説明

検索結果調整装置及び検索結果調整方法

【課題】設定済みの検索条件の条件項目の値を上位又は下位の語に変換し、検索対象情報の件数を調整することが可能な検索結果調整装置を提供する。
【解決手段】検索結果の件数が調整された検索条件をユーザに提供する検索結果調整装置10は、検索対象情報の中から検索条件に当てはまる情報を検索結果として抽出する検索部104と、上記検索結果の件数が所定の範囲内であるか否かを判定する検索結果判定部と、上記検索結果判定部が上記検索結果の件数が所定の範囲内でないと判定した場合に、既に設定された上記検索条件の一部の条件項目の値を上位語又は下位語に変換した検索条件である代替条件を生成する代替条件生成部108とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索結果調整装置及び検索結果調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な情報がデータベース化されて提供されている。私たちは、検索サービスを利用することによって、これらの情報の中から所望の情報を手に入れることが出来る。このような検索サービスの利用において、ユーザは、通常、設定した検索条件に基づいてある程度検索対象の情報を絞り込んだ後、目視で情報の内容を確認することにより、所望の情報に到達することが出来る。目視による情報内容の確認は、時間がかかる。そのため、適切な検索条件の設定によって、対象情報の件数を適度な数まで絞り込むことは、効率的な検索を行う上で重要である。また、対象情報の件数が少なすぎる場合にも、所望の情報が含まれている確率が低いため、対象情報は適度な件数に絞り込むことが重要である。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、ユーザが検索条件を一部入力している最中に、追加する他の条件と、他の条件により絞り込んだ場合の対象情報の件数をユーザに提供するナビゲーション装置が開示されている。また、例えば、特許文献2には、検索結果の多寡に応じて検索キーワードの追加、又は、削除を行う検索システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−20042号公報
【特許文献2】特開2002−230037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、一度設定した検索条件については、追加又は削除するだけであって、条件の内容を変更することは出来ないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、設定済みの検索条件の条件項目の値を上位又は下位の語に変換し、検索対象情報の件数を調整することが可能な、新規かつ改良された検索結果調整装置及び検索結果調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、検索結果の件数が調整された検索条件をユーザに提供する検索結果調整装置において、検索対象情報の中から検索条件に当てはまる情報を検索結果として抽出する検索部と、上記検索結果の件数が所定の範囲内であるか否かを判定する検索結果判定部と、上記検索結果判定部が上記検索結果の件数が所定の範囲内でないと判定した場合に、既に設定された上記検索条件の一部の条件項目の値を上位語又は下位語に変換した検索条件である代替条件を生成する代替条件生成部と、を有することを特徴とする検索結果調整装置が提供される。
【0008】
かかる構成によれば、検索結果の件数が所定の範囲内でない場合に単に検索条件項目の削除及び追加ではなく、その値を変換した条件に変更し、検索結果の件数が適度な値の範囲内となる検索条件をユーザに提供することが出来るようになる。これにより、ユーザは、所望の情報に辿り着くことの出来る可能性が高まり、検索サービスの利便性が向上する。
【0009】
また、上記代替条件生成部は、上記検索結果の件数の過多及び過少情報に応じて上位語又は下位語を選択してもよい。
【0010】
また、上記検索部による検索結果のうち、上記検索結果判定部の判定の結果所定の範囲内に収まっていると判定されたものを、上記ユーザに提供する出力結果として選択する出力結果選択部をさらに有してもよい。
【0011】
また、上記ユーザと質問及び回答の送受信による対話により検索条件に関する情報を取得する対話部をさらに有し、上記出力結果選択部は、上記検索条件に関する情報に基づいて上記ユーザに提供する出力結果を選択してもよい。
【0012】
また、上記対話部は、上記検索条件の各条件項目の変更可否情報を取得し、上記出力結果選択部は、上記変更可否情報に基づいて上記ユーザに提供する出力結果を選択してもよい。
【0013】
また、上記条件項目の値を上位語又は下位語に変換するための条件変更用データベースをさらに有してもよい。
【0014】
また、上記代替条件生成部は、上記検索結果判定部が代替条件の検索結果の件数が所定の範囲内でないと判定した場合には、上記代替条件の一部の条件項目の値をさらに上位語又は下位語に変換した代替条件を生成してもよい。
【0015】
また、上記ユーザから検索条件の各条件項目の変更可否情報を取得する対話部をさらに有し、上記代替条件生成部は、上記変更可否情報に基づいて代替条件を生成してもよい。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、検索結果の件数が調整された検索条件をユーザに提供する検索結果調整方法であって、検索対象情報の中から検索条件に当てはまる情報を検索結果として抽出する検索ステップと、上記検索結果の件数が所定の範囲内であるか否かを判定する検索結果判定ステップと、上記検索結果判定部が上記検索結果の件数が所定の範囲内でないと判定した場合に、既に設定された上記検索条件の一部の条件項目の値を上位語又は下位語に変換した検索条件である代替条件を生成する代替条件生成ステップと、を含む検索結果調整方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、設定済みの検索条件の条件項目の値を上位又は下位の語に変換し、検索対象情報の件数を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る検索結果調整装置の機能ブロック図である。
