説明

毛髪用組成物

【課題】 頭髪へのハリ・コシ感を付与する機能を持ち、使用感、使用性等に優れた毛髪用組成物を提供する。
【解決手段】 本発明は、アニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子を含有する毛髪用組成物に関する。また、アニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子を含有する毛髪用組成物にさらに育毛成分を配合した育毛用組成物に関する。アニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子を毛髪用組成物に配合すると、頭髪へハリ・コシを付与する機能を持ち、使用感、使用性等に優れた毛髪用組成物となる。また、該毛髪用組成物に育毛成分を配合した育毛用組成物は、頭髪へのハリ・コシ感を付与する機能を持ち、使用感、使用性等に優れるのみならず、育毛成分の保存安定性に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪へのハリ・コシ感を付与する機能を持ち、使用感、使用性等に優れた毛髪用組成物および育毛用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
頭髪の薄毛の特徴的な症状として、頭髪本数の減少と頭髪の細毛化が挙げられる。これを防ぐために、頭髪の生育や発毛を促す発毛・育毛成分として、塩化カルプロニウム、センブリエキス、ビタミンEアセテート、ミノキシジル等の血管拡張剤、トウガラシチンキ等の刺激剤、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、ホルモン剤、抗炎症剤、殺菌剤等が使用されてきた。また、最近ではN−アシルアミノ酸又はその塩やその誘導体に育毛効果があることが報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7参照)。
しかしながら、育毛効果が発現するには、ある程度の期間が必要である。したがって、脱毛症の症状である、頭髪本数の減少、頭髪の細毛化といった現象に対処するため、ハリ・コシ感を付与する機能を持った毛髪料が望まれていた。
ハリ・コシ感の付与に関しては、例えばコラーゲン誘導体やケラチン誘導体等の毛髪と類似した成分を毛髪に浸透・補充する方法が知られている(例えば、特許文献8、特許文献9参照)。また、毛髪表面を天然高分子等によりコートする方法として、例えば、セリシンやセリシンの加水分解物を含有する毛髪化粧料(例えば、特許文献10、特許文献11参照)や特定のフィブロインペプチドを含有する毛髪処理用組成物(例えば、特許文献12参照)、キチン又はキトサンより誘導される水溶性化合物やさらに他の成分と組み合わせた毛髪化粧料(例えば、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16参照)等が知られている。
また、N−アシルアミノ酸又はその塩と、高重合シリコーンとを配合して、高い育毛効果と毛髪にハリ・コシ感を付与することができる養育毛剤組成物(例えば、特許文献17参照)も知られている。
しかしながら、これらは、真に細毛化した細く柔らかい毛髪にハリ・コシやボリューム感を付与して、薄毛の外観を改善する効果に関しては満足できるものではなかった。
【0003】
【特許文献1】特開平8−337515号公報
【特許文献2】特開平8−337563号公報
【特許文献3】特開平10−130128号公報
【特許文献4】特開平11−80105号公報
【特許文献5】特開2002−275036号公報
【特許文献6】特開2003−89619号公報
【特許文献7】特開2003−95878号公報
【特許文献8】特開昭60−243010号公報
【特許文献9】特開平2−53712号公報
【特許文献10】特開昭59−65008号公報
【特許文献11】特開昭62−36308号公報
【特許文献12】特開昭60−112710号公報
【特許文献13】特開昭62−221615号公報
【特許文献14】特開昭64−9911号公報
【特許文献15】特開平4−308525号公報
【特許文献16】特開平1−249711号公報
【特許文献17】特開2002−193757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、頭髪へのハリ・コシ感を付与する機能を持ち、使用感、使用性等に優れた毛髪用組成物、および前述の特徴のほか、育毛成分の保存安定性に優れた育毛用組成物ならびに育毛用組成物の基剤となる毛髪用組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、アニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子を配合した毛髪用組成物は、頭髪へハリ・コシを付与する機能を持ち、使用感、使用性等に優れた毛髪用組成物となることを見出し、また、該毛髪用組成物に育毛成分を配合した育毛用組成物は、頭髪へのハリ・コシ感を付与する機能を持ち、使用感、使用性等に優れるのみならず、育毛成分の保存安定性に優れることを見出し、さらに、該毛髪用組成物が優れた育毛用組成物の基剤となることをも見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は以下のものに関する。
(1)アニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子を含有する毛髪用組成物。
(2)アニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子の重量比が1:0.1〜1:10である上記(1)記載の組成物。
(3)アニオン性水溶性高分子が、キサンタンガムである上記(1)記載の組成物。
(4)非イオン性水溶性高分子が、ポリビニルピロリドンおよび/またはヒドロキシエチルセルロースである上記(1)または(2)記載の組成物。
(5)アニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子の合計含有量が0.02〜2%である上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の組成物。
