説明

機械部品の長さ寸法の検査用のヘッド、装置および方法

【課題】精度を保証し、信頼性が高く、汎用性があり、廉価である長さ寸法検査用ヘッドを提供する。
【解決手段】さまざまな構成要素の調整および取替えのために、外部から操作可能であることから、ヘッド1は一定の柔軟性およびモジュラリティ特性を有する。変換器90は多数の巻線を備えた誘導半ブリッジ型である。処理装置への電気接続のための積分要素は、変換器の巻線、ケーブル110およびコネクタを含み、後者は高速ロッキング/アンロッキング装置を備える。ケーブルの先端は、変換器の巻線とコネクタの間に、プラスチック材料のオーバモールディング処理によって接続される。少なくともケージング3または測定ヘッドを含む検査装置は、静止構造材および調整可能かつ取外し可能な方法で静止構造材に連結される少なくともヘッドのための支持構造材を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、長手方向の幾何学的な軸を規定する支持構造材および支持構造材に関して移動可能であるアームセットを含む機械部品の長さ寸法点検用のヘッドに関する。
【0002】
本発明はまた、少なくとも機械部品の長さ寸法検査用のヘッドおよび明確に限定された検査位置にヘッドを支持および配置するための実質的に固定された支持材を備えた支持および基準システムを含む機械部品の長さ寸法検査用の装置に関する。
【0003】
さらに、本発明は、明確な検査位置および検査段階にヘッドを配置するために、主部品において実現されるゼロ調整段階を含む少なくともゲージングヘッドを備えた装置によって、機械部品の長さ寸法検査用の方法に関する。
【0004】
本発明はさらに、第1および第2の要素であって、2つの装置のそれぞれが、2つの装置の一方に電気的に接続される要素および、第1と第2の要素との間にロッキング装置を含む2つの装置の電気的な接続のためのコネクタに関する。
【0005】
さらに、本発明は、支持構造材に関するアームの位置に依存する電気信号を発生するために、支持構造材および支持構造材に関して移動可能であるアームを備えた長さ寸法検査のために、ヘッドに使用する誘導型変換器であって、巻線およびコアを含み、強磁性材料から形成され、巻線内部に収容され、巻線に関して移動可能である変換器であって、第1のハウジングおよびスプールを備えた中空の支持材をさらに含み、第1のハウジングに配置され、巻線のために環状シートを備えている変換器に関する。
【0006】
本発明はまた、部品と共に協働するためのゲージングヘッド、部品の寸法を示す電気信号を発生するためのゲージングヘッドに少なくとも部分的に含まれる変換器、処理装置およびヘッドと処理装置との間にある電気連結手段を備えた機械部品の長さ寸法検査用の装置に関する。
【0007】
背景技術
ベンチ、トランスファラインまたはいわゆる「製造段階」型の用途に関して、工作機械において機械加工中の機械部品の検査用のさまざまな種類の寸法合わせまたは測定のヘッドが既知である。
【0008】
繰返し精度および信頼性に関する限り、既知のヘッドが優れた性能を保証しているとしても、ヘッドは一般に、特定の種類の用途専用であり、広範囲に使用することができない
【0009】
他の環境において、ヘッドが多数の用途に適切である場合であっても、長期の高価で骨の折れる機械設備の改善操作を必要とする。
【0010】
たとえば、線形電圧差動変圧器または相補的な可動巻線およびコアを備えた半ブリッジ型の既知のヘッドの変換器要素は、コアと巻線との間のきわめて制限された領域の移動において、線形の性能を備えるため、制限された測定範囲であっても差し支えない。さらに、このような変換器要素は、感度が高く、特にヘッド操作中の「熱ドリフト」として知られる望ましくないドリフトを生じる温度変動を感知する構造を備えている。
【0011】
既知のヘッドはまた、連結される変換器から処理装置に信号を送信することができる電線を備えたケーブルおよびケーブルの自由端にあるコネクタを含む。既知のヘッドのコネクタは、
たとえば、適切なロッキングおよびシーリングを実現するために、操作者のために特に注意が必要であるねじ型連結によって、互いに連結される予定の要素である。
【0012】
このようなヘッドを支持するためのフレーム、たとえば寸法検査用途における1組のヘッドの支持および基準のための支持材を具備する装置も知られている。
相補的および支持材に関してのいずれの場合にも、ヘッドを調節可能な方法で支持材に連結することができる。この種の装置は、たとえば、工作機械、さらに具体的に言えば研削機械における機械加工中に、部品の寸法検査を行うために利用される。装置、さらに具体的に言えばゲージングヘッドの構成要素部品は、特に「製造段階」の種類の用途である職場環境において頻繁に生じる事故によるおよび望ましくない衝突を引き起こし得る。このような衝突は、実際のヘッドに損傷を与えるほか、ヘッドの検査位置を変更する可能性がある。
【0013】
発明の開示
本発明の目的は、高水準の繰返し精度および精度を保証し、特に信頼性が高く、汎用性があり、廉価であるため、既知のヘッドの利点を克服するような機械部品の長さ寸法検査のためのゲージングまたは測定ヘッドを提供することにある。
本発明の別の目的は、ヘッドの性能を向上し、製作コストを削減し、その使用がきわめて簡単で順応性に優れている一因となるゲージングヘッドのための構成要素部品、具体的には変換器およびコネクタを提供することにある。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、高水準の繰返し精度および精度を保証する一方、特に安全で、用途に融通が利き、簡単かつ迅速なセットアップ操作のみが必要であるようなゲージングまたは測定ヘッドを利用する検査装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、特に簡素で用途に融通が利くような少なくともゲージングまたは測定ヘッドを備えた装置によって実行される長さ寸法検査のための方法を提供することにある。
【0016】
本発明のさらなる目的は、少なくともゲージングまたは測定ヘッドおよび特に信頼性が高く、小型で簡単かつ迅速に取外されることができるような処理装置への接続のための手段を備えた検査装置を提供することにある。
【0017】
上記および他の目的は、発明の詳細の後に設けられる請求項に定義されるように、ヘッド、構成要素部品、装置および検査方法によって実現される。
【0018】
本発明によるヘッド、装置、構成要素部品および方法は、以下の詳細に述べるように、特定の利点を提供する。
【0019】
発明を実現するための最良の形態
図1〜6に示されているヘッド、さらに具体的にはゲージングヘッド1は、実質的には多面形状であり、具体的に言えば長手方向の幾何学的な軸を規定する平行六面体形状である鋼ケーシング3を備えた支持および保護構造材を具備する。
【0020】
ケーシング3は、実質的に長手方向の配置を備えた溝12と、溝12にアクセスするためのホールおよび開口部を備えた前面5、上面6、下面7および後面8とを有する。特に、細長い開口部15は上面6に規定され、中央開口部16は前面5に規定される。
【0021】
移動可能なアームセットは、ケーシング3の溝12に部分的に収容され、ケーシング3の長手方向の幾何的な軸に実質的に平行に配置されたアームを具備する。アーム20は、ケーシング3内部に位置し、(図4に示される)2つの横方向の翼22,23を備えた第1の先端部分21、中間部分24および前面5の中央開口部16を横切り、ケーシング3の外部でフィーラ27のための支持材26を移動する第2の先端部分25を含む。
【0022】
支点30(図6の拡大図にも細部が示されている)は、ケーシング3および横軸を中心にしてアーム20の限定された回転移動を可能にするための移動可能なアーム20に連結される。支点30は、3枚の鋼薄片31,32,33からなり、たとえば亜鉛合金で形成される2個のブロック34,35に永久に固定される変形可能な要素を具備する。他の修理の処理(たとえば、溶接)も予測されることができるとしても、ダイカストは、異なる材料で形成される要素の間にこのような永久固定を実現するための処理である。
【0023】
薄層31,32,33をブロック34,35に永久に固定するためのダイカスト処理は、その後にブロック34,35を実現するために必要な溶融された材料を注入されるダイに薄層31,32,33を挿入することによって実現される。
したがって、溶融材料を一旦冷却すると、薄層31,32,33をこの材料に固定されたままになる。さらに、薄層31,32,33はホール、すなわち溶融された材料に浸漬したままであることを目的とする領域に明確に定めることができ。さらに、固定した安定性を保証する。
【0024】
支点30が静止状態下にある場合には、2個のブロック34,35は互いに関して実質的に平行であり、薄層31,32,33はたとえばブロック34,35と45°の角度を形成する。薄層32が他の2枚の薄層31,33とほぼ90°の角度を形成するのに対し、薄層31,33は実質的に共平面にある。実質的に、一方の側に薄層31,33、他方の側に薄層32が、アーム20の回転軸を示す直線によって規定される1束の平面のうちの2つの平面(たとえば、互いに垂直な2つの面)にある。
【0025】
ブロック34は、2個のねじ40によってアーム20の中間部分24に連結され、他方、ブロック35は、(図5に示される)2個の他のねじ41によって面7に対応する位置でケーシング3の内面に連結される。図2および6に示されるブロック34はきわめて明確な形状であるために、アーム20に連結するための部分は長手方向に相当限定された範囲であり、それによってアーム20から支点30までの歪みの伝達を最小限に抑え、支点30の優れた性能を確保する。
【0026】
支点30の構造および配置は、アーム20を上述の回転軸を中心にした正確な回転移動以外には限定されるように実現することができ、すなわちケーシング3の長手方向の幾何的な軸に垂直であり、上面6および下面7にそれぞれ平行であるように実現されることができる。
【0027】
機械的限定装置は、両方向においてアーム20の回転移動を制限するために、ケーシング3の溝12に固定され、横方向の翼22,23の上面および下面とそれぞれ協働するように適合されるリミットストップ要素を具備する。さらに詳細には、(図2に関して)半時計回りの方向に、移動可能なアーム20の回転移動が、翼22の上面とねじ50のヘッドとの間で生じる接触によって制限されるような方法で、ねじ50はケーシング3の下面7で溝12にねじ込まれ、翼22にある適切な開口部を横切る。ねじ山のある要素またはダウエル52が図2の断面図の外部にあったとしても、図2に示され、点線によって図4にも示されている。ダウエル51はまた、ケーシング3の下面7で溝12に固定され、翼23の下面に接触する場合には、図2に関して反時計方向に移動可能なアーム20の回転移動を制限する。ねじ50の位置およびダウエル51の位置は、ケーシング3の下面7に位置し、(図5に示される)連結されるキャップ13,14によって封止される適切なスルーホールを通じてアクセスすることによって調整されることができる。
【0028】
平らで細長い成形要素または鋳ばり55は、ねじ56によってアーム20に連結される。図2に示されるように、アーム20は突出している面部分と共に形成された外形を有する。特に、鋳ばり55の連結は、支点30の連結領域の付近にある鋳ばり55の先端部分およびアーム20の突出している面部分で行われる。
このように、鋳ばり55はズーム20の第1の先端部分21の(図2に関する)上面に実質的に平行である面にそれ自体を配置する。
【0029】
スラスト装置は、検査対象の機械部品2の表面に対してフィーラ27を推進するために、連結されるフッキングおよび調整装置によって、移動可能なアーム20およびケーシング3に連結される戻しばね60を具備する。さらに詳細には、このようなフッキングおよび調整装置は、ばね60の先端に固定され、それぞれ移動可能なアーム20およびケーシング3に連結される第1および第2のフッキング要素61,62を具備する。
【0030】
さらに詳細を述べれば、第1のフッキング要素61は、スルーホール59の入口でアーム20の連結されるシートと協働する拡張部分およびばね60の連結される先端を把持し、スルーホール59に収容される部分を備えた実質的に円筒の形状である。以下に記載されるように、調整可能であるばね60の牽引力は、第1のフッキング要素61とアーム20との間の協働を確保する。
