説明

板状材用吊具

【課題】 板状材を容易かつ安全に、しかも板面を傷つけることなく移動させることのできる手段を提供し、建築現場等における作業能率を向上させる。
【解決手段】板状材(A)を挟持する複数の挟持腕(8)と、前記挟持腕(8)で板状材(A)を挟持した際に一部(9a)を板状材(A)の下部に位置させることにより板状材(A)が挟持腕(8)から外れ落ちても板状材(A)を保持することのできる複数の落下防止アーム(9)を有している挟持腕(8)を開いた状態に保つための挟持腕ロック機構(4a)と、落下防止アーム(9)が上がった状態に保つための落下防止アームロック機構(16)を備えている

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築現場や工場に等において床パネル,畳等の板状材を吊り上げるための吊具に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】床パネル,壁パネル等のパネル材や畳等の板状材の運搬は、パレットと呼ばれる台の上に板状材を複数枚積み上げた状態で、パレットごとフォークリフトにより運搬車等に積載し建築現場や納入先に運ぶことが多い。
【0003】パレットに板状材を積み上げる作業は、作業者が手作業で行うことがほとんどである(フォークリフトを用いて積み上げることも可能ではあるが、フォークリフトの昇降台に直接板状材を乗せることになり、昇降台の抜き差し時に板状材の板面を傷つけやすいので好ましくない)。また、現場においては2階以上の高層階に板状材を運ぶ必要があることが多く、フォークリフトの昇降台では対応することができない。その場合、作業者が階段や足場を通って持って上がることが多く、多大な時間,労力を要した。
【0004】近年では、「コの字形」の部材に吊下げ用環を取り付けた吊具が用いられることがある。使用方法は、板状材の四隅付近に側方から吊具を打ち込んで、吊具の「コの字形」部で板状材を挟み込ませて固定し、吊下げ用環にクレーンからのワイヤーを取り付け、クレーンで吊り上げるというものである。
【0005】しかし、この吊具を使用した場合、板状材の厚みに合わせて「コの字形」部の大きさの異なる吊具を用意するか、「コの字形」部の厚みを調整可能にする必要がある。そして、1枚の板状材を移動させる毎に4個の吊具の取付,取り外しをする必要があり手間がかかる。更に、「コの字形」部は板状材が抜け落ちないように板状材の板面と強く接することとなり、(特に吊具の取付,取り外しの際に)板面を傷つけやすく、板状材の商品価値を損なうことがある。
【0006】そこで、作業者の手間,労力を少なくして作業能率を高めると共に、板状材の板面を傷つけないように移動させるための手段が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の吊具は、板状材(A)を挟持する複数の挟持腕(8)と、前記挟持腕(8)で板状材(A)を挟持した際に一部(9a)を板状材(A)の下部に位置させることにより板状材(A)が挟持腕(8)から外れ落ちても板状材(A)を保持することのできる複数の落下防止アーム(9)を有しており、前記挟持腕(8)を開いた状態に保つための挟持腕ロック機構(4a)と、前記落下防止アーム(9)が上がった状態に保つための落下防止アームロック機構(16)を備えていることを特徴とする。
【0008】又、リンク機構により板状材(A)の両側面を挟持しうる複数のクランプ部と、クランプ部で板状材(A)を挟持した際に一部(9a)を板状材(A)の下部に位置させることにより万一板状材(A)がクランプ部から外れ落ちても板状材(A)を保持することのできる複数の落下防止アーム(9)を有しており、前記クランプ部の板状材(A)を挟持する挟持腕(8)の挟持部(8a)相互間の間隔を板状材(A)の幅より広い状態に保つための挟持腕ロック機構(4a)と、落下防止アームが板状材(A)の下方に位置しない状態に保つための落下防止アームロック機構(16)を備えていることを特徴とする。
【0009】更に上記の吊具において、挟持腕ロック機構(4a)と落下防止アームロック機構(16)が吊具の同じ側に設けられていることを特徴とする。
