説明

板状基材用搬送装置

【課題】静電気除去手段を装備しながらも、搬送ユニットの製作の簡略化を図ることができる板状基材用搬送装置を提供する。
【解決手段】板状基材1を空気圧により浮上させた状態で搬送する搬送ユニットUが、板状基材1の搬送方向に並設され、軟X線照射部Sからの軟X線の照射によりイオン化した空気にて板状基材1に帯電した静電気を中和する静電気除去手段Jが設けられ、静電気除去手段Jが、搬送方向に幅狭な扁平状に形成されて、搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前記板状基材を空気圧により浮上させた状態で搬送する搬送ユニットが、前記板状基材の搬送方向に沿って並設され、軟X線照射部からの軟X線の照射によりイオン化した空気により前記板状基材に帯電した静電気を中和する静電気除去手段が設けられた板状基材用搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる板状基材用搬送装置は、板状基板として、例えば、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板を搬送する等、板状基材を搬送するのに用いられるものであり、そして、静電気除去手段が装備されているから、板状基材が浮上用の空気と接触する等により静電気を帯電しても、その帯電した静電気を、静電気除去手段によって除去できる。
つまり、軟X線照射部からの軟X線の照射によりイオン化された空気にて、板状基材に帯電した静電気を中和することによって、板状基材に帯電した静電気を除去できるのである。
【0003】
ちなみに、板状基材に静電気が帯電していると、例えば、板状基材に対して処理装置によって回路形成のための処理を行う際に、その処理に悪影響を与える不都合や、回路形成用のパターンが板状基材に形成されている場合において、板状基材から静電気が放電することにより、板状基材に形成されている回路形成用のパターンが損傷する等、放電により板状基材に悪影響を与える不都合がある。
【0004】
かかる板状基材用搬送装置の従来例として、静電気除去手段が、搬送ユニットに装備されたものがある、(例えば、特許文献1(段落〔0047〕、図1)参照。)。
【0005】
ちなみに、特許文献1の板状基材用搬送装置は、搬送ユニットが、基台と、その基台の上部を囲う囲い材とを備える状態に構成され、そして、基台には、板状基材を浮上させるためのガスを噴出する噴出孔、及び、板状基材を搬送方向に推進させるためのガスを噴出する噴出孔が形成され、さらに、基台の上面部には、板状基材の搬送方向に対して直交する方向の溝部が形成されて、その溝部に、帯電中和装置(静電気除去手段)が配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−62953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の板状基材用搬送装置においては、静電気除去手段を、搬送ユニットに装備するものであるため、搬送ユニットの構成が複雑になる不都合があった。
すなわち、静電気除去手段は、板状基材の搬送方向に並ぶ搬送ユニットの全てに装備する必要はなく、搬送方向に並ぶ搬送ユニットのうちの一部のものに装備すればよく、このため、搬送ユニットとして、静電気除去手段を装備する搬送ユニットと、静電気除去手段を装備しない搬送ユニットとの2つの形態の搬送ユニットを構成する必要があり、搬送ユニットの製作が煩雑になる不都合があった。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、静電気除去手段を装備しながらも、搬送ユニットの製作の簡略化を図ることができる板状基材用搬送装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の板状基材用搬送装置は、前記板状基材を空気圧により浮上させた状態で搬送する搬送ユニットが、前記板状基材の搬送方向に沿って並設され、
軟X線照射部からの軟X線の照射によりイオン化した空気にて前記板状基材に帯電した静電気を中和する静電気除去手段が設けられたものであって、その第1特徴構成は、
前記静電気除去手段が、前記搬送方向に幅狭な扁平状に形成されて、前記搬送方向に隣接する前記搬送ユニットの間に配置されている点を特徴とする。
【0010】
すなわち、静電気除去手段が、板状基材の搬送方向に幅狭な扁平状に形成される。そして、その静電気除去手段が、板状基材の搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に配置されている。
つまり、板状基材の搬送方向に隣接する搬送用ユニットを、その搬送方向に小さな間隔を隔てて位置させるようにしても、板状基材を適正通り搬送できる点に鑑みて、静電気除去手段を、板状基材の搬送方向に幅狭な扁平状に形成して、板状基材の搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に配置するのである。
【0011】
