説明

洗浄装置

【課題】環境安全性に優れ、洗浄溶剤の消費量を低減できると共に、ワークの蒸気洗浄及び乾燥をより効果的に行うことができる洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄溶剤を用いてワークを洗浄する洗浄槽12と、洗浄槽12から分離して配置されると共に洗浄溶剤の蒸気を発生させる蒸気発生槽52とを有している。この洗浄装置において、洗浄槽12は、下部に設けられて洗浄溶剤の液体でワークを洗浄する液体洗浄エリア16と、中間部に設けられて洗浄溶剤の蒸気でワークを洗浄する蒸気洗浄エリア18と、上部に設けられて洗浄溶剤の蒸気を冷却して洗浄溶剤を液化させる蒸気冷却エリア20とを少なくとも備えている。また、洗浄槽12と蒸気発生槽52との間には、蒸気発生槽52で発生させた蒸気を蒸気洗浄エリア18に供給するための第1配管54が設けられ、その第1配管54は、蒸気洗浄エリア18側の取付位置22よりも蒸気発生槽14側の取付位置56の方が低くなるように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関し、更に詳しくは、電子部品、精密部品、金属部品、プリント配線基板、ガラス基板その他の各種被洗浄物(ワーク)を洗浄処理することができる洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品、精密部品、金属部品、プリント配線基板、ガラス基板その他の各種被洗浄物(以下、「ワーク」という。)を洗浄処理するための洗浄装置が従来から提案されている。図5は、特許文献1で提案された従来の洗浄装置を示す概略図である。図5に示す洗浄装置は、その装置内に、洗浄用の溶剤104(以下、本発明では洗浄溶剤という。)の蒸気100Aを発生させる蒸気発生槽108と、蒸気発生槽108で発生した洗浄溶剤蒸気100Aを被洗浄対象物102に接触させて蒸気洗浄を行う蒸気洗浄ゾーン106と、低温凝縮コイル111を用いて洗浄溶剤蒸気100Aで洗浄後の被洗浄対象物102の乾燥を行う乾燥ゾーン110とを含む洗浄装置である。そして、この洗浄装置は、蒸気発生槽108で発生した洗浄溶剤蒸気100Aを加熱させる放熱器120を加熱手段として設け、その放熱器120で加熱した洗浄溶剤蒸気100Aを蒸気洗浄ゾーン106に送るように構成されている。この洗浄装置で洗浄される被洗浄対象物102は、温度があまり下がらないので、被洗浄対象物102の表面に洗浄溶剤が再び凝縮することがなく、その結果、被洗浄対象物102の表面のシミが生じ難く、洗浄溶剤の消費量も減らすことができるとされている。
【0003】
一方、図6は、特許文献2で提案された従来の洗浄装置を示す概略図である。図6に示す洗浄装置は、上部にワーク出入口205が形成され、下部に溶剤200Aを貯溜する洗浄槽206が形成されると共に、中間部に冷却手段207が配設されて、該冷却手段207と洗浄槽206の溶剤200A液面との間に処理エリア208が形成されたタンク本体201を備えている。そして、ワーク210の蒸気洗浄時にのみ処理エリア208に溶剤蒸気200aを供給する蒸気供給手段215を備えるようにしたことによって、蒸気発生による自然ロスを低減させることができるとされている。
【0004】
図5及び図6に示す形態の洗浄装置では、洗浄溶剤液中で洗浄された後に上方に引き上げられたワークは、蒸気洗浄ゾーンで洗浄溶剤蒸気で洗浄され、その後、さらにその上方に設けられた乾燥ゾーンで冷却乾燥される。この乾燥ゾーンでは、洗浄溶剤蒸気を冷やして凝縮することで、洗浄溶剤蒸気の蒸気圧を下げ、ワークの表面に凝縮していた洗浄溶剤滴を気化させることで乾燥が行われる。
【特許文献1】特開2000−318244号公報