【0031】
第2のフッキング要素62は、実質的に多面的な外面(さらに具体的に言えば、正方形の断面)および軸方向にねじ山のあるホールを備え、ケーシング3の下面7の上にあるシート9に収容される。シート9は円筒状の断面および第2のフッキング要素62の軸方向の回転を阻止するための正方形の断面を備えたガイドネック63を有する。さらに、フッキングおよび調整装置は、第2のフッキング要素62の軸方向にねじ山のあるホールに連結され、ねじ64のヘッドがシート9の横断面に対して当接し、拡張された断面部分に配置されるような方法で調整ねじ64を具備する。ネック63の誘導動作は、(ばね60のバイアスを変化させるために)(図5に示されるように)ケーシングの外部から調整ねじ64のヘッドを回転させるように操作することによって、フッキング要素62を並進移動させることができる。環状ガスケット65は、シート9を封止するためにねじ64のヘッドとシート9の入口との間に配置される。
【0032】
アーム20を予め調整された動作不能位置まで移動させるための空気圧で動作する収縮装置は、ケーシング3の下面7にあるスルーシート10に収容されるベローズ70を具備する。ベローズ70は、プラスチック材料、たとえばポリウレタンから形成されるが、ゴムまたは金属から形成されることもできる。ケーシング3の外部からシート10に挿入または取外しされることができるベローズ70は、面7においてシート10の入口で溝に収容するための拡張された開口端を有する。実質的に平坦なカバー71はまた、シート10に挿入され、シート10を封止するためにベローズ70の先端を推進する。カバー71はその縁(図5参照)の全く対向する部分にロックする2個のねじ72によって、ケーシング3に連結される。
【0033】
ベローズ70の対向する端は自由であり、その外面の中央領域に環状リミットストップ要素74が連結、たとえば接着されるクロージャ壁73を有する。アーム20と一体である円筒の突出している部分76は、環状リミットストップ要素74の円筒状のシート75と協働するような寸法を有する。カバー71は、図2に概略的に示され、それぞれ参照符号79,80によって識別される圧縮空気源および連結されるダクトを具備する既知の空気圧回路のダクトと連結されたスルーホールを有する。
【0034】
図2に目に見える形で示され、図7〜9断面図に拡大して示されている多重巻線を備えた「ハーフブリッジ」型の誘導型変換器90は、それぞれが2つの部分に分割される1組の巻線92および強磁性材料から形成されるコア91を具備する。コア91は、調節可能な方法でアーム20に連結される心棒93に固定される。さらに具体的に言えば、心棒93は、アーム20の先端部分21に配置されるねじ山のあるホール28の中にねじ止めされる。
【0035】
巻線92の各部分は、熱変動に特に低感度である材料(たとえば「液晶」またはLCP、すなわち液晶ポリマー)から形成されるスプール95の4枚の環状シートのうちの1つに収容される。
【0036】
スプール95への巻線92の連結は、接着剤の使用を予測していないため、組立品の操作を容易に行うことができ、接着剤が影響を及ぼされる熱変動のために生じうる望ましくない影響を避ける。
【0037】
スプール95は、中空支持材100に連結され、さらに具体的には第1の鋼ハウジングまたはライナ101の内部でライナ101の先端にある内部リミットストップ面の間に配置される。さらに詳細には、図示されている構成において、スプール95の位置は、スプール95の実質的に円錐台の端面に対して、機械加工によって適切に曲げ加工を施されたライナ101の自由端リム102によって固定される。この種の連結は特に簡素で、信頼性が高く、自動化がたやすい。連結には結合剤などの添加材料が必要とされるという事実のために、このような材料は体積において望ましくない変化を被りやすいため、装置の受ける熱変動が、変換器の構成要素の中で移動を生じる可能性があり、特に既知の装置に関して、信頼性が改善される。スプール95のために中空支持材100の第2のハウジング105(たとえば黄銅で形成される)は、実質的に垂直な方向に配置される2個の部品を有する。1個の部品106は曲げ部分によってライナ101に連結され、他方の部品107は(図9に示された)C型の断面を備え、図には見えないが電線のためにケーブル110の先端に固定する。支持板111はそれぞれ、中空支持材100の第1および第2のハウジング(101,105)の間に固定され、一方は巻線92、他方はケーブル110の電線に接続される集積回路を保持する。
【0038】
保護材117はケーブル110の先端部分、第2の金属板ハウジング105およびライナ101の先端部分を保護する。
【0039】
ライナ101はケーシング3の下面7にあるスルーシート112収容され、外部に、シート11の入口にある対応する面と共に協働することによって、位置を規定し、(図5に示されているように)フランジ103の全く対向する領域に固定する2個のねじ104によって、中空支持材100の連結を行うことができる面を備えたフランジ103を有する。さらに、ライナ101の外面は、ライナ101とシート11の内面との間に押し付けたままにすることによって、連結シーリングを保証するドーナツ型のガスケット用または「Oリング」用のシート118を有する。
【0040】
ライナ101は図示されているものと異なる形状であってもよく、たとえばフランジ103を含んでいなくてもよい。このような場合には、たとえば(図には示されていない)ケーシング3の背面8にあるホールを横切ることによって、ライナ101の面に接触し、それを所望の位置に固定する摩擦ねじによって、シート11においてその位置の固定および調整を行うことができる。
【0041】
誘導型変換器90の構成要素の配置は、コア91が巻線92の内部に収容され、アーム20が移動する場合に、(心棒93と共に)実質的に限定された並進移動を実現することができるようにする。
【0042】
オーバモールディング処理によって、保護材117を実現することができる。
この処理は本質的に既知であり、被覆されることを意図する部品(すなわち、図示されている構成において、ライナ101の端部品、鋼板ハウジング105およびケーブル110の先端)を包囲するために、実質的にプラスチック材料、たとえば、ポリウレタンの成形からなる。この処理は実質的には、単一の分解されない部品を実現する。ケーブル110の外装もポリウレタンから形成されるため、オーバモールディング処理は連結のシーリングを保証する保護材117を備えた融合を提供する。
【0043】
付加的なスラスト装置は、下面7でケーシング3の溝12に固定される正反対の極性を備え、支点30によって規定される回転軸に実質的に平行である方向に平行に配置される2個の永久磁石121(図2には1個のみが示されている)を具備する。正反対の極性を備えた磁石121は、アーム20の領域、たとえば戻しばね60の付近に面し、検査対象の部品2に向かってフィーラ27を推進するために、(強磁性材料で形成される)アーム20に、ばね60の動きを増大する磁石牽引力を印加する。2個の磁石121は正反対の極性を持つように構成されるため、磁石が発生する磁束は、アーム20の対応する領域を通じてループを描き、連結されるケーシング3の領域はヘッド1の他の構成要素部品に対していかなる動きも加えない。
【0044】
アーム20の移動中に、このような移動を減衰するために鋳ばり55の横断面と協働することを目的とする粘稠液体、特に油(たとえば、高く、実質的に一定である粘度によって特徴付けられるシリコーン油)で溝12を満たすことができる。ヘッド1の特定用途の要件に応じて、主に溝のある面を備えた部品の検査のために必要とされる減衰の影響は、鋳ばり55を異なる形状、特に異なる拡張部分を有する横断面を備えた別の鋳ばりに交換することによって、簡単に修正することができる。
【0045】
アーム20の領域において、先端部分への鋳ばり55の特定の連結によって、鋳ばり55と協働している油によって発生される力が、ヘッド1の壊れやすい構成要素部品、特にアーム20に連結される変換器のコア91に、望ましくない歪みを発生しないようにすることおよび個のような力が回転軸で放出することを確実にし、その結果、ヘッド1の動作に望ましくない影響を及ぼすことを避ける。
【0046】
支持および保護構造材は、溝12へのアクセスを提供する開口部15を封止するために、図には示されていないねじによって、ケーシング3の上面6に固定されるカバー130を具備する。カバー130は溝12に減衰用油の注入のために関連するキャップ131,132を備えた2つのホールを有する。ホールの一方およびそれに関連するキャップ132は、変換器90のコア91を保持している心棒93に配置され、それによって巻線92の内部でコア91の位置を設定するために、ケーシング3の外部から操作することができる。ドーナツ型ガスケット133(または「Oリング」)は、カバー130とケーシング3との間に締付けられ、カバー130とケーシング3との間に連結シーリングを実現する。
【0047】
2個の自在な管状のシーリングガスケット134,135は、中央開口部16でアーム20の環状シートおよびケーシング3において既知の方法で固定される。
【0048】
ガスケット134,135は、損傷の原因となり得る切屑からヘッド1の内部を保護するために、耐磨耗性かつ耐高温性である特定の種類のゴム(たとえば、HNBRまたは水素化ニトリル)から形成される。
【0049】
カバー136は、たとえば図に示されていないねじによって、ケーシングの前面5に連結される。
【0050】
電気的にプログラム可能な識別子または「トランスポンダ」140は、ケーシング3の下面7にあるシートに収容される。トランスポンダ140は、データ識別ヘッド1(たとえばコード番号)および/または他の性質を有する他のデータ(たとえばヘッド1に施される調整または技術補助のために操作に関連する情報)を挿入および検出するために、適切な計器(たとえば、処理装置に接続された磁気読出し/書込み装置)の助けによって、既知の種類の無線周波数識別システムを具備する。
【0051】
上述したように、巻線92に接続されるケーブル110の電線は、図7,10および11に示されるコネクタ146の第1の要素147に連結される対向する端を有する。コネクタ146の第2の要素148は、図に示されていない既知の方法で、処理装置81と接続され、誘導型変換器90と処理装置81との間の電気接続を特徴付けるための第1の要素147に連結される。
【0052】
コネクタ146の第1および第2の要素147,148はそれぞれ、ハウジング149,150および電気接続を実現するために互いに協働する既知の種類の導線端子(簡単化および明確化のために図面には示されていないが、たとえばプラグおよびソケット)を保持する中央の円筒形状の要素151,152を有する。さらに小さな径を備えた要素152の一部およびハウジング149の内面は、ハウジング150のさらに小さな断面154を備えた対応する先端部分を収容する中空円筒形シート153を規定する。2個の環状ガスケットまたは「Oリング」155,156は、ハウジング150の先端部分154で環状シートに部分的に収容され、コネクタ146の要素(147,148)の間の連結シーリングを実現するために、シート153の内面に対して押し付けられる。
【0053】
コネクタ146の構成要素のためのハウジング149,150は、実質的に円筒形の外面およびそれぞれ第1および第2の組のピン157,158を備え、それぞれはその関連する外面から突出し、直径方向に整列される。コネクタ146の要素147,148の間にある高速ロッキング/アンロッキング装置は、(図10および11にのみ示される)たとえば、ばね用の曲げられた鋼線から形成される長手方向の面に関して、実質的に対称な形状に形成され、ピン158に連結された2つのエンドスロット160、ピン157の把持している面と弾性を有するように協働するための2つの曲げられたフッキング部分161およびロッキング部分の間に位置する中央接続部分162を備えた弾性ロッキング要素159を具備する。接続部分162は、一方の側に第1の要素147の面を接触し、他方の側にその面から離れるように配置された曲げられた接続端を有するように、作動レバー163を規定するために、適切に曲げ加工を施される。
【0054】
