説明

橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋

【課題】全橋桁に腹通し棒を貫挿して車輌走行時に対する剪断応力を得る床版橋構造を改め、隣接する橋桁の桁間隔内に配筋した橋長方向に延びる鉄筋と、この鉄筋を貫挿する第一、第二、第三通し鉄筋通し板と、桁間隔内に充填したコンクリートとが協働して床版橋に上記剪断応力を付与するようにした橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋を提供する。
【解決手段】隣接する橋桁1の桁間隔2内に第一、第二鉄筋4a,4bを配筋し、同桁間隔2内に隣接する橋桁1の夫々と一体な第一、第二鉄筋通し板5,6を設け、上記第一鉄筋通し板5に第一鉄筋4aを、上記第二鉄筋通し板6に第二鉄筋4bを夫々貫挿し、更に上記橋桁1の桁間隔2内に配した第三鉄筋通し板7に上記第一、第二鉄筋通し板5,6に貫挿した第一、第二鉄筋4a,4bを貫挿し、上記桁間隔内2に上記床版コンクリート3を充填した橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は橋桁と床版コンクリートの複合構造を有する床版橋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は複数のH形鋼から成る橋桁を橋幅方向に並列し、隣接せる橋桁の側面間に形成された桁間隔内に床版コンクリートを充填した複合構造を有する床版橋を示し、その図9に例示されるように、該床版橋全体の剛構造化を図る手段として、H形鋼から成る全橋桁と床版コンクリートを橋幅方向に貫く小径の腹通し棒を貫挿し、該腹通し棒を上下方向と橋長方向に複列に配設し、剪断応力を得る構成を採っている。
【0003】
又特許文献2は上記橋桁を角形鋼管で形成し、該角形鋼管を橋幅方向において密着して並列し、該全角形鋼管内に床版コンクリートを充填し複合構造とした床版橋を示し、該床版橋全体の剛構造化を図る手段として、床版コンクリートを内填した全角形鋼管を橋幅方向に貫く大径の鋼パイプを貫挿し、剪断応力を得る構成を採っている。
【0004】
上記特許文献1、2は何れも橋幅方向に貫挿した腹通し棒又は鋼パイプによって車輌走行時の荷重に抗する剪断応力を与え、該走行荷重によって橋桁が個々に撓み、路盤や床版コンクリートに亀裂を生ずる、該亀裂より漏水を来す問題を防止している。
【0005】
【特許文献1】特開2000−319816号公報
【特許文献2】特開2005−330809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
然しながら多数の腹通し棒を橋幅方向に貫挿する特許文献1に示す構造では、腹通し棒の貫挿孔を多数に穿孔する作業とその貫挿作業に過大な労力と工期を要し、工費が嵩む問題を有している。
【0007】
又鋼管桁内にコンクリートを充填し、比較的口径の大きな腹通し鋼パイプを橋幅方向に貫挿する特許文献2に示す構造では、床版橋全体が高重量となる欠点があり、特許文献2は軽量化を図るため上記内填コンクリートを鋼管桁の要所要所に充填しているが、各鋼管桁がコンクリートを充填しない部分において撓みを生じ、舗装に亀裂が生じ、漏水を招来する問題を有している。
【0008】
更に特許文献1と2の何れにおいても、橋桁に多数の腹通し棒貫挿孔を穿孔したり、橋桁に比較的大口径の鋼パイプ貫挿孔を穿孔する必要があるため、この穿孔によって橋桁自身の強度を減殺する問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記特許文献1、2に示す、腹通し棒乃至腹通し鋼パイプを全橋桁の橋幅方向に貫挿する構造を排し、又は橋幅方向に貫挿する腹通し棒乃至鋼パイプを限定的にして、所要の剪断応力を得ることができる橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋を提供する。
【0010】
要述すると、本発明は複数の橋桁を橋幅方向に並列し、隣接せる橋桁の側面間に形成された桁間隔内に床版コンクリートを充填した複合構造から成る床版橋において、上記桁間隔内に橋長方向に延びる鉄筋を配筋し、同桁間隔内に該桁間隔を形成する一方の橋桁と一体な第一鉄筋通し板を設け、同桁間隔内に該桁間隔を形成する他方の橋桁と一体な第二鉄筋通し板を設け、上記第一鉄筋通し板に上記桁間隔内に配筋された第一鉄筋を貫挿し、上記第二鉄筋通し板に上記桁間隔内に配筋された第二鉄筋を貫挿し、更に上記橋桁の桁間隔内に第三鉄筋通し板を配設し、該第三鉄筋通し板に上記第一、第二鉄筋通し板に貫挿した第一、第二鉄筋を貫挿し、上記桁間隔内に上記床版コンクリートを充填し、該床版コンクリート内に上記第一、第二、第三鉄筋通し板と第一、第二鉄筋を埋設した、橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋を提供する。
