説明

機械式駐車装置

【課題】ゲートの下降が、異物の挟み込み等によって阻害されるような場合に、その異常を適切に検知する。
【解決手段】正常時には、抜け止めストッパ30は、位置固定されたブラケット32に当接して位置決めされ、バランスチェーン20に付与される所定の張力Tが維持される。このとき、検知器である近接スイッチ28によって、抜け止めストッパ30のマグネット30bが検知されることはない。しかしながら、ゲート14の昇降動作が異物の挟み込み等によって阻害され、ゲート14が傾くような異常時には、バランスチェーン20の、ゲート14一側端部から下方へと延びる部分の張力を失う。そして、抜け止めストッパ30はブラケットから離間する方向へと移動して、近接スイッチ28によって抜け止めストッパ30のマグネット30bが検知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、パレットを用いた様々な形式の機械式多段駐車装置が実用化されている。その一例として、図4には、複数のパレット12を上下左右に複数配置した形式の機械式駐車装置10が示されている。この機械式駐車装置は地上4段、地下1段の5段構成であり、地上第4段(最上段)及び地下段には、入出庫段である地上第1段へと昇降可能な昇降パレット12A、12Eが3台づつ配置されている。これらの昇降パレット12A、12Eは、何れも、後述するようにチェーン等を用いた昇降駆動機構を備えている。又、地上第2段、第3段には、横行可能かつ地上第1段へと昇降可能な横行・昇降パレット12B、12Cが2台づつ配置されている。横行・昇降パレット12B、12Cは、横行レール上を走行車輪によって走行することにより、横行する横行フレームを備え、該横行フレームに、昇降パレット12Aと同様の昇降駆動機構が設けられたものである。更に、地上第1段には、横行パレット12Dが2台配置されている。横行パレット12Dは、横行レール上を走行車輪によって走行する。なお、図4の機械式駐車装置10は、横方向に3列構成となっているが、必要に応じて列の増減が可能である。
【0003】
この機械式駐車装置10において、地上第2段〜第4段の昇降パレット12A〜12C、及び、地下段パレット12Eに対し車両を入出庫させる際には、地上第1段のパレット12Dが横行退避することにより、昇降パレット12A〜12C、12Eの1台分のスペースを確保する。そして、地上第1段に形成されたスペースへと、目的の昇降パレット12A、12Eが昇降移動し、又は、昇降・横行パレット12C、12Dが、横行・昇降する。よって、入出庫段に位置する横行パレット12Dを含む、全てのパレットへの入出庫が可能となる。
又、機械式駐車装置10には、その待機時や、入出庫に係るパレットの地上第1段への移動を完了する間、機械式駐車装置内部への人や車の誤進入を防止するため、地上第1段を塞ぐ昇降式のゲート14が設けられている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
ゲート14は、図5に示されるように、電動モータ等の動力源16により直接駆動される昇降チェーン18が一側端に掛け回され、かつ、バランスチェーン20が、一側端下方から他側端上方へとクランク状にかけ回された昇降駆動機構を備えている。なお、図示の例では、昇降チェーン18はゲート14の一側端にエンドレスに掛け回されているが、昇降チェーン18の掛け回し方法はこれに限定されるものではない。一方、バランスチェーン20はその両端部が固定されて、ゲート14の左右両端部に軸着された2つのスプロケット22を介して、常時一定の張力が付与されることで、一側にのみ配置された昇降チェーン18の駆動力を他側へと伝達し、昇降移動の間の、ゲート14の水平状態を維持するものである。なお、ゲート14は、縦方向に延びるフレーム24に対して、ガイドシュー等の案内手段(図示省略)を介して当接することで、昇降案内がなされている。そして、入出庫に係るパレットの、地上第1段への移動が完了すると、ゲート14は装置の最大収容高さ以上の位置へと上昇することで、地上第1段への、人や車の進入が可能となる。