【0010】又、板状材(A)を挟持する複数の挟持腕(8)と、前記挟持腕(8)で板状材(A)を挟持した際に一部(9a)を板状材(A)の下部に位置させることにより板状材(A)が挟持腕(8)から外れ落ちても板状材(A)を保持することのできる複数の落下防止アーム(9)を有しており、前記挟持腕(8)を開いた状態に保つための挟持腕ロック機構(4a)と、前記落下防止アーム(9)の位置を保つためのアーム状態維持機構(20a),(21a),(22)を備えており、前記アーム状態維持機構はバネ(22)を用いたクリック機構であることを特徴とする。
【0011】
【実施の形態】以下、本発明を好適な実施例を用いて説明する。
[実施例1]図1〜図5は本発明の実施例の吊具を示した図であり、図1はパネル吊下状態の正面図、図2はパネル吊下状態の右側面図、図3はパネルを保持しない状態の吊具の正面図である。また、図4は落下防止アームが「開」の状態の斜視図であり、図5は落下防止アームが「閉」の状態の斜視図である。
【0012】本実施例の吊具は大きく分けて2組のクランプ部と、各クランプ部を一定の距離を隔てて平行に保持する連結部と、連結部に取り付けられ安全装置として働く落下防止アーム機構部に分けることができる。以下、各部の構成を順に説明する。
【0013】[クランプ部]クランプ部はリンク機構により板状材を挟持する部分である。上部リンク(1)の上部両端付近にはクレーン等からのワイヤー(B)やロープに取り付けるための吊下用環(5)が取り付けられている。又、上部リンク(1)の下部両端付近には夫久第1リンク(2)の上端付近が軸着されている。この第1リンク(2)は夫久2枚の板よりなっており、上部リンク(1)の端部付近を両側から挟むような形で取り付けられている。
【0014】第1リンク(2)の下端付近はL形リンク(3)の上端付近と軸着されている。両方のL形リンク(3)は向き合うように対称に配されているので交差し、交差の下方で基礎リンク(11)に軸着されている。更に、L形リンク(3)の下端付近は挟持腕(8)の基部端付近に軸着されている。基礎リンク(11)の端部付近には第2リンク(7)の上端付近が軸着されており、第2リンク(7)の下端付近は挟持腕(8)の先端部付近に軸着されている。この第2リンク(7)は夫々2枚の板よりなっており、基礎リンク(11)と挟持腕(8)の各端部付近を挟み込むような形で取り付けられている。
【0015】第1リンク(2)とL形リンク(3)との軸着部は1つのクランプ部に2カ所あるが、それら相互間には開放ストッパー(4)が接続されており、一方の接続は軸着であり、他方は第1リンク(2)とL形リンク(3)との接続軸部が開放ストッパー(4)を貫通して設けられているガイドスリット(4b)内を移動できるように取り付けられている。ガイドスリット(4b)の端部は上方にほぼ直角に突出して、前記第1リンク(2)とL形リンク(3)との接続軸部を係止して、クランプを「開」状態(挟持腕(8)の挟持部(8a)相互間の間隔が板状材(A)の幅より広い状態)に保持するためのストッパー溝(4a)を構成している。
【0016】挟持腕(8)の先端部付近には板状材を挟む挟持部(8a)が構成されており、その板状体(A)と接する部分には滑り止めのためにゴムシート(8c)とスパイク(8b)が取り付けられている。但し、この滑り止めとしてはゴムシート(8c)またはスパイク(8b)のいずれか一方のみでも良い。以上が(1組の)クランプ部の構成であり、本実施例ではこのようなクランプ部を2組備えている。
【0017】[連結部]2組のクランプ部の上部リンク(1)間には上部固定管(17)が溶接により取り付けられている。開放ストッパー(4)相互の間にはストッパー連結棒(12)が溶接により取り付けられている。これにより2組のクランプ部は連動するので、両クランプは常に同じ状態となる。
【0018】対向する第2リンク(7)相互間には下部固定管(13)が溶接により取り付けられている。1組のクランプ部につき第2リンク(7)は2組あるので、下部固定管(13)は2本用いている。2本の下部固定管(13)間には各クランプ部近傍において底部管(10)が各1本取り付けられている。この底部管(10)は吊具を板状材(A)に向けて降ろして行った際に、板状材(A)と接する部分であり、その底部には板状材(A)の板面を傷つけないようにゴムパッド(10a)が取り付けられている。
