説明

波長分割多重方式受動型光加入者通信網における光線路の障害位置検出装置

【課題】
通信網を経済的に運営するとともに、通信網の信頼性を向上できる光線路の障害位置検出装置を提供する。
【解決手段】
各下り送信機Txおよび各上り受信機Rxが設置された中央基地局COと、前記中央基地局COと光線路11,21,22,31によって連結された中間ノードRNと、前記中間ノードRNと別途の光線路12,23,24,32によって連結される各加入者装置ONUと、を含んで波長分割多重方式受動型光加入者通信網のための光線路の障害位置検出装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長分割多重方式受動型光加入者通信網(Wavelength Division Multiplexed Passive Optical Network;以下、WDM−PONという)における光線路の障害位置検出装置に関するもので、詳しくは、障害が発生したチャネルの下り光源を監視光源として使用する光線路の障害位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、インターネットを始めとする各種のデータサービスが急激に増加するにつれて、加入者通信網においても大幅な伝送容量の増大が要求されている。このような要求を経済的に受け入れる方案として、波長が相互異なる複数個の光信号を多重化して一つの光繊維を通して伝送するWDM−PON方式が注目を受けている。WDM−PONは、伝送容量を増大するとともに、通信網を受動型素子に実現することで、通信網の布設、維持および管理が容易であり、拡張性および保安性にも優れている。さらに、波長ごとに相互異なる種類のサービスを提供することができる。
【0003】
このWDM−PONを実現するにおいて、優先的に考慮すべき事項は、経済性および信頼性である。経済的に通信網を構成するためには、既存のWDM−PONのための多様な光源に関する研究とともに、通信網を構成する素子を経済的に実現する方案に対する研究が行われた。WDM−PONを用いると、既存の加入者通信網よりも大容量のデータを伝送するため、既存の加入者通信網に比べると、通信網の障害が一層大きな問題を発生し、通信網の信頼性保障が非常に重要な課題となっている。通信網の信頼性を高めるためには、通信網から発生した障害に対する即刻的な感知と、感知された障害の迅速な復旧とが必要である。さらに、通信網の信頼性を保障するための障害感知、位置把握および復旧活動なども経済的に行われるべきである。
【0004】
図1は、従来のWDM−PONを示した構成図である。
従来のWDM−PONは、大きく中央基地局(CO)、中間ノード(RN)および多数の加入者装置(ONU)により構成される。中央基地局は、各送信機、各受信機、導波路型回折格子(Arrayed Waveguide Grating;以下、AWGという)からなる波長分割多重化器および逆多重化器により構成され、多数の送信機から送出された相互に異なる波長の下り光信号を多重化器で多重化して光線路を通して中間ノードに伝達する。次いで、中間ノードに設置された多重化/逆多重化器は、多重化された各下り光信号を逆多重化して各加入者装置に相互に異なる波長の下り光信号を送る。次いで、各加入者装置に設置された下り受信機は、下り光信号を電気的信号に変換して通信を行う。
【0005】
その反面、加入者装置に設置された各送信機から送出された上り光信号は、中間ノードの多重化/逆多重化器で多重化された後で上り伝送され、中央基地局で各上り光信号と各下り光信号とを区分するWDMカプラー(coupler)を経て中央基地局の逆多重化器で逆多重化された後、上り受信機により受信される。
【0006】
光線路における障害発生は、上り光信号が正常に受信されたか否かによって確認するが、障害が発生した位置を知るためには、別途の監視装置が必要である。
【0007】
中央基地局と中間ノードとを連結する光線路における障害は、多重化された波長の各光信号が同一の光線路を経るため、単一波長を有する監視装置によりその位置を把握することができる。しかしながら、中間ノードと加入者装置とを連結する各光線路には、相互に異なる波長の光信号が伝送されるので、それら各光線路から発生した障害位置を検出するためには、各光線路の波長に合う多数の光源や波長を可変する光源(非特許文献1参照)を有する監視装置を使用するか、中間ノードの多重化/逆多重化器の前側で信号光および監視光の経路を分離し、この分離された監視光を多重化/逆多重化器の後側で各加入者チャネルが使用する経路と再び結合して障害位置を監視する構造であるべきである。
【0008】
しかしながら、このような構造は、波長を可変する高価な光源を使用するか、多数の光素子を使用することで、通信網の複雑度が増加するため、通信網の経済性が低下するという問題点があった。
【非特許文献1】Kuniaki Tanaka,et al.,“In−service Individual Line Monitoring and a Method for Compensating for the Temperature−dependent Channel−Drift of a WDM−PON Containing an AWGR Using a 1.6 μm Tunable OTDR,”European Conference on Optical Communication(ECOC ’97),no.448,pp.295−298,Sept.1997.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、通信網を経済的に運営するとともに、通信網の信頼性を向上できる光線路の障害位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明による光線路の障害位置検出装置は、各下り送信機および各上り受信機が設置された中央基地局と、前記中央基地局と光線路によって連結される中間ノードと、前記中間ノードと別途の光線路によって連結される各加入者装置と、を含んで構成される波長分割多重方式受動型光加入者通信網のための光線路の障害位置検出装置であって、前記各上り受信機に受信された信号のうち、非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、非正常の受信状態を示すチャネルに該当する下り送信機の光源にパルスを入力して生成された監視光信号を前記中央基地局から出力することで、前記監視光信号が前記中央基地局と前記中間ノードとを連結する光線路を通して伝送されるか、前記中間ノードと前記各加入者装置とを連結する光線路を通して伝送されるときの時間による大きさを測定し、光損失および障害位置を把握することを特徴とする。
