説明

水中移動体の位置決定のシステムと方法

水中移動体が水中運航中にその位置を決定するためのシステムと方法が示されている。浮遊用フロートが水面上又はその付近に止まっていて、その移動体には、絶縁ワイヤを含めることができる薄い綱により取付けられている。その移動体は水中を移動し、その後方にあるフロートを引張る。
そのフロートは位置信号を受けることができ、その信号はそのGPS位置を表示するように、又、その位置を正確に決定できるようにする。その位置は綱の中に位置するワイヤを通って水中移動体に伝達できる。水中移動体はセンサーを使用でき、及び/又は浮遊用フロートから移動体の位置のオフセットを決定するために計算できる。又、判明しているフロートの位置とその位置のオフセットに基づいてその真の位置を発生する。
そのフロートが綱の長さを伸ばして操作でき、その一方で大深度で操作できる特性の水中移動体を建造できる。さらにそのフロートは一般的に潜水中の移動体からの信号の高速伝送用無線システムを具備しうる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は特許文献1の優先権を主張している。その出願書はその全体を参照用として本文書に組込まれている。
【技術分野】
【0002】
本発明は水中移動体の正確な位置決定をするためのシステムと方法を提供している。より特定すれば、1実施例のシステムが、GPS信号のような位置信号を受信できるフロートを提供し、かつ、フロートからの水中移動体のGPSフィックスの位置オフセットを変換して、水中移動体の位置が判明するようにする。
【背景技術】
【0003】
無人水中移動体(UUV))又は、自動水中移動体(AUV))の位置決定は、一般に高周波の無線波が水中で有意な距離を移動しないので困難な問題である。これは、GPS信号の直接受信の問題になる。これは他の場合なら良好な位置フィックスを与えることになり一般に利用不可能である。水中移動体の位置を決定するための在来の方法は典型的には、GPSフィックスを知るために移動体の浮上を含めている。そして、水中に入り、種々のセンサーを用いて(ドプラー速度記録、慣性ガイダンスINS、音響ブイからの距離測定)そしてそのフィクスされた位置からの移動を決定するために推測航法の計算を行う。このプロセスは共に移動体を水面に露出する(その使命から離れて、潜在的に危険にさらす)。そして、位置決めのエラーを推測航法の計算から蓄積しうるエラーとなる。
【0004】
さらに、従来技術で開示されたいくつかの手法があって、GPSフィックスを得るために、ブイ・フロートにより綱経由で水中移動体から水面に送られる。これらには、特許文献2−6が含まれる。これらの特許のそれぞれが、移動体が水面下にある間にGPS及び(又は)RFリンクが操作できるように、ある種のフロートが水面までワイヤにより取付けられている手法を開示している。これらの方法に伴うひとつの問題はそれらが移動体の位置を決定せず、一般にフロートの位置を決定することである。それで、これらの参照文献は綱により移動体からフロートのオフセットにより導入されたエラーを扱っていない。さらに、より長い綱が技術的に説明されていない。もし、GPSの精度が1メートル未満で、GPSフロートを移動体に取付けるのに用いられた綱が10メートルの長さを有している場合、位置フィックスの精度に一桁高いエラーの増加を導入する。UUVが水路測定のような操作に用いられるとき、これは、10メートルの全体的精度が必要な時、又は、鉱脈調査と除去で、移動体が同じ位置に数回戻る場合に非常に重要になる。
【特許文献1】米国暫定特許出願番号第60/776,120号明細書
【特許文献2】米国特許第6,058,874号明細書
【特許文献3】米国特許第5,379,034号明細書
【特許文献4】米国特許第5,291,194号明細書
【特許文献5】米国特許第5,377,165号明細書
【特許文献6】米国特許第6,907,839号明細書
【発明の開示】
【0005】
本発明はフロートの位置フィックスを移動体の実際の位置に変換するための方法と装置を示している。さらに、綱とブイ・フロートの一部の中心的特性が開示され、そのシステムを操作中に信頼できるようにすることが開示されている。
【0006】