又、昇降12Eについても、ゲート14と同様に、昇降チェーンとバランスチェーンとを組み合わせることで、昇降移動の間の水平状態を維持することが可能な、昇降駆動機構が採用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「東急ネオ・トーパーク 地上4・3段・地下1段(昇降横行式・ピット式)駐車装置TPKc型」製品パンフレット,東急パーキングシステムズ株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のように、ゲート14は、図5に示されるように、電動モータ等の動力源16により直接駆動される昇降チェーン18が一側端に掛け回され、かつ、バランスチェーン20が、一側端下方から他側端上方へとクランク状にかけ回された昇降駆動機構を採用することで、複数の動力源16を協調運転させてゲート14の水平を維持する必要をなくし、チェーンを露出させず、更にゲート機構スペースの高さを抑えることが出来る。
ところで、ゲート14の下降動作中に、例えば、ゲート14の下方に異物を挟み込んで、ゲート14の下降動作が阻害されるような場合を考慮して、従来から、ゲート14の下降動作が所定時間以内に完了しない場合には、動作エラーと判断して、ゲート14の動作を中止する安全装置が設けられている。しかしながら、この安全装置は、次のようなケースでは、有効に働かない場合がある。
【0007】
まず、ゲート14の幅方向中央部よりも昇降チェーン18で直接駆動される側寄りに異物を挟み込むと、昇降チェーン18を介して動力原16の回転がロックされ、ゲート14の下降動作は停止する。しかしながら、ゲート14の幅方向中央部よりも昇降チェーン18で直接駆動されない側寄りの範囲で、ゲート14の下方に異物を挟み込んでしまうような場合には、ゲート14の、昇降チェーン18で直接駆動されない側の下降動作は異物によって停止するが、昇降チェーン18に直接駆動される側は依然として下降が進行し、ゲート14が傾いて、バランスチェーン20の、ゲート14下方へと延びる部分に緩みが生じてしまう。そして、最悪の場合には、ゲート14が傾いて動作不能となるおそれがある。かかる問題は、同様の昇降機構を採用する昇降パレット12Eにも生じ得るものである。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、昇降チェーンとバランスチェーンとを組み合わせた昇降駆動機構を採用する機械式駐車装置において、ゲートやパレット等の昇降対象物の下降が、異物の挟み込み等によって阻害されるような場合に、その異常を適切に検知して、昇降動作を直ちに中止するための安全装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。又、各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。よって、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0010】
(1)上下に昇降するゲート又はパレットの少なくとも一方を備え、前記ゲート又はパレットのうち少なくとも一方に、動力源により直接駆動される昇降チェーンが一側端に掛け回され、かつ、水平状態を維持するためのバランスチェーンが、前記一側端下方から他側端上方へとクランク状にかけ回された昇降駆動機構を備える機械式駐車装置であって、前記バランスチェーンの下方端部に、前記バランスチェーンのたるみを検知する検知手段が設けられている機械式駐車装置(請求項1)。
本項に記載の機械式駐車装置は、バランスチェーンの下方端部に設けられた検知手段により、バランスチェーンのたるみを検知することで、上下に昇降するゲート又はパレットの動作が、異物の挟み込み等によって阻害されるような場合に、バランスチェーンのたるみから、その異常を適切に検知するものである。そして、必要に応じゲートやパレットの昇降動作の停止制御を行うことを可能とするものである。
【0011】
(2)上記(1)項において、前記検知手段は、前記バランスチェーンの下方端部に設けられ、前記バランスチェーンに付与する所定の張力を維持するための、抜け止めストッパと、該抜け止めストッパの変位を検知する検知器とを含み、前記抜け止めストッパは、前記バランスチェーンに所定の張力が付与された状態では、位置固定されたブラケットに対して当接して位置決めされ、かつ、前記バランスチェーンの張力を失うと、前記ブラケットから離間する方向へと移動可能に、前記ブラケットに対して嵌合している機械式駐車装置(請求項2)。