図10および11に示されたロッキング配置において、ピン157,158の組に形成された要素159によって印加される弾性推力は、互いに対して締付けられるコネクタ146の要素147,148を維持し、その結果、電気接続の安定性を確保する。図10および11に示されたロッキング配置は、特に簡単かつ高速の方法で、ピン158の組によって実質的に規定される軸を中心にして回転することによって、弾性的に変形するように曲げ加工されたフッキング部分161とピン157との間のフッキングが生じるまで形成される要素159を手動で推進することによって実現される。アンロッキング配置は、成形要素159を弾性的に変形し、曲げ加工されたフッキング部分161をピン157から解放するために、ツールを必要とされることなく、作動レバー163の端で操作することによって、同様に簡単かつ高速の方法で実現される。
【0055】
オーバモールディングによって実現される保護材164は、第1の要素147の一部およびそれに接続されるケーブル110の先端を被覆し、ハウジング149の中に部分的に挿入される。環状シーリングガスケットまたは「Oリング」165は、保護材164とハウジング149の内面との間に配置される。
【0056】
成形されたロッキング要素159を備えたコネクタ146の構造および環状ガスケット155,156の配置構成は、高速かつ安全なロッキング/アンロッキング操作を行うことができ、要素147,148の間のシーリングを確実にする。後者の特徴は、部品の機械加工中に検査を実行するための工作機械において、ヘッド1の用途に冷却液に存在を考慮する点で特に重要である。
【0057】
明らかに、本願明細書に示され記載されているものに関して、成形される要素159の連結を変形することもでき、たとえば、スロット160をコネクタ146の第1の要素148に固定されるピン157に連結することもでき、ピン158と共に協働させるために、曲げ加工されたフッキング部分161を適応することもできる。このために、1組のピン157,158は、(図7および10を参照して)本願明細書に示されているものに関して変更することができる。
【0058】
ケーブル110を具備し、保護材117,164、一方の側に巻線92および他方の側にコネクタ146の第1の要素147を備えた中空支持材100によってケーブル110の先端に接合される組立品は、実質的に、ヘッド1および処理装置81を具備する装置に簡単に挿入可能(および装置から取外し可能)である電気接続(図7)のための一部分を成す要素166を形成する。
【0059】
実際、適正な位置における中空支持材100のケーシング3への挿入および連結のために必要とされる操作は、上述したように、特に簡単かつ迅速である。図10および11に示される要素によるコネクタ146の2つの要素147,148の連結およびロッキングも簡単かつ迅速であり、さらに安全かつ強固さも提供する。図7に示される一部分を成す要素166の迅速な挿入の実現は、特に順応性に優れた装置を形成することに寄与し、たとえば、ヘッド1の測定領域を変化させるために異なる長さの巻線92(および関連スプール95および中空支持材100)を具備する要素を互換性のある方法で組み合わせることができる態様である。
【0060】
図12および13は、図7,10および11の装置に関して、わずかに異なる構成の特徴を含む高速ロッキング/アンロッキング装置を備えたコネクタ146’を概略的に示している。特に、ロッキング要素159’は、たとえば切削および曲げ加工されたシート(たとえばシート鋼)から形成され、作動レバー163’を規定しているピン158’、フッキング部分161’および中央の接続部分162’に枢動可能であるように連結されるエンドスロット160’を有する。
(図13に目に見える形で示されている)点中央の円筒形状の要素151’がハウジング149’の内部に連結される点および弾性要素167(たとえば、また、図13に目に見える形で示されている数個の成形された薄層状のばね)が要素151’とケーブル110が接続されるハウジング149’の底端との間に配置される点で、コネクタ146’の第1の要素147’は、実質的に図7に示される要素147とは異なる。弾性要素167は、図面には示されていない開口部を備え、要素151’にケーブル110の電線を適性に連結することができる。要素147’のハウジング149’は実質的に円筒状の外面および2つの対向した勾配のある溝169および切欠き157’を備えた環状の突出部168を有し、後者はロッキング要素159’のフッキング部分161’と協働するように適合された把持している面を規定している。コネクタ146’の第2の要素148’は、図7および10の要素148と実質的に同一であり、上述したピン158’を含む。
【0061】
コネクタ146,146’のロッキングおよびアンロッキング操作は実質的に同一であり、等しく高速かつ安全である。特に、図12および13の実施態様によれば、互いに対して推進し、勾配のある溝169を嵌合した後、フッキング部分161’が切欠き157’にロックするまでピン158’によって規定される軸を中心にして、成形要素159’を回転することによって、コネクタ146’の要素147’,148’がロックされる。この操作中、弾性要素167は、予め張力を与えられ、フッキング部分161’と切欠き157’との間の嵌合の最中およびその後、要素147’,148’を互いに対して締付けたままで要素151’,152’との間に弾性引張力を印加する。
【0062】
実質的に、ロッキング/アンロッキング装置は、図10の成形要素159によってコネクタ146および図13の弾性要素167によってコネクタ146’に印加される弾性締付作用を特徴とする。もちろん、2個のばね167が図13に示されていた場合でも、1つまたは異なる数の弾性要素は同種の弾性作用を働かせることができる。
【0063】
明らかに、コネクタ146’が使用されている場合には、要素147’は図7の要素166に対応している一部分を成す要素の部分でありうる。このような一部分を成す要素において、ケーブル110は、オーバモールディング処理を経て得られる保護材によってまたは異なる基地の永久接続によって、要素147’に接合されることができる。
【0064】
たとえば、数値制御工作機械における機械加工中の部品2の検査のために、ヘッド1の操作は以下の通りである。
【0065】
フィーラ27が部品2の面に対して衝突することまたはアプローチ中の他の障害物を防止するために、ヘッド1および検査対象の部品2を互いに対して機知の方法で配置する前に、アーム20は、フィーラ27が動作位置から離れる動作不能位置に移動される。このために、収縮装置は、源79からカバー71のダクト80およびホールを通過することによってベローズ70の内部に空気流を形成することによって作動する。空気によって印加される圧力は、環状リミットストップ要素74とシート75でアーム20に固定された円筒状の突出部品76との間に接触が生じるまでベローズ70の拡張を生じる。ベローズ70のさらなる拡張は、アーム20を回転させ、それによって、ねじ50のヘッドが翼22の上面に対し当接するまでばね60の作用および磁石121の作用を妨害し、その結果、移動可能なアーム20の動作不能位置を規定する。
【0066】
アーム20がこの位置にある場合には、検査位置まで部品2を運ぶために、ヘッド1および検査対象の部品2は接近される。実際の検査動作を実行する前に、収縮装置は電源を遮断され、段階的に源79における空気圧を低下させ、ベローズ70がアーム20の測定移動を妨害しないような(図2に示される)収縮された状態に戻り、したがってベローズ内の空気をダクト80によって流出させる。
圧縮空気の流れを阻止する際、ベローズ70の弾性回復は、ベローズが形成される形状および材料によって保証される。万一、ベローズ70が同一の形状および構成にもかかわらず、収縮された状態までの同一の弾性回復を補償することができないような他のベローズと交換される場合には、たとえば、ベローズの折畳み部分の外部または内部に配置される戻しばねを考慮されることもできる。
【0067】
収縮装置が電源を遮断され、部品2が検査位置にある場合には、ばね60によって印加される牽引力が、アーム20を(図2に関して)時計方向に回転させ、フィーラ27を部品2の表面に対して推進させる。
【0068】
そのフィーラ27および結果としてアーム20に設定される位置に応じて、心棒93によって支持されるコア91は、変換器90の巻線92に関して対応する特定の位置を取る。
【0069】
変換器90によって供給される電気信号は、巻線92に関してコア91の相互位置を示し、その結果、主部品に対するゼロ調整に必要な操作を実行する場合に予め設定されるゼロ位置に関して、フィーラ27によって取られる位置を示す。
このような信号はケーブル110の線を通じて変換器90によって、部品2の予め記憶されている公称値と測定値を比較する処理装置81に送信される。たとえば、機械フィードバックのために、言いかえれば、ヘッド1によって測定される部品2の寸法に基づく機械加工の検査のために、処理装置81を工作機械の数値制御に接続することができる。
【0070】
すでに述べたように、変換器90は「HBT」、すなわち「半ブリッジ変換器」型であり、ケーブル110の長さの変動の影響を受けない。さらに具体的には、多重巻線に基づく半ブリッジ変換器であり、2つ以上の部分において巻線の適切な分割、適切な長さのコア91の利用および変換器の全寸法に関して特定の適用範囲である変換器線形領域の獲得を考慮する技術によれば、「HBT多重巻線」変換器としても既知である。図14は、それぞれが2つの部分に分割され、直列に接続された1組の巻線92および変換器90のコア91の可能な配置構成を概略的に示している。ケーブル110の線を用いて、巻線92は、先端端子A,Cのそれぞれに大地に対する交流電圧を印加することによって供給され、2つの電圧は互いに同一かつプッシュプルである。したがって、中間端子Bにおける大地に対する電圧は、理論的にはコアの中央部分でゼロ振幅であり、コア91の位置の変化に伴って変化する振幅を有する。振幅の変動は、ケーブル110の線を経て処理装置81によって検出される。
【0071】
端子A,Cの間にある単一の交流電圧を巻線92に供給することもできる。このような場合には、コア91の中央部分の端子Bで大地に対する電圧が、ゼロ以外の既知の振幅値(たとえば、電源供給電圧の2分の1に等しい)を有する。
【0072】
部品2の機械加工中、ばね60によって推進される移動可能なアーム20は、(図2を参照してたとえば、時計回り方向において限定された回転移動を実行する)異なる角度位置にそれ自体を配置する。したがって、特に広い測定領域を有するヘッドでは、ばね60の張力は、このばねがアーム20に印加する力(「測定力」)と同様に変化する。さまざまな検査段階における測定力の異なる量は、この力が検査対象の部品2の表面およびヘッドの構成要素部品に生じるさまざまな歪みおよび変形のために、ヘッド1の適正な動作に望ましくない影響を及ぼし得る。溝のある円筒表面を備えた部品の検査を考慮するヘッド1の用途において、フィーラ27は、一部分と次の部分との間で表面との接触があるために、アーム20が受ける牽引力に直接応じる量の減少によって、互いから角度方向に離れた面部分を代わりに接触する。次に来る円筒形の面部分に再び接触する場合には、フィーラ27は、この円筒部分を横方向に制限する面に対して衝突する。
【0073】
したがって、ばね60がアーム20に異なる本質の力を印加する場合には、フィーラ27は、異なる量だけ低下し、したがって異なる位置に衝突し、それによってヘッド1の次の動作に異なる応答を生じ得る。
【0074】
したがって、このために、アーム20に印加される力(「測定力」)の総量は、アーム20に面している対応している領域にある磁石121の作用の影響で、実質的に一定に保たれる。実際、ばね60および磁石121によって印加される力は、アーム20の角度方向の位置が変化するにつれて、反対方向に変化する。
さらに具体的に言えば、図2に示される配置構成に関して、アーム20が部品2の機械加工中に受ける時計回り方向の限定された回転移動は、ばね60の先端に連結されるアーム20の部分とばね60の他方の先端に連結されるケーシング3の溝12の内面との間にある磁石121が配置される場所へのアプローチを生じる。したがって、戻しばね60の張力は段階的に減少し、それと共にアーム20にばね60によって力が印加される。同時に、磁石121と磁石に面しているアーム20の領域との間の距離は減少し、磁石121によってアーム20に印加される磁石牽引力は増大する。すでに述べたように、戻しばね60および磁石121によって印加される力はいずれも、フィーラ27を部品2の表面に推進するという事実のために、異符号強度の変動によって、アーム202印可される全測定値の実質的な補償を行うことができるような方法で、磁石121を選択および配置することができる。