【図2】同実施形態にかかる検索結果一時リストの一例を示す説明図である。
【図3】同実施形態に係る代替条件リストの一例を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係る条件変更用データベースの一例を示す説明図である。
【図5】同実施形態に係る検索結果判定部の動作例を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態に係る代替条件生成部の動作例を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態に係る代替条件選択部の動作例を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態に係る検索結果リストの出力例を示す説明図である。
【図9】同実施形態に係る検索結果リストの他の出力例を示す説明図である。
【図10】同実施形態に係る検索結果リストの他の出力例を示す説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る検索結果調整装置の機能ブロック図である。
【図12】同実施形態に係る検索条件データベースの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
<1.第1の実施形態>
[検索結果調整装置の機能構成]
まず、図1〜4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る検索結果調整装置の機能構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る検索結果調整装置の機能ブロック図である。図2は、検索結果一時リストの一例を示す説明図である。図3は、代替条件リストの一例を示す説明図である。図4は、条件変更用データベースの一例を示す説明図である。
【0021】
本発明の第1の実施形態に係る検索結果調整装置10は、検索条件設定部102、検索部104、検索結果判定部106、代替条件生成部108、代替条件選択部110、出力結果選択部112、出力部114、検索結果一時リスト202、代替条件リスト204、検索対象データベース302、条件変更用データベース304、を主に有する。
【0022】
検索結果調整装置10は、既に設定された検索条件による検索結果の件数が所定の値の範囲内に収まっていない場合に、設定された検索条件の一部の条件項目の値を変更して代替条件を生成し、代替条件による検索を試行して所定の範囲に収めるための条件をユーザに提案する機能を有する。このとき、条件項目の値は数値的又は言葉の意味的に上位語又は下位語に変換される。かかる処理を実行するための検索結果調整装置10の各機能部について、次に説明をする。以下、求人情報検索の場合を例に挙げる。
【0023】
検索条件設定部102は、ユーザ又は代替条件選択部110からの検索条件に関する情報の入力を受付けて所定の形式に成形し、検索部104に検索条件を送信する機能を有する。検索条件は、検索条件項目及びその値、を1又は2以上含むものであってよい。例えば、検索条件項目とは、希望職種、勤務地、年収、などの項目である。そして、その値とは例えば、希望職種の値としては、エンジニア、SE、などの値であってよい。
【0024】
検索部104は、検索条件設定部102から検索条件を受信し、検索対象データベース302に格納された検索対象情報の中から、検索条件に当てはまる情報を検索結果として抽出する機能を有する。また、検索部104は、検索結果を検索結果判定部106に送信する。
【0025】
検索対象データベース302は、検索対象となるデータを格納するデータベースである。本実施形態においては、検索対象データベース302は、検索結果調整装置10が内部に有するものとしたが、かかる構成に限られない。検索対象データベース302は、外部のデータベースであってもよい。
【0026】
検索結果判定部106は、検索部104から受信した検索結果の件数が、別途設定された所定の件数の範囲内に収まっているか否かを判定する機能を有する。検索結果判定部106は、判定の後、その時点の検索条件、検索結果件数、件数の判定結果、及び検索結果詳細情報を検索結果一時リスト202に追加保存する。判定結果がOKの場合には、検索結果判定部106は、代替条件選択部110にその旨を通知する。一方、判定結果がNGである場合には、検索結果判定部106は、その時点の検索条件、及び、検索結果件数の過多過少情報を含む判定結果を代替条件生成部108に送信する。
【0027】
検索結果一時リスト202は、検索結果を一時的に保存しておくためのリストである。検索結果一時リスト202は、検索結果判定部106によってデータが追加されていき、消去の指示があるまで保持される。また、検索結果一時リスト202は、出力結果選択部112から参照される。
【0028】
ここで、検索結果一時リスト202の一例を図2に示す。図2を参照すると、検索結果一時リスト202は、検索条件ID2021、検索条件内容2022、検索結果件数2023、判定結果2024、及び、結果詳細2025を主に含む。検索条件ID2021は、検索条件を一意に識別するIDである。検索条件内容2022は、検索条件の内容を示す。例えば、検索条件内容2022は、図2に示すように検索条件項目とその値のリストであってもよい。検索結果件数2023は、検索条件内容2022を条件として検索部104が検索を実行した検索結果の件数である。判定結果2024は、検索結果判定部106によって検索結果件数2023が所定の件数の範囲内であるか否かを判定した判定結果である。結果詳細2025は、検索条件内容2022を検索条件とした場合の検索結果の詳細情報である。例えば、結果詳細2025は、検索対象情報を一意に識別するIDのリストであってもよい。本実施形態においては、結果詳細2025は、求人票の情報を一意に識別する求人票IDのリストである。
【0029】
代替条件リスト204は、代替条件生成部108により生成された代替条件のデータを記憶するためのリストである。代替条件リストは、また、代替条件選択部110から参照される。
【0030】
