説明

樹脂製の2つの中空品端部のコネクタを用いた結合

【解決手段】コネクタ(2)を用いて一体に突き当てられた、内部が樹脂をベースとしてなる2つの中空品端部(10,11)から形成される結合であって、コネクタは、中央部品(21)および中空品端部にそれぞれ係止される樹脂製の2つのフランジ(22,23)を有する本体(20)を備え、それら2つのフランジが、コネクタの周囲の所定位置に上記中空品端部を保持可能な固定手段(28,29,30,31)を有する結合において、コネクタの固定手段(28,29,30,31)は樹脂製であり、かつ、少なくとも固定手段の1つ(30,31)は柔軟性を有し、中空品端部(10,11)の内側と摩擦接触するようになることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂をベースとする中空品の端部に挿入されるコネクタを用いての2つの中空品端部の結合に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような結合は、特に絶縁ガラスユニットの内部フレームを形成するために用いられる。「2つの中空品端部」という表現は、2つの分離した部品のそれぞれ2つの自由端部、もしくはそれ自体が折り曲げられた単一の部品の異なる2つの自由端部を意味すると理解される。
【0003】
絶縁ガラスユニットのよく知られたタイプの一つは、例えば空気層のようなガス層によって隔てられた2枚のガラス板を備える。これらガラス板は離れて配置され、折り曲げられた中空品、もしくはコネクタと呼ばれる中央およびまたは隅部品により組み立てられた中空品からなるスペーサーフレームを用いて一体に支持される。90°の隅部品は通常ブラケットと呼ばれる。
【0004】
中空品は分子ふるいを備える。その目的は、特にガラスユニットの製造時に空気層内に閉じ込められた水分子を吸い込むことにあり、水分子は寒い天候で凝結しがちで、視界を曇らせる原因となる。
【0005】
ガラスユニットを確実にシールするため、スペーサーフレームは、ノズルを介して押し出すことによりスペーサーフレームを形成する中空品に直接塗布されたブチルゴムタイプのエラストマーのビードにより、ガラス板に接着される。
【0006】
いったんガラスユニットが組み立てられると、弾性体のシール用ビードは、ガラス板の一時的な機械的保持力を与えるように機能する。最終的には、ポリスルフィドまたはポリウレタン型の架橋可能なシール用マスチックが、2枚のガラス板とスペーサーフレームとの境界の周囲の溝に注入され、それによりガラス板の機械的な組立を完了する。ブチルゴムの目的は、主にガラスユニットの内側を水蒸気からシールすることにあり、それに対してマスチックは液状の水もしくは溶媒に対してシールする。
【0007】
用いられる中空品は、一般に、例えばアルミニウムのような金属製である。しかしながら、現在では、かねてから例えば特許出願EP0852280に記載されているように樹脂製品が用いられている。それらは低い熱伝導率を有するので、ガラスユニットに対し良好な断熱力を与える。
【0008】
さらに、中空品の端部は、フレームを形成するため、金属製のコネクタにより、あるいは少なくとも樹脂をベースとし、金属製の留め/保持要素を有するコネクタにより組み立てられる。コネクタは中空品端部にきつく嵌合され、側面の保持突出部のおかげで所定位置に保持される。
【0009】
全体が金属製のコネクタの場合、例えば分解時に中空品端部を引っ張るために加えられる力の方向とは反対方向に向けて突出部が設けられる。そのようなコネクタは例えば特許出願EP0283689に記載されている。しかしながら、このタイプのコネクタは、特に側面の突出部において鋭利な角部を有し、コネクタを扱うときに負傷するおそれがある。
【0010】
コネクタの全体が金属製というわけではないとき、例えばコネクタの側面の両側に突出した針形状の金属製の突出保持/留め要素を少なくとも有する。しかしながら、これら金属製の保持要素は、コネクタと中空品とが結合されると、樹脂製の中空品に食い込み、それにより内部に中空品端部を脆弱とする溝を生じる。
【0011】
特許出願FR2604210は、側面に保持突出部を備えるが樹脂製であるコネクタを提供する。これにより全ての鋭利な角部を好適に除去し、その結果、そこから生じる負傷のあらゆるおそれを取り除く。このコネクタは、それにもかかわらず中空品端部への嵌合が容易であり、異なる金属の材質が中空品端部を構成するため、端部を脆弱とするおそれがない。これは、上記公報が開示されたときに、実在する中空品がほとんど金属製であったためである。
