説明

油圧モータ、油圧モータ装置並びに油圧モータ装置を搭載した建設機械

【課題】弁板側軸受と出力軸側軸受の両方の冷却効果を向上させ、また軸受及びオイルシールの長寿命化を図る。
【解決手段】前方側ケーシング3と、前方側ケーシングの中心部において第1の軸受6を介して一端側を支持されその他端側径太部内には円周方向に複数のピストン10が配置され、ピストンの先端には斜板8が設けられ、ピストンの後端近傍には弁板17が設けられ、且つピストンの中心部には後方側に開口した凹部を持つ出力回転軸と、凹部内にはまり込む凸部が形成されピストンへの供給圧油室および戻り室を形成すると共にキャビテーションを抑止する油圧回路に接続するメイクアップポートを有する後方側ケーシング18と、前記凸部の外周面と前記凹部の内周面の間に配置された出力回転軸の後方側を支持する第2の軸受12とを備え、前記凸部には一方の側を前記凹部内と連通すると共にその他方の側を油圧モータの外部に開口した貫通通路16を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧モータ、油圧モータ装置並びに油圧モータ装置を搭載した建設機械に係り、特にモータ内部の総ての軸受部に適正な圧油を潤滑油として供給する油圧モータ、油圧モータ装置並びに油圧モータ装置を搭載した建設機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
斜板式ピストンモータなどの油圧モータでは回転軸は通常、2ヶ所の軸受部分を備えている。すなわち、弁板側に設けられる弁板側軸受と、出力側に設けられる出力側軸受である。ここで、外部からの配管を必要とせず、また、油圧モータ自体にブレーキ装置を装備するかしないかに関係せずにモータ内部の軸受部に適正な圧油を潤滑油として供給する斜板式ピストンモータを提供するために特許文献1が提案されている。
【0003】
特許文献1では、「斜板式ピストンモータは、前方側ケーシングと、同前方側ケーシングの中心部において第1の軸受を介して一端側を支持されており、その他端側径太部内には円周方向に複数のピストンが配置され且つその中心部には後方側に開口した凹部が形成されてなる出力回転軸と、前記凹部内にはまり込む凸部が形成され前記ピストンへの供給圧油室および戻り室を形成すると共にキャビテーションを抑止する油圧回路に接続するメイクアップポートを有する後方側ケーシングと、前記凸部の外周面と前記凹部の内周面の間に配置された出力回転軸の後方側を支持する第2の軸受と、を備えた斜板式ピストンモータであって、前記凸部には一方の側を前記凹部内と連通すると共にその他方の側を前記メイクアップポートに通じる前記油圧回路のメイクアップポート通路に開口した貫通通路を形成したことを特徴とする」よう構成されている。
【0004】
また、特許文献2では、油圧モータの弁板側を充分に潤滑することができる油圧モータの強制潤滑構造を提供するために、「油圧モータに備えられるシリンダブロックの弁板側の外方を覆うバルブケーシング内で、弁板を貫通する回転軸の軸受を潤滑するための軸受強制潤滑構造であって、弁板に設けられる貫通孔の内周部に臨む回転軸の外周部に設けられ、貫通孔付近に存在する作動油に対し、回転軸の回転を利用して、軸線方向に流動させる流動化手段を有し、バルブケーシングには、軸線方向の一端側で弁板に臨む軸受の他端側と、弁板の外周部付近とを連通する油路が設けられることを特徴とする油圧モータの軸受強制潤滑構造である。本発明に従えば、回転軸の外周部には流動化手段を有し、貫通孔付近に存在する作動油に対し回転軸の回転を利用して 軸線方向に流動させる。弁板を覆うバルブケーシングには、軸線方向の一端側で弁板に臨む軸受の他端側と弁板の外周部付近とを連通する油路が設けられる。弁板の内周部および外周部は、固定される弁板と回転摺動するシリンダブロックとの間から作動油が漏出し、流動化手段によって流動化され、バルブケーシングに設けられる油路を介して循環するので、軸受は強制的に潤滑される」よう構成されている。
【0005】
