方法は、前記(6)式が成立しない場合において、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が上がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返すものであって、前記引張材の仕様を上げるにあたっては、前記取付け本数の増加、前記径の増加、前記降伏荷重の増加及び前記埋込み長の増加のうち、少なくともいずれかを選択し、前記杭の仕様を上げるにあたっては、前記杭径の増加及び前記杭強度の増加の少なくともいずれかを選択し、前記コンクリートの仕様を上げるにあたっては該コンクリートの許容圧縮応力度を増加するものである。
【0018】
また、本発明に係る杭頭接合部の設計方法は、前記(6)式が成立する場合において、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が下がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返すものであって、前記引張材の仕様を下げるにあたっては、前記取付け本数の低減、前記径の低減、前記降伏荷重の低減及び前記埋込み長の低減のうち、少なくともいずれかを選択し、前記杭の仕様を下げるにあたっては、前記杭径の低減及び前記杭強度の低減の少なくともいずれかを選択し、前記コンクリートの仕様を下げるにあたっては該コンクリートの許容圧縮応力度を低減するものである。
【0019】
また、本発明に係るアンボンドアンカーは請求項6に記載したように、杭の頭部に固定される端板と、該端板に立設され鉄筋コンクリートからなるパイルキャップに埋設される引張材と、該引張材の先端近傍に取り付けられ前記パイルキャップ内に定着される定着部材とからなり、前記引張材を、材軸に沿って断面が一定の鋼棒で構成するとともに該鋼棒の周面に防錆剤を塗布して構成したものである。
【0020】
第1の発明に係る杭頭接合部の設計方法においては、まず、杭の仕様と該杭の頭部から延び該杭が支持する上部構造物の杭頭接合部に埋設される引張材の仕様と引張材が埋設されるパイルキャップのコンクリートの仕様とを設定する。
【0021】
ここで、杭の仕様は、杭径及び杭種をその内容とし、引張材の仕様は、取付け本数、径、降伏荷重及び埋込み長を内容とし、コンクリートの仕様は許容圧縮応力度をその内容とする。なお、建物荷重、杭配置、地盤定数、入力地震動に応じた杭設計用せん断力、杭設計用短期軸力及び杭設計用曲げモーメントについては予め定めておく。
【0022】
本発明に係る杭頭接合部の設計方法は、条件が満たされるまで必要に応じて繰り返し演算することにより、建物荷重や入力地震動等に応じた合理的かつ経済性に優れた仕様を決定することができるものであり、引張材の仕様や杭の仕様あるいはコンクリートの仕様は、必要に応じた回数だけ演算を繰り返すプロセスにおいて、より合理的な仕様へと近づけることが可能であり、演算の開始時にどのような仕様にするかは任意であるが、例えば杭径及び杭種を十分性能の高い仕様に設定し、引張材をかかる杭径及び杭種に応じて最大設置可能な取付け本数や最大径に設定するとともに降伏荷重も強度が高い鋼材に対応するものとし埋込み長も例えば40d程度と長めに設定することが考えられる。
【0023】
引張材の仕様、杭の仕様及びコンクリートの仕様が設定されたならば、次に、杭頭接合部の許容曲げモーメントMaを算出する。なお、杭頭接合部の許容曲げモーメントMaについては、公知の手順によって適宜算出すればよい。
【0024】
次に、許容曲げモーメントMaが杭頭接合部に作用したときの杭頭回転角θjを、次式、
θj=Δb/(Dp/2+rs−xno) (1)
=εLb/(Dp/2+rs−xno) (2)
Δb;曲げ引張側の引張材の伸び
Lb;曲げ引張側の引張材の埋込み長
Dp;杭の外径
s;引張材の配置半径
no;断面の圧縮縁から中立軸位置までの距離
ε;引張材のひずみ度
で算出する。
【0025】
ここで、許容曲げモーメントMaは、該許容曲げモーメントMaに対応する引張材のひずみ度εの形で(1)式あるいは(2)式に反映される。また、同式でわかるように、引張材の埋込み長Lbが長ければ長いほど、杭頭回転角が大きくなり、後述するように発生曲げモーメントをより低減することができるが、引張材が長くなればなるほど、パイルキャップ内の鉄筋と複雑に干渉して施工が困難となるため、実際にはパイルキャップの施工能率との兼ね合いで決定されることになる。
