植栽用ユニットとそれを用いる緑化用植栽ユニット及びそのシステム
【課題】屋上、ベランダ、テラスなどの緑化を簡単に施工することができ、建物に負荷がかからないようにする。
【解決手段】 植栽用トレイと植栽用容器とからなり、植栽用トレイの中央部に植栽用容器を嵌合設置して植栽用ユニットを形成し、植栽用容器には木本類Tおよび/または花類を植裁し、植栽用容器の周囲には草本類Gを植栽した植裁用培地を敷設して緑化用植栽ユニット作製し、植栽用ユニットまたは緑化用植栽ユニットを複数個配列して、緑化用植栽ユニットシステムを構築することを提供するものである。
【解決手段】 植栽用トレイと植栽用容器とからなり、植栽用トレイの中央部に植栽用容器を嵌合設置して植栽用ユニットを形成し、植栽用容器には木本類Tおよび/または花類を植裁し、植栽用容器の周囲には草本類Gを植栽した植裁用培地を敷設して緑化用植栽ユニット作製し、植栽用ユニットまたは緑化用植栽ユニットを複数個配列して、緑化用植栽ユニットシステムを構築することを提供するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば屋上緑化に使用される植栽用ユニット、それを用いる緑化用植栽ユニット及びそのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、特に都市部において緑化等の推進、義務化への意向が高まっており、それに応じて建築物の屋上や壁面等に植裁トレイを設置して緑化を行う技術が数多く開発されている
。このような緑化は、屋上や壁面からの熱の吸収、放出を緩和することでヒートアイランド現象を抑制することができるだけでなく、地球温暖化の要因にも挙げられている二酸化炭素を削減することで環境にも配慮したシステムを構築することが可能である。
例えば植裁トレイ等を用いた屋上緑化の技術として特許文献1〜2のような特許出願がなされている。
【特許文献1】特開2006−204291号公報
【特許文献2】特開2003−61457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、特開2006−204291号の屋上緑化の技術は、植栽基盤材収納部の土壌部分に直接グランドカバーポット植物を植裁する屋上緑化施工パネルが提供されているが、その植物の植え替え等を行う場合、植物を直接抜かなければならないため手間がかかり、また植物に対してダメージを与えてしまう。
【0004】
また、特開2003−61457号の屋上緑化の技術は、基盤枠に透水材で形成された排水層、培養土を含む培土層、緑化植物が植裁された植裁層を収納して形成されているが、緑化用植裁トレイの側面に排水孔が設けられていることから、その排水孔の高さ以上の貯水を行うことは不可能で、貯水量を変えることができない。
【0005】
屋上緑化を行う場合、芝生等だけでなく木を植栽することが望まれているが、屋上に木を植栽するとなると工事が大掛かりとなり、土壌による荷重がかかるため建物の強度や防水に問題が生じるなど既設建物には不向きである。また、従来の植栽トレイを用いた屋上緑化においては植え替え作業に時間と労力がかかる。
さらに、屋上などの起伏又は傾斜が存在する場所では貯水を均一に行うことが難しく植物への給水が不十分になるなどの恐れがある。
そこで本発明では、軽量であり、施工が容易であり、植え替え作業が簡単で短時間で行うことができ、貯水が均一に行え、貯水量を植物に応じて変更できる植栽用ユニット、緑化用植栽ユニットおよびその緑化用植栽ユニットシステムを提供することにある。
さらに、通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントを自由に選択し、植栽用ユニットや植栽用トレイを連結して配列することによって任意のレイアウトができる緑化用植裁ユニットシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、水や養液を貯留するための貯液部を有する植栽用トレイと、木本類および/または花類を植栽するための植栽用容器とからなり、該植栽用トレイに嵌着して、設置される植栽用容器が着脱自在であることを特徴とする植栽用ユニットである。
請求項2に係る発明は、前記植栽用トレイの周壁に通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントから少なくとも一つ以上を選択して装着することを特徴とする請求項1に記載の植栽用ユニットである。
請求項3に係る発明は、前記植栽用トレイの周壁にジョイントを装着するための切り欠き部が少なくとも一つ以上設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の植栽用ユニットである。
請求項4に係る発明は、前記植裁用トレイの上方開口面に培地が載置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の植栽用ユニットである。
請求項5係る発明は、前記植栽用容器に木本類および/または花類が植栽され、前記植裁用トレイに草本類が植栽されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の緑化用植栽ユニットである。
請求項6係る発明は、前記植裁用トレイには培地を介して草本類が植裁されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の緑化用植裁ユニットである。
請求項7係る発明は、前記植栽用ユニットまたは前記緑化用植栽ユニットが縦横に複数個配列されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の緑化用植栽ユニットシステムである。
請求項8係る発明は、水や養液を貯留するための貯液部を有しその上面に草本類が植裁された緑化用植栽トレイと、木本類および/または花類が植裁された緑化用植裁用容器とからなる緑化用植裁ユニットを通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントからなる連結手段を用いて縦横に複数配列し、各植栽用トレイ間に水や養液を通水せしめ、給排水、通水、および貯水機能を付与させ、、貯液部の液量を自由に調整することを可能にした緑化用植栽ユニットシステムである。
請求項9係る発明は、水や養液を貯留するための貯液部を有する植栽用トレイを複数個配列し、該トレイの周壁に通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントから少なくとも一つを選択して装着し、隣接する植栽用トレイを連結して接続し、該トレイ間で水や養液を通水せしめ、給排水、通水、および貯水機能を付与させ、貯液部の液量を自由に調整することを可能にした植栽ユニットシステムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、屋上、ベランダ、テラスなど広さに応じて複数個の植栽用トレイ又は植栽用ユニット、更には緑化用植栽ユニットを縦横に配列設置し、各トレイ又はユニットを各々のジョイントを用いて接続する。従って、取扱が容易で施工が短時間で行える。
また、植栽用容器が植栽用トレイに着脱自在に嵌着されており、各植栽用容器毎に木や花を植栽でき、同種の木、同種の花、異なる木、異なる花を自由に選択して植栽できるから、芝生と木、芝生と花、芝生のみ等のように好みにあわせて組み合わせることができる。そして、木、花、芝生を自由に組み合わせたレイアウトが可能である、
さらに、花を植栽した容器、木を植栽した容器を、容器毎に入れ替えることができるから、例えば、季節に応じて、木の種類を変える、木を花に変えるなどのレイアウトの変更が可能である。さらに、植栽用容器を取り除けば、芝生だけの緑化ができる。
さらに、植栽用容器が植栽用トレイの中央部に嵌合して設置され、隣接する植栽用トレイ同士が各ジョイントで接続されており、また各植裁用トレイは両面テープなどにより、屋上面と固定されるため、強風により飛ばされる心配もない。
