説明

油浸コンデンサ

【課題】油浸コンデンサにおいて、PPフィルムへの植物油の含浸性を確保でき、電圧印加時の破壊を抑え、−30℃以下の低温でも植物油が固化せず、部分放電の開始電圧低下を抑制でき、自己回復性を維持し、併せて小形化および軽量化ができるようにする。
【解決手段】コンデンサ素子をケースに収納した状態で真空乾燥後、絶縁油を含浸した油浸コンデンサにおいて、前記コンデンサ素子は、両面が金属化されたポリプロピレンフィルムまたは両面が金属化された電極紙とポリプロピレンフィルムとを巻回してなり、前記絶縁油が、植物油とアルキルベンゼンとの混合油に少なくともポリメタクリレートの誘導体を添加してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁油を含浸した自己回復性能を有する電力用油浸コンデンサに関し、特に、寒冷地で使用可能な油浸コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
電力用コンデンサには、非自己回復性コンデンサと自己回復性コンデンサとがある。非自己回復性コンデンサは、アルミニウム箔からなる電極と、粗面化されたポリプロピレンフィルム(以下、PPフィルムと称する)からなる誘電体と、分子内に2環以上の芳香環を有する芳香族炭化水素からなる絶縁油とを有する。
【0003】
また、自己回復性コンデンサは、両面が金属で蒸着された電極紙(以下、両面金属化電極紙と称する)からなる電極と、ポリプロピレンフィルムからなる誘電体と、植物油からなる絶縁油とを有する。さらに、自己回復性コンデンサには、電極および誘電体として金属化されたPPフィルムからなるものもある。
【0004】
上記の非自己回復性コンデンサは、交流電圧を印加したときに、部分放電の開始電圧の安定化を図るために、絶縁油として、分子内に2環以上の芳香環を有する芳香族炭化水素が一般に使用される。この非自己回復性コンデンサでは、電極としてのアルミニウム箔の厚みを厚くしているために、誘電体としてのPPフィルムが局部的に破壊した場合には、その近くの電極同士がショート状態になることによって、コンデンサの破壊に到り、自己回復性コンデンサのような高電位傾度設計は困難である。しかしながら、非自己回復性コンデンサは、電極としてアルミニウム箔を使用しているので、耐電流性が高く、また、絶縁油として芳香族炭化水素を採用しているので、−30℃以下の低い温度でも固化することなく、使用が可能である。
【0005】
これに対して、自己回復性コンデンサは、上述したように、両面金属化電極紙とPPフィルムとで構成されている。両面金属化電極紙は、コンデンサ紙の両面に極薄の金属化電極が蒸着によって形成されたものであり、誘電体としてのPPフィルムが局部的に破壊しても、この破壊された領域に近い蒸着電極が飛散して直ちに絶縁性が回復する。このため、自己回復性コンデンサは、高い電位傾度設計が可能であり、非自己回復性コンデンサよりも信頼性を高くすることができるとともに、信頼性を高くするための電極部材を別途、必要としないので、小形化や軽量化を図ることもできる。
【0006】
また、自己回復性コンデンサでは、絶縁油として芳香族炭化水素とトリグリセライド混合物を用いたものがあり、このような絶縁油を用いることによって、PPフィルムが、必要以上に膨潤したり、蒸着金属にクラックが発生したりすることを抑制し、寿命の安定化を図ることができる(特許文献1参照)。
【0007】
また、自己回復性コンデンサでは、PPフィルムが局部的に破壊したときには、絶縁油が劣化する場合があるが、自己回復性をさらに高めるためには、絶縁油が分解された場合であっても、遊離炭素が発生しにくい植物油を絶縁油として用いるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平05−159967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、植物油を絶縁油として用いた場合には、PPフィルムの膨潤を小さくでき、蒸着金属に対する安定性が得られる反面、PPフィルムへの植物油の含浸性が小さいために、PPフィルム内に含まれるピンホール等の絶縁欠陥を絶縁油で埋めるには到らず、電圧印加時には、PPフィルムの局部的な破壊が多く発生し、長寿命化は困難であった。
【0010】
また、植物油の流動点は−20℃以上であり、−30℃以下の低温で植物油を絶縁油として用いた場合、植物油が固化することによって、コンデンサの部分放電の開始電圧が低下し、破壊に到るため、上述した自己回復性を活かすことができなかった。
【0011】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、植物油を絶縁油として用いた場合でも、PPフィルムへの植物油の含浸性を確保でき、電圧印加時のPPフィルムの局部的な破壊を抑え、長寿命化を図ろうとするものである。また、−30℃以下の低温でも、植物油が固化せず、コンデンサの部分放電の開始電圧低下を抑制でき、自己回復性を維持することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記課題を解決するもので、コンデンサ素子に絶縁油を含浸した油浸コンデンサであって、コンデンサ素子は、両面が金属化されたポリプロピレンフィルムまたは両面が金属化された電極紙とポリプロピレンフィルムとを巻回してなり、絶縁油が、植物油とアルキルベンゼンとの混合油に少なくともポリメタクリレートの誘導体を添加してなることを特徴としている。