【0026】
次に、算出された杭頭回転角θjを用いて回転剛性Kθを、次式、
θ=Ma/θj (3)
によって算出する。
【0027】
ここで、回転剛性Kθは、許容曲げモーメントMaに対応するいわば杭頭接合部のみの剛性であって、杭自体の剛性や地盤の剛性は含まれていない。
【0028】
次に、回転剛性Kθを用いて発生曲げモーメントMθを算出する。発生モーメントMθは、固定度を1とみなしていた従前の発生曲げモーメントM0に比べ、回転剛性Kθが考慮された分だけ低減されることとなる。なお、発生曲げモーメントMθを算出する手法自体については公知の算出式を用いることが可能であり、例えば、杭が打設される地盤を均質地盤(一様地盤)とみなし得る場合には、次式、
【0029】
θ=M0・Kθ/(EIβ+Kθ) (4)
0; 固定度を1とした場合の発生曲げモーメント
EI;杭の曲げ剛性
β;地盤条件と杭から定まる係数(杭の水平抵抗特性値)
によって算出することができる。
【0030】
次に、このように算出された発生曲げモーメントMθは、杭頭接合部の回転剛性が考慮されかつ杭自体の剛性や地盤の剛性も考慮された値であるため、許容曲げモーメントMaとは一致しない。
【0031】
そのため、低減された発生曲げモーメントMθが、次式、
θ≦Ma (5)
を満たすどうかを判定する。
【0032】
次に、上記判定において(5)式が成立する場合、低減された発生曲げモーメントMθ及び杭設計用せん断力Sを用いて杭に発生する曲げモーメントMPを算出し、
曲げモーメントMp≦杭の許容曲げモーメント (6)
が前記杭の全長にわたって成立するかどうかを判定する。
【0033】
次に上記判定において(6)式が成立する場合、最初に定めた引張材の仕様、杭の仕様及びコンクリートの仕様を、それぞれ引張材の最終仕様、前記杭の最終仕様及びコンクリートの最終仕様とする。
【0034】
以上説明した杭頭接合部の設計方法によれば、アンボンド処理を行ったことによる引張材の伸び(ひずみ度)から杭頭接合部の回転変形を評価することにより、杭頭に発生する曲げモーメントを低減することが可能な杭の仕様、引張材の仕様及びコンクリートの仕様を定めることが可能となる。
【0035】
ここで、引張材の仕様、杭の仕様及びコンクリートの仕様が当初から適切に設定された場合には(5)式及び(6)式が成立し、繰り返し計算が不要となることが考えられる。そして、その場合には、最初に設定した引張材の仕様や杭の仕様あるいはコンクリートの仕様をそれぞれ最終仕様としてもかまわないが、(5)式が成立する場合であっても、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が下がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返すようにすれば、より合理的かつ経済性に優れた設計を行うことが可能となる。
【0036】
(6)式についても同様であり、同式が成立する場合であっても、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が下がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返すようにすれば、より合理的かつ経済性に優れた設計を行うことが可能となる。
【0037】
引張材の仕様を下げるにあたっては、取付け本数の低減、径の低減、降伏荷重の低減及び埋込み長の低減のうち、少なくともいずれかを選択し、杭の仕様を下げるにあたっては、杭径の低減及び杭強度の低減の少なくともいずれかを選択し、コンクリートの仕様を下げるにあたっては、該コンクリートの許容圧縮応力度を低減する。
【0038】
一方、(5)式が成立しない場合、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が上がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返す。同様に、(6)式が成立しない場合においても、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が上がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返す。
【0039】