植裁用容器に植裁された木に関しては、植裁用容器に倒れ防止を差設することで、植栽された木が倒れるのを防ぐことができる。
【0008】
また、本発明によれば、種々のジョイントを用いて植栽用トレイを連結するから工事が簡単なだけでなく、屋上などの傾斜・起伏に合わせることができると共に、貯液部の液量を自由に調整することができる。
植栽用トレイの周壁(周縁部)に形成した切り欠き部に、通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントの各ジョイントから少なくとも一つのジョイントを選択して切り欠き部へ装着するから、例えば、屋上、ベランダ、テラスなどの傾斜や起伏に合わせて施工ができる。給水の必要な箇所には給水ジョイントを、排水の必要な箇所には排水ジョイントを、貯水の必要な箇所には貯水ジョイントを、その他の所には通水ジョイントを装着して各植栽用トレイ間を連通させ、各植栽用トレイの貯液量を均一にしたり、水を多く好む植物には多くの水や養液を供給し、水を多く好まない植物には水や養液の供給を減らし、木、花、芝生などの植栽物に応じて貯液部の液量を自由に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3および図15〜図17に示す植栽用トレイ1は、平面形状が正方形であって、周壁11に囲まれた底面に凹凸が形成され、周壁11に少なくとも一つ以上の切り欠き部12が設けられ、各切り欠き部12にジョイント3が装着される。中央部には植裁用容器2を設置するための凸部13および凹部14が設けられ、その周囲に凸部13a、溝状凹部15、凸部13bが形成されている。凹部14及び溝状凹部15には水や養液が貯液されるが、溝状凹部15には焼成ガラス発泡体Bが充填されることが望ましい。
また、凸部13aの内周側にはL字状の嵌合用凹部16a、16bが形成されており、植栽用容器2に形成されている嵌合用突部22aと係合する。
なお、植栽用トレイの形状は、三角形、多角形、楕円形等の形状でもよく、可能であればこの限りではない。
【0010】
図4〜図6に示す植栽用容器2は、本体20と脚部21からなり、脚部21の下部に嵌合用突部22aが形成され、植栽用トレイ1の嵌合用凹部16aを介し嵌合用凹部16bに沿って回転させることで嵌合する。
また、本体20の上縁に形成されている係止部22は、木や培地の支持手段として、倒れ防止23が差設可能である。倒れ防止23の一端の差部24は本体の係止孔25に係止されて固定される。倒れ防止23の中央部は木本類Tの通し孔26となっている。そして木本類Tと植栽用容器2との間には木や培地の支持手段として倒れ防止23が差設され、倒れ防止23は、例えば、3本の差部24,24,24を有し、中央には木本類Tを通す通し孔26が設けられ、倒れ防止23の通し孔26に木本類Tの幹を通し、差部24を植栽用容器2に設けられた係止孔25にてそれぞれ係止する方式が挙げられ、これにより木本類Tが倒れないように支持される。
植栽用容器2の脚部21及び底部27の底面には導水孔28が複数個設けられており、導水孔28から該水、養液が木本類Tの植栽用容器2へ供給される。
【0011】
図に示す周壁11,11,11,11には連結手段としてのジョイント3が切欠き部12,12,12,12にそれぞれ装着される。植栽用トレイ1同士を連結する場合には、図7〜図10に示す通水ジョイント3aを主として使用し、植栽用トレイ1の周縁部から給水、排水を行う場合は、図11、図12に示すそれぞれ専用の給水ジョイント3b、排水ジョイント3cを使用し、貯水を行う箇所には図13に示す貯水ジョイント3dを使用する。これらジョイントを、通水、給水、排水および貯水を行う場所に対し選択して組み合わせることで、傾斜や起伏に対応して水位を調節することができる。
【0012】
図7〜図13に示す各ジョイント3には、植栽用トレイ1を嵌着せしめるためのジョイント溝部32が形成されている。このジョイント溝部32は、植栽用トレイ1同士を連結する箇所で使用するジョイント3の場合、2つの植栽用トレイ1を嵌着せしめるため植栽用トレイ1の肉厚の2倍分の幅2tとなり、配列した後の植栽用トレイ1の周縁に使用するジョイント3の場合には、植栽用トレイ1の肉厚と同じ1倍分の幅1tとなる。例えば、植栽用トレイ1の肉厚が3mmの場合は、通水ジョイント3aの溝部の幅は6mm、給水ジョイント3b、排水ジョイント3c、貯水ジョイント3dの溝部の幅は、配列した後の植栽用トレイ1の周縁に使用する場合は3mm、植栽用トレイ1同士を連結する箇所で使用する場合は、6mmとなる。通常、植栽用トレイ1同士を連結する箇所には通水ジョイント3aが配列の外周縁には給水、排水、貯水ジョイントが多く使用される。
【0013】
また、各ジョイント3には、図8に示すようにフランジ34と鍔状部35で形成される培地保持手段36が存在し、草本類植裁用の培地4を四方から抑え込むことにより該培地が強風により飛散しないよう強風から防御することが可能となっている。図8では培地保持手段36が両側に設けられているが、配列した後の植栽用トレイ1の周縁に使用するジョイント3の場合には、例えば、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントなどは培地保持手段36が片側だけのものでもよい。
【0014】
図7〜図10に示す通水ジョイント3aは、水や養液を通水するための通水孔31が形成されている。そして、該通水孔31に形成されている堰37の高さh1や開口面積を変えることにより、水や養液の通水量を調節することができる。
図11に示す給水ジョイント3bは、水や養液を給水するための給水孔32が形成されおり、該給水孔32に管、ホース、チューブなどが接続される。そして、給水孔32の開口面積を変えることにより、水や養液の給水量を調節することができる。
図12に示す排水ジョイント3cは、水や養液を排水するための排水孔33が形成されており、ここから水や養液を排出することができる。また、場合によっては、該排水孔33に、管、ホース、チューブなどを接続してもよい。そして、排水孔33の堰38の高さh3と開口面積を変えることにより排水量を調節することができる。
図13に示す貯水ジョイント3dは、開口部がなく、切り欠き部12を閉塞する場合に使用する。
【0015】
通水孔、給水孔、排水孔の形状や位置は特に限定されるものでないが、通水ジョイント3a、給水ジョイント3b、排水ジョイント3cは、堰の高さや開口面積の異なるジョイントを数種類用意しておくことが望ましい。
ここで、給水及び排水ジョイントを装着する場合は、植栽用トレイ1の切欠き部12同士が接していない周縁であることが望ましい。また、通水、給水、排水を行わない箇所には貯水用ジョイント3dを使用することが望ましい。
【0016】
さらに、貯液量を調節するための灌水手段を施すことが望ましい。潅水方法として、給水ジョイント3bの給水孔32および排水ジョイント3cの排水孔33と、貯水タンクおよび循環ポンプとを、管、ホース、チューブなどで配管して、水や養液Wを無駄なく循環することが望ましい。そして、上記各ジョイントを用いて、システム全体の通水量、水位、貯液量を調節するのがよい。給水孔、排水孔は必ずしも一箇所だけに限ることはなく、季節に応じて複数個設けて通水量を調節してもよい。また、貯水ジョイント3dをシステムの中間部分に装着して液の流れる方向を自由に設定してもよい。それにより、配列された植栽用トレイ1全体に水、養液を供給することが可能となる。
【0017】
植栽用トレイ1の凸部13aの周囲には溝状凹部15が設けられ、図15、図16に示すように、焼成ガラス発泡体Bが充填され、水や養液が貯留または通水される。この焼成ガラス発泡体Bを使用する理由としては、水の腐敗を防ぎボウフラなどの発生を抑制するだけでなく、養分を含むことから堆肥の役割を果たすことが挙げられる。
【0018】