このように、静電気除去手段を、板状基材の搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に配置するものであるから、搬送ユニットに、静電気除去手段を装備する必要がないため、搬送ユニットの製作の簡略化を図れるのである。
つまり、搬送ユニットとしては、静電気除去手段を装備しない形態のものを構成すればよく、搬送ユニットとして、静電気除去手段を装備する搬送ユニットと、静電気除去手段を装備しない搬送ユニットとの2つの形態の搬送ユニットを構成する場合に較べて、搬送ユニットの製作の簡略化を図ることができるのである。
【0012】
要するに、本願発明の第1特徴構成によれば、静電気除去手段を装備しながらも、搬送ユニットの製作の簡略化を図ることができる板状基材用搬送装置を提供できる。
【0013】
本発明の板状基材用搬送装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記静電気除去手段が、前記搬送方向に幅狭でかつ前記板状基材の搬送経路に臨む照射用開口を備えた軟X線照射空間を備えて、前記軟X線照射部が、前記軟X線照射空間内に、軟X線を照射するように設けられている点を特徴とする。
【0014】
すなわち、軟X線照射部が、軟X線照射空間内に、軟X線を照射することになり、そして、軟X線照射空間の照射用開口より、板状基材の搬送経路付近の空気中に向けて軟X線が照射されて、板状基材の搬送経路付近の空気がイオン化されることになる。
つまり、軟X線照射部から照射される軟X線は、一般に、軟X線照射部から円錐状に拡がる状態となるが、軟X線照射部を、軟X線照射空間内に、軟X線を照射させるように設けることにより、軟X線照射部から照射される軟X線が、不必要な箇所に照射されることを極力回避しながら、板状基材の搬送経路付近の空気中に向けて軟X線を照射して、板状基材の搬送経路付近の空気をイオン化できる。
【0015】
このように、軟X線照射部から照射される軟X線が、不必要な箇所に照射されることを極力回避しながら、板状基材の搬送経路付近の空気をイオン化できるものであるから、安全性を向上させた状態で、板状基材に帯電した静電気を除去できる。
【0016】
説明を加えると、軟X線が人体に照射されても、直ちに、人体を損傷することはないものの、軟X線が人体に照射されることは極力回避することが望まれるものであり、軟X線照射部から照射される軟X線が、不必要な箇所に照射されることを極力回避することにより、軟X線が人体に照射されることを極力回避して、安全性を向上させることができる。
【0017】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、軟X線照射部から照射される軟X線が、不必要な箇所に照射されるのを極力回避して、安全性を向上させることができる板状基板用搬送装置を提供できる。
【0018】
本発明の板状基材用搬送装置の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記静電気除去手段が、前記軟X線照射空間の形成部材、及び、前記軟X線照射部を備えたユニット状に構成されている点を特徴とする。
【0019】
すなわち、静電気除去手段が、軟X線照射空間の形成部材、及び、軟X線照射部を備えたユニット状に構成されているから、静電気除去手段を、板状基材の搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に設置する作業の簡素化を図ることができる。
【0020】
つまり、静電気除去手段を、板状基材の搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に設置する際には、ユニット状に構成されている静電気除去手段を、板状基材の搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に位置させて、装着すればよく、静電気除去手段を、板状基材の搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に設置する作業が、簡単な作業となる。
【0021】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記第2特徴構成による作用効果に加えて、静電気除去手段を、板状基材の搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に設置する作業の簡素化を図ることができる板状基材用搬送装置を提供できる。
【0022】
本発明の板状基材用搬送装置の第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
前記静電気除去手段が、前記搬送ユニットに連結支持されている点を特徴とする。
【0023】
すなわち、静電気除去手段が、搬送ユニットに連結支持されて、板状基材の搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に設置されることになる。
【0024】