一側面で、本発明は水中移動体の位置を決定するための方法を示している。フロートは受信器を有し、水中移動体に綱で結合していている。受信器はフロートの位置を代表する信号を受信する。そして、フロートと水中移動体の間の位置オフセットの距離が計算され、水中移動体の位置を決定するためにフロートの位置に加算する。一実施例で、位置オフセットの距離の計算にはフロートと水中移動体の間の距離の決定と、水中移動体の深さの決定、位置オフセットの距離に対する回答が含まれている。位置オフセットの距離が水中移動体の移動方向で決定される。又、選択肢として、水中移動体の移動方向に垂直な方向でも決定される。
【0007】
本発明の別の側面で、水中移動体の位置決定のためにシステムが提供されている。そのシステムはフロートを具備し、そのフロートは、フロートの位置を代表する位置信号を受信するために受信器を有している。そのフロートは十分な浮力を有していて、信号受信位置に受信器を置ける。綱はフロートを水中移動体に接続し、フロートと水中移動体の間に通信チャンネルを具備する。オフセット計算の要素はフロートと水中移動体の少なくともひとつの上に設けられていて、水中移動体とフロートの間の位置オフセットの距離を提供する。そして、プロセッサーが位置オフセット計算をフロートの位置に加算することにより水中移動体の位置を計算できる。
【発明を実施するための手段】
【0008】
移動体が水中で操作されている間、水中移動体の位置を決定するためのシステムと方法を示す。浮遊用フロートは水面上又はその近くに止まり、絶縁したワイヤを含められる薄い綱により移動体に取付けられる。移動体は水面の下を移動し、その後方にあるフロートを引張る。フロートはGPS位置を示し、及び、その位置を正確に決定できるような位置決め信号を受けることができる。位置は、綱の中に位置しているワイヤを通じて水中移動体に伝送できる。水中移動体はセンサー、及び/又は浮遊用フロートから移動体の位置オフセットを決定するための計算を使用でき、フロートの既知の位置とその位置オフセットに基づいて真の位置を発生できる。フロートは、そのフロートを長い綱で操作でき、その一方で水中移動体をより深くして操作できる特性を持たせて作ることができる。さらに、フロートは一般的に移動体が水中にある間にその移動体からの信号の高速通信のために無線システムを搭載している。
【0009】
ここで図1を参照すると、本発明のシステム10の最初の実施例が、水中移動体12の位置を決定するように示されている。システム10は水中移動体12、フロート14、フロートを水中移動体に結合する綱16を具備している。フロート14は、アンテナ18を具備していてフロートの位置を示す信号を受信できる。フロート14はこの位置を水中移動体12に通信できる。さらに、水中移動体12がフロート14からのオフセット位置を計算でき、フロートの位置を移動体の位置に変換できる。これにより、従来技術のシステムと方法と比較して、移動体の決定精度が高くなり、システムは綱を長くして操作でき、従来システムよりも水中移動体を深くして移動できる。
【0010】
フロート14が全体として水面で又はその近くで浮いている種々のブイについて知られている従来構造としうる。全体として、フロートは少なくともフロートの位置を代表する又はそれからフロートの位置を計算できる信号を受信するためのアンテナ18を備えている。
【0011】
図2に略図的に示された好ましい実施例で、フロートは位置信号、より特定すればGP
S信号を受信するために受信器20を備えている。GPSは全地球測位システム(global positioning system)と言い、2ダースを超える一群のGPS衛星が、電子式GPS受信器に無線により正確な時間信号を放送し、実時間でその位置(経度、緯度、高度)を正確に決定できる。GPS受信器20がそれらの現在位置(経度、緯度、高度)を計算し、少なくとも4個の衛星までの距離を測定した後で、その衛星の符号化時間の信号伝送を比較することにより、三辺測量のプロセスを用いる。一般的に、水中ではGPS受信器20が非常に不正確で完全に使用不能になることがある。この理由で、GPS受信器(又は水中で正確に受信できない他のタイプの位置決め信号を受信するための他の受信器)20をフロート上に備えて、受信器と信号により必要とされる水面近く又は水面で又は水面より上に具備される。一実施例で、位置決め信号を受信するための受信器20はGPS受信器であり、カンサス州、オラスのGarmin International, Inc.から入手可能なGarmin OEM system GPS15Lのような単純なWAAS差異修正を用いた時間の95%より大きく1メートルより良好な高精度の位置決めフィックスを実現できる。
