説明

機能門柱

【課題】視認により各設備ユニットの機能を容易に理解でき、尚且つ機能門柱として統一感があり、すっきりとした一体感のある外観とでき、小型化できる機能門柱を提供する。
【解決手段】左右幅寸法が略同じ設備ユニット3a〜3cを複数備える。門柱本体2の左右少なくとも一方の側面に沿って複数の設備ユニット3a〜3cを上下に並設する。各設備ユニット3a〜3cの門柱本体2と反対側の側面を揃えて面一とする。設備ユニット3a〜3cを挟んで門柱本体2と反対側の位置に、複数の設備ユニット3a〜3cの門柱本体2と反対側の側面に沿い且つ複数の設備ユニット3a〜3cに亘る一枚の側表面板80を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインターホン、表札、ポスト等の設備ユニットを備えた機能門柱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から敷地の玄関先に立設される機能門柱が知られており、この機能門柱にはインターホン、表札、ポスト等の設備ユニットが設置される。例えば特許文献1に示す機能門柱には門柱本体の前面にインターホンを設けると共に門柱本体の左右一方の側面にポストを設けている。
【0003】
しかし、特許文献1のように機能門柱の前面と側面の異なる面に別々に設備ユニットを設けた場合には、視認により各設備ユニットの機能を容易に理解することはできるが、機能門柱として統一感のある外観とならず、またすっきりとした一体感のある外観にもならない。また、門柱本体において各設備ユニットが取り付けられる部分の面積を確保する必要があるため、上記のように機能門柱の前面とこれに直交する側面の夫々に設備ユニットを設けた場合には、門柱本体の前後幅及び左右幅が大きくなり、結果として門柱本体が太くなり、この点でも外観を損ね、また機能門柱が大型化する。
【特許文献1】実公平07−17760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、視認により各設備ユニットの機能を容易に理解でき、機能門柱として統一感があり、すっきりとした一体感のある外観とでき、尚且つ小型化できる機能門柱を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係る機能門柱は、左右幅寸法が略同じ設備ユニット3a〜3cを複数備え、門柱本体2の左右少なくとも一方の側面に沿って前記複数の設備ユニット3a〜3cを上下に並設すると共に各設備ユニット3a〜3cの門柱本体2と反対側の側面を揃えて面一とし、前記設備ユニット3a〜3cを挟んで門柱本体2と反対側の位置に、複数の設備ユニット3a〜3cの門柱本体2と反対側の側面に沿い且つ前記複数の設備ユニット3a〜3cに亘る一枚の側表面板80を設けて成ることを特徴とする。
【0006】
このように複数の設備ユニット3a〜3cの門柱本体2と反対側の側面に沿い且つ複数の設備ユニット3a〜3cに亘る一枚の側表面板80を設けることで、各設備ユニット3a〜3cの前面側が露出し、機能門柱を前方から見た場合には各設備ユニット3a〜3cの前面側を視認して機能を確認できる。また、左右幅寸法が同じである設備ユニット3a〜3cを門柱本体2の同一側面に上下に並設することで、正面から見て門柱本体2の上部から複数の設備ユニット3a〜3cを内装した一塊のボックスを突出したような外観とすることができ、またこれら各設備ユニット3a〜3cの面一となった門柱本体2と反対側の側面は設備ユニット3a〜3c間のわずかな隙間も含めて複数の設備ユニット3a〜3cに亘る一枚の側表面板80で覆い隠すことができる。また、門柱本体2の同一側面に複数の設備ユニット3a〜3cを設けることで、門柱本体2の前面に設備ユニット3a〜3cを設ける必要がなくなり、この場合、門柱本体2の左右幅寸法を小さくできる。
【0007】
また、門柱本体2の上端部から最上段の設備ユニット3a〜3cの上方に位置する天板部(照明ユニット4)を突設し、該天板部の先端部の下面に嵌込凹所70を形成し、該嵌込凹所70に側表面板80の上端から水平方向に突設した嵌込片82を嵌め込むことが好ましい。