つまり、静電気除去手段を、板状基材の搬送方向に隣接する搬送ユニットの間に設置するにあたり、静電気除去手段に、設置用の脚を備えさせて、搬送ユニットとは別に床面等に支持させるようにすることが考えられるが、床面等に支持された状態で設置される搬送ユニットに、静電気除去手段を連結支持することにより、静電気除去手段の設置構成の簡素化を図ることができる。
【0025】
要するに、本発明の第4特徴構成によれば、上記第3特徴構成による作用効果に加えて、静電気除去手段の設置構成の簡素化を図ることができる板状基材用搬送装置を提供できる。
【0026】
本発明の板状基材用搬送装置の第5特徴構成は、上記第2〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記軟X線照射空間が、前記照射用開口を上部に備える有底筒状に形成されて、前記搬送経路の下方に配置され、
前記軟X線照射部が、前記軟X線照射空間の底部に、上方に向けて軟X線を照射する状態で設けられている点を特徴とする。
【0027】
すなわち、照射用開口を上部に備える有底筒状に形成された軟X線照射部が、搬送経路の下方に配置され、そして、軟X線照射空間の底部に設けられた軟X線照射部が、上方に向けて軟X線を照射することにより、板状基材の搬送経路付近の空気をイオン化できる。
【0028】
そして、搬送ユニットが、一般に、設置用脚にて支持された状態で、床面よりも上方側箇所に設置されることになるため、軟X線照射空間を、深さが深い有底筒状に形成することにより、軟X線照射部の設置数を少なくしながら、板状基材の搬送経路の横幅方向の全幅に亘り、軟X線を照射することができる。
【0029】
つまり、板状基材は、近年では、例えば、横幅が2mとなる等、大型化の傾向にある。したがって、軟X線照射部から照射される軟X線が、軟X線照射部から円錐状に拡がる状態で照射されるものであるとしても、板状基材の搬送経路の横幅方向の全幅に亘り、軟X線を照射するには、複数の軟X線照射部を、板状基材の搬送経路の横幅方向に並べて設置することになる。
【0030】
この場合、軟X線照射部を、板状基材の搬送経路から下方側に大きく離して設置すれば、軟X線照射部を、板状基材の搬送経路の横幅方向に並べて複数設置するにしても、その設置数を減少させることができるのであるが、上述の如く、軟X線照射空間を、深さが深い有底筒状に形成して、軟X線照射部を、板状基材の搬送経路から下方側に大きく離して設置できるため、軟X線照射部の設置数を少なくしながら、板状基材の搬送経路の横幅方向の全幅に亘り、軟X線を適切に照射することができる。
【0031】
要するに、本発明の第5特徴構成によれば、上記第2〜第4特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、軟X線照射部の設置数を少なくしながら、板状基材の搬送経路の横幅方向の全幅に亘り、軟X線を照射することができる板状基材用搬送装置を提供できる。
【0032】
本発明の板状基材用搬送装置の第6特徴構成は、上記第5特徴構成に加えて、
前記軟X線照射空間の上方でかつ前記搬送経路の上部に、その搬送経路の横幅の全幅に亘り、かつ、前記搬送方向に沿って前記搬送ユニットの内部に延出する状態で位置する軟X線遮蔽部材が設けられている点を特徴とする。
【0033】
すなわち、軟X線照射空間の上方でかつ搬送経路の上部に、その搬送経路の横幅の全幅に亘り、かつ、搬送方向に沿って搬送ユニットの内部に延出する状態で位置する軟X線遮蔽部材が設けられているから、搬送ユニットの点検調整等のために、作業者が搬送ユニットを上方から扱うことがあっても、軟X線照射部から照射された軟X線が作業者に照射されることを回避できる。
【0034】
つまり、搬送ユニットは、一般に、その上部が開閉可能な蓋部にて覆われているため、軟X線照射部から照射された軟X線が搬送ユニットの上方に照射されることはないものの、搬送ユニットの点検調整等のために、搬送ユニットの上部の蓋部を開くことがあり、その状態においては、軟X線照射部から照射された軟X線が搬送ユニットの上方に照射されることになるが、軟X線遮蔽部材が設けられているため、軟X線照射部から照射された軟X線が作業者に照射されることを回避できるのである。
【0035】
ちなみに、軟X線遮蔽部材を、搬送方向に沿って搬送ユニットの内部に延出する状態で位置させるに、その延出長さを、十分に大きくして、軟X線遮蔽部材の下方を通して、作業員が手指を突っ込んだときにも、作業員の手指が軟X線照射空間の上部に届くことを牽制できるようにしておけば、一層好適である。
【0036】
要するに、本発明の第6特徴構成によれば、上記第5特徴構成による作用効果に加えて、軟X線照射部から照射された軟X線が作業者に照射されることを回避できる板状基材用搬送装置を提供できる。
【0037】
本発明の板状基材用搬送装置の第7特徴構成は、上記第2〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記軟X線照射空間が、上部に前記照射用開口を備える有底筒状に形成されて、前記搬送経路の下方に配置される下方空間部と、下部に前記照射用開口を備える有底筒状に形成されて、前記搬送経路の上方に配置される上方空間部とを備えるように形成され、
