説明

核酸濃縮回収用カートリッジ、核酸濃縮回収方法、及び該カートリッジの製造方法

【課題】操作が簡便であり、短時間で高効率に核酸を濃縮し回収できる核酸濃縮回収用カートリッジの提供。
【解決手段】液体を導入可能なチャネル11が形成され、チャネル11の所定箇所に高分子ゲル14が配され、チャネル11の両端に電極が配された核酸濃縮回収用カートリッジ1を提供する。この核酸濃縮回収用カートリッジでは、チャネル11の両端に電圧を印加し、高分子ゲル14と負極13端との間に導入された核酸を電気泳動させ、正極12端へ移動する核酸を高分子ゲル14によって堰き止めることで、核酸を高分子ゲル14近傍に濃縮できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、核酸濃縮回収用カートリッジ、核酸濃縮回収方法、及び該カートリッジの製造方法に関する。より詳しくは、チャネル内での電気泳動によって核酸を濃縮し、回収するカートリッジ等に関する。
【背景技術】
【0002】
PCR(Polymerase Chain Reaction)法やLAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法等の核酸増幅反応はバイオテクノロジーにおける様々な分野で応用されている。例えば、医学分野では、DNAやRNAの塩基配列に基づいた診断が行われており、農業分野では遺伝子組み換え作物の判定等でDNA鑑定が活用されている。
【0003】
核酸増幅反応では、微量サンプル中の核酸を高効率に増幅して検出できる。しかし、サンプルに含まれる核酸が極めて微量である場合には、検出下限量未満となる場合がある。さらに、サンプル中の核酸濃度が極めて低い場合には、反応場へ導入可能な容積のサンプル中に増幅対象核酸が含まれなかったために検出が不能となる場合がある。これらの場合には、サンプル中の核酸を予め濃縮して反応場に導入することが有効となる。
【0004】
従来、核酸の濃縮方法としては、フェノール/クロロホルム/エタノールを用いた方法、核酸を吸着するカラムやフィルタ等を用いた方法、磁性シリカビーズを用いた方法等が知られている。例えば、特許文献1には、核酸吸着能を有する多孔質担体を用いた核酸の濃縮方法が開示されている。また、非特許文献1には、キャピラリー電気泳動によって核酸を濃縮する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−080555号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】"On-line sample preconcentration in capillary electrophoresis: Fundamentals and applications." Journal of Chromatography A., Vol.1184 (2008)p.504-541
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のフェノール/クロロホルム/エタノールを用いた方法は、有害な有機溶媒を使用する必要があり、遠心分離操作等に手間がかかっていた。また、核酸を吸着するカラムやフィルタ等を用いた方法は、カラムやフィルタ等が目詰まりを起こしやすく、操作の簡便性からも課題があった。
【0008】
そこで、本技術は、操作が簡便であり、短時間で高効率に核酸を濃縮し回収できる核酸濃縮回収用カートリッジを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題解決のため、本技術は、液体を導入可能なチャネルが形成され、チャネルの所定箇所に高分子ゲルが配され、チャネルの両端に電極が配された核酸濃縮回収用カートリッジを提供する。
この核酸濃縮回収用カートリッジにおいて、前記高分子ゲルはアニオン性官能基を含有することが好ましく、また、前記高分子ゲルは負極から正極に向かって凹となる形状とされることが好ましい。
また、この核酸濃縮回収用カートリッジにおいて、前記チャネルには、前記高分子ゲルを保持するゲル保持部が設けられていることが好ましい。更に、前記ゲル保持部は親水化処理が施されていてもよい。このとき、前記ゲル保持部の前記高分子ゲルに対する接触部位は、シリカによって製膜されていてもよい。更に、前記高分子ゲルは、所定の形状を有する前記ゲル保持部に嵌合されることで保持されていてもよい。
さらに、この核酸濃縮回収用カートリッジにおいて、前記高分子ゲルと負極端との間のチャネル容積が、正極端と高分子ゲルとの間のチャネル容積に比して大きく形成されていることが好ましい。
また、前記電極は、スパッタまたは蒸着によって作製されていてもよい。また、前記電極は、金または白金を含むものによって作製されていてもよい。
【0010】
