説明

残り時間表示装置及びそれを使用した時間貸しコンピュータ、時間貸しコンピュータシステム、コンピュータの時間貸し方法

【課題】
パソコンが店舗や従業員等を要さずとも運営できると共に、使用中にて使用可能な時間が表示されるようにすることでユーザーに残り時間を知らせて、残り時間がなくなって突然使用不可能な状態になることが防止できるようにする、残り時間表示装置及びそれを備えた時間貸しコンピュータシステムを提供する。
【解決手段】
時間貸し用のパソコン1と、バーコードリーダー22と時間表示部20を備える残り時間表示装置2と、サーバ3を備えている。サーバ3には、残り時間表示装置2に入力する情報と対応する使用可能時間情報が記録してある。パソコン1は、バーコードリーダー22からパソコン1を使用するために必要な情報を入力して、この情報がサーバ3に記録してある使用可能時間情報と合致すれば、時間表示部20に時間が表示されて、その間使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残り時間表示装置及びそれを使用した時間貸しコンピュータ、時間貸しコンピュータシステム、コンピュータの時間貸し方法に関する。
更に詳しくは、インターネットに接続可能なコンピュータを時間貸しするものであって、このコンピュータが店舗や従業員等を要さずとも運営できると共に、使用中にて使用可能な時間が表示されるようにすることでユーザーに残り時間を知らせて、残り時間がなくなって突然使用不可能な状態になることが防止できるようにしたものに関する。また、使用可能な時間がディスプレイ以外の外部表示装置に表示されるようにしたものに関する。更に、従来の時間貸しコンピュータシステムよりも設備の構成が簡単であり安価に構築できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗等においてインターネットに接続可能なパーソナルコンピュータ(以下、単に「パソコン」と記載)を時間単位で貸し出すサービスを行う店が増えている。このような店舗は一般的にインターネットカフェ等と称されており、通常、客の入店時間と退店時間から店舗での滞在時間を計算し、その長さによって料金を算出するというビジネスモデルを有している。
【0003】
上記したインターネットカフェは、客の入店時間や退店時間をチェックしなければならないので店舗や従業員等が必要であり、ある程度の規模が見込めないと経営的に出店・運営が困難である。しかし、今日インターネットは生活と密着しており不可欠なものになりつつあるので、例えば、書店、飲食店、電気店、ゲームセンター、病院、ホテル等の外出先でも気軽にインターネットに接続可能なパソコンが使用できる環境の普及が切望されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、コインを投入することで所定の時間インターネットに接続可能なパソコンが使用できる、コイン投入型のインターネット利用システムが開示されている。このシステムによれば、インターネットに接続できるパソコンが上記場所等の一郭に設置可能であり、店舗や従業員等を要さずに運営できる。
【0005】
また、特許文献2には、プリペイドカード等の手段により予め料金を支払っておき、クライアント端末をインターネットに接続するたびにサーバのデータベースから接続料金が差し引かれ、購入した金額の分の時間を使い切ると接続が自動的に切断される時限利用課金システムが開示されている。このシステムの場合も店舗や従業員等を要さずに運営できる。
【0006】
【特許文献1】特許第3090446号公報
【特許文献2】特開2002−32464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1記載のシステムは、コイン投入型であることからも推測できるように、比較的短時間での使われ方を見込んでいるものと思われ、しかも使用可能な時間も表示していないので、使用中に貸し時間が終了し、突然使用不可能な状態になることがある。この場合では今まで入手した情報等が全部消去(クリア)されてしまうこともあり、再び調べ直さなければならない等といった状況が発生し得る。特に、近年爆発的に広まっているインターネットを使ったオンラインゲームで遊んでいるときにこのような状況が起これば、今まで獲得したポイントや得点等が失われてしまうので、プレイヤーは再び続けて遊ぶ意欲を喪失してしまう。
【0008】
