横架型トレイ
【課題】 収納する品物の高さに合わせて設置高さを変更可能にし、引き出し内にデッドスペースを生じさせることなく、効率良く柔軟に収納でき、またトレイの下側を含めて、引き出し等の底の全面に背の高い品物を収納でき、品物の高さの違いで収納を不便にしたり、収納作業に支障を来たすことを防止する。
【解決手段】 引き出し類１の平行一対状の支持部２に引っ掛けて支持部２に横架状に設置する。支持部２に引っ掛けるための引っ掛け箇所４を有する取り付け具３を、両側板５に高さを違え、且つ左右方向のスライド動作で嵌合して着脱自在に設ける。本発明は、取り付け具３の背面に、左右方向に延ばして蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂとを少なくとも１個づつ形成し、この取り付け具３の蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂが嵌合する嵌合蟻ほぞ５ａと嵌合蟻溝５ｂを、両側板５に多段状に複数形成するのが良い。
【解決手段】 引き出し類１の平行一対状の支持部２に引っ掛けて支持部２に横架状に設置する。支持部２に引っ掛けるための引っ掛け箇所４を有する取り付け具３を、両側板５に高さを違え、且つ左右方向のスライド動作で嵌合して着脱自在に設ける。本発明は、取り付け具３の背面に、左右方向に延ばして蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂとを少なくとも１個づつ形成し、この取り付け具３の蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂが嵌合する嵌合蟻ほぞ５ａと嵌合蟻溝５ｂを、両側板５に多段状に複数形成するのが良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、横架型トレイに関し、更に詳しくは、例えば引き出しの前板と後板の両側にバーを左右一対状に架設し、このバーに架け渡して使用する横架型トレイに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種のトレイとしては、例えば特許文献１に記載されているものがある。
この従来品は、トレイ本体の両側板に、引き出しの平行一対の棒材（バー）に引っ掛けるための引っ掛け部が形成されている。
【０００３】
ところで、引き出し等の収納箇所は、内部の高さが決められている反面、収納する品物の高さは、例えば醤油や酒等の背の高い容器から、皿や茶托等の背の低い品物まで、多種多様である。
従って、引き出し等の中に設置して使用するこの種のトレイは、引き出し等の内部にデッドスペースが生じないよう、収納物の高さに合わせてバーに柔軟に設置できるよう形成されているのが望ましい。
【０００４】
しかるに、従来品は、バーに設置する高さを自由に変更することができなかったから、従来品によると、引き出し内にデッドスペースを生じ易く、効率良く品物を収納することができなかった。
また従来品を使用すると、背の高い品物はトレイの下側を避け、トレイの前後の位置に収納する必要があり、通常、トレイの下側を含めた引き出しの底の全面に、背の高い品物を収納することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】実公平７−１６３４３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、このような従来品の問題点に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、収納する品物の高さに合わせて設置高さを変更できるようにし、引き出し内にデッドスペースを生じさせることなく、効率良く柔軟に収納でき、またトレイの下側を含めて、引き出し等の底の全面に背の高い品物を収納でき、品物の高さの違いで収納を不便にしたり、収納作業に支障を来たすことがないよう形成した横架型トレイを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明は、図１等に示されるように、引き出し類１の平行一対状の支持部２に引っ掛けられて支持部２に横架状に設置される横架型トレイであって、上記の支持部２に引っ掛けるための引っ掛け箇所４を有する取り付け具３が、両側板５に高さを違え、且つ左右方向のスライド動作で嵌合されて着脱自在に設けられていることを特徴とする（請求項１）。