【特許文献2】特開2005−74319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記洗浄装置に用いられる洗浄溶剤としては、従来のトリクロロエチレンや塩化メチレン(化学式CHClで示されるメチレンクロライド)に代えて、HFC(ハイドロ・フルオロ・カーボン)やHFE(ハイドロ・フルオロ・エーテル)等のフッ素系溶剤や臭素系溶剤(主成分n−プロピルブロマイド)等のような高価なものが用いられる傾向にある。そのため、洗浄装置には、洗浄溶剤の消費量をより低減させるための改良が要請されている。
【0006】
しかしながら、従来の洗浄装置では必ずしも上記要請を満足させるものではなく、また、ワークの蒸気洗浄と乾燥をより効果的に行うことができる洗浄装置の開発が近年特に要請されている。特に、蒸気洗浄ゾーンでは、洗浄溶剤を蒸気状態に維持して蒸気洗浄をより効率的に行うための改良が要請され、また、乾燥ゾーンでは、ワークを効果的に冷却して乾燥するための改良が要請されている。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、洗浄溶剤の消費量を低減できると共に、ワークの蒸気洗浄及び乾燥をより効果的に行うことができる洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の洗浄装置は、洗浄溶剤を用いてワークを洗浄する洗浄槽と、当該洗浄槽から分離して配置されると共に前記洗浄溶剤の蒸気を発生させる蒸気発生槽とを有し、前記洗浄槽は、当該洗浄槽の下部に設けられて前記洗浄溶剤の液体でワークを洗浄する液体洗浄エリアと、当該洗浄槽の中間部に設けられて前記洗浄溶剤の蒸気でワークを洗浄する蒸気洗浄エリアと、当該洗浄槽の上部に設けられて前記洗浄溶剤の蒸気を冷却して当該洗浄溶剤を液化させる蒸気冷却エリアと、さらにその上部のワーク出入口とを少なくとも備えており、前記洗浄槽と前記蒸気発生槽との間には、当該蒸気発生槽で発生させた蒸気を前記蒸気洗浄エリアに供給するための第1配管が設けられ、前記第1配管は、当該蒸気洗浄エリア側の取付位置よりも当該蒸気発生槽側の取付位置の方が低くなるように設けられていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、洗浄槽と蒸気発生槽とを分離配置し、両槽を第1配管で接続したので、高温の蒸気発生槽の熱が洗浄槽に伝わって洗浄槽が温められるのを防ぐことができる。また、第1配管は、蒸気洗浄エリア側の取付位置よりも蒸気発生槽側の取付位置の方が低くなるように設けられているので、蒸気発生槽で発生した蒸気は第1配管内を上昇して蒸気洗浄エリア内に供給されるが、第1配管内で凝縮した温度の高い液状の洗浄溶剤は、洗浄槽に入ることなく蒸気発生槽に戻る。このことは、所定の温度に設定される液体洗浄エリアの洗浄溶剤の温度を安定なものとするので、液体洗浄エリアでのワークの洗浄を安定した状態で行うことができる。
【0010】
本発明の洗浄装置において、前記第1配管が樹脂材料からなるものであることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、第1配管が熱伝導率の低い樹脂材料からなるので、第1配管の両側に配置される両槽(洗浄槽と蒸気発生槽)の温度が乱されることがない。その結果、例えば蒸気発生槽の高い温度が洗浄槽に伝わることによる処理温度の変動を防ぐことができると共に、洗浄槽の温度が蒸気発生槽に伝わることによる蒸気発生効率の低下等を防ぐことができる。
【0012】