また、本技術は、緩衝液が充填され、所定箇所に高分子ゲルが配されたチャネルの両端に電圧を印加し、高分子ゲルと負極端との間に導入された核酸を電気泳動させ、正極端へ移動する核酸を高分子ゲルによって堰き止める手順を含む核酸濃縮回収方法を提供する。この核酸濃縮回収方法では、移動する核酸を高分子ゲルによって堰き止めることによって、核酸を高分子ゲル近傍に濃縮できる。
この核酸濃縮回収方法の前記手順において、前記高分子ゲルにはアニオン性官能基を含有させることが好ましく、また、前記高分子ゲルは核酸の泳動方向に凹となる形状に前記チャネルに配することが好ましい。
さらに、この核酸濃縮回収方法においては、前記電気泳動の後、前記チャネルの両端に逆電圧を印加する手順を行うことが好ましい。
【0011】
さらに、本技術は、基板上に形成されたチャネル内に導入されたモノマー溶液を光重合によって所定の形状にゲル化させて前記高分子ゲルを形成する工程を含む、上記の核酸濃縮回収用カートリッジの製造方法を提供する。
この製造方法の前記工程においては、アニオン性官能基を有するモノマー溶液を用いることが好ましく、また、前記高分子ゲルを負極から正極に向かって凹となる形状にゲル化させることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本技術により、操作が簡便であり、短時間で高効率に核酸を濃縮し回収できる核酸濃縮回収用カートリッジが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本技術の第1実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの構成と、該カートリッジを用いた核酸濃縮回収方法の手順を説明する模式図である。
【図2】同実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの変形例の構成を説明する模式図である。
【図3】同実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの変形例の構成を説明する模式図である。
【図4】同実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの変形例の構成を説明する模式図である。
【図5】同実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの変形例の構成を説明する模式図である。
【図6】同実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの変形例の構成を説明する模式図である。
【図7】同実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの変形例の構成を説明する模式図である。
【図8】本技術の第2実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの構成と、該カートリッジを用いた核酸濃縮回収方法の手順を説明する模式図である。
【図9】高分子ゲル付近のチャネルの蛍光観察像を示す図面代用写真である(実施例2)。
【図10】電気泳動開始後のゲル界面の蛍光強度の経時変化を示すグラフである(実施例2)。
【図11】高分子ゲルに含有させるアニオン性官能基のpKaを変化させた核酸濃縮回収用チップの高分子ゲル付近のチャネルの蛍光観察像を示す図面代用写真である(実施例3)。
【図12】高分子ゲル付近のチャネルの蛍光観察像を示す図面代用写真である(実施例4)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。説明は以下の順序で行う。

1.本技術の第1実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジと核酸濃縮回収方法
(1)核酸濃縮回収用カートリッジ
(2)核酸濃縮回収方法
2.本技術の第1実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの製造方法と核酸濃縮回収用カートリッジの変形例
(1)核酸濃縮回収用カートリッジの製造方法
(2)核酸濃縮回収用カートリッジの変形例
(3)核酸濃縮回収用カートリッジの他の変形例
3.本技術の第2実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジと核酸濃縮回収方法
(1)核酸濃縮回収用カートリッジ
(2)核酸濃縮回収方法
4.本技術の第2実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの製造方法

【0015】
1.本技術の第1実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジと核酸濃縮回収方法