【０００８】
ここで、引き出し類１とは、流し台や洗面化粧台等の引き出しのほか、床下収納庫のように、上面から品物９を出し入れする型式の収納庫など、トレイを横架状に設置できる箇所のことを意味する。またここで、支持部２としては、引き出しの前板１ａと後板１ｂの両側に平行一対状に架設されるバーや、引き出しの平行一対状の側板の上端がある。また本発明の場合、取り付け具３の着脱構造は、左右方向にスライドさせて嵌合させる構造であれば良く、例えば蟻組み構造等がある。
【０００９】
而して、本発明は、図４、図６等に示されるように、取り付け具３の背面に、左右方向に延ばされて蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂとが少なくとも１個づつ形成され、この取り付け具３の蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂが嵌合する嵌合蟻ほぞ５ａと嵌合蟻溝５ｂが、両側板５に多段状に複数形成されているのが好ましい（請求項２）。
なぜならこれによると、嵌合箇所が２箇所以上になるため荷重を分散でき、取り付け具３をしっかりと堅固且つ安定的に取り付けでき、取り付け箇所が壊れにくくなるからである。本発明の場合、嵌合蟻ほぞ５ａと嵌合蟻溝５ｂは、側板５の上下方向（高さ方向）の全長に渡って形成されるのが好ましいが、これに限定されるものではない。
【００１０】
また本発明は、図１、図４等に示されるように、引っ掛け箇所４が取り付け具３に縦断面逆Ｕ字形に形成され、取り付け具３が両側板５に出っ張り状に形成されているのが好ましい（請求項３）。
なぜならこれによると、通常、丸棒状に形成される支持部２との係合が円滑になるだけではなく、取り付け具３を手掛かり箇所として利用でき、使い勝手が良くなるからである。
【００１１】
また本発明は、縦断面凹溝状に形成されているトレイ本体６と、このトレイ本体６の両側を閉塞する側板５とが、押し出し成形材で形成されているのが好ましい（請求項４）。
なぜならこれによると、本発明品の組立てを簡単、迅速にでき、またトレイ本体６の長さを適宜変更でき、引き出し類１の幅違いに対応し易いからである。
【００１２】
また本発明は、図９に示されるように、取り付け具３に引っ掛け箇所４が多段状に複数形成されているのでも良い（請求項５）。
なぜならこれによると、高さの異なる引っ掛け箇所４を利用して本発明品を支持部２に設置でき、品物９の高さの違いに対してより柔軟に対応できるからである。
【発明の効果】
【００１３】
本発明は、このように引き出し類の平行一対状の支持部に引っ掛けるための引っ掛け箇所を有する取り付け具が、両側板に高さを違え、且つ左右方向のスライド動作で嵌合されて着脱自在に設けられている。
従って本発明品は、取り付け具の取り付け箇所を変更することにより、収納する品物の高さに応じて設置位置を変更でき、引き出し等の内部にデッドスベースが生じることを防止でき、効率良く収納できる。
【００１４】
また本発明品は、取り付け具を、両側板の例えば最下段に取り付けると、引き出しの底の上面から本発明品の底の下面までの高さを高くできる。
従って、本発明品は、トレイの下側を含めて引き出し等の底の全面に背の高い品物を収納することができるから、これによれば、品物の高さの違いで収納が不便になったり、収納作業に支障を来たすことがない。
【００１５】
また本発明は、取り付け具が、左右方向のスライド動作で両側板に嵌合され、着脱自在に設けられている。
従って、本発明によると、引き出し類の支持部に設置する際や支持部から取り外すとき、取り付け具の着脱操作を容易にでき、また取り付け具が脱落し難くなるものである。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明のトレイの好適な一実施形態を示す使用状態時の斜視図である。