(6)さらに界面活性剤を含む上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の組成物。
(7)界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である上記(6)記載の組成物。
(8)非イオン性界面活性剤を0.1〜2%含む上記(7)記載の組成物。
(9)界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの組み合せである上記(6)〜(8)のいずれか1つに記載の組成物。
(10)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの重量比が、3:7である上記(9)記載の組成物。
(11)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを重量比3:7で含有する可溶化用組成物。
(12)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、ポリソルベート80である上記(9)〜(11)のいずれか1つに記載の組成物。
(13)ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である上記(9)〜(12)のいずれか1つに記載の組成物。
(14)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である上記(13)記載の組成物。
(15)上記(1)〜(10)、(12)〜(14)のいずれか1つに記載の毛髪用組成物および育毛成分を含有する育毛用組成物。
(16)育毛成分が、何首烏ならびにその抽出物、竹節人参ならびにその抽出物、塩化カルプロニウムならびにその水和物、ミノキシジルおよびヒノキチオールからなる群より選ばれる1または2以上の組み合せである上記(15)記載の組成物。
(17)育毛成分が、塩化カルプロニウムまたはその水和物である上記(15)記載の組成物。
(18)育毛成分が、何首烏またはその抽出物、竹節人参またはその抽出物、および塩化カルプロニウムまたはその水和物の組み合せである上記(15)記載の組成物。
(19)育毛成分が、何首烏の抽出物、竹節人参の抽出物、および塩化カルプロニウム水和物の組み合せである上記(15)記載の組成物。
(20)塩化カルプロニウムとして、0.1〜10%含む上記(16)〜(19)のいずれか1つに記載の組成物。
(21)何首烏を原生薬換算で0.1〜10%含む上記(16)、(18)〜(20)のいずれか1つに記載の組成物。
(22)竹節人参を原生薬換算で0.1〜10%含む上記(16)、(18)〜(21)のいずれか1つに記載の組成物。
(23)さらにパントテニールエチルエーテルを含む上記(16)〜(22)のいずれか1つに記載の組成物。
(24)パントテニールエチルエーテルを塩化カルプロニウム1重量部に対して、0.05〜20重量部含む上記(23)記載の組成物。
(25)さらにL−メントールを含む上記(16)〜(24)のいずれか1つに記載の組成物。
(26)L−メントールを0.001〜5%含む上記(16)〜(24)のいずれか1つに記載の組成物。
(27)剤形が外用剤である上記(1)〜(26)のいずれか1つに記載の組成物。
【発明の効果】
【0007】
後記実施例から明らかなように、本発明の毛髪用組成物は、ハリ・コシを与え、液ダレがなく、ベトツキもなく、さっぱりとした、優れた使用感を有するものであり、また、該毛髪用組成物に育毛成分を配合した育毛用組成物は、頭髪へのハリ・コシ感を付与する機能を持ち、使用感、使用性等に優れるのみならず、育毛成分の保存安定性に優れるものである。したがって、該毛髪用組成物は育毛用組成物の基剤としても優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明について詳述する。
本発明の毛髪用組成物はアニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子を含有する。
本発明の毛髪用組成物に含まれるアニオン性水溶性高分子、非イオン性水溶性高分子は、化粧料や外用剤として通常使用されるものであれば特に限定されるものではなく、アニオン性水溶性高分子としては、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ペクチン、カルボキシビニルポリマー等のほか、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸等の多糖類およびこれらの塩等を挙げることができる。これらは単独または2種以上を組み合わせてもよい。本発明において、アニオン性水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガムが好ましい。アニオン性水溶性高分子としてキサンタンガムを用いる場合、本発明の組成物1g当たり5.5mgまで含むものが好ましく、3mgまで含むものがさらに好ましい。
【0009】
非イオン性水溶性高分子としては、ビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体、酢酸ビニルとアクリルアミノアクリレートとの共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、デキストリン、ガラクタン、プルラン等を挙げることができる。これらは単独または2種以上を組み合わせてもよい。本発明において、非イオン性水溶性高分子としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロースが好ましい。非イオン性水溶性高分子としてポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロースを用いる場合、本発明の組成物1g当たり、それぞれ30mg、25mgまでを含むものが好ましい。
【0010】