特許文献2記載のシステムも使用可能な時間が表示されないので、特許文献1記載のシステムと同様の課題を備えている。更に、特許文献2記載のシステムでは、クライアント端末を管理するものとして、インターネットの接続サービスを提供するターミナルサーバと、インターネットとの接続可否を確認する認証サーバと、クライアント端末の接続利用時間に合わせて接続料金を計算して接続度数を逐次更新する課金サーバを備えており、しかもこれらのサーバがクライアント端末を設置したところに設置されている。つまり、このシステムによれば構築に多大な設備コストを要する。
【0009】
ところで時間貸しコンピュータにおいて、ディスプレイの画面の隅等に上記したような使用可能な時間を表示させることは技術的に可能である。しかし、特にオンラインゲームをプレイする場合では、ゲームにより集中するためにディスプレイにはゲームの映像を全画面の状態で表示したく、ゲームに関係のないものはディスプレイには表示したくないという強い要望がある。また、仮に隅に使用可能な時間を表示した場合でも、目立たないので気づき難く、そのため以前のシステムと同じように使用中に貸し時間が終了して突然使用不可能な状態になることも考えられる。
【0010】
本発明の目的は、インターネットに接続可能なコンピュータを時間貸しするものであって、このコンピュータが店舗や従業員等を要さずとも運営できると共に、使用中にて使用可能な時間が表示されるようにすることでユーザーに残り時間を知らせて、残り時間がなくなって突然使用不可能な状態になることが防止できるものを提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、上記した従来の時間貸しコンピュータシステムよりも設備の構成が簡単であり安価に構築できるものを提供することにある。
【0012】
更に、本発明の他の目的は、使用可能な時間がディスプレイ以外の外部表示装置に表示されるようにしたものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、インターネットに接続可能なコンピュータに取り付けて使用するものであって、上記コンピュータを使用するために必要な情報を入力する入力部と、上記情報にはコンピュータが使用可能な時間が含まれており、当該時間を表示する時間表示部とを備える残り時間表示装置である。
【0014】
コンピュータを使用するために必要な情報は、時間表示部に使用可能な時間が表示されているときでも入力でき、入力された場合では時間表示部に使用可能な時間が付加されて表示されることが好ましい。
【0015】
本発明は、時間貸しコンピュータであって、インターネットに接続可能なコンピュータと、上記残り時間表示装置とを備えており、上記コンピュータは、残り時間表示装置の入力部からコンピュータを使用するために必要な情報が入力されて、時間表示部に時間が表示されている間使用できる時間貸しコンピュータである。
【0016】
コンピュータを使用するために必要な情報は、インターネットに接続された状態で入力できることが好ましい。
【0017】
本発明は、時間貸しコンピュータシステムであって、上記時間貸しコンピュータと、残り時間表示装置に入力する情報と対応する使用可能時間情報を記録するサーバとを備えており、残り時間表示装置にコンピュータを使用するために必要な情報が入力されると、サーバに記録してある使用可能時間情報による使用可能な時間が残り時間表示装置の時間表示部に表示されてコンピュータが使用可能な状態になり、また、コンピュータを使い終えるときに時間表示部に表示される使用可能な時間が残っていれば、残った時間の情報がサーバの使用可能時間情報に記録される時間貸しコンピュータシステムである。
【0018】
コンピュータを使用するために必要な情報がインターネットに接続された状態で入力されると、時間表示部に表示されている時間に、新たに入力された上記情報と対応する使用可能時間情報による使用可能な時間を付加した時間が時間表示部に表示されることが好ましい。
【0019】
本発明は、インターネットに接続可能なコンピュータの時間貸し方法であって、
コンピュータを使用するために必要な情報を入力することにより当該コンピュータが使用可能な時間を表示し、当該コンピュータは上記使用可能な時間が表示されている間使用できるコンピュータの時間貸し方法である。
【0020】