引張材の仕様を上げるにあたっては、取付け本数の増加、径の増加、降伏荷重の増加及び埋込み長の増加のうち、少なくともいずれかを選択し、杭の仕様を上げるにあたっては、杭径の増加及び杭強度の増加の少なくともいずれかを選択し、コンクリートの仕様を上げるにあたっては該コンクリートの許容圧縮応力度を増加する。
【0040】
仕様変更は、上述した項目の任意の組み合わせとなるが、例えば、コンクリートの許容圧縮応力度、引張材の取付け本数、引張材の鋼材の種類、杭径は変化させずに一定とし、施工能率への影響が大きい引張材の埋込み長Lbと、基礎工事のコストへの影響が大きい杭種だけを仕様変更の対象とすることで、合理的な設計をより簡易に行うことができる。
【0041】
なお、第1の発明においてアンボンドというときは、少なくとも地震時においてコンクリートとの付着が切れているという意味であり、通常時においては、所定の強度でコンクリートと付着していてアンボンド状態ではないが、本発明は、地震時に杭頭接合部及び杭頭の回転変形を許容しそれによって発生曲げモーメントの低減を図ることができるものゆえ、通常時における付着強度については、本発明においては特に言及しない。
【0042】
換言すれば、本発明は、少なくとも地震時において引張材がアンボンド状態になるすべてのアンボンド構造(アンボンドアンカー)に適用されるものであって、通常時にコンクリートと付着しているかどうかは問わない。
【0043】
したがって、後述する第2の発明に係るアンボンドアンカーをはじめ、杭頭の端板に立設された異形スタッドの一部を切削加工したり、杭頭鉄筋の一部を筒体(シース管、スリーブ)内に配置したりするアンボンド構造に適用できることはもちろんのこと、通常時においても引張材がアンボンド状態になるもの、例えば、鉄筋等の引張材をその全長にわたって筒体内に配置してなるアンボンド構造にも適用することが可能である。
【0044】
第2の発明に係るアンボンドアンカーにおいては、杭の頭部に固定される端板と、該端板に立設され鉄筋コンクリートからなるパイルキャップに埋設される引張材と、該引張材の先端近傍に取り付けられ前記パイルキャップ内に定着される定着部材とからなり、前記引張材を、材軸に沿って断面が一定の鋼棒で構成するとともに該鋼棒の周面に防錆剤を塗布して構成してある。
【0045】
このように材軸に沿って断面が一定の鋼棒で引張材を構成することにより、パイルキャップのコンクリートとの付着強度を十分小さく設定することができ、少なくとも地震時水平力が上部構造物に作用しているときには、アンボンドアンカーの引張材は、周囲のコンクリートと確実に付着が切れた状態、言い換えればアンボンド状態となる。
【0046】
一方、引張材を構成する鋼棒の周面に防錆剤を塗布してあるため、コンクリートの中性化等に起因する鋼棒の腐食膨張を未然に防止することが可能となり、かくして上述したアンボンド状態を長期にわたって維持することが可能となる。
【0047】
なお、第1の発明と同様、第2の発明においても、アンボンドというときは、少なくとも地震時においてコンクリートとの付着が切れているという意味であり、通常時においては、所定の強度でコンクリートと付着していてアンボンド状態ではないが、本発明は、地震時に杭頭接合部及び杭頭の回転変形を許容しそれによって発生曲げモーメントの低減を図ることができるものゆえ、通常時における付着強度については、本発明においては特に言及しない。
【0048】
本発明に係るアンボンドアンカーが接合される杭は、PRC杭、PC杭、PHC杭、鋼管杭、RC杭、SC杭などの既製杭が主たる対象であるが、頭部に端板を取り付けることができる限り、種類は任意であって場所打ち杭であってもかまわない。
【0049】
引張材は、所定の鋼材で形成された鋼棒を適宜採用することが可能であり、端板に立設する方法としては、溶接又は螺合のいずれかを選択することができる。また、引張材は、材軸に沿って断面が一定の鋼棒で構成される限り、断面形状については任意であるが、典型的には丸鋼を採用することができる。
【0050】
定着部材は、引張材の先端近傍に溶接や螺合によって取り付けられパイルキャップ内に埋設されることで引張材の引抜きが防止される限り、どのような構成とするかは任意であり、例えば、円形状の板材で構成することができる。
【0051】