【0019】[落下防止アーム機構部]上記の下部固定管(13)にアーム取付管(14)が外接するように取り付けられている(アーム取付管(14)の両端は下部固定管(13)の底部管(10)の取付部と近接している)。アーム取付管(14)は下部固定管(13)の周囲を回転可能である。各アーム取付管(14)には2本の落下防止アーム(9)がほぼ同じ角度で溶接により取り付けられている。落下防止アーム(9)の先端には使用時に板状材(A)の下方に位置する爪部(9a)を有している。
【0020】各アーム取付管(14)には開閉リンク取付板(15)が溶接により取り付けられている。そして開閉リンク取付板(15)の一端にはアーム開閉リンク(6)の両端が軸着されている。これにより、各アーム取付管(14)は連動することとなり、それらに固定されている各落下防止アーム(9)も同時に連動する。一方のアーム取付管(14)の開閉リンク取付板(15)の近傍には開放ピン(16)が備えられている。開放ピン(16)のチェーン部(16b)は一端がアーム取付管(14)に固定されており、他端の先端にはフック状の先端部(16a)が設けられている。
【0021】次に、実施例の吊具を用いた板状材(A)の移動作業と、その際の吊具の状態について説明する。
【0022】[吊具の降ろし]クレーンの移動,旋回等の操作によりクレーンに取り付けられた吊具を板状材(A)を積載した場所の上に位置させて、吊具を降ろしていく。このときには、第1リンク(2)とL形リンク(3)との接続軸部は 開放ストッパー(4)のストッパー溝(4a)にはめ込まれていて、クランプは「開」状態が保たれている。
【0023】落下防止アーム(9)は上がった状態になっている。この状態を保つためにはアーム取付管(14)が回転しないようにする必要があるため、開放ピン(16)の先端部(16a)を開閉リンク取付板(15)の下を通してアーム取付管(14)に引っかけている。これにより、アーム取付管(14)が回転しようとしても開放ピン(16)のチェーン部(16b)が開閉リンク取付板(15)とアーム開閉リンク(6)の角度が広がっていくのを防止するため、アーム取付管(14)は回転できず、落下防止アーム(9)は上がった状態に保たれる。
【0024】吊具を降ろしてといくと吊具の底部管(10)の底部のゴムパッド(10a)が板状材(A)の上面と当接する。
【0025】[クランプによる挟持]開放ストッパー(4)に取り付けられたストッパー連結棒(12)を作業者が上方に持ち上げる。これにより第1リンク(2)とL形リンク(3)との接続軸部は開放ストッパー(4)のストッパー溝(4a)からはずれて、ガイドスリット(4b)内を自由に動くことができるようになる。この状態で吊具を若干吊り上げると、クランプは自重により挟持腕(8)の挟持部(8a)相互間の距離が短くなるよう閉じていく。これにより板状材(A)の側面は挟持部(8a)により両側から挟まれることになる。挟持部(8a)の板状材(A)側面と接している部分には滑り止めのゴムシート(8c)とスパイク(8b)が設けられているため、板状材(A)をしっかり保持することができる。尚、一般に床パネル等のパネル部材は設置した際に側面が見えなくなるので、スパイク(8b)による傷は問題とならないが、側面を傷つけたくない場合はスパイク(8b)を省略してもよい。
【0026】この状態で吊り上げていくと吊具自重と板状材(A)の重量によりクランプは更に強く板状材(A)を挟持するので、通常は板状材(A)が吊具からはずれることはなく、そのまま吊り上げ作業を行ってもよい。
【0027】[落下防止アームのセット]板状材(A)を少し吊り上げた状態で作業者が開放ピン(16)の先端(16a)をはずしてアーム取付管(14)が回転できるようにする。板状材(A)を少し吊り上げた状態とするのは板状材(A)の下方に落下防止アーム(9)の先端の爪部(9a)が入るスペースを確保するためである。したがって、積層されている板状材(A)の間にスペーサーが配される等により吊り上げようとする板状材(A)の下方にスペースが確保されているのであれば、必ずしも少し吊り上げてから作業を行う必要はない。