特許請求の範囲及び明細書において「コンピュータ」という用語は、中央演算装置等を備えたコンピュータ本体と、このコンピュータ本体と接続してあり映像または画像等を表示するディスプレイ(表示装置)を含むものとして使用している。
【0021】
なお、特許請求の範囲及び次の作用の欄では、本発明の各構成要件のそれぞれに、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与して説明している。しかし、この符号の付与はあくまで説明の理解を容易にするためであって、各構成要件の上記各部への限定を意味するものではない。
【0022】
(作 用)
本発明の作用を説明する。
残り時間表示装置(2)は、インターネットに接続可能なコンピュータ(1)に取り付けて使用される。残り時間表示装置(2)は、コンピュータ(1)を使用するために必要な情報が入力部(22)から入力されると、時間表示部(20)にコンピュータ(1)が使用可能な時間が表示される。
【0023】
残り時間表示装置(2)において、コンピュータ(1)を使用するために必要な情報は、時間表示部(20)に使用可能な時間が表示されているときでも入力できる。上記情報が入力されると時間表示部(20)に使用可能な時間が付加されて表示される。
【0024】
時間貸しコンピュータ(P)は、残り時間表示装置(2)の入力部(22)からコンピュータ(1)を使用するために必要な情報を入力することによって、時間表示部(20)に時間が表示されている間使用できる。
【0025】
時間貸しコンピュータ(P)において、コンピュータ(1)を使用するために必要な情報は、インターネットに接続された状態で入力できる。
【0026】
時間貸しコンピュータシステムは、残り時間表示装置(2)にコンピュータ(1)を使用するために必要な情報が入力されると、サーバ(3)に記録してある使用可能時間情報による使用可能な時間が残り時間表示装置(2)の時間表示部(20)に表示されてコンピュータ(1)が使用可能な状態になる。また、コンピュータ(1)を使い終えるときに時間表示部(20)に表示される使用可能な時間が残っていれば、残った時間の情報がサーバ(3)の使用可能時間情報に記録される。
【0027】
時間貸しコンピュータシステムにおいて、コンピュータ(1)を使用するために必要な情報がインターネットに接続された状態で入力されると、時間表示部(20)に表示されている時間に、新たに入力された上記情報と対応する使用可能時間情報による使用可能な時間を付加した時間が時間表示部(20)に表示される。
【0028】
コンピュータの時間貸し方法は、コンピュータ(1)を使用するために必要な情報を入力することにより当該コンピュータ(1)が使用可能な時間を表示し、当該コンピュータ(1)は上記使用可能な時間が表示されている間使用できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明によれば、使用可能な時間を時間表示部に表示してコンピュータの使用時における残り時間をユーザーに知らせることができるので、残り時間がなくなって突然使用不可能な状態になることが防止できる。
【0030】
(b)本発明によれば、ユーザーの管理が不要であり、店舗や従業員等を要さずに運営できる。従って、時間貸しコンピュータが、例えば、書店、飲食店、電気店、ゲームセンター、病院、ホテル等の外出先に設置された状態で運営できる。
【0031】
(c)本発明によれば、使用可能な時間がディスプレイ以外で表示されるので、ディスプレイには目的とするものだけが表示できる。これは特にオンラインゲームをプレイする場合に好適である。
【0032】
(d)本発明に係る時間貸しコンピュータシステムは、設備としてコンピュータと、残り時間表示装置と、サーバを備えて構築でき、しかもサーバはインターネットに接続された状態で少なくとも一台設置されていれば良いので、従来のシステムよりも設備の構成が簡単であり安価に構築できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る時間貸しコンピュータシステムの一実施の形態を示しており、システムの全体像を表した概略説明図、
図2は本システムで使用する時間貸しパソコンを示す説明図、
図3は時間貸しパソコンを構成する残り時間表示装置を示す説明図である。
【0034】