【0012】
さらに、樹脂製の中空品端部に対しては、それ故しばらくの間、ある解決策が採られていた。これは、全長にわたってかなり特大の、全体が樹脂製のコネクタによるものであって、このような構成により、コネクタを中空品に強制的に挿入した後に、保持を確実にするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、この解決策はしばしば中空品の破裂を引き起こすので、採用されていない。
【0014】
本発明の目的は、コネクタを扱うときの負傷のおそれ、およびまたはいったん結合された要素の脆弱のおそれ、さらには破壊のおそれを取り除くとともに、コネクタを用いて容易かつ確実な中空品の組立を可能とする樹脂製の2つの中空品端部の結合、もしくはそれ自体が折り曲げられているならばその中空品の結合を創出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、コネクタを用いて一体に突き当てられた、樹脂をベースとした2つの中空品端部から形成される結合に関し、コネクタは、中央部品と、中空品端部にそれぞれ係止される樹脂製の2つのフランジとを有する本体を備え、それら2つのフランジが、中空品端部の内側と摩擦接触することにより、コネクタの周囲の所定位置に中空品端部を保持可能な固定手段を有する。そして、コネクタの固定手段は樹脂製であり、かつ、少なくとも固定手段の1つは、圧力が加えられたときに変形するように柔軟性を有することを特徴とする。
【0016】
明細書の残りにおいて、「柔軟性ある固定手段」という表現は、「硬直的な固定手段」に対立するものであり、それ故、圧力が加えられたときに固定手段が変形するという特性を有することを意味することが理解される。本発明の固定手段に適した金属は、例えば3500MPa〜9000MPaの曲げ弾性率を有し、この曲げ弾性率はISO178およびISO527の標準規格により測定される。
【0017】
柔軟性ある固定手段は、中空品端部を引っ張るときに、中空品端部からコネクタが完全に取り外されることが要求されれば、それにより生じるであろう引張力に抗したストレスを生じることが好ましい。この固定手段の柔軟性のおかげで、ストレスは連続表面上の硬直的なストレスよりも非常に低くなり、そうでないと中空品端部の破裂を引き起こすであろう。
【0018】
コネクタ(本体と固定手段)は樹脂のみで構成されるので、材料コストと製造コストの点でコストを削減することを可能とし、例えば単に部品を樹脂成形することにより、製造工程を簡素化する。その結果として、固定手段が例えば樹脂コネクタの両側に固定され適切に配置された金属要素で構成されるときに、行うことが必要とされるであろう付加的な品質管理活動を生じることを避ける。
【0019】
コネクタの固定手段と本体は、同一の樹脂で構成されることが好ましい。
【0020】
ある特徴によれば、コネクタの最短の伸延部における、柔軟性ある固定手段が設けられている当のコネクタの断面は、中空品端部の内側寸法に比べて大きい。
【0021】
コネクタは、各フランジに少なくとも1つの柔軟性ある固定手段を備えることが好ましい。
【0022】
ある特徴によれば、固定手段は、さらに各フランジの互いに反対側の2面の各々に突起する硬直的な止め具を備える。これらの硬直的な固定手段は、中空品端部の内壁に局所的なストレスを付与し、それ故、ストレスはある点のみに集中し、それによって中空品端部が破裂するおそれがなく、中空品端部からのコネクタの不都合な取り外れを防ぐ。止め具は、中空品端部内の中央にコネクタを配置することにより、コネクタを位置決めするという利点も有する。これは、端部同士の合口を確実に平行状態とする。
【0023】
他の特徴によれば、柔軟性ある固定手段はフランジの延長部に一体化され、延長部は、フランジが結合する最短の長さの伸延部かつ最小のサイズの伸延部に設けられ、固定手段はその延長部から突出する。
【0024】
柔軟性ある固定手段の構成材料は別としても、好ましくは強化繊維で満たされた例えばポリアミド、ポリエチレン、SANのように弾性特性を与えるにふさわしいものであり、フランジ自体と比べたフランジの延長部の厚さおよび幅に関する最小寸法は、柔軟性ある固定手段の周囲の材料に穴をあけることを可能にする。その結果、固定手段は長手方向および横方向に曲げおよび弾性の自由を有し、延長部は、柔軟性ある固定手段のベース部を単に支持するのに役立つ。