(1)核酸濃縮回収用カートリッジ
図1は、本技術に係る核酸濃縮回収用カートリッジの構成と、該カートリッジを用いた核酸濃縮回収方法の手順を説明する模式図である。
【0016】
図1(A)中、符号1で示す核酸濃縮回収用カートリッジは、基板上に形成されたチャネル11と、チャネル11の両端にそれぞれ配された正極12と負極13とを有する。チャネル11内には液体が導入可能とされており、チャネル11の正極12と負極13との間には高分子ゲル14が配されている。また、正極12と負極13には電源Vが接続され、チャネル11に導入された液体に電圧を印加/解除できるよう構成されている。
【0017】
基板の材質は、ガラスや各種プラスチック(ポリプロピレン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリジメチルシロキサン)とできる。
【0018】
正極12及び負極13については、好適にはスパッタ又は蒸着された金(Au)または白金(Pt)を含んでなるものが採用される。
【0019】
高分子ゲル14は、ポリアクリルアミドが好適に採用され、より好ましくはアニオン性官能基を含有するポリアクリルアミド、さらに好ましくは酸解離定数(pKa)が1〜5であるアニオン性官能基を含有するポリアクリルアミドが用いられる。なお、本技術において、アクリルアミドとは、アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミドを意味するものとする。
【0020】
アニオン性官能基としては、特に限定されないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸;シュウ酸、フタル酸等の多塩基酸;クエン酸、グリコール酸、乳酸等のヒドロキシ酸;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和酸または不飽和多塩基酸;グリシン等のアミノ酸、リン酸の部分エステル、硫酸の部分エステル、ホスホン酸、スルホン酸などが挙げられる。
【0021】
具体的には、例えばカルボン酸としては、蟻酸(pKa:3.55)、酢酸(pKa:4.56)、プロピオン酸(pKa:4.67)、ブタン酸(pKa:4.63)、ペンテン酸(pKa:4.68)、ヘキサン酸(pKa:4.63)、ヘプタン酸(pKa:4.66)、パルミチン酸(pKa:4.64)、ステアリン酸(pKa:4.69)などの脂肪族モノカルボン酸;コハク酸(pKa1 :4.00、pKa2 :5.24)、グルタル酸(pKa1 :4.13、pKa2 :5.03)、アジピン酸(pKa1 :4.26、pKa2 :5.03)、ピメリン酸(pKa1:4.31、pKa2 :5.08)、スベリン酸(pKa1 :4.35、pKa2 :5.10)、アゼライン酸(pKa1 :4.39、pKa2 :5.12)、リンゴ酸(pKa1 :3.24、pKa2 :4.71)、テレフタル酸(pKa1 :3.54、pKa2 :4.46)などの脂肪族又は芳香族のジカルボン酸;クロトン酸(pKa:4.69)、アクリル酸(pKa:4.26)、メタクリル酸(pKa:4.66)などの不飽和カルボン酸;アニス酸(pKa:4.09)、m−アミノ安息香酸(pKa1 :3.12、pKa2 :4.74)、m−,p−クロロ安息香酸(pKa1 :3.82、pKa2 :3.99)、ヒドロキシ安息香酸(pKa1 :4.08、pKa2 :9.96)等の置換安息香酸類;クエン酸(pKa1 :2.87、pKa2 :4,35、pKa3 5.69)などのポリカルボン酸及びその誘導体を挙げることができる。
【0022】
アニオン性官能基を含有するアクリルアミドモノマーは、特にアクリルアミドアルカンスルホン酸が好ましい。スルホン酸としては、例えば、スチレンスルホン酸(pKa=−2.8)、m−アニリンスルホン酸(pKa=3.74)、p−アニリンスルホン酸(pKa=3.23)、2−(メタ)アクリルアミド−2−アルキル(炭素数1〜4)プロパンスルホン酸、より具体的には2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(pKa=−1.7)等の重合性の不飽和基を有するスルホン酸が挙げられる。
【0023】
ポリアクリルアミドゲル中のアニオン性官能基の濃度(重量%)は、0〜30%が好ましい。
【0024】
(2)核酸濃縮回収方法
図1(B)〜(D)を参照して、核酸濃縮回収用カートリッジ1を用いた核酸濃縮回収方法の手順を説明する。
【0025】
まず、チャネル11の高分子ゲル14と負極13との間の領域113に核酸を含むサンプルを導入する(図1(B)参照)。このとき、チャネル11内には電気泳動用の緩衝液を満たしておく。
【0026】