【0011】
本発明の第1実施形態による光線路の障害位置検出装置は、各下り送信機に連結される多重化器および各上り受信機に連結される逆多重化器を備えた中央基地局と、第1光線路および受動型素子を通して前記多重化器、および前記逆多重化器に連結される多重化/逆多重化器を備えた中間ノードと、複数の第2光線路を通して前記多重化/逆多重化器にそれぞれ連結される各加入者装置と、を含む波長分割多重方式受動型光加入者通信網に対する光線路の障害位置検出装置であって、前記各上り受信機に受信された信号のうち、非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、非正常の受信状態を示すチャネルに該当する下り送信機の光源にパルスを入力して生成された監視光信号を前記中央基地局の多重化器に入力することで、前記監視光信号が前記第1光線路または第2光線路を通して伝送されるときの時間による大きさを測定して光損失値を測定し、光損失および障害位置を把握することを特徴とする。
【0012】
このとき、前記光線路の障害位置検出装置は、パルスを発生するパルス発生器と;各下り送信機に対して設置され、データ信号発生部または前記パルス発生器と下り送信機の光源とを連結する2x1スイッチと;前記多重化器と前記受動型素子との間に設置され、前記多重化器を通して出力された前記監視光信号が後方に散乱または反射されると、その後方に散乱または反射された監視光信号の経路を変える受動素子と;前記受動素子に連結される波長可変帯域通過フィルタと;前記各上り受信機における信号受信可否を確認することで非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、前記各上り受信機の全てに信号が受信されないと、前記各下り送信機から選択されたいずれか一つの下り送信機の光源と前記パルス発生器とが連結されるように、かつ、前記各上り受信機のいずれか一つの上り受信機に信号が受信されないと、その上り受信機と同一のチャネルを有する下り送信機の光源と前記パルス発生器とが連結されるように、前記2x1スイッチを制御し、前記波長可変帯域通過フィルタの中心波長を前記監視光信号の波長に合せる制御器と;前記波長可変帯域通過フィルタから前記監視光信号を受けて電気信号に変換し、時間による大きさの変化を前記第1光線路または第2光線路の距離による光損失値に換算して出力する監視信号用受信機と;を含んで構成されることを特徴とする。
【0013】
さらに、前記制御器は、前記各上り受信機の二つ以上の上り受信機に同時に信号が受信されないと、前記各上り受信機と同一のチャネルを有する各下り送信機の光源と前記パルス発生器とが予め設定された順にしたがって連結されるように前記2x1スイッチを制御し、前記波長可変帯域通過フィルタの中心波長を前記パルス発生器に連結された下り送信機の波長にそれぞれ合せることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2実施形態による光線路の障害位置検出装置は、各下り送信機に連結される多重化器および各上り受信機に連結される逆多重化器を備えた中央基地局と、第1光線路を通して前記中央基地局の多重化器に連結される逆多重化器、および前記第1光線路と一緒に布設される第2光線路を通して前記中央基地局の逆多重化器に連結される多重化器を備えた中間ノードと、第3光線路を通して前記中間ノードの逆多重化器に連結される下り受信機、および前記第3光線路と一緒に布設される第4光線路を通して前記中間ノードの多重化器に連結される上り送信機を備えた各加入者装置と、を含む波長分割多重方式受動型光加入者通信網に対する光線路の障害位置検出装置であって、前記各上り受信機に受信された信号のうち、非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、非正常の受信状態を示すチャネルに該当する下り送信機の光源にパルスを入力して生成された監視光信号を前記中央基地局の多重化器に入力することで、前記監視光信号が前記第1光線路または第3光線路を通して伝送されるときの時間による大きさを測定して光損失値を測定し、光損失および障害位置を把握することを特徴とする。
【0015】
このとき、前記光線路の障害位置検出装置は、パルスを発生するパルス発生器と;各下り送信機に対して設置され、データ信号発生部または前記パルス発生器と下り送信機の光源とを連結する2x1スイッチと;前記第1光線路に設置され、前記中央基地局の多重化器を通して出力された前記監視光信号が後方に散乱または反射されると、その後方に散乱または反射された監視光信号の経路を変える受動素子と;前記受動素子に連結される波長可変帯域通過フィルタと;前記各上り受信機における信号受信可否を確認することで非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、前記各上り受信機の全てに信号が受信されないと、前記各下り送信機から選択されたいずれか一つの下り送信機の光源と前記パルス発生器とが連結されるように、かつ、前記各上り受信機のいずれか一つの上り受信機に信号が受信されないと、その上り受信機と同一のチャネルを有する下り送信機の光源と前記パルス発生器とが連結されるように前記2x1スイッチを制御し、前記波長可変帯域通過フィルタの中心波長を前記監視光信号の波長に合せる制御器と;前記波長可変帯域通過フィルタから前記監視光信号を受けて電気信号に変換し、時間による大きさの変化を前記第1光線路または第3光線路の距離による光損失値に換算して出力する監視信号用受信機と;を含んで構成されることを特徴とする。
【0016】
さらに、前記制御器は、前記各上り受信機の二つ以上の上り受信機に同時に信号が受信されないと、前記各上り受信機と同一のチャネルを有する各下り送信機の光源と前記パルス発生器とが予め設定された順にしたがって連結されるように前記2x1スイッチを制御し、前記波長可変帯域通過フィルタの中心波長を前記パルス発生器に連結された下り送信機の波長にそれぞれ合せることを特徴とする。
【0017】