時間貸しコンピュータシステムは、インターネットNに接続可能なパソコン1(コンピュータ)と、パソコン1が使用可能な時間を表示する残り時間表示装置2と、本システムを管理するサーバ3(図1では管理サーバと記載)と、パソコン1を使用するために必要な情報を有するプリペイド(前払い)式のカード4を備えている。パソコン1に残り時間表示装置2を接続することにより時間貸しパソコンPが構成される。時間貸しパソコンPがユーザーに貸与するいわゆるクライアント側のコンピュータとなる。
【0035】
パソコン1は、パソコン本体10と、表示装置であるディスプレイ11と、入力装置であるキーボード12、マウス13を備えている。また、パソコン1にはこれ以外に専用の入力装置(例えばゲーム用コントローラー)を設けても良い。パソコン本体10には、オペレーティングシステムの他、本システムを構築するためのソフトウェアやインターネットN上のWEBページを閲覧するためのソフトウェア(WWWブラウザ等)等がインストールしてある。なお、パソコン本体10は汎用型のものを使用しているが、専用のものを使用しても良い。
【0036】
残り時間表示装置2は、パソコン1を使用するために必要な情報を入力する入力部(後に詳述)と、この情報が有する使用可能な時間を表示する時間表示部20と、店舗情報や広告等を表示する情報表示部21を備えている。
【0037】
上記した入力部、時間表示部20、情報表示部21は、残り時間表示装置2内の記録手段に記録してあるソフトウェア(もしくはデータ)や、パソコン1にインストールしてあるソフトウェアによって制御される。なお、上記記録手段には、上記のソフトウェア(もしくはデータ)以外のものを記録させても良く、本システムを構築するのに好適なソフトウェア等が記録される。
【0038】
本実施の形態では、パソコン1を使用するために必要な情報を入力部に入力する手段としてバーコードを使用している。従って、残り時間表示装置2に設けてある入力部はバーコードリーダー22である。本実施の形態にて使用するバーコード40は持ち運び可能なカード4に印刷されている。カード4は自動販売機等によってユーザーに提供されるが、対面販売により提供しても良い。
【0039】
カード4に印刷されたバーコード40からは、パソコン1を使用するために必要な情報として、サーバ3に予め記録してある使用可能時間情報と対応する固有の情報(以下、ID(Identification)と記載する)と、パスワード情報とを含んで構成された識別情報が読み取れるようにしている。更に、バーコード40からは、カード発行年月日情報等の情報も読み取れるようにしている。バーコード40に含まれる識別情報やその他の情報は、通常、文字列(文字、数字、記号等)で表現される。しかし、識別情報やその他の情報は文字列以外で表現しても良い。
【0040】
本実施の形態では、パソコン1を使用するために必要な情報を入力部に入力する手段(または、パソコンを使用するための情報を備える手段)としてバーコードを使用しているが、これは限定するものではなく、入力部に入力する手段は、例えば、磁気式のもの、IC(Integrated Circuit)式のもの、2次元コード(例えばQRコード(Quick Response code))等を使用しても良い。それに伴い入力部もバーコードリーダーに限定するものではなく、磁気式のものを読み取るリーダー、IC式のものを読み取るリーダー、各種スキャナ等が使用できる。また、これらは接触式のものを使用しても良いし、非接触式のものを使用しても良い。
【0041】
本実施の形態では使用料金の徴収手段として、プリペイド(前払い)式のものを挙げたが、これも限定するものではなく、例えば、後払い式のものや、使用時に即時決済されるものを使用しても良い。
【0042】
本実施の形態では識別情報としてIDとパスワード情報を挙げたが、識別情報にはこれ以外の情報も含めても良い。また、識別情報を入力部に入力する手段(本実施の形態ではバーコード40)には、識別情報以外の情報も含めても良い。
【0043】
残り時間表示装置2は、パソコン1と接続するためのケーブル23と、電源ケーブル24を備えている。残り時間表示装置2はケーブル23を介してパソコン1と接続してある。ケーブル23の種類は特に限定するものではないが、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルやRS−232C(Recommended Standard 232 version C)ケーブル、IEEE1394ケーブル、LAN(Local Area Network)ケーブル等が好適である。また、残り時間表示装置2とパソコン1は無線で接続しても良い。
【0044】