【0075】
図15に部分的に示されるヘッド1’は、収縮装置から離された図1〜6に示されるヘッドと実質的に同一である。実際、(図2に示される)ベローズ70はシート10に配置されず、関連する長手方向の調整軸を規定する調整装置170が、スルーホール17に対応している位置でケーシング3の背面8に連結される。調整装置170は、ケーシングに関して外側に配置される中空シリンダ171および(図15では部分的な断面のみが示される)装置170の長手方向の軸に沿って並進移動を行うことができるシリンダ171に収容される調整可能な位置決めピストン172を具備する。ピストン172は、ケーシング3の内部に配置される端に(図15に目に見える形で示される)アーム20の先端部分21の先端29と共に協働する勾配のある当接面173を備える。作動要素は、シリンダ171のスルーホール175を横断するねじ174を具備し、調整可能なねじ込み連結によって、位置決めピストン172の他方の端に連結される。中央に位置するアクセスホール177を備えた中空円筒形のカバー176は、外側でシリンダ171に連結され、ねじ174のヘッドを抑制し、それによって、シリンダ171に関してその軸を中心として回転移動のみを行うことができる。ピストン172とシリンダ171との間の実質的な軸回転を防止するための誘導装置は、中空シリンダ171の内面に固定され、位置決めピストン172の外面に規定されるスロット179に部分的に収容される横断ピストン178を具備する。
【0076】
ホール177を横断し、ねじ174のヘッドを調整するための適切な工具を使用することによって、ねじ174とピストン172との間の調整可能なねじ込み連結およびピン178およびスロット179を備えた誘導装置のために、ねじ174を回転することができ、それによって、ピストン172の並進移動を生じる。このようにして、アーム20の部分21の先端29に接触させるために、勾配のある面173を移動することができ、翼22の上面とねじ50のヘッドとの間の当接によって規定される動作不能位置に達するまで、アーム20を(図15に関して反時計回り方向に)回転させることができる。ヘッド1’が通常の作業状態下にある場合には、ピストン172および勾配のある面173は、アーム20の移動を妨害しないようにするために、ケーシング3の外部に向かって収縮された位置にある。さらに具体的に言えば、ヘッド1’が静止状態にある場合、すなわちフィーラ27と部品2との間に接触が生じない場合には、ばね60の推力によって推進されるアーム20の先端29との接触のために、(簡単化のため、図15には示されていない)フィーラ27の位置を規定するように、勾配のある面173の位置を設定することができる。このような場合には、勾配のある面173によって及ぼされる作用は、(図15に示された)リミットストップダウエル51の作用の代わりをする。上述したように、図2に示されたものと同様のベローズ70を備えた収縮装置を具備するヘッドにおいて、静止状態下にあるフィーラ27の位置をちょうど調整するために、調整装置170の利用を考慮することもできる。
【0077】
調整装置170はまた、図15に示されるものに関して、その長手方向の軸を中心として180°だけ実質的に回転した位置において、ケーシング3の背面8に連結されることもできる。このような場合には、勾配のある面173の位置は、先端部分21の先端29と生じる接触によって、(図15に関して)反時計回り方向におけるアーム20の回転を制限し、アーム20がたとえば図2に示されるベローズ70を具備する収縮装置によって生じるアーム20の動作不能位置を規定するために設定される。
【0078】
図16に示されるヘッド1”は、図15に示されるものと同一であり、その位置を調整するためにピストン172に連結された電動機180を備えた調整装置170’を具備する。装置170’の構成要素は、アクセスホール177を通じてねじ174のヘッドに連結される先端を有する回転可能なスピンドル181を具備する電動機180を除いて、図15に示される調整装置170の構成要素と実質的に同一である。電動機180は、アーム20を動作不能位置までの移動および/または(簡単化のため図16に示されていない)フィーラ27が静止状態下にある場合には、図15に関して説明したように勾配のある面173を移動することによって、フィーラ27の位置の調整用の作動信号を受信する処理装置81に接続される。処理装置81がヘッド1”から受信する測定信号に基づいて、静止状態にあるフィーラ27の位置を自動的に調整することは、ヘッド1”が溝のある面を有する部品の検査を行う場合に、特に有用である。事実、このような部品の検査中に、すでに述べたように、フィーラ27はきわめて高い周波数であっても、ある部分と次の部分との間において互いから角度方向に隔てられ、(面と接触しない場合には)一定の性質を有する面部分と別の方法でで接触して低下し、接触が回復した場合には、部品の面の実質的な接線の方向に沿って、相当の衝突を受ける。このような衝突の望ましくない影響を制限するために、フィーラ27が静止位置にあり、面部分と接触している場合の位置の間の距離が比較的小さいことは好都合である。図16に示されるヘッド1”は、適切な方法で前述した距離を限定し、避けられない衝突の影響を最小限にするために、ヘッド1”によって処理装置81へ送信される測定信号に応じて、フィーラ27の位置の動的設定を静止状態(すなわち、部品と接触しない場合)にすることができる。溝のある面を備えた部品を検査する場合には、(図2に示される)鋳ばり55がヘッドの溝12を満たす油の上にある場合の作用は特に重要である点、面部分から中間領域およびその逆の突然の移動中、アーム20の移動を阻止する点およびアーム20を可能性のある撥ねかえりから防止することは、前述した衝突の結果として生じる点を認識すべきである。
【0079】
調整装置170’の異なる配置構成および他の収縮装置(たとえばベローズ70)との他の組合せおよび/または限定装置(ねじ50、ダウエル51)が、図15に示された装置170に関して上記に述べたものと全く同一の方法で実現することができる。
【0080】
図面および説明は測定ヘッド1,1’,1”に注目しているが、記載される特徴を具備した測定ヘッドも本発明の範囲内に属する。
【0081】
さらに、本願明細書に記載され、例示された特徴、たとえば変換器90および/またはコネクタ146/146’の構造の基準をある程度組み込んだゲージングまたは測定ヘッドも、本発明の範囲内にある。
【0082】
本発明によるヘッド1,1’,1”に利用され、変形可能な要素30を含む支点は、特に簡素、小型かつ廉価な構造を有する。アーム20のきわめて正確な移動を保証するほかに、支点30は相互に移動可能な部品(アーム20およびケーシング3)に連結するために、きわめて簡単かつ高速の操作を行うことができる。
【0083】
変形可能な要素30の製造態様は、図面に記載および例示されたものとは異なっていてもよい。たとえば、薄層の数を2層(たとえば、図6に示される薄層31,32)まで削減することができる。さらに、2層の薄層の一方は異なる形状であってもよい。特に、2層の共平面の薄層31,33は薄層32の通過のために中央開口部を備えた単一の薄層によって、置換されるような実施態様も考慮することができる。薄層の配置構成は異なっていてもよいが、ブロック34,35に関する相互の角度方向の位置および配置構成は変更してもよい。特定の用途において、たとえば、ブロック34,35に永久に連結される相互に平行な2層の薄層を具備する支点を考慮することができる。
【0084】
上記に例示および記載されるヘッドが提供する有利な特徴は、中間支持材の存在およびケーシング3への直接の構成要素(支点、戻しばね、変換器および限定装置の要素)の連結のおかげで、特に小型であることをである。利用可能な空間が限定されている場合、たとえば、「製造過程」段階の場合に、すなわち工作機械における機械加工中に機械部品が検査される場合には、ヘッドの設計寸法を最小まで削減することができることは特に有利である。
【0085】
図17および18に示される装置は、2つのヘッド1、たとえば図1〜5に関して上記に記載および例示されるものと同一のゲージングヘッド用の第1の支持および基準システム200を具備する。ヘッド1は図17にも目に見える形で示され、実質的にケーシング3、フィーラ27および参照符号26’によって識別される関連支持材を示している。
【0086】
システム200は、図17に示されているように、参照符号199によって識別される既知の種類の空気スライドも連結されるベース206およびベース206に強固に連結され、垂直を成す支柱207を含む静止支持構造材205を具備する。支柱207の側面(図17において前面)は、2個の多面ブロック209を収容し、それぞれが支柱207の上記の側面に関して垂直に配置される円筒形のピン210を保持している細長いシート208を有する。ブロック209の特定の寸法は、後者をシート208の限定量のクリアランスを備えるように摺動させることができ、ブロック209は細長いシート208で規定されるスルーホール212を貫通させることによって、横断支柱207をねじ211によって予め設定された位置に連結させることができる。支柱207の多数の位置において、ブロック209の連結のために、複数の組のホール212を考慮されることができる。
【0087】
調整可能な連結支持材215は、たとえば図面には示されていないねじによって、ヘッド1の背面8に強固に連結され、それぞれは、実質的に関連するヘッド1の長手方向の幾何学的な軸に平行な方向に実質的に一直線を成すように配置され、円筒形のピン210および第2の細長い部分、または基準アーム225のうちの1つに調整可能な方法で連結するための第1の部分216を備える。それぞれの支持材215の第1の部分216は、一定量の望ましくない許容値を備える関連するピン210を収容するためのホール218およびホール218の振幅を弾性的に変化させ、ねじ220、ピン210にある第1の部分216を機能させることによって調節可能である一定量の力を用いて締付けることができるスリット219を規定し、したがって、支持材215と静止構造材205の支柱207との間に連結を実現する。ねじ220によって規定される締付力は、検査操作中に予め設定された角度方向の位置に関連ヘッド1を保持し、ゼロ調整操作中、または以下に説明されるように、ヘッド1が受ける衝突の結果、ピン210によって定義される軸を中心にしてこの角度位置を変更することができる摩擦連結を提供する。
【0088】
基準アーム225は、関連するホール227にある機構228の位置を固定するために、調整可能な基準機構228およびロッキングねじ229を収容するホール227を備えた関連ヘッド1のアーム20に実質的に平行に配置される成形された自由端26を具備する。2つの基準機構228は互いに同一であり、(図17に断面を示される)1つのみが以下に簡単に示される。機構228は、関連するホール227に挿入され、ロッキングねじ229によって位置を固定され、可動要素、すなわちヘッド232を備えた釘231およびヘッド1のアーム20に面する当接部分を規定する実質的に球状の先端233を収容および誘導する薄層状の誘導および基準要素230を具備する。弾性推進手段は、管状要素230と釘231のヘッド232との間に配置された圧縮ばね234を具備する一方、環状当接面235,236は、管状要素230の面と協働するために釘231によって規定され、それぞれ釘231の静止位置および基準位置を規定する。簡単化および明確化のため、図17には示されていないが、管状シーリングガスケット237は、釘231のヘッド232と管状要素230との間に、既知の方法で連結される。
【0089】
図17に示された装置は、砥石車Mによって研削加工における機械加工中に、円筒形の部品2’の外径検査のために利用されることもできる。検査操作を開始する前に、図17に示された装置は、以下の方法で主部品に対し、ゼロ調整を行う。各ヘッド1に対して、ホール227における管状要素230の位置は、適切な方法でロッキングねじ229を作動することによって設定される。この位置の選択は、以下の詳細の中で明らかになる態様である。
【0090】
主部品は、検査位置に配置され、ピン210によって規定される軸を中心とするヘッド1の角度方向の配置構成は、フィーラ27が主部品の面から一定距離であるように設定される。
【0091】