植栽用トレイ1の凸部13aには、内周側に嵌合用凹部16aおよび/または16bが形成され、図4〜図6に示す植栽用容器2の脚部21の下部に嵌合用突部22aが形成され、植栽用トレイ1の嵌合用凹部16aを介し嵌合用凹部16bに沿って回転させることで嵌着せしめられる構造が望ましい。従って、植栽用容器2は植栽用トレイ1に嵌着されるから、着脱自在であり、着脱が容易である。
【0019】
図1および図3に示すように、植栽用トレイ1の凸部13a、凸部13b、周壁11には、仕切板挿入用凹部17が形成されていて、該仕切板挿入用凹部17には通水はできるが、焼成ガラス発泡体Bが流出しないようメッシュ状の仕切板18(図3に点線で示す)が挿入される。
例えば、焼成ガラス発泡体Bが流入すれば、植裁用容器2を嵌着することが困難になるため、それを防ぐ手段として、凸部13aと凸部13aとの間に、焼成ガラス発泡体Bが溝状凹部14に流出しないようにメッシュ状の仕切板18を装着することが可能となっている。植裁用容器2を設置しないで草本類の植裁だけの場合にはこのメッシュ状の仕切板18は不要である。
同様に他の植裁用トレイに流出するのを防ぎ、また植栽用トレイ1間の嵌合、水、養液の通水を容易に行えるよう、切欠き部12,12,12,12の周辺、例えば、凸部13bと凸部13bとの間、凸部13bと周壁11との間にも仕切板挿入用凹部17が設けられ、メッシュ状の仕切板18が挿入されている。
【0020】
植栽用トレイ1の中央部に植裁用容器を設置しない場合は、凹部14に溝状凹部15と同様に、焼成ガラス発泡体Bおよび水、養液を充填することで草本類植裁専用として利用することが可能となる。(図16参照)
【0021】
植栽用トレイ1および植栽用容器2の材質には、硬質塩化ビニルなどの塩ビ系樹脂やポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、高衝撃性ポリスチレンなどポリスチレン系樹脂などが使用できる。このため、厚みは3mm程度でも充分な強度を保持することができ、また、高さも植裁用容器2を植栽用トレイ1に嵌着した場合で13cm、嵌着しない場合では8cmと薄層である。また樹脂の種類については、機能を損なわなければこの限りではない。
【0022】
草本類植裁用の培地4には、廃繊維マットをはじめ、ヤシ繊維、麻繊維、パルプ、綿繊維等の植物繊維などの軽量部材を材料として使用する。木本類植裁用の培地Mには、焼成ガラス発泡体Bを充填して培地Mとする。木本類Tについては初期植裁段階において高さ約30cm〜120cmまでの低木を使用しており、かつ、植裁用容器2の大きさも直径約25cm、高さ約8cmと木本類Tの成長を抑制していることから、該植栽用トレイ1の溝状凹部15に水や養液または焼成ガラス発泡体Bを充填した場合でも総重量が1平米あたり60kg以下となる。また、通水ジョイント3aをはじめとするジョイント3の材質としては、塩ビ系やオレフィン系、ウレタン系エラストマーをはじめ、合成樹脂、ゴム、ラテックスなどが挙げられるが、機能を損なわなければこの限りではない。
【0023】
植栽用トレイ1の表面上(培地)には芝、セダム類、野草等の草本類Gを植裁するための培地4が載置される。該培地4としては、上記に示したヤシ繊維、麻繊維、パルプ、綿繊維等の植物繊維を材料としたマット、吸水性ゴム発泡体シート、セラミック発泡体シート、ウレタン発泡体等の吸水性シートが使用され、また上記シートの中に高分子吸収体のようなものを添加してもよい。
草本類Gが植栽される培地4には開孔部41が設けられている。該開口部41は植栽用容器2を設置する範囲に対応する位置に設けられる。植裁用容器2を植栽用トレイ1に嵌着しない場合には該開孔部41は必要ない。
【0024】
以上のように、植栽用トレイ1に、焼成ガラス発泡体Bを充填し、その上に培地4を載置し、さらにその上に別途に栽培された芝生などの草本類を植栽する。また、植栽用容器2に、培地Mを介して別途に栽培された木や花などの木本類又は花類を植栽する。そして植栽された植栽用トレイと植栽された植栽用容器とを嵌合して組み合わせ緑化用植栽ユニットPUを作製する。なお、これに限定されるものではなく、植栽用トレイ1に植栽用容器2を嵌合せしめ、焼成ガラス発泡体Bを充填し、培地を載置し、その後、草本類、木本類、花類を植栽してもよい。
【0025】
緑化用植裁ユニットPUは、例えば屋上緑化に使用する場合には、図18〜図21に示すように縦横に複数個配列され、緑化用植裁ユニットシステムとされる。そして図18〜図21に示すように隣接する緑化用植裁ユニットPU相互の切欠き部12,12を合わせて通水ジョイント3aを該切欠き部12,12に嵌着することによって緑化用植裁ユニットPU相互を連結する。通水ジョイント3aには通水孔31が設けられているため緑化用植裁ユニットPU間を水、養液Wが通水することができ、また余分な水、養分Wについては、排水ジョイント3cを切欠き部12に1箇所及びそれ以上嵌着することにより排水孔33から外部に排出させるか、または給水ジョイント3bの給水孔32、排水ジョイント3cの排水孔33のそれぞれの孔へ配管などを介して貯水タンクおよび循環ポンプに接続することで、植裁ユニット配列へ循環させることが可能となる。いずれにせよ、これらジョイント3を組み合わせることで、給排水および貯水を行う場所に対し選択性を保持することが可能となった。
【0026】
緑化用植裁ユニットPUの植栽用トレイ1の溝状凹部15には、焼成ガラス発泡体B、水の他に肥料、栄養剤、殺菌剤などを溶解した養液Wを充填する。該水または養液Wは、木本類の植裁用容器2の脚部21及び底部27の底面に設けた導水孔28から木本類Tを植裁する木本類植裁用培地Mを介して木本類に、また草本類Gを植裁する培地4を介して草本類Gに供給される。
【0027】
緑化用植栽ユニットPUの施工手順の一例について、以下に示す。
(1)あらかじめ植栽用トレイに焼成ガラス発泡体Bを入れ、その上に草本類Gを植栽した培地をセットし、その中央部に木本類T又は花類などを植栽した植栽用容器2を嵌合設置した緑化用植栽ユニットPUを準備する。
(2)施工現場において、緑化用植栽ユニットPUを敷設する。その際、あらかじめ防水シートを使用してもよい。また強風対策としては、緑化用植裁ユニットPUの底面と防水シートを両面テープなどで固定を行っても良い。
(3)緑化用植栽ユニットPUの敷設と同時に通水ジョイント3a、給水ジョイント3b、排水ジョイント3c、貯水ジョイント3dを各緑化用植栽ユニットPUの切り欠き部12に嵌着して連結していく。この時、給水、排水及び貯水ジョイントは、切欠き部12が植栽用トレイ1に接していない外周縁であることが望ましい。
(4)給水ジョイント3aより水または養液を供給し、各緑化用植栽ユニットPUの状態を確認しながら、各ジョイントの嵌着位置を変更する。この時、例えば傾斜の下側に存在する緑化用植栽ユニットPUに対しては、より多くの貯水ジョイント3dを、また傾斜の上側に存在する緑化用植栽ユニットPUに対しては、より多くの排水ジョイント3cを用いることが望ましい。
本発明は上記実施例のみに限定されるものではなく、植栽用トレイ1に焼成ガラス発泡体Bを入れその上に草本類Gを植栽した培地をセットしたものを敷設して各ジョイントを用いて連結した後に、木本類Tを植栽した植栽用容器2を各トレイに嵌合設置してもよい。また植栽用トレイ1に草本類Gのみを植栽したユニットを各ジョイントを用いて連結して敷設してもよい。
さらに、図20に示すように三角形状をはじめとする多角形状の緑化用植裁ユニットPU、図21に示す楕円形状の緑化用植裁ユニットPU等が使用されてもよい。前記形状の緑化用植裁ユニットPUを使用した場合、図20,図21に示すように種々の形状に配列することができる。
【0028】