【0012】
フロート14は、アンテナ24を用いた送受信のための無線周波数通信ハードウエア22もWi−Fi(例えばIEEE規格802.11g)も低コスト無線技術の一例であり、非常な低コストではあるが、適正なアンテナ構成を用いて、数マイルまでの距離に使用できる。プロセッサー26はさらにフロート上に具備されて情報を処理し、GPS受信器20、通信ハードウエア22、水中移動体12の綱16を通じた送受信のために通信の媒介をする。水中移動体12までのレンジを決定するために適当な周波数で動作するソナー又はレーザーの距離計のような距離測定要素28をフロート14上に具備できる。当業の通常技術者であれば、距離計要素28をフロート14上に、水上移動体12上に置くか、又は、両者の間で分配されることを理解できる。
【0013】
フロート14を綱16により水中移動体に接続する。綱16はフロート14を牽引するのに必要な強度だけでなく、フロートと水中移動体の間でGPS又は他の位置データを通信するために、さらにRFリンクのような他の通信をするために、電気又は光ファイバーの信号を伝える手段を備えている。綱16は固定された長さか又は水中移動体の動作する深さに応じて送り出す(巻き込まない)ことができる。フロート14と綱16の設計により水中の物体に捕捉されることに抵抗し、水中移動体12が自主的に前方へ推進するのを停止させる。綱16とフロート14の一方又は両方が水草又は他の水中に浮かぶ他の物体をそらせることが重要である。
【0014】
水中移動体12は好ましくは自立水中移動体(AUV)である。言い換えると、自主的推進部30を用いて水中を移動するロボットである。これらの移動体は無人水中移動体(UUV)としても知られていて通常バッテリー32から動力を得て6000メートルの深さで水中を動作できる。バッテリー技術が進歩しているので、これらのロボット化した潜水艦が自身の動力の下でさらに遠方に移動できる。そのような移動体は海洋工学的ツールとして使用でき、操縦用センサー34及び/又は海洋の地図機能を搭載できる。典型的なセンサーには、コンパス、深度計、サイドスキャン及び他のソナー、磁力計、サーミスター、電導度プローブが含まれる。さらにいくつかの軍用及び保安用機器もある。プロセッサー36も情報の処理及び通信の媒介のために含めることがある。
【0015】
ここで図4を参照すると、フロート14に対する水中移動体12の位置オフセットのデルタを発見するための基礎計算を示すことができる。フロート14ではなく、移動体12の実際の位置を代表する位置を与えるために、GPS20位置から緯度及び経度にオフセット・デルタを加える。移動体12上のプロセッサー36が、サイド・スキャンのソナー・レコーダー34のような地球を基準とした彼らの読取り値にGPS位置データを用いる移動体上の装置にそれらを出力する。
【0016】
フロートに対する移動体の位置オフセットの計算は移動体12からフロート14までの距離(Df))の測定により開始できる。本発明の一実施例で距離(Df)の測定値を、距離計28を用いて、音響信号(ソナーピング)を送るようにフロート14に命令することにより直接測定が行われる。次ぎに移動体12が到着時間を測定し、又、プロセッサー36を用いて、水中音の速度を知ることができ、移動体12とフロート14の間の実際の直線距離を計算できる。距離Dfを測定する他の手段は、水中を十分に移動して他端での到着を検出する移動体12又はフロート14のひとつからのある波長の光をパルスとして送る。
【0017】
図4でさらに示されるように、GPSオフセットの距離を直角三角形の一辺としてモデル化できる。距離Dfが測定されると直角三角形の斜辺の長さが判明する。移動体は、標準圧力トランスジューサー34を用いることにより、その深さDを非常に正確に決定でき、直角三角形の別の辺の長さが判明する。ここでピタゴラスの定理をプロセッサー36により適用して、三角形の最後の辺の長さの解を得ることができる−GPSオフセットの距離デルタ又はフロート14と移動体12の間の水面の平面での距離である。移動体12はコンパス34を備え、その真のコンパスのヘディングを知ることにより最新データ内の緯度と経度の距離にベクトルDfを投影できる。(例えば、WGS 84: :World Geodetic Systemの1984年度標準、これは、測地と航行で用いるために、地球に対して確認された世界的基準枠を定義している)。このオフセット・デルタは、移動体12の修正済の緯度と経度を決定するための一次修正を代表できる。そのGPS受信器20を用いて、フロート14により得られた位置フィックスに、オフセット・デルタが加えられる時に水中移動体12の位置が正確に得られる。