【0008】
側表面板80の上端部を嵌込凹所70に嵌め込んで、側表面板80を確実に位置決めして取り付けることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、機能門柱を前方から見た場合には、各設備ユニットの前面を視認できて各設備ユニットの機能を容易に理解できる。また正面から見て門柱本体の上部から複数の設備ユニットを内装した一塊のボックスを突出したような統一感のある外観とすることができ、しかも各設備ユニットの面一となった門柱本体と反対側の側面は複数の設備ユニットに亘る一枚の側表面板で覆い隠してすっきりとした一体感のある外観とすることができる。また門柱本体の同一側面に複数の設備ユニットを設けることで、門柱本体の左右幅寸法を小さくでき、一層すっきりとした一体感のある外観とすることができ、また機能門柱を小型化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。なお、本発明の機能門柱は、例えば機能門柱の後側を建物の玄関側に配置して玄関先に立設されるものである。
【0011】
図1は本実施形態の一例の機能門柱の全体斜視図であり、図2は機能門柱の正面図及び側面図、図3は分解斜視図である。機能門柱は、玄関先の地面1等に垂直に立設される門柱本体2と、門柱本体2の左右一方の側面(図示例では左側面)の上部に上下方向に複数並設される設備ユニット3a〜3cを備えている。設備ユニット3a〜3cとしては、下方に配置されるものから順に、ポストユニット3a、インターホンユニット3b、表札ユニット3cの計3個の設備ユニットを備えている。また、門柱本体2の上端部には表札ユニット3cの照明を行う照明ユニット4を設けてあり、ポストユニット3a、インターホンユニット3b及び照明ユニット4は門柱本体2に対して片持ちで支持される。なお、表札ユニット3cはインターホンユニット3b上に載設される。
【0012】
門柱本体2は水平断面で前後方向に長い角筒状のアルミ型材からなり、図2のように門柱本体2の下端部を地中に埋設することで地面1に立設される。図3に示すように、門柱本体2の内部には門柱本体2の上下方向の全長に亘る配線通路5を形成してあり、門柱本体2の下端部開口から地中の電気配線(図示せず)が配線通路5に導入される。門柱本体2の左側壁部の上部で且つインターホンユニット3bが取付けられる部分には配線導出用孔6を形成してあり、地中から配線通路5に導入された前記電気配線のうちインターホンユニット3bに接続される電気配線が配線導出用孔6から導出され、照明ユニット4に接続される電気配線が門柱本体2の上端開口から導出される。門柱本体2の下端部には門柱本体2を左右方向に貫通する回り止め棒8を設けてあり、回り止め棒8を門柱本体2の下端部と共に地中に埋設することで、門柱本体2の回り止めがなされる。門柱本体2の上部の左右一方の側壁部(図示例では左側壁部)には、インターホンユニット3b及びポストユニット3aを取り付けるためのねじ孔9を上下に複数穿設してある。また、同側壁部の上端部の前後にはビス87を挿通するための孔10を穿設している。
【0013】
ポストユニット3aは縦置型の郵便受け箱7からなる。郵便受け箱7の前後長さはインターホンユニット3b、表札ユニット3c、門柱本体2の夫々の前後長さよりも長い。縦長直方体状の郵便受け箱7の前面には縦長の投入口11を設けてあり、後面には取出口12を設けている。郵便受け箱7の左右両側板の前部にはビス14、86を挿通するための孔15を上下方向に複数穿設している。郵便受け箱7を門柱本体2に取り付けるには、郵便受け箱7の門柱本体2側の側板に設けた各孔15にビス14を挿通し、各ビス14を門柱本体2の対応するねじ孔9に螺合する。これにより、郵便受け箱7は門柱本体2の左側の側面に沿って取り付けられ、このように取り付けたポストユニット3aの前面は門柱本体2の前面と略面一となり、またポストユニット3aの後部は門柱本体2よりも後方に突出する。なお、ポストユニット3aの前面は門柱本体2の前面よりも若干後方に位置する。また郵便受け箱7は左右対称に形成してあり、本例のように門柱本体2の左側に設備ユニット3a〜3cを設置する場合だけではなく、門柱本体2と左右対称形状の右用の門柱本体(図示せず)の右側にも取り付け可能である。