【0013】
ポリメタクリレートの誘導体としては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレートが挙げられる。
【0014】
このように構成された発明では、誘電体としてPP(ポリプロピレン)フィルムを用いたコンデンサ素子に対して、植物油とアルキルベンゼンとの混合油にポリメタクリレートの誘導体を添加してなる絶縁油を含浸させているので、PPフィルムへの絶縁油の含浸性を高めることができる。また、−30℃以下のような低温においても、絶縁油の固化を抑制し、部分放電の開始電圧が低下するのを防止することができる。
【0015】
さらに、植物油として菜種油を用いることにより、低温における絶縁油の固化を効果的に抑えることができ、コンデンサ素子の絶縁破壊を十分に防ぐことができる。
【0016】
また、絶縁油中のポリメタクリレートの誘導体の添加量を、0.005〜2.5wt%とすることにより、定格電圧印加時の誘電正接(tanδ)の特性を向上させることができるとともに、絶縁破壊に到るまでの耐久時間を長くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
植物油とアルキルベンゼンとの混合油にポリメタクリレートの誘導体を添加した絶縁油をコンデンサ素子に含浸させることにより、PPフィルムへの絶縁油の含浸性を高めることができ、油浸コンデンサの長寿命化を測ることができる。しかも、−30℃以下の低温でも植物油が固化せず、部分放電の開始電圧低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例による両面金属化電極紙、誘電体フィルムの構成図である。
【図2】油浸コンデンサのコンデンサ素子を示す斜視図である。
【図3】油浸コンデンサのコンデンサユニットを示す側面図である。
【図4】油浸コンデンサの概略を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例と比較例による、油浸コンデンサのtanδの温度特性を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例と比較例による、油浸コンデンサの部分放電開始電圧の温度特性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例と比較例による、油浸コンデンサの低温過電圧印加試験におけるtanδの変化を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例による、油浸コンデンサの80℃における、ポリメチレンメタクリレート添加量とtanδの関係を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例による、油浸コンデンサの低温負荷試験における定格電圧tanδを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の油浸コンデンサは、図1に示す両面金属化電極紙3(または両面金属化フィルム)および誘電体であるPPフィルム4を用いる。両面金属化電極紙3およびPPフィルム4は、長尺な形状を有し、両面金属化電極紙3には長手方向に沿って片側端部に絶縁マージン5が形成されている。後述するように、両面金属化電極紙3は、コンデンサ紙1と蒸着電極2とからなる。
【0020】
一対の両面金属化電極紙3を、この絶縁マージン部5が互いに幅方向に反対側になるように配置し(図1参照)、両面金属化電極紙3(または両面金属化フィルム)の間にPPフィルム4を介して重ね合わせて巻回し、偏平加工した後に、端部にメタリコン6を形成することでコンデンサ素子7を作製する(図2参照)。さらに、前記コンデンサ素子7を複数個、積み重ね、コンデンサ素子7の全てのメタリコン6にリード線10を接続して、リード線10と外部端子11とを接続して、コンデンサ素子の巻回軸方向に並んだ2本の結束バンド8aを複数(本実施形態では4個)のコンデンサ素子を束ねるように巻回し、締付板8と結束バンド8aで締付けし、コンデンサユニット9を構成する(図3、図4参照)。
【0021】
さらに、ケース12と上蓋13とを気密シールし、真空乾燥後、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油にポリメチルメタクリレートを添加してなる絶縁油を含浸して、油浸コンデンサを作製する(図4参照)。
【0022】
以下、本発明の実施例について、図を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
[実施例1] 添加剤、絶縁油の種類による、特性比較
図1は、本発明の実施例による、両面金属化電極紙3、誘電体であるPPフィルム4の構成を示す断面図である。コンデンサ紙1の両面に蒸着電極2を形成した両面金属化電極紙3を2枚、誘電体であるPPフィルム4を介して重ね合わせ、また、両面金属化電極紙3は、その絶縁マージン部5が幅方向反対側になるように配置して巻回した。
【0024】
さらに、図2に示すように、両面金属化電極紙3とPPフィルム4とを巻回したものを偏平に押圧し、端部に引出電極としてメタリコン6を形成して、コンデンサ素子7とした。次いで、図3に示すように、複数個のコンデンサ素子7を積み重ね、コンデンサ素子7の全てのメタリコン6にリード線10を接続し、複数のコンデンサ素子のまわりに2本の結束バンド8aを巻回し、締付板8と結束バンド8aで締付けし、コンデンサユニット9とした。
