説明

検査装置

【課題】複数の測定器を用いて複数の被検査機器に対して検査を実行する場合、使用測定器数を増加させることなく当該検査を実行可能として検査設備の低減を図る。
【解決手段】複数の被検査機器14に対して複数の測定器16を用いて項目が異なる複数の検査を実行する検査装置2であって、各測定器16を各被検査機器14に個別に切替接続するためのリレー接点群44a,44b等を含むリレーボックス8(切替接続手段)と、上記切替接続手段42,44の切替接続を制御するためのパーソナルコンピュータ6(制御手段)と、を備え、パーソナルコンピュータ6によりリレー接点群44a,44bの切替接続動作を制御して被検査機器14それぞれに対して異なる測定器16を用いた検査を並列実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の被検査機器に対して複数の測定器を用いて検査を行う検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器は一般に工場で組み立てられた後、製品として出荷する前に被検査機器として種々な機能等の検査が行われる。このような被検査機器の検査には、複数の測定器を測定器セットとして必要な場合がある。
【0003】
このような検査を1測定器セットで所定の検査工程に複数の被検査機器それぞれに検査を実行すると検査時間が長くなる。そこで、複数の測定器セットを使用し複数の被検査機器に同時並列に検査を実施すると検査時間は短縮する。
【0004】
しかしながら、このような検査では、被検査機器数が増加すると、検査に要する測定器セット数が増大して検査設備コストが嵩む。
【0005】
特許文献1には、1つの測定検査手段に、同種の複数の半導体素子を並列接続して同時検査を実施する検査装置が開示されている。
【0006】
しかしながら、この検査装置でも上記と同様にして複数の測定器セットが必要となり、検査設備コストの増大は回避することができない。
【特許文献1】特許第2644579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明により解決すべき課題は、複数の測定器を用いて複数の被検査機器に対して検査を行うための検査設備コストの低減を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明第1による検査装置は、複数の被検査機器に対して複数の測定器からなる測定器セットを用いて項目が異なる複数の検査を実行することができる検査装置であって、各測定器を各被検査機器に個別に切替接続するための切替接続手段と、上記切替接続手段の上記切替接続を制御するための制御手段と、を備え、上記制御手段により上記切替接続手段の切替接続動作を制御して少なくとも2台の被検査機器それぞれに対して異なる測定器を用いた検査を並列実行することが可能になっていることを特徴とするものである。
【0009】
上記検査の対象は特に限定しないが、被検査機器の機能の検査が好ましい。この機能には導通検査、通信機能検査、その他の検査を例示することができる。
【0010】
被検査機器はその種類に限定されない。半導体素子、電子機器、制御機器、等、その名称を問わず、あらゆる機器に適用することができる。
【0011】
測定器の種類は限定せず、例えば電流計、電圧計、電力計を含むことができることはもちろんのこと、例えば被検査機器が、多数の接点の出力状態をシリアル伝送する制御機器、例えばPLC(プログラマブルロジックコントローラ)である場合、PLCの検査に必要とする、交流信号の実効値を測定するためのデジタル・マルチメータ(DMM)、その他等を含むことができる。
【0012】
切替接続手段は、特に限定しないが、例えばリレーを例示することができる。制御手段は、特に限定しないが、例えばパーソナルコンピュータを例示することができる。
【0013】
検査を並列実行するとは、2つ以上の被検査機器に対する検査を時間的に同時進行で実行することである。
【0014】
本発明第1によると、上記測定器セット内で異なる測定器を用いて複数の被検査機器に対しての検査を並列実行することができるので、上記測定器セット内の測定器の遊休時間を減少させることができ、同じ測定器を同時並列実行する場合では少なくとも2台以上必要となっていた従来と比較して検査設備の低減を図ることができるようになる。
【0015】
(2)本発明第2による検査装置は、複数の被検査機器に対して複数の測定器からなる測定器セットを用いて項目が異なる複数の検査を実行する検査装置であって、装置本体に、各測定器を各被検査機器に個別に切替接続するためのリレー接点群と、上記リレー接点群の切替接続動作を制御する制御手段と、を少なくとも備え、上記装置本体に着脱可能とされ、上記被検査機器を測定位置にセットするためのフィクスチャ、を備え、上記制御手段により、上記リレー接点群の切替接続を制御して少なくとも2台の被検査機器それぞれに対して異なる測定器を用いた検査を並列実行する、ことを特徴とするものである。上記制御手段は好ましくはパーソナルコンピュータである。上記制御手段はPLCやその周辺機器例えばコンソール等との組み合わせでも構わない。