【0025】
他の特徴によれば、コネクタの各フランジは、互いに反対側の2つの長手方向面と、フランジの最長の伸延部に沿って伸延し、2つの長手方向面にそれぞれ一体に連結する互いに反対側の2つの側面とを有し、各フランジの少なくとも1つの柔軟性ある固定手段は、少なくともその片側で、フランジの側面の1つを含む平面に関連して突出する。
【0026】
柔軟性ある固定手段は、リップ形状をなし、かつ、フランジの延長部に一体化されるベース部と、延長部から突出するとともにコネクタの中央部品に向けて傾斜されるように伸延する伸延部と、さらに中空品端部の内壁に接触する自由端部とを備えることが好ましい。「リップ」なる語は、それを支持する本体部からから突出し、かつ、この本体部の厚さよりも非常に薄い薄厚部を有する要素を意味する。ある適用例では、その厚さは約0.5mmである。
【0027】
さらに、高さh1は、最短の伸延部における、コネクタの断面の最大高さに一致し、少なくとも1つの柔軟性ある固定手段において設定され、中空品端部の内側の高さh2よりも大きい。h1とh2との高さの寸法差Δhは、0.5mmを超えないことが好ましい。
【0028】
加えて、最短の伸延部における、コネクタの断面の最大幅に一致する幅l1は、少なくとも1つの柔軟性ある固定手段において設定され、中空品端部の内側の幅よりも大きい。
【0029】
2つの幅l1とl2との幅の寸法差Δlは、少なくとも中空品端部の壁の片側において最大0.5mmである。本発明に示した例では、柔軟性ある固定手段の幅は、中空品端部の内側の2つの反対側位置において、フランジの長手方向軸に関して同等にかつ対称的に寸法差を有することにより、中空品端部の内側の幅よりも大きい。
【0030】
中空品端部の内側寸法と比べた幅と高さについての少なくとも1つの柔軟性ある固定手段のこのオーバーサイズ化は、コネクタを取り外すことが要求されたならば、生じるはずである引張力に抗したストレスを生じることを可能にする。柔軟性ある固定手段の弾力性のために、これらのストレスは、さもなければ中空品端部が破裂する結果になるであろう値よりも低いままである。
【0031】
柔軟性ある固定手段は、比率e/Lがe/L<1/3、好ましくはe/L<1/4となるように厚さeと長さLを有することが好ましい。これにより、コネクタが所定位置にあるときに、中空品端部の壁に対抗するストレスを一層低減することを可能にする。
【0032】
少なくとも1つの柔軟性ある固定手段は、コネクタの中央部品とは反対方向に斜めにされる自由端部を有することが好ましい。このようにすることで、いったんコネクタが所定位置に配置されると、部品の端部からコネクタを取り外すことがなおさら困難になる。
【0033】
他の特徴によれば、コネクタの中央部品は、2つの中空品端部の停止部として作用し、2つのフランジの周囲でそれぞれ係止される側面突起部を備える。適用例によって、結合部が確実にシールされることが必要とされるときには、中央部品は、中空品端部が中央部品に突き当たる部分を覆うシール手段を備える。
【0034】
コネクタ、すなわち角度付きコネクタもしくは直線型コネクタと、2つの中空品端部との結合は、そのため特にフレーム、とりわけ絶縁ガラスユニットの挿入物を構成するフレームを形成するために用いられる。
【0035】
本発明の他の利点および特徴は、添付図とともに以下に、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一端側が部品の端部に結合された本発明の実施形態に係るストレート継手としてのコネクタの断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るアングル継手を形成するコネクタの両端部への結合を示す断面図である。
【図3】図2に示すようにアングル継手に用いられる本発明の実施形態に係るコネクタの端図であり、コネクタの一部が中空品端部に連結されている図である。
【図4】中空品端部に挿入される前のコネクタの一端部の部分的な上面図である。
【図5】コネクタの一端部の部分的な正面図である。
【図6】コネクタのリップの側面図であり、図2のA部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1,2は、コネクタ2を用いて一体に突き当てることにより一体に連結された2つの中空品端部10,11の結合もしくは部分的な結合を示している。