【0025】
最後に、コンデンサユニット9をケース12に収納して、リード線10に外部端子11を接続し、ケース12と上蓋13とを気密溶接し、ケース12の内部を減圧して真空乾燥させた後、絶縁油14を含浸して、図4に示す油浸コンデンサとした。
【0026】
この実施例1における油浸コンデンサの絶縁油として、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油に、ポリメチルメタクリレートを0.5wt%添加したものを用いた。
このようにして、実施例1の油浸コンデンサとして、3Φ、60Hz、7.02kV、53.2kvarの油浸コンデンサを5台製作した。
【0027】
(比較例1)
油浸コンデンサの絶縁油として、菜種油のみに、ポリメチルメタクリレートを0.5wt%添加したものを用いた以外は実施例1と同様の仕様、条件にて、油浸コンデンサを5台作製した。
【0028】
(比較例2)
油浸コンデンサの絶縁油として、アルキルベンゼンのみに、ポリメチルメタクリレートを0.5wt%添加したものを用いた以外は実施例1と同様の仕様、条件にて、油浸コンデンサを5台作製した。
【0029】
(比較例3)
油浸コンデンサの絶縁油として、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油に、エチレンプロピレンコポリマーを0.5wt%添加したものを用いた以外は実施例1と同様の仕様、条件にて、油浸コンデンサを5台製作した。
【0030】
(比較例4)
油浸コンデンサの絶縁油として、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油に、ポリジプロピルナフタリンを0.5wt%添加したものを用いた以外は実施例1と同様の仕様、条件にて、油浸コンデンサを5台製作した。
【0031】
上記の実施例1、および比較例1〜4の油浸コンデンサについて、tanδの温度特性、部分放電開始電圧の温度特性、および60℃における定格電圧×1.35倍の過電圧印加試験(2000時間で約20年に相当する加速試験)を実施した。
この結果を表1〜3、および図5〜図7に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
[添加剤の種類による、tanδ、部分放電開始電圧の温度特性比較] 実施例1、比較例1〜4)
図5、表1のtanδの温度特性測定結果より、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油に、ポリメチルメタクリレート(0.5wt%)を添加剤として用いた場合(実施例1)に、tanδの温度特性が安定していることが分かった。これに対して、添加剤として、エチレンプロピレンコポリマー(比較例3)、ポリジプロピルナフタリン(比較例4)を用いた場合は、40℃を超える温度でtanδが大きくなるので、好ましくない。
また、図6、表2の部分放電開始電圧の温度特性測定結果より、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油に、ポリメチルメタクリレートを添加剤として用いた場合(実施例1)に、−30℃での部分放電開始電圧低下が抑えられていることが分かった。これに対して、添加剤として、エチレンプロピレンコポリマー(比較例3)、ポリジプロピルナフタリン(比較例4)を用いた場合は、−30℃での部分放電開始電圧が低下するので、好ましくない。
【0036】
[絶縁油の種類による、60℃における定格電圧×1.35倍の過電圧印加試験(加速試験)でのtanδ特性比較] 実施例1、比較例1、2
図7、表3に示すように、60℃印加試験の結果、絶縁油として、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油(添加剤:ポリメチルメタクリレート)を用いた場合には、2000時間経過後でも安定したtanδ値を示した。これに対して、絶縁油として、菜種油のみ(添加剤:ポリメチルメタクリレート)を用いた場合(比較例1)には、1000時間まで安定したtanδ値を示すが、1500時間でtanδが上昇し始め、2000時間でコンデンサが絶縁破壊に到っている。また、絶縁油として、アルキルベンゼンのみ(添加剤:ポリメチルメタクリレート)を用いた場合(比較例2)、500時間まで安定したtanδ値を示すが、1000時間でtanδが上昇し始め、1500時間でコンデンサが絶縁破壊に到っている。
【0037】
以上の結果、絶縁油として、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油に、添加剤としてポリメチルメタクリレートを用いた場合(実施例1)には、tanδ、部分放電開始電圧の温度特性が安定しており、また、60℃における過電圧印加試験におけるtanδ値が安定しているが、添加剤として、エチレンプロピレンコポリマー、またはポリジプロピルナフタリンを用いたときは、40℃を超える温度でtanδが大きくなり、また、−30℃での部分放電開始電圧が低下するので、好ましくない。また、絶縁油として、菜種油のみ、アルキルベンゼンのみ(添加剤:ポリメチルメタクリレート)を用いた場合は、60℃過電圧印加試験でtanδ特性が悪化するため、好ましくない。