鋼棒に塗布される防錆剤は、切削油等の不水溶性液状防錆剤の使用も可能であるが、アンボンド状態の長期安定性の点からは、塗布後に固体状の被膜を形成するものが好適であり、市販のものから適宜選択することが可能である。なお、例えば、タイホー工業株式会社から「クリンウェルド」(登録商標)の商品名で市販されている溶接面処理剤や、株式会社タセトから 「タセトシルバー」(登録商標) の商品名で市販されている開先防錆剤を用いたり、さらにはリン酸塩被膜処理を施すことにより、引張材を端板に溶接する場合において、溶接部付近に防錆剤が残っていても溶接品質に悪影響を及ぼさないので作業性の点からも好都合である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、本発明に係る杭頭接合部の設計方法及びそれに用いるアンボンドアンカーの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図1及び図2は、本実施形態に係る杭頭接合部の設計方法を示したフローチャート、図3及び図4は、かかる設計方法の対象となるアンボンドアンカーのそれぞれ斜視図と側面図である。
【0054】
図3及び図4でわかるように、アンボンドアンカー1は、杭2の頭部3に固定される端板4と、該端板に立設され鉄筋コンクリートからなるパイルキャップ5に埋設される引張材6と、該引張材の先端近傍に取り付けられパイルキャップ5内に定着される定着部材としての定着板7とからなる。また、引張材6は、材軸に沿って断面が一定の鋼棒として丸鋼で構成してある。
【0055】
引張材6は、スタッド溶接又はねじ込みによって端板4に立設してあり、定着板7は、スタッド溶接、アーク溶接又は六角ナットによる締付けのいずれかで引張材6の頂部に接合してある。
【0056】
ここで、引張材6は、材軸に沿って断面が一定の鋼棒である丸鋼の周面に防錆剤8を塗布して構成してあり、かかる防錆剤8によって丸鋼の腐食膨張を未然に防止できるようになっている。防錆剤8を塗布するにあたっては、スプレー又は刷毛塗りによって行えばよい。
【0057】
防錆剤8は、市販の防錆剤から任意に選択することが可能であり、例えば、タイホー工業株式会社から「クリンウェルド」(登録商標)の商品名で市販されている溶接面処理剤や、株式会社タセトから 「タセトシルバー」(登録商標) の商品名で市販されている開先防錆剤を用いることができる。
【0058】
これらの防錆剤は合成樹脂を基材とし、塗布後に溶剤が揮散して安定した塗膜を引張材6の外周面に形成するため、長期間にわたり、アンボンド状態を維持することができる。また、端板4に溶接する際に、溶接部付近の塗膜を除去しなくとも溶接品質に悪影響を及ぼさないという利点がある。
【0059】
なお、定着板7は、引張材6の径に応じて該引張材の抜け出しを防止できるように適宜構成すればよい。
【0060】
本実施形態に係る杭頭接合部の設計方法においては、まず、杭2の仕様、アンボンドアンカー1を構成する引張材6の仕様及びパイルキャップ5を構成するコンクリートの仕様を設定する(ステップ101)。
【0061】
ここで、杭2の仕様は、杭径及び杭種をその内容とし、引張材6の仕様は、取付け本数、径、降伏荷重及び埋込み長を内容とし、パイルキャップ5を構成するコンクリートの仕様は許容圧縮応力度をその内容とする。
【0062】
また、建物荷重や地盤条件等を考慮して杭配置を適宜決定するとともに、設計対象となる杭2及びそのパイルキャップ5に作用する軸力N(最大軸力Nmax、最小軸力Nmin)を予め定めておく。地盤条件は例えばボーリング調査を行ってN値を調べればよい。杭設計用せん断力、杭設計用短期軸力及び杭設計用曲げモーメントについても、入力地震動に応じて予め算出しておく。
【0063】
引張材6の仕様、杭2の仕様及びコンクリートの仕様が設定されたならば、次に、杭頭接合部の許容曲げモーメントMaを算出する(ステップ102)。なお、杭頭接合部の許容曲げモーメントMaについては、公知の手順によって適宜算出すればよい。
【0064】
次に、図5に示すように、許容曲げモーメントMaが杭頭接合部に作用したときの杭頭回転角θjを、次式、
θj=Δb/(Dp/2+rs−xno) (1)
=εLb/(Dp/2+rs−xno) (2)
Δb;曲げ引張側の引張材の伸び
Lb;曲げ引張側の引張材の埋込み長
Dp;杭の外径
s;引張材の配置半径
no;断面の圧縮縁から中立軸位置までの距離
ε;引張材のひずみ度
で算出する(ステップ103)。
【0065】
ここで、許容曲げモーメントMaは、該許容曲げモーメントMaに対応する引張材のひずみ度εの形で(1)式あるいは(2)式に反映される。また、同式でわかるように、引張材の埋込み長Lbが長ければ長いほど、杭頭回転角が大きくなり、後述するように発生曲げモーメントをより低減することができるが、引張材6が長くなればなるほど、パイルキャップ5内の鉄筋と複雑に干渉して施工が困難となるため、実際にはパイルキャップ5の施工能率との兼ね合いで決定されることになる。