【0028】次いで、落下防止アーム(9)を下げた状態にし、その先端の爪部(9a)を板状材(A)の下方に位置させる。4本の落下防止アーム(9)は連動しているため作業者は1本を回転させれば他の3本も同時に下げた状態となる。
【0029】尚、開放ピン(16)を開放ストッパー(4)に取り付けられたストッパー連結棒(12)と同じ側に設けておくと作業者はそれらの操作をするに際して場所を移動する必要がないので、作業効率がよい。
【0030】[吊り上げ,荷下ろし作業]落下防止アーム(9)は安全装置であり、通常の使用状態では板状材(A)を保持するような役割は有していない。板状材(A)を吊り下げているときには上述のようにクランプは板状材(A)を挟持し続けるが、万一吊り上げ移動時に板状材(A)が壁等に衝突したり、乗り上げたような場合には、一時的にクランプにかかる板状材(A)の重量が大きく減少し、クランプの挟持腕(8)が板状材(A)を挟持する力が極端に低下するため板状材(A)が外れてしまう可能性がある。
【0031】しかし、本発明の吊具においては、万一吊り上げ作業中に板状材(A)が挟持腕(8)から外れた場合でも、板状材(A)は落下防止アーム(9)で受け止めることができるので、板状材(A)が地上に落下することを有効に防止することができ安全性が高い。
【0032】吊具が取り付けられたクレーン等の操作により板状材(A)を必要な位置に移動させた後は、上記の各作業を逆の順で行えばよい。すなわち、設置場所より少し浮かした状態で落下防止アーム(9)を上げ、開放ピン(16)をセットする。次いで設置場所に降ろしてクランプを緩めることにより板状材(A)を吊具から外す。これにて移動作業が終了する。
【0033】吊具を上昇させる際に、移動させた板状材(A)をクランプが再度挟持してしまわないように(そして次回の使用に備えて)、第1リンク(2)とL形リンク(3)との接続軸部を開放ストッパー(4)のストッパー溝(4a)にはめこみクランプを「開」状態に維持させる。作業を繰り返し行うときは、上記後は各操作を繰り返せばよい。
【0034】[実施例2]実施例1においては落下防止アームロック機構として落下防止アーム(9)が上がった状態に保つ開放ピン(16)を用いたが、本実施例では開放ピン(16)を用いずに別の手段により落下防止アーム(9)の位置を維持させるようにしている。
【0035】すなわち、本実施例では落下防止アーム(9)が上がっているときには上がった状態を維持し、下がっているときには下がった状態を維持するようなクリック式のアーム状態維持機構を備えている。それ以外の基本構成,作用は実施例1と同様である。
【0036】図6及び図7に本実施例の吊具の斜視図を示す。また、図8に本実施例のアーム状態維持機構の拡大図を示す。一方の開閉リンク取付板(20)は(他方の開閉リンク取付板(15)と異なり)、アーム開閉リンク(21)との接続軸(23)より先端部が大きく突出している。そしてこの先端部付近に横方向(アーム取付管(14)と平行な方向)にバネ係止棒(20a)が突出している。また、アーム開閉リンク(21)からも横方向にバネ係止棒(21a)が突出している。そして開閉リンク取付板(20)のバネ係止棒(20a)と、アーム開閉リンク(21)のバネ係止棒(21a)との間にはバネ(22)が取り付けられている。
【0037】このような構成により、図8(A)に示すように、落下防止アームロック(9)が下がった状態のときは、開閉リンク取付板(20)のバネ係止棒(20a)は接続軸(23)よりも下に位置し、バネ(22)の働きにより下方に引っ張られることになるので、落下防止アームロック(9)は下がった状態に維持される。
【0038】反対に図8(B)に示すように、落下防止アームロック(9)が上がった状態のときは、開閉リンク取付板(20)のバネ係止棒(20a)は、接続軸(23)よりも上に位置し、バネ(22)の働きにより上方に引っ張られることになるので、落下防止アーム(9)は上がった状態に維持される。