本発明の植裁ユニットは、例えば芝生のような草本類Gのみならず、葉のサイズが比較的大きい、例えばアセビのような木本類Tを植裁するので、冷却効果、保効果が大きく、建物の空調に要するエネルギーが大幅に節減できるため、産業上利用可能である。本発明の木本類Tとしては、例えばアベリア、ツツジ、サツキ、クチナシ、コトネアスター、シャリンバイ、ジンチョウゲ、ヒイラギナンテン(冬咲き・ナリヒラ)、ヒサカキ、トキワマンクサ、アセビ、ツバキ、サザンカ、ヤブコウジ、アメリカイワナンテン、ヒカゲツツジ、ニワデマリ、カンツバキ、ヒイラギモチ、サルココッカ、トキワレンゲ、コニファー類、ヒメイチゴノキ、四川トキワガキ、ローズマリー等の常緑樹、アジサイ、コデマリ、シロヤマブキ、ハギ、ボケ、レンゲツツジ、ミツバツツジ、コムラサキ、ムラサキシキブ、ユキヤナギ、レンギョウ、ニワウメ、ハナズオウ、ブルーベリー、ホザキナナカマド等の落葉樹、カロライナジャスミン、ツルアジサイ、ツルウメモドキ、ナツヅタ、フユヅタ、フジ、常緑性クレマチス、クレマチス、サッコウフジ、ナツユキカズラ、ツルニチニチソウ等の木性つる植物等があるが育成が可能であれば、この限りではない。
【0029】
本発明の草本類Gとしては、ノシバ、コウライシバ、ヒメコウライシバ、ビロードシバ、バミューダグラス、セントオーガスチングラス、バッファローグラス、クリーピングベントグラス等のベントグラス類、ケンタッキーブルーグラス等のブルーグラス類、ファインフェスク、トールフェスク等のフェスク類イタリアンライグラス、ペレニアルライグラス等のライグラス類、タマリュウ(リュウノヒゲ)、等があるが育成が可能であれば、この限りではない。
【0030】
本発明の花類としては、スイセン、チューリップ、サクラソウ、ハイビスカス、パンジーサルビア、スイレン、ヒマワリ、フリージア、ボタン、ユキワリソウ、シクラメン、タンポポ、ヒヤシンス、ポインセチア、ユリ、スミレ、ダリア、バラ、ビオラ、ポピー、ラン等があるが育成が可能であれば、この限りではない。
【0031】
本発明は、植栽用トレイ1の中央部に植栽用容器2を嵌合設置して、植栽用容器2には木本類Tおよび/または花類を植裁し、植栽用容器2の周囲には草本類Gを植栽した培地4を敷設し植栽用トレイ1の植裁用容器2を嵌着する以外の溝状凹部15には焼成ガラス発泡体Bや水または養液を充填し、木本類Tや花類に対しては植栽用容器2の底部に設けた導水孔28から水または養液Wを供給し、植栽用容器2の周囲に形成された草本類Gを植栽した培地4に対しては、毛細管現象、蒸発により、草本類Gに水または養液Wが供給される緑化用植裁ユニットPUを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図は本発明の実施例を説明する図である。
図1は植栽用トレイの斜視図であり、図2は植栽用トレイにジョイントを装着した状態を示す正面図であり、図3は同平面図である。図4は植栽用容器を示す正面図であり、図5は同背面図、図6は同平面図である。
図7は通水ジョイントを示す正面図であり、図8は同側面図、図9は同平面図、図10は同底面図である。図11は給水ジョイントの正面図であり、図12は排水ジョイントの正面図であり、図13は貯水ジョイントの正面図である。それぞれのジョイントの側面図、平面図、底面図は通水ジョイントとおなじであり省略する。
図14は植栽用トレイの培地を形成する廃繊維マットの平面図であり、中央部分は開口部である。
図15は、緑化用植栽ユニットの分解斜視図であり、焼成ガラス発泡体が充填されジョイントが装着された状態を示す植栽用トレイと、開口部を有する培地に草本類が植栽された草本類植栽培地と、木本類を植栽した植栽用容器とを示し、該開口部を通して植栽用容器が植栽用トレイに嵌合設置される緑化用植栽ユニットを示す。
図16は、焼成ガラス発泡体が充填されジョイントが装着された状態を示す植栽用トレイと、開口部がない培地に草本類が植栽された草本類植栽培地とを示し、該トレイに草本類植栽培地が載置される緑化用植栽ユニットを示す。
図17は、植載用トレイを4個並べてジョイントで連結した状態を示す平面図であり、仕切板は図示していない。
図18、図19、図20、図21は、緑化用植栽ユニットまたは植栽用トレイを配列した状態を示す図である。
【図1】植栽用トレイの斜視図
【図2】植栽用トレイの正面図
【図3】植栽用トレイの平面図
【図4】植裁用容器の正面図
【図5】植裁用容器の背面図
【図6】植裁用容器の平面図
【図7】通水ジョイントの正面図
【図8】通水ジョイントの側面図
【図9】通水ジョイントの平面図
【図10】通水ジョイントの底面図
【図11】給水ジョイントの正面図
【図12】排水ジョイントの正面図
【図13】貯水ジョイントの正面図
【図14】培地(廃繊維マット)の平面図
【図15】緑化用植栽ユニットの分解斜視図
【図16】他の実施形態を示す緑化用植栽ユニットの分解斜視図
【図17】植栽用トレイをジョイントで連結し、配列を示す平面図
【図18】植栽用トレイ又は緑化用植栽ユニットの縦横配列図
【図19】緑化用植栽ユニットの他の配列図
【図20】他の実施形態を示す緑化用植栽ユニットの配列図
【図21】他の実施形態を示す緑化用植栽ユニットの配列図
【符号の説明】
【0033】
1 植栽用トレイ
11 周壁(四周壁)
12 切り欠き部(ジョイント装着部)
13、13a、13b 凸部
14 凹部
15 溝状凹部
16a,16b 嵌合用凹部
17 仕切板挿入用凹部
18 仕切板
2 植栽用容器
20 本体
21 脚部
22 係止部
22a 嵌合用突部
23 倒れ防止
24 差部
25 係止孔
26 通し孔
27 底部
28 導水孔
3 ジョイント
3a 通水ジョイント
3b 給水ジョイント
3c 排水ジョイント
3d 貯水ジョイント
4 培地
41 開口部
B 焼成ガラス発泡体
T 木本類
G 草本類
W 水、養液
M 木本類植裁用培地
PU 緑化用植裁ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば屋上緑化に使用される植栽用ユニット、それを用いる緑化用植栽ユニット及びそのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、特に都市部において緑化等の推進、義務化への意向が高まっており、それに応じて建築物の屋上や壁面等に植裁トレイを設置して緑化を行う技術が数多く開発されている
。このような緑化は、屋上や壁面からの熱の吸収、放出を緩和することでヒートアイランド現象を抑制することができるだけでなく、地球温暖化の要因にも挙げられている二酸化炭素を削減することで環境にも配慮したシステムを構築することが可能である。
例えば植裁トレイ等を用いた屋上緑化の技術として特許文献1〜2のような特許出願がなされている。
【特許文献1】特開2006−204291号公報
【特許文献2】特開2003−61457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、特開2006−204291号の屋上緑化の技術は、植栽基盤材収納部の土壌部分に直接グランドカバーポット植物を植裁する屋上緑化施工パネルが提供されているが、その植物の植え替え等を行う場合、植物を直接抜かなければならないため手間がかかり、また植物に対してダメージを与えてしまう。
【0004】
また、特開2003−61457号の屋上緑化の技術は、基盤枠に透水材で形成された排水層、培養土を含む培土層、緑化植物が植裁された植裁層を収納して形成されているが、緑化用植裁トレイの側面に排水孔が設けられていることから、その排水孔の高さ以上の貯水を行うことは不可能で、貯水量を変えることができない。
【0005】
屋上緑化を行う場合、芝生等だけでなく木を植栽することが望まれているが、屋上に木を植栽するとなると工事が大掛かりとなり、土壌による荷重がかかるため建物の強度や防水に問題が生じるなど既設建物には不向きである。また、従来の植栽トレイを用いた屋上緑化においては植え替え作業に時間と労力がかかる。
さらに、屋上などの起伏又は傾斜が存在する場所では貯水を均一に行うことが難しく植物への給水が不十分になるなどの恐れがある。
そこで本発明では、軽量であり、施工が容易であり、植え替え作業が簡単で短時間で行うことができ、貯水が均一に行え、貯水量を植物に応じて変更できる植栽用ユニット、緑化用植栽ユニットおよびその緑化用植栽ユニットシステムを提供することにある。