次に、正極12と負極13との間に電圧を加えて緩衝液に電圧を印加し、核酸の電気泳動を行う。負に帯電した核酸はチャネル11内を正極12方向へ電気泳動される。この際、高分子ゲル14が核酸の移動を阻み、核酸を堰き止めることによって、高分子ゲル14の界面とその近傍に核酸が濃縮される(図1(C)参照)。電気泳動時間は、チャネル11のサイズに応じて適宜設定されるが、例えば10秒〜10分程度でよい。なお、高分子ゲルの「界面」とは、高分子ゲル14と領域113側に充填された緩衝液との接触面を指す。
【0027】
最後に、領域113の高分子ゲル14近傍の緩衝液をマイクロピペット2等によって吸引することによって、濃縮された核酸を回収する(図1(D)参照)。
【0028】
このとき、高分子ゲル14にアニオン性官能基を含有させておくことにより、負に帯電した核酸とアニオン性官能基との電気的反発力によって、核酸が高分子ゲル14の内部にまで移動することを防止できる。核酸が高分子ゲル14の内部にまで移動したり、さらに高分子ゲル14内を通過して正極12側の領域112にまで移動したりすると、回収される核酸量が減少してしまう。アニオン性官能基は酸解離定数(pKa)が1〜5であるものが好ましい。pKaが低く負電荷が大きい官能基である程、電気的反発力によって核酸の高分子ゲル14内への移動を阻止する効果が高い。
【0029】
さらに、領域113の高分子ゲル14近傍の緩衝液を吸引する際に、正極12と負極13に逆電圧を短時間印加することも、核酸の回収量を高めるために有効である。核酸の回収時に短時間逆電圧を印加することで、ゲル界面に存在する核酸や界面近くのゲル内部に存在する核酸を、領域113の高分子ゲル14近傍に移動させ、マイクロピペット2によって吸引、回収できる。逆電圧を印加する時間は、チャネル11のサイズに応じて適宜設定されるが、例えば1〜10秒程度でよい。
【0030】
2.核酸濃縮回収用カートリッジの製造方法と核酸濃縮回収用カートリッジの変形例
(1)核酸濃縮回収用カートリッジの製造方法
本技術に係る核酸濃縮回収用カートリッジ1は、基板上に形成されたチャネル11内に導入されたモノマー溶液を光重合によって所定の形状にゲル化させて高分子ゲル14を形成することによって製造することができる。
【0031】
基板上へのチャネル11の成形は、例えば、ガラス製基板層のウェットエッチングやドライエッチングによって、あるいはプラスチック製基板層のナノインプリントや射出成型、切削加工によって行うことができる。なお、チャネル11はカートリッジ1上に一あるいは2以上形成することができる。
【0032】
モノマー溶液には、アクリルアミドモノマーが好適に採用され、より好ましくはアニオン性官能基を含有するアクリルアミドモノマー、さらに好ましくは酸解離定数(pKa)が1〜5であるアニオン性官能基を含有するアクリルアミドモノマーが用いられる。モノマー溶液は、具体的には、特にアクリルアミドアルカンスルホン酸が好ましい。
【0033】
正極12及び負極13については、好ましくは金(Au)または白金(Pt)をスパッタまたは蒸着することにより作製される。この点、関連技術に係るカートリッジでは、電極に白金線を用いるものがある。この場合、実験を行う度に白金線を核酸濃縮回収用カートリッジ内に配置する必要が生じ、更に白金線が高価である点等も鑑みると、カートリッジを使い捨てにすることができないでいた。一方、上述したように、本実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジ1では、金または白金をスパッタまたは蒸着することにより正極12及び負極13を作製し、予めカートリッジ1に電極を作製しておくので、カートリッジ1を簡便に取り扱うことができる。また、このような核酸濃縮回収用カートリッジ1については、関連技術に係る核酸濃縮回収用カートリッジに比し、使い捨てにすることも可能である。従って、核酸濃縮回収用カートリッジ1では、サンプルの濃縮の際にサンプルのコンタミを防止することができる。
【0034】
(2)核酸濃縮回収用カートリッジの変形例
図2〜図4は、本技術に係る核酸濃縮回収用カートリッジの変形例の構成を説明するための模式図である。
【0035】
本技術に係る核酸濃縮回収用カートリッジにおいて、高分子ゲル14は、核酸の泳動方向に凹となる形状にチャネル11に配することが好ましい。具体的には、高分子ゲル14を、上面視において負極13から正極12に向かって三角形(図2(A))あるいは半円形(図2(B))に陥凹する形状として配置する。
【0036】
正極12と負極13との間に電圧を印加し、負に帯電した核酸を正極12方向へ電気泳動すると、移動する核酸が高分子ゲル14によって堰き止められ、高分子ゲル14近傍に濃縮される(図1(C)参照)。このとき、高分子ゲル14を負極13から正極12に向かって陥凹する形状とすることで、凹部に濃縮される核酸を集めることができ、核酸の濃縮率を高めて効率良く回収することが可能となる。
【0037】