ここで、代替条件リスト204の一例を図3に示す。図3を参照すると、代替条件リスト204は、代替条件ID2041、第1条件項目2042、第2条件項目2043、第3条件項目2044、変更条件項目2045、元条件の検索結果件数2046、フラグ2047を主に含む。尚、ここで条件項目は第1〜第3条件項目の3つであるとしたが、当然これに限られない。設定された条件項目の数に応じた項目を設けることが出来る。代替条件ID2041は、代替条件を一意に識別するために付与されたIDである。第1〜第3条件項目2042〜2044は、検索条件の項目とその値を示す。変更条件項目2045は、第1〜第3条件項目2042〜2044のうち、値を変更した条件項目の番号を示す。元条件の検索結果件数2046は、変更を加える前の検索条件における検索結果件数の過多及び過少情報である。フラグ2047は、各代替条件に対する処理の状況を示すフラグである。例えば、代替条件選択部110によって、代替条件が選択された際に、「処理中」フラグが付与される。また、代替条件選択部110における処理の初めに、「処理中」フラグが存在する場合には、その代替条件の検索結果件数が所定の範囲内に調整された、又は、これ以上調整が不可能であることを示しているので、代替条件選択部110によって「終了」フラグに書き換えられる。また、まだその代替条件に対して処理が実行されていない場合には、その代替条件のフラグの欄は空である。
【0031】
条件変更用データベース304は、検索条件の上位下位関係に関するデータを記憶するデータベースである。条件変更用データベース304は、代替条件生成部108から参照される。
【0032】
ここで、条件変更用データベース304の一例を図4に示す。条件変更用データベース304は、数値的、又は言葉の意味的に上位下位の階層関係にある語をその階層関係と共に記憶する。例えば、検索条件項目の値に対して、その値よりも、検索条件として厳しくなる語が下位語と定義される。一方、検索条件として緩くなる語が上位語と定義される。図4の例においては、例えばエンジニアの上位語は技術職であり、エンジニアの下位語はSEである。即ち、図4に示す条件変更用データベース304においては、表の左にいくほど上位語であり、表の右にいくほど下位語である。
【0033】
このように、意味的な上下関係を持つデータをシソーラス又はオントロジーと呼んだりすることがある。ここでいう条件変更用データベースのうち、意味的な上位下位を示す部分については、既存のシソーラスやオントロジーを本装置で利用可能な形式に変更して用いてもよい。
【0034】
代替条件生成部108は、検索結果判定部106が検索結果の件数が所定の範囲内でないと判定した場合に、既に設定された検索条件の一部の条件項目の値を上位語又は下位語に変換した検索条件である代替条件を生成する機能を有する。代替条件生成部108は、検索結果判定部106からその時点における検索条件、及び、検索結果件数の過多過少情報を含む判定結果を受信し、受信した検索条件及び判定結果に基づいて代替条件を生成する。代替条件生成部108は、代替条件生成において条件変更用データベース304を参照し、件数の過多・過少情報の別に応じて、条件を厳しくする又は条件を緩めることの出来る新たな条件を生成する。
【0035】
代替条件生成部108が受信した検索条件が初期条件である場合には、代替条件リスト204は何もデータが保存されていない空のリストである。そこで、代替条件生成部108は、代替条件リスト204が空のリストである場合には、その時点の検索条件及び検索結果件数の過多過少情報に基づいて代替条件を生成する。例えば、検索結果件数が過多であった場合には、代替条件生成部108は、その時点の検索条件に含まれる条件項目の1つを厳しくする下位語に変換することにより代替条件を生成してもよい。代替条件生成部108は、条件項目それぞれについて変換を行った代替条件を生成することにより可能な限りのパターンの代替条件を生成する。
【0036】
また、代替条件生成部108が受信した検索条件が代替条件である場合には、代替条件リスト204には既にデータが存在している。そこで、代替条件生成部108は、代替条件リスト204にデータが存在している場合には、受信した検索条件を検索結果件数の過多過少情報に基づいて条件を厳しくする方向、あるいは、緩くする方向に変更を加えることが出来るか否か試みる。代替条件に変更を加えることが出来た場合には、代替条件リスト204のフラグ2047が「処理中」となっている代替条件を、変更を加えて生成した代替条件に差し替える。
【0037】
代替条件選択部110は、代替条件リスト204に登録された代替条件に対する処理が全て終了したか否かを判定し、全て終了している場合には、終了した旨を通知する信号を送信し、未処理の代替条件がある場合には、次に処理する代替条件を選択して選択した代替条件を検索条件設定部102に送信する機能を有する。具体的には、代替条件選択部110は、検索結果判定部106から検索結果の件数が所定の範囲内に適合した情報を受信した場合、又は、代替条件生成部108から処理終了の信号を受信した場合に、代替条件リスト204の中身を確認し、代替条件リスト204の代替条件が全て処理済であった場合には、出力結果選択部112に対して、ユーザに出力すべき出力結果を選択するよう支持する信号を送信する。そして、代替条件リスト204に未処理の代替条件が存在している場合には、代替条件選択部110は、代替条件リスト204の未処理の代替条件のうち、先頭のものを取得して、検索条件設定部102に送信する。
【0038】
出力結果選択部112は、代替条件選択部110から指示信号を受信した場合に、検索結果一時リスト202に保持されているデータから所定の方法でユーザに出力すべき検索結果を選び出し、選択した検索結果の全てを出力部114に送信する。一連の処理が終了すると、出力結果選択部112は、検索結果一時リスト202のデータを消去する。
【0039】
出力部114は、出力結果選択部112から検索結果データを受け取り、ユーザに対して画面などのインタフェースで出力させる機能を有する。
【0040】
以上、検索結果調整装置10の各機能部の機能について説明をした。ここで、検索条件設定部102、検索部104、検索結果判定部106、代替条件生成部108、代替条件選択部110、出力結果選択部112、及び出力部114の各機能は、例えば、実際には、CPU(図示せず)が、上述した各機能部の機能及び次にフローチャートを用いて説明する各機能部の処理手順を記述した制御プログラムを記憶したROM又はRAMなどの記憶媒体(いずれも図示せず)から制御プログラムを読み出し、そのプログラムを解釈して実行することにより達成されてよい。