【図２】同上トレイの使用状態を示す側面図である。
【図３】同上トレイの平面図である。
【図４】同上トレイの正面図である。
【図５】同上トレイの側面図である。
【図６】Ａは取り付け具の縦断面図、Ｂは取り付け状態を示す側板の要部縦断面図である。
【図７】同上トレイの他の使用状態時の斜視図である。
【図８】図７の使用状態時の側面図である。
【図９】同上トレイの他の実施形態を示し、Ａは要部側面図、Ｂは取り付け具の側面図である。
【図１０】図９の本発明トレイの使用状態を示し、Ａ、Ｂ、Ｃとも要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
以下、本発明を実施するための好適な一実施形態を、添付図面に従って説明する。
本発明は、図１等に示されるように、引き出し類１の平行一対状の支持部２に引っ掛けられて支持部２に横架状に設置される横架型トレイである。支持部２は、この実施形態では丸棒（バー）で形成され、引き出し類１としての引き出しの前板１ａと後板１ｂの両側に、平行一対状に架設されている。
【００１８】
３は、上記の支持部２に引っ掛けるための引っ掛け箇所４を有する合成樹脂製の取り付け具である。この取り付け具３は、両側板５に出っ張り状に形成されている。両側板５は、合成樹脂を押し出し成形した板材で形成されている。なお、上記の引っ掛け箇所４は、支持部２とフィットするよう取り付け具３の全長に渡って縦断面逆Ｕ字形に形成されている。
【００１９】
而して、この実施形態の本発明品は、押し出し成形で縦断面凹溝状に形成されているトレイ本体６と、このトレイ本体６の両側を閉塞する上記の側板５とで形成されている。側板５は、トレイ本体６の左右の開口面に、ネジ７（図２等参照）で固定されている。
【００２０】
また上記の取り付け具３は、両側板５に高さを違え、且つ左右方向のスライド動作で嵌合されて着脱自在に設けられている。取り付け具３は、この実施形態では押し出し成形により形成され、図６に示されるように、取り付け具３の背面に、左右方向に延ばされて、且つ取り付け具３の左右方向の全長にわたって、蟻溝３ａが１個、この蟻溝３ａの上下に蟻ほぞ３ｂが計２個、平行状に形成されている。
【００２１】
また図４、図６等に示されるように、取り付け具３の蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂとが嵌合する嵌合蟻ほぞ５ａと嵌合蟻溝５ｂが、両側板５に多段状に複数形成されている。図６に示されるように、取り付け具３の上下の蟻ほぞ３ｂと、この蟻ほぞ３ｂの間の蟻溝３ａは、側板５の上下の嵌合蟻溝５ｂと、その間の嵌合蟻ほぞ５ａに嵌合する。これにより取り付け具３は、３個の嵌合箇所を介して側板５にしっかりと取り付けられるものである。
なお、この実施形態の本発明品は、図１等に示されるように、両側板５の上部の両側にパイプ８が架設されている。
【００２２】
次に本発明品の使用例を説明する。
本発明品は、図１等に示されるように、取り付け具３の引っ掛け箇所４を支持部２に引っ掛け、支持部２に横架して引き出し類１の中に設置して使用する。
【００２３】
この場合、使用者は、収納する品物９（図１等参照）の高さを考慮して、取り付け具３を側板５に嵌合させて取り付ける。具体的には、側板５の側方から、取り付け具３の蟻ほぞ３ｂと蟻溝３ａを、側板５の嵌合蟻溝５ｂと嵌合蟻ほぞ５ａに嵌め合わせて押し込み、取り付け具３を左右方向にスライドさせて側板５に取り付ける。
【００２４】
而して、本発明品の設置高さを変えるときは、先ず、取り付け具３を側方にスライドして側板５から抜き取る。次に使用者は、取り付け具３を、側板５の所望の嵌合蟻ほぞ５ａ、嵌合蟻溝５ｂに嵌め込み直す。
【００２５】
また本発明品を引き出し類１の中から取り出すときは、例えば取り付け具３に手指を掛けたり、トレイ本体６の底に手を掛けて持ち上げ、支持部２から取り外す。また本発明品の下側の品物９を取り出すときは、支持部２に沿って本発明品を前後方向にスライドさせて行なう。
【００２６】
而して、図１に示されるように、取り付け具３が側板５の最下段に取り付けられると、本発明品が支持部２に高く設置され、引き出し類１の底からトレイ本体６の底板の下面までの高さが高くなる。従って、本発明品の下側を含めて引き出し類１の底の全面に背の高い品物９を収納することができる。