本発明の洗浄装置においては、前記洗浄槽には、前記蒸気冷却エリアで液化された洗浄溶剤を回収する回収手段と、当該回収手段で回収される洗浄溶剤を、前記洗浄槽から分離して配置される水分離槽に送る第2配管とが設けられ、前記水分離槽には、前記回収手段で回収された洗浄溶剤から水を分離する分離手段が設けられている構成とすることができる。
【0013】
この発明によれば、水を含む洗浄溶剤を液体洗浄エリア内の洗浄溶剤と混合させることなく回収できる。その結果、液体洗浄エリアでのワークの洗浄を安定した状態で行うことができる。
【0014】
本発明の洗浄装置においては、前記洗浄槽と前記蒸気発生槽との間に、当該洗浄槽の液体洗浄エリア内に貯まる洗浄溶剤の余剰量を前記蒸気発生槽に送るための配管を設けた場合には、当該配管が水封構造で設けられている構成とすることができる。
【0015】
この発明によれば、上記配管が両槽の温度干渉を遮断することができる水封構造となっているので、両槽それぞれの処理条件を変動させることがなく、安定した条件で洗浄処理することができる。
【0016】
本発明の洗浄装置においては、前記蒸気洗浄エリアと前記蒸気冷却エリアとの境界付近の蒸気洗浄エリア側には、前記洗浄槽の壁面に加熱手段が設けられている構成とすることができる。
【0017】
この発明によれば、洗浄溶剤がその壁面で結露して液化するのを抑制できるので、蒸気洗浄を安定した状態で行うことができる。
【0018】
本発明の洗浄装置においては、前記蒸気洗浄エリアと前記蒸気冷却エリアとの境界付近の蒸気冷却エリア側には、冷却用ヒートシンクが配置され、当該ヒートシンクには、ヒートパイプが接続されている構成とすることができる。
【0019】
この発明によれば、蒸気洗浄エリアと蒸気冷却エリアとの境界で蒸気を効率的に冷却できるので、蒸気冷却エリア内での液化を促進させて洗浄溶剤の回収ないし再生を効率的に行うことができる。
【0020】
本発明の洗浄装置においては、前記液体洗浄エリアと前記蒸気洗浄エリアとの境界付近の前記洗浄槽の壁面には、断熱部材が設けられている構成とすることができる。
【0021】
この発明によれば、蒸気洗浄エリア壁面の高い温度と、液体洗浄エリア壁面の低い温度との温度干渉を防ぐことができるので、所定の温度に設定されたそれぞれのエリアでの効率的な洗浄を実現することができる。
【0022】
本発明の洗浄装置においては、前記洗浄槽には、当該洗浄槽からオーバーフローした洗浄溶剤を受けるオーバーフロー槽が設けられ、前記オーバーフロー槽に流れ込んだ洗浄溶剤は、冷却ユニットを介して前記洗浄槽に循環される構成とすることができる。
【0023】
この発明によれば、液体洗浄エリアの洗浄溶剤の総量を一定に維持しつつ、洗浄溶剤の冷却循環機能を付加したので、洗浄溶剤を循環冷却できると共にワークの洗浄の自由度を向上させることができる。
【0024】
本発明の洗浄装置において、前記蒸気冷却エリアとワーク出入口とのフリーボード比は1.5以上であり、前記ワーク出入口にはカバーが設けられていることが好ましい。これによれば、蒸気冷却エリア内からの漏れを防止するので、洗浄溶剤の消費量をより低減することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の洗浄装置によれば、高温の蒸気発生槽の熱が洗浄槽に伝わって洗浄槽が温められるのを防ぐことができるので、液体洗浄エリアでの洗浄、蒸気洗浄エリアでの洗浄、及び蒸気冷却エリアでの洗浄溶剤の回収を効率的に行うことができる。また、蒸気発生槽で発生した蒸気は第1配管内を上昇して蒸気洗浄エリア内に供給されるが、第1配管内で凝縮した温度の高い液状の洗浄溶剤は、洗浄槽に入ることなく蒸気発生槽に戻る。このことは、所定の温度に設定される液体洗浄エリアの洗浄溶剤の温度を安定なものとすることができる。その結果、液体洗浄エリアでのワークの洗浄を安定した状態で行うことができ、洗浄溶剤の効率的な使用に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。なお、本発明の洗浄装置は、その技術的特徴を有する範囲において、以下の説明及び図面に限定されない。