【0039】落下防止アーム(9)を下がった状態から上がった状態に変える場合、又は反対に上がった状態から下がった状態に変える場合には、バネ(22)の力に抗して作業者が落下防止アームロック(9)を望む方向にある程度(開閉リンク取付板(20)のバネ係止棒(20a)と、接続軸(23)と、アーム開閉リンク(21)のバネ係止棒(21a)とが一直線上になる位置を越えて)動かすとよい。そうすると、バネ(22)が開閉リンク取付板(20)のバネ係止棒(20a)を引っ張る方向が変わるために、落下防止アームロック(9)は望む状態に位置するよう引っ張られる。すなわち、本実施例のアーム状態維持機構はバネ(22)を用いたクリック機構となっている。
【0040】尚、上記の各実施例ではクランプ部を2組用いて板状材の両端付近を挟持するものとしたが、板状材の長さや重量により3組以上のクランプ部を備えるものとしてもよい。又、落下防止アーム(9)の数や形状も適宜定めればよい。
【0041】
【発明の効果】以上述べたようにように本発明によれば、板状材を容易かつ安全に、しかも板面を傷つけることなく移動させることができ、建築現場等において作業能率が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の吊具の正面図(パネル吊下状態)。
【図2】実施例1の吊具の右側面図(パネル吊下状態)。
【図3】実施例1の吊具の正面図(パネルを保持しない状態)。
【図4】実施例1の吊具の斜視図(落下防止アームが「開」の状態)。
【図5】実施例1の吊具の斜視図(落下防止アームが「閉」の状態)。
【図6】実施例2の吊具の斜視図(落下防止アームが「開」の状態)。
【図7】実施例2の吊具の斜視図(落下防止アームが「閉」の状態)。
【図8】実施例2のアーム状態維持機構の拡大図。
【符号の説明】
(1) 上部リンク
(2) 第1リンク
(3) L形リンク
(4) 開放ストッパー
(4a) ストッパー溝
(5) 吊下用環
(6) アーム開閉リンク
(7) 第2リンク
(8) 挟持腕
(8a) 挟持部
(9) 落下防止アーム
(10) 底部管
(11) 基礎リンク
(12) ストッパー連結棒
(13) 下部固定管
(14) アーム取付管
(15) 開閉リンク取付板
(16) 開放ピン
(17) 上部固定管
(22) バネ
(A) 板状物(パネル等)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 板状材を挟持する複数の挟持腕と、前記挟持腕で板状材を挟持した際に一部を板状材の下部に位置させることにより板状材が挟持腕から外れ落ちても板状材を保持することのできる複数の落下防止アームを有しており、前記挟持腕を開いた状態に保つための挟持腕ロック機構と、前記落下防止アームが上がった状態に保つための落下防止アームロック機構を備えていることを特徴とする板状材用吊具。
【請求項2】 リンク機構により板状材の両側面を挟持しうる複数のクランプ部と、クランプ部で板状材を挟持した際に一部を板状材の下部に位置させることにより万一板状材がクランプ部から外れ落ちても板状材を保持することのできる複数の落下防止アームを有しており、前記クランプ部の板状材を挟持する挟持腕の挟持部相互間の間隔を板状材の幅より広い状態に保つための挟持腕ロック機構と、落下防止アームが板状材の下方に位置しない状態に保つための落下防止アームロック機構を備えていることを特徴とする板状材用吊具。
【請求項3】 挟持腕ロック機構と落下防止アームロック機構が吊具の同じ側に設けられていることを特徴とする請求項1記載又は請求項2記載の板状材用吊具。
【請求項4】 板状材を挟持する複数の挟持腕と、前記挟持腕で板状材を挟持した際に一部を板状材の下部に位置させることにより板状材が挟持腕から外れ落ちても板状材を保持することのできる複数の落下防止アームを有しており、前記挟持腕を開いた状態に保つための挟持腕ロック機構と、前記落下防止アームの位置を保つためのアーム状態維持機構を備えており、前記アーム状態維持機構はバネを用いたクリック機構であることを特徴とする板状材用吊具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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