本発明の組成物におけるアニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子の配合比は、アニオン性水溶性高分子と非イオン性水溶性高分子の重量比が、1:0.1〜1:10が好ましく、1:1〜1:5がさらに好ましく、1:3が特に好ましい。
【0011】
本発明の毛髪用組成物には、さらに目的に応じて、本発明の効果を損なわない量的、質的範囲で、多価アルコール、油分、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、非水溶性高分子、紫外線吸収剤、防腐剤、蛋白質及びその誘導体、多糖類、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、抽出エキス、香料、着色剤、pH調節剤、消臭剤、各種薬効成分等を配合することができる。本発明の毛髪用組成物に、育毛成分を配合したものは本発明の育毛用組成物となる。本発明の育毛用組成物とは、育毛作用、発毛作用、発毛促進作用、養毛作用、脱毛防止作用等のいずれか1つまたは2つ以上の作用を有する組成物を意味し、本発明の育毛用組成物の効能・効果としては、育毛、発毛、薄毛、毛生促進、発毛促進、脱毛(抜け毛)の(進行)予防、病後・産後の脱毛、養毛、円形脱毛症、発毛不全、粃糠性脱毛症、脂漏性脱毛症、びまん性脱毛症、若禿(壮年性脱毛症)、老人禿等を挙げることができる。
本発明の組成物をパーマまたはヘアカラー施術前に使用する場合には、本発明の組成物に、カチオン性界面活性剤を配合することが好ましい。
【0012】
多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のポリグリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、グルコース、ソルビトール、マルチトール、シュクロース、ラフィノース、トレハロース、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。本発明においては、1,3−ブチレングリコールが好ましい。
【0013】
油分としては、例えば、オリーブ油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマシ油、綿実油等の油脂類、ラノリン、ホホバ油、カルナバロウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、揮発性イソパラフィン等の炭化水素油、脂肪酸類、アルコール類、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、アルキル変性シリコーン、シリコーン樹脂等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。
【0014】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアリキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホニウム塩、ポリオキシエチレン(以下、「POE」と略す)アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。
【0015】
アニオン性界面活性剤としては、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシ酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POEメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。
【0016】
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾイルナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチルオキシ 2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸塩等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。
【0017】
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等の親油性非イオン性界面活性剤、ポリソルベート20などのPOEソルビタンモノラウレート、ポリソルベート40などのPOEソルビタンモノパルミレート、ポリソルベート60などのPOEソルビタンモノステアレート、ポリソルベート65などのPOEソルビタントリステアレート、ポリソルベート80などのPOEソルビタンモノオレート、POEソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレート、POEソルビットペンタオレート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油100などのPOE硬化ヒマシ油、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレート、ジステアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル、プルロニック等のプルロニック型、POE・ポリオキシプロピレン(以下「POP」と略す)セチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPグリセリルエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。本発明においては、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。POEソルビタン脂肪酸エステルとしては、ポリソルベート80が好ましく、POEグリセリン脂肪酸エステルとしては、POE硬化ヒマシ油が好ましく、POE硬化ヒマシ油60がさらに好ましい。本発明において、POEソルビタン脂肪酸エステルおよびPOEグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせて用いる場合、含水アルコール等の溶媒に溶解させた場合の透明性や頭皮などに存在する皮脂、油分等の可溶化、除去の点から、POEソルビタン脂肪酸エステルとPOEグリセリン脂肪酸エステルの重量比を3:7とするのが特に好ましい。本発明においては、非イオン性界面活性剤の含有量は、組成物全量に対して0.1〜2%が好ましく、0.2〜1%がさらに好ましく、0.3〜0.7%が特に好ましい。本発明においては、POEソルビタン脂肪酸エステルとPOEグリセリン脂肪酸エステルの重量比を重量比3:7で含有する可溶化用組成物をも提供する。