【0027】
図1は、本発明の洗浄装置の一例を示す概略正面図であり、図2は、図1に示す洗浄装置の概略平面図であり、図3は、ワーク出入口に設けられるカバーの例を示す概略平面図であり、図4は、洗浄槽と水分離槽と蒸気発生槽とを繋ぐ配管形態の一例を示す概略正面図である。本発明の洗浄装置10は、図1及び図2に示すように、液状及び蒸気の洗浄溶剤46を用いてワーク44を洗浄する洗浄槽12と、洗浄槽12から分離して配置されると共に洗浄溶剤46の蒸気48を発生させる蒸気発生槽52とを有する装置である。
【0028】
洗浄槽12は、ワーク44を洗浄するための処理槽であり、洗浄槽12の下部に設けられて液状の洗浄溶剤46でワーク44を洗浄する液体洗浄エリア16と、洗浄槽12の中間部に設けられて洗浄溶剤の蒸気48でワーク44を洗浄する蒸気洗浄エリア18と、洗浄槽12の上部に設けられて洗浄溶剤の蒸気48を冷却して液化させる蒸気冷却エリア20と、さらにその上部のワーク出入口14とを少なくとも備えている。
【0029】
洗浄槽12と蒸気発生槽52との間には、蒸気発生槽52で発生させた蒸気48を蒸気洗浄エリア18に供給するための第1配管54が設けられている。この第1配管54は、蒸気洗浄エリア18側の取付位置22よりも蒸気発生槽52側の取付位置56の方が低くなるように設けられている。
【0030】
第1配管54は、その両端の取付位置が上記高低の関係であればよく、配管形態は特に限定されないが、図1の正面図に示すように、蒸気発生槽52と洗浄槽12に所との間で所定の傾きとなるように直線的に配管されたものであることが好ましい。洗浄装置12の正面視で直線的に配管された第1配管54は、蒸気発生槽52で発生した蒸気48を、蒸気洗浄エリア18に容易に送ると共に、第1配管54内で凝縮して液化してしまった洗浄溶剤が洗浄槽12に入るのを防いで、その全てを蒸気発生槽52に戻す。このことは、通常所定の温度に設定される液体洗浄エリア16の洗浄溶剤46に、第1配管54内で液化した高温の洗浄溶剤が混ざるのを防ぐので、液体洗浄エリア16でのワーク44の洗浄を安定した状態で行うことができ、洗浄溶剤の効率的な使用に寄与することができる。
【0031】
なお、第1配管54は、蒸気発生槽52から洗浄槽12に正面視で直線状に傾いていることが好ましいが、蒸気洗浄エリア18側の取付位置22よりも蒸気発生槽14側の取付位置56の方が低くなっていれば、正面視で階段状又は段差状になっていてもよい。こうした階段状又は段差状に配管された第1配管54は、後述の第3配管58のようなU字型の水封構造でなければ、直線状に傾斜した上記第1配管54と同様の効果を奏することができる。本願において、「正面視」とは、図に示すように、本発明の洗浄装置を正面図で表したときの形態を示しており、「平面視」とは、図2に示すように、本発明の洗浄装置を平面図で表したときの形態を示している。なお、図2は、カバー14aを取り外した場合の平面図である。
【0032】
一方、洗浄装置10を平面視した場合における第1配管54の形状は特に限定されないが、図2に示すような直線的に配管されたものであってもよいし、洗浄槽12の外壁面に沿わせるように折り曲げながら配管されたものであってもよい。従って、第1配管54は、平面視では折り曲げながら且つ正面視では直線状又は階段状となるように配管したものであってもよい。
【0033】
第1配管両端の取付位置22,56の高低差は特に限定されないが、上記効果を奏する範囲内での高低差を有していればよい。