【0011】
一適例として、上記第一鉄筋通し板と第二鉄筋通し板を上記桁間隔の橋幅方向の略中央部において近接対向状態にし、桁間隔の橋幅方向の略中央部において上記第一、第二鉄筋を夫々貫挿する。
【0012】
又本発明は、上記桁間隔内に橋長方向に延びる鉄筋を配筋し、同桁間隔内に該桁間隔を形成する一方の橋桁と一体な第一鉄筋通し板を設け、同桁間隔内に該桁間隔を形成する他方の橋桁と一体な第二鉄筋通し板を設け、上記第一、第二鉄筋通し板の板面を橋長方向において対面せしめ、該第一、第二鉄筋通し板の対面部に上記鉄筋を貫挿し、上記桁間隔内に上記床版コンクリートを充填し、該床版コンクリート内に上記第一、第二鉄筋通し板と鉄筋を埋設した、橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋を提供する。
【0013】
上記第一、第二鉄筋通し板は各端部板面を橋長方向において対面し、該端部板面の対面部に上記鉄筋を貫挿する。
【0014】
又は上記第一、第二鉄筋通し板の略全板面を橋長方向において対面し、該対面部に上記鉄筋を貫挿する。
【0015】
又上記橋桁がH形鋼桁である場合、該H形鋼桁の上下フランジに上記第一、第二鉄筋通し板を固定する。
【0016】
又上記橋桁が鋼管桁である場合、該鋼管桁の側面に上記第一、第二鉄筋通し板を固定する。
【0017】
又上記橋桁がPCコンクリート桁である場合、該PCコンクリート桁に上記第一、第二鉄筋通し板を埋設して固定し、上記桁間隔内における配置状態を形成する。又は第一、第二鉄筋通し板の内端に一体に設けた取付板をPCコンクリート桁の側面にボルト止め等にて固定する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋においては、各橋桁相互が桁間隔内に縦走した鉄筋と、これを貫挿する第一、第二鉄筋通し板と、第三鉄筋通し板を介して床版橋全体に剪断応力を付与する床版構造が形成できる。
【0019】
又は各橋桁相互が桁間隔内に縦走した鉄筋と、これを貫挿する第一、第二鉄筋通し板を介して床版橋全体に剪断応力を付与する床版構造が形成できる。
【0020】
本発明によれば、橋桁を橋幅方向に貫挿する腹通し棒又は腹通しワイヤー又は腹通し鋼パイプを使用せずに、所要の剪断応力を有する床版橋を構築できる。又は該腹通し棒又は腹通しワイヤー又は腹通し鋼パイプを最小限にして、所要の剪断応力を有する床版橋を構築できる。
【0021】
本発明によれば、橋桁に腹通し棒又は腹通し鋼パイプ等を貫挿する多数の孔を穿孔せずに、又は穿孔を最小限にして橋桁の強度を減殺せずに所要の剪断応力を得ることができる。
【0022】
更に本発明によれば、各橋桁に多数の腹通し孔を穿孔し、且つ腹通し棒を橋幅方向に貫挿する作業に比べ、目視し得る桁間隔内において鉄筋を第一乃至第三鉄筋通し板、又は第一、第二鉄筋通し板に容易に通挿でき、作業の軽減とコストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1乃至図8は第一、第二、第三鉄筋通し板5,6,7を用いた橋桁1と床版コンクリート3から成る複合床版橋を示し、図1,図2はその第一具体例、図3,図4はその第二具体例、図5,図6はその第三具体例、図7,図8はその第四具体例を示す。
【0024】
図9乃至図15は第一、第二鉄筋通し板5,6を用いた橋桁1と床版コンクリート3から成る複合床版橋を示し、図9,図10はその第一具体例、図11,図12はその第二具体例、図13,図14,図15はその第三具体例を示す。
【0025】
以下、図1乃至図8に示す第一実施形態と、図9乃至図15に示す第二実施形態を、夫々の具体例と共に説明する。
【0026】
<図1乃至図8に示す第一、第二、第三鉄筋通し板を用いた複合床版橋の第一乃至第四具体例に共通な構造>
A:複数の橋桁1を橋脚上に橋幅方向に並列し、隣接せる橋桁1の側面間に形成された桁間隔2内に床版コンクリート3を充填した複合構造から成る床版橋である、
B:上記桁間隔2内に橋長方向に延びる鉄筋4を配筋する、
C:上記桁間隔2内に該桁間隔2を形成する一方の橋桁1と一体な第一鉄筋通し板5を設け、同桁間隔2内に該桁間隔2を形成する他方の橋桁1と一体な第二鉄筋通し板6を設ける。