本項に記載の機械式駐車装置は、正常時には、抜け止めストッパが、位置固定されたブラケットに当接して位置決めされ、バランスチェーンに付与する所定の張力が維持されるので、検知器によって抜け止めストッパが検知されることはない。しかしながら、ゲートやパレットの動作が、異物の挟み込み等によって阻害され、ゲートが傾くような異常時には、バランスチェーンの張力を失うことから、抜け止めストッパはブラケットから離間する方向へと移動して、検知器によって抜け止めストッパが検知される。このように、バランスチェーンのたるみを、抜け止めストッパの変位を検知することで把握するものである。
【0012】
(3)上記(2)項において、前記検知器は、前記抜け止めストッパを検知する近接スイッチである機械式駐車装置(請求項3)。
本項に記載の機械式駐車装置は、抜け止めストッパの変位を、近接スイッチにより非接触に検知して、バランスチェーンのたるみを把握するものである。
(4)上記(2)項において、前記検知器は、前記抜け止めストッパを検知するリミットスイッチである機械式駐車装置(請求項4)。
本項に記載の機械式駐車装置は、抜け止めストッパの変位を、リミットスイッチにより直接的に検知して、バランスチェーンのたるみを把握するものである。
いずれの場合であっても、必要に応じ検知器にカバー等の保護手段を設け、誤検知を回避することが望ましい。
【0013】
(5)上記(2)から(4)項において、前記抜け止めストッパを前記ブラケットから離間する方向へと付勢するための、付勢手段が設けられている機械式駐車装置(請求項5)。
本項に記載の機械式駐車装置は、付勢手段によって抜け止めストッパがブラケットから離間する方向へと付勢されることで、ゲートやパレットの昇降動作が、異物の挟み込み等によって阻害されるような異常時に、バランスチェーンの張力を失うことによる、抜け止めストッパの、ブラケットから離間する方向への変位を促すものである。そして、抜け止めストッパの変位を検知器によって検知して、バランスチェーンのたるみを把握するものである。
【0014】
(6)上記(1)、(2)項において、前記検知手段は、前記バランスチェーンに当接して前記バランスチェーンからの張力を受ける接触子と、該接触子を介して前記バランスチェーンの張力を検知する検知器とからなる機械式駐車装置(請求項6)。
本項に記載の機械式駐車装置は、ゲートやパレットの昇降動作が、異物の挟み込み等によって阻害されるような異常時に、該接触子を介して検知器によりバランスチェーンのたるみを把握するものである。
この場合も、必要に応じ接触子や検知器にカバー等の保護手段を設け、誤検知を回避することが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明はこのように構成したので、昇降チェーンとバランスチェーンとを組み合わせた昇降駆動機構を採用する機械式駐車装置において、ゲートやパレット等の昇降体尚物の下降が、異物の挟み込み等によって阻害されるような場合に、その異常を適切に検知して、昇降動作を直ちに中止するための安全装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の、ゲートの昇降駆動機構を構成するバランスチェーンの、たるみの検知手段を示すものであり、(a)は要部正面図、(b)は要部側面図である。
【図2】図1に示されるたるみの検知手段による、バランスチェーンのたるみ検知方法を示す説明図であり、(a)はバランスチェーンに所定の張力が付与された正常時を、(b)はバランスチェーンの張力を失った異常時を示すものである。
【図3】本発明の実施の形態の応用例に係るたるみの検知手段による、バランスチェーンのたるみ検知方法を示す説明図であり、(a)はバランスチェーンに所定の張力が付与された正常時を、(b)はバランスチェーンの張力を失った異常時を示すものである。
【図4】従来の機械式駐車装置の全体模式図である。
【図5】図5に示される従来の機械式駐車装置のゲートを抜粋して示したものであり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
図1には、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の、上下に昇降するゲート14の昇降駆動機構を構成するバランスチェーン20の、たるみを検知する検知手段26を示している。図1の検知手段26としては、近接スイッチ28を用いたものが示されている。近接スイッチ28は磁気検知式の非接触スイッチであり、フレーム24の根元部分に固定されている。又、バランスチェーン20の下方端部には抜け止めストッパ30が設けられている。図示の例では、抜け止めストッパ30は円柱状の部品であり、中間部に円形のフランジ30aが設けられている。更に、抜け止めストッパ30の先端部には、近接スイッチ28の検知対象となるマグネット30bが固定されている。