ヘッド232を手動で推進させることによって、釘231は、面236と管状要素230との間に生じる接触によって規定される基準位置に配置される。互いに向かって釘231のヘッドをさらに推進させ、一定量の力を印加することによって、支持材215およびそれに連結されるヘッド1の反対方向に回転が生じる。このような回転は、上述したような摩擦連結によって行なわれることができる。
【0092】
フィーラ27のそれぞれが主部品の面に接触する際、主部品に関して関連するアーム20の位置が設定され、支持材215およびヘッド1の回転がきわめて短いストロークの間、釘231の先端233とヘッド、特にフィーラ27のための支持材26’の可動アームセットのストップ面との間に接触が生じるまで継続する。各ヘッド1に対してこのように設定されるケーシング3に関するアーム20の配置構成は、(前に述べたように、適切に選択されたホール227における管状要素230の連結のおかげで)ヘッド1のゼロ調整構成、すなわち、変換器90のコア91と巻線92との間にある相反位置が既知のゼロ位置に設定される構成に対応する。
【0093】
静止構造205に関してこのようにヘッド1の動作位置、さらに具体的に言えば、ピン210によって規定された軸を中心にした角度方向の配置構成を規定した後、釘231のヘッド232に手動で印加されていた力は除去される。釘231のヘッド232は、面235と管状要素230との間の当接によってフィーラ27の支持材26’が検査操作中、釘231に接触しないような位置に規定される収縮した静止位置を取るために、ばね234の推力によって推進される。
【0094】
さらに、関連する連結支持材215に対する一定の本質を有する力を印加されるような場合において、円筒形のピン210との摩擦連結によってヘッド1の回転移動を行うことができ、たとえば、ヘッド、フィーラ27のための支持材26‘および/または連結支持材215が受ける恐れがある偶発的な衝突の結果として、起こり得るヘッド1の内部および外部のさまざまな構成要素の破損または損傷を予防することができる。
【0095】
図19および20に示されている装置は、実質的に図17に示されているものと同一である2つのヘッド1用の第2の支持および基準システム500を具備する。この場合にも、ヘッド1は、ケーシング3、参照符号27’,26”によってそれぞれ識別されるフィーラおよび関連する支持材が実質的に示されている図面に示されている。
【0096】
図19に示されているように、システム500は、図17にあるような参照符号199によって識別される既知の種類の空気スライドに連結されるベース506およびベース506に垂直であり、それに連結される支柱507を含む静止構造材505を具備する。接続ブロック501は、ねじ520によって支柱507に固定され、ボルト511を収容する横断スルーホール508を有する。調整可能な連結支持材515は、たとえば図には示されていないねじによってヘッド1の背面8に強固に連結され、それぞれは接続ブロック501への調整可能な連結のために、スルーホール518を備えた接続部516を有する。特に、接続部分516は、ホール518,508がボルト511を収容するために一直線に整列されるような方法で、接続ブロック501の両側に配置される。太い黒線519によって図20に示される摩擦層は、接続部516およびブロック501のそれぞれの互いに向かい合っている面の間に配置される。各層519は、部品、たとえば接続部516の1つに、「WIDIA」塗料などの硬化物質を表面にホットスプレーを施すことを含む簡単な表面処理によって実現されることができる。座金513はボルトの自由端でボルト511に係合され、ボルトは、支持材515と接続ブロック501との連結を固定したり緩めたりするために、レンチ512に接続されるナット510に互いに噛合わせられる。特に、2つの接続部516は一方をボルト511のヘッドによって、他方を座金513によって接続ブロック501に向かって推進される。大きな平らなヘッド514を有するねじは、ナット510に係合されるレンチ512を保持するために、ボルト511の自由端に螺合するように連結される。
【0097】
調整可能な基準機構528は、それぞれのヘッド1に連結され、第1の基準装置および第2の調整装置を含む。2つの基準機構528は互いに同一であり、1つのみについて(図20にさらに詳細が示される)以下に簡単に記載する。第1の基準装置は、ねじ524によってケーシング3の前面5に固定されるフレーム523およびフレーム523に連結され、関連するヘッド1の長手方向の幾何学的な軸に実質的に平行である枢軸を中心にして回転可能である実質的にL字型の先手ハンマ531を含む。フレーム523に固定されたリミットピン535の当接面に対して収縮した静止位置にねじりばね534を推進するために、ねじりばね534は、先手ハンマ要素531のアームとねじ524の1つとの間に配置される。先手ハンマ要素531は、基準位置に対応してねじ524の1つの当接面を接触させるために、上記の静止位置から枢動する軸を中心にして手動で回転されることができる。第2の調整装置は、アーム20の先端部分25に連結され、実質的に横断方向に調整可能なねじ山付きのピン530を含み、ストップ面を規定する自由端がちょうど図19および20に示されている。要素531は、装置のゼロ調整操作中、ねじ山付きのピン530に接触するように適合された基準端面533を規定する。
【0098】
図19に示されている装置は、たとえば、図17の装置に関して説明したように、製造段階にある円筒形部品2’の外径検査および対応する主部品に対するゼロ調整操作が実行される場合に利用されることができる。以下の説明の中で明らかになるような選択によれば、各ヘッド1に関して、ねじ山付きのピン530の横断方向の位置は、適切な方法で手動で調整される。
【0099】
主部品は検査位置に配置され、接続ブロック501のホール508によって規定される軸を中心とするヘッド1の角度方向の配置構成は、フィーラ27が主部品の面から一定の距離にあるように設定される。支持材515と接続ブロック501との間の摩擦連結をわずかに緩めるようにレンチ512を操作した後、力が両方のヘッド1のL字形要素に手動で印加され、要素531は第一に基準位置に移動される。同要素531にさらなる量の力を印加することによって、支持材515およびそれに連結されたヘッド1に対向する方向にホール508の軸を中心にして回転が生じる。フィーラ27のそれぞれが主部品の面に接触する際、主部品に関して関連するアーム20の位置が設定され、関連する支持材515およびヘッド1の回転がきわめて短いストロークの間、要素531の基準端面533とアーム20に連結されるねじ山付きのピン530との間に接触が生じるまで継続する。各ヘッド1に対してこのように設定されるケーシング3に関するアーム20の配置構成は、(前に述べたように、ピン530の適性に調整された配置構成の連結のおかげで)ヘッド1のゼロ調整構成、すなわち、変換器90のコア91と巻線92との間にある相反位置が既知のゼロ位置に設定される構成に対応する。
【0100】
このようにして、静止構造505に関して互いに両方のヘッド1の動作位置、さらに具体的に言えば、ホール508によって規定された軸を中心にした角度方向の配置構成を規定した後、レンチ512は連結を固定し、そのような角度方向の配置構成に固定するように作用し、L字形要素531に手動で印加されていた力は除去される。結果として、L字型要素531は収縮した静止位置を取るために、ねじりばね534の推進によって関連するリミットピン535に対して推進される。
【0101】
関連する連結支持材515に対する一定の本質を有する力を印加されるような場合において、層519から得られる支持材515と接続ブロック501との間の摩擦連結によって、ヘッド1の回転移動を行うことができ、たとえば、ヘッド1、フィーラ27のための支持材26‘および/または連結支持材215が受ける恐れがある偶発的な衝突の結果として、起こり得るヘッド1の内部および外部のさまざまな構成要素の破損または損傷を予防することができる。
【0102】
図21および22に示されている装置は、実質的に図17および19に示されているものと同一である2つのヘッド1用の第3の支持および基準システム250を具備する。この場合にも、ヘッド1は、ケーシング3、参照符号27,26”によってそれぞれ識別されるフィーラおよび関連する支持材が実質的に示されている図面に示されている。
【0103】
システム250は、ヘッド1および静止構造材またはフレームに連結される細長い連結支持材260を具備し、細長い支持材260は取外し可能な方法で連結される。
【0104】
ロッキング要素251は、たとえば図には示されていないがねじによって、ヘッド1の背面8に強固に連結され、それぞれは、関連するヘッド1の長手方向の幾何学的な軸に沿って実質的に一直線に配置されるねじ山付きのタング252を備える。細長い支持材260は、基本配置方向を規定し、この基本配置方向に一直線に配置され、ねじ山付きのタング252によって横断される2つのスロット261を有する。ねじ山付きのタング252の先端に連結される2個のロッキングナット253は、ヘッド1を細長い支持材260に固定し、したがって、前述した基本配置方向において関連するスロット261でヘッドの位置を調整することができる。さらに、細長い支持材260は、横断方向、さらに具体的に言えば、基本配置方向に垂直を成す方向に沿って支持材260の第1の端(下端)の付近に配置される第1の基準ピン262を具備する。支持材260の対向する端(すなわち、上端)に、第1のピン262の方向に平行な方向に一直線に整列される面の上部分にそれぞれ連結された2つの付加的な円筒形の基準ピン263,264および2つの第2の基準ピン263,264の間の中間部分に円筒形のインサート265がある。
【0105】
図22に示されている配置構成において、フレーム270は、図17および19にあるような参照符号199によって識別される既知の種類の空気スライドに連結されるベース271、ベース271に垂直でありそれに連結される支柱272およびベース271に実質的に並列であり支柱272の自由端に連結される横材273を具備する。横材273は、実質的にV字型である底シート276、横材273の側壁(図21の平面にある壁)にアクセススロット278を備えた中央の多面状開口部277を具備する。
【0106】
スラスト装置は、実質的に多面形状であり、積層281によって、ベース271に連結される先端および対向する自由端にリリーフリム282を備えたスラストレバー280を具備する。リム282の付近に、レバー280の側に基準シート283を規定する1組の球があり、対向する側に環状リリーフ284がある。
ベース271は中央の基準ピン287を収容する円筒形のシート286およびスラストレバー280のスルーホール285を横断し、レバー280の適切なシートの配置される拡張ヘッドを具備するリミットねじ289の連結用のねじ穴288を有する。環状リリーフ284は、円筒形シート286に収容され、中央の基準ピン287によって誘導されると同時に、一方はレバー280の面とねじ289のヘッドとの間、他方はレバー280の面とピン287の先端との間にある接触がそれぞれ、(図22に関して)時計回りおよび反時計回りの方向において、積損181によって規定される横断軸を中心にしてレバー280の回転移動を制限する。
【0107】
さらに、レバー280をベース271から離れて、反時計回り方向に回転させるために、スラスト装置は、円筒形のシート266に収容されるたとえば、いわゆる「カップ」型の圧縮ばね290を備えた弾性要素を具備する。
【0108】
図22に示される実施例において、図17および19に概略的に示されたものと完全に同一の用途において、ヘッド1は砥石車Mによって研削加工における機械加工中に、円筒形の部品2’の外径を検査する。ヘッド1は、検査対象の機械加工される部品の初期寸法ならびに最終的な寸法およびヘッド1の測定範囲を考慮した適切な相反位置で、上記に述べたように細長い支持材260に連結される。次に、以下で述べるように、細長い支持材260はフレーム270に連結され、その位置で、本願明細書では指定されない機知の方法で部品2”を検査することができる。第2の基準ピン263,264が底シート276に係合すると同時に、円筒形のインサート265が限定されたクリアランスを保ち、中央の多面状開口部277にあるアクセススロット278を経て係合するように、支持材260の上端が横材273に連結される。細長い支持材260の下端はスラストレバー280に接触する。さらに具体的に言えば、第1の基準ピン262が1組の球によって規定される基準シート283に配置される。
