説明

殺有害生物用ジアゼンオキシドカルボキシレート

構造式(I)(式中、RはC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;C〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキル又はC〜Cシクロアルキルであり;
mは、0、1又は2であり;
Xは、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルコキシ;ハロゲン;C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキルチオからなる群から選ばれ;
nは、0又は1であり;
Aは、O;CH;又はNR’(但しR’は(C〜Cアルキル)カルボニルである)であり;
Yは、フェニル;ベンジル;チアゾリル;チエニル;ピリジル;又はテトラヒドロフラニルであって、各々の置換基の芳香族環は、ハロゲン、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキルの1つ以上で置換されていてもよい)を有する殺有害生物化合物;殺有害生物剤として該化合物の使用;及び該化合物を含む殺有害生物剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は2007年5月16日に出願された米国出願シリアル第11/804,282号の部分継続出願である。
【0002】
本発明は、殺有害生物剤として有用である或る種のジアゼンオキシドカルボキシレート化合物及び組成物に関する。本発明はまた、有害生物を、殺有害生物有効量(pesticidally effective amount)のジアゼンオキシドカルボキシレート化合物と接触させることにより、又は前記有害生物による襲撃に感受性である植物の葉にジアゼンオキシドカルボキシレート化合物を散布することにより、ダニのような有害生物を駆除するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第5,438,123号は、下記式の或る種の殺有害生物用フェニルヒドラジン誘導体を記載している:
【化1】


【化2】

【0004】
(式中、
Xは、
a)フェニル、低級フェニルアルコキシ、フェノキシ、若しくはベンジルであるか;又は
b)群a)からの1置換基、並びにC〜Cアルコキシ、ハロゲン、低級アルキル及び低級アルキルチオから選ばれた1つ以上の置換基であるか;又は
c)それが付いているフェニルと一緒に、ジベンゾフラニルのような多縮合環式複素環を形成し;
Yは、H、C〜Cアルカノイル、C〜Cハロアルカノイル、ジアルコキシホスホリル、アルキルアミノカルボニル、ハロアルキルスルホニル又はC〜Cアルコキシカルボニルであり;並びに
Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルコキシ、ハロアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルコキシ、アルケニル、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノ、ヘテロアリール、アリールアルキル、ハロアルコキシ、アリールオキシ又はC〜Cシクロアルキルであり;並びに、
Zは、O又はSである)。
【0005】
米国特許第5,376,679号は、真菌及び/又は酵母菌及び/又は細菌及び/又は線虫と戦う方法を開示しており、その方法は、襲撃を受ける植物を、下記式の化合物で処置することを含む:
【化3】

【0006】
(式中、R2とR3は共に、又はR3とR4は共に、C3〜4オキシアルキレン又はオキシアルキレン鎖を表し、その鎖は、1〜2つのC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アルコキシアルキル若しくはフェニル基により置換されていてもよく、又は隣接炭素原子を通じて1つのアルキレン基−(CH−により置換されていてもよく、又は基=Oにより置換されていてもよく、;その環は、任意の又は各々の残留部位R5、R6及びR2又はR4(但し、R5、R6及びR2又はR4の各々は、独立してハロゲン原子又はC1〜6アルキル、又はC1〜6アルコキシカルボニル基を表す)において置換されていてもよく;並びにXはシアノ基を表す)。
【0007】
米国特許第5,084,448号は、真菌と戦う方法を開示しており、その方法は下記式の化合物の殺真菌的に有効な量を用いて真菌を処置することを含む:
【化4】

【0008】
(式中、Rは置換されていてもよいアリール基を表し;Xは水素原子若しくはアミノ基又は置換されていてもよいアルキル、アリール又はチエニル基を表し;並びにZは水素原子又はアルカノイル基を表す)。
【0009】
モルタリニ,V(Mortarini,V)等(European Journal of Medicinal Chemistry,第475頁〜第478頁(1980))は、抗真菌的に活性なメチル及びエチルフェニルジアゼンカルボキシレート2−オキシド誘導体を開示している。そのフェニル基は、ハロゲン、ニトロ、アルコキシ又はアルキルによって随意的に置換されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,376,679号
【特許文献2】米国特許第5,084,448号
【特許文献3】米国特許第5,438,123号
【0011】
【非特許文献1】モルタリニ,V(Mortarini,V)等,European Journal of Medicinal Chemistry,第475頁〜第478頁(1980)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
新規なジアゼンオキシドカルボキシレート化合物及び組成物を提供することがこの発明の目的である。
該ジアゼンオキシドカルボキシレート化合物及び組成物を用いて有害生物を駆除する方法を提供することがこの発明の追加の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は下記構造式を有する化合物に関する:
【化5】