本実施の形態では残り時間表示装置2に時間表示部20と情報表示部21を設けたものを示したが、これは限定するものではなく、例えば、情報表示部21は設けずとも良い。また、時間表示部20と情報表示部21は別々に設けたが、これも限定するものではなく、例えば、情報表示部中に時間表示部が表示されるようにしても良いし、時間表示部中に情報表示部が表示されるようにしても良い。時間表示部や情報表示部は、特に限定するものではないが、例えば、液晶、有機EL(electroluminescence display)、無機EL(electroluminescence display)、LED(Light Emitting Diode)等を用いて構成できる。
【0045】
サーバ3はインターネットNに常時接続された状態にある。サーバ3には、オペレーティングシステムの他、本システムを構築するためのソフトウェア等がインストールしてある。サーバ3には、残り時間表示装置2に入力する識別情報(IDとパスワード)と対応する使用可能時間情報が予め記録してある。各使用可能時間情報は固有のIDと対応させて記録してある。各使用可能時間情報には、固有のIDが備える時間貸しパソコンPの使用可能な時間の情報(時間表示部に表示させる時間の情報)と、そのIDが正式なものであるということを認証するためのパスワード認証情報が含まれている。なお、サーバ3は汎用型のものを使用しているが、専用のものを使用しても良い。
【0046】
本実施の形態では使用可能時間情報として、IDが備える時間貸しパソコンPの使用可能な時間の情報と、そのIDが正式なものであるということを認証するためのパスワード認証情報が含まれるようにしたが、これは限定するものではなく、使用可能時間情報にはこれ以外の情報も含めても良い。
【0047】
(作 用)
図4はパソコンに表れる初期画面を示す説明図、
図5は時間貸しコンピュータシステムの流れを示すフローチャート、
図1ないし図5を参照して、本実施の形態で示す時間貸しコンピュータシステムの使い方及びその作用を説明する。
【0048】
−使用開始時−
時間貸しパソコンPを使い始める場合について説明する。
パソコン1では、起動したときに図4に示す初期画面14が表示される(図5で示すステップ100)。初期画面14には、本システムを運営している運営者やシステムの名称や、IDを入力してシステムにログインするためのID入力欄140等がある。起動したパソコン1は、上記の初期画面14で待機状態にあり、このときはID入力欄140に文字列を入力する操作しかできない。なお、初期画面14の表示、解除等の処理は、主としてパソコン1にインストールされたソフトウェアによって制御される。
【0049】
ID入力欄140には、カード4のバーコード40に含まれるIDが入力される(ステップ101)。IDは文字列のかたちで入力される。IDは、バーコード40が印刷されたカード4をバーコードリーダー22の前面に当てることにより、バーコード40が読み取られて自動的にID入力欄140に入力される。また、このときバーコードリーダー22では、バーコード40に含まれるパスワードも読み取られる。パスワードは初期画面上に表示されない。
【0050】
本実施の形態でIDは、バーコード40をバーコードリーダー22で読み取って入力したが、これは限定するものではなく、例えば、キーボード12を使ってID入力欄140に入力しても良い。この場合は、初期画面14上にID入力欄140に加えてパスワード入力欄も表示し、IDと共にパスワードもパスワード入力欄に入力する。また、識別情報はIDとパスワードとに分けられたものでなく、それらに相当するものを一括りの情報として取り扱えるようにしたものを使用しても良い。識別情報は暗号化された状態で読み取ることもできる。
【0051】
初期画面14のID入力欄140にIDが入力されるとパソコン1を介してIDとパスワードがインターネット上にあるサーバ3に送られる。IDとパスワードは暗号化された状態で送っても良い。そして、サーバ3にて、そのIDと対応する使用可能時間情報が参照される。上記したID入力欄140への入力、バーコードリーダー22の読み取り、IDとパスワードの送信等の処理は、主としてパソコン1にインストールされたソフトウェアによって制御される。
【0052】
サーバ3では、まずIDが正式なものであるか照合される(ステップ102)。IDが不正なもの(存在しないもの)であればパソコン1のディスプレイ11上に、例えば”IDが不正です”とうメッセージが表示される。この場合、パソコン1は使用できず(ステップ109)、自動的に再起動する(ステップ108)。