【００２７】
また本発明のトレイに、背の高い品物９を収納するときは、図７、図８に示されるように、取り付け具３を側板５の最上部に取り付け、本発明品を支持部２に低く設置する。これにより、本発明品の底板からキャビネットの天井までの高さが高くなり、背の高い品物９の収納が可能になる。
【００２８】
なお、本発明品は、取り付け具３を、側板５の何れの高さに取り付けても、トレイ本体６の深さに変更を来たすものではない。従って、本発明品は、収納する品物９の高さに応じて設置高さを変えても、本発明のトレイに収納した品物９の収納姿勢を不安定にすることがない。
【００２９】
以上の処において、本発明は、取り付け具３を側板５に左右方向からスライドさせて嵌合可能な構造であれば、嵌合箇所の長さ、形状、嵌合構造などは任意であり、上例のような蟻組み構造に限定されるものではない。
【００３０】
また上例の場合、取り付け具３に蟻溝３ａ、又は蟻ほぞ３ｂを１個形成し、この取り付け具３を側板５の嵌合蟻ほぞ５ａ、又は嵌合蟻溝５ｂに嵌合して取り付けるのでも良いことは勿論である。
【００３１】
また、上例のように押し出し材で側板５が形成されている場合は、取り付け具３が側板５の一方側から抜け外れることを防止できるよう、側板５の片側にストッパーが形成されているのでも良い。
【００３２】
また上例では、トレイ本体６が縦断面凹溝状の押し出し材で形成されているが、本発明はこれには限られない。即ち、本発明は、トレイ本体６の両側板５と、支持部２の間に配置されるトレイ本体６の前後の対向板と、この前後の対向板と上記の両側板５とが作る内部スペースの下面を閉塞する底板とが、押し出し成形材で形成されているのでも良い。
【００３３】
この場合は、押し出し成形材を適宜の長さに切断してネジ７等で連結することでトレイ本体６を簡単に組み立てることができる。従って、これによれば、トレイ本体６の各構成部材を別個に形成する場合に比べ、引き出し類１の仕様の違い（幅や奥行きの違い）に柔軟に且つ低コストで対応できる。
【００３４】
また本発明は、図９に示されるように、取り付け具３に引っ掛け箇所４が多段状に複数形成されているのでも良い。この実施形態では、引っ掛け箇所４が、高さを違えて３個（３段状）に形成されている。またこの実施形態では、取り付け具３の背面（嵌合する側の面）に、蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂが上下方向（高さ方向）の全長にわたって交互に形成されている。
【００３５】
この本発明の場合は、図１０Ａ〜Ｃに示されるように、取り付け具３を両側板５に嵌合して取り付けると、引っ掛け箇所４の高さを様々に違えることができる。特に、取り付け具３を、同図Ｂ、Ｃに示されるように取り付けると、トレイ本体６の両側板５の高さを越えて本発明品を支持部２に高く（同図Ｂ参照）、又は低く（同図Ｃ参照）設置できる。
従って、これによれば、品物９の高さの違いに対してより柔軟に本発明品を支持部２に設置でき、使い勝手が一層良くなるものである。
【符号の説明】
【００３６】
１ 引き出し類
２ 支持部
３ 取り付け具
４ 引っ掛け箇所
５ 両側板
【技術分野】
【０００１】
本発明は、横架型トレイに関し、更に詳しくは、例えば引き出しの前板と後板の両側にバーを左右一対状に架設し、このバーに架け渡して使用する横架型トレイに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種のトレイとしては、例えば特許文献１に記載されているものがある。
この従来品は、トレイ本体の両側板に、引き出しの平行一対の棒材（バー）に引っ掛けるための引っ掛け部が形成されている。
【０００３】
ところで、引き出し等の収納箇所は、内部の高さが決められている反面、収納する品物の高さは、例えば醤油や酒等の背の高い容器から、皿や茶托等の背の低い品物まで、多種多様である。
従って、引き出し等の中に設置して使用するこの種のトレイは、引き出し等の内部にデッドスペースが生じないよう、収納物の高さに合わせてバーに柔軟に設置できるよう形成されているのが望ましい。