D:上記第一鉄筋通し板5に上記桁間隔2内に配筋された第一鉄筋4aを貫挿し、上記第二鉄筋通し板6に上記桁間隔2内に配筋された第二鉄筋4bを貫挿する、
E:更に上記橋桁1の桁間隔2内に第三鉄筋通し板7を配設し、該第三鉄筋通し板7に上記第一、第二鉄筋通し板5,6に貫挿した第一、第二鉄筋4a,4bを貫挿する、
F:上記桁間隔2内に上記床版コンクリート3を充填し、該床版コンクリート3内に上記第一、第二、第三鉄筋通し板5,6,7と第一、第二鉄筋4a,4bを埋設した、
【0027】
以上A乃至Fの構成を有する橋桁1と床版コンクリート3から成る複合床版橋である。
【0028】
上記橋桁1はH形鋼桁、T形鋼桁、I形鋼桁、箱形鋼桁、鋼管桁等の鋼桁から成る。又は上記各種断面形状のPCコンクリート桁(プレキャストコンクリート桁)から成る。
【0029】
<図1,図2に示す第一、第二、第三鉄筋通し板を用いた複合床版橋の第一具体例について>
第一具体例においては、橋桁1としてH形鋼から成る鋼桁1aを用いた場合を例示している。
【0030】
上記H形鋼桁1aは下フランジ9を以て橋脚上に支持しつつ、橋脚上に橋幅方向に並列する。
【0031】
上記隣接する鋼桁1aの側面間に形成された桁間隔2内に、即ち隣接する鋼桁1aの腹板10間に形成された桁間隔2内に、橋長方向に延びる第一、第二鉄筋4a,4bを配筋する。
【0032】
上記桁間隔2内に該桁間隔2を形成する一方の鋼桁1aの上下フランジ8,9間に、該鋼桁1aと一体な第一鉄筋通し板5を設ける。
【0033】
同様に、上記桁間隔2内に該桁間隔2を形成する他方の鋼桁1aの上下フランジ8,9間に、該鋼桁1aと一体な第二鉄筋通し板6を設ける。
【0034】
上記第一鉄筋通し板5は隣接する一方の鋼桁1aの上下フランジ8,9で形成する間隔(上下フランジ間隔)13内に配置し、その上下端を上下フランジ8,9の内面に溶接等にて固定し、又は上下端を上下フランジ8,9の内面に溶接等にて固定しつつ、内端を腹板10に溶接等にて固定して一体構造にする。
【0035】
同様に、第二鉄筋通し板6は隣接する他方の鋼桁1aの上下フランジ8,9で形成する間隔(上下フランジ間隔)13内に配置し、その上下端を上下フランジ8,9の内面に溶接等し、又は上下端を上下フランジ8,9の内面に溶接等しつつ内端を腹板10に溶接等して一体構造にする。
【0036】
上記鋼桁1aの上下フランジ8,9は橋幅方向への張り出し長が互いに略等幅であり、隣接する鋼桁1aの上下フランジ8,9の端部は夫々離間し、隣接する鋼桁1aの上フランジ8間と同下フランジ9間に橋長方向に延びる開口11を形成している。
【0037】
上記橋長方向に間隔的に配置された多数の上記第一鉄筋通し板5に上記第一鉄筋4aを貫挿し、上記橋長方向に間隔的に配置された多数の上記第二鉄筋通し板6に第二鉄筋4bを貫挿する。
【0038】
上記第一鉄筋通し板5に貫挿した第一鉄筋4aは隣接する一方の鋼桁1aの上下フランジ8,9で形成する間隔(上下フランジ間隔)13内を橋長方向に延び、同様に第二鉄筋通し板6に貫挿した第二鉄筋4bは隣接する他方の鋼桁1aの上下フランジ8,9で形成する間隔(上下フランジ間隔)13内を橋長方向に延びる。
【0039】
更に上記鋼桁1aの桁間隔2内に、上記第一、第二鉄筋通し板5,6に対し橋長方向に離間して第三鉄筋通し板7を配設する。
【0040】
上記第三鉄筋通し板7はその板面が橋長方向に向くように配し、隣接する鋼桁1aに対し溶接等にて固定しない板である。
【0041】
上記第三鉄筋通し板7の橋幅方向の両端は隣接する鋼桁1aの上下フランジ8,9で形成する間隔13内に介入し、該間隔13内に介入した板端に上記第一、第二鉄筋4a,4bを夫々貫挿する。
【0042】
従って第一、第二鉄筋4a,4bは隣接する鋼桁1aの上下フランジ8,9間の間隔13内を第一乃至第三鉄筋通し板5,6,7に貫挿されつつ、互いに並行状態を保ちながら、橋長方向へ直線に延びる。
【0043】
第一乃至第三鉄筋通し板5,6,7に設けた鉄筋通し孔12は第一、第二鉄筋4a,4bの直径より大径にし、各鉄筋通し孔12に第一、第二鉄筋4a,4bを遊びを存して遊貫挿し、鉄筋貫挿作業を容易にすると共に、鋼桁1aの捩れや撓みに起因する鉄筋通し孔12の芯ずれが発生している場合にも、該芯ずれを鉄筋通し孔12の孔径にて吸収する。
【0044】
上記第一、第二鉄筋4a,4bの夫々は複数本の鉄筋から成る。図においては、第一鉄筋4aと第二鉄筋4bの夫々を上下方向に並列して配筋している。
【0045】
上記桁間隔2内に橋構築現場において上記床版コンクリート3を充填し、該床版コンクリート3内に上記第一、第二、第三鉄筋通し板5,6,7と第一、第二鉄筋4a,4bを埋設する。