【0053】
IDが正式なものであれば、次にIDと共に送られてきたパスワードが、パスワード認証情報によって正式なものであるか照合される(ステップ103)。パスワードが不正なものであればパソコン1のディスプレイ11上に、例えば”パスワードが不正です”とうメッセージが表示される。この場合もパソコン1は使用できず(ステップ109)、自動的に再起動する(ステップ108)。
【0054】
IDとパスワードが正式なものであると認証されれば、使用可能な時間の情報にて、使用可能な時間(残り時間)が有るか判定される(ステップ104)。使用可能な時間がなければディスプレイ11上に、例えば”使用期限が切れました”というメッセージが表示される。パソコン1は使用できず(ステップ109)、自動的に再起動する(ステップ108)。
【0055】
使用可能な時間有りと判定されると、サーバ3から使用可能な時間の情報が時間貸しパソコンPに送られ、使用可能な時間(残り時間)が時間表示部20に表示される(ステップ105)。
【0056】
こうしてディスプレイ11上の初期画面14がクリアされ、時間貸しパソコンPは使用可能な状態になる(ステップ105)。ユーザは目的とする情報が記録してある他サーバ(例えばオンラインゲームのアプリケーションが記録してあるサーバ)等に接続して使用する。例えば、ディスプレイ11にはオンラインゲームを全画面表示することもできる。
【0057】
上記したIDとパスワードの照合・認証、使用可能な時間(残り時間)の有無の判定、使用可能な時間の情報の送信等の処理は、主としてサーバ3にインストールされたソフトウェアによって制御される。また、メッセージの表示、パソコン1の再起動、初期画面14の解除、使用可能な時間の時間表示部20への表示等の処理は、主としてパソコン1にインストールされたソフトウェアによって制御される。
【0058】
時間貸しパソコンPが使用可能な状態になることにより、時間表示部20には、時間の経過と共に経過時間(使用時間)を引いた時間(使用可能な時間、残り時間)がリアルタイムに変化して表示される。前記減算処理は、主としてパソコン1にインストールされたソフトウェアによって制御される。
【0059】
−終了時−
使用可能な時間(残り時間)が有る状態で時間貸しパソコンPを使い終える場合について説明する。
使用可能な時間が有る状態で時間貸しパソコンPを使い終えるときは、時間貸しパソコンPからサーバ3に対して終了する命令を送る。終了の命令は、パソコン1のバックグラウンドで動いている終了命令を送るソフトウェアを操作可能な状態にして、ディスプレイ上に表示された終了ボタンを押すことで送られる(図示省略)。終了ボタンを押すことにより時間表示部20に表示されていた使用可能な時間(残り時間)の情報も送られる(ステップ106)。
【0060】
本実施の形態で終了の命令は、バックグラウンドで動いている終了命令を送るソフトウェアを操作可能な状態にして、ディスプレイ上に表示された終了ボタンを押すようにしたが、これは限定するものではなく、例えば、終了の命令を送る装置をパソコンに別に接続し、これに設けたボタン等の手段を操作しても良い。
終了命令を送るソフトウェアの実行、サーバ3に対して終了命令及び使用可能な時間(残り時間)の情報の送信等の処理は、主としてパソコン1にインストールされたソフトウェアによって制御される。
【0061】
サーバ3では、時間貸しパソコンPから送られた時間表示部20に表示されていた使用可能な時間(残り時間)の情報が、使用開始時に参照した使用可能時間情報に上書きして記録される(ステップ107)。これにより使用可能時間情報には、使用した後に残った時間の情報が新たに記録される。なお、本実施の形態で時間貸しパソコンPの使用後における使用可能な時間(残り時間)の情報は、使用可能時間情報に上書きして記録されるようにしたが、これは限定するものではなく、例えば上書きせずに別に新規に記録しても良い。
【0062】
サーバ3に情報を記録した後、パソコン1は自動的に再起動する(ステップ108)。そして、前ユーザーに基づく情報(例えば、ユーザー情報やアクセス履歴などの情報、一時的に作成されるファイル(テンポラリファイル)等)が削除される。再び初期画面14が表示された状態に戻って待機状態になる。