【0066】
次に、算出された杭頭回転角θjを用いて回転剛性Kθを、次式、
θ=Ma/θj (3)
によって算出する(ステップ104)。
【0067】
ここで、回転剛性Kθは、許容曲げモーメントMaに対応するいわば杭頭接合部のみの剛性であって、杭自体の剛性や地盤の剛性は含まれていない。
【0068】
次に、算出された回転剛性Kθを用いて発生曲げモーメントMθを算出するが、本実施形態では、杭が打設される地盤を均質地盤(一様地盤)であるとみなし得るものとし、次式、
【0069】
θ=M0・Kθ/(EIβ+Kθ) (4)
0; 固定度を1とした場合の発生曲げモーメント
EI;杭の曲げ剛性
β;地盤条件と杭から定まる係数(杭の水平抵抗特性値)
によって算出する(ステップ105)。
【0070】
次に、このように算出された発生曲げモーメントMθは、杭頭接合部の回転剛性が考慮されかつ杭自体の剛性や地盤の剛性も考慮された値であるため、許容曲げモーメントMaとは一致しない。
【0071】
そのため、低減された発生曲げモーメントMθが、次式、
θ≦Ma (5)
を満たすかどうかを判定する(ステップ106)。
【0072】
次に、(5)式が成立しない場合(ステップ106、NO)、引張材6の仕様、杭2の仕様及びコンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が上がるように該仕様を再設定し(ステップ107)、ステップ102以降のステップを繰り返す。
【0073】
ここで、引張材6の仕様を上げるにあたっては、取付け本数の増加、径の増加、降伏荷重の増加及び埋込み長の増加のうち、少なくともいずれかを選択し、杭2の仕様を上げるにあたっては、杭径の増加及び杭強度の増加の少なくともいずれかを選択し、コンクリートの仕様を上げるにあたっては該コンクリートの許容圧縮応力度を増加する。
【0074】
なお、仕様変更は、コンクリートの許容圧縮応力度、引張材6の取付け本数、引張材6の鋼材の種類(降伏荷重)、杭2の径は変化させずに一定とし、施工能率への影響が大きい引張材6の埋込み長Lbと、基礎工事のコストへの影響が大きい杭種だけを仕様変更の対象とすることで、合理的な設計をより簡易に行うことができる。
【0075】
一方、上記判定において(5)式が成立する場合(ステップ106、YES)、さらに、MaがMθよりも過剰に大きすぎないか、換言すればオーバースペックになっていないかどうかを判定し、オーバースペックになっていると判断できる場合(ステップ108、NO)、引張材6の仕様、杭2の仕様及びコンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が下がるように該仕様を再設定し(ステップ109)、ステップ102以降のプロセスを繰り返す。
【0076】
ここで、引張材6の仕様を下げるにあたっては、取付け本数の低減、径の低減、降伏荷重の低減及び埋込み長の低減のうち、少なくともいずれかを選択し、杭2の仕様を下げるにあたっては、杭径の低減及び杭強度の低減の少なくともいずれかを選択し、コンクリートの仕様を下げるにあたっては、該コンクリートの許容圧縮応力度を低減する。
【0077】
一方、オーバースペックになっていないと判断できる場合(ステップ108、YES)、低減された発生曲げモーメントMθ及び杭設計用せん断力Sを用いて杭2に発生する曲げモーメントMPを算出し、
曲げモーメントMp≦杭2の許容曲げモーメントMpa (6)
が杭2の全長にわたって成立するかどうかを判定する(ステップ110)。
【0078】
次に、(6)式が成立しない場合(ステップ110、NO)、引張材6の仕様、杭2の仕様及びコンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が上がるように該仕様を再設定し(ステップ111)、ステップ102以降のステップを繰り返す。
【0079】
一方、(6)式が成立する場合(ステップ110、YES)、さらに、杭2の許容曲げモーメントMpaが曲げモーメントMpよりも過剰に大きすぎないか、換言すればオーバースペックになっていないかどうかを判定し、オーバースペックになっていると判断できる場合(ステップ112、NO)、引張材6の仕様、杭2の仕様及びコンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が下がるように該仕様を再設定し(ステップ113)、ステップ102以降のプロセスを繰り返す。