前記軟X線照射部が、前記搬送経路の横側部に、前記下方空間部及び前記上方空間部に向けて軟X線を照射するように設けられている点を特徴とする。
【0038】
すなわち、軟X線照射空間が、上部に照射用開口を備える有底筒状に形成されて、搬送経路の下方に配置される下方空間部と、下部に前記照射用開口を備える有底筒状に形成されて、搬送経路の上方に配置される上方空間部とを備えている。
【0039】
そして、軟X線照射部が、板状基材の搬送経路の横側部に設けられて、下方空間部及び上方空間部に向けて軟X線を照射するものであるから、搬送経路に位置する板状基材の上側及び下側のいずれの空間の空気をも、イオン化できるため、板状基材の上面側及び下面側のいずれに対しても、帯電した静電気を中和する作用を発揮させて、板状基材に帯電した静電気を的確に除去できる。
【0040】
つまり、板状基材に帯電した静電気を除去するにあたり、板状基材の上面及び下面のうちの、一方の面に帯電した静電気を中和してもよいが、板状基材の上面及び下面に帯電した静電気を中和することによって、板状基材に帯電した静電気を的確に除去できる。
【0041】
要するに、本発明の第7特徴構成によれば、上記第2〜第4特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、板状基材に帯電した静電気を的確に除去できる板状基材用搬送装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】板状基材用搬送装置の一部切欠き側面図
【図2】静電気除去手段及び搬送ユニットの斜視図
【図3】片側の側板を外した状態の静電気除去手段の正面図
【図4】静電気除去手段の縦断側面図
【図5】搬送ユニットの搬送部の一部切欠き正面図
【図6】搬送ユニットの搬送部における要部の縦断正面図
【図7】別実施形態の静電気除去手段及び搬送ユニットの斜視図
【図8】(a)は、同形態の静電気除去手段の正面図、(b)は、(a)におけるVIIIb−VIIIb線断面図
【発明を実施するための形態】
【0043】
〔第1実施形態〕
次に、本発明の板状基材用搬送装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、板状基材用搬送装置は、例えば、フラットパネルディスプレイ用の矩形状のガラス基板等、矩形状の板状基材1を搬送するように構成されるものであって、板状基材1を空気圧により浮上させた状態で搬送する搬送ユニットUが、板状基材1の搬送方向に並設され、そして、板状基材1の搬送方向に幅狭な扁平状に形成された静電気除去手段Jが、板状基材1の搬送方向に隣接する搬送ユニットUの間に配置されている。
尚、図1においては、搬送ユニットUが、板状基材1の搬送方向に沿って少数並ぶ状態を例示するが、実際は、搬送ユニットUが、板状基材1の搬送方向に多数並べられることになる。
【0044】
静電気除去手段Jは、軟X線照射部Sからの軟X線の照射によりイオン化した空気により板状基材1に帯電した静電気を中和するものであって、その詳細は、後述する。
ちなみに、静電気除去手段Jを、板状基材1の搬送方向に多数並ぶ搬送ユニットUのいずれの箇所に配置するかは、適宜設定されることになる。
【0045】
搬送ユニットUは、図2及び図5に示すように、板状基材1の下面に向けて清浄空気を供給して板状基材1を非接触状態で支持する送風式支持手段2と、板状基材1の下面を接触支持して板状基材1に対して搬送方向での推進力を付与する推進手段3とからなる搬送部Hを備えている。
すなわち、図1に示すように、搬送部Hが、設置用脚4Aを備えた矩形状の主枠4に装備され、主枠4の左右両側部には、側壁部4Bが装備され、左右の側壁部4Bの上部には、板状蓋部5が、着脱自在に取付けられている。
ちなみに、主枠4の左右両側部とは、板状基材1の搬送方向と直交する横幅方向での左右両側部に対応する位置である。
【0046】
推進手段3は、図2及び図5に示すように、板状基材1の下面における横幅方向の左端部を接触支持して板状基材1に対して搬送方向での推進力を付与する左側の推進部3Lと、板状基材1の下面における横幅方向の右端部を接触支持して板状基材1に対して搬送方向での推進力を付与する右側の推進部3Rとを備えている。
左右一対の推進部3L、3Rの夫々は、板状基材1の下面における搬送方向と直交する横幅方向の端部を接触支持する回転ローラ6を、搬送方向に沿って複数並設して、それら複数の回転ローラ6を、それらに対応して設けた電動モータ7にて回転駆動させることにより、板状基材1に対して搬送方向での推進力を付与するように構成されている。
【0047】
送風式支持手段2は、図2に示すように、平面視において、推進手段3における一対の推進部3L、3Rの間に配設されて、板状基材1の下面における横幅方向の中間部に清浄空気を供給して板状基材1を空気圧により浮上させた状態、つまり、非接触状態で支持するように構成されている。
【0048】