【0014】
(式中、Rは、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;C〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキル又はC〜Cシクロアルキルであり;
mは、0、1又は2であり;
Xは、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルコキシ;ハロゲン;C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキルチオからなる群から選ばれ;
nは、0又は1であり;
Aは、O;CH;又はNR’(但しR’は(C〜Cアルキル)カルボニルである)であり;
Yは、フェニル;ベンジル;チアゾリル;チエニル;ピリジル;又はテトラヒドロフラニルであって、各々の置換基の芳香族環は、ハロゲン、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキルの1つ以上で置換されていてもよい)。
【0015】
本発明はまた、有害生物を、殺有害生物有効量の下記構造式の少なくとも1種の化合物と接触させることにより、ダニのような有害生物を駆除する方法に向けられている:
【化6】

【0016】
(式中、RはC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;C〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキル又はC〜Cシクロアルキルであり;
mは0、1又は2であり;
XはC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルコキシ;ハロゲン;C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキルチオからなる群から選ばれ;
nは0又は1であり;
Aは、O;CH;又はNR’(但し、R’は(C〜Cアルキル)カルボニルである)であり;
Yは、フェニル;ベンジル;チアゾリル;チエニル;ピリジル;又はテトラヒドロフラニルであって、各々の置換基の芳香族環は、ハロゲン、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキルの1つ以上で置換されていてもよい)。
【0017】
なお他の面において本発明は下記成分(A)及び(B)を含む組成物に向けられている:
(A)殺有害生物有効量の下記構造式の化合物:
【化7】

【0018】
(式中、RはC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;C〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキル若しくはC〜Cシクロアルキルであり;
mは0、1若しくは2であり;
XはC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルコキシ;ハロゲン;C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキルチオからなる群から選ばれ;
nは0又は1であり;
Aは、O;CH;又はNR’(但し、R’は(C〜Cアルキル)カルボニルである)であり;
Yはフェニル;ベンジル;チアゾリル;チエニル;ピリジル;又はテトラヒドロフラニルであって、各々の置換基の芳香族環は、ハロゲン、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキルの1つ以上で置換されていてもよい);及び
(B)適当な担体。
【0019】
・発明の詳細な記載
本発明は下記構造式の化合物;
【化8】

【0020】
(式中、Rは、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル、C〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキル又はC〜Cシクロアルキルであり;
mは0、1又は2であり;
XはC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルコキシ;ハロゲン;C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキルチオからなる群から選ばれ;
nは0又は1であり;
Aは、O;CH;又はNR’(但し、R’は(C〜Cアルキル)カルボニルである)であり;
Yはフェニル;ベンジル;チアゾリル;チエニル;ピリジル;又はテトラヒドロフラニルであって、各々の置換基の芳香族環は、ハロゲン、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキルの1つ以上で置換されていてもよい)に向けられており;殺有害生物剤(pesticides)、例えば殺虫剤(insectcides)、ダニ駆除剤、及び殺線虫剤としての式Iの化合物の使用に向けられており、並びに式Iの化合物を含む組成物に向けられている。
【0021】
好ましくは、XはC〜C分枝鎖又は直鎖アルコキシであり;Yはフェニルであり;及びRはC〜C分枝鎖又は直鎖アルキルである。
式Iの化合物は、好ましくはダニ類、及び他のコナダニ類の駆除のためのダニ駆除剤として有用である。
【0022】
本発明は、さらに好ましくは下記構造式のジアゼンオキシドカルボキシレート化合物に関し;
【化9】