【0018】
ここで図5を参照すると、もし、フロート14が風又は水の流れ40のような力により移動体12の移動経路38から押出される場合、エラー(エラー角度αとして図示)も生じうる。このエラー角度αは一般的に一次オフセットのエラーδよりも小さい。そして、それが無くても、希望の精度仕様に適合するなら、無視できるだろう。代わりに、精度を高めるには、以下のように修正できる。
【0019】
図5に示すように、フロート14が移動体の経路38から押出される距離が、移動体12の後方にあるフロート14の位置から一次オフセット44までの垂直オフセット42により表し得る。エラー角αが小さければ、オフセット42は水面下にある移動体12,水面上のフロート14の実際の位置、及び、移動体とフロートの間で既知の距離Dfに基づく移動体12に対する水面上のフロート14の考え得る位置を代表する円46と(移動体の経路38に沿っている)オフセット44の交差により代表されるオフセットされたフロート位置の間に形成された直角三角形の対向辺としてモデル化しうる。それゆえ、オフセットのベクトル44は、フロートを経路から押出す風又は水流が無い環境で移動体12からのフロート14のオフセットを代表する。
【0020】
この直角三角形の垂直辺42の長さ、それゆえ、フロート14に対する移動体12の位置に対する二次エラー修正をDfsin(α)として算定される。これには三角形の斜辺を代表する既知の値Dfを用いている。移動方向で、又、その方向に垂直な位置オフセットが、αが既知である場合に回答が出され、その回答が、移動体12の真の位置に近似するフロート14上のGPSフィックスに対する二次オフセットになる。αは、フロート14から伝送された音響信号又は他の距離計の信号を受信する移動体12上の一対のトランスジューサーを用いること及び位相角又は開始時間差を記録することにより測定できる。この技術は典型的に1%未満の位相角を検出できる。このオフセットを決定するプロセスはフロート14と移動体12の間の方向で対称的になっていて、そのプロセスは、移動体がパルスを送るとフロートが受信するように等しく機能する。
【0021】
図6は、本発明の別の可能な実施例を示している。この実施例では、水中移動体12が綱16の供給システム50を備えている。供給システム50内のリール52が、深さ又は他のパラメーターに基づいて、移動体12のプロセッサーにより指令された時に、測定した量の綱16を供給できる。さらに、図はフロート14と移動体の船殻部12上の音響式距離測定用トランスジューサー28も示している。
【0022】
要求精度が低い場合、オフセットδを測定又は略算する簡単なシステムを使用できる。これには移動体12の後方に放出された綱16の量の測定が含まれる。移動体12の速度及び綱16をどのように変形させるかについての何らかの表のデータを用いて、プロセッサー36がフロート14から移動体12の後方までの距離について良い近似値を計算できる。この技術も精度を高める低コストの方法としても使用できる。
【0023】
綱16の実際的な最大長さがいくつかの要因により決定しうる。中心的要因のひとつは綱16と付属のフロート14により示される曳航力である。曳航力を低減し、全体として操作を改善するいくつかの設計機能には以下が含まれる:
1)綱16のための強くて薄いケーブル。綱用ケーブルの曳航力は直径の関数であり、低曳航力には薄くなる。さらに、フロート14を曳航するので綱を非常に強くしなければならない。又、移動体が妨害された場合、水中でフロートを引張る(通り抜ける又は側を通る)必要がある。好ましい綱はマルチモード光ファイバー用ケーブルである。これらは非常に高い引張り強さを有し、典型的には1200ニュートンより強い。ファイバーを合格させるUSBプロトコールの標準電子セットがある。一例はthe Icron USB Rover 200 (50メートルまでのケーブル)である。別の様式では、15kmまで、又は、海底用の光ファイバー用ケーブルを使用できる。
【0024】
2)浮力を制御した綱用ケーブル16,フロート14は綱(ケーブル)への正味重力を支えなければならない。もし、ケーブルの長手方向に沿って小さな輪郭を浮力用フロート上に積極的に追加した場合、又は、代わりに絶縁部に空気を添加した場合、ケーブル/綱の全重量を非常に低くなるように調節できる。これにより、フロートを小さくできる。
