説明

樹脂製管の保護方法および樹脂製管用保護部材

【課題】 特に地中に埋設される樹脂製管の強度向上させるための、構成が簡易で、取り扱いも容易で、且つ強度付与を確実に行える樹脂製管用保護部材と、この樹脂製管用保護部材を使用した樹脂製管の保護方法を提供する。
【解決手段】 口径の大きい短筒状の受け口部2の一端部に、内径を一致させて口径の小さな挿し口部3を一体的に形成した、曲管部にも連続的に嵌合し得るリング部材からなる樹脂製管用保護部材を、一方の樹脂製管用保護部材1Aの受け口部2に、他方の樹脂製管用保護部材1Bの挿し口部3を挿入し、保護すべき樹脂製管に連続的に外嵌させて、当該樹脂製管の外圧に対する強度を向上させる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上下水道や通信ケーブルなどの敷設に用いられる地中に埋設される樹脂製管の保護方法と、その保護方法に用いられる樹脂製管用の保護部材に関するもので、地中埋設管の施工技術に属するものである。
【背景技術】
【0002】
上下水道や通信ケーブルなどの敷設に用いられる樹脂製管は、その殆どが地中に埋設されて利用されている。
しかしながら、地中に埋設された樹脂製管は、地表の、たとえば重量車輌等の走行に伴う振動によって、あるいは地震による振動によって、さらには土砂の液状化、土圧の差による不当沈下などに起因して、損傷を受けるおそれが存在し、最悪の場合には、樹脂製管自体が破断するというおそれを有するもので、実際にも事故がしばしば報告されている。
【0003】
これらの問題を解決するため、たとえば、特開平03−33581号公報(特許文献1)においては、埋設樹脂製管を対象とする埋設管の補強方法が提案されている。
この埋設管の補強方法は、発泡スチロール等の発泡樹脂からなる角柱ないし円筒状ブロックの補強材で、地中に埋設される樹脂製管を覆い、樹脂製管の外圧に対する強度を確実に高めると言うものである。
【0004】
また、特開平7−293780号公報(特許文献2)には、埋設管に直接巻き付けて使用する配管用防護シートが提案されている。
この配管用防護シートは、クッション層とクラフト紙と合成樹脂製保護層が順次積層されるとともに、各々の部材は結合材を介して一体構造の積層物とし、前記各クッション層面には粘着剤層を塗布してなるものである。
かかる構成の配管用防護シートは、2kgの鉄片を高さ2mのところから10回自由落下させても、樹脂(ポリエチレン)製管に与える傷は、測定不可能な浅い筋状の傷しか発生せず、防護シートとして充分効果的であるとしている。
【0005】
また、樹脂製管自体の強度を向上させるために、特許文献1にも示されているように、管の肉厚を厚くする、あるいは、特開2002−199531号公報(特許文献3)に示されるように、樹脂製管にリブをつけることが従来から行われてきている。
【0006】
さらに、樹脂製管でも、曲り部(曲管部)を有するものに関しては、特別な方法、すなわち、熱収縮性ゴムを主材とし、押出し加硫後に、加熱及び冷却による成形で、嵌合させるべき曲管の外形に合わせてなる曲管用プロテクターが、特開2000−81191号公報(特許文献4)で提案されている。
【0007】
この曲管用プロテクターは、押出し加硫後に所定寸法にカットして成る中空パイプに対し、曲管への装着前に、加熱及び冷却による当該曲管の外形に倣った事前成形が施されたもので、あらかじめ装着すべき曲管に合った形状に成形されているので、ストレート形状のプロテクターを装着する場合の様な困難な作業を伴うことは無く、曲管が柔らかい場合にも、プロテクターの形状に合わせて曲管の曲り部分が伸びるといった変形が生じることは無く、設定された曲管の形状を忠実に保持できるという効果がある、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平3−33581号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平7−293780号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開2002−199531号公報(図1、図13、図14)
【特許文献4】特開2000−81191号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記したように、地中に埋設される樹脂製管の保護方法として種々の方法が提案されているが、それぞれ一長一短を有し、解決すべき問題点を有するものである。
すなわち、特許文献1の発泡樹脂からなる角柱ないし円筒状ブロックの補強材を用いる方法は、補強材の施工、特に、それらの設置と樹脂製管の配置がかなり煩雑になる。
また慎重な取扱を要し、特に曲管に対しての適用はかなり困難である。
【0010】
さらに、特許文献2の配管用防護シートを用いる方法は、樹脂製管の巻き付け、特に曲管部への巻き付けには高度な技術を要し、施工者の技術により、施工による効果の差が生じる上、その材質には十分な検討を必要とし、満足できる効果を得るのが困難なものである。
【0011】
特に、特許文献1で示された樹脂製管の肉厚を厚くするという方法は、同文献も示すように、管の重量を増大させ、コストの上昇と施工の難しさを増加させるものである。
また、特許文献3に示されるリブ付き曲管は、工場で均一に生産され、品質が一定しているため、幅広く採用されてきているが、生産工程の煩雑さを含め、必ずしも、全ての点において満足できるものではない。
【0012】
すなわち、工場で生産されるリブ付き曲管は、製造工程が、直管よりも複雑なものであるため、製造コストの上昇は避けられないものである。
加えて、リブ付き直管の長さ方向に均一にリブが設けられているので、それらの使用では、強度を必要としないところにも施す結果、大きな無駄が生じるおそれがあるものである。
さらに、リブ付き管の製造は、直管においては問題ないが、曲管へのリブ付け、特に角度の大きい曲管への均一なリブ付けは困難で、曲管部を有する直管状の樹脂製管に、均一な品質でリブ付けすることは、現在の時点においても、優れたものが製造されていないのが現状である。
【0013】
したがって、曲管部に対応するために、特許文献4に示されるような、曲管用プロテクターが提案されているのであるが、現実には、そのような曲管用プロテクターは、その製造も使用に際しても、かなりの技術を要するものであって、通常作業として、一般化するには、適切でない技術である。
【0014】
この発明はかかる現状に鑑み、従来のものとは異なる、問題点のない樹脂製管の保護方法およびその方法に用いられる樹脂製管用保護部材を提供すべく検討を行った結果、樹脂製管の外圧に対する強度の向上が、曲管部にも、樹脂製管の直管部にも、連接して嵌合可能なリング部材からなる樹脂製管用保護部材を用いることによって解決したものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
すなわち、この発明の請求項1に記載の発明は、
内径を一致させて口径の大きい受け口部と口径の小さな挿し口部を一体的に形成した、曲管部にも連続的に嵌合し得るリング部材を、保護すべき樹脂製管に連続的に外嵌させることによって、当該樹脂製管の外圧に対する強度を向上させること
を特徴とする樹脂製管の保護方法である。
【0016】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
口径の大きい短筒状の受け口部の一端部に、内径を一致させて口径の小さな挿し口部を一体的に形成した、曲管部にも連続的に嵌合し得るリング部材を、一方のリング部材の受け口部に、他方のリング部材の挿し口部が挿入して、保護すべき樹脂製管に連続的に外嵌させて、当該樹脂製管の外圧に対する強度を向上させること
を特徴とする樹脂製管の保護方法である。
【0017】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の樹脂製管の保護方法において、
前記リング部材は、
前記受け口部の内周面と、前記挿し口部の外周面には、一方の受け口部に他のリング部材の挿し口部を嵌合させたとき、互いの当接面が軸心に対して一定の円弧を形成するよう凹状の円弧面又は凸状の円弧面が形成されていること
を特徴とするものである。
【0018】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂製管の保護方法において、
前記リング部材は、
前記受け口部の外周面に、周面を囲繞する、少なくとも1以上の環状突部を有すること
を特徴とするものである。
【0019】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂製管の保護方法において、
前記リング部材は、
前記樹脂製管に外嵌させるために、環状部の一部に欠損部を有すること
を特徴とするものである。
【0020】
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂製管の保護方法において、
前記リング部材は、
前記樹脂製管の後端部に強制的に外嵌される固定リングによって、樹脂製管からの抜け落ちが阻止されていること
を特徴とするものである。
【0021】
さらに、この発明の請求項7に記載の発明は、
樹脂製管に連続的に外嵌させ、当該樹脂製管の外圧に対する強度を向上させるリング部材であって、
口径の大きい短筒状の受け口部の一端部に、内径を一致させて口径の小さな挿し口部を一体的に形成するとともに、
一方の受け口部に他のリング部材の挿し口部を嵌合させたとき、当接面が軸心に対して一定の円弧を形成するよう、前記受け口部の内周面に凹状の円弧面が、前記挿し口部の外周面には凸状の円弧面が形成されていること
を特徴とする樹脂製管用保護部材である。
【0022】
また、この発明の請求項8に記載の発明は、
請求項7に記載の樹脂製管用保護部材において、
前記リング部材は、
前記受け口部の外周面に、周面を囲繞する、少なくとも1以上の環状突部を有すること
を特徴とするものである。
【0023】
また、この発明の請求項9に記載の発明は、
請求項7又は8に記載の樹脂製管用保護部材において、
前記リング部材は、
前記樹脂製管に外嵌させるために、環状部の一部に欠損部を有すること
を特徴とするものである。
【0024】
また、この発明の請求項10に記載の発明は、
請求項7〜9のいずれかに記載の樹脂製管用保護部材において、
前記リング部材は、
前記樹脂製管の後端部に強制的に外嵌される固定リングによって、樹脂製管からの抜け落ちが阻止されるものであること
を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
この発明の樹脂製管の保護方法は、曲管部にも連続的に嵌合しうるリング体を用いて、それを保護すべき樹脂製管に連続的に外嵌させるという単純な作業でなし得るものであるため、作業基準が簡素化される。
同時に作業が効率化されるとともに、保護が必要な箇所に、適切な範囲で保護することを可能とするので、無駄な補強が省かれ、省資源化に寄与したうえで、コストの削減も達成されるものである。
【0026】
また、この発明の樹脂製管用保護部材は、口径の大きい短筒状の受け口部の一端部に、内径を一致させて口径の小さな挿し口部を一体的に形成するとともに、一方の受け口部に他方の挿し口部を嵌合させたとき、当接面が軸心に対して一定の円弧を形成するよう、前記受け口部の内周面に凹状の円弧部が、前記挿し口部の外周面には凸状の円弧部が形成されたもので、構造が簡素で、工場で、品質均一に、しかも大量の連続生産が可能なものである。
特に、この発明の樹脂製管用保護部材は、樹脂製管を連続的に保護できるため、砕石が樹脂製管に当たらず、砕石による埋め戻しが可能となる。
【0027】
さらに、前記施工方法と相俟って、樹脂製管の保護・補強をその性能にバラツキを生じさせることなく、施工することを可能とするものである。
特に、保護部材であるリング部材の一部に、樹脂製管に外嵌させるための欠損部を設けることにより、施工後の樹脂製管への嵌合が容易となるという、従来の技術では達成し得なかった効果を奏することを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明にかかる樹脂製管用保護部材の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す樹脂製管用保護部材の正面図である。
【図3】この発明にかかる樹脂製管用保護部材の他の例を示す正面図である。
【図4】一方の樹脂製管用保護部材に、他方の樹脂製管用保護部材を挿入した場合を示す拡大断面図である。
【図5】この発明にかかる樹脂製管用保護部材の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、この発明にかかる樹脂製管用保護部材の実施例を、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
【0030】
この発明にかかる樹脂製管用保護部材1は、図1で明らかなように、口径の大きい短筒状の受け口部2の一端部に、内径を一致させて口径の小さな挿し口部3を一体的に形成したリング部材から構成されるものである。
【0031】
前記リング部材を構成する一方の受け口部2は、その内周面2aを、軸線P上の中心点P1を中心として、先端面から後端方向に向けて凹状の円弧面としたものである。
他方の挿し口部3は、その外周面3aを、軸線P上の中心点P2を中心として、他の受け口部2の内周面2aと当接させたとき、当接面が軸線Pに対して一定の円弧(通常保護すべき樹脂製管の外径に応じた円弧)を形成するよう、凸状の円弧面としたものである。
なお、この挿し口部3の内周面は、ほぼ平行となるよう形成されている。
【0032】
かかる構成のリング部材は、リング部材の強度を向上させるため、受け口部2の外周面に、周面を囲繞する、少なくとも1以上の環状突部4を形成するとともに、図3に示すように、リング部材の一部に欠損部5を設け、全体をCリング形状とすることもできる。
【0033】
このようにリング部材の一部に欠損部5を設けた樹脂製管用保護部材1は、装着せんとする樹脂製管への外嵌作業を容易とする。
また、既に配管され、管の端末が利用できない場合、たとえば、配管後に補強の必要が判明したとき、あるいは保護部材が破損して取り替えたいときに、樹脂製管に容易に外嵌させることができる。
【0034】
この発明にかかる前記構成からなる樹脂製管用保護部材1は、埋設される樹脂製管に外嵌させて使用するものであるため、強度の強い硬質プラスチック、通常、硬質の塩化ビニルで一体成形されているが、少なくともある程度の弾性を有することが好ましく、一部に欠損部5を設けるリング部材であっては、必ずしも弾性を必要としない。
なお、その際、必要に応じて、保護部材の材質に応じて欠損部5の幅を調整することが好ましい。
【0035】
より具体的にこの発明にかかる樹脂製管用保護部材を説明すると、図1に示す樹脂製管用保護部材1は、呼び径φ200の樹脂製管10に外嵌させるためのものである。
そのため、受け口部2の外径をφ235.6、挿し口部3の外径がφ225.8、その内径がφ216.8、環状突部4の外径がφ258.8としたものである。
また、受け口部2の内周面2aは、開口端面から環状突部4の中心まで(φ1)が2°、前記環状突部4の中心から内周端面まで(φ2+φ3)が15°(7.5°+7.5°)の角度で、後方に至るに従って開口部の径が縮径するよう凹状の円弧面に形成されたもので、中心点P1と前記円弧面との直径Lはφ225.8である。
【0036】
これに対し、挿し口部3の外周面3aを形成する凸状の円弧面と、中心点P2と結ぶ直径はφ225.8である。
すなわち、一方のリング部材1Bへの挿入部となる挿し口部3の外周部3aと、他方のリング部材1Aにおける受け口部2の内周面2aが、いずれも同一直径の円の一部からなる、軸心方向に対する傾斜を有するものである。
【0037】
したがって、図4に示すように、一つの樹脂製管用保護部材1Aの受け口部2内に、他の樹脂製管用保護部材1Bの挿し口部3を挿入することによって、両者をスムーズに係合させることができるものである。
【0038】
かかる構成を有する樹脂製管用保護部材1を使用して、曲管部を有する樹脂製管10を保護する手段を説明する。
まず、図5に示すように、先端部近傍の外周部に曲管部が形成された樹脂製管10の後端部から、矢印で示のように、受け口部2を先頭にして樹脂製管用保護部材1Aを外嵌させる。
【0039】
しかるのち、次の樹脂製管用保護部材1Bを同様にして樹脂製管10の後端部から外嵌させ、樹脂製管用保護部材1Aの挿し口部3を、樹脂製管用保護部材1Bの受け口部2内に挿入して、樹脂製管用保護部材1Aと樹脂製管用保護部材1Bとを連結させる。
同様に、樹脂製管用保護部材1C、樹脂製管用保護部材1D、樹脂製管用保護部材1Eを連結して、最後に樹脂製管用保護部材1Xを連結させて、樹脂製管10の外周部を複数の樹脂製管用保護部材1で被覆するものである。
【0040】
このようにして複数の樹脂製管用保護部材1を使用して樹脂製管10の外周部を被覆する際、樹脂製管10の直管部においては、前後の樹脂製管用保護部材1は、受け口部2に対する挿し口部3の挿し込み深度を深くすることによって、曲管部においては挿し込み深度を曲管部の曲率に合わせて比較的浅く配置することによって、曲管部の外形に合わせた状態で、樹脂製管10の外周部を確実に被覆することができる。
【0041】
また、前記手順で樹脂製管10の外周部を、複数の樹脂製管用保護部材1を使用して被覆したのちは、樹脂製管10の管端から、塩化ビニル樹脂製で、かつ樹脂製管10の外径より若干内径の小さな固定リング11を、力を加えながら樹脂製管10に外嵌する。
【0042】
ついで、外周部にフィン12aを一体的に設けた、ゴム製で内径が樹脂製管10の外径とほぼ同径のリング状のシール材12を樹脂製管10に外嵌させたのち、さらに前記固定リング11と同形の固定リング13を同様な手法で樹脂製管10に外嵌させることによって、前記複数の樹脂製管用保護部材1を、接着剤を使用することなく、樹脂製管10上に保持させ、樹脂製管10から連続して外嵌された樹脂製管用保護部材1,1・・・が抜け落ちることを阻止することができる。
【0043】
かかる樹脂製管の管端(後端部)に強制的に外嵌させる固定リング11,13、さらにシール材12は、前記のように、樹脂製管10から樹脂製管用保護部材1が抜け落ちることを阻止するとともに、当該樹脂製管10の管端に他の樹脂製管の先端部を接続するための挿し口をも構成させることができる。
【0044】
なお、この実施例においては、固定リングを2つ使用し、その間にシール材12を介在させているが、先端側の固定リング11を省略することも可能である。
【0045】
また、この発明においては、樹脂製管用保護部材1および樹脂製管10のいずれにも塩化ビニル樹脂を用いたが、両者を揃える必要はなく、樹脂としても、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂等を用いたパイプにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明にかかる樹脂製管用保護部材は、地中埋設樹脂製管の強度向上に有効なものであるので、上下水道、埋設ケーブルの施工に有効な技術として、それらの業界に有効に利用されるものであるが、前記用途にのみ限定されるものではなく、地上に配設される樹脂製管にも応用することが可能で、その他の分野においても、管の強度向上を目的とする場合において、広く利用される可能性の高いものである。
【符号の説明】
【0047】
1 樹脂製管用保護部材
2 受け口部
2a 内周面
3 挿し口部
3a 外周面
4 環状突部
5 欠損部
10 樹脂製管
11,13 固定リング
12 シール材
P 軸線
P1,P2 中心点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内径を一致させて口径の大きい受け口部と口径の小さな挿し口部を一体的に形成した、曲管部にも連続的に嵌合し得るリング部材を、保護すべき樹脂製管に連続的に外嵌させることによって、当該樹脂製管の外圧に対する強度を向上させること
を特徴とする樹脂製管の保護方法。
【請求項2】
口径の大きい短筒状の受け口部の一端部に、内径を一致させて口径の小さな挿し口部を一体的に形成した、曲管部にも連続的に嵌合し得るリング部材を、一方のリング部材の受け口部に、他方のリング部材の挿し口部が挿入して、保護すべき樹脂製管に連続的に外嵌させて、当該樹脂製管の外圧に対する強度を向上させること
を特徴とする樹脂製管の保護方法。
【請求項3】
前記リング部材は、
前記受け口部の内周面と、前記挿し口部の外周面には、一方の受け口部に他のリング部材の挿し口部を嵌合させたとき、互いの当接面が軸心に対して一定の円弧を形成するよう凹状の円弧面又は凸状の円弧面が形成されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製管の保護方法。
【請求項4】
前記リング部材は、
前記受け口部の外周面に、周面を囲繞する、少なくとも1以上の環状突部を有すること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂製管の保護方法。
【請求項5】
前記リング部材は、
前記樹脂製管に外嵌させるために、環状部の一部に欠損部を有すること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂製管の保護方法。
【請求項6】
前記リング部材は、
前記樹脂製管の後端部に強制的に外嵌される固定リングによって、樹脂製管からの抜け落ちが阻止されていること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂製管の保護方法。
【請求項7】
樹脂製管に連続的に外嵌させ、当該樹脂製管の外圧に対する強度を向上させるリング部材であって、
口径の大きい短筒状の受け口部の一端部に、内径を一致させて口径の小さな挿し口部を一体的に形成するとともに、
一方の受け口部に他のリング部材の挿し口部を嵌合させたとき、当接面が軸心に対して一定の円弧を形成するよう、前記受け口部の内周面に凹状の円弧面が、前記挿し口部の外周面には凸状の円弧面が形成されていること
を特徴とする樹脂製管用保護部材。
【請求項8】
前記リング部材は、
前記受け口部の外周面に、周面を囲繞する、少なくとも1以上の環状突部を有すること
を特徴とする請求項7に記載の樹脂製管用保護部材。
【請求項9】
前記リング部材は、
前記樹脂製管に外嵌させるために、環状部の一部に欠損部を有すること
を特徴とする請求項7又は8に記載の樹脂製管用保護部材。
【請求項10】
前記リング部材は、
前記樹脂製管の後端部に強制的に外嵌される固定リングによって、樹脂製管からの抜け落ちが阻止されるものであること
を特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の樹脂製管用保護部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−94675(P2011−94675A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247867(P2009−247867)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】