【0023】
(式中、R及びRは各々、独立して、C1〜6分枝鎖又は直鎖アルキルである);殺有害生物剤(pesticides)、例えば殺虫剤(insectcides)、ダニ駆除剤及び殺線虫剤として該ジアゼンオキシドカルボキシレート化合物の使用に関し;並びに該ジアゼンオキシドカルボキシレート化合物を含む組成物に関する。好ましくはR及びRは各々、独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル又はイソヘキシルである。さらに好ましくはR及びRは各々、独立して1〜4個の炭素原子の低級アルキルである。最も好ましくはRがメチル又はエチルであり、並びにRがメチル、エチル又はイソプロピルである。
【0024】
本発明の化合物は、適当に置換された式IIIの化合物:
【化10】

【0025】
(式中、X、Y、A、R、m及びnは上に定義されたとおりである)を、適当には−20℃〜60℃の範囲の温度で、適当な不活性有機溶媒、例えばジクロロメタンのような、ハロゲン化炭化水素中でメタ−クロロ過安息香酸、又は他の“ペルオキシ”化学剤のような酸化剤と反応させることにより調製されることができる。式(I)の化合物は既知であり、及び米国特許第5,438,123号(この開示をその全体において参照することにより本明細書に組み入れる)に記載された方法により調製されてもよい。
【0026】
この発明の組成物は、(a)上記式I又はIIの構造内の構造を有する化合物及び(b)適当な担体を含む。そのような適当な担体は、種類において固体であってもよく、又は液体であってもよい。それらの組成物は、好ましくは殺有害生物に活性であり、さらに好ましくは殺ダニ的に活性である。
【0027】
適当な液体担体は、水、アルコール、ケトン、フェノール、トルエン及びキシレンから構成されてもよい。そのような配合物において、得られた殺有害生物剤組成物の適用を取り扱うのを容易にするために、例えば1種以上の界面活性剤及び/又は不活性希釈剤のような、当業界に慣用的に使用されている添加剤を使用してもよい。
【0028】
別法として、それらの殺有害生物剤組成物は、粉末、顆粒、湿潤可能な粉末、ペースト、エアゾール、エマルジョン、エマルジョンにすることができる濃縮物、及び水溶性固体の形をとっている固体担体を含んでもよい。
【0029】
例えば、この発明の殺有害生物化合物は、湿潤可能な粉末を得、次にこれを、処置されるべき場所に直接に適用することができるように、界面活性分散剤と一緒に、鉱質珪酸塩、例えば雲母、タルク、パイロフィライト及びクレーのような粉末化固定担体と混合するか、又はその上に吸着させる場合に粉末として適用されてもよい。別法として、懸濁液の形での適用のために、懸濁液を形成するために、粉末化固体担体と混合して本化合物を含有する、その粉末化固体担体を水中に分散させてもよい。
【0030】
ばらまき(broadcasting)、側方施肥(side dressing)、土壌中への混入又は種子処理による適用のために適当な、本化合物の顆粒状配合物は、顆粒状クレー、バーミキュライト、木炭、トウモロコシ穂軸のような担体の顆粒形又はペレット化形を用いて適当に調製される。
【0031】
別法として、本殺有害生物化合物は、アセトン、ベンゼン、トルエン又はケロシンのような相適合性溶媒を含む溶液におけるような、又は適当な非溶媒媒体、例えば水中に分散されるような、液体担体中で用いられる場合、液体で又はスプレーで適用されてもよい。
【0032】
処置されるべき場所への適用の他の方法は、処置のために、加圧下に液体であるが、しかし常温(例えば20℃)及び大気圧でガスであるエアゾール担体中に本化合物を溶解してもよいエアゾール処置である。エアゾール配合物はまた、まず本化合物を揮発性が低い溶媒中に溶解し、次に得られた溶液を高度に揮発性の液体エアゾール担体と混合することにより調製されてもよい。
【0033】
植物(この用語は植物の部分を含む)の殺有害生物処置のために、本発明の化合物は、非イオン性、陽イオン性又は陰イオン性であってもよい界面活性分散剤を含有する水性エマルジョンで適用されるのが好ましい。適当な界面活性剤は、米国特許第2,547,724号(第3欄及び第4欄)に開示されているような当業界に知られている界面活性剤を包含する。有機溶媒と共に、又は後で水を添加して所望の濃度水準での本化合物の水性懸濁液を生成するための濃縮物として有機溶媒なしで、本発明の化合物をそのような界面活性分散剤と混合してもよい。
【0034】
また、殺虫剤(insectcides)、殺ダニ剤、殺真菌剤又は殺細菌剤のような、それ自体が殺有害生物活性のある担体と共に、本化合物を使用してもよい。
【0035】
一定の配合物中の殺有害生物に活性な化合物の量は、戦うべき特定の有害生物により、並びに使用される化合物の特定の化学的組成物及び配合物により、本化合物/配合物を適用する方法により、及び処置の場所により依存しており、その結果、殺有害生物有効量の本化合物を広く変化させてもよいことが理解されるだろう。しかしながら、一般に、殺有害生物に有効な配合物中の活性成分としての本化合物の濃度は約0.1〜約95重量パーセントの範囲にあってもよい。噴霧(スプレー)希釈液は、2、3ppmほどの低さであってもよい一方で、反対側の極端で、本化合物の十分な強度の濃度は、極端に低い容量技術により有利に適用されてもよい。植物が処置場所を構成する単位面積当たりの濃度は、約0.01〜約50ポンド/エーカーの範囲であってもよく、約0.1〜約10ポンド/エーカーの濃度が、トウモロコシ、タバコ、コメ、等のような作物のために使用されるのが好ましい。
