説明

波長可変モジュール

【課題】 フィルタ交換式波長可変モジールの提供
【解決手段】 対向するファイバーコリメータの平行光路直下に回動自在な支軸を配置する。干渉フィルタを内蔵するフィルタユニットをこの支軸に嵌合固定する。支軸と一体の回動片にマイクロメーターヘッドの先端を当接する。モジュール本体に斜めに配置したこのヘッドを微回転することで干渉フィルタの光路内での傾き角度を変化させる。
【効果】 所定の透過特性を有するフィルタユニットに交換できる光学モジールは光多重通信等に大いなる福音となる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は光通信や光学分析等に使用に透過波長可変モジュールに関する。ファイバーコリメータ系に異なる透過特性を有するフィルタユニットを交換自在に配置する。
【0002】
【従来の技術】
対向するファイバーコリメータの平行光路内にフィルタユニットを固定する。
干渉フィルタの傾き角度を変更することはできない。異なるフィルタユニットをこの平行光路内に交換自在に配置する方式が検討されてきた。予め異なる傾き角度のフィルタユニット群や,透過特性の異なるフィルタユニット群が必要になる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
平行光路内で干渉フィルタの傾き角度を任意に設定する光学モジールは,傾き角度の高精度制御が要求される。この干渉フィルタを内蔵するフィルタユニットを交換可能にするには更なる精度が必要となる。本考案はこの高精度光学モジールを提供するもので以下図面に基づいて詳しく説明する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
対向配置したファイバーコリメータの平行光路直下に,回動片と一体の支軸を回動自在に配置し,干渉フィルタを内蔵したフィルタユニットをこの支軸に交換自在に取り付け,モジュール本体に対して斜めに配置したマイクロメーターヘッドの先端を,上記回動片に当接する。
【0005】
【考案の実施の形態】
モジュール本体4にファイバーコリメータ8,8を対向配置する。このコリメータ間の平行光路直下に,フランジ12付きの支軸3を回動自在に取り付ける(第3図)。支軸3の頭部にフィルタユニット2が嵌合する。支軸3と一体の回動片5にマイクロメーターヘッド6の先端を当接する。モジュール本体4に斜めに配置されるこのマイクロメーターヘッド6は,回しやすく目盛りも読みやすい。
スプリング13の弾力により,マイクロメーターヘッド6の先端は常に回動片5に当接保持される。マイクロメーターヘッド6の微量回転に伴って支軸3は回動する。回動片5から伸びる枝片14の先端にボールプランジャ7を進退自在に取り付け,支軸3に嵌合したフィルタユニット2をこのボールプランジャ7にて固定する。透過特性の異なる干渉フィルタ1を夫々内蔵するフィルタユニット2群が予め用意される。
次に作動について説明する。所定のフィルタユニット2を支軸3の頭部に嵌合し,側面の凹部にボールプランジャ7を押しつけて固定する。平行光路中央の直下に支軸3が位置するため,回動する干渉フィルタ1は平行光路内に常に位置しえる。支軸3の微回動に伴って干渉フィルタ1は微回転し,平行光路に対する傾き角度を変える。干渉フィルタ1の傾き変更により透過スペクトルはシフトする。支軸3と一体の回動片5にマイクロメーターヘッド6の先端が当接するため,ヘッド6の回転量に比例してフィルタユニット2は微回転する。この微回転量はヘッド6の目盛りを目視しながら調整できる。
【0006】 第4,5図はスライダ方式の実施例である。モジュール本体4内にスライダ9を摺動自在に配置し,このスライダ9にフィルタユニット2を交換自在に取り付ける。モジュール本体4に対して水平配置したマイクロメーターヘッド6の先端をスライダ9に固定する。干渉フィルタ1は平行光路の透過位置を変えることで,透過スペクトルをシフトさせる。ヘッド6を回転するとスライダ9が移動して透過波長は変わる。
第6図の実施例は,フィルタユニット2内に納められた干渉フィルタ1自身が回動自在に配置されたもので,ファイバーコリメータ8,8間の平行光路中央にこのフィルタユニット2を交換自在に取り付けてある。干渉フィルタ1の回動軸15をマイクロメーターヘッド6の先端に嵌合する。ヘッド6の微回転により干渉フィルタ1も等量微回動する。ヘッド6は位置決め台16にて支承される。
フィルタユニット2を交換する時に,マイクロメーターヘッド6と一体の位置決め台16を後退させる。新しいフィルタユニット2を平行光路内にセット後に,位置決め台16を上方(第6図)に臨ませ,回動軸15をヘッド6先端に嵌合する。
【0007】
【考案の効果】
要するに,本考案は交換自在なフィルタユニット2と,対向配置したファイバーコリメータ8と,平行光路内にフィルタユニット2を回動自在に支承する支軸3と,この支軸3から伸びる回動片5にマイクロメーターヘッド6の先端を当接したため,予め用意したフィルタユニット2に簡単に変更することができ,ヘッド6の目盛りを見ながら干渉フィルタ1を微回転させることができる。モジュール本体4に対してマイクロメーターヘッド6を傾け配置するため,ヘッド6の微回転と目盛り確認が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平面図である。
【図2】正面図である。
【図3】第2図のA−A断面図である。
【図4】スライダ方式の実施例の平面図である。
【図5】スライダ方式の実施例の一部省略正面図である。
【図6】フィルタユニット内の干渉フィルタを回動自在に配置した実施例の平面図である。
【符号の説明】
1 干渉フィルタ
2 フィルタユニット
3 支軸
4 モジュール本体
5 回動片
6 マイクロメーターヘッド
7 ボールプランジャ
8 ファイバーコリメータ
9 スライダ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 交換自在なフィルタユニット2と,対向配置したファイバーコリメータ8と,平行光路内にフィルタユニット2を回動自在に支承する支軸3と,この支軸3から伸びる回動片5にマイクロメーターヘッド6の先端を当接してなる,波長可変モジュール。
【請求項2】 対向配置したファイバーコリメータ8の平行光路直下に,回動片5と一体の支軸3を回動自在に配置し,干渉フィルタ1を内蔵したフィルタユニット2をこの支軸3に交換自在に取り付け,モジュール本体4に対して斜めに配置したマイクロメーターヘッド6の先端を,上記回動片5に当接してなる,波長可変モジュール。
【請求項3】 対向配置したファイバーコリメータ8の平行光路直下に,光路に直交するスライダ9をモジュール本体4内に摺動自在に配置し,このスライダ9にフィルタユニット2を交換自在に取り付け,マイクロメーターヘッド6等の先端をこのスライダ9に当接してなる,波長可変モジュール。
【請求項4】 フィルタユニット2内に干渉フィルタ1を回動自在に配置し,対向配置したファイバーコリメータ8の平行光路内にこのフィルタユニット2を交換自在に配置し,マイクロメーターヘッド6の先端を干渉フィルタ1の回動支軸15に取り付けてなる,波長可変モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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