【0080】
一方、オーバースペックになっていないと判断できる場合(ステップ112、YES)、最初に定めた引張材6の仕様、杭2の仕様及びコンクリートの仕様を、それぞれ引張材6の最終仕様、杭2の最終仕様及びコンクリートの最終仕様とする(ステップ114)。
【0081】
以上説明したように本実施形態に係る杭頭接合部の設計方法によれば、アンボンド処理を行ったことによる引張材の伸び(ひずみ度)から杭頭接合部の回転変形を評価することにより、杭頭に発生する曲げモーメントを低減することが可能な杭の仕様、引張材の仕様及びコンクリートの仕様を定めることが可能となる。
【0082】
また、本実施形態に係る杭頭接合部の設計方法によれば、(5)式や(6)式が成立する場合であっても、オーバースペックであると判断できる場合には、引張材6の仕様、杭2の仕様及びコンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が下がるように該仕様を再設定し、ステップ102以降のプロセスを繰り返すようにしたので、より合理的かつ経済性に優れた設計を行うことが可能となる。
【0083】
本実施形態では特に言及しなかったが、杭頭接合部の固定度αを介在させて演算を行うようにしてもかまわない。
【0084】
すなわち、杭頭接合部の固定度αを、回転剛性Kθを用いて、次式、
【0085】
α=Kθ/(EIβ+Kθ
EI;杭の曲げ剛性
β;地盤条件と杭から定まる係数(杭の水平抵抗特性値)
によって算出し、算出された固定度αを用いて発生曲げモーメントMθを、次式、
θ=α・M0
0; 固定度を1とした場合の発生曲げモーメント
によって算出するようにしてもよい。
【0086】
また、本実施形態では、本発明に係る杭頭接合部の設計方法を、防錆剤によりアンボンド処理した引張材を用いた場合について説明したが、この設計方法はシース管等でアンボンド処理した場合にももちろん適用することは可能である。
【0087】
また、本実施形態では、発生曲げモーメントMθを算出する際、杭が打設される地盤を均質地盤(一様地盤)とみなし得るものとして、(4)式によって算出したが、発生曲げモーメントMθ自体の算出は、地盤の状況によって公知の計算式から適宜選択すればよく、例えば地盤が多層地盤である場合には、それに応じた計算式を用いて発生曲げモーメントMθを算出すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本実施形態に係る杭頭接合部の設計方法の手順を示すフローチャート。
【図2】引き続き上記設計方法の手順を示すフローチャート。
【図3】本実施形態に係るアンボンドアンカーの斜視図。
【図4】同じく断面図であり、(a)は鉛直断面図、(b)は(a)のA−A線に沿う水平断面図。
【図5】杭頭回転角θjを算出するための模式図。
【符号の説明】
【0089】
1 アンボンドアンカー
2 杭
3 杭頭
4 端板
5 パイルキャップ
6 引張材
7 定着板(定着部材)
8 防錆剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭径及び杭種を内容とする杭の仕様と、該杭の頭部から延び該杭が支持する上部構造物の杭頭接合部に埋設されるアンボンドの引張材であって取付け本数、径、降伏荷重及び埋込み長を内容とする引張材の仕様と、前記引張材が埋設されるパイルキャップのコンクリートの仕様とを設定し、前記杭頭接合部の許容曲げモーメントMaを算出し、該許容曲げモーメントMaが前記杭頭接合部に作用したときの杭頭回転角θjを、次式、
θj=Δb/(Dp/2+rs−xno) (1)
=εLb/(Dp/2+rs−xno) (2)
Δb;曲げ引張側の引張材の伸び
Lb;曲げ引張側の引張材の埋込み長
Dp;杭の外径
s;引張材の配置半径
no;断面の圧縮縁から中立軸位置までの距離
ε;引張材のひずみ度
で算出し、算出された杭頭回転角θjを用いて回転剛性Kθを、次式、
θ=Ma/θj (3)
によって算出し、算出された回転剛性Kθを用いて発生曲げモーメントMθを算出し、該低減された発生曲げモーメントMθが、次式、
θ≦Ma (5)