【0025】
3)小寸法のフロート14。フロートの重量と寸法を低減する。そして、得られた曳航力は他端にある水中移動体に与えられる。フロートが反転してもアンテナは上部に配置すべきだとして、自力で回復できなければならない。
近代的なGPSのアンテナと受信器及びRF無線リンク例えば802.11は数オンスの重量に過ぎず、機械的設計は簡単である。
【0026】
4)動力付きフロート14。小推進システムを有するGPSフロートを建造し、ケーブル内に張力を検出した時にブイを前方に駆動し、曳航力を有意に低減する。ケーブルの張力が低い時、電動機の速度制御はゼロであり、張力が高くなると上昇する。
【0027】
5)推進力と方向の制御付きのフロート14。さらに、フロートが小推進システムを有していて、フロートを一定方向に引張り続けて、綱の引張りを維持する。これは、水中移動体が表面の障害物の下を行かなければならない時に使用できる。関連する一例は、水中移動体を船舶の船体検査に用いる時である。移動体が船舶の下に入っている時に、フロートが引き戻して、船舶の側面に当たらないようにする。フロートの推進と操舵の制御を実行するための制御データを綱を通して、又は、音響的に水を通して送ることができる。
【0028】
6)最少の浮力を持つ流体力学的フロート14。フロートと綱を流体力学的に、又、滑らかに設計して、綱又はフロートが捕捉されずに物体周辺で引張ることができるようにする。さらに、フロートを水中で物体の回りを巡るように引張って、かつ、フロートを迅速
に水面に戻せなければならない。Garmin OEM 15Lのような標準のGPS受信器は、信号を失って、かつ、迅速に衛星と再同調を可能にするのに非常に優れている。フロートは何物かを捕捉せずに、織物を通して織り糸を引張るのに使用する織物用シャトルのような特性を持つべきである。
【0029】
7)長さを動的に調整可能なケーブル16。移動体が深いところに行く場合に、システムが繰り出すケーブルを増加できるように、電動ケーブル供給システムを使用して、システムを構築することができる。これはより最適状態でケーブルを飛ばせ、ボート通過のターゲットとして、余分のケーブルが水面を浮遊しないようにする。一般的に、悪影響無しに操作する一方でボートによりフロートを移動できる。
【0030】
本発明を用いることにより、移動体が水中にある時、移動体に対して連続的にGPSの更新をする頑丈なシステムを実現できる。さらに、フロートに無線トランシーバーを追加することにより、水中移動体を実時間データ分析に基づいて水面から制御し、再指令できるようにする。これにより、移動体を動かすために、実時間のビデオとソナーの画像を用いた船殻検査のように単純にできる。結果として、水面とユーザー・データ表示装置の間をケーブル無しでROVのケーブル付き移動体の改善を行なえる。Wi−Fi(例えばIEEE standard 802.11g)が、適当なアンテナ構成で、数マイルまでの距離に亘って使用できる非常に低いコストになる低コスト無線技術の一例である。
【0031】
AUVを用いた本発明の適用例には以下が含まれる:
海洋調査:本発明で具備された水中移動体は海洋調査のためのNOAAの精度条件に適合できる。これらの条件には10メートルよりも良好な水平精度が含まれる。綱は、浅い(例えば深さが150フィート未満)沿岸領域で十分に機能し、安全航行のために深さを示すのに重要である。本発明を使用することで、それらのいくつかの作業時間を並行に配置できるので十分な低コストで水中移動体をリードできる。
【0032】
調査と救助:本発明を具備した移動体は例えばおぼれたり又は他の事故の犠牲者を探査するために迅速に配置できる。移動体が水中でビデオ又はソナーにより調査を行う一方で無線連絡を行う能力により、操作者は実時間で高帯域データに注目し、犠牲者が検出された場合に使命を変更できる。ターゲットの非常に正確なGPSフィックスを用いて、操作者は潜水夫をスポット上に降ろすことができる。移動体はフック、つかみ具を外付けでき、犠牲者を保持し、彼らを水面又は岸に送る。
【0033】
船体の検査:本発明の移動体は船体の検査を実施するために開始できる、その一方で、操作者がビデオ又はソナーの結果を、Wi−Fiを搭載したノート型コンピューター上で注目する。使命は迅速に変更でき、疑問のある場面を綿密に見ることができる。さらに、ここで、AUVは、面倒で重い綱を水上の船に回収せずにROVの直接遠隔制御特性を持つことができる。