【0038】
中空品端部は、例えばガラス繊維により強化されたSAN型の熱可塑性の樹脂により構成され、特に表面の一部に薄いメタルコーティングが施されている。これら2つの端部の合口は、特に絶縁ガラスユニットの製造を対象としたスペーサーフレームを構成するために供される。このフレームを形成する部品の性質に関するより詳細な説明は、欧州特許出願EP0852280を参照されたい。
【0039】
フレームは、特許EP0875654に開示された曲げ工程に記載されているように、角部で折り曲げられた単一の部品により形成してもよい。その部品の2つの自由端部は、そこでストレート継ぎ手として図1に示される態様で、本実施形態の矩形型コネクタにより一体に連結され得る。
【0040】
フレームが、ガラスの各辺の長さに切られた多数の部品により構成されるとき、2つのそれぞれ隣接した部品の2つの端部は、90°(ブラケット)型のアングル継ぎ手として図2に示される態様で、本実施形態の角度付きコネクタにより一体に連結される。
【0041】
図1〜3を参照するに、矩形型コネクタと角度付きコネクタは、ともに中央部品21と、長手方向軸線Bに沿って中央部品21の両側に伸延する2つのフランジ22,23とを備える本体20を有する。2つのフランジは、矩形型コネクタの場合には同一方向に向けられ、角度付きコネクタの場合には2つの異なる方向に向けられている。
【0042】
そのような適用に対しては、長手方向軸線Bに沿った一のフランジの端部から他のフランジの端部までの直線型コネクタの長さは、例えば約50mmであり、軸線Bに対する垂直平面のコネクタの最短の伸延部における断面の高さは約3〜10mmで、幅は6〜30mmである。
【0043】
さらに、絶縁ガラスフレームを製造するためには、この結合部をシールすることが必要である。そこで、中央部品21に取り付けられ、合口部を覆うシール手段4が設けられる(図2)。
【0044】
本実施形態によるコネクタの本体20は、例えばガラス繊維のような強化繊維でできるだけ満たされた樹脂によって構成され、好ましくは射出成形により得られる。樹脂の例として、ポリアミド、ポリエチレン、SAN、ポリプロピレンにより構成してもよい。
【0045】
フランジ22,23は、ほぼ平行六面体形状をなす。それらは互いに反対側の2つの長手方向面24,25と、フランジの最長の伸延部に沿って伸延し、長手方向面24,25に連設する互いに反対側の2つの側壁26,27とを有する。
【0046】
側壁26,27は、中空品の内壁に結合するような止め具28,29(図3)を備え、中空品端部のコネクタの硬直的な固定手段を構成し、これにより中空品端部をしっかりと係止状態に保つ。硬直的な止め具は、さらに中空品端部の内側中央にコネクタを配置し、これにより2つの中空品端部が平行状態で互いに向かい合うことを可能にする。
【0047】
各フランジ22,23は、その自由端部に少なくとも一つの、好ましくは平行に相隔たる2つの、中空品端部に係止されるコネクタの付加的な固定手段を構成する柔軟性あるリップ30,31をさらに備える。
【0048】
これら柔軟性ある固定手段は、それらが果たさねばならぬ機能として、柔軟性もしくは弾力性を示す。この柔軟性もしくは弾力性は、一方では、まさにその構成材料と形状のおかげで得られ、他方では、それらをコネクタのフランジに固定するための必要最小限の材料よりも多い材料を、それらの周囲に有さないという理由で得られる。
【0049】
柔軟性あるリップは、例えばポリアミド、ポリプロピレン、SANのような相当な弾力性のある樹脂をベースとし、好ましくは約30%のガラス強化繊維で満たされている。それらは他の硬直的な固定手段(止め具)およびコネクタの本体と同一の材料で構成されることが好ましく、これにより例えば樹脂成形により、単一の作業でコネクタ全体を製造することができる。
【0050】
さらにコネクタを中空品に容易に嵌合させるため、樹脂製のリップの粗さが、中空品の内部に形成された樹脂に適合している。
【0051】
各リップは、ベース部32、伸延部33、および上端部34を有する。
【0052】
ベース部32は、フランジの平行六面体の延長部24aに固定されている。延長部の一つの面は、フランジの長手方向の一つの面、ここでは24に連設されている。