【0018】
非水溶性高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン等の分散液を挙げることができる。紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(以下「PABA」と略す)、グリセリルPABA、エチルヒドロキシプロピルPABAなどの安息香酸系、オクチルメトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、ベンゾフェノン系のものとして、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−メチルベンゾフェノンなどの桂皮酸系のほか、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、4−メトキシ−4−t−ブチル−ジベンゾイルメタン等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。
【0019】
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)、パラオキシ安息香酸エチル(エチルパラベン)、パラオキシ安息香酸プロピル(プロピルパラベン)、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル(ブチルパラベン)、パラオキシ安息香酸イソブチルなどのパラオキシ安息香酸アルキルエステル(パラベン類)、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではなく、化粧品、医薬品等に汎用される防腐剤を用いることができる。
【0020】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二ナトリウムカルシウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、フィチン酸、エチドロン酸等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。
【0021】
着色剤としては、黄色4号、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号、青色1号、赤色2号、赤色3号等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。
【0022】
pH調節剤としては、塩酸などの鉱酸、リンゴ酸などの有機酸、水酸化ナトリウムなどの無機塩基、トリエタノールアミンなどの有機塩基等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。
【0023】
消臭剤としては、フレッシュE(商品名:白井末新薬社製)、FS−600M(商品名:白井末新薬社製)、FS−500A(商品名:白井末新薬社製)、カテキン60W(商品名:白井末新薬社製)、F−118(商品名:ファイン2社製)、スーパーピュリエール(商品名:松下電工化研社製)、ゼオクリンZCL−3040(商品名:ゼオン化成社製)、ゼオクリンZCL−3041(商品名:ゼオン化成社製)、デオラーゼ(商品名:オリエント化学工業社製)、ゲル用消臭剤(商品名:岡田技研社製)、アクリルエスエルL(商品名:三菱レーヨン社製)、ノナミンOH(ダンク生活研究所社製)等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。
【0024】
各種薬効成分としては、例えば、呉茱萸、五味子、牡丹皮、木瓜、白蘚皮、五加皮、半夏、大黄、牛膝、枸杞子、茯苓、干姜、陳皮、甘草、百部、地骨皮、柴胡、天麻、白芍、荊芥、桂枝、苦参、鳴血藤、骨砕捕、花椒、黄連、人参、黒豆、何首烏、竹節人参、補骨脂、当帰、鶏血藤、丹参、紅花、桃仁、防風、茜草根、拳参、山茱萸、半支蓮、楊梅皮、側柏葉、海金沙、当薬、阿仙薬、茴香、遠志、牽牛子、五倍子、芍薬、車前子、蟾酥、丁子、檳榔子、ロジン、ゲンノショウコ、夏枯草、柴胡、茵陳蒿、営実、ヨクイニン、蘇葉、苦木、荊芥穂、キササゲ、常山、ボクソクおよび吉草根等の生薬並びにこれら生薬の抽出物(チンキ、エキスなど)、ランタナ(和名:七変化;学名:Lantana camaara)及びその抽出物、塩化カルプロニウムおよびその水和物、ミノキシジル、パントテニールエチルエーテル、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンBおよびその誘導体、ビタミンBおよびその誘導体、ビタミンBおよびその誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、セファランチン、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ビオチン、D−パントテニルアルコール、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、L−メントール、3−L−メントキシ−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、3−L−メントキシプロパン−1,2−ジオール、溶性シスチン、オクトピロックス、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゾトニウム、サリチル酸、レゾルシン、レゾルシンモノアセテート、塩酸ピリドキシン、塩酸ジフェンヒドラミン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、アラントイン、ペンタデカン酸グリセリド、スフィンゴシルフォスフォリルコリン、オキセンドロン、酢酸クロルヤジノン、11α−ヒドロキシプロゲステロン、4−アンドロステン−3−オン−11β−カルボン酸、シプロテロンアセテート、クロルヘキシジン、グルコンサンクロルヘキシジン、イオウ、d−カンフル、dl−カンフル、スルフィソキサゾール、プロスタグランジンおよびその誘導体、シクロスポリン、セファランチン、エストラジオール、エチニルエストラジオール、ジアゾキシド、タンニン、タンニン酸、水溶性キチン誘導体等を挙げることができるが、特にこれらのみに限定されるべきものではない。