【0046】
上記第一、第三鉄筋通し板5,7は、隣接する一方の鋼桁1aに対し橋長方向に所要の間隔を存して交互に配置する。
【0047】
同様に、第二、第三鉄筋通し板6,7は、隣接する他方の鋼桁1aに対し橋長方向に所要の間隔を存して交互に配置する。
【0048】
一適例として、上記第一、第二鉄筋通し板5,6は橋幅方向の同一線上に配し、同様に、第三鉄筋通し板7は橋幅方向の同一線上に配する。
【0049】
上記鋼桁1aに第一、第二鉄筋通し板5,6を溶接等し固定したものを工場にて製造するに際し、鋼桁1aに一定の間隔で鉄筋通し板5,6を溶接等した一種類の鋼桁を用意すれば、複数本の鋼桁1aを並列することによって、上記第一、第二鉄筋通し板5,6を橋幅方向の線上に配置した構造が容易に得られ、製造と床版構築作業が容易になる。
【0050】
然しながら本発明は上記第一乃至第三鉄筋通し板5,6,7の配置に制限されることなく、本発明によって提供される思想に則り、各種配置を採ることができる。
【0051】
上記した橋桁1と床版コンクリート3から成る床版の上面には、コンクリート又はアスファルト等から成る路盤14を形成する。図面は橋桁1と床版コンクリート3から成る床版の上面に路盤コンクリート15を打設し、該路盤コンクリート15の上面にアスファルト舗装を施した例を示している。
【0052】
<図3,図4に示す第一、第二、第三鉄筋通し板を用いた複合床版橋の第二具体例について>
第二具体例は上記の第一具体例と基本構造が同一であり、H形鋼桁1aで橋桁1を形成し、第一、第二、第三鉄筋通し板5,6,7を用い、桁間隔2内に橋長方向に通挿した第一、第二鉄筋4a,4bを各鉄筋通し板5,6,7に貫挿する点において共通の構造を有する。以下、第一具体例との相違点についてのみ説明する。
【0053】
第二具体例においては、隣接する鋼桁1aの一方に固定した第一鉄筋通し板5と、同他方に固定した第二鉄筋通し板6とを、上記桁間隔2の橋幅方向の略中央部において近接対向状態にし、同桁間隔2の橋幅方向の略中央部において上記第一、第二、第三鉄筋通し板5,6,7に上記第一、第二鉄筋4a,4bを夫々貫挿する。
【0054】
上記近接対向状態とは、当接状態と僅少な間隔を存して対向させる場合を含む。
【0055】
又第二具体例においては、H形鋼桁1aの下フランジ9を上フランジ8より幅広にし、隣接する鋼桁1aの下フランジ9を互いに突き合わせ状態にしている。
【0056】
よって隣接する鋼桁1aの上フランジ8間に開口11を形成し、同下フランジ9間は閉鎖状態とする。従って桁間隔2は開口11によって上方に開放し、下方において閉鎖する。
【0057】
その他の構造については第一具体例の説明を援用する。
【0058】
<図5,図6に示す第一、第二、第三鉄筋通し板を用いた複合床版橋の第三具体例について>
第三具体例は図1,図2に示す第一具体例と、図3,図4に示す第二具体例において、H形鋼桁1aの上フランジ8と下フランジ9間の上下フランジ間隔13内に軽量材17、例えば発泡合成樹脂や発泡コンクリート等を充填して桁間隔2内に充填するコンクリートの量を節減すると共に、床版橋の軽量化を図った場合を例示している。
【0059】
上記軽量材17の充填は全鋼桁1a又は鋼桁1aの一部に実施し、他の一部にコンクリートを充填する方法を採ることができる。
【0060】
第三具体例のその他の構造は第一具体例又は第二具体例と同一であるので、その説明を援用する。
【0061】
<図7,図8に示す第一、第二、第三鉄筋通し板を用いた複合床版橋の第四具体例について>
第四具体例は第一乃至第三具体例のH形鋼桁1aに代え、角形鋼管から成る鋼桁1bを用いた場合を図示している。
【0062】
略述すると、図示のように、上記鋼管桁1bを橋幅方向に並列しつつ橋脚に支持し、該鋼管桁1b、即ち鋼管の対向する側面間に形成された橋長方向に延びる桁間隔2内に橋長方向に延びる第一、第二鉄筋4a,4bを配筋し、該第一、第二鉄筋4a,4bを前記第一、第二、第三鉄筋通し板5,6,7に通挿する。
【0063】
即ち上記第一、第二鉄筋通し板5,6は隣接する鋼管桁1bの各対向する側面に溶接又はボルト締め又は鋲止め等にて固定し、該第一、第二鉄筋通し板5,6に貫挿した第一、第二鉄筋4a,4bを上記桁間隔2内に配した上記鋼管桁1bに固定しない第三鉄筋通し板7に一緒に貫挿する。
【0064】
一適例として、上記第一、第二鉄筋通し板5,6は橋幅方向の同一線上に配し、同様に、第三鉄筋通し板7は橋幅方向の同一線上に配する点、又第一、第二鉄筋通し板5,6の対と第三鉄筋通し板7を桁間隔2内において橋長方向に交互に配することができることは前記と同様である。