【0034】
第1配管54は、洗浄槽12に送り込む蒸気48の種類と量に応じて、本数、内径、材質等が選択される。例えば大量の蒸気を送り込む必要がある大型の洗浄槽12を用いる場合には、内径の大きな第1配管54を多数本設ける必要がある。
【0035】
また、通常、洗浄溶剤46として有機系溶剤が用いられるので、第1配管54の材質としては、洗浄溶剤に対して安定であるものが選択され、例えば金属系や樹脂系の材料を用いることが好ましい。このうち、樹脂材料からなる第1配管54が好ましく用いられる。樹脂材料からなる第1配管54は、スチール等の金属系に比べて熱伝導率が低いので、第1配管54の両側に配置される両槽(洗浄槽12と蒸気発生槽52)の温度が乱されることがない。その結果、例えば蒸気発生槽の高い温度が洗浄槽に伝わることによる処理温度の変動を防ぐことができると共に、洗浄槽の温度が蒸気発生槽に伝わることによる蒸気発生効率の低下等を防ぐことができる。第1配管54は、その全てが樹脂材料からなるものであってもよしい、その一部を樹脂材料からなる配管とし他の部分を金属製の配管としたものであってもよい。金属製の配管を一部に用いた場合には、低い外気温で配管内の蒸気が結露しないように断熱材で覆っておくことが望ましい。断熱材としては、例えばゴム系スポンジ等が挙げられる。
【0036】
一方、スチール等の金属系の材料からなる第1配管54を用いた場合には、配管周りを断熱材等で覆って外気温の影響を防ぐことが望ましく、その配管経路の一部に、熱伝導性の低い樹脂製の配管を設けることがより望ましい。こうすることにより、上記同様、処理温度の変動を防いだり、蒸気発生効率の低下を防いだり、配管内の蒸気の結露を防ぐことができる。
【0037】
洗浄槽12は、図1に示すように、下部側の液体洗浄エリア16と、中間部の蒸気洗浄エリア18と、上部側の蒸気冷却エリア20とで主に構成されている。さらのその上部には、ワーク出入口14が設けられており、ワーク44がそこから出し入れされて洗浄処理される。
【0038】
洗浄槽12の上方の開口部はカバー14aで覆われている。そのカバー14aには、ワーク44の出し入れができる大きさのワーク出入口14が形成されている。こうしたカバー14aを洗浄槽12に設けることにより、霧滴の飛散を防ぐことができると共に、蒸気の蒸散量の低減を図ることができる。また、蒸気冷却エリア20から環境中に蒸発しようとする洗浄溶剤はカバー14aに付着して冷却され、液化して洗浄槽12内に滴下する。これにより、高価な洗浄溶剤の消費量をより抑えることができる。カバー14aの取付方法は特に限定されないが、メンテナンス時に容易に取り外しができるように、クランプ等の簡易的な方法で固定することが好ましい。また、カバーの材質等も特に限定されず、金属や樹脂で形成することができる。
【0039】
カバー14aの形態は、図3の(A)(B)に示すように、洗浄槽12上方の開口部を覆うことができる大きさであり、本実施形態の場合は図示のような四角形状で形成される。ワーク出入口14は、ワーク44の出し入れができるだけの大きさ及び形状であればよい。図3に示すカバー14aは、ワーク出入口14に凹み15を形成し、そこにシャワー配管45を配置している。図3(A)では、1本のシャワー配管45を配置しているので、ワークの一方の面に洗浄溶剤46を集中してかけることができる。一方、図3(B)では、4本のシャワー配管45を配置しているので、ワークの両面に洗浄溶剤46を集中してかけることができる。
【0040】