【0041】
また、検索結果一時リスト202、及び代替条件リスト204は、例えばRAMなどのメモリ媒体を含む記憶装置に記憶されるリストとして実現されてもよい。また、検索対象データベース302及び条件変更用データベース304は、実際には検索結果調整装置10内部に保有するデータベースであってもよく、ネットワークを介して接続された外部装置のデータベースであってもよい。
【0042】
[検索結果調整装置の動作]
次に、図5〜図7に示すフローチャートを用いて、検索結果調整装置10の動作について説明する。図5は、検索結果判定部の動作例を示すフローチャートである。図6は、代替条件生成部の動作例を示すフローチャートである。図7は、代替条件選択部の動作例を示すフローチャートである。
【0043】
(検索結果判定部106の動作)
初めに、図5を参照して検索結果判定部106の動作について説明する。まず、検索結果判定部106が、検索部104から検索条件、検索結果、及び検索結果件数を受信すると(S102)、検索結果判定部106は、受信した検索結果件数が所定の範囲内であるか否かを判定する(S104)。ここで、所定の件数の範囲は、例えば「5件から25件」といったように、下限件数と上限件数により指定される。この下限件数と上限件数とは、検索結果調整装置10外部から何らかのインタフェースにより設定できるようになっていてもよい。また、検索結果判定部106は、検索結果件数が所定の範囲内であるか否かを判定すると共に、検索結果件数が所定の範囲内でなかった場合には、検索結果件数が上限件数よりも多い場合には「件数過多」、検索結果件数が下限件数よりも少ない場合には「件数過少」であるという区別の情報もこのステップS104において取得する。
【0044】
次に、検索結果判定部106は、検索条件、検索結果、検索結果件数、及び、判定結果を検索結果一時リスト202に記憶する(S106)。すでにリストに結果が記憶されている場合には、検索結果判定部106は、既存のデータと区別可能となるようにデータを追加する。例えば、検索結果判定部106は、検索条件にIDを付与してもよい。図2の検索結果一時リスト202を参照すると、結果詳細2025には、求人票のID番号が列挙されているが、これに限られない。それぞれの検索対象を記録することが出来ればどのような形式であってもよい。ここで、検索結果一時リスト202には、検索結果件数が所定の範囲内と判定されたものだけでなく、件数が過多及び過少と判定されたものも全て記憶される。ユーザに検索結果を出力する際には、出力結果選択部112が選別して出力する。
【0045】
その後、検索結果判定部106は、判定結果がOKであるか否かを確認する(S108)。ステップS108の確認の結果、OKであった場合には、検索結果判定部106は、代替条件選択部110に判定結果を送信して処理を終了する(S110)。また、一方、ステップS108において判定結果がOKでなかった場合には、検索結果判定部106は、その時点における検索条件と、件数の過多及び過少情報を代替条件生成部108に送信して処理を終了する(S112)。
【0046】
(代替条件生成部108の動作)
次に、図6を用いて代替条件生成部108の動作について説明する。まず、代替条件生成部108は、検索結果判定部106からその時点で処理中の検索条件、検索結果件数の過多及び過少情報を受信する(S202)。例えば、その時点において処理中の検索条件が「希望職種:SE、勤務地:東京都港区、年収:800万円以上」であるとする。ここで「希望職種」「勤務地」「年収」を条件項目といい、「SE」「東京都港区」「800万円以上」を条件項目の値ということにする。
【0047】
次に、代替条件生成部108は、代替条件リスト204を参照して、代替条件リスト204が空であるか、既にデータが記憶されているかを確認する(S204)。
【0048】
ステップS204において代替条件リスト204が空であった場合には、代替条件生成部108は、受信した検索条件に対して生成可能な全ての代替条件を作成する必要がある。そのために、まず、代替条件生成部108は、変更対象となる条件項目を一つずつ変えていくことにより、どの条件項目を変更するかのパターンを全てリストアップする(S206)。例えば、上記の例を用いると、考えられる条件パターンは希望職種のみを変更、勤務地のみを変更、年収のみを変更、希望職種と勤務地を変更、希望職種と年収を変更、勤務地と年収を変更、そして、希望職種と勤務地と年収の全てを変更、の6パターンである。これらのパターンが、代替条件の候補となる。
【0049】
次に、代替条件生成部108は、ステップS206において作成した代替条件の候補のひとつひとつに対して、条件変更用データベース304を参照して変更対象となる条件項目の値を求めて代替条件を作成する(S208)。このとき、代替条件生成部108は、検索結果件数の過多及び過少情報に応じて具体的な値を求める。
【0050】
ここで、代替条件生成部108が、代替条件の候補に対して条件変更用データベース304を参照して代替条件を作成する方法について、具体例を用いて説明する。現時点における検索条件が「希望職種:SE、勤務地:東京都港区、年収:800万円以上」である場合において、「希望職種のみ変更」の条件パターンについては、代替条件生成部108は、現在の希望職種の値である「SE」で条件変更用データベース304を参照する。
【0051】
ここで、条件変更用データベース304の一例である図4を参照する。既に説明した通り、条件変更用データベース304においては、表の左にいくほど上位語であり、表の右にいくほど下位語である。例えば現時点における検索条件の検索結果件数が過少である場合には、検索条件を緩める必要がある。そこで、代替条件生成部108は、条件項目の値を上位語に変換する。例えば、「SE」に対する上位語は「エンジニア」であることがわかるため、「SE」を「エンジニア」に変換して、「希望職種:エンジニア、勤務地:東京都港区、年収:800万円以上」である代替条件を生成する。尚、参照した語が最上位階層の語であるために、上位語が取得できない場合には、条件項目の値を削除してもよい。この場合には、その条件項目は最も緩い条件である「制限なし」に設定されたことになる。