【0065】
更に第四具体例は隣接する鋼管桁1bを連結鋼棒18にて連結した例を示している。
【0066】
即ち各鋼管桁1bの上面に連結金具19を溶接等にて取り付け、全連結金具19に設けた孔20に連結鋼棒18を貫挿し、該連結鋼棒18の両端を橋幅方向端部の鋼管桁1bに設けた連結金具19の外側面においてナット21により締結する。
【0067】
よって全鋼管桁1bを連結鋼棒18と、前記第一、第二鉄筋4a,4bと、第一、第二、第三鉄筋通し板5,6,7と、桁間隔2内に充填した床版コンクリート3とで連結する。
【0068】
本発明は上記連結鋼棒18を用いない場合を含むことは勿論である。
【0069】
他の詳細な構成については、第一乃至第三具体例の説明を援用する。
【0070】
<図9乃至図15に示す第一、第二鉄筋通し板を用いた複合床版橋の第一乃至第三具体例に共通な構造>
A:複数の橋桁1を橋幅方向に並列し、隣接せる橋桁1の側面間に形成された桁間隔2内に床版コンクリート3を充填した複合構造から成る床版橋である、
B:上記桁間隔2内に橋長方向に延びる鉄筋4を配筋する、
C:上記桁間隔2内に該桁間隔2を形成する一方の橋桁1と一体な第一鉄筋通し板5を設け、同桁間隔2内に該桁間隔2を形成する他方の橋桁1と一体な第二鉄筋通し板6を設ける、
D:上記第一、第二鉄筋通し板5,6の板面を橋長方向において対面せしめ、該第一、第二鉄筋通し板5,6の対面部に上記鉄筋4を貫挿する、
E:上記桁間隔2内に上記床版コンクリート3を充填し、該床版コンクリート3内に上記第一、第二鉄筋通し板5,6と鉄筋4を埋設した、
【0071】
以上A乃至Eの構成を有する橋桁1と床版コンクリート3から成る複合床版橋である。
【0072】
前記と同様、上記橋桁1はH形鋼桁、T形鋼桁、I形鋼桁、箱形鋼桁、鋼管桁等の鋼桁から成る。又は上記各種断面形状のPCコンクリート桁から成る。
【0073】
<図9,図10に示す第一、第二鉄筋通し板を用いた複合床版橋の第一具体例について>
第一具体例においては、橋桁1としてH形鋼から成る鋼桁1aを用いた場合を例示している。
【0074】
上記H形鋼桁1aは下フランジ9を以て橋脚上に支持しつつ、橋脚上に橋幅方向に並列する。
【0075】
上記隣接する鋼桁1aの側面間に形成された桁間隔2内に、即ち隣接する鋼桁1aの腹板10間に形成された桁間隔2内に、橋長方向に延びる鉄筋4を配筋する。
【0076】
上記桁間隔2内に該桁間隔2を形成する一方の鋼桁1aと一体な第一鉄筋通し板5を設ける。
【0077】
同様に、上記桁間隔2内に該桁間隔2を形成する他方の鋼桁1aと一体な第二鉄筋通し板6を設ける。
【0078】
上記第一鉄筋通し板5は内端を隣接する一方の鋼桁1aの上下フランジ8,9で形成する間隔(上下フランジ間隔)13内に介入し、その上下端を上下フランジ8,9に溶接し、又は上下端を上下フランジ8,9に溶接しつつ、内端を腹板10に溶接して一体構造にする。
【0079】
同様に、第二鉄筋通し板6は内端を隣接する他方の鋼桁1aの上下フランジ8,9で形成する間隔(上下フランジ間隔)13内に介入し、その上下端を上下フランジ8,9に溶接し、又は上下端を上下フランジ8,9に溶接しつつ、内端を腹板10に溶接して一体構造にする。
【0080】
上記溶接に代え、ボルト締め、鋲止めにより第一、第二鉄筋通し板5,6を鋼桁1aに一体に固定する。
【0081】
上記第一、第二鉄筋通し板5,6は橋長方向に間隔を置いて多数配設すると共に、第一鉄筋通し板5と第二鉄筋通し板6とが橋長方向において交互となるように配する。
【0082】
そして第一、第二鉄筋通し板5,6の各外端部板面を橋長方向において対面し、該外端部板面の対面部に上記鉄筋4を交互に貫挿し、橋長方向に延在せしめる。
【0083】
又は上記第一、第二鉄筋通し板5,6の略全板面を橋長方向において対面し、該対面部に上記鉄筋4を交互に貫挿する。
【0084】
上記鋼桁1aの上下フランジ8,9は橋幅方向への張り出し長が互いに略等幅であり、隣接する鋼桁1aの上下フランジ8,9の端部は夫々離間し、隣接する鋼桁1aの上フランジ8間と同下フランジ9間に橋長方向に延びる開口11を形成している。
【0085】
又は第一具体例において図3,図4と同様、隣接する鋼桁1aの上フランジ8間に開口11を形成し、同下フランジ9相互を突き合わせ閉鎖する構成を採ることができる。
【0086】
第一、第二鉄筋通し板5,6に設けた鉄筋通し孔12は鉄筋4の直径より大径にし、各鉄筋通し孔12に鉄筋4を遊びを存して遊貫挿し、鉄筋貫挿作業を容易にすると共に、鋼桁1aの捩れや撓みに起因する鉄筋通し孔12の芯ずれが発生している場合にも、該芯ずれを鉄筋通し孔12の孔径にて吸収する。