【0034】
環境監視:化学センサーを具備した本発明の移動体は正確な経路に従って、化学組成の変化、汚染、テロリストの攻撃について水域を監視できる。移動体は即時に結果を操作者に測定データの正確な位置と共に中継できる。水が取水口に流れる前に、また、リスクが人々を危険にする前に措置をとることができる。
【0035】
一般用UUV:水中移動体で本発明を用いることは、慣性航行システム及びドプラ−速度記録を用いた時のみ可能な航行位置の精度になるが、コストが数桁低くなる。このことから無人水中移動体に多くの用途を生じうる。
【0036】
当業の通常技術者であれば、上記の実施例に基づき本発明の別の特徴と利点を理解しよ
う。例えば、上記の実施例のどれかからの特定機能を種々の組合わせ又は部分的組合わせ、さらに、ここで述べた手段により実施される以下の請求項内で言及された機能で本発明の装置と方法に組込まれることがある。従って、請求項又は最終的に示された内容により示されたものを除き、特に示され、記述された内容により本発明は限定されない。ここで引用した出版物はその全体を参照するために本明細書に明確に組込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】移動体が小さなフロートを引張っている本発明のシステムの略図を示している。
【図2】図1のフロートの概略図を示す。
【図3】図1の移動体の概略図を示す。
【図4】図1のシステムの水中移動体に牽引されたフロートのために位置オフセットを決定するための本発明の方法の幾何学を示す。
【図5】角度アルファだけ移動体の進路から押出されたフロートを示す上面図からの図4の幾何学を示す。
【図6】綱供給システムを有する本発明の水中移動体の船殻部の略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロートの位置を表す位置信号を受信するための受信器を有し信号を受信する位置に受信器を置くのに十分な浮力を有するフロート、
フロートを水中移動体に結合しフロートと水中移動体の間に通信チャンネルを設ける綱、
水中移動体とフロートの間の位置オフセットの距離を与えるためにフロートと水中移動体の少なくともひとつに設けられるオフセット計算要素、
を具備し、
この場合、水中移動体の位置になるように位置オフセットの距離がフロートの位置に加算されることを特徴とする水中移動体の位置を決定するためのシステム。
【請求項2】
オフセット計算要素は、フロートと水中移動体の間の水を通って信号を送るための距離計要素及びフロートと水中移動体の間を通過する信号が必要とする時間を決定すると共に水中の信号の速度と決定された時間を用いてフロートと水中移動体の間の距離を計算するように構成されたプロセッサーを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
距離計要素が音響伝送器であることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
距離計要素が水を通過するのに適した波長の光のパルスを設けるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
オフセット計算要素が水中移動体の深度を決定するための深度センサーを有することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
プロセッサーが、水中移動体の深度及びフロートと水中移動体の間の距離を用いて位置オフセットの距離を解答することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
水中移動体の移動方向と、水中移動体の移動方向に垂直な方向とで、位置オフセットの距離が決定されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
綱が光ファイバーの通信チャンネルを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
受信器がGPS受信器であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
水中移動体の深度とその速度に基づいてモーターと制御システムにより操作中に水中の綱の長さが調節可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