本発明の第3実施形態による光線路の障害位置検出装置は、前記第2実施形態による光線路の障害位置検出装置が各チャネル別に設置され、パルスを発生するパルス発生器と;データ信号発生部または前記パルス発生器と下り送信機の光源とを連結する2x1スイッチと;下り送信機と前記中央基地局の多重化器とを連結する光線路に設置され、前記中央基地局の多重化器を通して出力された前記監視光信号が後方に散乱または反射されると、その後方に散乱または反射された監視光信号の経路を変える受動素子と;上り受信機における信号受信可否を確認した結果、非正常の受信状態を示すと、下り送信機の光源とパルス発生器とが連結されるように前記2x1スイッチを制御する制御器と;前記受動素子から前記監視光信号を受けて電気信号に変換し、時間による大きさの変化を前記第1光線路または第3光線路の距離による光損失値に換算して出力する監視信号用受信機と;を含んで構成されることを特徴とする。
【0018】
本発明の第4実施形態による光線路の障害位置検出装置は、受動型素子、下り送信機および上り受信機が一つのセットをなして各ポートに連結される多重化/逆多重化器を備えた中央基地局と、第1光線路を通して前記中央基地局の多重化器/逆多重化器に連結される多重化/逆多重化器を備えた中間ノードと、複数の第2光線路を通して前記中間ノードの第2多重化/逆多重化器にそれぞれ連結される各加入者装置と、を含む波長分割多重方式受動型光加入者通信網に対する光線路の障害位置検出装置であって、前記各上り受信機に受信された信号のうち、非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、非正常の受信状態を示すチャネルに該当する下り送信機の光源にパルスを入力して生成された監視光信号を前記中央基地局の多重化/逆多重化器に入力することで、前記監視光信号が前記第1光線路または第2光線路を通して伝送されるときの時間による大きさを測定して光損失値を測定し、光損失および障害位置を把握することを特徴とする。
【0019】
このとき、前記光線路の障害位置検出装置は、前記各受動型素子、下り送信機および上り受信機のセットに対して設置され、パルスを発生するパルス発生器と;データ信号発生部または前記パルス発生器と下り送信機の光源とを連結する2x1スイッチと;下り送信機と受動型素子とを連結する光線路に設置され、前記中央基地局の多重化/逆多重化器を通して出力された前記監視光信号が後方に散乱または反射されると、その後方に散乱または反射された監視光信号の経路を変える受動素子と;上り受信機における信号受信可否を確認した結果、非正常の受信状態を示すと、下り送信機の光源とパルス発生器とが連結されるように前記2x1スイッチを制御する制御器と;前記受動素子から前記監視光信号を受けて電気信号に変換し、時間による大きさの変化を前記第1光線路または第2光線路の距離による光損失値に換算して出力する監視信号用受信機と;を含んで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるWDM−PONの光線路の障害位置検出装置は、障害が発生したチャネルの下り光源を監視光源として使用するため、波長が多重化されて伝送される中央基地局と中間ノードとの間の光線路障害位置だけでなく、波長が分割されて伝送される中間ノードと各加入者との間の光線路障害位置までも検出することで、追加的な光源が必要でなく、光線路の障害位置検出装置を経済的に実現することができる。
【0021】
また、本発明によるWDM−PONの光線路の障害位置検出装置は、中央基地局に設置されることで、障害の発生時、障害を直ちに感知し、設置、管理および障害に対する対策を迅速に設け、正常に動作する各チャネルを遮断する必要なしに、正常なデータ伝送中に監視活動を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明による光線路の障害位置検出装置は、従来の下りデータ伝送のために使用された下り光源を監視パルス光源として使用し、光線路から散乱または反射される光パルスの波形を分析して光線路の障害位置を把握することを特徴とする。すなわち、中央基地局に設置された各上り受信機に受信された信号のうち、非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、中央基地局に設置された各下り送信機のうち、非正常の受信状態を示すチャネルに該当する下り送信機の光源にパルスを入力して生成された監視光信号を中央基地局から出力することで、監視光信号が中央基地局と中間ノードとを連結する光線路を通して伝送されるか、または、中間ノードと各加入者装置とを連結する光線路を通して伝送されるときの時間による大きさを測定し、光損失および障害位置を把握することを特徴とする。ここで、光信号の大きさは、一般的に通用される光パワーの強さをいい、電圧または電流の強さなどで示される。
【0023】
以下、本発明の各実施形態による光線路の障害位置検出装置を説明する。後述する各実施形態は、各WDN−PONによる実施形態であり、本発明の権利範囲は、これに限定されることなく、本発明の技術的思想内で多様な変形が可能である。
【実施例】
【0024】
[第1実施形態]
図2は、本発明の第1実施形態による光線路の障害位置検出装置が設置された双方向WDM−PONの構成図である。
【0025】
図2を参照すると、WDM−PONの中央基地局(CO)には、各下り送信機(Tx)に連結されてAWGからなる多重化器(本実施形態では、C1 Nx1 AWGという)と、各上り受信機(Rx)に連結されてAWGからなる逆多重化器(本実施形態では、C2 Nx1 AWGという)と、が設置される。中間ノード(RN)には、多重化および逆多重化機能を行うAWGからなる多重化/逆多重化器(本実施形態では、R1 1xN AWGという)が設置されるが、R1 1xN AWGは、中央基地局のC1 Nx1 AWGおよびC2 Nx1 AWG、第1光線路11、並びに、受動型素子であるWDMカプラーを通して連結され、複数の第2光線路12を通して各加入者装置(ONU)にそれぞれ連結される。
【0026】
前記WDM−PONは、通常的な通信網構成図の一例であって、以下、その作動について説明する。
【0027】
中央基地局(CO)では、各データ信号が相互に異なる波長を有する下り送信機(Tx)の各光源によって下り光信号に変換され、それら各下り光信号がC1 Nx1 AWGによって多重化された後、中間ノード(RN)に伝送される。次いで、中間ノード(RN)から伝送される各上り光信号は、WDMカプラーを通して各下り光信号と分離された後、C2 Nx1 AWGで逆多重化されて上り受信機(Rx)に受信される。