【0018】
そして、フランジ30aの上面が、フレーム24や本装置の設置面等に固定された、ブラケット32の下面と対抗するように、ブラケット32に形成された穴に下方から挿通されている。よって、抜け止めストッパ30は、フランジ30aの上面が、ブラケット32の下面に当接する位置を移動範囲の上限として、ブラケット32に対して移動(昇降)可能となっている。なお、図1の例では、フランジ30aの上面とブラケット32の下面との間にコイルばね34を介していることから、コイルばね34の圧縮限度位置が、抜け止めストッパ30の移動範囲の上限となる。図1中、符号36は、近接スイッチ28をフレーム24に固定するブラケットであり、符号38は、機械式駐車装置の制御盤を模式的に示したものである。
【0019】
よって、抜け止めストッパ30は、バランスチェーン20に所定の張力Tが付与された状態では、図2(a)に示されるように、位置固定されたブラケット32に対して当接して位置決めされ、バランスチェーンに付与する所定の張力が維持される。一方、図2(b)に示されるように、ゲート14が傾き、バランスチェーン20の、ゲート14一側端部から下方へ延びる部分の張力Tを失うと、ブラケット32から離間する方向へと移動する。なお、バランスチェーン20の張力Tを失った状態で、バランスチェーン20又は抜け止めストッパ30の自重により、抜け止めストッパ30がブラケット32から円滑に離間するものであれば、コイルばね34を、図2に示されるように省略することも可能である。
【0020】
さて、上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、バランスチェーン20の下方端部に設けられた検知手段30により、バランスチェーン20のたるみを検知することで、ゲート14の昇降動作が、異物の挟み込み等によって阻害されるような場合に、バランスチェーン20のたるみから、その異常を適切に検知することができる。そして、必要に応じ、制御盤38によりゲート14の昇降動作の停止制御を行うことが可能となる。
【0021】
より具体的には、図2(a)に示される正常時には、抜け止めストッパ30は、位置固定されたブラケット32に当接して位置決めされ、バランスチェーン20に付与される所定の張力Tが維持される。このとき、検知器である近接スイッチ28によって、抜け止めストッパ30のマグネット30bが検知されることはない。
しかしながら、図2(b)に示されるように、ゲート14の昇降動作が異物の挟み込み等によって阻害され、ゲート14が傾くような異常時には、バランスチェーン20の、ゲート14の一側端部から下方へと延びる部分の張力を失うことから、抜け止めストッパ30はブラケットから離間する方向へと移動(下降)して、近接スイッチ28によって抜け止めストッパ30のマグネット30bが検知される。このように、バランスチェーン20のたるみを、抜け止めストッパ30の変位を検知することで把握し、ゲート14の昇降動作を直ちに中止するための安全装置を提供することが可能となる。
【0022】
又、図1の例では、付勢手段であるコイルばね34によって、抜け止めストッパ30がブラケット32から離間する方向へと付勢されることで、ゲート14の昇降動作が、異物の挟み込み等によって阻害されるような異常時に、バランスチェーン20の張力Tを失うことによる、抜け止めストッパ30の変位を促すことができる。そして、抜け止めストッパ30の変位を近接スイッチ28によって検知して、バランスチェーン20のたるみを把握することができる。
【0023】
なお、コイルばね34のような、抜け止めストッパ30をブラケット32から離間する方向へと付勢するための付勢手段を設ける場合には、抜け止めストッパ30の変位は重力のみに頼るものではなくなるため、異常を検知するための抜け止めストッパ30の移動方向は、ブラケット32の下方に限定されることなく、他の部品とのレイアウト等を勘案して、適切な位置(例えば、水平方向や上方)に、近接スイッチ28を配置することも可能となる。