【０００４】
しかるに、従来品は、バーに設置する高さを自由に変更することができなかったから、従来品によると、引き出し内にデッドスペースを生じ易く、効率良く品物を収納することができなかった。
また従来品を使用すると、背の高い品物はトレイの下側を避け、トレイの前後の位置に収納する必要があり、通常、トレイの下側を含めた引き出しの底の全面に、背の高い品物を収納することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】実公平７−１６３４３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、このような従来品の問題点に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、収納する品物の高さに合わせて設置高さを変更できるようにし、引き出し内にデッドスペースを生じさせることなく、効率良く柔軟に収納でき、またトレイの下側を含めて、引き出し等の底の全面に背の高い品物を収納でき、品物の高さの違いで収納を不便にしたり、収納作業に支障を来たすことがないよう形成した横架型トレイを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明は、図１等に示されるように、引き出し類１の平行一対状の支持部２に引っ掛けられて支持部２に横架状に設置される横架型トレイであって、上記の支持部２に引っ掛けるための引っ掛け箇所４を有する取り付け具３が、両側板５に高さを違え、且つ左右方向のスライド動作で嵌合されて着脱自在に設けられていることを特徴とする（請求項１）。
【０００８】
ここで、引き出し類１とは、流し台や洗面化粧台等の引き出しのほか、床下収納庫のように、上面から品物９を出し入れする型式の収納庫など、トレイを横架状に設置できる箇所のことを意味する。またここで、支持部２としては、引き出しの前板１ａと後板１ｂの両側に平行一対状に架設されるバーや、引き出しの平行一対状の側板の上端がある。また本発明の場合、取り付け具３の着脱構造は、左右方向にスライドさせて嵌合させる構造であれば良く、例えば蟻組み構造等がある。
【０００９】
而して、本発明は、図４、図６等に示されるように、取り付け具３の背面に、左右方向に延ばされて蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂとが少なくとも１個づつ形成され、この取り付け具３の蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂが嵌合する嵌合蟻ほぞ５ａと嵌合蟻溝５ｂが、両側板５に多段状に複数形成されているのが好ましい（請求項２）。
なぜならこれによると、嵌合箇所が２箇所以上になるため荷重を分散でき、取り付け具３をしっかりと堅固且つ安定的に取り付けでき、取り付け箇所が壊れにくくなるからである。本発明の場合、嵌合蟻ほぞ５ａと嵌合蟻溝５ｂは、側板５の上下方向（高さ方向）の全長に渡って形成されるのが好ましいが、これに限定されるものではない。
【００１０】
また本発明は、図１、図４等に示されるように、引っ掛け箇所４が取り付け具３に縦断面逆Ｕ字形に形成され、取り付け具３が両側板５に出っ張り状に形成されているのが好ましい（請求項３）。
なぜならこれによると、通常、丸棒状に形成される支持部２との係合が円滑になるだけではなく、取り付け具３を手掛かり箇所として利用でき、使い勝手が良くなるからである。
【００１１】
また本発明は、縦断面凹溝状に形成されているトレイ本体６と、このトレイ本体６の両側を閉塞する側板５とが、押し出し成形材で形成されているのが好ましい（請求項４）。
なぜならこれによると、本発明品の組立てを簡単、迅速にでき、またトレイ本体６の長さを適宜変更でき、引き出し類１の幅違いに対応し易いからである。
【００１２】
また本発明は、図９に示されるように、取り付け具３に引っ掛け箇所４が多段状に複数形成されているのでも良い（請求項５）。
なぜならこれによると、高さの異なる引っ掛け箇所４を利用して本発明品を支持部２に設置でき、品物９の高さの違いに対してより柔軟に対応できるからである。