【0036】
有害生物と戦うために、本化合物の噴霧(スプレー)を有害生物に直接に適用するか、又は有害生物が食べているか若しくは巣を作っている植物に適用してもよい。殺有害生物に活性な配合物をまた、有害生物がいる土壌又は他の媒体に適用してもよい。
【0037】
有害な虫、線虫及びダニは、装飾用植物及び農業用植物の両方を包含する広い種々の植物を襲撃し、そして根及び/又は葉を消耗し、植物から生命液を吸い取り、毒素を分泌することにより、そしてしばしば、病気を移すことにより損傷を与える。本発明の化合物は、そのような損傷を最少にするか又は防止するために有利に用いてもよい。適用(散布)の特定な方法、ならびにこれらの化合物の選択又は濃度は勿論、地理的地域、気候、地勢、植物の耐性、等のような環境に依存して変化するだろう。特定の環境について、日常の実験により、当業者は適当な化合物、濃度及び適用の方法を容易に決定してもよい。
【0038】
この発明の化合物及び組成物は葉面散布のための殺ダニ剤として特に有用である。
【実施例】
【0039】
以下の例は、本発明を例示するために提供される。
【0040】
[例1]
・1−メチルエチル2−(4−メトキシ−〔1,1’−ビフェニル〕−3−イル)ジアゼンカルボキシレート2−オキシドの調製
ジクロロメタン(160mL)中の1−メチルエチル(4−メトキシ−〔1,1’−ビフェニル〕−3−イル)ジアゼンカルボキシレート(10.25g)の溶液を、氷浴中で冷却し、そして撹拌しながらメタクロロ過安息香酸(14.8g)を少しずつ加えた。追加のジクロロメタン(90mL)を加え、そして3日間室温で撹拌しながら放置した。その混合物にジクロロメタン(200mL)を加え、そして飽和重炭酸カリウム(300mL)、次に飽和亜硫酸ナトリウム(2×200mL)、最後に飽和重炭酸カリウム(200mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして蒸発させて褐色有機固体(9.78g)として生成物を得た。その生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(1:5の酢酸エチル:ヘキサン)を用いて精製した。所望の分画を蒸発させて融点102〜106℃を有するオレンジ固体(6.19g)として、精製された生成物を得た。その生成物を、NMR(CDCl)により分析し、これは1.4d(6H),3.9s(3H),5.2m(1H),7.1〜7.9m(8H)(但し、dは二重線を示し、sは1重線を示し、及びmは多重線を示す)を示し、及びLC/MSにより分析し、これは、m/z:315.8(M+H)、314.7(M)を示した。
【0041】
[例2]
・配合物の調製
残りの例は、この発明の化合物の殺有害生物用途に関する。すべてのこれらの例において、本化合物のための原液は、アセトンの10mL中に試験されるべき化合物の0.3グラムを溶解し、そして90mLの蒸留水プラス4滴のエトキシル化ソルビタンモノラウリン酸エステル、又は類似の適当な湿潤剤を加えることにより3000ppmで調製された。この後に続く各々の例のために、この原液を使用し、そして特定の希釈液を作った。この発明の化合物を用いての処置を包含する、下記に記載される試験の全ては、比較に基づいてパーセント駆除を計算するその比較を可能にするために、活性化合物を提供しない対照と共に、常に繰り返された。
【0042】
[例3]
・ダニ成虫殺虫及びダニ殺卵/殺幼虫試験
処理の1日前、木の複雑にもつれ合った根の“8の字”形状を、ポット中の2つの植物の各々のからのものである2枚のささげ一次葉の各々に適用した。各々の字において茎近くの円形をダニ殺卵/殺幼虫試験のために指定し、そして茎からさらに先の円形をダニ殺成虫試験のために指定した。
【0043】
処置の1日前にダニ成虫(Tetranychus urticae Koch)の群を殺卵円形に移し、そして雌虫を、それらが取りの除かれるときの処置の1時間前まで、放置して卵を産みつけるままにさせた。該3000ppm原液から希釈された、1000ppm溶液で流れ出るまで植物に噴霧した。
【0044】
処置の1日後に、およそ25匹のダニ成虫のグループを、殺成虫の円形に移した。5日後に葉上に残っている生きているダニについてこれらの円形を調べた。パーセント駆除を、チェックした植物上に生きているダニの数に基づいて評価した。
【0045】
処理の9日後に、孵化した卵及び生きている未成熟ダニについて殺卵/殺幼虫円形を調べた。パーセント駆除を、チェックした植物上に生きている卵孵化及び未成熟ダニの数に基づいて評価した。処置効果が卵に対した場合、駆除を殺卵(O)として指定し;処置効果が未成熟虫に対した場合、駆除を殺幼虫(L)として指定した。
化合物1についてのダニ殺成虫(MI)及び殺卵/殺幼虫(MIOVL)試験の結果は、次のとおりである:MI;100%駆除、MIOVL(L)100%駆除。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式:
【化1】