又、図1、図2の例では、検知器に近接スイッチ28を採用して、抜け止めストッパ30(マグネット30b)を非接触に検知する構成としたが、検知器に、抜け止めストッパ30を接触検知するリミットスイッチを用いることとしても良い。
【0024】
更に、図3に示されるように、検知手段26を、バランスチェーン20に当接してバランスチェーン20からの張力を受ける接触子としてのテンションスプロケット40と、テンションスプロケット36を介してバランスチェーン20の張力を検知する検知器42とで構成することも可能であり、図1〜図3の例と同様の作用効果を得ることが可能となる。
この場合、テンションスプロケット36は、ゲート14の昇降動作が異物の挟み込み等によって阻害され、ゲート14が傾くことで、バランスチェーン20の張力を失う範囲、すなわち、ゲート14の一側端部から下方へと延びる部分のいずれかに設けられていれば良い。又、テンションスプロケット40の支持構造や、テンションスプロケット40を介してバランスチェーン20の張力を検知する検知器42については、従来から一般的に用いられているものを採用すれば良い。
【0025】
なお、本発明の実施の形態では、本発明をゲート14の昇降駆動手段に適用した場合を例示して説明したが、同様の昇降機構を採用する昇降パレット12にも適用可能であることは、理解されるであろう。
【符号の説明】
【0026】
10:機械式駐車装置、12:パレット、 12A、12E:昇降パレット、 12B、12C:横行・昇降パレット、12D:横行パレット、14:ゲート、16:動力源、18:昇降チェーン、20:バランスチェーン、22:スプロケット、26:検知手段、28:近接スイッチ、30:抜け止めストッパ、30a:フランジ、30b:マグネット、 32、36:ブラケット、34:コイルばね、38:制御盤、40:テンションスプロケット、42:検知器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に昇降するゲート又はパレットの少なくとも一方を備え、前記ゲート又はパレットのうち少なくとも一方に、動力源により直接駆動される昇降チェーンが一側端に掛け回され、かつ、水平状態を維持するためのバランスチェーンが、前記一側端下方から他側端上方へとクランク状にかけ回された昇降駆動機構を備える機械式駐車装置であって、
前記バランスチェーンの下方端部に、前記バランスチェーンのたるみを検知する検知手段が設けられていることを特徴とする機械式駐車装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記バランスチェーンの下方端部に設けられ、前記バランスチェーンに付与する所定の張力を維持するための、抜け止めストッパと、該抜け止めストッパの変位を検知する検知器とを含み、
前記抜け止めストッパは、前記バランスチェーンに所定の張力が付与された状態では、位置固定されたブラケットに対して当接して位置決めされ、かつ、前記バランスチェーンの張力を失うと、前記ブラケットから離間する方向へと移動可能に、前記ブラケットに対して嵌合していることを特徴とする請求項1記載の機械式駐車装置。
【請求項3】
前記検知器は、前記抜け止めストッパを検知する近接スイッチであることを特徴とする請求項2記載の機械式駐車装置。
【請求項4】
前記検知器は、前記抜け止めストッパを検知するリミットスイッチであることを特徴とする請求項2記載の機械式駐車装置。
【請求項5】
前記抜け止めストッパを前記ブラケットから離間する方向へと付勢するための、付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の機械式駐車装置。
【請求項6】
前記検知手段は、前記バランスチェーンに当接して前記バランスチェーンからの張力を受ける接触子と、該接触子を介して前記バランスチェーンの張力を検知する検知器とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の機械式駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−77565(P2012−77565A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225686(P2010−225686)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000003377)東急車輛製造株式会社 (332)