を満たすどうかを判定し、(5)式が成立する場合、前記低減された発生曲げモーメントMθ及び杭設計用せん断力Sを用いて前記杭に発生する曲げモーメントMPを算出し、
曲げモーメントMp≦杭の許容曲げモーメント (6)
が前記杭の全長にわたって成立するかどうかを判定し、(6)式が成立する場合、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様をそれぞれ前記引張材の最終仕様、前記杭の最終仕様及び前記コンクリートの最終仕様とすることを特徴とする杭頭接合部の設計方法。
【請求項2】
前記(5)式が成立しない場合、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が上がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返すものであって、前記引張材の仕様を上げるにあたっては、前記取付け本数の増加、前記径の増加、前記降伏荷重の増加及び前記埋込み長の増加のうち、少なくともいずれかを選択し、前記杭の仕様を上げるにあたっては、前記杭径の増加及び前記杭強度の増加の少なくともいずれかを選択し、前記コンクリートの仕様を上げるにあたっては該コンクリートの許容圧縮応力度を増加する請求項1記載の杭頭接合部の設計方法。
【請求項3】
前記(5)式が成立する場合、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が下がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返すものであって、前記引張材の仕様を下げるにあたっては、前記取付け本数の低減、前記径の低減、前記降伏荷重の低減及び前記埋込み長の低減のうち、少なくともいずれかを選択し、前記杭の仕様を下げるにあたっては、前記杭径の低減及び前記杭強度の低減の少なくともいずれかを選択し、前記コンクリートの仕様を下げるにあたっては該コンクリートの許容圧縮応力度を低減する請求項1記載の杭頭接合部の設計方法。
【請求項4】
前記(6)式が成立しない場合において、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が上がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返すものであって、前記引張材の仕様を上げるにあたっては、前記取付け本数の増加、前記径の増加、前記降伏荷重の増加及び前記埋込み長の増加のうち、少なくともいずれかを選択し、前記杭の仕様を上げるにあたっては、前記杭径の増加及び前記杭強度の増加の少なくともいずれかを選択し、前記コンクリートの仕様を上げるにあたっては該コンクリートの許容圧縮応力度を増加する請求項1記載の杭頭接合部の設計方法。
【請求項5】
前記(6)式が成立する場合において、前記引張材の仕様、前記杭の仕様及び前記コンクリートの仕様のうち、少なくともいずれかの仕様が下がるように該仕様を再設定し、前記(1)以降のステップを繰り返すものであって、前記引張材の仕様を下げるにあたっては、前記取付け本数の低減、前記径の低減、前記降伏荷重の低減及び前記埋込み長の低減のうち、少なくともいずれかを選択し、前記杭の仕様を下げるにあたっては、前記杭径の低減及び前記杭強度の低減の少なくともいずれかを選択し、前記コンクリートの仕様を下げるにあたっては該コンクリートの許容圧縮応力度を低減する請求項1記載の杭頭接合部の設計方法。
【請求項6】
杭の頭部に固定される端板と、該端板に立設され鉄筋コンクリートからなるパイルキャップに埋設される引張材と、該引張材の先端近傍に取り付けられ前記パイルキャップ内に定着される定着部材とからなり、前記引張材を、材軸に沿って断面が一定の鋼棒で構成するとともに該鋼棒の周面に防錆剤を塗布して構成したことを特徴とするアンボンドアンカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−262836(P2007−262836A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92353(P2006−92353)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(302060926)株式会社フジタ (285)
【出願人】(505408686)ジャパンパイル株式会社 (67)
【出願人】(000000446)岡部株式会社 (277)
【Fターム(参考)】