【発明の効果】
【００１３】
本発明は、このように引き出し類の平行一対状の支持部に引っ掛けるための引っ掛け箇所を有する取り付け具が、両側板に高さを違え、且つ左右方向のスライド動作で嵌合されて着脱自在に設けられている。
従って本発明品は、取り付け具の取り付け箇所を変更することにより、収納する品物の高さに応じて設置位置を変更でき、引き出し等の内部にデッドスベースが生じることを防止でき、効率良く収納できる。
【００１４】
また本発明品は、取り付け具を、両側板の例えば最下段に取り付けると、引き出しの底の上面から本発明品の底の下面までの高さを高くできる。
従って、本発明品は、トレイの下側を含めて引き出し等の底の全面に背の高い品物を収納することができるから、これによれば、品物の高さの違いで収納が不便になったり、収納作業に支障を来たすことがない。
【００１５】
また本発明は、取り付け具が、左右方向のスライド動作で両側板に嵌合され、着脱自在に設けられている。
従って、本発明によると、引き出し類の支持部に設置する際や支持部から取り外すとき、取り付け具の着脱操作を容易にでき、また取り付け具が脱落し難くなるものである。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明のトレイの好適な一実施形態を示す使用状態時の斜視図である。
【図２】同上トレイの使用状態を示す側面図である。
【図３】同上トレイの平面図である。
【図４】同上トレイの正面図である。
【図５】同上トレイの側面図である。
【図６】Ａは取り付け具の縦断面図、Ｂは取り付け状態を示す側板の要部縦断面図である。
【図７】同上トレイの他の使用状態時の斜視図である。
【図８】図７の使用状態時の側面図である。
【図９】同上トレイの他の実施形態を示し、Ａは要部側面図、Ｂは取り付け具の側面図である。
【図１０】図９の本発明トレイの使用状態を示し、Ａ、Ｂ、Ｃとも要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
以下、本発明を実施するための好適な一実施形態を、添付図面に従って説明する。
本発明は、図１等に示されるように、引き出し類１の平行一対状の支持部２に引っ掛けられて支持部２に横架状に設置される横架型トレイである。支持部２は、この実施形態では丸棒（バー）で形成され、引き出し類１としての引き出しの前板１ａと後板１ｂの両側に、平行一対状に架設されている。
【００１８】
３は、上記の支持部２に引っ掛けるための引っ掛け箇所４を有する合成樹脂製の取り付け具である。この取り付け具３は、両側板５に出っ張り状に形成されている。両側板５は、合成樹脂を押し出し成形した板材で形成されている。なお、上記の引っ掛け箇所４は、支持部２とフィットするよう取り付け具３の全長に渡って縦断面逆Ｕ字形に形成されている。
【００１９】
而して、この実施形態の本発明品は、押し出し成形で縦断面凹溝状に形成されているトレイ本体６と、このトレイ本体６の両側を閉塞する上記の側板５とで形成されている。側板５は、トレイ本体６の左右の開口面に、ネジ７（図２等参照）で固定されている。
【００２０】
また上記の取り付け具３は、両側板５に高さを違え、且つ左右方向のスライド動作で嵌合されて着脱自在に設けられている。取り付け具３は、この実施形態では押し出し成形により形成され、図６に示されるように、取り付け具３の背面に、左右方向に延ばされて、且つ取り付け具３の左右方向の全長にわたって、蟻溝３ａが１個、この蟻溝３ａの上下に蟻ほぞ３ｂが計２個、平行状に形成されている。
【００２１】
また図４、図６等に示されるように、取り付け具３の蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂとが嵌合する嵌合蟻ほぞ５ａと嵌合蟻溝５ｂが、両側板５に多段状に複数形成されている。図６に示されるように、取り付け具３の上下の蟻ほぞ３ｂと、この蟻ほぞ３ｂの間の蟻溝３ａは、側板５の上下の嵌合蟻溝５ｂと、その間の嵌合蟻ほぞ５ａに嵌合する。これにより取り付け具３は、３個の嵌合箇所を介して側板５にしっかりと取り付けられるものである。