【0028】
中間ノード(RN)のR1 1xN AWGでは、中央基地局(CO)から伝送された、多重化された各下り光信号を逆多重化して波長別に各加入者装置(ONU)に伝送し、各加入者装置(ONU)から伝送された多様な波長の上り光信号を多重化して中央基地局(CO)側に伝送する。
【0029】
加入者装置(ONU)は、最終使用者たちにサービスインターフェースを提供する光通信網の終端装置であって、中間ノード(RN)から伝送された下り光信号を電気信号に変換するための下り受信機(Rx)と、データ信号を上り光信号に変換して中間ノード(RN)に伝送するための上り送信機(Tx)と、から構成される。
【0030】
前記WDM−PONに設置される本発明の第1実施形態による光線路の障害位置検出装置100は、パルス発生器110と、2x1電気的スイッチ120と、受動素子130と、波長可変帯域通過フィルタ140と、制御器150と、監視信号用受信機160と、を含んで構成される。
【0031】
パルス発生器110は、制御器150から同期信号を受け、短いパルス幅および長い周期のパルス(以下、監視パルスという)を発生する。パルス幅は、光線路の障害位置を判別する空間分解能力を決定するが、空間分解能力は、下記の数学式1によって計算される。
【式1】
【0032】

ここで、Sは空間分解能力を、Cは真空状態における光速度を、nは光繊維の屈折率を、Wはパルス幅をそれぞれ示している。
【0033】
また、パルスの周期は、下記の数学式2によって測定される光線路の最大長さを決定するのに用いられる。
【式2】
【0034】

ここで、Rは測定された光線路の最大長さを、Cは真空状態における光速度を、nは光繊維の屈折率を、Tはパルスの周期をそれぞれ示している。
【0035】
2x1電気的スイッチ120は、各送信機に対して設置され、制御器150の制御信号によってデータ信号発生部またはパルス発生器110を光源と連結する。すなわち、光線路に障害がないときは、データ信号を下り光源に印加し、光線路に障害が発生すると、監視パルスを下り光源に印加する。
【0036】
受動素子130は、光循環器またはカプラーからなるが、中央基地局の多重化器であるC1 Nx1 AWGと受動型素子であるWDMカプラーとの間に設置され、第1光線路11または第2光線路12を通して伝送される信号が後方に散乱または反射されると、その後方に散乱または反射された信号の経路を変える。
【0037】
制御器150は、中央基地局のC2 Nx1 AWGに連結された各上り受信機における信号受信可否を確認することで非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、パルス発生器110、2x1電気的スイッチ120および波長可変帯域通過フィルタ140を制御する。各上り受信機の全てに信号が受信されない場合は、第1光線路11に障害が発生したことを意味し、それら各上り受信機のいずれか一つの受信機に信号が受信されない場合は、その受信機と同一のチャネルの第2光線路12に障害が発生したことを意味する。したがって、各上り受信機の全てに信号が受信されないと、中央基地局のC1 Nx1 AWGに連結された各下り送信機から選択されたいずれか一つの送信機の光源とパルス発生器110とが連結されるように2x1スイッチ120を制御することで、パルス発生器110から監視パルスを発生するように制御し、パルス発生器110から発生した監視パルスに該当する監視光信号をC1 Nx1 AWGに入力する。また、それら各上り受信機のいずれか一つの受信機に信号が受信されないと、その上り受信機と同一のチャネルに該当する送信機の光源とパルス発生器110とが連結されるように2x1スイッチ120を制御することで、パルス発生器110から監視パルスを発生するように制御し、監視光信号をC1 Nx1 AWGに入力する。したがって、監視光信号または監視光信号と一緒に他のチャネルの送信機から出力された各データ光信号は、C1 Nx1 AWGで多重化されて第1光線路11を通して伝送されるか、中間ノードのR1 1xN AWGで逆多重化されて第2光線路12を通して伝送される。このとき、C1 Nx1 AWGから出力された多重化信号は、第1光線路11の各位置から後方に散乱または反射されて受動素子130で経路が変わり、波長可変帯域通過フィルタ140に入力される。また、中間ノードのR1 1xN AWGで逆多重化された監視光信号は、第2光線路12の各位置から後方に散乱または反射されて他の光信号と一緒に中間ノードのR1 1xN AWGで多重化された後、第1光線路11を通して受動素子130を経て波長可変帯域フィルタ140に入力される。このように、波長可変帯域フィルタ140に各信号が入力されると、制御器150は、波長可変帯域通過フィルタ140の中心波長を監視光信号の波長に合せることで、監視光信号以外の各光信号を抑制して監視光信号の信号対雑音比を上昇する。波長可変帯域通過フィルタ140を通過した監視光信号は、監視信号用受信機160に入力される。
【0038】

【0039】
一方、中間ノードと加入者装置とを連結する一つ以上の第2光線路12から同時または連続的に障害が発生した場合、すなわち、各上り受信機の二つ以上の上り受信機に同時に信号が受信されないと、制御器150は、それら各上り受信機と同一のチャネルを有する各下り送信機の光源とパルス発生器110とが予め設定された順にしたがって連結されるように各2x1スイッチ120を制御する。また、制御器150は、波長可変帯域通過フィルタ140の中心波長をパルス発生器110に連結された下り送信機の波長に順次合せる。したがって、監視信号用受信機160では、各監視光信号に対する後方散乱信号を順次測定するようになる。このとき、各下り送信機の光源とパルス発生器110とを連結する順序は、如何なる方法に基づいてもよい。
【0040】
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態による光線路の障害位置検出装置が設置された単方向WDM−PONの構成図である。
【0041】
本実施形態の技術的思想は、前述した第1実施形態の技術的思想と同一であるが、WDM−PONの構成が異なり、光線路の障害位置検出装置の構成および作動において多少の差がある。よって、本実施形態を説明するにおいて、前述した第1実施形態と反復される部分の説明は省略する。