【0016】
本発明第2によると、制御手段のリレー接点群に対する制御により、少なくとも2台の被検査機器に対して異なる測定器を用いて並列実行することができるように構成したので、測定器セット内の測定器の遊休時間を減少させることができ、従来と比較して検査設備の低減を図ることができるようになる。
【0017】
本発明第2の好適な一態様は、上記装置本体が、フィクスチャを増設することが可能になっていることである。この態様では、検査設備が嵩むことなく被検査機器の数を容易に増加させることができるようになる。
【0018】
本発明第2の好適な一態様は、上記装置本体が、フィクスチャを別のフィクスチャと交換可能になっていることである。この態様では、多品種少量生産される被検査機器の検査に容易に対応することができるようになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の被検査機器に対して異なる測定器を用いた検査を並列実行することができるから、そうした複数の測定器を用いて複数の被検査機器に対して検査を行うための検査設備コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る検査装置を説明する。
【0021】
図1に実施の形態の検査装置の外観を示す。
【0022】
この検査装置は、I/O、通信、制御等の機能を保有する制御機器(被検査機器)の最終組立後の検査装置である。
【0023】
検査装置2は、モニタ4、制御手段であるパーソナルコンピュータ6、切替接続手段であるリレーボックス8、測定器ラック10、検査治具であるフィクスチャ12で構成されている。
【0024】
被検査機器14との電気的接続や被検査機器14の測定検査位置への4隅位置決め等は、フィクスチャ12で行う。フィクスチャ12と測定器ラック10内の測定器16との切替接続はリレーボックス8で行う。
【0025】
検査装置2全体の制御、コマンドの送受信等はパーソナルコンピュータ6で行う。検査装置2の装置本体は、モニタ4、パーソナルコンピュータ6、リレーボックス8、で主に構成される。
【0026】
図2に検査装置2にフィクスチャ12を追加して検査能力を増加した検査装置2の外観を示す。
【0027】
図1ではフィクスチャ12は2台であり、被検査機器14を2台検査することができるが、図2ではフィクスチャ12は4台であり、被検査機器14を一度に4台検査することができる。すなわち、フィクスチャ12は図1の2台から図2の4台にその台数を増加させることができる。
【0028】
図3にフィクスチャ12の分解構成を示す。
【0029】
フィクスチャ12は、被検査機器14を測定位置にセットするためのものであり、上昇下降可能なプロービング治具18と、被検査機器14の主たる位置決めを行う下治具20とからなり、被検査機器14を引き込む機能、左右上下から両治具18,20が備えるプローブ先端を被検査機器14に当てる機能を保有している。
【0030】
プロービング治具18の昇降は、図示略のエアシリンダ等を駆動源として行うことができるようにしている。この場合、プロービング治具18を垂直方向に直線移動可能でかつ適正なプローブ接触圧を提供するためエアシリンダのエアー圧を調節するとよい。
【0031】
多品種少量生産に対応するため、プロービング治具18と下治具20とを被検査機器14に対応して別の治具と交換することができるようにしている。フィクスチャ12は、検査装置2の装置本体から着脱交換可能になっている。プロービング治具18はモジュール構造になっており、親治具18aと子治具18bとで構成されている。
【0032】
なお、フィクスチャ12は、上記治具18,2からのプローブ入力に基づいて被検査機器14の認識処理を行い、検査開始時にはパーソナルコンピュータ6に被検査機器14の情報を送信する機能を有する回路部を有することができる。フィクスチャ12には図示略の無線通信手段として無線LANを設け、検査情報信号の通信をパーソナルコンピュータ66と行うようにすることができる。
【0033】
以上の構成を有する検査装置2をさらに詳細すると、検査装置2は、架台22の下段台板24上にパーソナルコンピュータ6が、中段台板26上にリレーボックス8が搭載されている。上段台板28上に2枚の被検査機器搭載板33が並置されている。これら搭載板33上に被検査機器14が搭載されている。この場合、被検査機器14はそれぞれ被検査機器搭載板33上に設置された検査ボックス30内に配置されフィクスチャ12で固定されている。
【0034】
1枚の被検査機器搭載板33上には、1つの下治具ガイドレール32と、この下治具ガイドレール32後部側に設置された1つの検査ボックス30とが設置されている。検査ボックス30内には下治具ガイドレール32でガイドされた下治具20(下フィクスチャ)とプロービング治具18(上フィクスチャ)とが配置されている。下治具20とプロービング治具18とは被検査機器14を固定するフィクスチャ12を構成する。
【0035】