したがって、搬送部Hは、板状基材1の横幅方向の両端部を推進手段3における左右一対の推進部3L、3Rにて接触状態で支持し、かつ、板状基材1の横幅方向の中央部を送風式支持手段2にて非接触状態で支持することにより、板状基材1を、その搬送経路上に位置させる状態に支持し、そして、推進手段3における左右一対の推進部3L、3Rにて板状基材1の横幅方向の両端部に対して搬送方向での推進力を付与することにより、板状基材1を搬送経路に沿って移動させるように構成されている。
【0049】
送風式支持手段2は、図2及び図5に示すように、板状基材1の横幅方向に並ぶ左右一対の送風支持部2L、2Rを備えている。
各送風支持部2L、2Rは、電動式の送風ファン9及び除塵フィルタ10を装備するファンフィルタユニットを用いて構成される空気供給用の空気供給源11と、空気供給源11から供給されるチャンバ空間12内の空気を噴出口13(図6参照)から上方に向けて噴出するチャンバ部14と、空気供給源11から供給される空気をチャンバ部14に案内する案内通路部15と、噴出口13から板状基材1の下面に向けて噴出された空気を板状基材1の下面に沿って流動案内する案内板部16とを備えている。
【0050】
そして、送風式支持手段2は、各送風支持部2L、2Rにおけるチャンバ部14から板状基材1の下面に向けて噴出される空気の圧力にて、板状基材1を支持する作用と、チャンバ部14から噴出された空気が、案内板部16と板状基材1との間の空間を、板状基材1の横幅方向に流動することにより形成される空気層の圧力にて、板状基材1を支持する作用とにより、板状基材1を非接触状態で支持するように構成されている。
【0051】
送風式支持手段2の左右一対の送風支持部2L、2Rが、間隔を隔てた状態で設けられて、それら一対の送風支持部2L、2Rの間に、案内板部16に沿って流動する空気を案内板部16の下方の空間に排気する中央側の排気路17aが形成され、また、一対の送風支持部2L、2R夫々が、左右の推進部3L、3Rに対して間隔を隔てた状態で備えられて、一対の送風支持部2L、2Rのうちの左方側の送風支持部2Lと、それに対向する左方側の推進部3Lとの間や、一対の送風支持部2L、2Rのうちの右方側の送風支持部2Rと、それに対向する右方側の推進部3Rとの間に、案内板部16に沿って流動する空気を下方に排気する端部側の排気路17bが形成されている。
【0052】
中央側の排気路17a及び端部側の排気路17bにて下方に排気された空気は、空気供給源11にて吸引されて、再び、空気供給源11からチャンバ部14に供給されることになる。
【0053】
空気供給源11は、図6に示すように、送風ファン9の上方を覆うように除塵フィルタ10を配設して、送風ファン9を回転駆動させることにより、空気供給源11の下方の空気を上方に向けて送風し、その送風される空気を、除塵フィルタ10を通して清浄空気として、上部の供給口18から上方に向けて供給するように構成されている。
【0054】
案内通路部15は、図6に示すように、空気供給源11の供給口18とチャンバ部14の横側面に形成された導入口19とを連通するダクト状に形成されるものであって、詳しくは、その上面部分が、横幅方向の内方側ほど高く位置するように傾斜状に形成されて、板状基材1の搬送方向視において、三角形状に形成されている。
【0055】
チャンバ部14は、板状基材1の搬送方向に沿う状態で設けられるものであって、チャンバ部14の上部に、図6に示すように、上方に向けて空気を噴出する上述の噴出口13が多数形成されることにより、空気供給源11から供給された空気を上方に向けて噴出する空気噴出部20が構成されている。
尚、図中、21は、空気供給源11から供給される空気の供給量が設定量以下になったことを検出する風量検出手段である。
【0056】
案内板部16は、図2及び図5に示すように、チャンバ部14から板状基材1の横幅方向の内方側に伸びる内方側の案内板部16aと、チャンバ部14から板状基材1の横幅方向の外方側に伸びる外方側の案内板部16bとから構成され、外方側の案内板部16bの板状基材1の横幅方向に沿う長さが、内方側の案内板部16aの板状基材1の横幅方向に沿う長さよりも、長く形成されている。
【0057】
外方側の案内板部16bにおける外方側の端部に、突条部22が備えられている。この突条部22は、上記搬送経路上に位置するように支持される板状基材1の下面より下方に位置する高さで、案内板部16bの上面から上方に突出し、且つ、板状基材1の搬送方向に沿って長尺状に形成されている。
このように、外方側の案内板部16bの外方側の端部に突条部22を備えることによって、板状基材1を適切に非接触状態で支持できるようになっている。
【0058】
つまり、チャンバ部14から端部側の排気路17bまでの距離が、チャンバ部14から中央側の排気路17aまでの距離より長いため、チャンバ部14から噴出された空気は内方側に流動し易く、外方側には流動し難いものとなる。