さらに、特許文献3は、シリンダブロック10と切換弁板5との間から漏れ出す油を利用し、この油を軸受8に供給することが考えられるが、軸穴3Aは有底状に形成されているから回転軸7の一端面側に油溜り部19を有しており、この油溜り部19によって油が行き詰まって流動せず、漏れ出た油は回転軸7の雄スプライン7Aとシリンダブロック10の雌スプライン10Aとの間隙から流出してしまう。そこで、「斜軸型液圧回転機の構成は、軸方向両端が閉塞部によって閉塞され、内部に油液が滞留するケーシングと、該ケーシングの一側閉塞部に固着され、給排ポートが形成された切換弁板と、前記ケーシング内を軸方向に伸長し、軸方向両端の閉塞部に軸受を介して回転自在に支持された回転軸と、前記ケーシング内に位置して該回転軸と一体的に回転するように設けられ、前記切換弁板の給排ポートと連通する複数のシリンダ穴が穿設されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ穴内にそれぞれ摺動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの突出端側にそれぞれ揺動自在に設けられた複数のシューと、前記ケーシングの他側に設けられ、前記シリンダブロックとの対向面が該各シューの摺動する傾斜面となった斜板とからなる」よう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−177764号公報
【特許文献2】特開平9−184472号公報
【特許文献3】特開平8−28435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1、特許文献2、特許文献3はいずれも弁板側軸受の潤滑方法に関するものである。すなわち、弁板側軸受の冷却性向上による軸受寿命の向上を目指すものである。このため、出力軸側軸受の軸受寿命向上に対して影響は無い。
【0008】
また、一般的に油圧モータの取り付けは、油圧モータの出力軸を弁板軸に対して鉛直下方となるように配置される。このため、油圧モータのハウジング下部に配置される軸受やオイルシールには前記ハウジング内部のコンタミネーションが沈着を招き、その結果、これら軸受やオイルシールの寿命の低下を招く。しかし、前記特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載の技術では、前記コンタミネーションによる出力軸側軸受及びオイルシールの寿命低下には効果がない。
【0009】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、油圧モータの弁板側軸受と出力軸側軸受の両方の冷却効果を向上させ、なおかつ油圧モータにおけるドレン室のコンタミネーションを効果的に排出することで、軸受及びオイルシールの長寿命化を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明による油圧モータは、前方側ケーシングと、同前方側ケーシングの中心部において第1の軸受を介して一端側を支持されており、その他端側径太部内には円周方向に複数のピストンが配置され、前記ピストンの先端には斜板が設けられて、前記ピストンの後端近傍には弁板が設けられ、且つ前記ピストンの中心部には後方側に開口した凹部が形成されてなる出力回転軸と、前記凹部内にはまり込む凸部が形成され前記ピストンへの供給圧油室および戻り室を形成すると共にキャビテーションを抑止する油圧回路に接続するメイクアップポートを有する後方側ケーシングと、前記凸部の外周面と前記凹部の内周面の間に配置された出力回転軸の後方側を支持する第2の軸受と、を備えた油圧モータであって、前記凸部には一方の側を前記凹部内と連通すると共にその他方の側を油圧モータの外部に開口した貫通通路を形成し、前記第1の軸受よりも出力回転軸の軸方向前方ケーシング側に一方を連通させ他方を油圧モータの外部に開口するドレンポートを形成するよう構成される。
【0011】
また、前記貫通通路は、前記メイクアップポートに通じる前記油圧回路のメイクアップポート通路に開口することを特徴とする。さらに、前記ドレンポートは、その開口部の開口面が前記弁板位置より出力回転軸の軸方向後方ケーシング側に設けられてもよく、前記ドレンポートは、その開口部の開口面が前記弁板位置より出力回転軸の軸方向前方ケーシング側に設けられてもよい。さらに、前記貫通通路は、その開口部の開口面が前記弁板位置より出力回転軸の軸方向後方ケーシング側に設けられてもよい。
【0012】