下治具20は4つの支柱35で上下2段に分離した治具板34,36を有し、上段の治具板36上に左右一対のコネクタ38,40(コネクタ40は図面に表れない)が対向配置されている。
【0036】
プロービング治具18は親治具18aと子治具18bとからなり、下治具20上方に配置される。子治具18bは親治具18aの切欠凹所18cに交換可能に収納される。子治具18bは矢印P,Qで示すように別の子治具18b1,18b2と被検査機器に応じて交換可能になっている。子治具18b1,18b2は図中で裏向きで示されていて、その裏面に複数のピン列18d1,18d2が被検査機器14に対応する数で突設されている。
【0037】
ピン列18d1は3列構成であり、ピン列18d2は2列構成になっている。
【0038】
なお、親治具18aとその親治具18aに装着する子治具18b,18b1,18b2の組み合わせが多くなるときに、子治具18b,18b1,18b2の装着ミスが発生する可能性がある。そこで、親治具18aに子治具18b,18b1,18b2を装着したときに親治具18aの抵抗値R0に子治具18b,18b1,18b2それぞれの抵抗値Rx(例えばx=1は子治具18bの抵抗値、x=2は子治具18b1の抵抗値、x=3は子治具18b2の抵抗値)が直列に加わり、合計抵抗値(R0+Rx)の値を識別することにより装着された子治具18b,18b1,18b2の種類を判定することができるようにしてもよい。
【0039】
また、治具の接続等に用いるコネクタに例えばZIFコネクタ等を用いて挿抜操作を容易にすることができる。この場合、治具が完全に装着されたか否かをセンサ等を用いて確認することができるようにしてもよい。
【0040】
図1には2つの検査ボックス30、図2では4つの検査ボックス30が設置されているが、これら検査ボックス30のうち図中左端の検査ボックス30上にのみモニタ4が1つ設置されている。1つの架台22には2台のフィクスチャ12が搭載可能であり、また、架台22は図2で示すように増設することにより、フィクスチャ12を偶数で増設していくことができる。
【0041】
図4に検査装置2のハードウエアの概略構成を示し、図5にリレーボックス8内の詳細を示す。
【0042】
検査装置2は、パーソナルコンピュータ6と、リレーボックス8と、測定器ラック10と、複数のフィクスチャ12とを備える。リレーボックス8内にはリレー制御回路42と、被検査機器14(第1被検査機器141、第2被検査機器142)の信号を切り替えるリレーマトリクス回路44と、が設けられている。リレーマトリクス回路44は、リレー接点群44a,44bとリレー配線44cとを含み、リレー制御回路42の制御を通じてリレー接点群44a,44bが切替接続を制御されることにより、測定器16(電流計161、電圧計162、電力計163等)の切替をすることができるようになっている。
【0043】
リレーマトリクス回路44は複数のポートを有し、いずれのポートを使用しても同様に切り替えることができるようになっていて、複数のフィクスチャ12と接続することができる。
【0044】
フィクスチャ12は被検査機器14に対して上記したようにプローブやコネクタ等により電気的接続を行う。それぞれ1つの測定器に対してパーソナルコンピュータ6が使用状況を監視して同時に信号が重なるときは一方をウェイトさせて競合を回避することができるようになっている。測定器ラック10は電流計、電圧計、電力計等の測定器を含む。
【0045】
パーソナルコンピュータ6は、通信制御機能、測定器制御機能、検査プログラム実行機能、検査結果受取機能、検査結果出力機能、治具制御機能、検査項目管理機能、等を有する。
【0046】
パーソナルコンピュータ6は通信制御機能により図示略の各種検査モジュールを制御し、測定器制御機能により測定器ラック10を制御すると共に該測定器ラック10からの結果を受け取り、配線制御機能によりリレーボックス8を制御し、検査プログラム実行機能により被検査機器14に検査指示を行い、検査結果受取機能によりリレーボックス8から検査結果を送り込ませかつ検査結果出力機能に検査結果を送り、検査結果出力機能により検査結果をファイルや作業者に出力し、治具制御機能によりフィクスチャ12に指示をする。
【0047】
測定器ラック10には電流計161、電圧計162、電力計163、その他各種の測定器16が収納されており、これら測定器16は、パーソナルコンピュータ6により測定動作を制御され、パーソナルコンピュータ6に測定結果を出力する。
【0048】
リレーボックス8は複数の測定器16のいずれをも複数の被検査機器14それぞれに個別に切替接続することが可能な切替接続機能を有しており、パーソナルコンピュータ6によりその切替接続を制御される。フィクスチャ12は被検査機器14の形状を吸収することができる機能と、インタフェースを吸収する機能とを有するとともに、被検査機器14に電気的に導通している。
【0049】
リレーボックス8は、複数の測定器16それぞれの測定信号を複数の被検査機器14にリレーマトリクス回路44内のリレー接点群44a,44bを切替接続して個別に入力することが可能であり、複数の被検査機器14それぞれの測定結果信号を、複数の測定器16それぞれにリレーマトリクス回路44内のリレー接点群44a,44bを切替接続して入力することが可能である。