フロート・ブイが流体力学的と滑らかとの両方から形成されるので、障害物を通って引張ることができて、捕捉されないことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
綱とフロートの間の張力検出に基づいてフロートを押す推進装置としてのフロート・ブイを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
水中移動体に綱で結合された受信器付きのフロートを具備するステップ、
その受信器でフロートの位置を代表する信号を受信するステップ、
フロートと水中移動体の間の位置オフセットの距離を計算するステップ、
水中移動体の位置を決定するためにフロートの位置に位置オフセットの距離を加算するステップ、
を有する水中移動体の位置を決定するための方法。
【請求項14】
位置オフセットの距離を計算するステップは、
フロートと水中移動体の間の距離を決定すること、
水中移動体の深度を決定すること、
位置オフセットの距離に解答すること、
を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
位置オフセットの距離が、水中移動体の移動方向と、水中移動体の移動方向に垂直な方向とで決定されることを特徴とする請求項13に記載の方法
【請求項16】
a.水面上に配置されたアンテナを備えたGPS受信器を有するブイ・フロート、
b.水中移動体とフロートの間を結合している通信チャンネルを有する綱、
c.フロートと移動体の間の距離を測定するための距離計、
d.水中移動体のために先頭部を決定するための先頭部のセンサー、
e.水中移動体の位置を代表するため、フロート用に得られたGPSフィックスに追加するためにオフセットを発生するためのプロセッサー、
を具備する水面下に位置する移動体の位置を正確に決定するためのシステム。
【請求項17】
距離計が、フロートと移動体の少なくともひとつに設けられた音響式距離計であることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
距離計が、フロートと移動体の少なくともひとつに設けられた光学式距離計であることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
距離測定がフロート・ブイと移動体の間で音響式距離測定を用いて行われ、フロート上の音響伝送器が移動体上の音響受信器に信号を伝送して両者の間の距離を計算し、伝送パルスの同期化が綱を通る信号授受により実現されることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
綱が光ファイバー・ケーブルを有することを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
綱・ケーブルが浮力を加え、その水中重量を制御して、フロートへの下向き引張り力を低減するように制御することを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
装置間の距離を、巻き取られていない綱の量と移動体の速度とを知ることにより計算することを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
測定された実験データに基づく表を用いて距離を計算することを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
フィックス・オフセットの精度を高めるためにフロートの角度を測定することを特徴とする請求項13のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−527763(P2009−527763A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556367(P2008−556367)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/004170
【国際公開番号】WO2008/048346
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(508255425)オーシヤン・サーバー・テクノロジー・インコーポレーテツド (1)
【Fターム(参考)】