高分子ゲル14を核酸の泳動方向に凹となる形状とするためには、チャネル11内に導入されたモノマー溶液を光重合によってゲル化させる際に、フォトマスクを用いた露光やレーザ光の走査などによって当該形状に併せた光照射を行う。
【0038】
また、本技術に係る核酸濃縮回収用カートリッジにおいて、核酸を含むサンプルが導入される領域113(チャネル11の高分子ゲル14と負極13との間の領域)のチャネル容積は、正極端と高分子ゲルとの間の領域112のチャネル容積に比して大きく形成してもよい(図3参照)。この場合、領域113の負極側を円弧状に形成し、負極13についても円弧状に形成して配することが好適となる(図4参照)。図4に示す形状で核酸濃縮用回収用カートリッジが形成される際、円弧形状の中心角は、0〜30度とすることが好適である。また、上記中心角を30〜60度とすることも好適である。更に、上記中心角を60〜90度とすることも好適である。更に、また、上記中心角を90〜120度とすることも好適である。
【0039】
領域113をより大きく形成することで、導入可能なサンプル溶液が増加するため、得られる濃縮核酸の量を増やすことができる。このとき、領域113の負極側及び負極13を円弧状とすることで、より均一な電界を形成でき、核酸の濃縮効率を高めることができる。
【0040】
(3)核酸濃縮回収用カートリッジの他の変形例
図5〜図7は、本技術に係る核酸濃縮回収用カートリッジの他の変形例の構成を説明するための模式図である。なお、以下、図5〜図7を参照しながら説明する本変形例では、図3に示す核酸濃縮用回収用カートリッジ1に基づいて、チャネル11にゲル保持部15が設けられる例を挙げるが、本技術はかかる例に限定されるものではない。例えば、図1、図2(A)、図2(B)、図3を参照しながら説明した各核酸濃縮用回収用カートリッジ1にゲル保持部15が設けられていてもよい。
【0041】
本技術に係る核酸濃縮回収用カートリッジにおいて、チャネル11の少なくとも一部は、高分子ゲル14を保持するゲル保持部15により構成されていることが好ましい(図5参照)。ゲル保持部15は、例えば、高分子ゲル14に対する接触部位に親水化処理が施されている。この場合、上記接触部位は、シリカによって製膜されていることが好ましい。
【0042】
このように、ゲル保持部15の高分子ゲル14に対する接触部位が親水化処理されていることで、当該接触部位と高分子ゲル14との親和性が向上し、電気泳動による核酸濃縮の際に高分子ゲル14がずれ動くことを防止することができる。従って、本変形例に係る核酸濃縮用回収用カートリッジ1では、ゲル保持部15が設けられていることで、より安定に核酸を濃縮し回収することができる。
【0043】
また、本技術に係る核酸濃縮用回収用カートリッジ1では、ゲル保持部15が所定の形状を有し、高分子ゲル14はゲル保持部15に嵌合されていてもよい。例えば、図6に示すように、ゲル保持部15は、核酸の泳動方向と垂直な方向に、高分子ゲル14の収容領域を広げるように陥凹した形状を有することで、高分子ゲル14と嵌合することが可能である。また、例えば、図7に示すように、ゲル保持部15は、微細な刻み目が複数形成された形状を有することでも、高分子ゲル14と嵌合することが可能である。
【0044】
このように、核酸濃縮用回収用カートリッジ1では、高分子ゲル14がゲル保持部15に嵌合可能であっても、電気泳動による核酸の濃縮の際に高分子ゲル14がずれ動くことを防止することができる。従って、核酸濃縮用回収用カートリッジ1では、ゲル保持部15が設けられていることで、より安定に核酸を濃縮し回収することができる。
【0045】
3.本技術の第2実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジと核酸濃縮回収方法
(1)核酸濃縮回収用カートリッジ
図8は、本技術の第2実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの構成と、該カートリッジを用いた核酸濃縮回収方法の手順を説明する模式図である。
【0046】
図8(A)中、符号1で示す核酸濃縮回収用カートリッジは、カートリッジ内に形成されたチャネル11と、チャネル11の両端にそれぞれ配された正極12と負極13とを有する。チャネル11内には液体が導入可能とされており、チャネル11の正極12と負極13との間には高分子ゲル14が配されている。また、正極12と負極13には電源Vが接続され、チャネル11に導入された液体に電圧を印加/解除できるよう構成されている。
【0047】
チャネル11における、液体が導入される領域113は、円錐形状のチャンバを例に挙げて説明するが、かかる形状に限定されるものではない。例えば、角錐形状、角柱形状、円柱形状等、多様な形状を採用することが可能である。
【0048】