【0050】
リレーボックス8は、測定器16それぞれと被検査機器14それぞれを切替接続することができる測定器側リレー接点群44aと、被検査機器側リレー接点群44bと、これら両リレー接点群44a、44b間のリレー配線44cとを含む。
【0051】
リレーボックス8はまた、パーソナルコンピュータ6からのリレー制御回路42に対する制御入力により、測定器側リレー接点群44aと、被検査機器側リレー接点群44bとがオンオフを制御されて、測定器16それぞれの測定信号を被検査機器14に入力制御し、また、被検査機器14それぞれの測定結果信号を測定器16それぞれに出力制御するものであり、そのリレー配線44cの具体構成は図に示す通りであり詳細は説明簡略化のため略する。
【0052】
図6ないし図9を参照して検査装置2の検査を説明する。
【0053】
図6に検査フローチャートを示す。また、検査装置2により検査する被検査機器14は第1、第2被検査機器141,142の2つとし、第1被検査機器141の検査テーブルを図7に、第2被検査機器142の検査テーブルを図8に示す。図9に監視プログラムを示す。
【0054】
検査テーブルは「状態」、「検査項目」、「プログラム」、「使用測定器」が記述される。「状態」は、検査プログラムの実行状態を示しており、「Run(実行中)」、「Skip(検査飛ばし)」、「Pass(検査終了)」、「空欄(検査可能)」を表している。
【0055】
図9の監視プログラムは、フィクスチャ番号(検査場所)、被検査機器141,142の型式、実行中のプログラム、使用測定器161−163を監視しており、検査項目のSkip On/Offをする機能がある。
【0056】
図6のフローチャートは、1つの検査装置で2台の第1、第2の被検査機器141,142を実行するフローチャートである。検査を開始すると(n1,n2)、図7、図8の検査テーブルを参照して第1、第2の被検査機器141,142それぞれの検査項目を確認し、全ての検査項目がPass(検査終了)なら検査を終了する(n3,n4)。
【0057】
全ての検査項目がPass(検査終了)ではないが空欄が無い場合は検査実行待ちし(n5,n6)、空欄がある場合は、検査を開始して(状態:Run)、測定器161−163が使用中であることを監視プログラムに伝える(n5,n7,n8,n9)とともに状態をPass(n10)にする。
【0058】
監視プログラムは、未検査項目の中から、その測定器161−163を使用する検査項目がある場合は、その項目をSkip(検査飛ばし)にし、検査が終わると空欄にする。そして、最終的に全ての検査項目がなくなったら検査終了となる。
【0059】
なお、図7、図8で検査項目は電流、電圧、電力、プログラムはA−Dの各プログラム、使用測定器161−163はそれぞれ電流計、電圧計、電力計である。
【0060】
図10に検査工程を示す。
【0061】
この検査工程の説明の理解のため、被検査機器は2台(第1被検査機器141,第2被検査機器142)とし、測定器は3台(電流計161,電圧計162,電力計163)とする。また検査工程数はA,B,C,Dの4つとする。各被検査機器141,142はいずれも4検査A,B,C,Dを実施する。
【0062】
第1検査Aにおいて第1被検査機器141は電流計161を用い、第2被検査機器142は電圧計162を用いる。
【0063】
第2検査Bにおいて第1被検査機器141は電圧計162を用い、第2被検査機器142は電流計161を用いる。
【0064】
第3検査Cにおいて、第1被検査機器141は電流計161、電圧計162を用い、第2被検査機器142は電力計163を用いる。
【0065】
第4検査Dにおいて第1被検査機器141は電力計163を用い、第2被検査機器142は電流計161、電圧計162を用いる。
【0066】
すなわち、実施の形態の検査装置では、上記3つの測定器のうち、電流計161、電圧計162は第1ないし第4検査A−Dのすべてにおいて使用されており、遊休状態はない。また、電力計163は第1、第2検査A,Bでは遊休状態であるが、第3、第4検査C,Dでは使用されている。
【0067】
実施の形態では、第1、第2被検査機器141,142を同一の検査を同時に実行することがないようにして第1ないし第4検査A−Dをすべて実行するが、そのための使用測定器に同一の測定器を2台必要とせず、1つでよい。
【0068】
すなわち、電流計161、電圧計162、電力計163は1つである。これに対して、従来では、第1、第2被検査機器141,142は同一の検査を同時並列に実行していたから、同一の測定器をそれぞれ2台ずつ必要とする。
【0069】
以上から本実施の形態では、測定器の必要数が、従来よりも少なくて済むようになるから、検査設備に要する費用を大幅に低減することができる。本実施の形態の同時並列検査は、プログラム上で、使用しているリソースを常に確認し、検査可能な項目を次々と実行することで、複数の被検査機器14を1つの検査装置2で行うことができる。