【0052】
一方、現時点における検索条件の検索結果件数が過多である場合には、検索条件を厳しくする必要がある。そこで、代替条件生成部108は、条件項目の値を下位語に変換する。例えば、「SE」に対する下位語は「データベース系SE」及び「制御系SE」であることがわかるため、代替条件生成部108は、「SE」を「データベース系SE」に変換した「希望職種:データベース系SE、勤務地:東京都港区、年収:800万円以上」である代替条件、及び、「SE」を「制御系SE」に変換した「希望職種:制御系SE、勤務地:東京都港区、年収:800万円以上」である代替条件を生成する。ここで示したように、代替条件生成部108は、複数の下位語が取得できた場合には、その取得した数だけ代替条件を生成する。
【0053】
以上、「希望職種のみを変更」という条件パターンについて、具体例を挙げてステップS208の処理を説明した。他のパターンについても、同様に条件変更用データベースを参照して値を決めていく。
【0054】
そして、代替条件生成部108は、代替条件リスト204に生成した全ての代替条件を登録して、代替条件選択部110に処理が終了したことを通知する信号を送信し、処理を終了する(S210)。
【0055】
一方、ステップS204の判断において、代替条件生成部108が代替条件リスト204に既に条件が記憶されており空ではないことを確認した場合について説明する。この場合、その時点で対象とされている検索条件は、代替条件の一つであることがわかる。さらに、代替条件生成部108に処理が回ってくるのは、検索結果判定部106において件数が所定の範囲内でなかった場合である。このため、初期条件の検索結果件数の過多及び過少の別に応じて調整した代替条件について、検索結果の判定を行ったが未だ所定の範囲内に収まらなかった場合であることがわかる。
【0056】
そこで、まず、代替条件生成部108は、代替条件リスト204で処理中のフラグが立っている代替条件のデータを確認する(S212)。図3の例を参照すると、現在処理中である代替条件は、代替条件IDが「4」の「希望職種:エンジニア、勤務地:東京都、年収:800万円以上」の条件であり、この条件は元の条件から第1条件項目である希望職種の値、及び、第2条件項目である勤務地の値を変更した条件であること、元条件の検索結果件数は過少であったことがわかる。
【0057】
そこで、代替条件生成部108は、受信した過多過少情報が、処理中の検索条件に付帯して記載された元条件の検索結果件数2046の過多過少情報と一致しているか否かを確認する(S214)。
【0058】
ステップS214の判定において、過多過少情報が一致しない場合には、例えば、過少であったため条件を緩める方向に変換したら、効果がありすぎて今度は過多になってしまった、というような場合を示している。しかし、本実施形態において、条件の変更方法は、条件変更用データベース304の階層を最小単位である一階層だけ動かすという方法であるため、これ以上の調整をすることは不可能であることがわかる。そのため、ステップS214において過多過少情報が一致しない場合には、代替条件生成部108は、処理を終了する。
【0059】
そして、ステップS214の判定において、過多過少情報が一致している場合には、元の条件の変更度合いがまだ足りなかったことを意味している。そのため、処理中の代替条件について、変更対象の条件項目の値を、もう一階層上位又は下位の語に変換した条件を作成する(S216)。
【0060】
最後に、代替条件生成部108は、作成した代替条件を、処理中のフラグが立っている代替条件に上書きして、さらに処理中のフラグを削除する。そして、代替条件生成部108は、代替条件選択部110に処理が終了したことを通知する信号を送信し、処理を終了する(S218)。
【0061】
(代替条件選択部110の動作)
次に、代替条件選択部110の動作について図7を用いて説明する。まず、代替条件選択部110は、検索結果判定部106又は代替条件生成部108から処理が終了したことを通知する信号を受信する(S302)と、代替条件リスト204を参照して、フラグが処理中となっているデータがあれば、それを終了に書き換える(S304)。検索結果判定部106が代替条件について判定処理を実行した場合において、判定の結果所定の範囲内に入っていた場合、及び、代替条件生成部108が、処理中の代替条件についてそれ以上条件の変更を加えることが出来なかった場合に、ステップS304のタイミングで処理中のフラグが立っていることになる。処理中フラグがない場合には特に処理は行わない。
【0062】
そして、次に代替条件リスト204中にまだフラグが付与されていない代替条件、つまり、未処理の代替条件があるか否かを確認する(S306)。ステップS306の判定において、全ての代替条件にフラグが付与されている場合には、全ての代替条件について処理が終了したということである。そのため、代替条件リスト204の中身を全て消去した後、出力結果選択部112にユーザに提供する結果を選択する処理を実行することを命じる信号を送信し、処理を終了する(S308)。
【0063】
一方、ステップS306の判定において、まだフラグの付与されていない代替条件がある場合には、それらの代替条件のうち、代替条件リスト204中最先のものを1つ取得し、処理中フラグを付与する(S310)。そして、取得した代替条件を検索条件設定部102に送信して処理を終了する(S312)。
【0064】
(出力結果選択部112の動作)
代替条件選択部110が出力結果選択部112に命令信号を送信した時点において、それまでに設定された全ての条件での検索結果が検索結果一時リスト202に記憶されている。そこで、出力結果選択部110は、検索結果一時リスト202に記憶された条件及び結果のうち、どれをユーザに提供するために出力部114に送信するかを選択する。
【0065】
出力結果選択部112は、まず、検索結果一時リスト202の判定結果2024の欄を参照して、判定結果が所定の数値範囲内であるものを識別して提供する検索結果として選択する。出力結果選択部112は、その他、装置全体及び他の装置との兼ね合いなどの条件に従って、適宜選択基準を設けてそれに従い出力結果を選択する。