なお、この実施形態の本発明品は、図１等に示されるように、両側板５の上部の両側にパイプ８が架設されている。
【００２２】
次に本発明品の使用例を説明する。
本発明品は、図１等に示されるように、取り付け具３の引っ掛け箇所４を支持部２に引っ掛け、支持部２に横架して引き出し類１の中に設置して使用する。
【００２３】
この場合、使用者は、収納する品物９（図１等参照）の高さを考慮して、取り付け具３を側板５に嵌合させて取り付ける。具体的には、側板５の側方から、取り付け具３の蟻ほぞ３ｂと蟻溝３ａを、側板５の嵌合蟻溝５ｂと嵌合蟻ほぞ５ａに嵌め合わせて押し込み、取り付け具３を左右方向にスライドさせて側板５に取り付ける。
【００２４】
而して、本発明品の設置高さを変えるときは、先ず、取り付け具３を側方にスライドして側板５から抜き取る。次に使用者は、取り付け具３を、側板５の所望の嵌合蟻ほぞ５ａ、嵌合蟻溝５ｂに嵌め込み直す。
【００２５】
また本発明品を引き出し類１の中から取り出すときは、例えば取り付け具３に手指を掛けたり、トレイ本体６の底に手を掛けて持ち上げ、支持部２から取り外す。また本発明品の下側の品物９を取り出すときは、支持部２に沿って本発明品を前後方向にスライドさせて行なう。
【００２６】
而して、図１に示されるように、取り付け具３が側板５の最下段に取り付けられると、本発明品が支持部２に高く設置され、引き出し類１の底からトレイ本体６の底板の下面までの高さが高くなる。従って、本発明品の下側を含めて引き出し類１の底の全面に背の高い品物９を収納することができる。
【００２７】
また本発明のトレイに、背の高い品物９を収納するときは、図７、図８に示されるように、取り付け具３を側板５の最上部に取り付け、本発明品を支持部２に低く設置する。これにより、本発明品の底板からキャビネットの天井までの高さが高くなり、背の高い品物９の収納が可能になる。
【００２８】
なお、本発明品は、取り付け具３を、側板５の何れの高さに取り付けても、トレイ本体６の深さに変更を来たすものではない。従って、本発明品は、収納する品物９の高さに応じて設置高さを変えても、本発明のトレイに収納した品物９の収納姿勢を不安定にすることがない。
【００２９】
以上の処において、本発明は、取り付け具３を側板５に左右方向からスライドさせて嵌合可能な構造であれば、嵌合箇所の長さ、形状、嵌合構造などは任意であり、上例のような蟻組み構造に限定されるものではない。
【００３０】
また上例の場合、取り付け具３に蟻溝３ａ、又は蟻ほぞ３ｂを１個形成し、この取り付け具３を側板５の嵌合蟻ほぞ５ａ、又は嵌合蟻溝５ｂに嵌合して取り付けるのでも良いことは勿論である。
【００３１】
また、上例のように押し出し材で側板５が形成されている場合は、取り付け具３が側板５の一方側から抜け外れることを防止できるよう、側板５の片側にストッパーが形成されているのでも良い。
【００３２】
また上例では、トレイ本体６が縦断面凹溝状の押し出し材で形成されているが、本発明はこれには限られない。即ち、本発明は、トレイ本体６の両側板５と、支持部２の間に配置されるトレイ本体６の前後の対向板と、この前後の対向板と上記の両側板５とが作る内部スペースの下面を閉塞する底板とが、押し出し成形材で形成されているのでも良い。
【００３３】
この場合は、押し出し成形材を適宜の長さに切断してネジ７等で連結することでトレイ本体６を簡単に組み立てることができる。従って、これによれば、トレイ本体６の各構成部材を別個に形成する場合に比べ、引き出し類１の仕様の違い（幅や奥行きの違い）に柔軟に且つ低コストで対応できる。
【００３４】
また本発明は、図９に示されるように、取り付け具３に引っ掛け箇所４が多段状に複数形成されているのでも良い。この実施形態では、引っ掛け箇所４が、高さを違えて３個（３段状）に形成されている。またこの実施形態では、取り付け具３の背面（嵌合する側の面）に、蟻溝３ａと蟻ほぞ３ｂが上下方向（高さ方向）の全長にわたって交互に形成されている。
【００３５】
この本発明の場合は、図１０Ａ〜Ｃに示されるように、取り付け具３を両側板５に嵌合して取り付けると、引っ掛け箇所４の高さを様々に違えることができる。特に、取り付け具３を、同図Ｂ、Ｃに示されるように取り付けると、トレイ本体６の両側板５の高さを越えて本発明品を支持部２に高く（同図Ｂ参照）、又は低く（同図Ｃ参照）設置できる。