さらに、本発明に係る油圧モータ装置は、前方側ケーシングと、同前方側ケーシングの中心部において第1の軸受を介して一端側を支持されており、その他端側径太部内には円周方向に複数のピストンが配置され、前記ピストンの先端には斜板が設けられて、前記ピストンの後端近傍には弁板が設けられ、且つ前記ピストンの中心部には後方側に開口した凹部が形成されてなる出力回転軸と、前記凹部内にはまり込む凸部が形成され前記ピストンへの供給圧油室および戻り室を形成すると共にキャビテーションを抑止する油圧回路に接続するメイクアップポートを有する後方側ケーシングと、前記凸部の外周面と前記凹部の内周面の間に配置された出力回転軸の後方側を支持する第2の軸受と、を備え、前記出力回転軸はその先端が減速機と連結されている油圧モータ装置であって、前記凸部には一方の側を前記凹部内と連通すると共にその他方の側を油圧モータの外部に開口した貫通通路を形成し、前記第1の軸受よりも出力回転軸の軸方向前方ケーシング側に一方を連通させ他方を油圧モータの外部に開口するドレンポートを形成するよう構成される。
【0013】
一方、本発明に係る建設機械は、前方側ケーシングと、同前方側ケーシングの中心部において第1の軸受を介して一端側を支持されており、その他端側径太部内には円周方向に複数のピストンが配置され、前記ピストンの先端には斜板が設けられて、前記ピストンの後端近傍には弁板が設けられ、且つ前記ピストンの中心部には後方側に開口した凹部が形成されてなる出力回転軸と、前記凹部内にはまり込む凸部が形成され前記ピストンへの供給圧油室および戻り室を形成すると共にキャビテーションを抑止する油圧回路に接続するメイクアップポートを有する後方側ケーシングと、前記凸部の外周面と前記凹部の内周面の間に配置された出力回転軸の後方側を支持する第2の軸受と、を備え、前記出力回転軸はその先端が減速機と連結されている油圧モータ装置を搭載する建設機械であって、前記凸部には一方の側を前記凹部内と連通すると共にその他方の側を油圧モータの外部に開口した貫通通路を形成し、前記第1の軸受よりも出力回転軸の軸方向前方ケーシング側に一方を連通させ他方を油圧モータの外部に開口するドレンポートを形成する油圧モータ装置を搭載する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、外部より供給された潤滑油が、油圧モータハウジング上部の軸受を経由してドレン室内全体を循環しているので、従来例の上面排出型の油圧モータに比べて、冷却性、コンタミネーション排出性に優れている。このため、油圧モータの弁板側軸受と出力軸側軸受の両方の冷却効果を向上させ、なおかつ油圧モータにおけるドレン室のコンタミネーションを効果的に排出することで、軸受及びオイルシールの長寿命化を可能にすることができる。
【0015】
また、排出通路を中子で構成しており、通路の為の加工や配管を必要としないことから製造コストの削減も可能となる。
【0016】
さらに、潤滑油をメイクアップポートから供給すれば、新規の油圧源を必要としない効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る油圧モータの第1の実施例の構成図である。
【図2】本発明に係る油圧モータの第2の実施例の構成図である。
【図3】本発明に係る油圧モータの第3の実施例の構成図である。
【図4】本発明に係る油圧モータを用いた油圧モータ装置の実施例4の構成図である。
【図5】本発明に係る油圧モータを用いた油圧モータ装置を搭載した建設機械の実施例5の構成図である。
【図6】従来の油圧モータの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1乃至図5を用いて、本発明に係る油圧モータの構成について説明する。
【実施例1】
【0019】
図1において、参照符号1は、油圧モータであって、下端部中央には出力回転軸2が前方側ケーシング3に設けられ、同出力回転軸2は、その図面の下端側、すなわち出力側においてオイルシール4を介しテーパコロベアリング6により前方側ケーシング3内部に支持されている。前記出力回転軸2の上端側は径太に形成され、その円周方向に複数のピストン10が配置されている。前記出力回転軸2の上端側径太の中央部には凹部15が形成されており、同凹部15に、上端側の後方側ケーシング18の中心凸部14にはまりこんでいる。この凸部14の外周面と前記凹部15の内周面の間に出力回転軸2の後方側軸受であるニードルベアリング12が取付けられている。
【0020】
参照符号16は、前記後方側ケーシング18の中央部に設けられた貫通通路である。同通路16の下端側は絞り19を介して凹部15の内部に連通しており、また、その上端側は、メイクアップライン20に通じるメイクアップポート通路22に開口して通じている。
【0021】
参照符号24は、ドレンポートであり、オイルシール4とテーパコロベアリング6との間の軸周りの空隙に一方の端部が開口する。このドレンポート24は、前方ケーシング3に沿ってハウジングに対して中子によって形成され、開口部28の開口面が前記弁板17位置より出力回転軸の軸方向後方ケーシング18側に設けられる。