これらの成分は単一成分を配合してもよく、また2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0025】
本発明においては、上記薬効成分の中でも、育毛作用、発毛作用、発毛促進作用、養毛作用、脱毛防止作用等のいずれか1つまたは2つ以上の作用を有する育毛成分が好ましい。本発明において、育毛成分としては、何首烏(カシュウ)、竹節人参(チクセツニンジン)、塩化カルプロニウムまたはその水和物、ミノキシジル、ヒノキチオールが好ましい。育毛成分として何首烏を用いる場合、組成物中0.1〜10%配合するのが好ましく、0.5〜5%がさらに好ましい。育毛成分として竹節人参を用いる場合、組成物中0.1〜10%配合するのが好ましく、0.5〜5%がさらに好ましい。なお、何首烏および竹節人参の配合量は、原生薬に換算した値を意味する。何首烏および竹節人参は、何首烏チンキ、竹節人参チンキなどの抽出物を用いるのが好ましい。育毛成分として塩化カルプロニウムまたはその水和物を用いる場合、組成物中、塩化カルプロニウムとして0.1〜10%を配合するのが好ましく、0.5〜5%がさらに好ましい。育毛成分としてミノキシジルを用いる場合、0.1〜10%を配合するのが好ましく、0.5〜5%がさらに好ましい。育毛成分としてヒノキチオールを用いる場合、0.001〜5%配合するのが好ましく、0.01〜1%がさらに好ましい。
【0026】
本発明においては、各種薬効成分として、さらにパントテニールエチルエーテル、水溶性キチン誘導体、L−メントール等が好ましい。パントテニールエチルエーテルは塩化カルプロニウムの安定化に有用なものであることが知られている(特開昭51−143616号公報参照)。テニパントテニールエチルエーテルは、組成物中に塩化カルプロニウムを含む場合、塩化カルプロニウム1重量部に対して、0.05〜20重量部加えることが好ましく、0.2〜5重量部加えることがさらに好ましい。また、ポリオキシアルキレンキトサン(例えば、ヒドロキシプロピルキトサンなど)等の水溶性キチン誘導体は、塩化カルプロニウムおよびパントテニールエチルエーテルの安定化に有用なものであることが知られている(特開平8−127518号公報参照)。水溶性キチン誘導体は、組成物中に塩化カルプロニウムを含む場合、組成物中の塩化カルプロニウム1重量部に対して、0.01〜0.2重量部加えることが好ましく、0.02〜0.1重量部加えることがさらに好ましい。L−メントールは、組成物全量に対して0.001〜5%配合するのが好ましく、0.01〜1%がさらに好ましい。
【0027】
本発明の組成物におけるアニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子の合計の含有量は、組成物全量に対して0.02〜2%が好ましく、0.2〜1.5%がさらに好ましい。この含有量が0.02%未満あるいは2%を超えると、本発明の所期の効果が望めないため好ましくない。また、本発明においては、組成物の液ダレを考慮した場合、B型粘度計で測定した値が2000〜3500mPa・sの粘度となるように調製した組成物が好ましい。
なお、本発明において、「%」とは、本発明の組成物が液体の場合、組成物(液体)100mL中に含まれる溶質のグラム数を意味し、本発明の組成物が非液体の場合、組成物100g中に含まれるグラム数を意味する。
【0028】
本発明の組成物の形態は、頭皮を含む皮膚、毛髪に適用可能な形態であれば特に限定されるものではなく、例えば、液剤、ローション、クリーム、ジェル、スプレー、エアゾール、フォーム剤、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド等の外用剤として任意の形態とすることができる。本発明の組成物は、その剤形や形態等に応じ、公知の方法で製造することができる。
【0029】
本発明の組成物の使用量(投与量)は、使用者(患者)の性別、年齢、症状、目的、組成物(製剤)中の成分の配合量、投与方法、投与回数、投与時期等を考慮して適宜検討を行い、決めればよい。
【0030】
以下、本発明を実施例等により、さらに具体的に説明するが、これらにより本発明の技術的範囲が限定解釈されるべきものではない。
【実施例】
【0031】
実施例1 外用剤(ローション剤)
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
1,3−ブチレングリコール 3g
ヒドロキシエチルセルロース 0.34g
キサンタンガム 0.28g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 0.5g
ポリソルベート80 0.15g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.35g
パラベン類 0.2g
95(v/v)%エタノール 42mL
塩酸 適量
精製水 全量100mL
【0032】
上記の組成に基づき、精製水の一部にヒドロキシエチルセルロースを分散、加熱溶解した後、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、キサンタンガムおよび1,3−ブチレングリコールを加えて溶解し、水溶液を調製した。一方、エタノールに精製水の一部を加えて、塩化カルプロニウム水和物、L−メントール、カシュウチンキ、チクセツニンジンチンキ、パントテニールエチルエーテル、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、パラベン類および黄色5号を加えて溶解し、エタノール溶液を調製した。このエタノール溶液を前述の水溶液に徐々に添加し、塩酸にてpH5付近に調整した後、精製水で全量100mLの外用剤(ローション剤)を得た。