【0053】
ここに示す例では、リップは、延長部24aの一つの面からのみ突出し、リップの端部34は中空品端部の内側に結合している。一方で、反対位置では、適用例によると、フランジの反対側の長手方向面24が中空品端部の内壁を支える。これにより面24はコネクタを中空品端部に固定する。
【0054】
延長部24aは、コネクタのフランジのリップに機械的強度を容易に与え、リップは長手方向軸線Bに垂直な二方向で延長部からここまで延びている。さらに、延長部はフランジの本体の厚さよりも非常に薄い厚さを有する。その厚さは、フランジの側面26,27の高さの半分以上に薄くされている。延長部の幅もまた、2つの反対側の側面26,27を隔てるフランジの幅よりも小さい。
【0055】
リップの伸延部33は、好ましくはフランジの延長部24aのウェブに対し垂直に、ベース部32から始まる(図6)。リップは、その後、ウェブに対し45°と90°の間の角度αで、コネクタの中央部品21に向けて傾斜して伸延し(図5,6)、上端部34で終わる。
【0056】
リップの幅は、少なくともベース部32の近傍で、コネクタの断面の最大幅l1に一致する。本実施形態によると、この幅は中空品端部の内側の幅l2よりも相当に大きく、コネクタは中空品端部に必然的にきつく挿入され、いったん所定位置にて中空品端部がコネクタの周囲に機械的に保持されることを確実にするため、まさに必要とされる力を中空品端部の内壁に及ぼす。2つの幅l1とl2との横方向の寸法差Δlは、リップの片側または両側でもよいが、0.5mmを超えない(図4)。
【0057】
さらに、コネクタの断面の最大高さh1もリップにある。リップの上端部34も、リップのベース部が位置する面24から反対側にあるフランジの長手方向面25に相関のある突出部として、概略定まる。高さh1は、本実施形態によると、中空品端部の内側の高さh2よりも大きい。h1とh2との高さの寸法差Δhは、0.5mmを超えない(図1)。
【0058】
中空品端部の内壁と相関のある高さの差Δhと幅の差Δl(絶縁ガラスフレームへの適用では通常のコネクタの寸法の場合に0.5mmを超えない)を生じるコネクタのリップのオーバーサイズ化は、あまりに大きなストレスを生じないように設計されることが好ましい。このオーバーサイズ化は、コネクタが引っ張られた場合に、コネクタ全体の取り外しを防止する。取付位置におけるコネクタの不都合な取り外しは、それ自体、より高いストレスによって防止されるが、このストレスは極めて集中し(局所ストレス)、硬直的な止め具28,29によって得られるので、中空品端部を破裂させるおそれを生じない。
【0059】
このように柔軟性あるリップ30,31は、コネクタのフランジの面から突出する保持システムを構成し、いったんそれが中空品端部に係止されると、コネクタを固定状態に保つ。それらは中空品端部からのコネクタの完全なる取り外しを防止する。これは、リップの弾力性と傾きのため、中空品端部を引っ張ることが要求されると、要求された引張方向とは反対方向に傾きがより大きくなるためである。
【0060】
伸延部33の角度αの傾きは、中空品端部が取り外されようとした場合に、コネクタに作用する引張力に対抗するために必要である。さらに、図6に関し上述したように、傾く前に伸延部に垂直の形状を与えることが好ましく、これにより中空品端部にコネクタを係止することを一層容易にする。
【0061】
コネクタの中央部品21とは反対方向にあるベース部32に対する傾斜角βをもって、リップの上端部34を好ましくは斜めにすべきことを付言する。この傾斜は、中空品端部からコネクタが取り外されようとした場合に、上述のように負荷される引張の方向とは反対方向に向かっているので、それによりコネクタの取り外しを一層防止する。
【0062】
最後に、リップの伸延部33は、比率e/Lがe/L<1/3、好ましくはe/L<1/4となるように厚さeと長さLを有することが好ましい。厚さeは例えば0.5mmである。長さLは、ベース部32から始まって自由端部34までの寸法の大きさに一致する。この寸法比e/Lを最大限に活用することにより、コネクタが所定位置にあるときに、中空品端部の壁に対抗するストレスを一層低減することが可能となる。リップの幅のような長さLは、適用例によって定まり、ここでは中空品端部の内部寸法によって定まる。その長さLは、例えば約5mmとしてもよく、幅は約13mmとしてもよい。
【0063】