【0014】
インターホンユニット3bは、門柱本体2の左側の側面に設けた配線ボックス18と、配線ボックス18に設けたインターホン装置19(インターホン子機)で構成される。
【0015】
インターホンユニット3bを構成する配線ボックス18の左右方向の幅寸法は郵便受け箱7の左右方向の幅寸法と同じである。配線ボックス18はその前後長さを門柱本体2の前後長さと略同じ(詳しくは若干短い)とした方形箱状に形成してあり、郵便受け箱7の上面に載置した状態で門柱本体2に取り付けられる。配線ボックス18は、後面に配線作業用開口部16を形成した門柱本体2に取り付けられるボックス本体21と、該ボックス本体21の配線作業用開口部16を閉塞する縦板状の蓋体22とで構成してある。さらに、ボックス本体21は、門柱本体2に取り付けられる前面及び後面が開口した正面視ロ字状で筒状の箱体23と、箱体23の前開口を閉塞してインターホン装置19が設置される台座24とで構成してある。
【0016】
箱体23はアルミ型材からなり、両側板部の中央部に配線通し用孔25を穿設している。箱体23の底板26及び天板27の夫々の前後両端部にはねじ込み部28を形成している。箱体23の底板26の上面及び天板27の下面の夫々には前後方向の全長に亘って断面C字状のビスホールを形成してあり、各ビスホールの前後両端部で前記底板26及び天板27の夫々の前後に設けたねじ込み部28を構成している。また箱体23の両側板の夫々にはビス35を挿通するための孔29を上下に複数穿設している。
【0017】
図7に示すように台座24は箱体23の前開口を閉塞する前板30と箱体23の天板27に載置される上板31を備えた側断面略逆L字状のアルミ又はステンレス製の板からなり、台座24の上板31でボックス本体21の上面を構成している。台座24の前板30の中央にはインターホン装置19がビス32により前板30の前面に沿って取り付けられる。台座24の前板30の下端部にはビス34を挿通するための孔33を穿設してあり、孔33から挿通したビス34を箱体23の下側且つ前側のねじ込み部28に螺合することで、台座24は箱体23に取り付けられる。なお、インターホン装置19は、箱体23に取り付ける前の台座24に取り付けても良いし、箱体23に取り付けた後の台座24に取り付けても良い。
【0018】
ボックス本体21を門柱本体2に取り付けるには、箱体23の門柱本体2側の側板に設けた各孔29にビス35を挿通し、各ビス35を門柱本体2の対応するねじ孔9に螺合する。これにより、ボックス本体21は門柱本体2の左側の側面に沿って取り付けられる。この取り付け状態では、箱体23が郵便受け箱7上に載置され、また台座24の前板30の前面(即ちボックス本体21の前面)が郵便受け箱7の前面と面一となる。またこの箱体23の配線通し用孔25は門柱本体2の配線導出用孔6に対向し、前記配線導出用孔6から導出された電気配線は配線通し用孔25を介してボックス本体21内に導入される。なお、ボックス本体21は、箱体23を門柱本体2に取り付けた後に台座24を箱体23に取り付けても良いし、台座24を箱体23に取り付けた後に箱体23を門柱本体2に取り付けても良い。
【0019】
台座24の前板30のインターホン装置19に対向する部分には配線引出孔36を穿設してあり、前述の配線通し用孔25を介してボックス本体21内に導入された電気配線は配線引出孔36を介してインターホン装置19に接続される。即ち、地中の電気配線は、門柱本体2の配線通路5、配線導出用孔6、配線通し用孔25、ボックス本体21の内部、配線引出孔36、を順に通過し、外部に露出することなくインターホン装置19に接続される。なお、門柱本体2から引き出した電気配線をインターホン装置19に接続する作業はボックス本体21の配線作業用開口部16から手を入れて行うものであり、この配線作業用開口部16は配線ボックス18内を点検するための開口部としても利用される。