さらに、通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントを自由に選択し、植栽用ユニットや植栽用トレイを連結して配列することによって任意のレイアウトができる緑化用植裁ユニットシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、水や養液を貯留するための貯液部を有する植栽用トレイと、木本類および/または花類を植栽するための植栽用容器とからなり、該植栽用トレイに嵌着して、設置される植栽用容器が着脱自在であることを特徴とする植栽用ユニットである。
請求項2に係る発明は、前記植栽用トレイの周壁に通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントから少なくとも一つ以上を選択して装着することを特徴とする請求項1に記載の植栽用ユニットである。
請求項3に係る発明は、前記植栽用トレイの周壁にジョイントを装着するための切り欠き部が少なくとも一つ以上設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の植栽用ユニットである。
請求項4に係る発明は、前記植裁用トレイの上方開口面に培地が載置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の植栽用ユニットである。
請求項5係る発明は、前記植栽用容器に木本類および/または花類が植栽され、前記植裁用トレイに草本類が植栽されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の緑化用植栽ユニットである。
請求項6係る発明は、前記植裁用トレイには培地を介して草本類が植裁されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の緑化用植裁ユニットである。
請求項7係る発明は、前記植栽用ユニットまたは前記緑化用植栽ユニットが縦横に複数個配列されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の緑化用植栽ユニットシステムである。
請求項8係る発明は、水や養液を貯留するための貯液部を有しその上面に草本類が植裁された緑化用植栽トレイと、木本類および/または花類が植裁された緑化用植裁用容器とからなる緑化用植裁ユニットを通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントからなる連結手段を用いて縦横に複数配列し、各植栽用トレイ間に水や養液を通水せしめ、給排水、通水、および貯水機能を付与させ、、貯液部の液量を自由に調整することを可能にした緑化用植栽ユニットシステムである。
請求項9係る発明は、水や養液を貯留するための貯液部を有する植栽用トレイを複数個配列し、該トレイの周壁に通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントから少なくとも一つを選択して装着し、隣接する植栽用トレイを連結して接続し、該トレイ間で水や養液を通水せしめ、給排水、通水、および貯水機能を付与させ、貯液部の液量を自由に調整することを可能にした植栽ユニットシステムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、屋上、ベランダ、テラスなど広さに応じて複数個の植栽用トレイ又は植栽用ユニット、更には緑化用植栽ユニットを縦横に配列設置し、各トレイ又はユニットを各々のジョイントを用いて接続する。従って、取扱が容易で施工が短時間で行える。
また、植栽用容器が植栽用トレイに着脱自在に嵌着されており、各植栽用容器毎に木や花を植栽でき、同種の木、同種の花、異なる木、異なる花を自由に選択して植栽できるから、芝生と木、芝生と花、芝生のみ等のように好みにあわせて組み合わせることができる。そして、木、花、芝生を自由に組み合わせたレイアウトが可能である、
さらに、花を植栽した容器、木を植栽した容器を、容器毎に入れ替えることができるから、例えば、季節に応じて、木の種類を変える、木を花に変えるなどのレイアウトの変更が可能である。さらに、植栽用容器を取り除けば、芝生だけの緑化ができる。
さらに、植栽用容器が植栽用トレイの中央部に嵌合して設置され、隣接する植栽用トレイ同士が各ジョイントで接続されており、また各植裁用トレイは両面テープなどにより、屋上面と固定されるため、強風により飛ばされる心配もない。
植裁用容器に植裁された木に関しては、植裁用容器に倒れ防止を差設することで、植栽された木が倒れるのを防ぐことができる。
【0008】
また、本発明によれば、種々のジョイントを用いて植栽用トレイを連結するから工事が簡単なだけでなく、屋上などの傾斜・起伏に合わせることができると共に、貯液部の液量を自由に調整することができる。
植栽用トレイの周壁(周縁部)に形成した切り欠き部に、通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントの各ジョイントから少なくとも一つのジョイントを選択して切り欠き部へ装着するから、例えば、屋上、ベランダ、テラスなどの傾斜や起伏に合わせて施工ができる。給水の必要な箇所には給水ジョイントを、排水の必要な箇所には排水ジョイントを、貯水の必要な箇所には貯水ジョイントを、その他の所には通水ジョイントを装着して各植栽用トレイ間を連通させ、各植栽用トレイの貯液量を均一にしたり、水を多く好む植物には多くの水や養液を供給し、水を多く好まない植物には水や養液の供給を減らし、木、花、芝生などの植栽物に応じて貯液部の液量を自由に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3および図15〜図17に示す植栽用トレイ1は、平面形状が正方形であって、周壁11に囲まれた底面に凹凸が形成され、周壁11に少なくとも一つ以上の切り欠き部12が設けられ、各切り欠き部12にジョイント3が装着される。中央部には植裁用容器2を設置するための凸部13および凹部14が設けられ、その周囲に凸部13a、溝状凹部15、凸部13bが形成されている。凹部14及び溝状凹部15には水や養液が貯液されるが、溝状凹部15には焼成ガラス発泡体Bが充填されることが望ましい。
また、凸部13aの内周側にはL字状の嵌合用凹部16a、16bが形成されており、植栽用容器2に形成されている嵌合用突部22aと係合する。
なお、植栽用トレイの形状は、三角形、多角形、楕円形等の形状でもよく、可能であればこの限りではない。
【0010】
図4〜図6に示す植栽用容器2は、本体20と脚部21からなり、脚部21の下部に嵌合用突部22aが形成され、植栽用トレイ1の嵌合用凹部16aを介し嵌合用凹部16bに沿って回転させることで嵌合する。
また、本体20の上縁に形成されている係止部22は、木や培地の支持手段として、倒れ防止23が差設可能である。倒れ防止23の一端の差部24は本体の係止孔25に係止されて固定される。倒れ防止23の中央部は木本類Tの通し孔26となっている。そして木本類Tと植栽用容器2との間には木や培地の支持手段として倒れ防止23が差設され、倒れ防止23は、例えば、3本の差部24,24,24を有し、中央には木本類Tを通す通し孔26が設けられ、倒れ防止23の通し孔26に木本類Tの幹を通し、差部24を植栽用容器2に設けられた係止孔25にてそれぞれ係止する方式が挙げられ、これにより木本類Tが倒れないように支持される。
植栽用容器2の脚部21及び底部27の底面には導水孔28が複数個設けられており、導水孔28から該水、養液が木本類Tの植栽用容器2へ供給される。
【0011】
図に示す周壁11,11,11,11には連結手段としてのジョイント3が切欠き部12,12,12,12にそれぞれ装着される。植栽用トレイ1同士を連結する場合には、図7〜図10に示す通水ジョイント3aを主として使用し、植栽用トレイ1の周縁部から給水、排水を行う場合は、図11、図12に示すそれぞれ専用の給水ジョイント3b、排水ジョイント3cを使用し、貯水を行う箇所には図13に示す貯水ジョイント3dを使用する。これらジョイントを、通水、給水、排水および貯水を行う場所に対し選択して組み合わせることで、傾斜や起伏に対応して水位を調節することができる。