【0022】
以上の通り構成されることで、メイクアップポート通路22から供給された潤滑油は、メイクアップライン20を経由して貫通通路16を通過し、絞り19を通り、凹部15を経由してニードルベアリング12に到達し、ニードルベアリング12を冷却する。潤滑油はさらに前記後方側ケーシング18と弁板17の間を通り、出力回転軸2の周囲を通過し、斜板8付近からドレン室23を経由してテーパコロベアリング6に到達し、テーパコロベアリング6をも冷却する。潤滑油は、ドレンポート24を経て開口部28に連通する。このため、弁板17と出力回転軸2の摺動面およびピストン10と出力回転軸2の摺動面より発生するコンタミネーションがオイルシール4に堆積せず、テーパコロベアリング6のコンタミネーションと合わせてドレンポート24を経て開口部28から排出される。このため、オイルシール4とテーパコロベアリング6とニードルベアリング12の全者の長寿命化を達成することとなる。
【実施例2】
【0023】
本発明に係る実施例2の構成図を図2に示す。実施例2は、実施例1と比較してドレンポート24が途中切断されて開口部30を設けたものである。この開口部30は、外部装置と連結されるものであって、ここで大気と接するのではなく、あくまでも外部装置によって開口面が前記弁板17位置より出力回転軸の軸方向後方ケーシング側に設けられる必要がある。外部装置側の配管の自由度を向上させたものである。ドレンポート24に到達するまでの潤滑油の動作は、実施例1と同様に作動し、テーパコロベアリング6とニードルベアリング12を共に冷却し、両者のコンタミネーションを開口部30を通して排出する。このため、オイルシール4とテーパコロベアリング6とニードルベアリング12の全者の長寿命化を達成することとなる。
【実施例3】
【0024】
本発明に係る実施例3の構成図を図3に示す。実施例3は、潤滑油をメイクアップポート通路22から導入するのではなく、別途設けた開口部34から導入するものである。これは、油圧回路上外部装置から別途導入する場合に導入路を設けたものである。この回路は、外部装置の油路の自由度を向上させたものであり、貫通通路32以降は実施例1同様に構成されるため動作も同様となる。すなわち、テーパコロベアリング6とニードルベアリング12を共に冷却し、両者のコンタミネーションを開口部30を通して排出する。このため、オイルシール4とテーパコロベアリング6とニードルベアリング12の全者の長寿命化を達成することとなる。
【実施例4】
【0025】
本発明に係る実施例4の構成図を図4に示す。実施例4は、実施例1で示される油圧モータと減速機36が連結した油圧モータ装置38である。本構成とすることで、減速機36と組み合わせた上で、テーパコロベアリング6とニードルベアリング12の冷却が可能になり、コンタミネーションの堆積を防止することが可能なる。このため、油圧モータ装置38のオイルシール4とテーパコロベアリング6とニードルベアリング12の全者の長寿命化を達成することとなる。
【実施例5】
【0026】
本発明に係る実施例5の構成図を図5に示す。実施例5は、実施例4で示された油圧モータ装置38を搭載した建設機械である油圧ショベル42を示す。本発明を適用することでより寿命の長い建設機械を提供することが可能になる。特に、油圧モータ装置38は、より負荷の大きい旋回体駆動部をして用いられた際にその効果を発揮する。このため、建設機械に搭載された油圧モータ装置38のオイルシール4とテーパコロベアリング6とニードルベアリング12の全者の長寿命化を達成することとなる。
【0027】
以上本発明の好適な実施例について図面により説明したが、当業者であれば、上記の図面および説明に基づいて種々の変形をすることが可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0028】
1 油圧モータ
2 出力回転軸
3 前方側ケーシング
4 オイルシール
6 テーパコロベアリング
8 斜板
10 ピストン
15 凹部
18 後方側ケーシング
14 凸部
12 ニードルベアリング
18 後方側ケーシング
16 貫通通路
17 弁板
19 絞り
20 メイクアップライン
22 メイクアップポート通路
23 ドレン室
24 ドレンポート
28 開口部
30 開口部
34 開口部
36 減速機
38 油圧モータ装置