したがって、チャンバ部14から噴出された空気によって、内方側の案内板部16aと板状基材1との間に形成される空気層の圧力は、十分に高い圧力になり、内方側の案内板部16aの上方箇所においては、板状基材1を適切に受け止めることができるものの、チャンバ部14から噴出された空気によって、外方側の案内板部16bと板状基材1との間に形成される空気層の圧力は、外方側の案内板部16bの端部に突条部22が存在しない場合には、十分に高い圧力になり難いものである。
【0059】
そこで、外方側の案内板部16bの端部に突条部22を設けることによって、チャンバ部14から外方側の案内板部16bに沿って流動した空気が、突条部22の存在により端部側の排気路17bに向けて流動し難いようにすることにより、外方側の案内板部16bと板状基材1との間に形成される空気層の圧力を高めて、外方側の案内板部16bの上方箇所にても、板状基材1を適切に受け止めることができるようにしてある。
【0060】
案内板部16には、板状基材1を受止め支持するための複数の支持体23が、内方側の案内板部16aにおける内方側の端部、外方側の案内板部16bにおける横幅方向の中央部、及び、外方側の案内板部16bにおける内方側の端部の夫々において、板状基材1の搬送方向に沿って設定間隔おきに並ぶ状態で設けられている。
【0061】
これら支持体23は、送風式支持手段2にて搬送経路上に位置するように支持される板状基材1の下面に接触しない高さで、案内板部16の上面から上方に突出する状態で設けられるものであって、板状基材1を支持する送風式支持手段2の支持力が故障等により低下した場合等において、下方に撓んだ板状基材1を、案内板部16の上面より上方で支持することになる。
さらに、これら支持体23は、回転自在な樹脂製のボール体にて構成されており、支持した板状基材1が推進手段3の推進力にて移動し易い状態で支持するようになっている。
【0062】
静電気除去手段Jは、図1〜図4に示すように、板状基材1の搬送方向に沿って幅狭でかつ板状基材1の搬送経路に臨む照射用開口Kを備えた軟X線照射空間Mを備えて、軟X線照射部Sが、軟X線照射空間Mに軟X線を照射するように設けられるものであり、本実施形態においては、板状基材1の搬送経路の横幅方向に沿って、左右一対の軟X線照射空間Mが設けられている。
【0063】
左右一対の軟X線照射空間Mは、照射用開口Kを上部に備える有底筒状に形成されて、板状基材1の搬送経路の下方に配置されるものであり、軟X線照射部Sが、軟X線照射空間Mの底部に、上方に向けて軟X線を照射する状態で設けられている。
軟X線照射部Sは、軟X線を円錐状に照射するものであって、本実施形態においては、板状基材1の搬送方向視において、例えば、130度の角度で照射するように構成されている。
【0064】
したがって、左右一対の軟X線照射空間Mの底部に設けられた軟X線照射部Sが、上方に向けて軟X線を照射することにより、板状基材1の搬送経路付近の空気をイオン化することにより、板状基材1に帯電した静電気を中和できる。
【0065】
静電気除去手段Jの具体構成について説明を加えると、下枠25D、上枠25U、左枠25L、及び、右枠25Rからなる4角状の枠体25が設けられ、この枠体25の横幅方向の中央部には、下枠25Dから立設される状態で中間枠25Mが設けられている。つまり、静電気除去手段Jの主枠として機能する枠体25が、下枠25D、上枠25U、左枠25L、右枠25R、及び、中間枠25Mとから構成されている。
そして、枠体25が、軟X線が透過不能な材料、例えば、軟X線が透過不能な厚さを備えたステンレス材やアルミニウム材にて構成されている。
【0066】
この枠体25の下方側部分には、左右一対の側板26が、前後の両側に取付けられている。つまり、4枚の側板26のうちの左側に位置する前後2枚の側板26が、その端縁部を下枠25D、左枠25L、及び、中間枠25Mの外面に重複させる状態で、下枠25D、左枠25L、及び、中間枠25Mの内面部に付設された連結具27にボルト連結されている。
また、4枚の側板26のうちの右側に位置する前後2枚の側板26が、その端縁部を下枠25D、右枠25R、及び、中間枠25Mの外面に重複させる状態で、下枠25D、右枠25R、及び、中間枠25Mの内面部に付設されたL字状の連結具27にボルト連結されている。
【0067】
そして、左右一対の側板26が、軟X線が透過不能な材料、例えば、軟X線が透過不能な厚さを備えたアルミニウム板や塩化ビニル板にて構成されている。
【0068】
枠体25の横幅は、搬送ユニットUの横幅と同幅に形成され、また、枠体25の上下幅は、搬送ユニットUの上下幅よりも大きく形成されている。
枠体25における中間枠25Mの前後の外面部には、搬送ユニットUに対するL字状の接続具28が付設され、図1に示すように、この接続具28を搬送ユニットUの主枠4にボルト連結することにより、側板26を装備した枠体25を、板状基材1の搬送方向に隣接する一対の搬送ユニットUの間に位置させた状態で、隣接する一対の搬送ユニットUに連結支持できるように構成されている。
【0069】
そして、下枠25D、左枠25L、中間枠25M、及び、前後の側板26にて囲まれた空間、並びに、下枠25D、右枠25R、中間枠25M、及び、前後の側板26にて囲まれた空間を、左右一対の軟X線照射空間Mとして、それら左右一対の軟X線照射空間Mの底部には、下枠D25の内面部に付設した支持ブラケット29にて支持される状態で、軟X線照射部Sが設けられている。