【0070】
これに対して従来の検査装置では、生産能力を上げるために測定器を含め、同じ検査装置が2台必要となっている。本実施の形態ではフィクスチャ12のみを複数にして、同じ被検査機器14を同時検査することで、検査能力を向上することができる。プログラム上で、検査可能な検査項目を次々と実行することにより、従来と比較して測定器の稼働率を上げて検査能力を向上させることができる。
【0071】
図11に被検査機器14が同一種類の機器ではなく、他種の被検査機器の場合の検査(混流検査)の場合のリレーボックス8を示し、図12は図11の検査工程を示す。
【0072】
混流検査は、種類の異なる被検査機器14を同時検査することで、検査能力を向上する。図11で被検査機器を説明の都合で第1被検査機器143、第2被検査機器144と称する。
【0073】
この混流検査の場合、第1の被検査機器143と第2の被検査機器144それぞれの検査A,B,Dを行う場合、第1被検査機器143に対して検査Aを電流計161で、第2被検査機器144の検査Bを電力計163で同時に行い、第1被検査機器143に対して検査Bを電圧計162で、第2被検査機器144の検査Dを電流計161で同時に行っている。
【0074】
また、共通して使う電力計161は、交互に使い、その間は他の検査をしているので、非常に効率的な検査となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る検査装置の外観を示す図である。
【図2】図2は検査能力を増加した実施の形態に係る検査装置の外観を示す図である。
【図3】図3は実施の形態の検査装置に用いるフィクスチャの構成を示す図である。
【図4】図4は実施の形態の検査装置のハードウェア構成を示す図である。
【図5】図5は図4のリレーボックスの詳細を示す図である。
【図6】図6は実施の形態の検査装置の動作説明に用いるフローチャートである。
【図7】図7は第1の被検査機器の検査テーブルを示す図である。
【図8】図8は第2の被検査機器の検査テーブルを示す図である。
【図9】図9は監視プログラムを示す図である。
【図10】図10は検査工程を示す図である。
【図11】図11は混流検査を行うリレーボックスの詳細を示す図である。
【図12】図12は図11の検査工程を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
2 検査装置
4 モニタ
6 パーソナルコンピュータ(制御手段)
8 リレーボックス(切替接続手段)
42 リレー制御回路
44 リレーマトリクス回路
44a,44b リレー接点群
44c リレー配線
10 測定器ラック
12 フィクスチャ
14 被検査機器
141 第1被検査機器
142 第2被検査機器
16 測定器
161 電流計(第1測定器)
162 電圧計(第2測定器)
163 電力計(第3測定器)
18 プロービング治具
20 下治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被検査機器に対して複数の測定器からなる測定器セットを用いて項目が異なる複数の検査を実行することができる検査装置であって、
各測定器を各被検査機器に個別に切替接続するための切替接続手段と、
上記切替接続手段の上記切替接続を制御するための制御手段と、
を備え、
上記制御手段により上記切替接続手段の切替接続動作を制御して少なくとも2台の被検査機器それぞれに対して異なる測定器を用いた検査を並列実行することが可能になっている、
ことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
複数の被検査機器に対して複数の測定器からなる測定器セットを用いて項目が異なる複数の検査を実行する検査装置であって、
装置本体に、各測定器を各被検査機器に個別に切替接続するためのリレー接点群と、上記リレー接点群の切替接続動作を制御する制御手段と、を少なくとも備え、さらに、
上記装置本体に着脱可能とされ、上記被検査機器を測定位置にセットするためのフィクスチャ、を備え、
上記制御手段により、上記リレー接点群の切替接続を制御して少なくとも2台の被検査機器それぞれに対して異なる測定器を用いた検査を並列実行する制御を行う、
ことを特徴とする検査装置。
【請求項3】
上記装置本体が、フィクスチャを増設することが可能になっている、ことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
上記装置本体が、フィクスチャを別のフィクスチャと交換可能になっている、ことを特徴とする請求項2または3に記載の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−39452(P2008−39452A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210645(P2006−210645)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】