【0066】
例えば、出力結果選択部112は、検索結果件数で並べ替えて上位いくつかの条件のものだけを送信するようにしてもよい。出力結果選択部112は、出力結果を選択して出力部114に送信した後に、検索結果一時リスト202の内容を全て消去する。
【0067】
(出力部114の動作)
出力部114は、出力結果選択部112から受信した情報に基づいて、ユーザに提供する検索結果を、所定の形式に整えてユーザに提供するために表示させる。
【0068】
ここで、出力部114の出力例について、図8〜図10を用いて説明する。図8〜図10は、検索結果リストの出力例を示す説明図である。
【0069】
例えば、図8に示した出力例1100は、一覧表として検索結果リストを出力する例である。例えば、検索条件は比較がしやすいように条件項目毎に各列に表示するようにしてもよい。また、例えば、初期条件から変更した部分だけを強調表示するようにしてもよい。また、該当求人票1114の欄には、求人票へのリンクを貼り、クリックすることで求人票情報が参照できるようにしてもよい。このとき、求人票のデータを保有するデータベースから、求人票の会社名を取得して、会社名を表示するようにしてもよい。ユーザが選択しやすいように各種の表示方法が考えられる。また、図8の例では、検索結果件数が多い順にソートされた表示方法について示したが、これに限られない。出力部114は、他の基準に従ってソートしたデータを表示するようにしてもよい。
【0070】
また、例えば、図9に示した出力例1200は、文章テンプレートを利用して結果を文章で出力する例である。例えば、初期条件テンプレート、代替条件テンプレート、結びテンプレートの3種類のテンプレートを用いて文章を作成する場合について考える。例えば、初期条件テンプレートが「職種は[職種名]、[勤務地名]勤務、年収[年収額]、とのご希望でしたが、その条件では求人が[あまり見つかりませんでした/多すぎました]ので、違う条件でも検索してみました。例えば、」であるとする。そして、代替条件テンプレートが、「職種は[職種名]、[勤務地名]勤務、年収[年収額]、で検索しますと、[検索結果件数]件の求人がございます。」であり、結びテンプレートが「求人の詳細をご覧になるには、上記求人件数のリンクをクリックしてください。」であるとする。
【0071】
このテンプレートを用いて作成した文章の例が図9に示される。初期条件及び代替条件テンプレートに対応する条件項目の値を挿入して文章を作成する。出力例1200は、初期条件テンプレートから作成された文章1202、代替条件テンプレートを用いて作成された文章1204〜1208、及び、結びテンプレートを用いて作成された文章1210を含む。代替条件の数だけ、代替条件テンプレートを用いた文章作成は繰り返される。この場合に、出力方法としては、画面に文章を表示するものであってもよいし、作成された文章を音声にて読み上げる形式であってもよい。
【0072】
また、例えば、図10に示した出力例1300は、さらに対話インタフェースを用いてユーザからの承諾を得たものだけを表示する例を示したものである。まず、初期条件から作成された文章1302を表示し、ユーザからの回答を受け付ける。そして、「はい」という回答を例えばキーボード入力、音声入力などで受け付けると、代替条件のひとつ1304を表示させる。そして、表示した代替条件による検索結果の表示を望むか否かに対するユーザの回答を受付け、望まない場合には、次の代替条件1306を表示する。そして、表示した代替条件による検索結果の表示を望むか否かに対するユーザの回答を再び受付け、ユーザが表示を望む場合には、検索結果1308を表示する。ここでは、検索結果1308は、求人票番号と会社名を表示し、詳細はリンク先に表示することとした。
【0073】
以上のように各機能部が機能することにより、例えば、ユーザが入力した初期条件による検索結果の件数が所定の範囲内であった場合には、検索結果調整装置10は、代替条件を作成することなく、ユーザに結果を提供する。また、ユーザが入力した初期条件による検索結果の件数が所定の範囲内でなかった場合には、検索結果調整装置10は、作成できる限りのパターンの代替条件を作成し、そのひとつひとつの代替条件に対して、検索結果の件数が所定の範囲内になるまで、又は、それ以上の調整が不可能となるまで代替条件に変更を加えて調整をする。
【0074】
[効果の例]
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る検索結果調整装置10によれば、最初の検索条件で検索した結果が所定の値の範囲内に収まっていない場合に、ユーザが特に指示をしなくても、より所定の件数に近い結果を出力することの出来る条件変更例をユーザに対して提供することが出来る。ユーザは、提供された条件を見て、「この条件であれば変更してもよいな」と思うことの出来る代替条件を選択することによって、所定の検索結果件数により近い検索条件を容易に見つけ出すことが出来る。
【0075】
特に、従来のように検索条件の追加及び削除しかできない装置においては、条件を削除したり追加したり、ユーザが試行錯誤することによって所望の検索結果件数の条件を見つけ出していた。しかし、本実施形態に係る検索結果調整装置10によれば、所望の検索結果件数を得ることが出来る条件の候補を自動的にユーザに示す。特に、検索結果件数が少なすぎる場合の結果調整については、従来あまり考慮されないでいた。本実施形態に係る検索結果調整装置は、検索結果件数が過少である場合も、所定の範囲内に収まる条件を提供する。
【0076】
<第2の実施形態>
[検索結果調整装置の機能構成]
次に、図11を参照して、本発明の第2の実施形態に係る検索結果調整装置の機能構成について説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る検索結果調整装置の機能ブロック図である。
【0077】
本発明の第2の実施形態に係る検索結果調整装置20は、検索条件設定部102、検索部104、検索結果判定部106、代替条件生成部108、代替条件選択部110、出力結果選択部112、出力部114、対話部116、検索条件選択部118、検索結果一時リスト202、代替条件リスト204、検索対象データベース302、条件変更用データベース304、検索条件データベース306、を主に有する。