【0070】
このように構成された静電気除去手段Jは、左右一対の軟X線照射空間Mの形成部材Rとしての、枠体25及び側板26、並びに、軟X線照射部Sを備えるユニット状に構成されるものであって、そして、上述の如く、搬送ユニットUに連結支持されることになる。
【0071】
また、軟X線照射空間Mの上方でかつ板状基材1の搬送経路の上部に、その搬送経路の横幅の全幅に亘り、かつ、板状基材1の搬送方向に沿って搬送ユニットUの内部に延出する状態で位置する板状の軟X線遮蔽部材30が備えられている。
つまり、枠体25における上枠25Uの下方に、その上枠25Uと平行姿勢の支持枠31が、連結体32によって上枠25Uに連結される状態で設けられ、その支持枠31に、板状の軟X線遮蔽部材30が、接続具33を用いて連結支持されている。
軟X線遮蔽部材30は、軟X線が透過不能な材料、例えば、軟X線が透過不能な厚さを備えたアルミニウム板や塩化ビニル板にて構成されている。
【0072】
軟X線遮蔽部材30は、軟X線照射部Sが軟X線を照射している状態で、搬送ユニットUの板状蓋部5を開いたときに、軟X線照射部Sから照射される軟X線が作業者に照射されるのを抑制するためのものであり、さらには、搬送ユニットUの内部に延出する長さを十分に長くして、作業者が、搬送ユニットUの搬送部Hと軟X線遮蔽部材30との間の隙間を通して手指を挿通させたときに、その手指が、軟X線照射空間Mの上方に届くことを抑制する状態に設置されている。
【0073】
本実施形態の静電気除去手段Jを搬送ユニットUに設置する手順の一例について説明すると、一対の搬送ユニットUを、静電気除去手段Jの配設スペースを隔てる状態で位置させ、その配設スペースに、静電気除去手段Jを挿入して、静電気除去手段Jを搬送ユニットUに接続具28を用いて連結することになる。
その後、軟X線遮蔽部材30を、静電気除去手段Jに組付けることになる。
【0074】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明するが、この第2実施形態は、静電気除去手段Jの別構成を例示するものであって、その他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、以下の説明においては、上記第1実施形態と異なる部分についてのみ説明して、上記第1実施形態と同様な部分についての説明を省略する。
【0075】
この第2実施形態においては、図7及び図8に示すように、軟X線照射空間Mが、上部に照射用開口Kを備える有底筒状に形成されて、板状基材1の搬送経路の下方に配置される下方空間部Mdと、下部に照射用開口Kを備える有底筒状に形成されて、板状基材1の搬送経路の上方に配置される上方空間部Muとを備えるように形成されている。
【0076】
そして、左右一対の軟X線照射部Sが、板状基材1の左右の横側部に、下方空間部Md及び上方空間部Muに向けて軟X線を照射するように設けられている。
【0077】
説明を加えると、下枠35D、上枠35U、左枠35L、及び、右枠35Rからなる4角状の枠体35が設けられている。つまり、静電気除去手段Jの主枠として機能する枠体35が、下枠35D、上枠35U、左枠35L、及び、右枠35Rから構成されている。
【0078】
この枠体35の内方のおける左右両端側箇所には、下枠35Dと上枠35Uとの間に亘る板状体36が、下枠35D及び上枠35Uに連結される状態で設けられている。
また、左右一対の板状体36の間に、断面形状逆U字状の上方長尺体37U、及び、断面形状U字状の下方長尺体37Dが、その端部を板状体36にて閉塞される状態に板状体36に接続される状態で設けられている。
【0079】
枠体35の横幅は、搬送ユニットUの横幅と同幅に形成され、また、枠体25の上下幅は、搬送ユニットUの上下幅と概ね同じ大きさに形成されている。
尚、詳述はしないが、枠体35は、板状基材1の搬送方向に隣接する一対の搬送ユニットUの間に位置させた状態で、隣接する一対の搬送ユニットUに連結支持できるように構成されている。
【0080】
そして、左右の板状体36と上方長尺体37Uにて囲まれた空間を、軟X線照射空間Mの上方空間部Muとし、かつ、左右の板状体36と下方長尺体37Dにて囲まれた空間を、軟X線照射空間Mの下方空間部Mdとして、左右一対の軟X線照射部Sが、左右の板状体36の夫々に支持される状態で設けられている。
尚、本実施形態においては、上方長尺体37Uが、上枠35Uに対して連結ブラケット38にて連結支持され、同様に、下方長尺体37Dが、下枠35Dに対して連結ブラケット38にて連結支持されている。
【0081】
このように構成された静電気除去手段Jは、軟X線照射空間Mの形成部材Rとしての、上方長尺体37U、下方長尺体37D及び板状体36、並びに、軟X線照射部Sを備えるユニット状に構成されるものであって、そして、上述の如く、搬送ユニットUに連結支持されることになる。