【0087】
上記桁間隔2内に上記床版コンクリート3を充填し、該床版コンクリート3内に上記第一、第二鉄筋通し板5,6と鉄筋4を埋設する。
【0088】
上記鋼桁1aは第一、第二鉄筋通し板5,6を溶接等し固定したものを工場にて製造し現場搬入する。又鉄筋4と床版コンクリート3とは現場で配筋乃至打設する。
【0089】
上記した橋桁1と床版コンクリート3から成る床版の上面には、コンクリート又はアスファルト等から成る路盤14を形成する。図面は橋桁1と床版コンクリート3から成る床版の上面に路盤コンクリート15を打設し、該路盤コンクリート15の上面にアスファルト舗装を施した例を示している。
【0090】
<図11,図12に示す第一、第二鉄筋通し板を用いた複合床版橋の第二具体例について>
第二具体例は第一具体例のH形鋼桁1aに代え、角形鋼管から成る鋼桁1bを用いた場合を図示している。
【0091】
略述すると、図示のように、上記鋼管桁1bを橋幅方向に並列しつつ橋脚に支持し、該鋼管桁1b、即ち鋼管の対向する側面間に形成された橋長方向に延びる桁間隔2内に橋長方向に延びる鉄筋4を配筋し、該鉄筋4を前記第一、第二鉄筋通し板5,6に通挿する。
【0092】
即ち上記第一、第二鉄筋通し板5,6は隣接する鋼管桁1bの各対向する側面に溶接又はボルト締め又は鋲止め等にて固定し、該第一、第二鉄筋通し板5,6を橋長方向において間隔を置いて対面し、該対面部に鉄筋4を貫挿する。
【0093】
上記第一、第二鉄筋通し板5,6は橋長方向に間隔を置いて多数配設すると共に、第一鉄筋通し板5と第二鉄筋通し板6とが橋長方向において交互となるように配する。
【0094】
そして第一、第二鉄筋通し板5,6の各外端部板面を橋長方向において対面し、該外端部板面の対面部に上記鉄筋4を交互に貫挿し、橋長方向に延在せしめる。
【0095】
又は上記第一、第二鉄筋通し板5,6の略全板面を橋長方向において対面し、該対面部に上記鉄筋4を交互に貫挿する。
【0096】
又各鋼管桁1bの上面に連結金具19を溶接等にて取り付け、全連結金具19に設けた孔20に連結鋼棒18を貫挿し、該連結鋼棒18の両端を橋幅方向端部の鋼管桁1bに設けた連結金具19の外側面においてナット21により締結する。
【0097】
よって全鋼管桁1bを連結鋼棒18により連結した上で、前記鉄筋4と第一、第二鉄筋通し板5,6と桁間隔2内に充填した床版コンクリート3で連結する。
【0098】
上記第二具体例の他の構成については第一具体例の説明を援用する。本発明は上記連結鋼棒18を用いない場合を包含する。
【0099】
以上説明した第一乃至第三鉄筋通し板5,6,7を用いた第一乃至第五具体例、並びに第一、第二鉄筋通し板5,6を用いた第一、第二具体例の何れにおいても、各鉄筋通し板5,6,7又は5,6と、鉄筋4と、コンクリート3とが協働して床版橋全体に車輌走行時の荷重に対する均一な剪断応力を付与し、橋桁1が個々に撓んで舗装や床版コンクリートに亀裂を発生し、延いては該亀裂を通しての漏水を発生する問題を有効に防止できる。
【0100】
<図13,図14,図15に示す第一、第二鉄筋通し板を用いた複合床版橋の第三具体例について>
第三具体例は第一具体例のH形鋼桁1a、同第二具体例の鋼管桁1bに代え、PCコンクリート桁(プレキャストコンクリート桁)1cを用いた場合を図示している。
【0101】
図示のように、下フランジ9を有する断面略方形のPCコンクリート桁1cを下フランジ9を以て橋脚上に支持しつつ橋幅方向に桁間隔2を置いて並列する。
【0102】
他方、第一、第二鉄筋通し板5,6を上記PCコンクリート桁1cの橋幅方向の両側面に固定する。例えば、1枚の鉄筋通し板をコンクリート桁1cに橋幅方向へ横断するように埋設して固定し、該鉄筋通し板の両端をコンクリート桁1cの橋幅方向の両側面より突出し、該一端突出板部23を第一鉄筋通し板5とし、他端突出板部23を第二鉄筋通し板6とする。
【0103】
上記鉄筋通し板はコンクリート埋設板部22と突出板部23を有し、該埋設板部22には補強筋通し孔24を設け、突出板部23には鉄筋通し孔12を設けておく。該鉄筋通し孔12を設けた各突出板部23を第一、第二鉄筋通し板5,6として用いる。
【0104】
又他例として、第一、第二鉄筋通し板5,6を別々に用意し、各通し板5,6の内端をコンクリート桁1c内に埋設し、コンクリート桁1cの両側面より突出した状態を形成することができる。
【0105】