【0033】
実施例2 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
キサンタンガム 0.5g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 0.5g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.05g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0034】
実施例3 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
キサンタンガム 0.5g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 1g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.05g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0035】
実施例4 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
キサンタンガム 0.5g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 1g
ポリソルベート80 0.03g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.07g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.05g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0036】
実施例5 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
キサンタンガム 0.5g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 1g
ポリソルベート80 0.09g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.21g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.05g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0037】
実施例6 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
キサンタンガム 0.55g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 1g
ポリソルベート80 0.15g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.35g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.05g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0038】
実施例7 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
キサンタンガム 0.6g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 1g
ポリソルベート80 0.15g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.35g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.05g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0039】
実施例8 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
キサンタンガム 0.28g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 0.1g
ポリソルベート80 0.15g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.35g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.02g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0040】
実施例9 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
キサンタンガム 0.28g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 1g
ポリソルベート80 0.15g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.35g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.02g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0041】
実施例10 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
キサンタンガム 0.28g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 0.5g
ポリソルベート80 0.15g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.35g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.02g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0042】
実施例11 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 3g
キサンタンガム 0.28g
ヒドロキシエチルセルロース 0.34g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 0.25g
ポリソルベート80 0.15g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.35g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.02g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
黄色5号 0.0005g
精製水 全量100mL
【0043】
実施例12 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 3g
キサンタンガム 0.28g
ヒドロキシエチルセルロース 0.34g
ポビドン(ポリビニルピロリドン) 0.5g
ポリソルベート80 0.15g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.35g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.02g
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
黄色5号 0.0005g
精製水 全量100mL
【0044】
比較例1 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
ヒドロキシプロピルセルロース 1g
95(v/v)%エタノール 42mL
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0045】
比較例2 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
キサンタンガム 0.5g
95(v/v)%エタノール 42mL
クエン酸 0.04g
クエン酸ナトリウム 0.02g
精製水 全量100mL
【0046】
比較例3 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
カルボキシビニルポリマー 0.6g
キサンタンガム 0.25g
95(v/v)%エタノール 42mL
トリエタノールアミン 0.1g
精製水 全量100mL
【0047】
比較例4 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
カルボキシビニルポリマー 0.6g
キサンタンガム 0.25g
ポリソルベート80 0.15g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.35g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.05g
トリエタノールアミン 0.1g
精製水 全量100mL
【0048】
比較例5 外用剤(ローション剤)
実施例1と同様にして、以下の組成の外用剤(ローション剤)を得た。
成分名 配合量
塩化カルプロニウム水和物 1.09g
(塩化カルプロニウムとして1gに相当)
L−メントール 0.3g
カシュウチンキ 3mL
(カシュウとして1gに相当)
チクセツニンジンチンキ 3mL
(チクセツニンジンとして1gに相当)
パントテニールエチルエーテル 1g
ヒノキチオール 0.05g
1,3−ブチレングリコール 5g
カルボキシビニルポリマー 0.6g
キサンタンガム 0.25g
ポリソルベート80 0.3g
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.7g
95(v/v)%エタノール 42mL
エデト酸二ナトリウム 0.05g
トリエタノールアミン 0.1g
精製水 全量100mL
【0049】
試験例1 官能試験
実施例1〜12および比較例1〜5について、被験者10人を用いて、液ダレ、ベトツキ感、サッパリ感、ハリ・コシの付与、使用感について、評価基準を以下のように設定し、官能試験を行った。結果を表1に示した。
◎:「なし、あり又は良い」と評価した人数が8人以上の場合
○:「なし、あり又は良い」と評価した人数が6人または7人の場合
△:「なし、あり又は良い」と評価した人数が4人または5人の場合
×:「なし、あり又は良い」と評価した人数が3人以下の場合
【0050】
表1

【0051】
試験例2 皮脂除去試験
ヒトの前腕部の一定面積(3×3cm)に、人工皮脂(組成:大豆硬化油:39重量%、ジオレイン酸グリセリル:2.1重量%、オレイン酸:15.6重量%、スクワレン:11.4重量%、ミリスチン酸イソプロピル:23.8重量%、コレステロール:1.3重量%、コレステロールイソステアレート:2.0重量%、顔料:5.0重量%)0.02gを均一に塗布した後、10分間乾燥させた。乾燥後、人工皮脂を塗布した箇所に、比較例4、5、実施例4、5、6の外用剤0.2gをのせ、指で30回なじませた。外用剤に浮き上がった人工皮脂にコットンを押し当て、コットンに染み込んだ人工皮脂を肉眼にて評価した。
結果、いずれの外用剤も皮脂の除去に優れていた。中でもポリソルベート80を0.15%およびポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油を0.35%含む外用剤(比較例4および実施例6)は、特に皮脂の除去に優れていた。
【0052】
試験例3 塩化カルプロニウムおよびパントテニールエチルエーテルの安定性試験