(式中、Rは、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;C〜C分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキル又はC〜Cシクロアルキルであり;
mは、0、1又は2であり;
Xは、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルコキシ;ハロゲン;C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル;又はC〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキルチオからなる群から選ばれ;
nは、0又は1であり;
Aは、O;CH;又はNR’(但しR’は(C〜Cアルキル)カルボニルである)であり;
Yは、フェニル;ベンジル;チアゾリル;チエニル;ピリジル;又はテトラヒドロフラニルであって、各々の置換基の芳香族環は、ハロゲン、C〜C分枝鎖若しくは直鎖アルキル又は分枝鎖若しくは直鎖ハロアルキルの1つ以上で置換されていてもよい)を有する化合物。
【請求項2】
がC〜C分枝鎖又は直鎖アルキルであり;XがC〜C分枝鎖又は直鎖アルコキシであり;並びにYがフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
構造式:
【化2】


(式中、R及びRは各々、独立して、C〜C分枝鎖又は直鎖アルキルである)を有する化合物。
【請求項4】
及びRが各々、独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル又はイソヘキシルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
A)殺有害生物有効量の、請求項1に記載の化合物;及び
B)許容できる担体、
を含む殺有害生物剤組成物。
【請求項6】
A)殺有害生物有効量の、請求項3に記載の化合物;及び
B)許容できる担体、
を含む殺有害生物剤組成物。
【請求項7】
請求項3に記載の化合物の殺有害生物有効量を、防護されるべき場所に適用することを含む、望ましくない有害生物を駆除する方法。
【請求項8】
請求項3に記載の組成物の殺有害生物有効量を、防護されるべき場所に適用することを含む、望ましくない有害生物を駆除する方法。

【公表番号】特表2010−527362(P2010−527362A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508471(P2010−508471)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/059239
【国際公開番号】WO2008/144116
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(508201282)ケムチュア コーポレイション (69)
【Fターム(参考)】