【0042】
図3を参照すると、WDM−PONの中央基地局(CO)には、各下り送信機に連結されてAWGからなる多重化器(本実施形態では、C1 Nx1 AWGという)と、各上り受信機に連結されてAWGからなる逆多重化器(本実施形態では、C2 Nx1 AWGという)と、が設置される。中間ノード(RN)には、加入者装置の各下り受信機に連結されてAWGからなる逆多重化器(本実施形態では、R1 1xN AWGという)と、加入者装置の各上り送信機に連結されてAWGからなる多重化器(本実施形態では、R2 1xN AWGという)と、が設置される。C1 Nx1 AWGおよびR1 1xN AWGは、第1光線路21を通して連結され、C2 Nx1 AWGおよびR2 1xN AWGは、第2光線路22を通して連結される。また、R1 1xN AWGは、第3光線路23を通して各加入者装置(ONU)の下り受信機に連結され、R2 1xN AWGは、第4光線路24を通して各加入者装置(ONU)の上り送信機に連結される。このとき、第1光線路21および第2光線路22、そして、第3光線路23および第4光線路24は、一緒に布設される。
【0043】
本実施形態のWDM−PONと第1実施形態のWDM−PONとを比較すると、第1実施形態の中間ノードでは、多重化/逆多重化器を使用したが、本実施形態の中間ノードでは、多重化器および逆多重化器をそれぞれ使用しており、第1実施形態のWDM−PONは、双方向システムとして単一の第1光線路およびWDMカプラーを用いて上り信号と下り信号とを分離したが、本実施形態のWDM−PONは、単方向システムとして下り信号が第1光線路21および第3光線路23を通して伝送され、上り信号が第2光線路22および第4光線路24を通して伝送される点に差がある。
【0044】
前述したWDM−PONに設置される本発明の第2実施形態による光線路の障害位置検出装置100も、第1実施形態と同様に、パルス発生器110と、2x1電気的スイッチ120と、受動素子130と、波長可変帯域通過フィルタ140と、制御器150と、監視信号用受信機160と、を含んで構成され、その機能も同一である。ただ、制御器150は、第4光線路24および第2光線路22を通して伝送される信号がC2 Nx1 AWGに連結された各上り受信機に受信されるか否かによって光線路の障害を検出し、監視光信号が第1光線路21および第3光線路23を通して伝送されながら障害位置を検出する点に差がある。これは、第1光線路21および第2光線路22が一緒に布設された場合、外部の物理的な衝撃によって第2光線路22に障害が発生すると、第1光線路21にも障害が発生するようになり、第1光線路21の障害位置と第2光線路22の障害位置とがほぼ同一である点を用いたものである。また、第4光線路24に障害が発生すると、第3光線路23にも障害が発生するようになり、第3光線路23の障害位置と第4光線路24の障害位置とがほぼ同一である点を用いたものである。
【0045】
[第3実施形態]
図4は、本発明の第3実施形態による光線路の障害位置検出装置が設置された単方向WDM−PONの構成図である。
【0046】
本実施形態は、第2実施形態と同一のWDM−PONに、本発明による光線路障害検出装置100を各チャネル別に設置したものである。このように、各チャネル別に光線路の障害検出装置が設置されることで、第2実施形態における波長可変帯域フィルタが必要でなくなり、中間ノードと加入者装置とを連結する一つ以上の第3光線路から同時または連続的に障害が発生した場合も、同時に障害位置を検出することができる。
【0047】
[第4実施形態]
図5は、本発明の第4実施形態による光線路の障害位置検出装置が設置された双方向WDM−PONの構成図である。
【0048】
本実施形態の技術的思想は、前述した各実施形態の技術的思想と同一であるが、WDM−PONの構成が異なり、光線路の障害位置検出装置の構成および作動において多少の差がある。よって、本実施形態を説明するにおいて、前述した第1実施形態と反復される部分の説明は省略する。
【0049】
図5を参照すると、WDM−PONの中央基地局(CO)には、AWGからなる多重化/逆多重化器(本実施形態では、C1 Nx1 AWGという)が設置されるが、このC1 Nx1 AWGの各ポートには、WDMカプラー、下り送信機および上り受信機が一つのセットをなして連結される。中間ノード(RN)には、第1光線路31を通して中央基地局のC1 Nx1 AWGに連結されてAWGからなる多重化/逆多重化器(本実施形態では、R1 1xN AWGという)が設置される。このR1 1xN AWGは、複数の第2光線路32を通して各加入者装置にそれぞれ連結される。
【0050】
本実施形態のWDM−PONと第1実施形態のWDM−PONとを比較すると、第1実施形態の中央基地局では、多重化器および逆多重化器を使用したが、本実施形態の中央基地局では、多重化/逆多重化器を使用しており、その多重化/逆多重化器に下り送信機および上り受信機をそれぞれ連結し、多重化/逆多重化器に入力される下り信号と多重化/逆多重化器を通して出力される上り信号とを分離するためにWDMカプラーを使用した。
【0051】
前述したWDM−PONに設置される本発明の第4実施形態による光線路の障害位置検出装置100は、パルス発生器110と、2x1電気的スイッチ120と、受動素子であるWDMカプラー130と、制御器150と、監視信号用受信機160と、を含んで構成され、その機能も同一である。ただ、光線路の障害位置検出装置100がWDMカプラー、下り送信機および上り受信機のセットごとに、すなわち、各チャネルごとに設置され、後方に散乱または反射された監視光信号の経路を変える受動素子130が下り送信機とWDMカプラーとを連結する光線路33に設置され、その受動素子130に監視信号用受信機160が直接連結されることを特徴とする。すなわち、本実施形態によると、各チャネル別に光線路の障害検出装置が設置されるので、波長可変帯域フィルタが必要でなくなる。
【0052】
本実施形態の光線路の障害検出装置は、各チャネルに対してそれぞれ設置されるので、中間ノードと加入者装置とを連結する一つ以上の第2光線路32から同時または連続的に障害が発生した場合、前述した第1実施形態のように、一つずつ順次測定するのではなく、同時に測定することができる。
【0053】
図6は、WDN−PONに多様な種類の下り光源を監視光源として使用した場合、本発明による光線路の障害位置検出装置の性能を測定したグラフである。