上述したように、コネクタの本体の中央部品11は、2つの中空品端部が一体に突き当てられたとき、および適用例がシールを要求するときに、シール手段4(図2)を支持することを目的とする。この手段は、上述のコネクタの中央部品をシールするとともに、中空品端部が中央部品に接して一体に突き当てられた後、それにも拘わらず存在する隙間をシールする。
【0064】
中央部品21は、フランジの側面25,26に関して突起部を構成する側面突起部を備え、これによりコネクタが中空品端部に十分に挿入されたとき、中空品端部の各側にとっての停止部(21a,21bをそれぞれ参照)を構成する。
【0065】
シール手段4は、コネクタの中央部品への注入、および中空品端部と停止部21a,21bとの間の合口隙間への注入により塗布されたシール用マスチックからなる。
【0066】
好ましい実施形態において、本発明は、例えばキャップのような構造化要素からなり、適切な不浸透性の材料からなるシール手段4を備える。このキャップは樹脂成形され、中央部品12を密接に覆うとともにフランジ22,23の開始部を部分的に覆うために必要とされる形状に一致し、中空品端部がコネクタの所定位置にあるときに、合口隙間を覆う。このキャップは、接着型の固着手段により中央部品に取り付けられるようにしてもよく、中央部品に直接樹脂成形されるようにしてもよい。そのようなキャップは、特許出願FR06/51370に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ(2)を用いて一体に突き当てられた、樹脂をベースとしてなる2つの中空品端部(10,11)から形成される結合であって、
前記コネクタは、中央部品(21)および前記中空品端部にそれぞれ係止される樹脂製の2つのフランジ(22,23)を有する本体(20)を備え、それら2つのフランジが、前記中空品端部の内側と摩擦接触することにより、前記コネクタの周囲の所定位置に前記中空品端部を保持可能な固定手段(28,29,30,31)を有する結合において、
前記コネクタの前記固定手段(28,29,30,31)は樹脂製であり、かつ、少なくとも前記固定手段の1つ(30,31)は、圧力が加えられたときに変形するように柔軟性を有することを特徴とする結合。
【請求項2】
請求項1に記載の結合において、
前記柔軟性ある固定手段(30,31)は、中空品端部を引っ張るときに発生する引張力に抗したストレスを生じることを特徴とする結合。
【請求項3】
請求項1または2に記載の結合において、
前記柔軟性ある固定手段(30,31)が設けられている、前記コネクタの最短の伸延部における該コネクタの断面は、前記中空品端部の内側寸法に比べて大きいことを特徴とする結合。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の結合において、
前記コネクタの前記固定手段(28,29,30,31)および前記本体(20)は、同一の樹脂により構成されていることを特徴とする結合。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の結合において、
前記固定手段は、各フランジ(22,23)の互いに反対側の2面の各々に突起し、前記中空品端部の内側に局所的なストレスを生じる硬直的な止め具(28,29)を備えることを特徴とする結合。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の結合において、
前記コネクタは、各フランジに少なくとも1つの柔軟性ある固定手段(30,31)を備えることを特徴とする結合。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の結合において、
前記柔軟性ある固定手段(30,31)は、フランジの延長部(24a)に一体化され、前記延長部は、フランジが結合する最短の長さの伸延部かつ最小のサイズの伸延部に設けられ、前記固定手段は、前記延長部から突出していることを特徴とする結合。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の結合において、
各フランジ(22,23)は、
互いに反対側の2つの長手方向面(24,25)と、
前記フランジの最長の伸延部に沿って伸延し、前記2つの長手方向面にそれぞれ一体に連結する互いに反対側の2つの側面(26,27)とを有し、