従って、これによれば、品物９の高さの違いに対してより柔軟に本発明品を支持部２に設置でき、使い勝手が一層良くなるものである。
【符号の説明】
【００３６】
１ 引き出し類
２ 支持部
３ 取り付け具
４ 引っ掛け箇所
５ 両側板
【特許請求の範囲】
【請求項１】
引き出し類の平行一対状の支持部に引っ掛けられて支持部に横架状に設置される横架型トレイであって、上記の支持部に引っ掛けるための引っ掛け箇所を有する取り付け具が、両側板に高さを違え、且つ左右方向のスライド動作で嵌合されて着脱自在に設けられていることを特徴とする横架型トレイ。
【請求項２】
請求項１記載の横架型トレイであって、取り付け具の両側板と対向する面に、左右方向に延ばされて蟻溝と蟻ほぞとが少なくとも一個づつ形成され、この取り付け具の蟻溝と蟻ほぞとが嵌合する嵌合蟻ほぞと嵌合蟻溝が、両側板に多段状に複数形成されていることを特徴とする横架型トレイ。
【請求項３】
請求項１又は２記載の横架型トレイであって、引っ掛け箇所が取り付け具に縦断面逆Ｕ字形に形成され、取り付け具が両側板に出っ張り状に形成されていることを特徴とする横架型トレイ。
【請求項４】
請求項１乃至３の何れかに記載の横架型トレイであって、縦断面凹溝状に形成されているトレイ本体と、このトレイ本体の両側を閉塞する側板とが、押し出し成形材で形成されていることを特徴とする横架型トレイ。
【請求項５】
請求項１乃至４の何れかに記載の横架型トレイであって、取り付け具に引っ掛け箇所が多段状に複数形成されていることを特徴とする横架型トレイ。
【請求項１】
引き出し類の平行一対状の支持部に引っ掛けられて支持部に横架状に設置される横架型トレイであって、上記の支持部に引っ掛けるための引っ掛け箇所を有する取り付け具が、両側板に高さを違え、且つ左右方向のスライド動作で嵌合されて着脱自在に設けられていることを特徴とする横架型トレイ。
【請求項２】
請求項１記載の横架型トレイであって、取り付け具の両側板と対向する面に、左右方向に延ばされて蟻溝と蟻ほぞとが少なくとも一個づつ形成され、この取り付け具の蟻溝と蟻ほぞとが嵌合する嵌合蟻ほぞと嵌合蟻溝が、両側板に多段状に複数形成されていることを特徴とする横架型トレイ。
【請求項３】
請求項１又は２記載の横架型トレイであって、引っ掛け箇所が取り付け具に縦断面逆Ｕ字形に形成され、取り付け具が両側板に出っ張り状に形成されていることを特徴とする横架型トレイ。
【請求項４】
請求項１乃至３の何れかに記載の横架型トレイであって、縦断面凹溝状に形成されているトレイ本体と、このトレイ本体の両側を閉塞する側板とが、押し出し成形材で形成されていることを特徴とする横架型トレイ。
【請求項５】
請求項１乃至４の何れかに記載の横架型トレイであって、取り付け具に引っ掛け箇所が多段状に複数形成されていることを特徴とする横架型トレイ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１３−９７０３（Ｐ２０１３−９７０３Ａ）
【公開日】平成２５年１月１７日（２０１３．１．１７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１４２４７８（Ｐ２０１１−１４２４７８）
【出願日】平成２３年６月２８日（２０１１．６．２８）
【出願人】（０００００４７０９）株式会社ノーリツ (1,293)
【出願人】（５１１０５３０７８）関東産業株式会社 (11)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月１７日（２０１３．１．１７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年６月２８日（２０１１．６．２８）
【出願人】（０００００４７０９）株式会社ノーリツ (1,293)
【出願人】（５１１０５３０７８）関東産業株式会社 (11)
【Ｆターム（参考）】
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