また、核酸濃縮回収用カートリッジの外部の形状は、円柱形状を例に挙げて説明するが、かかる形状に限定されるものではない。例えば、角錐形状、角柱形状等、多様な形状を採用することが可能である。
【0049】
また、高分子ゲル14は、上述した第1実施形態に係る核酸濃縮用回収用カートリッジと同様の材質及び組成を選択することが可能である。
【0050】
なお、ここでは図示して説明はしないが、図5〜図7を参照しながら説明した第1実施形態に係る核酸濃縮用回収用カートリッジに設けられたゲル保持部15が、本実施形態に係る核酸濃縮用回収用チャンバに設けられることで、高分子ゲル14がずれ動くことを防止してもよい。
【0051】
(2)核酸濃縮回収方法
図8(B)〜(D)を参照して、本実施形態に係る核酸濃縮用回収用カートリッジを用いた核酸濃縮回収方法の手順を説明する。
【0052】
まず、チャネル11の高分子ゲル14と負極13との間の領域113に核酸を含むサンプルを導入する(図8(B)参照)。このとき、チャネル11内には電気泳動用の緩衝液を満たしておく。
【0053】
次に、正極12と負極13との間に電圧を加えて緩衝液に電圧を印加し、核酸の電気泳動を行う。負に帯電した核酸はチャネル11内を正極12方向へ電気泳動される。この際、高分子ゲル14が核酸の移動を阻み、核酸を堰き止めることによって、高分子ゲル14の界面とその近傍に核酸が濃縮される(図8(C)参照)。電気泳動時間は、チャネル11のサイズに応じて適宜設定されるが、例えば10秒〜10分程度でよい。
【0054】
最後に、領域113の高分子ゲル14近傍の緩衝液をマイクロピペット2等によって吸引することによって、濃縮された核酸を回収する(図8(D)参照)。
【0055】
このとき、本実施形態に係る核酸濃縮用回収用カートリッジにおいては、核酸を含むサンプルが導入される領域113(チャネル11の高分子ゲル14と負極13との間の領域)のチャネル容積が、正極端と高分子ゲルとの間の領域112のチャネル容積に比して非常に大きく形成されている。そのため、非常に効率的に多量の核酸を濃縮し回収することができる。特に、図8に示すように、核酸が泳動する方向に向かうに従い、領域113が閉口する形状である場合には、短時間で、より効率的に多量の核酸を濃縮し回収することができる。
【0056】
また、第1実施形態に係る核酸濃縮用回収用カートリッジと同様に、高分子ゲル14にアニオン性官能基を含有させておくことにより、負に帯電した核酸とアニオン性官能基との電気的反発力によって、核酸が高分子ゲル14の内部にまで移動することを防止できる。核酸が高分子ゲル14の内部にまで移動したり、さらに高分子ゲル14内を通過して正極12側の領域112にまで移動したりすると、回収される核酸量が減少してしまう。アニオン性官能基は酸解離定数(pKa)が1〜5であるものが好ましい。pKaが低く負電荷が大きい官能基である程、電気的反発力によって核酸の高分子ゲル14内への移動を阻止する効果が高い。
【0057】
さらに、領域113の高分子ゲル14近傍の緩衝液を吸引する際に、正極12と負極13に逆電圧を短時間印加することも、核酸の回収量を高めるために有効である。核酸の回収時に短時間逆電圧を印加することで、ゲル界面に存在する核酸や界面近くのゲル内部に存在する核酸を、領域113の高分子ゲル14近傍に移動させ、マイクロピペット2によって吸引、回収できる。逆電圧を印加する時間は、チャネル11のサイズに応じて適宜設定されるが、例えば1〜10秒程度でよい。
【0058】
4.本技術の第2実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジの製造方法
本技術に係る核酸濃縮用回収用カートリッジは、チャネル11内に導入されたモノマー溶液を光重合によって所定の形状にゲル化させて高分子ゲル14を形成することによって製造することができる。
【0059】
モノマー溶液には、アクリルアミドモノマーが好適に採用され、より好ましくはアニオン性官能基を含有するアクリルアミドモノマー、さらに好ましくは酸解離定数(pKa)が1〜5であるアニオン性官能基を含有するアクリルアミドモノマーが用いられる。モノマー溶液は、具体的には、特にアクリルアミドアルカンスルホン酸が好ましい。
【0060】
正極12及び負極13については、好適には金(Au)または白金(Pt)を含んでなるものが採用される。この場合、正極12及び負極13は、金または白金をスパッタまたは蒸着することにより作製される。核酸濃縮回収用カートリッジ1では、金または白金をスパッタまたは蒸着することにより正極12及び負極13を作製し、予めカートリッジ1に電極を作製しておくので、カートリッジ1を簡便に取り扱うことができる。更に核酸濃縮回収用カートリッジ1では、ディスポーザブルにすることもできる。従って、核酸濃縮回収用カートリッジ1では、サンプルのコンタミを防止することができる。
【0061】