【0078】
検索結果調整装置20は、本発明の第1の実施形態に係る検索結果調整装置10と比べると、対話部116、検索条件選択部118、及び検索条件データベース306をさらに有する。以下、第1の実施形態との差異部分についてのみ説明する。
【0079】
検索条件設定部102は、検索条件選択部118から検索条件を受け取る点において第1の実施形態に係る検索結果調整装置10と異なる。その他の動作などについては同様であるため、説明は省略する。
【0080】
出力結果選択部112は、出力結果を選択するに当たり、検索条件データベース306のデータを参照する点において第1の実施形態に係る検索結果調整装置10と異なる。
【0081】
対話部116は、ユーザと対話処理を実行し、その中で得られた検索条件に関する情報を検索条件データベース306に書き込む機能を有する。
【0082】
検索条件データベース306は、対話部116によって取得された検索条件に関する情報を記憶するデータベースである。また、検索条件データベース306は、検索条件選択部118及び出力結果選択部112によって参照される。
【0083】
検索条件選択部118は、検索指示の入力を受け取ると、その時点での検索条件データベース306の情報を読取って検索条件を選択し、それらの条件を検索条件設定部102に送信する機能を有する。
【0084】
[検索結果調整装置20の動作]
次に、検索結果調整装置20の動作について図11及び図12を参照して説明する。図12は、検索条件データベース306の一例を示す説明図である。以下、動作についても、第1の実施形態と同様である箇所については説明を省略する。
【0085】
(対話部116の動作)
対話部116は、ユーザに対して一連の質問をし、それに対するユーザの回答を解析することによって、検索条件に関する情報を検索条件データベース306に記憶する機能を有する。
【0086】
対話部116は、検索条件に関する情報を取得するための質問をユーザに提供する。そして、それに対してユーザは各種の方法で回答を検索結果調整装置20に入力する。例えば、対話部116は、予め質問に対する回答の選択肢を準備しておき、選択式でユーザの回答を受け付けてもよい。また、対話部116は、キーボード、又は音声入力などの入力方法によって、自由入力でユーザの回答を受け付けてもよい。その場合には、対話部116は、自然言語処理技術を用いてユーザの回答を解析する。
【0087】
次に、対話部116が、ユーザの自由入力による回答を受け付ける例を挙げて、どのような情報が検索条件データベース306に記憶されるかについて、説明する。
【0088】
(対話例)
1001:対話部「希望職種は何ですか?」
1002:ユーザ「できればSEを続けたいです。」
1003:対話部「勤務地はどこがいいですか?」
1004:ユーザ「家庭の事情があるので、勤務地はどうしても東京都港区でないと困ります。」
1005:対話部「年収はどれくらいを希望しますか?」
1006:ユーザ「800万円以上あれば理想ですが、あまりこだわりません。」
【0089】
上記のような対話が行われた場合の対話部116における解析について説明する。例えば、1001の問いに対する回答1002から「SE」という職種名がキーワードとして拾える。そこで、図12を参照すると、対話部116は、検索条件データベース306に条件項目3061「希望職種」、値3062「SE」というデータを記憶することが出来る。このとき、回答1002には「できれば」という表現が使われているため、変更が全く不可能ではないということがわかる。そこで、対話部116は、このデータに対して変更可否3064「0.4」を書き込む。ここで、変更可否の度合いは0から1の数値をとることにする。値が0である場合には、その条件項目の値が変更不可であることを示し、変更可否の値が1である場合には、その条件項目の値が変更可能であることを示す。対話部116は、ユーザの回答に含まれる表現からこの変更可否の値を判断して検索条件データベース306に記憶することが出来る。
【0090】
次に、質問1003で勤務地の希望を聞く質問に対して、対話部116は、回答1004から「東京都港区」という地名がキーワードとして拾うことが出来る。このとき、対話部116は、「どうしても〜でないと困ります」という回答1004中の表現から、強い変更拒否があると判断して、変更可否の度合いに0の値を設定する。
【0091】
同様に、対話部116は、質問1005及び回答1006から、「800万円以上」と「あまりこだわりません」をキーワードとして取得し、データを検索条件データベース306に記憶する。
【0092】
尚、図12に示した検索条件データベース306には重要度3063の欄が設けられている。この値は、検索条件選択部118がどの条件項目を用いるかを決定するために使用されることを想定している。重要度3063は、デフォルト値が設定されていてもよい。また、重要度3063は、ユーザとの対話の内容から取得される値であってもよい。
【0093】
例えば、重要度3063は、「検索時に希望職種を重視しますか?」という問いに対する回答から設定されてもよい。また、この重要度3063は必ずしも必須の項目ではない。重要度3063は、変更可否の度合いと相関関係を示す可能性も高いため、変更可否3064の値で代用することも可能である。
【0094】
(検索条件選択部118の動作)
検索条件選択部118は、検索条件データベース306を参照し、検索条件データベース306中の値をいくつか選択して検索条件に関する情報として、検索条件設定部102に送信する。ここで、選択基準としては、例えば、上記の重要度が所定の値以上のものをすべて選択する方法、及び、さらにデータを重要度の順に並べ替え、重要度が所定の閾値以上であり、かつ、その中で上位のものから所定の数選択する方法など様々な基準が考えられる。
【0095】
(出力結果選択部112の動作)
検索結果一時リスト202には、ユーザが変更を希望しない条件項目の値が変更された場合の結果も含まれている。そのため出力結果選択部112は、そのような結果を排除する、又は、優先度を下げる処理を実行する。例えば、具体的には、検索条件データベース306の条件項目と値をペアにしたものを条件として、検索結果一時リスト202の検索条件内容の中で一致するものを抽出し、変更可否の度合いに応じて検索結果を並べ替えてもよい。変更可否度合いが0のものは、ここで削除してもよいし、最末尾にデータを移動させて保持したままであってもよい。