【0109】
このように、細長い支持材260に連結されるヘッド1の位置は、きわめて簡素で高速かつ正確な方法で、フレーム270に関して設定および決定される。さらに、たとえば、ヘッド1が任意の方向において受ける恐れがある望ましくない衝突の結果として、一定の本質を有する力が支持材260に印加されるような場合には、連結を実現する特定の配置構成、要素の形状(一方にピン262,263,264およびインサート265、他方にシート276,283、開口部277およびスロット278)およびレバー280の弾性推力により、支持材260をフレーム270から解除することができ、それによってヘッド1の構成要素の破損または損傷を予防することができる。このような場合には、一旦、解除を決定する原因が除去されたならば、ヘッド1を保持している支持材260は、フレーム270と再連結されることができる。たとえば、望ましくない衝突、特定の形状、寸法および2つの部品(すなわち、一方にヘッド1を、他方にフレーム270を備えた支持材260)の相反する配置構成のために、支持材260がフレーム270から解除される場合には、実質的に、完全な分離およびヘッド1の結果的な崩壊および損傷を予防する。実際に、支持材260およびヘッド1を含む組立品は、望ましくない衝突が生じると損傷を避けることによって解除されるが、場合によっては、ベース271、支柱272およびフレーム270の横材273の間に挿入された状態を維持し、このようにして、危険な崩壊を避け、回復を容易にする。支持材260およびヘッド1を含む組立品の崩壊を防止することに寄与する製造部分は、ある程度、円筒形のインサート265とアクセススロット278を備えた中央開口部277との間にある連結の配置構成およびリリーフリム282の存在である。事実、これらの部分は、支持材260を支持材260の崩壊(すなわちベース271および横材273によって規定される空間を経てナット253が固定する部品の移動)のみならず、部品2”の機械加工の領域、特に研削機械の砥石車Mへのフィーラ27の危険な接近を生じる恐れがある検査対象の部品2”の側での解除を防止する。
【0110】
図23および24に示されている装置は、実質的に図17、19および22に示されているものと同一である2つのヘッド1用の第4の支持および基準システム300を具備する。この場合にも、ヘッド1は目に見える形で示され、図22と同じように、図は実質的にケーシング3、参照符号27,26”によってそれぞれ識別されるフィーラおよび関連する支持材を示している。
【0111】
第4の支持および基準システム300は、図21および22に示されている第3のシステム250と同様の一定の態様に基づき、ヘッド1および静止構造材または解除可能な方法で細長い支持材310に連結されるベース320に連結される細長い連結支持材310を具備する。
【0112】
図24に示されている配置構成によれば、フレーム320は、図17、19および22のフレームのように、参照符号199によって識別される既知の種類の空気スライドに連結される。ヘッド1は、図22のヘッド1と細長い支持材260との間の連結に関してすでに述べたような調整可能な方法で、細長い支持材310に連結される。
【0113】
細長い支持材310は、弾性要素315および支持材310が基本配置方向に沿って実質的に平行であるように、支持材310の(上)端で、ねじ314によって連結される細長い弾性要素315を備えたスラスト装置を具備する。
【0114】
細長い弾性要素315の自由端は、球状の先端を有する横断ピン316を備えた基準要素である。細長い支持材310は、対向する(下)端に、また球状の先端を有する調整可能なねじ山のある枢軸317を備えた別の基準要素を有する。
ピン316および枢軸317は連結方向に沿って実質的に一直線に整列される。
実質的にL字型である支持レバー303は、(たとえば、図には示されていないねじによって)細長い連結支持材310の下端に連結され、支持材310の下端の下から延在し、基本配置方向に実質的に平行である短い端部304および自由端で付加的な基準要素、さらに具体的に言えば、支持ピン306を保持する基本は一方向および横断連結方向のいずれにも実質的に垂直を成すように配置される長い端部305を具備する。
【0115】
ベース320は、横断連結方向に一直線に配置された対向する円錐形のシート323,324を規定する2つの平行な垂直翼321,322を具備する。さらに、ベース320は、ホール325に摺動することができ、ばね326によってベース320の外部に向かって推進させる圧縮ばね326および円筒形状要素327を具備する付加的なスラスト装置を収容する円筒形のホール325を有する。2個の基準ピン328,329は、ベース320に連結され、支持材310の下端に面する実質的に円錐の先端を有する。
【0116】
図24に示された配置構成によれば、図17、19および22に概略的に示されたものと完全に同一の用途において、ヘッド1は砥石車Mを用いた研削加工における機械加工中に、円筒形の部品2’の外径を検査する。ヘッド1は、検査対象の機械加工される部品の初期寸法ならびに最終的な寸法およびヘッド1の測定範囲を考慮した適切な相反位置で、細長い支持材310に連結される。次に、細長い支持材310は、以下で述べるような方法でベース320に連結され、その位置で、本願明細書では指定されない機知の方法で部品2”を検査することができる。
【0117】
細長い支持材310は、下端においてのみベース320に連結される。さらに具体的に言えば、支持材310はベース320に向かって移動され、支持材310の下端に凹凸の多い基準リミットストップを実現するピン328,329の助けによって、横断ピン316の球状の先端およびねじ山のある枢軸317の先端が、対向するように配置された円錐形のシート323,324に挿入される。推力が弾性要素315によって印加されるような適切な方法で設定するために、横断連結方向に沿って枢軸317の位置は、枢軸317と支持材310との間のねじ込み連結を作動させることによって設定される。連結の横断軸を中心とする支持材310の任意の回転および結果として生じるヘッド1の回転は、支持レバー303とベース320との協働によって防止される。さらに具体的に言えば、レバー303の短い端部304に向かってばね326によって推進される円筒形状の要素327の作用のおかげで、支持ピン306は、ベース320の平面基準面330に対して当接される。明らかに、装置が正常動作状態にある場合には、ばね326が印加する推力が、図24の配置構成にあるように、ベース320の面330に対して当接されるピン306を維持するために十分である。
【0118】
この場合にも、細長い支持材310に連結されるヘッド1の位置は、きわめて簡素で高速かつ正確な方法で、ベース320に関して固定および決定される。さらに、たとえば、ヘッド1が実質的に任意の方向において受ける恐れがある望ましくない衝突の結果として、一定の本質を有する力が支持材310に印加されるような場合には、連結を実現する特定の配置構成、要素の形状(円錐形のシート323,324におけるピン316および枢軸317の球状の先端および平面におけるピン306に当接)および細長い要素315およびばね326および要素327を具備する装置の弾性推力により、支持材310をベース320から解除することができる。このようにして、ヘッド1の構成要素の破損または損傷を予防することができる。図1に示される配置構成と同様に、一旦、解除を決定する原因が除去されたならば、ヘッド1を保持している支持材310は、ベース320と再連結されることができる。
【0119】
ヘッド1に結果として崩壊および損傷が生じる場合には、解除が可能であるために2つの構成要素が完全に分離しないようにし、ベース320に支持材310を再びフッキングする場合の操作を簡単にし高速化するために、支持材310とベース320との間には、たとえば図面には示されていないケーブルによって付加的な連結を考慮することができる。別法として、いずれも図には示されていないが、たとえば静止構造材に固定され、支持レバー303の移動の限定およびベース320からの移動の防止を目的とする限定および保護面であってもよい。
【0120】
さらに、必ずしも支持材310に平行である必要はなく、連結方向に沿って、ピン316および枢軸317の間に一直線に整列することも保証するような異なる配置構成をとるように、細長い弾性要素315は支持材310に連結されることができる。
【0121】
たとえば、ピン316、枢軸317および円錐形のシート323,324の配置構成に関する限り、図23および24に示されているものに関して他の修正も、本発明の範囲内で可能である。図25および26は、構造および操作に関する限り、図23および24に示されているシステム300と実質的に同一である支持および基準システム300’を示している。主な製造の違いについてのみ、本願明細書では簡単に記載される。2つの円錐形のシート323’,324’が、横断方向において一直線に整列されるベース320’の翼321’,322’に実現される。細長い弾性要素315’を備えたスラスト装置315’が、ねじによって、細長い連結支持材310’に連結され、自由端に球面を備えた基準要素316’を有する。球面を備えた別の基準要素317’も要素316’に面し、連結方向においてそれと一直線に整列される細長い要素310’に連結される。
支持レバー303’の移動およびそれに固定される細長い要素310’の移動を制限するために、静止構造材に固定される限定および保護面は、図26において概略的に示され、参照符号340によって識別される。
【0122】
図27〜30に示される装置は、図17、19、22、24および26に示されているものと実質的に同一である2つのヘッド1用の第5の支持および基準システム350を具備する。この場合にも、ヘッド1は目に見える形で示され、図22および24と同じように、図は実質的にケーシング3、フィーラ27および参照符号26”によって識別される関連する支持材を示している。
【0123】
第5の支持および基準システム350は、図23および24に示されている第4のシステム300と同様の一定の態様に基づき、ヘッド1および静止構造材または解除可能な方法で連結支持材355に連結されるフレーム370に連結される連結支持材355を具備する。図24および26の配置構成における連結支持材310,310’として、連結支持材355もこの支持材355の下端でフレーム370に連結され、フレーム370は同様の調整可能な連結を用いてヘッド1を保持する。
【0124】
連結支持材355は、ヘッドを保持する垂直の細長い部分360および実質的に水平な面に配置され、プレート361のサイドベースに固定される2個の球362,363および対向するサイドベースでプレート361に連結される球状の先端を備えた1組のピン364,365を具備する基準要素を備えたプレート361を具備する。ロータリピン366はプレート361(図30)のスルーホール366に収容され、プレート361の開口部367に面する第1の先端を有するのに対し、第2の先端は作動レバー368に連結される。
【0125】
図25に示されている配置構成において、フレーム370は、図17、19、22,24および26にあるような参照符号199によって識別される既知の種類の空気スライドに連結され、ベース371、ベースの側面に垂直でありそれに強固に連結される壁372およびベース371の対向する側面に強固に連結され、実質的にそれに垂直である2つの柱373,374を具備する。壁372はベース371の付近に中央開口部375を備え、横断ピン376がこの開口部375でフレーム370に連結される。柱373は、ベース371に平粉方向に配置される先端部分377を備えた実質的に過度を有する形状であり、先端部分377に固定され、横断ピン376に平行な定着面を規定するピン378を保持する。円錐形のシート380およびV字型シート381が、ベース371に対向するV字形シートの側面付近で壁372の内面に規定され、ピン376に平行である横断方向に沿って一直線に配置される。
【0126】
スラストおよびロッキング装置は、戻しばね390を備えた弾性要素およびフック391を備えたロッキング要素を具備する。ばね390の先端はそれぞれ、ベース371に固定される横断ピン376およびフック391の先端部分でスルーホール392に引っ掛けられる。プレート361に連結されるロータリピン366は、プレートの中央ホール393において、プレート361の開口部367でフック391に強固に固定され、ピン366の回転が、ピン366によって規定される横断軸を中心にしたフック391の対応する回転を生じるようにする。