【0038】
このように、植物油とアルキルベンゼンとの混合油を絶縁油としてコンデンサ素子を含浸したことにより、部分放電の開始電圧を安定化させ、油浸コンデンサの信頼性を高くすることができる。
また、絶縁油の添加剤をポリメチルメタクリレートとしたことで、−30℃以下の低い温度においても、絶縁油として用いた植物油が固化することなく、安定した部分放電開始電圧が得られ、コンデンサ特性を安定化させることができるとともに、PPフィルムに対する含浸性が向上し、PPフィルムの絶縁欠陥を埋めることができるので、小形化・軽量化でき、信頼性を高くした自己回復性コンデンサを得ることができる。
【0039】
[実施例1〜7] ポリメチルメタクリレート添加量による、特性比較
絶縁油14として、菜種油とアルキルベンゼンと混合油に、添加剤としてポリメチルメタクリレートを、0.003、0.005、0.05、1.0、2.5、5.0wt%添加したものを用いた以外は実施例1と同様の仕様、条件にて、油浸コンデンサを5台作製し、それぞれ実施例2、3、4、5、6、7とした。これらとポリメチルメタクリレートを、0.5wt%添加した実施例1の油浸コンデンサとを併せて比較した。
【0040】
上記実施例について、80℃でのtanδ測定、−30℃定格電圧×1.35倍の過電圧印加試験(加速試験)を実施した。
この結果を表4、5、および図8、9に示す。
【0041】
【表4】

【0042】
【表5】

【0043】
[ポリメチルメタクリレート添加量による、特性比較] 実施例1〜7
表4、図8の測定結果より、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油に対して、ポリメチルメタクリレートを添加すると、80℃でのtanδについて好結果が得られ、その中でも、添加量2.5wt%以下の範囲でtanδが安定しており、さらに好適である。
また、表5、図9の測定結果より、ポリメチルメタクリレートを添加すると、−30℃の過電圧印加試験において好結果が得られ、その中でも、添加量が0.005〜2.5wt%の範囲でtanδが安定しており、さらに好適である。
【0044】
以上の結果より、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油に、ポリメチルメタクリレートを0.005〜2.5wt%添加した場合に、80℃tanδと−30℃過電圧印加試験でのtanδが安定し、より好適であることが分かった。
【0045】
上述した実施例1および実施例2では、両面金属化電極紙とPPフィルムを巻回したコンデンサについて示したが、PPフィルムに蒸着電極を形成した金属化フィルムを巻回したフィルムコンデンサで、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油に、ポリメチルメタクリレートを添加した絶縁油を用いた場合も、上記の同様、良好な結果が得られた。
【0046】
なお、実施例1及び実施例2では、菜種油とアルキルベンゼンとの混合油を用いたが、米糠油、大豆油等の半乾性植物油、アマニ油などの乾性植物油とアルキルベンゼン混合油でも同様の良好な結果が得られた。
【0047】
さらに、添加剤は、ポリメチルメタクリレート以外に、ポリメタクリレート誘導体であるポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート等のポリアルキルメタクリレートの場合でも、同様の良好な結果が得られた。
【符号の説明】
【0048】
1 コンデンサ紙
2 蒸着電極
3 両面金属化電極紙
4 ポリプロピレンフィルム(PPフィルム)
5 絶縁マージン
6 メタリコン
7 コンデンサ素子
8 締付板
8a 結束バンド
9 コンデンサユニット
10 リード線
11 外部端子
12 ケース
13 上蓋
14 絶縁油

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサ素子に絶縁油を含浸した油浸コンデンサであって、
前記コンデンサ素子は、両面が金属化されたポリプロピレンフィルムまたは両面が金属化された電極紙とポリプロピレンフィルムとを巻回してなり、
前記絶縁油が、植物油とアルキルベンゼンとの混合油に少なくともポリメタクリレートの誘導体を添加してなることを特徴とする油浸コンデンサ。
【請求項2】
前記ポリメタクリレートの誘導体がポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の油浸コンデンサ。
【請求項3】
前記植物油が、菜種油であることを特徴とする請求項1に記載の油浸コンデンサ。
【請求項4】
前記ポリメタクリレートの誘導体の添加量が、0.005〜2.5wt%であることを特徴とする請求項1または2に記載の油浸コンデンサ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−287788(P2010−287788A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141419(P2009−141419)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000004606)ニチコン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】