【0096】
[効果の例]
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る検索結果調整装置20によれば、ユーザが条件項目の値の変更を望んでいない場合には、ユーザの意向を汲んだ検索結果を優先的に表示することが出来るようになる。従って、ユーザが所望の検索結果に到達する可能性を高めることが出来るようになる。
【0097】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0098】
例えば、上記実施形態では、検索条件変更の際に、条件変更用データベース304を必ず参照することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、条件項目の値が数値である場合には、条件変更用データベース304を参照せずに別途数値的に処理するようにしてもよい。
【0099】
また、例えば、上記第2の実施形態においては、出力結果選択部112が変更可否情報を参照して出力する検索結果を調整するものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、代替条件生成部108が検索条件データベース306に格納された変更可否情報を参照して、当該変更可否情報の度合いに基づいて代替条件を生成してもよい。例えば、代替条件生成部108は、変更可否の度合いが0である条件項目に対しては変更を加えないよう制御して代替条件を生成してもよい。かかる構成により、ユーザが変更を望まない条件項目を変更した代替条件は生成されないため、不要な代替条件の検索処理を省くことが出来、処理全体にかかる時間を短縮することが出来るという効果がある。
【0100】
尚、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0101】
10,20 検索結果調整装置
102 検索条件設定部
104 検索部
106 検索結果判定部
108 代替条件生成部
110 代替条件選択部
112 出力結果選択部
114 出力部
116 対話部
118 検索条件選択部
202 検索結果一時リスト
204 代替条件リスト
302 検索対象データベース
304 条件変更用データベース
306 検索条件データベース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索結果の件数が調整された検索条件をユーザに提供する検索結果調整装置において、
検索対象情報の中から検索条件に当てはまる情報を検索結果として抽出する検索部と、
前記検索結果の件数が所定の範囲内であるか否かを判定する検索結果判定部と、
前記検索結果判定部が前記検索結果の件数が所定の範囲内でないと判定した場合に、既に設定された前記検索条件の一部の条件項目の値を上位語又は下位語に変換した検索条件である代替条件を生成する代替条件生成部と、
を備えることを特徴とする検索結果調整装置。
【請求項2】
前記代替条件生成部は、前記検索結果の件数の過多及び過少情報に応じて上位語又は下位語を選択することを特徴とする、請求項1または2に記載の検索結果調整装置。
【請求項3】
前記検索部による検索結果のうち、前記検索結果判定部の判定の結果所定の範囲内に収まっていると判定されたものを、前記ユーザに提供する出力結果として選択する出力結果選択部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の検索結果調整装置。
【請求項4】
前記ユーザと質問及び回答の送受信による対話により検索条件に関する情報を取得する対話部をさらに備え、
前記出力結果選択部は、前記検索条件に関する情報に基づいて前記ユーザに提供する出力結果を選択することを特徴とする、請求項3に記載の検索結果調整装置。
【請求項5】
前記対話部は、前記検索条件の各条件項目の変更可否情報を取得し、
前記出力結果選択部は、前記変更可否情報に基づいて前記ユーザに提供する出力結果を選択することを特徴とする、請求項4に記載の検索結果調整装置。
【請求項6】
前記条件項目の値を上位語又は下位語に変換するための条件変更用データベースをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の検索結果調整装置。
【請求項7】
前記代替条件生成部は、前記検索結果判定部が代替条件の検索結果の件数が所定の範囲内でないと判定した場合には、前記代替条件の一部の条件項目の値をさらに上位語又は下位語に変換した代替条件を生成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の検索結果調整装置。
【請求項8】
前記ユーザから検索条件の各条件項目の変更可否情報を取得する対話部をさらに備え、
前記代替条件生成部は、前記変更可否情報に基づいて代替条件を生成することを特徴とする、請求項1に記載の検索結果調整装置。
【請求項9】
検索結果の件数が調整された検索条件をユーザに提供する検索結果調整方法であって、
検索対象情報の中から検索条件に当てはまる情報を検索結果として抽出する検索ステップと、
前記検索結果の件数が所定の範囲内であるか否かを判定する検索結果判定ステップと、
前記検索結果判定部が前記検索結果の件数が所定の範囲内でないと判定した場合に、既に設定された前記検索条件の一部の条件項目の値を上位語又は下位語に変換した検索条件である代替条件を生成する代替条件生成ステップと、を含む検索結果調整方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−76364(P2011−76364A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227071(P2009−227071)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度経済産業省情報大航海プロジェクト「モデルサービスの開発と実証」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】