【0054】
本発明による光線路の障害位置検出装置の性能は、測定できる光線路の最大損失値であるダイナミックレンジ(dynamic range)にて定義される。
【0055】
下り光源には、既存のWDM−PON用光源として使用される波長選択性分散帰還レーザ(distributed feedback laser diode:DFB−LD)、ASE注入方式ファブリ・ペローレーザ(ASE−injected Fabry−Perot laser diode;ASE−injected FP−LD)、スペクトル分割方式発光ダイオード(spectrum−sliced light emitting diode;spectrum−sliced LED)、多周波数レーザ(multi−frequency laser)を使用した。
【0056】
図6を参照すると、本発明による光線路の障害位置検出装置は、光源の種類と関係なしに、監視光源の最大光量のみに依存するが、光源の最大光量が通信網の損失値を測定できる程度であれば、本発明による光線路の障害位置検出装置を使用することができる。
【0057】
図7は、障害の発生時、本発明による光線路の障害位置検出装置によって監視パルスが印加された場合の結果を測定したグラフである。
【0058】
図7を参照すると、光線路に障害が発生すると、本発明による光線路の障害位置検出装置の制御器が障害を発見し、下り送信機の光源に連結された2x1電気的スイッチの経路を変えることで、下りデータ信号の代わりに監視パルスが下り光源に印加されることが分かる。
【0059】
障害の発生時間と下りデータ信号の遮断時間との間隔は、主に制御器が障害を判断するのに要する時間である。制御器は、上り受信機で上り光信号の受信状態を監視して上り光信号が受信されないときを障害と判断するが、上り光信号が障害位置から上り受信機まで到達するのに要する時間が遅延されるので、その遅延された時間だけ制御器における障害判断時間が遅延される。また、制御器で障害を判断した後、下り送信機のスイッチ状態を変えるので、障害の発生時間と下りデータ信号の遮断時間との間には、多少の時間遅延がさらに発生する。
【0060】
図8は、本発明による光線路の障害位置検出装置を用いて測定した監視光信号の波形図である。
【0061】
図8を参照すると、図面符号‘a’は、光線路に障害がないときに測定された信号の波形で、中央基地局と中間ノードとを連結する光線路の長さおよび損失値、中間ノードのAWGから反射される信号の強さおよび中間ノードのAWGにおける損失値、中間ノードと加入者装置とを連結する光線路の長さおよび損失値、並びに、加入者装置から反射される信号の強さが距離によって表示される。
【0062】
図面符号‘b’は、中間ノードと加入者装置とを連結する光線路から障害が発生したときに測定された波形である。図面符号‘b’を参照すると、中央基地局と中間ノードとの間の光線路の長さおよび損失値、並びに、中間ノードのAWGから反射される信号の強さおよび中間ノードのAWGにおける損失値は、障害がないときと同様に示される。しかし、中間ノードと加入者装置との間の光線路から障害が発生したので、障害の発生位置で信号波形が消え、加入者装置までは信号波形が表れていない。また、障害は、光線路の曲がりによって発生したので、障害位置から大きく反射される信号が表れなくなる。よって、本発明による光線路の障害検出装置を用いると、光線路の曲がりのように、大きな反射がない場合も、障害位置を把握することができる。
【0063】
図面符号‘c’は、中央基地局と中間ノードとを連結する光線路から障害が発生したときに測定された波形である。図面符号‘c’を参照すると、中央基地局と中間ノードとの間の障害位置で信号が消えたことが分かる。このとき、障害は、光線路の切断によって発生したので、障害位置から大きく反射された信号が生成される。よって、本発明による光線路の障害検出装置を用いると、光線路の切断のように、障害位置で大きな反射信号を生成する障害がある場合も、障害位置を把握することができる。
【0064】
すなわち、図8のように測定された各波形から光線路の各位置における損失およびその発生位置を知ることができ、中央基地局と中間ノードとを連結する光線路障害だけでなく、中間ノードと各加入者装置とを連結する光線路から発生した障害までも正確に知ることができる。
【0065】
図9は、本発明による光線路の障害位置検出装置が設置されたWDN PONにおける上り光信号および下り光信号の伝送品質を測定したグラフである。
【0066】
すなわち、図9のグラフは、特定のチャネルで障害が発生し、そのチャネルに障害位置を監視するための監視光信号を送出するとき、その監視光信号が障害の発生しないチャネルを通したデータ信号の伝送品質に与える影響を察するために、上り光信号および下り光信号のビットエラー率(Bit Error Rate;BER)を測定したものである。監視光信号の有無に関係なく、データを受信する受信機における受信光量およびビットエラー率が同一であると、監視光信号がデータ伝送に与える影響がないことを意味する。本実験のために、上りデータ信号は、LEDを155Mb/sの変調速度で直接変調して伝送し、下りデータ信号は、DFB−LDを2.5Gb/sの変調速度で直接変調して伝送した。
【0067】
図9を参照すると、監視光信号の有無に関係なく、上り光信号および下り光信号のビットエラー率および受信光量が同一であるので、監視光信号がデータ伝送に及ぼす影響はなく、データ伝送中にも監視活動を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、本発明によるWDM−PONの光線路の障害位置検出装置は、障害が発生したチャネルの下り光源を監視光源として使用するため、波長が多重化されて伝送される中央基地局と中間ノードとの間の光線路障害位置だけでなく、波長が分割されて伝送される中間ノードと各加入者との間の光線路障害位置までも検出することで、追加的な光源が必要でなく、光線路の障害位置検出装置を経済的に実現することができる。
【0069】
また、本発明によるWDM−PONの光線路の障害位置検出装置は、中央基地局に設置されることで、障害の発生時、障害を直ちに感知し、設置、管理および障害に対する対策を迅速に設け、正常に動作する各チャネルを遮断する必要なしに、正常なデータ伝送中に監視活動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】従来の波長分割多重方式受動型光加入者通信網の構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態による光線路の障害位置検出装置が設置された双方向波長分割多重方式受動型光加入者通信網の構成図である。