【0082】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記第1及び第2実施形態では、搬送ユニットとして、板状基材の横幅方向の両端部を接触状態で支持する推進手段と、板状基材の横幅方向の中央部を空気圧にて非接触状態で支持する送風式支持手段とを備えるものを例示したが、空気圧を利用して推進力を付与する形態のもの等、搬送ユニットとしては種々の形態のものを適用できる。
【0083】
(2)上記第1及び第2実施形態では、ユニット状に形成された静電気除去手段を、搬送ユニットに連結支持する場合を例示したが、ユニット状に形成された静電気除去手段に、設置用の脚を備えさせて、静電気除去手段を、搬送ユニットとは別個に、床面等に設置するようにしてもよい。
【0084】
(3)上記第1及び第2実施形態では、静電気除去手段をユニット状に形成する場合を例示したが、静電気除去手段を構成する構成部材を、隣接する搬送用ユニットの間に組付ける形態で実施してもよい。
【0085】
(4)上記第1及び第2実施形態では、静電気除去手段が、軟X線照射空間を備えて、軟X線照射部を、軟X線照射空間内に、軟X線を照射するように設けて、軟X線照射部から照射される軟X線が拡散されるのを抑制する場合を例示したが、静電気除去手段が、軟X線照射空間を備えない形態で実施してもよい。
【0086】
この場合には、例えば、搬送ユニットの板状蓋部が開かれたことを検出する開き検出手段を設けて、板状蓋部が開かれると、軟X線照射部の照射を自動的に停止する照射停止手段を設けるとよい。
ちなみに、静電気除去手段が、軟X線照射空間を備える場合においても、上記照射停止手段を設けるようにしてもよい。
【0087】
(5)上記第2実施形態では、搬送される板状基材の下方箇所及び上方箇所の空気をイオン化するにあたり、軟X線照射部を、板状基材の搬送経路の横側部から軟X線を照射する場合を例示したが、板状基材の搬送経路の上部側箇所に設置されて、軟X線を下方に向けて照射する上側の軟X線照射部と、板状基材の搬送経路の下部側箇所に設置されて、軟X線を上方に向けて照射する下側の軟X線照射部とを装備する形態で実施してもよい。
【0088】
(6)上記第1実施形態では、軟X線遮蔽部材を設けるにあたり、平坦状の板材にて、軟X線遮蔽部材を構成する場合を例示したが、軟X線遮蔽部材としては、板材の先端部を下方に湾曲させた状態に形成する等、軟X線遮蔽部材の具体構成は各種変更できる。
【符号の説明】
【0089】
1 板状基材
30 軟X線遮蔽部材
J 静電気除去手段
K 照射用開口
M 軟X線照射空間
Md 下方空間部
Mu 上方空間部
R 形成部材
S 軟X線照射部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状基材を空気圧により浮上させた状態で搬送する搬送ユニットが、前記板状基材の搬送方向に沿って並設され、
軟X線照射部からの軟X線の照射によりイオン化した空気にて前記板状基材に帯電した静電気を中和する静電気除去手段が設けられた板状基材用搬送装置であって、
前記静電気除去手段が、前記搬送方向に幅狭な扁平状に形成されて、前記搬送方向に隣接する前記搬送ユニットの間に配置されている板状基材用搬送装置。
【請求項2】
前記静電気除去手段が、前記搬送方向に幅狭でかつ前記板状基材の搬送経路に臨む照射用開口を備えた軟X線照射空間を備えて、前記軟X線照射部が、前記軟X線照射空間内に、軟X線を照射するように設けられている請求項1記載の板状基材用搬送装置。
【請求項3】
前記静電気除去手段が、前記軟X線照射空間の形成部材、及び、前記軟X線照射部を備えたユニット状に構成されている請求項2記載の板状基材用搬送装置。
【請求項4】
前記静電気除去手段が、前記搬送ユニットに連結支持されている請求項3記載の板状基材用搬送装置。
【請求項5】
前記軟X線照射空間が、前記照射用開口を上部に備える有底筒状に形成されて、前記搬送経路の下方に配置され、
前記軟X線照射部が、前記軟X線照射空間の底部に、上方に向けて軟X線を照射する状態で設けられている請求項2〜4のいずれか1項に記載の板状基材用搬送装置。
【請求項6】
前記軟X線照射空間の上方でかつ前記搬送経路の上部に、その搬送経路の横幅の全幅に亘り、かつ、前記搬送方向に沿って前記搬送ユニットの内部に延出する状態で位置する軟X線遮蔽部材が設けられている請求項5記載の板状基材用搬送装置。
【請求項7】
前記軟X線照射空間が、上部に前記照射用開口を備える有底筒状に形成されて、前記搬送経路の下方に配置される下方空間部と、下部に前記照射用開口を備える有底筒状に形成されて、前記搬送経路の上方に配置される上方空間部とを備えるように形成され、
前記軟X線照射部が、前記搬送経路の横側部に、前記下方空間部及び前記上方空間部に向けて軟X線を照射するように設けられている請求項2〜4のいずれか1項に記載の板状基材用搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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