【0020】
台座24の上板31の前部両側には上板31を切り起こして形成した側面視逆L字状の被係止片37を設けてあり、各被係止片37と上板31との間に後方に開口する差込溝38を形成している。また上板31の後縁の両側端部から垂下片39を垂設している。
【0021】
蓋体22はアルミ又はステンレス製の板からなる。図8に示すように蓋体22の下端部にビス43を挿通するための孔40を穿設してあり、上端部には上方に開口する切欠からなるビス挿通用の開口部41を形成している。蓋体22の上端部の両側端部には垂下片39と略同大同形の切欠42を形成している。蓋体22をボックス本体21に取り付けるには、蓋体22を各切欠42に台座24の各垂下片39が位置するように配置し、該蓋体22の孔40に挿通したビス43を箱体23の下側且つ後側のねじ込み部28に螺合し、この後、後述のように配線ボックス18上に表札ユニット3cを構成する表札部材47を取り付けて該表札部材47を用いて蓋体22を固定する。なお配線ボックス18は左右対称形状であり、前述のポストユニット3aと同様に右用の門柱本体にも取り付け可能となっている。
【0022】
図4及び図7に示すように表札ユニット3cは側面視略山形状に形成したアルミ型材からなる表札部材47で構成してある。表札部材47の左右幅寸法は配線ボックス18の左右方向の幅寸法と同じであり、つまりポストユニット3a、インターホンユニット3b、表札ユニット3cは全て左右方向の幅寸法が同じである。また表札部材47の前後長さは配線ボックス18の前後長さと略同じであり、つまり門柱本体2の前後長さと略同じ(詳しくは若干短い)である。
【0023】
表札部材47は山形状の前側傾斜面を構成する前側傾斜板48と後側傾斜面を構成する後側傾斜板49を備えている。前側傾斜板48の前面には表示部として居住者の名前等の表札表示50を記している。前側傾斜板48は前側に行く程下り傾斜しているため、表札部材47の前方に居る人がやや上方から表札部材47に設けた表札表示50を見た場合に視認しやすいという利点がある。
【0024】
前側傾斜板48及び後側傾斜板49の下部同士は表札部材47の左右方向の全長に亘る横片状の連結片51によって一体に連結してあり、補強されている。連結片51の前部には下方に向けて側断面L字状の係止片52を一体に突設してあり、該係止片52の横片状部52aは前方に向けて突出している。
【0025】
前側傾斜板48及び後側傾斜板49の夫々の下端部は連結片51よりも下方に突出し、このうち前側傾斜板48の下端部は前側載置部となっている。一方、図6に示すように後側傾斜板49の下端には載置片53を後方に向けて一体に突設してあり、該載置片53が後側載置部となっている。後側傾斜板49の下端部に設けた載置片53の後端部は下方に延出されて縦片状の覆部54を形成してあり、該覆部54と載置片53とで側断面逆L字状をなしている。覆部54には前後方向に貫通するビス挿通用の孔55を穿設している。
【0026】
表札部材47を配線ボックス18に取り付けるには、まず、図4(b)や図7に示すように各係止片52の横片状部52aを台座24上の各差込溝38に挿入して、各係止片52を対応する被係止片37に係止すると共に、前側載置部である前側傾斜板48の下端部及び前側載置部である載置片53を配線ボックス18の上面の前縁部及び後縁部の夫々に載置する。またこの時、図6のように表札部材47の覆部54の前面と箱体23の天板27の後端との間には、蓋体22の上端部(両切欠42間の部分)と、この両側に位置する台座24の両垂下片39が配置される。そして、このように仮止めした表札部材47の覆部54に設けた孔55にビス56を挿通し、該ビス56を蓋体22の開口部41を通して箱体23の上側且つ後側のねじ込み部28に螺合することで、表札部材47が配線ボックス18に本固定される。また、このように配線ボックス18に取り付けた表札部材47の覆部54と箱体23の天板27とでこの間の蓋体22の上端部及びこの両側に位置する台座24の両垂下片39が挟持固定される。
【0027】