【図3】本発明の第2実施形態による光線路の障害位置検出装置が設置された単方向波長分割多重方式受動型光加入者通信網の構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態による光線路の障害位置検出装置が設置された単方向波長分割多重方式受動型光加入者通信網の構成図である。
【図5】本発明の第4実施形態による光線路の障害位置検出装置が設置された双方向波長分割多重方式受動型光加入者通信網の構成図である。
【図6】波長分割多重方式受動型光加入者通信網に多様な種類の下り光源を監視光源として使用した場合、本発明による光線路の障害位置検出装置の性能を測定したグラフである。
【図7】障害の発生時、本発明による光線路の障害位置検出装置によって監視パルスが印加された場合の結果を測定したグラフである。
【図8】本発明による光線路の障害位置検出装置を用いて測定した監視光信号の波形図である。
【図9】本発明による光線路の障害位置検出装置が設置された波長分割多重方式受動型光加入者通信網における上り光信号および下り光信号の伝送品質を測定したグラフである。
【符号の説明】
【0071】
100 光線路の障害位置検出装置
110 パルス発生器
120 2x1スイッチ
130 受動素子
140 波長可変帯域通過フィルタ
150 制御器
160 監視信号用受信機
11,12,21,22,23,24,31,32,33 光線路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
各下り送信機および各上り受信機が設置された中央基地局と、前記中央基地局と光線路によって連結される中間ノードと、前記中間ノードと別途の光線路によって連結される各加入者装置と、を含んで構成される波長分割多重方式受動型光加入者通信網のための光線路の障害位置検出装置は;
前記各上り受信機に受信された信号のうち、非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、非正常の受信状態を示すチャネルに該当する下り送信機の光源にパルスを入力して生成された監視光信号を前記中央基地局から出力することで、前記監視光信号が前記中央基地局と前記中間ノードとを連結する光線路を通して伝送されるか、前記中間ノードと前記各加入者装置とを連結する光線路を通して伝送されるときの時間による大きさを測定し、光損失および障害位置を把握することを特徴とする光線路の障害位置検出装置。
【請求項2】
各下り送信機に連結される多重化器および各上り受信機に連結される逆多重化器を備えた中央基地局と、第1光線路および受動型素子を通して前記多重化器、および前記逆多重化器に連結される多重化/逆多重化器を備えた中間ノードと、複数の第2光線路を通して前記多重化/逆多重化器にそれぞれ連結される各加入者装置と、を含む波長分割多重方式受動型光加入者通信網に対する光線路の障害位置検出装置は:
前記各上り受信機に受信された信号のうち、非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、非正常の受信状態を示すチャネルに該当する下り送信機の光源にパルスを入力して生成された監視光信号を前記中央基地局の多重化器に入力することで、前記監視光信号が前記第1光線路または第2光線路を通して伝送されるときの時間による大きさを測定して光損失値を測定し、光損失および障害位置を把握することを特徴とする光線路の障害位置検出装置。
【請求項3】
前記光線路の障害位置検出装置は:
パルスを発生するパルス発生器と;
各下り送信機に対して設置され、データ信号発生部または前記パルス発生器と下り送信機の光源とを連結する2x1スイッチと;
前記多重化器と前記受動型素子との間に設置され、前記多重化器を通して出力された前記監視光信号が後方に散乱または反射されると、その後方に散乱または反射された監視光信号の経路を変える受動素子と;
前記受動素子に連結される波長可変帯域通過フィルタと;
前記各上り受信機における信号受信可否を確認することで非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、前記各上り受信機の全てに信号が受信されないと、前記各下り送信機から選択されたいずれか一つの下り送信機の光源と前記パルス発生器とが連結されるように、かつ、前記各上り受信機のいずれか一つの上り受信機に信号が受信されないと、その上り受信機と同一のチャネルを有する下り送信機の光源と前記パルス発生器とが連結されるように、前記2x1スイッチを制御し、前記波長可変帯域通過フィルタの中心波長を前記監視光信号の波長に合せる制御器と;
前記波長可変帯域通過フィルタから前記監視光信号を受けて電気信号に変換し、時間による大きさの変化を前記第1光線路または第2光線路の距離による光損失値に換算して出力する監視信号用受信機と;を含んで構成されることを特徴とする請求項2記載の光線路の障害位置検出装置。
【請求項4】
前記制御器は、
前記各上り受信機の二つ以上の上り受信機に同時に信号が受信されないと、前記各上り受信機と同一のチャネルを有する各下り送信機の光源と前記パルス発生器とが予め設定された順にしたがって連結されるように前記2x1スイッチを制御し、前記波長可変帯域通過フィルタの中心波長を前記パルス発生器に連結された下り送信機の波長にそれぞれ合せることを特徴とする請求項3記載の光線路の障害位置検出装置。
【請求項5】
各下り送信機に連結される多重化器および各上り受信機に連結される逆多重化器を備えた中央基地局と、第1光線路を通して前記中央基地局の多重化器に連結される逆多重化器、および前記第1光線路と一緒に布設される第2光線路を通して前記中央基地局の逆多重化器に連結される多重化器を備えた中間ノードと、第3光線路を通して前記中間ノードの逆多重化器に連結される下り受信機、および前記第3光線路と一緒に布設される第4光線路を通して前記中間ノードの多重化器に連結される上り送信機を備えた各加入者装置と、を含む波長分割多重方式受動型光加入者通信網に対する光線路の障害位置検出装置は:
前記各上り受信機に受信された信号のうち、非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、非正常の受信状態を示すチャネルに該当する下り送信機の光源にパルスを入力して生成された監視光信号を前記中央基地局の多重化器に入力することで、前記監視光信号が前記第1光線路または第3光線路を通して伝送されるときの時間による大きさを測定して光損失値を測定し、光損失および障害位置を把握することを特徴とする光線路障害位置検出装置。
【請求項6】
前記光線路の障害位置検出装置は:
パルスを発生するパルス発生器と;
各下り送信機に対して設置され、データ信号発生部または前記パルス発生器と下り送信機の光源とを連結する2x1スイッチと;
前記第1光線路に設置され、前記中央基地局の多重化器を通して出力された前記監視光信号が後方に散乱または反射されると、その後方に散乱または反射された監視光信号の経路を変える受動素子と;
前記受動素子に連結される波長可変帯域通過フィルタと;
前記各上り受信機における信号受信可否を確認することで非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、前記各上り受信機の全てに信号が受信されないと、前記各下り送信機から選択されたいずれか一つの下り送信機の光源と前記パルス発生器とが連結されるように、かつ、前記各上り受信機のいずれか一つの上り受信機に信号が受信されないと、その上り受信機と同一のチャネルを有する下り送信機の光源と前記パルス発生器とが連結されるように前記2x1スイッチを制御し、前記波長可変帯域通過フィルタの中心波長を前記監視光信号の波長に合せる制御器と;
前記波長可変帯域通過フィルタから前記監視光信号を受けて電気信号に変換し、時間による大きさの変化を前記第1光線路または第3光線路の距離による光損失値に換算して出力する監視信号用受信機と;を含んで構成されることを特徴とする請求項5記載の光線路の障害位置検出装置。
【請求項7】
前記制御器は、
前記各上り受信機の二つ以上の上り受信機に同時に信号が受信されないと、前記各上り受信機と同一のチャネルを有する各下り送信機の光源と前記パルス発生器とが予め設定された順にしたがって連結されるように前記2x1スイッチを制御し、前記波長可変帯域通過フィルタの中心波長を前記パルス発生器に連結された下り送信機の波長にそれぞれ合せることを特徴とする請求項6記載の光線路の障害位置検出装置。
【請求項8】
前記光線路の障害位置検出装置は、各チャネル別に設置され、
パルスを発生するパルス発生器と;
データ信号発生部または前記パルス発生器と下り送信機の光源とを連結する2x1スイッチと;
下り送信機と前記中央基地局の多重化器とを連結する光線路に設置され、前記中央基地局の多重化器を通して出力された前記監視光信号が後方に散乱または反射されると、その後方に散乱または反射された監視光信号の経路を変える受動素子と;
上り受信機における信号受信可否を確認した結果、非正常の受信状態を示すと、下り送信機の光源とパルス発生器とが連結されるように前記2x1スイッチを制御する制御器と;
前記受動素子から前記監視光信号を受けて電気信号に変換し、時間による大きさの変化を前記第1光線路または第3光線路の距離による光損失値に換算して出力する監視信号用受信機と;を含んで構成されることを特徴とする請求項5記載の光線路の障害位置検出装置。
【請求項9】
受動型素子、下り送信機および上り受信機が一つのセットをなして各ポートに連結される多重化/逆多重化器を備えた中央基地局と、第1光線路を通して前記中央基地局の多重化器/逆多重化器に連結される多重化/逆多重化器を備えた中間ノードと、複数の第2光線路を通して前記中間ノードの第2多重化/逆多重化器にそれぞれ連結される各加入者装置と、を含む波長分割多重方式受動型光加入者通信網に対する光線路の障害位置検出装置は:
前記各上り受信機に受信された信号のうち、非正常の受信状態を示すチャネルを確認し、非正常の受信状態を示すチャネルに該当する下り送信機の光源にパルスを入力して生成された監視光信号を前記中央基地局の多重化/逆多重化器に入力することで、前記監視光信号が前記第1光線路または第2光線路を通して伝送されるときの時間による大きさを測定して光損失値を測定し、光損失および障害位置を把握することを特徴とする光線路の障害位置検出装置。
【請求項10】
前記光線路の障害位置検出装置は、前記各受動型素子、下り送信機および上り受信機のセットに対して設置され、
パルスを発生するパルス発生器と;
データ信号発生部または前記パルス発生器と下り送信機の光源とを連結する2x1スイッチと;
下り送信機と受動型素子とを連結する光線路に設置され、前記中央基地局の多重化/逆多重化器を通して出力された前記監視光信号が後方に散乱または反射されると、その後方に散乱または反射された監視光信号の経路を変える受動素子と;
上り受信機における信号受信可否を確認した結果、非正常の受信状態を示すと、下り送信機の光源とパルス発生器とが連結されるように前記2x1スイッチを制御する制御器と;
前記受動素子から前記監視光信号を受けて電気信号に変換し、時間による大きさの変化を前記第1光線路または第2光線路の距離による光損失値に換算して出力する監視信号用受信機と;を含んで構成されることを特徴とする請求項9記載の光線路の障害位置検出装置。
【請求項11】
前記多重化器、前記逆多重化器または前記多重化/逆多重化器は、導波路型回折格子からなることを特徴とする請求項2、5または9のいずれかに記載の光線路の障害位置検出装置。
【請求項12】
前記受動型素子は、WDMカプラーであることを特徴とする請求項2または9のいずれかに記載の光線路の障害位置検出装置。
【請求項13】
前記受動素子は、光循環器またはカプラーであることを特徴とする請求項3、6、8または10のいずれかに記載の光線路の障害位置検出装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−287888(P2006−287888A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135260(P2005−135260)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(304051285)コリア アドバンスト インスティチュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (32)
【Fターム(参考)】