使用可能時間情報の上書き等の処理は、主としてサーバ3にインストールされたソフトウェアによって制御される。また、パソコン1の再起動、前ユーザーに基づく情報の消去等の処理は、主としてパソコン1にインストールされたソフトウェアによって制御される。
【0063】
時間表示部20に表示される使用可能な時間(残り時間)が少なくなった場合について説明する。
時間貸しパソコンPの使用中にて、時間表示部20に表示される使用可能な時間(残り時間)が少なくなったときは、ディスプレイ11上に使用可能な時間が少なくなったことを知らせる情報が表示される。ディスプレイ11上には、例えば、”残り時間はあと○○分です”というメッセージが表示される(○○には予め設定された数字が入る)。メッセージは予め設定された所要の時間表示される。このメッセージが表示されている間も時間貸しパソコンPは使用可能である。こうして使用可能な時間が少なくなったことがユーザーに報知される。
【0064】
なお、本実施の形態では、時間貸しパソコンPの使用中にて、時間表示部20に表示される使用可能な時間(残り時間)が少なくなったときは、ディスプレイ11上に使用可能な時間が少なくなったことを知らせるメッセージが表示されるようにしたが、これは限定するものではなく、例えば、各種の報知手段により音、光、振動等によって報知することもできる。
【0065】
新たなIDの入力は、時間貸しパソコンPの使用中でインターネットに接続された状態のままでもできる。具体的には、パソコン1の使用中でも、バーコード40が印刷されたカード4をバーコードリーダー22の前面に当てることにより、ID及びパスワードが読み取られてバックグラウンドでサーバ3に送られ、サーバ3にてそのIDと対応する使用可能時間情報が参照される。そうしてサーバ3にてID及びパスワードが正式でかつ使用可能な時間(残り時間)も有ると判定されると、時間表示部20には、既に表示されている使用可能な時間(残り時間)に、新たに入力されたIDに対応する使用可能な時間を付加した時間が表示され、使用可能な時間が延長される。なお、新たなIDの入力は、使用可能な時間(残り時間)が少なくなったことが報知された後でもできるし、報知される前でもできる。
【0066】
パソコン1の使用中にて時間表示部20に表示される使用可能な時間(残り時間)が無くなったときは操作ができない状態になる。そして、ディスプレイ11上に使用可能な時間が無くなったことを知らせる情報が表示される。ディスプレイ11上には、例えば、”新しいIDを入力して下さい”というメッセージが表示される。このメッセージは所要時間表示される。このメッセージが表示されている間は、バックグラウンドで接続が維持された状態になっている。従って、新しいIDが上記所要時間内に入力されれば、再びメッセージが表示される前の状態から操作を再開することができる。所要時間が経過すればパソコン1は自動的に再起動し、ユーザーに基づく情報が削除される。
【0067】
メッセージの表示等によるユーザーへの報知、ID入力欄140への入力、バーコードリーダー22の読み取り、IDとパスワードの送信、使用可能な時間の延長、使用可能な時間の時間表示部20への表示、パソコン1の再起動、ユーザーに基づく情報の消去等の処理は、主としてパソコン1にインストールされたソフトウェアによって制御される。また、IDとパスワードの照合・認証、使用可能な時間(残り時間)の有無の判定、使用可能な時間の情報の送信等の処理は、主としてサーバ3にインストールされたソフトウェアによって制御される。
【0068】
この時間貸しコンピュータシステムでは、本システムを運営している運営者が管理できるところにサーバ3が設置される。サーバ3は常時インターネットに接続されている。時間貸しパソコンPは、書店、飲食店、電気店、ゲームセンター、病院、ホテル等に好適に設置される。そして、通常、カード4はパソコン1が設置された場所の近くから入手できるようにする。好適にはカード4を提供する自動販売機が設置される。
【0069】
時間貸しコンピュータシステムは、ユーザーの管理が不要であり、店舗や従業員等を要さずに運営できる。従って、本システムによれば、サーバ3、時間貸しパソコンP、カード4は上記した場所に設置された状態で運営できる。
【0070】
また、本システムによれば、使用可能な時間を時間表示部20に表示してパソコンの使用時における残り時間をユーザーに知らせることができ、更に、使用可能な時間が少なくなった場合ではそのことをユーザーに報知して注意を喚起するので、突然使用不可能な状態になることが防止できる。