ここで表札部材47の覆部54の下端は蓋体22の両切欠42よりも下方に位置している。従って、蓋体22の上縁部とこの上方に位置する台座24の上板31の後端縁部との間の隙間はその後方が覆部54により左右方向の全長に亘って覆われることとなり、覆部54により雨水などが前記隙間から配線ボックス18内に浸入することが防止される。またこのように取り付けた表札部材47の前端は平面視で配線ボックス18の前面(即ち台座24の前板30の前面)及び郵便受け箱7の前面と重複する位置に配置される。なお、表札ユニット3cは左右対称形状であり、前述の右用の門柱本体2に対応可能となっている。
【0028】
照明ユニット4は門柱本体2の上端から各種設備ユニット3a〜3cを設ける側である左側に向かって突設される。照明ユニット4の前後長さは門柱本体2の前後長さと略同じであり、また左右幅寸法はその突出端部である左側端部が各設備ユニット3a〜3cよりもやや外側に突出する長さである。
【0029】
照明ユニット4の外郭は厚みのある横板状に形成され、最上段の設備ユニットである表札ユニット3cの上方に位置する天板部を構成する。この照明ユニット4の外郭は、下方に開口する上ケース60と、上ケース60の下開口を閉塞する下カバー61とで構成してある。上ケース60はアルミダイキャストで形成され、下カバー61はアルミ製の板からなる。上ケース60と下カバー61からなる外郭内には図9に示すように端子台62、電源ユニット63、光源となるLED64等を電子部品として内装している。
【0030】
図10に示すように略矩形板状の下カバー61の中央部には光源用孔65を穿設している。下カバー61の門柱本体2側の側端部の後端部には切欠からなる配線挿通用開口部66を形成してあり、配線挿通用開口部66の前方には取付部67を形成している。下カバー61の門柱本体2側の側端部を構成する取付部67にはビス88挿通用の孔68を前後方向に複数穿設している。下カバー61の門柱本体2側の端縁よりもやや手前には前後方向に長い取付具通し孔69を穿設している。下カバー61の門柱本体2と反対側の側端部の前後両端部を除く部分は他部よりも一段上方に位置し、これにより、下カバー61の門柱本体2と反対側の側端部の中央には下方及び門柱本体2と反対側の左側方に開口する嵌込凹所70を形成している。嵌込凹所70の底部にはビス挿通用の孔71を前後方向に複数穿設している。
【0031】
下カバー61の取付部67は図3に示す連結具72を介して上ケース60に取り付けられる。連結具72はステンレス製の金具であって、前後に長い横片73と、横片73の両側縁から垂設した差込片74とで断面下向きコ字状に形成してある。横片73には各孔68に対応する位置にビス挿通用の孔75を穿設してあり、また左側の差込片74には門柱本体2の各孔10に対応する位置にはねじ孔76を穿設している。
【0032】
下カバー61を上ケース60に取り付けるには、図4のように、まず、連結具72の横片73を下カバー61の取付部67上に載置すると共に、左側の差込片74を下カバー61の取付部67の左側の端縁に沿わせ、且つ左側の差込片74を下カバー61の取付具通し孔69に上方から挿通し、左右両側の差込片74を下カバー61よりも下方に突出する。そして、差込片74の各孔75及びこれに対応する下カバー61の各孔68にビス88を挿通し、各ビス88を上ケース60に螺合することで、上ケース60に連結具72を取り付け、該連結具72の横片73と上ケース60とで下カバー61の取付部67を挟持し、他方で、下カバー61の嵌込凹所70の底部の前後方向の中央に位置する孔71にビス77を挿通し、該ビス77を上ケース60に螺合し、これにより、上ケース60に対して下カバー61を固定する。
【0033】