【0012】
図7〜図13に示す各ジョイント3には、植栽用トレイ1を嵌着せしめるためのジョイント溝部32が形成されている。このジョイント溝部32は、植栽用トレイ1同士を連結する箇所で使用するジョイント3の場合、2つの植栽用トレイ1を嵌着せしめるため植栽用トレイ1の肉厚の2倍分の幅2tとなり、配列した後の植栽用トレイ1の周縁に使用するジョイント3の場合には、植栽用トレイ1の肉厚と同じ1倍分の幅1tとなる。例えば、植栽用トレイ1の肉厚が3mmの場合は、通水ジョイント3aの溝部の幅は6mm、給水ジョイント3b、排水ジョイント3c、貯水ジョイント3dの溝部の幅は、配列した後の植栽用トレイ1の周縁に使用する場合は3mm、植栽用トレイ1同士を連結する箇所で使用する場合は、6mmとなる。通常、植栽用トレイ1同士を連結する箇所には通水ジョイント3aが配列の外周縁には給水、排水、貯水ジョイントが多く使用される。
【0013】
また、各ジョイント3には、図8に示すようにフランジ34と鍔状部35で形成される培地保持手段36が存在し、草本類植裁用の培地4を四方から抑え込むことにより該培地が強風により飛散しないよう強風から防御することが可能となっている。図8では培地保持手段36が両側に設けられているが、配列した後の植栽用トレイ1の周縁に使用するジョイント3の場合には、例えば、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントなどは培地保持手段36が片側だけのものでもよい。
【0014】
図7〜図10に示す通水ジョイント3aは、水や養液を通水するための通水孔31が形成されている。そして、該通水孔31に形成されている堰37の高さh1や開口面積を変えることにより、水や養液の通水量を調節することができる。
図11に示す給水ジョイント3bは、水や養液を給水するための給水孔32が形成されおり、該給水孔32に管、ホース、チューブなどが接続される。そして、給水孔32の開口面積を変えることにより、水や養液の給水量を調節することができる。
図12に示す排水ジョイント3cは、水や養液を排水するための排水孔33が形成されており、ここから水や養液を排出することができる。また、場合によっては、該排水孔33に、管、ホース、チューブなどを接続してもよい。そして、排水孔33の堰38の高さh3と開口面積を変えることにより排水量を調節することができる。
図13に示す貯水ジョイント3dは、開口部がなく、切り欠き部12を閉塞する場合に使用する。
【0015】
通水孔、給水孔、排水孔の形状や位置は特に限定されるものでないが、通水ジョイント3a、給水ジョイント3b、排水ジョイント3cは、堰の高さや開口面積の異なるジョイントを数種類用意しておくことが望ましい。
ここで、給水及び排水ジョイントを装着する場合は、植栽用トレイ1の切欠き部12同士が接していない周縁であることが望ましい。また、通水、給水、排水を行わない箇所には貯水用ジョイント3dを使用することが望ましい。
【0016】
さらに、貯液量を調節するための灌水手段を施すことが望ましい。潅水方法として、給水ジョイント3bの給水孔32および排水ジョイント3cの排水孔33と、貯水タンクおよび循環ポンプとを、管、ホース、チューブなどで配管して、水や養液Wを無駄なく循環することが望ましい。そして、上記各ジョイントを用いて、システム全体の通水量、水位、貯液量を調節するのがよい。給水孔、排水孔は必ずしも一箇所だけに限ることはなく、季節に応じて複数個設けて通水量を調節してもよい。また、貯水ジョイント3dをシステムの中間部分に装着して液の流れる方向を自由に設定してもよい。それにより、配列された植栽用トレイ1全体に水、養液を供給することが可能となる。
【0017】
植栽用トレイ1の凸部13aの周囲には溝状凹部15が設けられ、図15、図16に示すように、焼成ガラス発泡体Bが充填され、水や養液が貯留または通水される。この焼成ガラス発泡体Bを使用する理由としては、水の腐敗を防ぎボウフラなどの発生を抑制するだけでなく、養分を含むことから堆肥の役割を果たすことが挙げられる。
【0018】
植栽用トレイ1の凸部13aには、内周側に嵌合用凹部16aおよび/または16bが形成され、図4〜図6に示す植栽用容器2の脚部21の下部に嵌合用突部22aが形成され、植栽用トレイ1の嵌合用凹部16aを介し嵌合用凹部16bに沿って回転させることで嵌着せしめられる構造が望ましい。従って、植栽用容器2は植栽用トレイ1に嵌着されるから、着脱自在であり、着脱が容易である。
【0019】
図1および図3に示すように、植栽用トレイ1の凸部13a、凸部13b、周壁11には、仕切板挿入用凹部17が形成されていて、該仕切板挿入用凹部17には通水はできるが、焼成ガラス発泡体Bが流出しないようメッシュ状の仕切板18(図3に点線で示す)が挿入される。
例えば、焼成ガラス発泡体Bが流入すれば、植裁用容器2を嵌着することが困難になるため、それを防ぐ手段として、凸部13aと凸部13aとの間に、焼成ガラス発泡体Bが溝状凹部14に流出しないようにメッシュ状の仕切板18を装着することが可能となっている。植裁用容器2を設置しないで草本類の植裁だけの場合にはこのメッシュ状の仕切板18は不要である。
同様に他の植裁用トレイに流出するのを防ぎ、また植栽用トレイ1間の嵌合、水、養液の通水を容易に行えるよう、切欠き部12,12,12,12の周辺、例えば、凸部13bと凸部13bとの間、凸部13bと周壁11との間にも仕切板挿入用凹部17が設けられ、メッシュ状の仕切板18が挿入されている。
【0020】
植栽用トレイ1の中央部に植裁用容器を設置しない場合は、凹部14に溝状凹部15と同様に、焼成ガラス発泡体Bおよび水、養液を充填することで草本類植裁専用として利用することが可能となる。(図16参照)
【0021】
植栽用トレイ1および植栽用容器2の材質には、硬質塩化ビニルなどの塩ビ系樹脂やポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、高衝撃性ポリスチレンなどポリスチレン系樹脂などが使用できる。このため、厚みは3mm程度でも充分な強度を保持することができ、また、高さも植裁用容器2を植栽用トレイ1に嵌着した場合で13cm、嵌着しない場合では8cmと薄層である。また樹脂の種類については、機能を損なわなければこの限りではない。
【0022】
草本類植裁用の培地4には、廃繊維マットをはじめ、ヤシ繊維、麻繊維、パルプ、綿繊維等の植物繊維などの軽量部材を材料として使用する。木本類植裁用の培地Mには、焼成ガラス発泡体Bを充填して培地Mとする。木本類Tについては初期植裁段階において高さ約30cm〜120cmまでの低木を使用しており、かつ、植裁用容器2の大きさも直径約25cm、高さ約8cmと木本類Tの成長を抑制していることから、該植栽用トレイ1の溝状凹部15に水や養液または焼成ガラス発泡体Bを充填した場合でも総重量が1平米あたり60kg以下となる。また、通水ジョイント3aをはじめとするジョイント3の材質としては、塩ビ系やオレフィン系、ウレタン系エラストマーをはじめ、合成樹脂、ゴム、ラテックスなどが挙げられるが、機能を損なわなければこの限りではない。
【0023】
植栽用トレイ1の表面上(培地)には芝、セダム類、野草等の草本類Gを植裁するための培地4が載置される。該培地4としては、上記に示したヤシ繊維、麻繊維、パルプ、綿繊維等の植物繊維を材料としたマット、吸水性ゴム発泡体シート、セラミック発泡体シート、ウレタン発泡体等の吸水性シートが使用され、また上記シートの中に高分子吸収体のようなものを添加してもよい。
草本類Gが植栽される培地4には開孔部41が設けられている。該開口部41は植栽用容器2を設置する範囲に対応する位置に設けられる。植裁用容器2を植栽用トレイ1に嵌着しない場合には該開孔部41は必要ない。
【0024】