フック391はまた、以下に記載するように、ヘッド1を保持する連結支持材355とフレーム370との間にロッキングを実現するために、ピン378の定着面と協働するための定着先端部分395を具備する。
【0127】
図25に示された配置構成によれば、図17、19、22、24および26に概略的に示されたものと完全に同一の用途において、ヘッド1は砥石車Mを用いた研削加工における機械加工中に、円筒形の部品2’の外径を検査する。ヘッド1は、検査対象の機械加工される部品の初期寸法ならびに最終的な寸法およびヘッド1の測定範囲を考慮した適切な相反位置で、支持材355の細長い部分360に連結される。ヘッド1の検査位置を規定するために支持材355とフレーム370との間の連結およびロッキングは、以下の方法で行う。
【0128】
プレート361に固定されるピン364,365の球状の先端は、柱373,374によって規定される相反する静止共平面に静止し、球362,363はそれぞれ、関連する円錐形のシート380および壁372のV字型シート381に挿入され、したがって、図29に示される連結を実現する。2個のピン364,365の一方は、その軸に沿って調整可能な(図には示されていない)方法で、プレート361に連結されることができ、または連結支持材355とフレーム370との間の実質的に平衡状態にある連結を実現するために残しておくこともできる。
【0129】
次に、図27,28および30に示される先端部分395とピン378との間の協働が実現されるまで、レバー368は、(図29に関して反時計回り方向に)フック391を回転するために手動で作動される。
【0130】
フック391の回転移動中に、ばね390の張力は、ロータリピン366がばね390の作用直線(すなわちばね390の先端が、ピン366,367の軸によって規定される面に置くように引っ掛けられるスルーホール392の軸)において中心に置かれる角度位置に対応する最大値に達するまで増大し、その後、定着部395とピン378との間に接触が生じるまで減少する。この位置では、ロータリピン366は、前述した作用直線以下であり、少量にすぎず相殺される。
したがって、図28に示される構成は、基準要素、関連するシートおよび支持面によって規定される配置構成において、フレーム370へのプレート361のロッキングを実現する。実際、この配置において、ばね390の牽引力は関連するシート380、381にある球362,363およびピン364,365の球状の先端を柱373,374の関連する支持面に対して推進するほか、定着部395とピン378との間の協働を維持する傾向にある。図28に示される連結を解除するために、ばね390の牽引力に対向して、ばね390の最大張力に相当する前記の配置を超えるまで、フック391を(図28に関して時計回り方向に)回転する必要がある。一旦この配置を超えれば、ばね390の牽引力は、部品(図29)のアンロッキングを実現することができる(図28に関して時計回り方向の)回転に寄与する。スラストおよびロッキング装置のこの特性は、たとえば、さらに望ましくない衝突を受けているヘッド1に対して、一定の本質を有する力が支持材355に印加されるような場合には、フレーム370から支持材355を解除させるために特に有利であり、それによってヘッド1の部品に対する破損または損傷を回避することができる。
【0131】
実際、支持材355にこのような力を印加することによって、ばね390の力に対して、球362,363とシート380,381との間の連結のうち、少なくとも一方の間で分離させる。フレーム370に関する(図28に関して左側への)プレート361の次の移動は、図28のバランス構成を変更し、特にロータリピン366に関してばね390の角度方向の配置を変更させる傾向にある。前述したように、わずかな本質を伴う移動は、ばね390の作用直線をロータリピン366の軸以下にさせ、実際のばね390の力を、ピン378から定着部395を解除させ、次にフレーム370から支持材355を解放させるために作用する。いかなる場合においても、ばね390およびフック391を含む接続のおかげで、支持材355は、物理的にフレーム370に接続されたままであり、このようにして、ヘッド1の崩壊および損傷を回避する。その後、検査位置における連結は、次に来る前述したような簡素かつ高速の方法で再設定されることができる。
【0132】
図31および32に示される装置は、図21〜30に示されているシステム250、300、300’および350と同一である態様に基づいて、2つのヘッド1用の第6の支持および基準システム400を具備し、ヘッド1および静止構造材または取外し可能な方法で細長い支持材410に連結されるフレーム420に連結される細長い連結支持材410を具備する。図22のヘッド1および細長い支持材260との間の連結に関して、前に述べたような調整可能な方法で、ヘッド1は細長い支持材410に連結される。
【0133】
フレーム420は、たとえば、空気スライド199に固定されるベース部分421および2つの支柱壁422,424および横材423を用いてそれに固定されるブリッジ型構造材を具備する。2つの壁422の一方は、フレーム420の静止に関して弾性的に移動可能である2つの部分425,426を備えたスラスト手段を規定するスリットを特徴とする。
【0134】
細長い支持材410は、壁422,424に面するように配置されることを目的とする側面411,412を規定し、細長い支持材410の先端の付近で、横断連結方向に沿って2個ごとに(413/415および414/416)一列に配置される面411,412の上にある組ごとに配置される4個の球413,414,415,416を備えた基準要素を具備する。
【0135】
フレーム420のブリッジ型構造は、基準要素、具体的に言えば壁411の弾性可動部分425,426における2つのスロット433,434および壁412の円形ホール435およびスロット436のための4つのシートを規定する。
2組の傾斜のあるスロットは壁411,412の中で得られる(壁411の静止部品におけるスロット428の組のみが図27に示されている)。
【0136】
2個の戻しばね402,403が、壁412とそれぞれ弾性可動部分425,426との間の横断方向に沿って配置される。
【0137】
図31に示された配置構成によれば、前に述べた配置構成と同様に、ヘッド1は砥石車Mを用いた研削加工における機械加工中に、円筒形の部品2’の外径を検査する。ヘッド1は、検査対象の機械加工される部品の初期寸法ならびに最終的な寸法およびヘッド1の測定範囲を考慮した適切な相反位置で、細長い支持材410に連結される。次に、細長い支持材310は、以下に述べるように、フレーム420に連結され、その位置で、本願明細書では指定されない機知の方法で部品2”を検査することができる。
【0138】
支持材410は、ブリッジ型フレーム420の内部に挿入され、球413,414,415,416が関連するシート433,434,435,436に収容され、ヘッド1の検査位置を規定するように配置される。この位置で、2組のリミットピン(これらの組のうち1組408だけが図31に示されている)が、傾斜のあるスロット428に挿入され、たとえば、図には示されていないが、適切なねじ山付きの穴にねじ込むことによって)支持材410の面411,412に固定される。
【0139】
前述した支持および基準システムの場合と同様に、細長い支持材410に連結されるヘッド1の位置は、フレーム420に関して、きわめて簡素で高速かつ正確な方法で設定および決定される。さらに、たとえば、ヘッド1が実質的に任意の方向において受ける恐れがある望ましくない衝突の結果として、一定の本質を有する力が支持材410に印加されるような場合には、連結を実現する特定の配置構成、要素の形状(球413〜416およびシート433〜436)および可動部分425,426およびばね402,403によって印加される弾性推力により、支持材410をフレーム420から解除することができ、このようにしてヘッド1の構成要素の破損または損傷を予防することができる。
【0140】
さらに、傾斜のあるスロット428におけるピン408の存在は、フレーム420と細長い支持物410との間の互いの移動を制限し、フレーム420の完全な解除およびヘッド1を備えた細長い支持材410の崩壊を防止する以外に、前述した解除を行うことができる。これは、一方ではヘッド1への損傷を避けることができ、他方ではヘッド1を決定された検査位置に戻させるために、支持材410とフレーム420との連結のための操作の促進および高速化を図ることができる。
【0141】
たとえば、ばね402,403に関する限り、第6の支持および基準システムは、図31および32に示されたものと異なっていてもよい。さらに具体的に言えば、部分425,426によって印加される推力が、球413〜416と関連するシート433〜436との間の適正な連結を維持するため、言い換えれば、装置の通常の機能を果たしている最中に決定された検査位置にヘッド1を維持するために十分であるような場合には、システム400の構成要素の寸法および形状に応じて、これらのばね402,403を残してもよい。図33および34は、細長い支持物410’、フレーム420’および構造および操作に関する限り、図31および32に示されたシステム400の特徴と実質的に同一である他の特徴を備えた支持および基準システム400’を示している。主な製造の違いについてのみ、本願明細書では簡単に記載される。フレーム420’は、ベース部分421’およびそれに固定され、2つの支柱壁422’、424’および横材423’を備えたブリッジ型構造材を具備する。2つの壁の一方422’は、フレーム420’の静止に関して弾性的に移動可能である部分425’を備えたスラスト手段を規定する実質的にL字型のスリットを特徴とする。
【0142】
細長い支持材410’は、壁422’,424’に面するように配置されることを目的とする側面411’,412’を規定し、面411’,412’に固定される3個の球413’,415’,416’を備えた基準要素を具備する。特に、1組の球415’,416’は、細長い支持材410’の先端の付近で、面の1つ(412’)に配置されるのに対し、他の球413’は実質的に中央位置にある対向する面411’に配置される。支柱壁424’の内面は2つのV字型シート435’,436’を規定し、壁422’の内面は、弾性的な可動部分425’に対応して、円錐形のシート433’を規定する。スロット428’は壁424’の中で得られ、ねじ山付きのリミットピン408’は面412’で支持材410’のねじ山付きホールに連結される。スロット428’およびねじ山付きのピン408’は、図33には点線で示され、図34の全体断面平面に存在しない場合であっても図34にも示される。
【0143】
支持材410’は、ブリッジ型フレーム420’の内部に挿入され、球413’,415’,416’がそれぞれ、円錐形のシート433’およびV字形シート435’,436’に収容され、ヘッド1の検査位置を規定するように配置される。この位置で、リミットピン408’はスロット428’に挿入され、支持材410’の面412’にあるねじ山付きホールにねじ込まれる。
【0144】
前述した支持および基準システム400の場合と同様に、ヘッド1の位置は、きわめて簡素で高速かつ正確な方法で設定および決定され、偶発的かつ潜在的に危険な衝突の場合には、連結を実現する特定の配置構成、要素の形状(この場合には、球413’,415’,416’および関連するシート、弾性的に移動可能な部分425’)は、支持材410’をフレーム420’から解除することができる。スロット428’におけるピン408’の存在は、移動を制限し、フレーム420’と細長い支持物410’との間の完全な解除を防止する。これは、一方ではヘッド1への損傷を回避することができ、他方ではヘッド1を決定された検査位置に戻させるために、支持材410’とフレーム420’との連結のための操作の促進および高速化を図ることができる。
【0145】
