説明

格納シート装置

【課題】 車両走行時の異音発生を全体として抑制し、利用者の不快感を解消することができる格納シート装置を提供する。
【解決手段】 格納シート装置は、第1アーム14が他側方向に回動されることでリアレッグ12とリンク16を介したフロントレッグ13とを展開しつつ、リアレッグ12に設けたリアロック機構31と車両フロア10に設けたリアストライカ34とを係合し、続いて、フロントレッグ13に設けたフロントロック機構36と車両フロア10に設けたフロントストライカ39とを係合して、シート本体11をリアレッグ12及びフロントレッグ13を介して車両フロア10に支持する。リアロック機構31は、ラチェット32及びポール33を備えたインターロック構造を有し、フロントロック機構36は、フック37を備えたフックロック構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格納シート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、格納シート装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この格納シート装置は、シート本体の不使用時にこれを車両フロアに設けた収納凹部に格納できるようにしたもので、格納時及び使用時の状態を切り替える作動の回動中心はフロア側に設定されている。すなわち、シート本体のフロント側及びリア側には、使用状態でこれを支持する脚部(フロントレッグ及びリアレッグ)が配設されている。そして、リアレッグはこの回動中心で回動可能に連結されたリンク部材に固定されており、フロントレッグはリンクに準じた弾発部材を介してリアレッグの作動と連動するようになっている。そして、シート本体は、リンク部材が一側に回動することでこれに連動してリアレッグ及びフロントレッグが折り畳まれて収納凹部に格納され、あるいは、リンク部材が他側に回動することでこれに連動してリアレッグ及びフロントレッグが展開されて車両フロアに支持される。
【0003】
なお、フロントレッグ及びリアレッグには、それぞれ車両フロアに配設された各ストライカと係合するロック機構が設けられている。シート本体は、使用状態においてこれらフロントレッグ及びリアレッグのロック機構が車両フロア側のストライカと係合することで固定されている。
【特許文献1】特開2001−347865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、これらフロントレッグ及びリアレッグに設けられるロック機構は、図3で示したラチェット(ロックディスク)91とポール(ロックレバー)92とを備えたインターロック構造が採用されることが一般的である。これは、リンク部材の回動に連動して展開するリアレッグ及びフロントレッグの揺動分等を考慮してそれらのガイド溝93に対しストライカ94に許容し得る進入量を多め(深め)に設定し、ロックの確実性を期すためである。しかしながら、このインターロック構造を採用することで、ストライカ94とその上方で対向するガイド溝93との間隙Cの増大を余儀なくされる。そして、この間隙Cは、車両走行時の異音発生による利用者の不快感の原因となる。
【0005】
本発明の目的は、一側及び他側に第1脚部及び第2脚部がそれぞれ回動可能に連結されたシート本体と、一端が車両フロアに回動可能に連結され他端が前記第1脚部に固定された第1アームと、一端が該車両フロアに回動可能に連結され他端が前記シート本体に回動可能に連結された第2アームと、一端が前記第1脚部に回動可能に連結され他端が前記第2脚部に回動可能に連結されたリンクとを備え、前記第1アームが一側方向に回動されることで前記第1脚部及び前記リンクを介した前記第2脚部を折り畳みつつ前記シート本体を前記車両フロアに設けられた収納部に格納し、一方、前記第1アームが他側方向に回動されることで前記第1脚部及び前記リンクを介した前記第2脚部を展開しつつ、前記第1脚部に設けた第1ロック機構と前記車両フロアに設けた第1ストライカとを係合し、続いて、前記第2脚部に設けた第2ロック機構と前記車両フロアに設けた第2ストライカとを係合して、前記シート本体を該第1脚部及び該第2脚部を介して前記車両フロアに支持する格納シート装置において、車両走行時の異音発生を全体として抑制し、利用者の不快感を解消することができる格納シート装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、一側及び他側に第1脚部及び第2脚部がそれぞれ回動可能に連結されたシート本体と、一端が車両フロアに回動可能に連結され他端が前記第1脚部に固定された第1アームと、一端が該車両フロアに回動可能に連結され他端が前記シート本体に回動可能に連結された第2アームと、一端が前記第1脚部に回動可能に連結され他端が前記第2脚部に回動可能に連結されたリンクとを備え、前記第1アームが一側方向に回動されることで前記第1脚部と前記リンクを介した前記第2脚部とを折り畳みつつ前記シート本体を前記車両フロアに設けられた収納部に格納し、一方、前記第1アームが他側方向に回動されることで前記第1脚部と前記リンクを介した前記第2脚部とを展開しつつ、前記第1脚部に設けた第1ロック機構と前記車両フロアに設けた第1ストライカとを係合し、続いて、前記第2脚部に設けた第2ロック機構と前記車両フロアに設けた第2ストライカとを係合して、前記シート本体を該第1脚部及び該第2脚部を介して前記車両フロアに支持する格納シート装置において、前記第1ロック機構は、ラチェット及びポールを備えたインターロック構造を有し、前記第2ロック機構は、フックを備えたフックロック構造を有することを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の格納シート装置において、前記第2脚部及び前記リンクの他端のいずれか一方には係止ピンが設けられ、前記第2脚部及び前記リンクの他端のいずれか他方には、前記係止ピンが挿入されて該第2脚部の揺動を許容しつつ該第2脚部及び該リンクの他端を回動可能に連結する長孔が設けられていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明では、前記シート本体は、第1脚部を介した第1アーム及び第2アームとともに車両フロア側を固定端とする4リンク機構(4節回転連鎖)を構成しており、第1アームの回動位置に対応してその姿勢は一に決められている。
【0009】
そして、前記シート本体を前記第1脚部及び第2脚部を介して前記車両フロアに支持する際、車両フロア側(第1ストライカ)と先に係合する第1ロック機構は、ラチェット及びポールを備えたインターロック構造を有することで、前記第1アームの他側方向への回動に連動して展開する第1脚部の揺動分を吸収して第1ストライカと係合する。そして、前記シート本体の一側は、前記第1脚部を介して車両フロアに位置決め・支持される。
【0010】
続いて、車両フロア側(第2ストライカ)と係合する第2ロック機構は、前記シート本体の一側が前記第1脚部を介して車両フロアに位置決めされ、前記リンクを介して展開する第2脚部の揺動が最小限に抑制された状態で第2ストライカと係合する。そして、前記シート本体の他側は、前記第2脚部を介して車両フロアに位置決め・支持される。このように、第2ロック機構は、第2脚部の揺動が最小限に抑制されていることで、フックを備えたフックロック構造を有していても(インターロック構造を採用しなくても)、ロックの確実性を損なうことはない。つまり、第2ロック機構に関しては、例えばインターロック構造を採用する場合にストライカとの間に生じる間隙の発生を回避することができる。そして、車両走行時の異音発生を全体として抑制し、利用者の不快感を解消することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、前記第2脚部及び前記リンクの他端の連結において、係止ピン及びこれが挿入される長孔との間で該第2脚部の揺動が許容される。従って、例えばシート本体の寸法や前記第2ストライカの配置にばらつきがあっても、この第2脚部の揺動の範囲で吸収し、前記第2ロック機構と第2ストライカとを円滑に係合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、自動車などの車両に搭載される格納シート装置を示す側面図である。図1において右側が車両のリア側に相当する。同図に示されるように、車両フロア10の後方には収納部としての収納凹部10aが形成されている。そして、座席を形成するシート本体11は、この収納凹部10aの前部において車両フロア10に支持され、あるいは収納凹部10aに格納し得るように設けられている。
【0013】
詳述すると、格納シート装置は、前記シート本体11と、第1脚部としてのリアレッグ12と、第2脚部としてのフロントレッグ13と、第1アーム14と、第2アーム15と、リンク16とを備えている。
【0014】
前記シート本体11は、シートクッション11a及びこれに対する傾斜角度を調整可能なシートバック11bを備えており、シートバック11bをシートクッション11a側に全倒させた姿勢で収納凹部10aに格納されるようになっている。
【0015】
前記リアレッグ12は、ヒンジ21を介して前記シート本体11(シートクッション11a)の一側(車両のリア側であって図1の右側)に回動可能に連結されている。一方、前記フロントレッグ13は、ヒンジ22を介して前記シート本体11(シートクッション11a)の他側(車両のフロント側であって図1の左側)に回動可能に連結されている。
【0016】
前記第1アーム14は、一端が上記収納凹部10a内に配置されたヒンジ23を介して車両フロア10に回動可能に連結されており、他端が前記リアレッグ12に固定されている。一方、前記第2アーム15は、一端が上記収納凹部10a内に配置されたヒンジ24を介して車両フロア10に回動可能に連結されており、他端が前記シート本体11(シートクッション11a)に回動可能に連結されている。従って、前記シート本体11は、リアレッグ12を介した第1アーム14及び第2アーム15とともに車両フロア10(収納凹部10a)側を固定端とする4リンク機構(4節回転連鎖)を構成しており、第1アーム14の回動位置に対応してその姿勢は一に決められている。そして、例えば第1アーム14が図示時計方向に回動すると、前記リアレッグ12はシート本体11に対して折り畳まれるように回動する。反対に、第1アーム14が図示反時計方向に回動すると、前記リアレッグ12はシート本体11に対して下方に展開されるように回動する。
【0017】
なお、ヒンジ23は、ヒンジ24よりも後方に配置されている。また、シート本体11に連結された第2アーム15の他端の回動中心は、上記ヒンジ21,22間に配置されている。これら第1及び第2アーム14,15は、シート本体11の使用状態と格納状態とを切り替える間で周辺構造(収納凹部10aの内壁面等)と干渉することがないように曲成されている。
【0018】
前記リンク16は、一端が前記ヒンジ21の上方において前記リアレッグ12に回動可能に連結され、他端が前記ヒンジ22の下方においてフロントレッグ13に回動可能に連結されている。そして、例えば前記リアレッグ12が上述の態様でシート本体11に対して折り畳まれるように回動すると、前記フロントレッグ13はリンク16を介してシート本体11に対して折り畳まれるように図示反時計方向に回動する。反対に、前記リアレッグ12が上述の態様でシート本体11に対して下方に展開されるように回動すると、前記フロントレッグ13はリンク16を介してシート本体11に対して下方に展開されるように図示時計方向に回動する。
【0019】
なお、前記リンク16の他端と前記フロントレッグ13とは、同リンク16の他端に形成された長孔16aにフロントレッグ13に突設された係止ピン13aが挿入されることで連結されている(図3(c)参照)。この長孔16aの長手方向は、前記フロントレッグ13がシート本体11に対して下方に展開されている状態で、ヒンジ22の周方向と一致している。後述するように、この長孔16aは、前記フロントレッグ13を車両フロア10と係合させる際の同フロントレッグ13の揺動を許容するためのものである。
【0020】
ここで、前記リアレッグ12の先端部には、第1ロック機構としてのリアロック機構31が設けられている。図2に示されるように、このリアロック機構31はインターロック構造を有しており、リアレッグ12に回動可能に連結されたラチェット32及びポール33を備えている。そして、ラチェット32には、周方向一側(図2において時計回転方向の側)が開口する係止溝32aが形成されている。一方、前記車両フロア10には、展開されたリアレッグ12のリアロック機構31に対向して第1ストライカとしてのリアストライカ34が設けられている。
【0021】
リアロック機構31は、リアレッグ12の下方への展開に連動してそのガイド溝12aにリアストライカ34が進入され同リアストライカ34に係止溝32aが押圧されることでラチェット32を図示時計方向に回動する。そして、リアロック機構31は、ラチェット32の回動に伴いその係止溝32aで上記リアストライカ34を挟持し、ポール33により回り止めすることでリアレッグ12を車両フロア10に固定する。つまり、リアレッグ12は、ラチェット32の係止溝32aとリアストライカ34との当接部を介して車両フロア10に支持されている。このときのリアロック機構31とリアストライカ34との係合状態は、図示しない付勢部材の付勢力にて保持されている。
【0022】
なお、リアロック機構31では、図2(a)(b)(c)に示したリアストライカ34への進入量が浅いロック、同進入量が中間のロック、同進入量が深いロックのそれぞれでロックの確実性を期すために同リアストライカ34に許容し得る進入量を多め(深め)に設定している。これにより、第1アーム14の回動に連動して展開するリアレッグ12の揺動分等を吸収してロックの信頼性を向上させている。
【0023】
前記フロントレッグ13の先端部には、第2ロック機構としてのフロントロック機構36が設けられている。図3に示されるように、このフロントロック機構36はフックロック構造を有しており、フロントレッグ13にピン38にて回動可能に連結されたフック37を備えている。上記フック37はその回動中心(ピン38)から下方に延出しており、その先端面は周方向に対して右上がりで傾斜するガイド面37aを形成している。このガイド面37aは、上記フロントレッグ13の先端部に凹設されたガイド溝13bに配置されている。また、上記フック37は、このガイド面37aに連続して周方向一側(図3の右側)に開口する係止溝37bを有している。このときのフック37の姿勢は、図示しない付勢部材の付勢力にて保持されている。一方、前記車両フロア10には、展開されたフロントレッグ13のフロントロック機構36に対向して第2ストライカとしてのフロントストライカ39が設けられている。
【0024】
フロントロック機構36は、フロントレッグ13の下方への展開に連動してそのガイド溝13bにフロントストライカ39が進入され(図3(a)の状態)、同フロントストライカ39にガイド面37aが押圧されると、付勢部材に抗してフック37を図示時計方向に回動する(図3(b)の状態)。そして、フロントストライカ39がガイド面37aに沿ってその先端に到達すると、フロントロック機構36は、付勢部材が弾性復帰することで同フロントストライカ39を係止溝37bで挟持する態様でこれに嵌入させて係止し(図3(c)の状態)、フロントレッグ13を車両フロア10に固定する。つまり、フロントレッグ13は、フック37の係止溝37bとフロントストライカ39との上下の当接部を介して車両フロア10に支持されている。このときのフロントロック機構36とフロントストライカ39との係合状態は、上述の付勢部材の付勢力にて保持されていることはいうまでもない。なお、フックロック構造を有するフロントロック機構36において、付勢部材によるフック37に対する付勢力とフロントストライカ39による係止溝37bの押圧面の圧力角の設定は、同フロントストライカ39との間隙を最小限に軽減しうるように設定されている。
【0025】
ここで、本実施形態の動作について総括して説明する。まず、シート本体11を使用時の状態から格納時(不使用時)の状態に切り替える場合について説明する。なお、この切り替えに先立って、前記リアロック機構31及びフロントロック機構36によるリアストライカ34及びフロントストライカ39との各係合状態が解除されているとする。これら係合状態の解除は、例えば図示しない操作レバーからの操作力やアクチュエータの駆動力をこれらリアロック機構31及びフロントロック機構36に伝達することで行われる。この状態で前記第1アーム14が一側方向(図1の時計回転方向)に回動されると、リアレッグ12と前記リンク16を介したフロントレッグ13とが折り畳まれつつ前記シート本体11が収納凹部10aへと格納される。
【0026】
次に、シート本体11を格納時の状態から使用時の状態に切り替える場合について説明する。前記第1アーム14が他側方向(図1の反時計回転方向)に回動されると、リアレッグ12と前記リンク16を介したフロントレッグ13とが展開されつつ、前述の態様でリアロック機構31とリアストライカ34とが係合され、続いて、フロントロック機構36とフロントストライカ39とが係合される。そして、前記シート本体11は、リアレッグ12及びフロントレッグ13を介して前記車両フロア10に支持される。
【0027】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、前記シート本体11を前記リアレッグ12及びフロントレッグ13を介して前記車両フロア10に支持する際、車両フロア側(リアストライカ34)と先に係合するリアロック機構31は、ラチェット32及びポール33を備えたインターロック構造を有することで、前記第1アーム14の他側方向(図1の反時計回転方向)への回動に連動して展開するリアレッグ12の揺動分を吸収してリアストライカ34と係合する。そして、前記シート本体11のリア側は、前記リアレッグ12を介して車両フロア10に位置決め・支持される。
【0028】
続いて、車両フロア側(フロントストライカ39)と係合するフロントロック機構36は、前記シート本体11のリア側が前記リアレッグ12を介して車両フロア10に位置決めされ、前記リンク16を介して展開するフロントレッグ13の揺動が最小限に抑制された状態でフロントストライカ39と係合する。そして、前記シート本体11のフロント側は、前記フロントレッグ13を介して車両フロア10に位置決め・支持される。
【0029】
このように、フロントロック機構36は、フロントレッグ13の揺動が最小限に抑制されていることで、フック37を備えたフックロック構造を有していても(インターロック構造を採用しなくても)、ロックの確実性を損なうことはない。つまり、フロントロック機構36に関しては、例えばインターロック構造を採用する場合にストライカとの間に生じる間隙C(図2参照)の発生を回避することができる。そして、車両走行時の異音発生を全体として抑制し、利用者の不快感を解消することができる。
【0030】
(2)本実施形態では、前記フロントレッグ13及び前記リンク16の他端の連結において、係止ピン13a及び長孔16aとの間でフロントレッグ13のヒンジ22回りの揺動が許容される。従って、例えばシート本体11(骨格)の寸法や前記フロントストライカ39の配置にばらつきがあっても、このフロントレッグ13の揺動の範囲で吸収し、前記フロントロック機構36とフロントストライカ39とを円滑に係合することができる。なお、このフロントレッグ13に許容される揺動は、車両走行時の異音発生に支配的となる上下方向とは異なるため、これによって上記異音が助長されることはない。
【0031】
(3)本実施形態では、簡易な構成で部品点数を増やすことなく、シート本体11(骨格)の寸法や前記フロントストライカ39の配置にばらつきを吸収して、同シート本体11を車両フロア10に支持することができる。
【0032】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、リアレッグ12及び第1アーム14を一体形成してもよい。
・前記実施形態において、フロントレッグ13に長孔を形成し、リンク16の他端に係止ピンを突設してもよい。
【0033】
・前記実施形態において、シート本体11の格納場所は、例えば車両フロア10上に搭載された収納箱であってもよい。そして、この場合には、第1及び第2アーム14,15の各回動中心(ヒンジ23,24)を車両フロア10上に配置してもよい。
【0034】
・前記実施形態において、シート本体11の格納場所は、例えば使用時のシート本体11に対して車両の前方や側方であってもよい。
・前記実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態を示す側面図。
【図2】(a)(b)(c)はリアロック機構のロック形態を示す模式図。
【図3】(a)(b)(c)はフロントロック機構のロック態様を示す模式図。
【符号の説明】
【0036】
10…車両フロア、10a…収納部としての収納凹部、11…シート本体、12…第1脚部としてのリアレッグ、13…第2脚部としてのフロントレッグ、13a…係止ピン、14…第1アーム、15…第2アーム、16…リンク、16a…長孔、31…第1ロック機構としてのリアロック機構、32…ラチェット、33…ポール、34…第1ストライカとしてのリアストライカ、36…第2ロック機構としてのフロントロック機構、37…フック、39…第2ストライカとしてのフロントストライカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側及び他側に第1脚部及び第2脚部がそれぞれ回動可能に連結されたシート本体と、一端が車両フロアに回動可能に連結され他端が前記第1脚部に固定された第1アームと、一端が該車両フロアに回動可能に連結され他端が前記シート本体に回動可能に連結された第2アームと、一端が前記第1脚部に回動可能に連結され他端が前記第2脚部に回動可能に連結されたリンクとを備え、前記第1アームが一側方向に回動されることで前記第1脚部と前記リンクを介した前記第2脚部とを折り畳みつつ前記シート本体を前記車両フロアに設けられた収納部に格納し、一方、前記第1アームが他側方向に回動されることで前記第1脚部と前記リンクを介した前記第2脚部とを展開しつつ、前記第1脚部に設けた第1ロック機構と前記車両フロアに設けた第1ストライカとを係合し、続いて、前記第2脚部に設けた第2ロック機構と前記車両フロアに設けた第2ストライカとを係合して、前記シート本体を該第1脚部及び該第2脚部を介して前記車両フロアに支持する格納シート装置において、
前記第1ロック機構は、ラチェット及びポールを備えたインターロック構造を有し、
前記第2ロック機構は、フックを備えたフックロック構造を有することを特徴とする格納シート装置。
【請求項2】
請求項1に記載の格納シート装置において、
前記第2脚部及び前記リンクの他端のいずれか一方には係止ピンが設けられ、
前記第2脚部及び前記リンクの他端のいずれか他方には、前記係止ピンが挿入されて該第2脚部の揺動を許容しつつ該第2脚部及び該リンクの他端を回動可能に連結する長孔が設けられていることを特徴とする格納シート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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