比較例4、実施例1、実施例6および実施例12の外用剤(ローション剤)を一定量とり、40℃、50℃、60℃および70℃の恒温槽に一定期間放置後、液体クロマトグラフ法にて塩化カルプロニウムおよびパントテニールエチルエーテルの対開始時%をそれぞれ測定算出した。40℃、50℃、60℃における結果をそれぞれ表2および表3に示した。
また、アレニウス式を用いて、実施例1の外用剤(ローション剤)につき、25℃、3年後の安定性予測(対開始時%)を行った。結果を表4に示した。
【0053】
表2 塩化カルプロニウムの安定性

【0054】
表3 パントテニールエチルエーテルの安定性

【0055】
表4 25℃、3年後の安定性予測

【0056】
表2、表3および表4から明らかなように、本発明の組成物(実施例)は、塩化カルプロニウム、パントテニールエチルエーテルの保存安定性に優れていた。一方、試験例2の官能試験において良い結果を示した比較例4(組成中、高分子としてアニオン性水溶性高分子のみを含む)は、塩化カルプロニウムの保存安定性に劣っていた(表2)。
したがって、本発明の育毛用組成物は、優れた使用感、使用性等を示すのみならず、組成物中に含有する育毛成分の保存安定性に優れることが判明した。また、本発明の毛髪用組成物は、優れた育毛用組成物の基剤となることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の毛髪用組成物は、頭髪へのハリ・コシ感を付与する機能を持ち、使用感、使用性等に優れるものである。また、本発明の毛髪用組成物中に育毛成分を含む本発明の育毛用組成物は、育毛成分の保存安定性に優れている。したがって、本発明の毛髪用組成物は、育毛成分の保存安定性に優れた育毛用組成物の基剤となるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子を含有する毛髪用組成物。
【請求項2】
アニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子の重量比が1:0.1〜1:10である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
アニオン性水溶性高分子が、キサンタンガムである請求項1記載の組成物。
【請求項4】
非イオン性水溶性高分子が、ポリビニルピロリドンおよび/またはヒドロキシエチルセルロースである請求項1または2記載の組成物。
【請求項5】
アニオン性水溶性高分子および非イオン性水溶性高分子の合計含有量が0.02〜2%である請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
さらに界面活性剤を含む請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である請求項6記載の組成物。
【請求項8】
非イオン性界面活性剤を0.1〜2%含む請求項7記載の組成物。
【請求項9】
界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの組み合せである請求項6〜8のいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの重量比が、3:7である請求項9記載の組成物。
【請求項11】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを重量比3:7で含有する可溶化用組成物。
【請求項12】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、ポリソルベート80である請求項9〜11のいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である請求項9〜12のいずれか1項記載の組成物。
【請求項14】
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である請求項13記載の組成物。
【請求項15】
請求項1〜10、12〜14のいずれか1項記載の毛髪用組成物および育毛成分を含有する育毛用組成物。
【請求項16】
育毛成分が、何首烏ならびにその抽出物、竹節人参ならびにその抽出物、塩化カルプロニウムならびにその水和物、ミノキシジルおよびヒノキチオールからなる群より選ばれる1または2以上の組み合せである請求項15記載の組成物。
【請求項17】
育毛成分が、塩化カルプロニウムまたはその水和物である請求項15記載の組成物。
【請求項18】
育毛成分が、何首烏またはその抽出物、竹節人参またはその抽出物、および塩化カルプロニウムまたはその水和物の組み合せである請求項15記載の組成物。
【請求項19】
育毛成分が、何首烏の抽出物、竹節人参の抽出物、および塩化カルプロニウム水和物の組み合せである請求項15記載の組成物。
【請求項20】
塩化カルプロニウムとして、0.1〜10%含む請求項16〜19のいずれか1項記載の組成物。
【請求項21】
何首烏を原生薬換算で0.1〜10%含む請求項16、18〜20のいずれか1項記載の組成物。
【請求項22】
竹節人参を原生薬換算で0.1〜10%含む請求項16、18〜21のいずれか1項記載の組成物。
【請求項23】
さらにパントテニールエチルエーテルを含む請求項16〜22のいずれか1項記載の組成物。
【請求項24】
パントテニールエチルエーテルを塩化カルプロニウム1重量部に対して、0.05〜20重量部含む請求項23記載の組成物。
【請求項25】
さらにL−メントールを含む請求項16〜24のいずれか1項記載の組成物。
【請求項26】
L−メントールを0.001〜5%含む請求項16〜24のいずれか1項記載の組成物。
【請求項27】
剤形が外用剤である請求項1〜26のいずれか1項記載の組成物。


【公開番号】特開2006−199648(P2006−199648A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14526(P2005−14526)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000002831)第一製薬株式会社 (129)
【Fターム(参考)】