更に他例として、第一、第二鉄筋通し板5,6を別々に用意し、各通し板5,6の内端に折曲形成した取付板をコンクリート桁1cの両側面にあてがい、該取付板をボルト止め又は鋲止めにより固定し、よって各通し板5,6をコンクリート桁1cの両側面より突出した状態にすることができる。
【0106】
上記第一、第二鉄筋通し板5,6をコンクリート桁1cに事前に埋設し、両端を突出したものを工場にて用意し、現場にて橋脚上に設置する。
【0107】
上記第一、第二鉄筋通し板5,6は橋長方向に間隔を置いて多数配置し、隣接する一方のコンクリート桁1cの第一鉄筋通し板5と、同他方のコンクリート桁1cの第二鉄筋通し板6とは、橋長方向にピッチをずらして交互に配置し、両通し板5,6の板面(突出板部23の板面)が桁間隔2内において橋長方向に間隔を置いて対面するように配置する。
【0108】
上記対面部の鉄筋通し孔12に鉄筋4を貫挿し、桁間隔2内を橋長方向に延在せしめる。該鉄筋通し孔12を鉄筋径より大径にし、鉄筋4を鉄筋通し孔12に遊貫挿する例示は前記と同様である。
【0109】
又上記第一、第二鉄筋通し板5,6の埋設板部22に設けた上記補強筋通し孔24に補強筋25を貫挿し、コンクリート桁1c内に埋設する。
【0110】
上記第一、第二鉄筋通し板5,6は夫々1枚の板材で形成し、中間部をコンクリート桁1c内に埋設する例を示したが、上記のように、両通し板5,6を別々の板材で形成し、各板材の内端をコンクリート桁1c内に埋設することができる。
【0111】
好ましくは、上記各コンクリート桁1cの第一鉄筋通し板5は橋幅方向の直線上に配置し、同様に第二鉄筋通し板6は橋幅方向の直線上に配置する。
【0112】
その余の構成については、第二具体例の記載を援用する。
【0113】
上記コンクリート桁1cは第一、第二、第三鉄筋通し板5,6,7を用いた例に適用できることは勿論である。
【0114】
又第一、第二、第三鉄筋通し板5,6,7を用いた複合床版橋の第一乃至第四具体例と、第一、第二鉄筋通し板5,6を用いた複合床版橋の第一乃至第三具体例の夫々において、板と称した上記各鉄筋通し板5,6,7は平板の他、断面形状がI形、T形、H形等の形鋼、或いは角形鋼管を用い、その夫々の板部に鉄筋4、4a,4bを通挿する場合を含む。
【0115】
又本発明は、上記第一、第二、第三鉄筋通し板5,6,7を用いた第一乃至第四具体例と、第一、第二鉄筋通し板5,6を用いた第一乃至第三具体例の各構成は相互に組み合わせて橋桁1と床版コンクリート3から成る複合床版橋を構成する場合を含む。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】図1乃至図10は第一、第二、第三鉄筋通し板を用いた複合床版橋構造の実施例を示し、図1,図2はその第一具体例を示し、図1は橋幅方向断面図。
【図2】図1に示す第一具体例に係る複合床版橋構造を平面方向に断面して示す平面図。
【図3】上記第一、第二、第三鉄筋通し板を用いた複合床版橋構造の第二具体例を示し、図3は橋幅方向断面図。
【図4】図3に示す第二具体例に係る複合床版橋構造を平面方向に断面して示す平面図。
【図5】上記第一、第二、第三鉄筋通し板を用いた複合床版橋構造の第三具体例を示し、図5は橋幅方向断面図。
【図6】図5に示す第二具体例に係る複合床版橋構造を平面方向に断面して示す平面図。
【図7】上記第一、第二、第三鉄筋通し板を用いた複合床版橋構造の第四具体例を示し、図7は橋幅方向断面図。
【図8】図7に示す第二具体例に係る複合床版橋構造を平面方向に断面して示す平面図。
【図9】図9乃至図15は第一、第二鉄筋通し板を用いた複合床版橋構造の実施例を示し、図9,図10はその第一具体例を示し、図9は橋幅方向断面図。
【図10】図9に示す第一具体例に係る複合床版橋構造を平面方向に断面して示す平面図。
【図11】上記第一、第二鉄筋通し板を用いた複合床版橋構造の第二具体例を示し、図11は橋幅方向断面図。
【図12】図11に示す第二具体例に係る複合床版橋構造を平面方向に断面して示す平面図。
【図13】上記第一、第二鉄筋通し板を用いた複合床版橋構造の第三具体例を示し、図13は橋幅方向断面図。
【図14】図13に示す第三具体例に係る複合床版橋構造を平面方向に断面して示す平面図。
【図15】第三具体例を構成するコンクリート桁の正面図。
【符号の説明】
【0117】