照明ユニット4を門柱本体2に取り付けるには、連結具72の下カバー61から下方に突出した各差込片74を門柱本体2の上端部(配線通路5の上端部)内に差し込み、門柱本体2の各孔10に挿通したビス87を左側の差込片74に設けたねじ孔76に螺合して、連結具72を門柱本体2に取り付ける。このように取り付けた連結具72は配線通路5の上端部における前後方向の中間部に配置され、この時、配線通路5の上端部の前後両端部は連結具72の横片73によって閉塞されず、門柱本体2の前壁部と連結具72の前端との間、及び、門柱本体2の後壁部と連結具72の後端との間には配線通過用開口部78が形成される。前後の配線通過用開口部78のうち一方(図示例では後の配線通過用開口部78)は下カバー61の配線挿通用開口部66に対向し、この配線通過用開口部78及び配線挿通用開口部66を介して配線通路5内の電気配線は照明ユニット4内に導入され、端子台62に接続される。
【0034】
このように取り付けた照明ユニット4は若干の隙間79を介して表札部材47の上方に位置する。また照明ユニット4の下カバー61に設けた光源用孔65は山形形状の表札部材47の頂部上方に位置し、該光源用孔65を介して前記照明ユニット4に内装したLED64が下方に臨む。従って、照明ユニット4のLED64を発光することで、該LED64からの光が隙間79を介して下方の表札部材47の前側傾斜板48の前面及び後側傾斜板49の後面にあたって前方や後方に反射し、この場合、LED64からの光は表札部材47の前方だけではなく後方にも至るので、あたかも表札部材47が前後方向に発光するような照明を行うことができる。
【0035】
またポストユニット3a、インターホンユニット3b、表札ユニット3cは、全て左右方向の幅寸法が同じであるので、上記のように各設備ユニット3a〜3cを門柱本体2に取り付けた場合、ポストユニット3a、インターホンユニット3b、表札ユニット3cの夫々の門柱本体2と反対側の端、即ち郵便受け箱7の左側面及び配線ボックス18の左側面(箱体23の左側面)及び表札部材47の左側端面は平面視で重複して面一となるが、照明ユニット4の左側端部はこれら各設備ユニット3a〜3cよりも門柱本体2と反対側に突出する。なお、照明ユニット4は上記下カバー61と左右対称形状の下カバー(図示せず)を下カバー61に替えて上ケース60に取り付けることが可能となっており、これにより、前述の右用の門柱本体2にも対応できるようにしてある。
【0036】
ここで、各設備ユニット3a〜3cの左側面に沿って、ポストユニット3a、インターホンユニット3b、表札ユニット3cに亘る一枚の側表面板80が設けてある。
【0037】
側表面板80は、前後長さが配線ボックス18の前後長さと略同じで且つ上下長さがポストユニット3a、インターホンユニット3b、表札ユニット3cの各高さ寸法を合計した長さと略同一の長さとなったアルミ板からなり、図11に示すように上下に長い長方形板状の縦板81と、上端を門柱本体2と反対側の左側に折り曲げて形成した嵌込片82とで構成してある。縦板81には上下に複数のねじ孔83を穿設してあり、また嵌込片82の前後にはビス85挿通の孔84を穿設している。
【0038】
側表面板80を機能門柱に取り付けるには、図5のように嵌込片82を照明ユニット4の下カバー61に設けた嵌込凹所70に嵌め込むと共に、縦板81を面一となった各設備ユニット3a〜3cの左側面に沿わせる。次に、嵌込片82の前後に設けた孔84から挿通したビス85を下カバー61の対応する孔71に通して上ケース60に螺合すると共に、配線ボックス18の各孔29及び郵便受け箱7の側表面板80側の側板に設けた各孔15から挿通したビス86を縦板81に設けた対応するねじ孔83に螺合する。ここで本例では、最上段の設備ユニット(表札ユニット3c)の上方に照明ユニット4(天板部)を設け、側表面板80の上端部に設けた嵌込片82を照明ユニット4の下面に設けた嵌込凹所70に嵌め込むので、側表面板80を確実に位置決めして設備ユニット3に取り付けることができる。このように取り付けた側表面板80は平面視でその前端が表札部材47の前端や、配線ボックス18の前面、郵便受け箱7の前面と重複し、また後端が配線ボックス18の後面と重複する。
【0039】
上記機能門柱の施工は、例えば既述のように門柱本体2を地面1に立設し、この後、ポストユニット3a、インターホンユニット3b、表札ユニット3cを順に門柱本体2に取り付けた後、照明ユニット4及び表札部材47を取り付けることで行われる。
【0040】