42 油圧ショベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方側ケーシングと、同前方側ケーシングの中心部において第1の軸受を介して一端側を支持されており、その他端側径太部内には円周方向に複数のピストンが配置され、前記ピストンの先端には斜板が設けられて、前記ピストンの後端近傍には弁板が設けられ、且つ前記ピストンの中心部には後方側に開口した凹部が形成されてなる出力回転軸と、前記凹部内にはまり込む凸部が形成され前記ピストンへの供給圧油室および戻り室を形成すると共にキャビテーションを抑止する油圧回路に接続するメイクアップポートを有する後方側ケーシングと、前記凸部の外周面と前記凹部の内周面の間に配置された出力回転軸の後方側を支持する第2の軸受と、を備えた油圧モータであって、
前記凸部には一方の側を前記凹部内と連通すると共にその他方の側を油圧モータの外部に開口した貫通通路を形成し、
前記第1の軸受よりも出力回転軸の軸方向前方ケーシング側に一方を連通させ他方を油圧モータの外部に開口するドレンポートを形成する油圧モータ。
【請求項2】
前記貫通通路は、前記メイクアップポートに通じる前記油圧回路のメイクアップポート通路に開口することを特徴とする請求項1記載の油圧モータ。
【請求項3】
前記ドレンポートは、その開口部の開口面が前記弁板位置より出力回転軸の軸方向後方ケーシング側に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧モータ。
【請求項4】
前記ドレンポートは、その開口部の開口面が前記弁板位置より出力回転軸の軸方向前方ケーシング側に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧モータ。
【請求項5】
前記貫通通路は、その開口部の開口面が前記弁板位置より出力回転軸の軸方向後方ケーシング側に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧モータ。
【請求項6】
前方側ケーシングと、同前方側ケーシングの中心部において第1の軸受を介して一端側を支持されており、その他端側径太部内には円周方向に複数のピストンが配置され、前記ピストンの先端には斜板が設けられて、前記ピストンの後端近傍には弁板が設けられ、且つ前記ピストンの中心部には後方側に開口した凹部が形成されてなる出力回転軸と、前記凹部内にはまり込む凸部が形成され前記ピストンへの供給圧油室および戻り室を形成すると共にキャビテーションを抑止する油圧回路に接続するメイクアップポートを有する後方側ケーシングと、前記凸部の外周面と前記凹部の内周面の間に配置された出力回転軸の後方側を支持する第2の軸受と、を備え、前記出力回転軸はその先端が減速機と連結されている油圧モータ装置であって、
前記凸部には一方の側を前記凹部内と連通すると共にその他方の側を油圧モータの外部に開口した貫通通路を形成し、
前記第1の軸受よりも出力回転軸の軸方向前方ケーシング側に一方を連通させ他方を油圧モータの外部に開口するドレンポートを形成する油圧モータ装置。
【請求項7】
前方側ケーシングと、同前方側ケーシングの中心部において第1の軸受を介して一端側を支持されており、その他端側径太部内には円周方向に複数のピストンが配置され、前記ピストンの先端には斜板が設けられて、前記ピストンの後端近傍には弁板が設けられ、且つ前記ピストンの中心部には後方側に開口した凹部が形成されてなる出力回転軸と、前記凹部内にはまり込む凸部が形成され前記ピストンへの供給圧油室および戻り室を形成すると共にキャビテーションを抑止する油圧回路に接続するメイクアップポートを有する後方側ケーシングと、前記凸部の外周面と前記凹部の内周面の間に配置された出力回転軸の後方側を支持する第2の軸受と、を備え、前記出力回転軸はその先端が減速機と連結されている油圧モータ装置を搭載する建設機械であって、
前記凸部には一方の側を前記凹部内と連通すると共にその他方の側を油圧モータの外部に開口した貫通通路を形成し、
前記第1の軸受よりも出力回転軸の軸方向前方ケーシング側に一方を連通させ他方を油圧モータの外部に開口するドレンポートを形成する油圧モータ装置を搭載した建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−237214(P2012−237214A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105715(P2011−105715)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】