1…橋桁、1a…H形鋼桁、1b…鋼管桁、1c…コンクリート桁、2…桁間隔、3…床版コンクリート、4…鉄筋、4a…第一鉄筋、4b…第二鉄筋、5…第一鉄筋通し板、6…第二鉄筋通し板、7…第三鉄筋通し板、8…上フランジ、9…下フランジ、10…腹板、11…開口、12…鉄筋通し孔、13…上下フランジ間隔、14…路盤、15…路盤コンクリート、17…軽量材、18…連結鋼棒、19…連結金具、20…孔、21…ナット、22…埋設板部、23…突出板部、24…補強筋通し孔、25…補強筋。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の橋桁を橋幅方向に並列し、隣接せる橋桁の側面間に形成された桁間隔内に床版コンクリートを充填した複合構造から成る床版橋において、上記桁間隔内に橋長方向に延びる鉄筋を配筋し、同桁間隔内に該桁間隔を形成する一方の橋桁と一体な第一鉄筋通し板を設け、同桁間隔内に該桁間隔を形成する他方の橋桁と一体な第二鉄筋通し板を設け、上記第一鉄筋通し板に上記桁間隔内に配筋された第一鉄筋を貫挿し、上記第二鉄筋通し板に上記桁間隔内に配筋された第二鉄筋を貫挿し、更に上記橋桁の桁間隔内に第三鉄筋通し板を配設し、該第三鉄筋通し板に上記第一、第二鉄筋通し板に貫挿した第一、第二鉄筋を貫挿し、上記桁間隔内に上記床版コンクリートを充填し、該床版コンクリート内に上記第一、第二、第三鉄筋通し板と第一、第二鉄筋を埋設したことを特徴とする橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋。
【請求項2】
上記第一鉄筋通し板と第二鉄筋通し板を上記桁間隔の橋幅方向の略中央部において近接対向状態にし、桁間隔の橋幅方向の略中央部において上記第一、第二鉄筋を夫々貫挿したことを特徴とする請求項1記載の橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋。
【請求項3】
複数の橋桁を橋幅方向に並列し、隣接せる橋桁の側面間に形成された桁間隔内に床版コンクリートを充填した複合構造から成る床版橋において、上記桁間隔内に橋長方向に延びる鉄筋を配筋し、同桁間隔内に該桁間隔を形成する一方の橋桁と一体な第一鉄筋通し板を設け、同桁間隔内に該桁間隔を形成する他方の橋桁と一体な第二鉄筋通し板を設け、上記第一、第二鉄筋通し板の板面を橋長方向において対面せしめ、該第一、第二鉄筋通し板の対面部に上記鉄筋を貫挿し、上記桁間隔内に上記床版コンクリートを充填し、該床版コンクリート内に上記第一、第二鉄筋通し板と鉄筋を埋設したことを特徴とする橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋。
【請求項4】
上記第一、第二鉄筋通し板の端部板面を橋長方向において対面し、該端部板面の対面部に上記鉄筋を貫挿したことを特徴とする請求項3記載の橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋。
【請求項5】
上記第一、第二鉄筋通し板の略全板面を橋長方向において対面し、該対面部に上記鉄筋を貫挿したことを特徴とする請求項3記載の橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋。
【請求項6】
上記橋桁がH形鋼桁であり、該H形鋼桁の上下フランジに上記第一、第二鉄筋通し板を固定し、上記桁間隔内における配置状態を形成したことを特徴とする請求項1又は3記載の橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋。
【請求項7】
上記橋桁が鋼管桁であり、該鋼管桁の側面に上記第一、第二鉄筋通し板を固定し、上記桁間隔内における配置状態を形成したことを特徴とする請求項1又は3記載の橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋。
【請求項8】
上記橋桁がPCコンクリート桁であり、該PCコンクリート桁の側面に上記第一、第二鉄筋通し板を固定し、上記桁間隔内における配置状態を形成したことを特徴とする請求項1又は3記載の橋桁と床版コンクリートから成る複合床版橋。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−71015(P2010−71015A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241589(P2008−241589)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【特許番号】特許第4236011号(P4236011)
【特許公報発行日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(301077437)朝日エンヂニヤリング株式会社 (17)
【出願人】(300082140)エコ ジャパン株式会社 (19)
【Fターム(参考)】