以上のように、植栽用トレイ1に、焼成ガラス発泡体Bを充填し、その上に培地4を載置し、さらにその上に別途に栽培された芝生などの草本類を植栽する。また、植栽用容器2に、培地Mを介して別途に栽培された木や花などの木本類又は花類を植栽する。そして植栽された植栽用トレイと植栽された植栽用容器とを嵌合して組み合わせ緑化用植栽ユニットPUを作製する。なお、これに限定されるものではなく、植栽用トレイ1に植栽用容器2を嵌合せしめ、焼成ガラス発泡体Bを充填し、培地を載置し、その後、草本類、木本類、花類を植栽してもよい。
【0025】
緑化用植裁ユニットPUは、例えば屋上緑化に使用する場合には、図18〜図21に示すように縦横に複数個配列され、緑化用植裁ユニットシステムとされる。そして図18〜図21に示すように隣接する緑化用植裁ユニットPU相互の切欠き部12,12を合わせて通水ジョイント3aを該切欠き部12,12に嵌着することによって緑化用植裁ユニットPU相互を連結する。通水ジョイント3aには通水孔31が設けられているため緑化用植裁ユニットPU間を水、養液Wが通水することができ、また余分な水、養分Wについては、排水ジョイント3cを切欠き部12に1箇所及びそれ以上嵌着することにより排水孔33から外部に排出させるか、または給水ジョイント3bの給水孔32、排水ジョイント3cの排水孔33のそれぞれの孔へ配管などを介して貯水タンクおよび循環ポンプに接続することで、植裁ユニット配列へ循環させることが可能となる。いずれにせよ、これらジョイント3を組み合わせることで、給排水および貯水を行う場所に対し選択性を保持することが可能となった。
【0026】
緑化用植裁ユニットPUの植栽用トレイ1の溝状凹部15には、焼成ガラス発泡体B、水の他に肥料、栄養剤、殺菌剤などを溶解した養液Wを充填する。該水または養液Wは、木本類の植裁用容器2の脚部21及び底部27の底面に設けた導水孔28から木本類Tを植裁する木本類植裁用培地Mを介して木本類に、また草本類Gを植裁する培地4を介して草本類Gに供給される。
【0027】
緑化用植栽ユニットPUの施工手順の一例について、以下に示す。
(1)あらかじめ植栽用トレイに焼成ガラス発泡体Bを入れ、その上に草本類Gを植栽した培地をセットし、その中央部に木本類T又は花類などを植栽した植栽用容器2を嵌合設置した緑化用植栽ユニットPUを準備する。
(2)施工現場において、緑化用植栽ユニットPUを敷設する。その際、あらかじめ防水シートを使用してもよい。また強風対策としては、緑化用植裁ユニットPUの底面と防水シートを両面テープなどで固定を行っても良い。
(3)緑化用植栽ユニットPUの敷設と同時に通水ジョイント3a、給水ジョイント3b、排水ジョイント3c、貯水ジョイント3dを各緑化用植栽ユニットPUの切り欠き部12に嵌着して連結していく。この時、給水、排水及び貯水ジョイントは、切欠き部12が植栽用トレイ1に接していない外周縁であることが望ましい。
(4)給水ジョイント3aより水または養液を供給し、各緑化用植栽ユニットPUの状態を確認しながら、各ジョイントの嵌着位置を変更する。この時、例えば傾斜の下側に存在する緑化用植栽ユニットPUに対しては、より多くの貯水ジョイント3dを、また傾斜の上側に存在する緑化用植栽ユニットPUに対しては、より多くの排水ジョイント3cを用いることが望ましい。
本発明は上記実施例のみに限定されるものではなく、植栽用トレイ1に焼成ガラス発泡体Bを入れその上に草本類Gを植栽した培地をセットしたものを敷設して各ジョイントを用いて連結した後に、木本類Tを植栽した植栽用容器2を各トレイに嵌合設置してもよい。また植栽用トレイ1に草本類Gのみを植栽したユニットを各ジョイントを用いて連結して敷設してもよい。
さらに、図20に示すように三角形状をはじめとする多角形状の緑化用植裁ユニットPU、図21に示す楕円形状の緑化用植裁ユニットPU等が使用されてもよい。前記形状の緑化用植裁ユニットPUを使用した場合、図20,図21に示すように種々の形状に配列することができる。
【0028】
本発明の植裁ユニットは、例えば芝生のような草本類Gのみならず、葉のサイズが比較的大きい、例えばアセビのような木本類Tを植裁するので、冷却効果、保効果が大きく、建物の空調に要するエネルギーが大幅に節減できるため、産業上利用可能である。本発明の木本類Tとしては、例えばアベリア、ツツジ、サツキ、クチナシ、コトネアスター、シャリンバイ、ジンチョウゲ、ヒイラギナンテン(冬咲き・ナリヒラ)、ヒサカキ、トキワマンクサ、アセビ、ツバキ、サザンカ、ヤブコウジ、アメリカイワナンテン、ヒカゲツツジ、ニワデマリ、カンツバキ、ヒイラギモチ、サルココッカ、トキワレンゲ、コニファー類、ヒメイチゴノキ、四川トキワガキ、ローズマリー等の常緑樹、アジサイ、コデマリ、シロヤマブキ、ハギ、ボケ、レンゲツツジ、ミツバツツジ、コムラサキ、ムラサキシキブ、ユキヤナギ、レンギョウ、ニワウメ、ハナズオウ、ブルーベリー、ホザキナナカマド等の落葉樹、カロライナジャスミン、ツルアジサイ、ツルウメモドキ、ナツヅタ、フユヅタ、フジ、常緑性クレマチス、クレマチス、サッコウフジ、ナツユキカズラ、ツルニチニチソウ等の木性つる植物等があるが育成が可能であれば、この限りではない。
【0029】
本発明の草本類Gとしては、ノシバ、コウライシバ、ヒメコウライシバ、ビロードシバ、バミューダグラス、セントオーガスチングラス、バッファローグラス、クリーピングベントグラス等のベントグラス類、ケンタッキーブルーグラス等のブルーグラス類、ファインフェスク、トールフェスク等のフェスク類イタリアンライグラス、ペレニアルライグラス等のライグラス類、タマリュウ(リュウノヒゲ)、等があるが育成が可能であれば、この限りではない。
【0030】
本発明の花類としては、スイセン、チューリップ、サクラソウ、ハイビスカス、パンジーサルビア、スイレン、ヒマワリ、フリージア、ボタン、ユキワリソウ、シクラメン、タンポポ、ヒヤシンス、ポインセチア、ユリ、スミレ、ダリア、バラ、ビオラ、ポピー、ラン等があるが育成が可能であれば、この限りではない。
【0031】
本発明は、植栽用トレイ1の中央部に植栽用容器2を嵌合設置して、植栽用容器2には木本類Tおよび/または花類を植裁し、植栽用容器2の周囲には草本類Gを植栽した培地4を敷設し植栽用トレイ1の植裁用容器2を嵌着する以外の溝状凹部15には焼成ガラス発泡体Bや水または養液を充填し、木本類Tや花類に対しては植栽用容器2の底部に設けた導水孔28から水または養液Wを供給し、植栽用容器2の周囲に形成された草本類Gを植栽した培地4に対しては、毛細管現象、蒸発により、草本類Gに水または養液Wが供給される緑化用植裁ユニットPUを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図は本発明の実施例を説明する図である。
図1は植栽用トレイの斜視図であり、図2は植栽用トレイにジョイントを装着した状態を示す正面図であり、図3は同平面図である。図4は植栽用容器を示す正面図であり、図5は同背面図、図6は同平面図である。
図7は通水ジョイントを示す正面図であり、図8は同側面図、図9は同平面図、図10は同底面図である。図11は給水ジョイントの正面図であり、図12は排水ジョイントの正面図であり、図13は貯水ジョイントの正面図である。それぞれのジョイントの側面図、平面図、底面図は通水ジョイントとおなじであり省略する。
図14は植栽用トレイの培地を形成する廃繊維マットの平面図であり、中央部分は開口部である。
図15は、緑化用植栽ユニットの分解斜視図であり、焼成ガラス発泡体が充填されジョイントが装着された状態を示す植栽用トレイと、開口部を有する培地に草本類が植栽された草本類植栽培地と、木本類を植栽した植栽用容器とを示し、該開口部を通して植栽用容器が植栽用トレイに嵌合設置される緑化用植栽ユニットを示す。
図16は、焼成ガラス発泡体が充填されジョイントが装着された状態を示す植栽用トレイと、開口部がない培地に草本類が植栽された草本類植栽培地とを示し、該トレイに草本類植栽培地が載置される緑化用植栽ユニットを示す。