本発明による装置は、図17〜34に示されるように、支持および基準システム200,250,300,300’,350,400,400’または500に連結された唯一のヘッド1を具備することができる。実際には、唯一のヘッド1の存在を必要とする用途においても、望ましくない衝突に関する連結の簡素さ、高速化および安全性に関して、記載および例示を行ったシステム200,250,300,300’,350,400,400’または500は、前述したような有利な態様を提供する。
【0146】
本発明によるヘッドおよび装置は、機械部品の「製造段階の」寸法検査、すなわち工作機械(たとえば図17、19、22、24、26、27、31および33に概略的に示されるような砥石車)における部品の機械加工中および部品の「製造後の」検査、すなわち機械加工終了後のいずれの場合にも利用されることができる。
【0147】
本発明によるゲージングまたは測定ヘッドおよび装置は、記載および例示されたものと異なっていてもよい。
【0148】
図21〜34について記載した装置に関する限り、基準要素および関連シートおよび/または当接面の配置構成は、連結支持材および静止構造材に関して逆転してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0149】
本発明は、限定されていない実施例によって与えられる同封の図面シートを参照して、さらなる詳細について記載される。
【図1】本発明によるヘッドのケーシングの不等角投影図である。
【図2】部品の検査中に目に見える細部を示した図1のケーシングを具備する本発明によるヘッドの縦断面図である。
【図3】簡単のため、複数の要素、特にカバー130、フィーラ27および連結支持材26を割愛した図2の矢印IIIによって示された方向から見た図2に示されるヘッドの図である。
【図4】図3に示されたヘッドに対応する図2に示されたヘッドの図であり、図では鋳ばり55および連結される止めねじ56も割愛されている。
【図5】図2の矢印Vによって示される方向から見た図2に示されているヘッドの図である。
【図6】本発明によるヘッドの構成要素の拡大した不等角投影図である。
【図7】図2に部分的に示された構成要素の拡大図である。
【図8】図7の線VIII−VIIIに沿って切った図7に示される構成要素の部分的に切開した断面図である。
【図9】図7の線IX−IXに沿って切った図7に示される構成要素の部分的に切開した断面図である。
【図10】図7において矢印Xによって示された方向から見た図7の構成要素の異なる方向による部分切開側面図である。
【図11】図10の線XI−XIに沿った図10に示される構成要素の部分切開断面図である。
【図12】図10に関して本発明の別の実施態様によるヘッドの構成要素の部分切開側面図である。
【図13】細部を示した図12の線VIII−VIIIに沿って切った図12に示される構成要素の部分切開断面図である。
【図14】図2に示されたヘッドに利用される変換器を表す回路図を概略的に示している。
【図15】本発明の別の実施態様によるヘッドの細部を示す縦断面図である。
【図16】本発明の別の実施態様によるヘッドの細部を示す縦断面図である。
【図17】部品の検査中に目に見える細部を示した本発明による第1の装置の縦断面図である。
【図18】図16の線XVIII−XVIIIに沿って切った図17に示される装置の部分切開断面図である。
【図19】本発明による第2の装置の側面図である。
【図20】図19の線XVIII−XVIIIに沿って切った図19に示される装置の部分切開断面図である。
【図21】本発明による第3の装置の背面図である。
【図22】部品の検査中に目に見える細部を示した図17の線XVIII−XVIIIに沿って切った図17に示される装置のわずかに縮小した縦断面図である。
【図23】本発明による第4の装置の背面図である。
【図24】部品の検査中に目に見える細部を示した図23における矢印XXIVによって示された方向から見た図23に示される装置の側面図である。
【図25】図23の第4の装置に関してある程度の修正を加えた本発明による装置の背面図である。
【図26】図25の矢印XXVIの方向から見た場合に、部品の検査中に目に見える細部を示した図25に示される装置の側面図である。
【図27】部品の検査中に示される本発明による第5の装置の側面図である。
【図28】図30の線XXVIII−XXVIIIに沿って切った図27に示される装置の細部を示す拡大縦断面図である。
【図29】装置の別の作業位置による図28の図に対応する縦断面図である。
【図30】図28の矢印XXXの方向から見た場合、いくつかの要素の断面を示した図28の細部を表す上面図である。
【図31】部品の検査中に示される本発明による第6の装置の側面図である。
【図32】図31の線XXXII−XXXIIに沿って切った図31の装置の断面図である。
【図33】図31の第6の装置に関してある程度の修正を加えた本発明による装置の側面図である。
【図34】細部を切り離し、図33の線XXXIV−XXXIVに沿って切った図33の装置の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械部品の長さ寸法検査のためのヘッドであって、
溝および長手方向の幾何学的な軸を規定するケーシングを備えた支持構造材と、
少なくとも部分的に前記溝に収容されるアームおよび
検査対象の前記機械部品の表面に接触するために、前記アームに連結されたフィーラを備えた
前記支持構造材に対して移動可能であるアームセットと、
横断軸を中心にして前記支持構造材に対して前記アームの移動を可能にするために、前記アームと前記支持構造材との間に配置される支点と、
検査対象の前記機械部品の前記表面に向かって前記フィーラを付勢するために、前記アームと前記支持構造材との間に配置されるスラスト装置と、
前記支持構造材に対して前記アームの位置に応じた信号を供給するために、前記アームおよび前記支持構造材に連結される変換器と、を含み、
前記ケーシングが、前記溝に通じるシートを含み、前記スラスト装置が前記ケーシングの前記溝に収容されるばねおよび調整可能な方法で前記アームおよび前記支持構造材に前記ばねを連結するためのフッキングおよび調整装置を含み、前記フッキングおよび調整装置がフッキング要素およびねじを含み、前記フッキング要素は前記ばね及び前記ねじに連結され、前記ねじは前記シートに収容され、かつ前記ケーシングの外部からアクセス可能かつ調整可能であるヘッド。
【請求項2】
前記ばねが戻しばねである請求項1に記載のヘッド。
【請求項3】
前記フッキング要素ば実質的に多面形状の側外面を有する請求項1または2のいずれか1項に記載のヘッド。
【請求項4】
前記変換器が誘導型であり、
前記変換器は、
第1のハウジングおよび前記第1のハウジングに配置された環状シートを備えたスプールを備えた中空支持材と、
前記環状シートに収容され、前記ケーシングに連結される巻線と、
強磁性材料から形成され、前記アームに連結され、前記巻線の中で移動可能であるコアと、
を含み、
前記ケーシングがスルーシートを含み、前記ケーシングの前記外部から調整可能な位置において、前記中空支持材が前記スルーシートに収容される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘッド。
【請求項5】
機械部品の長さ寸法検査のためのヘッドであって、
溝および長手方向の幾何学的な軸を規定するケーシングを備えた支持構造材と、
少なくとも部分的に前記溝に収容されるアームおよび
検査対象の前記機械部品の表面に接触するために、前記アームに連結されたフィーラを備えた
前記支持構造材に対して移動可能であるアームセットと、
横断軸を中心にして前記支持構造材に対して前記アームの移動を可能にするために、前記アームと前記支持構造材との間に配置される支点と、
検査対象の前記機械部品の前記表面に向かって前記フィーラを付勢するために、前記アームと前記支持構造材との間に配置されるスラスト装置と、
前記支持構造材に対して前記アームの位置に応じた信号を供給するために、前記アームおよび前記支持構造材に連結される変換器と、を含み、
前記移動可能なアームセットの前記アームが先端部分を規定し、前記ヘッドが、前記アームの前記先端部分に接触するための当接面を備えた前記ケーシングに連結された調整装置および前記当接面の位置を調整し、前記支点によって規定される前記横断軸を中心にして、前記アームの回転移動を行うための作動要素を含むヘッド。
【請求項6】
前記調整装置が、前記ケーシングの前記外部に配置されるシリンダ、前記当接面を規定するための前記シリンダに収容される調整可能な位置決めピストンおよび誘導装置を含み、実質的に並進移動によって、前記当接面の前記位置を調整するために、前記作動要素および前記誘導装置が前記シリンダおよび前記位置決めピストンと協働する請求項5に記載のヘッド。
【請求項7】
前記シリンダが前記支持構造材の前記長手方向の幾何学的な軸に略平行である調整軸を規定し、前記当接面の前記位置が、前記調整軸に沿った移動によって調整される請求項6に記載のヘッド。
【請求項8】
前記当接面が前記調整軸に対して傾斜している請求項7に記載のヘッド。
【請求項9】
前記アームの前記先端部分に接触し、前記フィーラを検査対象の前記部品の前記表面にから離れるように付勢するために、前記当接面が、前記調整軸に沿って並進するように適合される請求項8に記載のヘッド。
【請求項10】
前記アームの前記先端部分に接触し、前記フィーラを検査対象の前記部品の前記表面に向かって付勢するために、前記当接面が、前記調整軸に沿って並進するように適合される請求項9に記載のヘッド。
【請求項11】
前記当接面の前記位置を調整するために、前記調整装置が前記作動要素に連結される電動機を含む請求項5乃至10のいずれか1項に記載のヘッド。
【請求項12】
処理装置を含み、前記変換器によって受信される前記信号に基づき、前記当接面の前記位置を設定するために、前記電動機が前記処理装置に電気的に接続され、前記処理装置が前記電動機に作動信号を送信する請求項11に記載のヘッド。
【請求項13】
機械部品の長さ寸法検査用の装置であって、前記部品と協働するためのゲージングヘッド、前記部品の前記寸法を表す電気信号を発生するための前記ゲージングヘッドに少なくとも部分的に含まれる変換器、処理装置および前記ヘッドと前記処理装置との間にある電気連結手段を備え、前記電気連結手段は前記電気連結手段用の集積要素を含み、前記集積要素が前記変換器の少なくとも1つの部品を含み、前記コネクタの第1の要素およびケーブルが各々、前記変換器の前記少なくとも1つの部品および前記コネクタの前記第1の要素に強固に連結される先端を備え、前記コネクタが前記第1の要素および前記処理装置に電気的に接続される第2の要素を含み、前記変換器の前記少なくとも1つの部品が、外部から取外し可能な方法で前記ヘッドに固定される装置。
【請求項14】
前記変換器の前記少なくとも1つの部品が、前記ヘッドの外部から、互いの角度位置を調整することができる調整可能な連結によって、前記ヘッドに固定される請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記変換器が、誘導型であり、強磁性材料から形成されるコア、巻線および前記巻線のための支持材を含み、前記変換器の少なくとも1つの部品が前記巻線および前記関連する支持材を含む請求項13または14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記電気連結のための前記集積要素が、前記ケーブルの前記先端と前記変換器の前記少なくとも1つの部品との間の保護材を各々含み、前記コネクタの前記第1の要素および前記保護材の少なくとも1つがオーバモールディング処理によるプラスチック材料で形成される前記請求項13乃至15のいずれか1に記載の装置。
【請求項17】
前記ケーブルが鎧装を含み、前記鎧装および少なくとも1つの保護材がポリウレタンで形成される請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2010−8421(P2010−8421A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197240(P2009−197240)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【分割の表示】特願2000−537032(P2000−537032)の分割
【原出願日】平成11年2月26日(1999.2.26)
【出願人】(500200708)マーポス、ソチエタ、ペル、アツィオーニ (33)
【氏名又は名称原語表記】MARPOSS S.P.A.
【Fターム(参考)】