【0071】
本システムは設備として、パソコン1と、残り時間表示装置2と、サーバ3を備えて構築でき、しかもサーバ3はインターネットNに接続された状態で少なくとも一台設置されていれば良いので、従来のシステムよりも設備の構成が簡単であり安価に構築できる。
【0072】
本システムによれば、使用可能な時間がディスプレイ11ではなく残り時間表示装置2に表示されるので、ディスプレイは目的とするものだけが表示できる。これは特にオンラインゲームをプレイする場合に好適である。また、使用可能な時間は、時間表示部20に大きく表示したりして目立つようにすることもできる。
【0073】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る時間貸しコンピュータシステムの一実施の形態を示しており、システムの全体像を表した概略説明図。
【図2】本システムで使用する時間貸しパソコンを示す説明図。
【図3】時間貸しパソコンを構成する残り時間表示装置を示す説明図。
【図4】パソコンに表れる初期画面を示す説明図。
【図5】時間貸しコンピュータシステムの流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0075】
N インターネット
P パソコン
1 パソコン
10 パソコン本体
11 ディスプレイ
12 キーボード
13 マウス
14 初期画面
2 時間表示装置
20 時間表示部
21 情報表示部
22 バーコードリーダー
23 ケーブル
24 電源ケーブル
3 サーバ
4 カード
40 バーコード
140 ID入力欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続可能なコンピュータに取り付けて使用するものであって、
上記コンピュータを使用するために必要な情報を入力する入力部(22)と、
上記情報にはコンピュータが使用可能な時間が含まれており、当該時間を表示する時間表示部(20)と、
を備える、
残り時間表示装置。
【請求項2】
コンピュータを使用するために必要な情報は、時間表示部(20)に使用可能な時間が表示されているときでも入力でき、入力された場合では時間表示部(20)に使用可能な時間が付加されて表示される、
請求項1記載の残り時間表示装置。
【請求項3】
時間貸しコンピュータであって、
インターネットに接続可能なコンピュータ(1)と、
請求項1または2記載の残り時間表示装置(2)と、
を備えており、
上記コンピュータ(1)は、残り時間表示装置(2)の入力部(22)からコンピュータ(1)を使用するために必要な情報が入力されて、時間表示部(20)に時間が表示されている間使用できる、
時間貸しコンピュータ。
【請求項4】
コンピュータ(1)を使用するために必要な情報は、インターネットに接続された状態で入力できる、
請求項3記載の時間貸しコンピュータ。
【請求項5】
時間貸しコンピュータシステムであって、
請求項3または4記載の時間貸しコンピュータ(P)と、
残り時間表示装置(2)に入力する情報と対応する使用可能時間情報を記録するサーバ(3)と、
を備えており、
残り時間表示装置(2)にコンピュータ(1)を使用するために必要な情報が入力されると、サーバ(3)に記録してある使用可能時間情報による使用可能な時間が残り時間表示装置(2)の時間表示部(20)に表示されてコンピュータ(1)が使用可能な状態になり、また、コンピュータ(1)を使い終えるときに時間表示部(20)に表示される使用可能な時間が残っていれば、残った時間の情報がサーバ(3)の使用可能時間情報に記録される、
時間貸しコンピュータシステム。
【請求項6】
コンピュータ(1)を使用するために必要な情報がインターネットに接続された状態で入力されると、時間表示部(20)に表示されている時間に、新たに入力された上記情報と対応する使用可能時間情報による使用可能な時間を付加した時間が時間表示部(20)に表示される、
請求項5記載の時間貸しコンピュータシステム。
【請求項7】
インターネットに接続可能なコンピュータの時間貸し方法であって、
コンピュータ(1)を使用するために必要な情報を入力することにより当該コンピュータ(1)が使用可能な時間を表示し、当該コンピュータ(1)は上記使用可能な時間が表示されている間使用できる、
コンピュータの時間貸し方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate