説明

植木鉢カバー用化粧蓋

【課題】 生活環境の進化と共に、植木鉢をきれいな植木鉢カバーに納めて家の中やベランダに飾る事が多くなってきた。しかし、近づくと植木鉢カバーの内側にさらに植木鉢がある事が見えてしまい興ざめする事がある。即ち、植木鉢本体を視覚的に遮断するとともに、更なる装飾効果を発揮する方法を提供する。
【解決手段】 植木鉢カバーの開口形状と相似形で、それより少し小さい化粧段ボールなどの中央に穴を設け、その外周に穴の大きさを自由に選べる同心円状のミシン目切れ込みを有し、中央の穴から外辺に向けて切り込みを入れ、この切り込みから開けた穴に植木の根本を通し、植木鉢本体を簡単に視覚的に遮断する。又、この化粧蓋の上は新たな装飾面を創造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観賞用として構成された植木鉢のカバーに関し、特に植木鉢カバーから植木鉢本体を視覚的に保護するための植木鉢カバー用紙製化粧蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、観賞用植物の栽培、育成が盛んであり、庭に花、草木を植えて鑑賞するためのガーデニングが流行している。このような傾向は、庭のある戸建て住宅ばがりでなく都会の集合住宅においても同様であり、ベランダ等は勿論、室内にも多くの植木鉢を並べ植物を栽培、育成することが広く行われるようになった。
【0003】
このような観賞用植物の栽培において、植木鉢の使用は不可欠であるが、花屋等で購入した植木に使われている植木鉢はビニールポットや安価なプラスチック製の鉢が多く使われており、周囲に泥が付着していたり視覚的には必ずしも美観を呈するものではなく、従ってベランダや室内に置かれる場合は、外面に様々な意匠を施した装飾用植木鉢カバー内に収容される事が多い。又、近年、この植木鉢カバーが意匠を施しやすい段ボールなどの板紙で作られるようにもなってきた。
【特許文献1】特開2002−369625
【特許文献2】特開2003−204724
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
植木鉢カバーは、植木鉢本体より当然大きなものでなくてはならないが、その高さにおいては、植木鉢カバーが、植物の枝、葉、花などと接触したり、それらを隠したりしないためには植木鉢本体より極端に高くする事は出来ない。その結果、どんなに高級な意匠を施したカバーを用いても、近づいて見れば鉢カバーの中に、植木鉢本体が収納されている様子を見ることができ、装飾を施され、立派に見えた植木鉢が実は単なるカバーにすぎなかったことが簡単に分かってしまい興ざめとなるという問題が植木鉢カバーにはあった。
【0005】
本発明が解決しようとしている課題は、従来の植木鉢カバーが有していた上記問題点を解決する植木鉢カバー用の紙製化粧蓋を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための第一の手段は、上部開口形状と底面形状が相似形で、上部開口面が最も広く底面に向けて狭くなっている植木鉢カバーに対して、平面外形が該植木鉢カバー上部開口形状及び底面形状と相似形で、底面形状より大きく、上部開口形状より少し小さく、中央部に円形もしくはそれに近い形状の抜き穴を有し、その外側に複数個の同心円状もしくはそれに近い形状でミシン目状切れ込みを有し、中央部の抜き穴と任意の外辺一カ所を結んで、切断もしくは容易に切断出来るようにした割り切れ込みがされている植木鉢カバー用紙製化粧蓋とした。
【0007】
課題を解決するための第二の手段は、第一の手段において、外辺の一部又は全部において、植木鉢カバーの内面に沿って折り曲げられる植木鉢カバー用紙製化粧蓋とした。
【発明の効果】
【0008】
上記第一の課題解決手段による作用は次の通りである。即ち、この植木鉢カバー用化粧蓋は、その中央部に比較的小さな植木の根本部を囲むに丁度よい程度の円形もしくはそれに近い抜き穴を有し、その外側に複数個の同心円状もしくはそれに近い状態で一周するミシン目状切れ込みが入っており、さらに中央の抜き穴から外周の一カ所に完全な割り切れ込みないしはミシン目状割り切れ込みが入っており、植木鉢本体の植物の根本付近の形状、太さ、位置に応じて円形もしくはそれに近いミシン目状切れ込みを手で容易に破き、化粧蓋に任意の大きさの穴を作る事が出来る。又、外辺と中央抜き穴を結ぶ割り切れ込みを手で開き、該化粧蓋の切り取った穴に植木鉢本体の植物の根本をぴったりとはめ込む事が出来、これにより植木鉢カバーの外から植木鉢本体を視覚的に遮断する事が可能となる。
【0009】
又、この化粧蓋の更なる効果として、化粧蓋の表面に装飾印刷をする事ができたり、化粧蓋の上を小石や葉っぱ、木材チップなどで覆うなど、更なる装飾を施し、目を楽しませる事が出来る。又、化粧蓋は植木鉢カバーとの間を隙間なく覆うため、小石や木材チップなどが全面に載せる事ができ、植木鉢本体を視覚的に遮断するのみならず、積極的に飾る事を可能にするものである。
【0010】
上記第二の課題解決手段による作用は次の通りである。即ち、この植木鉢カバー用化粧蓋の外辺が植木鉢カバーの内側に沿って折り曲がるようにする事で、植木鉢カバーの内側に納めた植木カバー用化粧蓋の安定性が一段と増すことになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
上部開口面形状が四角形である植木鉢カバーに於ける、本発明による化粧蓋を以下に示す。図1はその植木鉢カバーを示す。図2は、その植木鉢カバーの中に植木鉢が入っている様子を示す。植木は、ここでは単なる棒で示す。
【0012】
図3は、本発明による植木鉢カバー用化粧蓋の平面図を示す。段ボールは片面白紙のものを用い、全面に緑、茶などの化粧印刷を行う。全ベタ印刷を行う事で、表面の耐水性は向上するが段ボール自体を耐水処理された耐水段ボールを用いても良い。化粧印刷後、図3に示すように、平面1の中央部に抜き穴6を、その外側に同心円状にミシン目状切れ込み3を、抜き穴6から蓋コーナー7に向けた割り切れ込み2を、そして植木鉢カバー内面に沿って折り込まれる折りしろ5及び折り筋4を有する平面状の化粧蓋を専用抜き型により作成する。勿論、平面1の外形寸法は当該植木鉢カバーの上部開口形状より少しだけ小さくなっており、開口面より少し下がったところで止まる大きさとする。本実施例は、植木鉢カバー開口形状が四角形であるが、円形や他の変形もあり、本発明による植木鉢カバー用化粧蓋も円形その他の形状をとりうることは当然である。
【0013】
同心円状ミシン目切れ込みは、段ボールの材質により、手で一周分を切り取れるようなミシン目状切れ込みとするため、切れ込み間隔は適宜選ばれる。又、切り取れる円は2ないし4個が適当であるが、この限りでない事は明白である。勿論、一周分切り取れるようになっていれば、円である事は必須ではなく、円以外の形状も考えられる事は言うまでもない。ただし、複数個の同心円を重ねるやりかたが最もシンプルで良い。
【0014】
割り切れ込み2は完全に切断しても、又は手で簡単に割れるようにミシン目状切れ込みでも良い。又、本実施例ではコーナー7と抜き穴6を結んでいるが、外辺の任意の箇所と抜き穴6を結んでも良い。ただし、コーナーと中心を結ぶ割切れ込みが最も装着が安定する。又、抜き穴6も抜いてしまわないで、ミシン目切れ込みとして残しておく事も薦められないが可能である事は言うまでもない。
【0015】
植木鉢を植木鉢カバーに納め、化粧蓋の割り切れ込み2を手で開き、抜き穴6又は植木に合わせてミシン目切れ込み3を破って開いた穴に、植木の根本を入れ、折りしろ5を折り筋4で折って植木鉢カバー内面に沿わせて植木鉢カバーに落とし込む。完成状態を図4に示す。化粧蓋の上には一面に、小石、木材チップなどで覆うと更に見栄えが良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】 植木鉢カバーの斜視図
【図2】 植木鉢カバーに植木鉢が納められた状態の斜視図。植木そのものは棒1本にて示す。
【図3】 本発明による植木鉢カバー用化粧蓋の平面図
【図4】 植木鉢カバーに収まった植木鉢の植木に化粧カバーをセットした状態の斜視図。
【符号の説明】
【0017】
1 化粧蓋平面
2 割り切れ込み
3 ミシン目切れ込み
4 折り筋
5 折りしろ
6 抜き穴
7 コーナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口形状と底面形状が相似形で、上部開口面が最も広く底面に向けて狭くなっている植木鉢カバーに対して、平面外形が該植木鉢カバー上部開口形状及び底面形状と相似形で、底面形状より大きく、上部開口形状より少し小さく、中央部に円形もしくはそれに近い形状の抜き穴を有し、その外側に複数個の同心円状もしくはそれに近い形状でミシン目状切れ込みを有し、中央部の抜き穴と任意の外辺一カ所を結んで、切断もしくは容易に切断出来るようにした割り切れ込みがされている事を特徴とする植木鉢カバー用紙製化粧蓋。
【請求項2】
請求項1に於いて、外辺の一部又は全部において、植木鉢カバーの内面に沿って折り曲げられるようにした事を特徴とする、植木鉢カバー用紙製化粧蓋。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−174812(P2006−174812A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382716(P2004−382716)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(505030317)株式会社グリーン・コレクション (1)
【Fターム(参考)】