以上、本技術に係る核酸濃縮回収用カートリッジについて説明してきた。各実施形態に係る核酸濃縮回収用カートリッジでは、高分子ゲル14を用いるものを例に説明したが、高分子ゲル14の代わりに市販されている透析膜、逆浸透膜、半透膜、イオン交換膜などの多孔質膜、又はセルロース、ポリアクリルニトリル、セラミック、ゼオライト、ポリスルホン、ポリイミド、パラジウムなどの多孔質膜等を用いてもよい。
【実施例】
【0062】
<実施例1>
1.核酸濃縮回収用カートリッジの製造
PMMA製基板に、幅5mm、長さ60mm、深さ2mmのチャネルを形成した。チャネルの両端には、白金線(径0.5mm、長さ10mm、株式会社ニラコ)により形成した正極及び負極を配した。このチャネルに、「表1」及び「表2」に従って調製したアクリルアミド溶液(溶液2)を充填した。共焦点レーザ走査顕微鏡(オリンパス、FV1000)を用いてアクリルアミドの光重合を行い、チャネル内に幅5mm、長さ3mmの高分子ゲルを形成した。その後、重合していないアクリルアミド溶液を電気泳動用緩衝液(1×TBE)に置換した。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
<実施例2>
2.核酸の濃縮回収
実施例1で作製した核酸濃縮回収用カートリッジを用いて核酸の濃縮を行った。チャネルの高分子ゲルと負極側との間に、サンプル(Cy3修飾オリゴヌクレオチド、20mer、1μg/mL)を500μl導入した。電極に電圧を印加し、75V,1mAにて電気泳動を行い、移動するサンプルを共焦点レーザ走査顕微鏡により観察した。
【0066】
図9に、高分子ゲル付近のチャネルの蛍光観察像を示す。(A)は電気泳動開始前、(B)は電気泳動開始3分後の観察像である。図5(B)では、電気泳動により負極側から正極側へ移動するサンプルが高分子ゲルによって堰き止められ、ゲル界面及びその近傍に濃縮されていることがCy3の蛍光によって確認できる(図中矢印参照)。
【0067】
図10には、電気泳動開始後のゲル界面の蛍光強度の経時変化を示すグラフである。電気泳動の開始後、ゲル界面の蛍光強度が増加し、電気泳動により負極側から正極側へ移動するサンプルが高分子ゲルによって堰き止められ、ゲル界面及びその近傍に濃縮されていることが分かる。蛍光強度に基づきサンプルの濃縮倍率を算出した結果、電気泳動開始3分後において44倍の濃縮倍率が達成された。
【0068】
電気泳動終了後、電極に逆電圧(75V, 1mA)を10秒間印加し、濃縮されたサンプルをゲル界面から遊離させた。内部を陰圧にしたマイクロピペット用チップをゲル界面に接触させるようにして、10μlの濃縮サンプルを回収した。
【0069】
<実施例3>
3.高分子ゲルの酸解離定数(pKa)の検討
本実施例では、高分子ゲルに含有させるアニオン性官能基のpKaと、核酸の濃縮効率との関係を検討した。実施例1で用いたアクリルアミド溶液(溶液2)中のアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(pKa 1.0)を、アクリルアミドメチルプロパンカルボン酸(pKa 3.6)あるいはアクリルアミドメチルカルボン酸(pKa 4.6)として高分子ゲルを形成し、核酸濃縮回収用チップを作製した。各核酸濃縮回収用チップを用いて、実施例2に記載の方法により核酸の濃縮を行った。
【0070】
図11に、各核酸濃縮回収用カートリッジの高分子ゲル付近のチャネルの蛍光観察像を示す。アクリルアミドメチルプロパンカルボン酸(pKa 3.6)あるいはアクリルアミドメチルカルボン酸(pKa 4.6)を含有する高分子ゲルを形成した核酸濃縮回収用カートリッジでは、蛍光が広域に検出されており、サンプルの一部が高分子ゲル界面からゲル内にまで移動している。これに対して、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(pKa 1.0)を含有する高分子ゲルを形成した核酸濃縮回収用カートリッジでは、蛍光がより狭い領域に帯状に検出され、サンプルがゲル界面及びその近傍に高効率に濃縮されていることが分かる。
【0071】
<実施例4>
4.チャネル容量の検討
本実施例では、図4に示す形状の核酸濃縮回収用カートリッジを用いて核酸濃縮を行う条件で調製したものとした。高分子ゲルを境に負極側の円弧形状のチャネルは、半径:40mm、中心角:90度の扇形とし、深さ:2mmとした。すなわち、上記チャネルの容量を2512(=[40×40×3.14×2]/4)μlとした。また、正極及び負極には、金(Au)でスパッタしたものを用いた。ここで、核酸が高分子ゲル14に堰止められる領域を幅2mm、長さ0.1mm、深さ2mmとすると、理論上、核酸は6300倍に濃縮される。
【0072】