各フランジの少なくとも1つの柔軟性ある固定手段(30,31)は、少なくともその片側で、フランジの側面(26,27)の1つを含む平面に関連して突出していることを特徴とする結合。
【請求項9】
請求項7に記載の結合において、
前記柔軟性ある固定手段(30,31)は、リップ形状をなし、かつ、
前記延長部(24a)に一体化されるベース部(32)と、
前記延長部から突出するとともに前記コネクタの前記中央部品(21)に向けて傾斜されるように伸延する伸延部(33)と、
前記中空品端部の内壁に接触する自由端部(34)とを備えることを特徴とする結合。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の結合において、
最短の伸延部における、前記コネクタの断面の最大高さh1は、少なくとも1つの柔軟性ある固定手段(30,31)において設定され、中空品端部の内側の高さh2よりも大きいことを特徴とする結合。
【請求項11】
請求項10に記載の結合において、
h1とh2との高さの寸法差Δhは、0.5mmを越えないことを特徴とする結合。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の結合において、
最短の伸延部における、前記コネクタの断面の最大幅に一致する幅l1は、少なくとも1つの柔軟性ある固定手段において設定され、前記中空品端部の内側の幅よりも大きいことを特徴とする結合。
【請求項13】
請求項12に記載の結合において、
2つの幅l1とl2との幅の寸法差Δlは、少なくとも中空品端部の壁の片側において最大でも0.5mmであることを特徴とする結合。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の結合において、
前記柔軟性ある固定手段(30,31)は、比率e/Lがe/L<1/3、好ましくはe/L<1/4となるような厚さeと長さLを有することを特徴とする結合。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の結合において、
少なくとも1つの柔軟性ある固定手段は、前記コネクタの前記中央部品とは反対方向に斜角が形成された自由端部(34)を有することを特徴とする結合。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の結合において、
前記コネクタの前記中央部品(21)は、前記2つの中空品端部の停止部(21a,21b)として作用し、これら中空品端部が前記2つのフランジの周囲でそれぞれ係止される側面突起部を備えることを特徴とする結合。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の結合において、
前記中央部品(21)は、前記中空品端部が前記中央部品に突き当たる部分を覆うシール手段4を備えることを特徴とする結合。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の結合において、
前記コネクタの前記固定手段(28,29,30,31)は、ポリアミド、ポリエチレン、またはSANをベースしてなり、好ましくは強化繊維で満たされることを特徴とする結合。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の結合において、
前記コネクタは、角度付きコネクタまたは直線型のコネクタであることを特徴とする結合。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の少なくとも1つの結合を備えるフレーム。
【請求項21】
絶縁ガラスユニットに対する挿入物を形成する、請求項20に記載のフレームを備える絶縁ガラスユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−504447(P2010−504447A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528767(P2009−528767)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【国際出願番号】PCT/FR2007/051954
【国際公開番号】WO2008/035003
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】