このように本実施形態の機能門柱は、左右幅寸法が略同じ設備ユニット3a〜3cを複数備え、門柱本体2の一方の側面に沿って複数の設備ユニット3a〜3cを上下に並設すると共に各設備ユニット3a〜3cの門柱本体2と反対側の側面を揃えて面一とし、設備ユニット3a〜3cを挟んで門柱本体2と反対側の位置に、複数の設備ユニット3a〜3cの門柱本体2と反対側の側面に沿い且つ複数の設備ユニット3a〜3cに亘る一枚の側表面板80を設けているので、機能門柱を前方から見た場合には、各設備ユニット3a〜3cの前面を視認できて各設備ユニット3a〜3cの機能を容易に理解できる。また、左右幅寸法が同じである設備ユニット3a〜3cを門柱本体2の同一側面に上下に並設することで、正面から見て門柱本体2の上部から複数の設備ユニット3a〜3cを内装した一塊のボックスを突出したような新規で統一感のある外観とすることができる。またこれら各設備ユニット3a〜3cの面一となった門柱本体2と反対側の側面は複数の設備ユニット3a〜3cに亘る一枚の側表面板80で覆い隠すことができ、すっきりとした一体感のある外観とすることができる。また、門柱本体2の同一側面に複数の設備ユニット3a〜3cを設けることで、門柱本体2の左右幅寸法を小さくでき、一層すっきりとした一体感のある外観とすることができ、また機能門柱を小型化できる。
【0041】
なお、本例では複数の設備ユニット3a〜3cを門柱本体2の左側の側面にのみ設けたが、複数の設備ユニットを門柱本体2の右側の側面にのみ設けても良いし、また左右両方の側面に設けても良いものとする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態の一例の機能門柱の全体斜視図である。
【図2】(a)は同上の機能門柱の正面図であり、(b)は同上の機能門柱の側表面板側から見た側面図である。
【図3】同上の機能門柱の分解斜視図である。
【図4】(a)は同上の機能門柱の要部正面断面図であり、(b)は(a)の側断面図である。
【図5】図4(a)の要部拡大図である。
【図6】図4(b)の要部拡大図である。
【図7】同上の台座を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【図8】同上の蓋体の正面図である。
【図9】同上の照明ユニットの水平断面図である。
【図10】同上の照明ユニットの下カバーを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図11】同上の側表面板を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【符号の説明】
【0043】
2 門柱本体
3a ポストユニット
3b インターホンユニット
3c 表札ユニット
4 照明ユニット
70 嵌込凹所
80 側表面板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右幅寸法が略同じ設備ユニットを複数備え、門柱本体の左右少なくとも一方の側面に沿って前記複数の設備ユニットを上下に並設すると共に各設備ユニットの門柱本体と反対側の側面を揃えて面一とし、前記設備ユニットを挟んで門柱本体と反対側の位置に、複数の設備ユニットの門柱本体と反対側の側面に沿い且つ前記複数の設備ユニットに亘る一枚の側表面板を設けて成ることを特徴とする機能門柱。
【請求項2】
門柱本体の上端部から最上段の設備ユニットの上方に位置する天板部を突設し、該天板部の先端部の下面に嵌込凹所を形成し、該嵌込凹所に側表面板の上端から水平方向に突設した嵌込部を嵌め込んで成ることを特徴とする請求項1に記載の機能門柱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−280755(P2008−280755A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126026(P2007−126026)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】