そして、実際にサンプルの電気泳動を行った結果を図12及び表3に示す。図12に、高分子ゲル付近のチャネルの蛍光観察像を示す。(A)は電気泳動開始前、(B)は電気泳動開始30秒後の観察像である。また、表3に電気泳動開始前及び電気泳動開始30秒後の蛍光強度の測定結果を示す。
【0073】
【表3】

【0074】
このように、図4に示す形状の核酸濃縮回収用カートリッジを用いることで、電気泳動開始30秒後において1230倍の濃縮倍率が達成された。図10に示した結果と比しても、図4に示す形状の核酸濃縮回収用カートリッジでは、電気泳動開始30秒後における濃縮倍率を大幅に向上させられることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本技術に係る核酸濃縮回収方法は、操作が簡便であり、短時間で高効率に核酸を濃縮し回収できる。従って、PCR(Polymerase Chain Reaction)法やLAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法等の核酸増幅反応のための核酸濃縮処理に適用され、核酸が微量あるいは極低濃度でしか含まれないサンプル中の核酸を検出するために用いられ得る。
【符号の説明】
【0076】
1:核酸濃縮回収用カートリッジ、11:チャネル、12:正極、13:負極、14:高分子ゲル、15:ゲル保持部、2:マイクロピペット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を導入可能なチャネルが形成され、チャネルの所定箇所に高分子ゲルが配され、チャネルの両端に電極が配された核酸濃縮回収用カートリッジ。
【請求項2】
前記高分子ゲルが、アニオン性官能基を含有する請求項1記載の核酸濃縮回収用カートリッジ。
【請求項3】
前記高分子ゲルが、負極から正極に向かって凹となる形状とされた請求項2記載の核酸濃縮回収用カートリッジ。
【請求項4】
前記チャネルの少なくとも一部は、前記高分子ゲルを保持するゲル保持部により構成された請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸濃縮回収用カートリッジ。
【請求項5】
前記ゲル保持部の前記高分子ゲルに対する接触部位は、親水化処理が施されている請求項4記載の核酸濃縮回収用カートリッジ。
【請求項6】
前記ゲル保持部の前記高分子ゲルに対する接触部位は、シリカによって製膜されている請求項5記載の核酸濃縮回収用カートリッジ。
【請求項7】
前記高分子ゲルは、所定形状を有する前記ゲル保持部に嵌合されることで保持される、請求項4記載の核酸濃縮回収用カートリッジ。
【請求項8】
前記高分子ゲルと負極端との間のチャネル容積が、正極端と高分子ゲルとの間のチャネル容積に比して大きく形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸濃縮回収用カートリッジ。
【請求項9】
前記電極は、スパッタまたは蒸着により形成された請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸濃縮回収用カートリッジ。
【請求項10】
前記電極は、金または白金を含んでなる請求項9記載の核酸濃縮回収用カートリッジ。
【請求項11】
緩衝液が充填され、所定箇所に高分子ゲルが配されたチャネルの両端に電圧を印加し、高分子ゲルと負極端との間に導入された核酸を電気泳動させ、正極端へ移動する核酸を高分子ゲルによって堰き止める手順を含む核酸濃縮回収方法。
【請求項12】
前記手順において、前記高分子ゲルに、アニオン性官能基を含有させる請求項11記載の核酸濃縮回収方法。
【請求項13】
前記手順において、前記高分子ゲルを、核酸の泳動方向に凹となる形状に前記チャネルに配する請求項12記載の核酸濃縮回収方法。
【請求項14】
前記電気泳動の後、前記チャネルの両端に逆電圧を印加する手順を含む請求項11〜13のいずれか一項に記載の核酸濃縮回収方法。
【請求項15】
基板上に形成されたチャネル内に導入されたモノマー溶液を光重合によって所定の形状にゲル化させて前記高分子ゲルを形成する工程を含む、請求項1記載の核酸濃縮回収用カートリッジの製造方法。
【請求項16】
前記工程において、アニオン性官能基を有するモノマー溶液を用いる請求項15記載の核酸濃縮回収用カートリッジの製造方法。
【請求項17】
前記工程において、前記高分子ゲルを、負極から正極に向かって凹となる形状にゲル化させる請求項16記載の核酸濃縮回収用カートリッジの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−29676(P2012−29676A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17757(P2011−17757)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】