図17は、植載用トレイを4個並べてジョイントで連結した状態を示す平面図であり、仕切板は図示していない。
図18、図19、図20、図21は、緑化用植栽ユニットまたは植栽用トレイを配列した状態を示す図である。
【図1】植栽用トレイの斜視図
【図2】植栽用トレイの正面図
【図3】植栽用トレイの平面図
【図4】植裁用容器の正面図
【図5】植裁用容器の背面図
【図6】植裁用容器の平面図
【図7】通水ジョイントの正面図
【図8】通水ジョイントの側面図
【図9】通水ジョイントの平面図
【図10】通水ジョイントの底面図
【図11】給水ジョイントの正面図
【図12】排水ジョイントの正面図
【図13】貯水ジョイントの正面図
【図14】培地(廃繊維マット)の平面図
【図15】緑化用植栽ユニットの分解斜視図
【図16】他の実施形態を示す緑化用植栽ユニットの分解斜視図
【図17】植栽用トレイをジョイントで連結し、配列を示す平面図
【図18】植栽用トレイ又は緑化用植栽ユニットの縦横配列図
【図19】緑化用植栽ユニットの他の配列図
【図20】他の実施形態を示す緑化用植栽ユニットの配列図
【図21】他の実施形態を示す緑化用植栽ユニットの配列図
【符号の説明】
【0033】
1 植栽用トレイ
11 周壁(四周壁)
12 切り欠き部(ジョイント装着部)
13、13a、13b 凸部
14 凹部
15 溝状凹部
16a,16b 嵌合用凹部
17 仕切板挿入用凹部
18 仕切板
2 植栽用容器
20 本体
21 脚部
22 係止部
22a 嵌合用突部
23 倒れ防止
24 差部
25 係止孔
26 通し孔
27 底部
28 導水孔
3 ジョイント
3a 通水ジョイント
3b 給水ジョイント
3c 排水ジョイント
3d 貯水ジョイント
4 培地
41 開口部
B 焼成ガラス発泡体
T 木本類
G 草本類
W 水、養液
M 木本類植裁用培地
PU 緑化用植裁ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水や養液を貯留するための貯液部を有する植栽用トレイと、木本類および/または花類を植栽するための植栽用容器とからなり、該植栽用トレイに嵌着して、設置される植栽用容器が着脱自在であることを特徴とする植栽用ユニット。
【請求項2】
前記植栽用トレイの周壁に通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントから少なくとも一つ以上を選択して装着することを特徴とする請求項1に記載の植栽用ユニット。
【請求項3】
前記植栽用トレイの周壁にジョイントを装着するための切り欠き部が少なくとも一つ以上設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の植栽用ユニット。
【請求項4】
前記植裁用トレイの上方開口面に培地が載置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の植裁用ユニット。
【請求項5】
前記植栽用容器に木本類および/または花類が植栽され、前記植裁用トレイに草本類が植栽されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の緑化用植栽ユニット。
【請求項6】
前記植裁用トレイには培地を介して草本類が植裁されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の緑化用植裁ユニット。
【請求項7】
前記植栽用ユニットまたは前記緑化用植栽ユニットが縦横に複数個配列されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の緑化用植栽ユニットシステム。
【請求項8】
水や養液を貯留するための貯液部を有しその上面に草本類が植裁された緑化用植栽トレイと、木本類および/または花類が植裁された緑化用植裁用容器とからなる緑化用植裁ユニットを通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントからなる連結手段を用いて縦横に複数配列し、各植栽用トレイ間に水や養液を通水せしめ、給排水、通水、および貯水機能を付与させ、、貯液部の液量を自由に調整することを可能にした緑化用植栽ユニットシステム。
【請求項9】
水や養液を貯留するための貯液部を有する植栽用トレイを複数個配列し、該トレイの周壁に通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントから少なくとも一つを選択して装着し、隣接する植栽用トレイを連結して接続し、該トレイ間で水や養液を通水せしめ、給排水、通水、および貯水機能を付与させ、貯液部の液量を自由に調整することを可能にした植栽ユニットシステム。
【請求項1】
水や養液を貯留するための貯液部を有する植栽用トレイと、木本類および/または花類を植栽するための植栽用容器とからなり、該植栽用トレイに嵌着して、設置される植栽用容器が着脱自在であることを特徴とする植栽用ユニット。
【請求項2】
前記植栽用トレイの周壁に通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントから少なくとも一つ以上を選択して装着することを特徴とする請求項1に記載の植栽用ユニット。
【請求項3】
前記植栽用トレイの周壁にジョイントを装着するための切り欠き部が少なくとも一つ以上設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の植栽用ユニット。
【請求項4】
前記植裁用トレイの上方開口面に培地が載置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の植裁用ユニット。
【請求項5】
前記植栽用容器に木本類および/または花類が植栽され、前記植裁用トレイに草本類が植栽されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の緑化用植栽ユニット。
【請求項6】
前記植裁用トレイには培地を介して草本類が植裁されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の緑化用植裁ユニット。
【請求項7】
前記植栽用ユニットまたは前記緑化用植栽ユニットが縦横に複数個配列されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の緑化用植栽ユニットシステム。
【請求項8】
水や養液を貯留するための貯液部を有しその上面に草本類が植裁された緑化用植栽トレイと、木本類および/または花類が植裁された緑化用植裁用容器とからなる緑化用植裁ユニットを通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントからなる連結手段を用いて縦横に複数配列し、各植栽用トレイ間に水や養液を通水せしめ、給排水、通水、および貯水機能を付与させ、、貯液部の液量を自由に調整することを可能にした緑化用植栽ユニットシステム。
【請求項9】
水や養液を貯留するための貯液部を有する植栽用トレイを複数個配列し、該トレイの周壁に通水ジョイント、給水ジョイント、排水ジョイント、貯水ジョイントから少なくとも一つを選択して装着し、隣接する植栽用トレイを連結して接続し、該トレイ間で水や養液を通水せしめ、給排水、通水、および貯水機能を付与させ、貯液部の液量を自由に調整することを可能にした植栽ユニットシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2009−165400(P2009−165400A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−6713(P2008−6713)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】
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