液体洗浄エリア16は、洗浄槽12の下部に設けられて、液状の洗浄溶剤46でワーク44を洗浄するエリアである。この液体洗浄エリア16は、1つ又は複数のワーク44を洗浄溶剤46に浸漬できるだけの容量を持っている。その底部には、図1に示すように、超音波振動子60を設けてもよい。この超音波振動子60は、必要に応じて作動させ、ワーク44の洗浄効率を向上させることができる。また、温度制御を行うための温度制御手段を設けてもよい。例えば超音波振動子60を動作させると洗浄溶剤46の温度が上昇するので、図1に示すように、温度を一定に保つためのサーモモジュール62(ペルチェ素子)を適当な部位に所定の個数設けてもよい。こうしたサーモモジュール62は、ペルチェ効果を利用した素子であり、可動部が無く騒音を発生しないという利点がある。
【0041】
サーモモジュール62は、各種のものを用いることができ、例えばペルチェ素子や冷却ファンを単独又は組み合わせて用いることができる。特に上部のワーク出入口14付近にサーモモジュール64を配置して冷却することが望ましい。
【0042】
液体洗浄エリア16は、一定量の洗浄溶剤46を貯める本槽37と、その本槽37からオーバーフローした洗浄溶剤46を受けるオーバーフロー槽38とで構成できる。このオーバーフロー槽38は、例えば本槽37が図1及び図2に示すように四角形である場合には、その四辺に設けてもよいし一辺に設けてもよく、特に限定されない。こうした構造とすることにより、洗浄溶剤46を常に一定量とすることができ、洗浄溶剤46の余剰量のみをオーバーフロー槽38にオーバーフローさせるので、本槽37内での液の清浄度が安定し、その結果、安定した液体洗浄を達成することができる。なお、符号39Aは本槽37の液面計であり、符号39Bはオーバーフロー槽38の液面形である。
【0043】
本槽37をオーバーフローしてオーバーフロー槽38に流れ込んだ洗浄溶剤46は、冷却ユニット40を介して洗浄槽12に循環されるように構成してもよい。このときの冷却ユニット40としては、例えば熱交換機等を挙げることができる。また、オーバーフローした洗浄溶剤46の循環は、循環ポンプ41とフィルター42を経由して再び液体洗浄エリア16に戻すようにすることができる。こうした構成にすることによって、ワーク44の洗浄の自由度を向上させることができる。例えば、循環経路の先端に取り付けた1つ又は複数のノズル43を、本槽37内に浸漬したワーク44に直接当たるようにして洗浄効率を向上させてもよいし、冷却ユニット40で冷却した洗浄溶剤46をワーク44に当ててワーク44を冷やしておくことにより、その後に蒸気洗浄エリア18に引き上げた際の蒸気洗浄効率を向上させることもできる。なお、この循環流量は、任意に設定することができる。
【0044】
蒸気洗浄エリア18は、洗浄槽12の中間部に設けられて、洗浄溶剤の蒸気48でワーク44を洗浄するエリアである。この蒸気洗浄エリア18も、上記液体洗浄エリア16と同様、1つ又は複数のワーク44を洗浄溶剤の蒸気48雰囲気に曝すことができるだけの容量を持っている。この蒸気洗浄エリア18では、洗浄溶剤の蒸気48が飽和状態でワーク44に接触するように供給される。その蒸気48は、蒸気発生槽52で発生した蒸気が第1配管54を上昇してきた蒸気である。こうして供給された蒸気48は、ワーク44の表面に接触して凝縮することにより、ワーク44の洗浄が行われる。
【0045】
この蒸気洗浄エリア18の壁面31(洗浄槽12の中間部の内壁面又は外壁面)には、図1に示すように、ヒータ30等の加熱手段を設けることが好ましい。こうした加熱手段を設けることによって、洗浄溶剤の蒸気48がその壁面31で結露して液化するのを抑制できるので、蒸気洗浄を安定した状態で行うことができる。なお、この加熱手段は、蒸気洗浄エリア18と蒸気冷却エリア20との境界付近の蒸気洗浄エリア18側に設けられていることが好ましい。この位置に加熱手段を設けることにより、蒸気冷却エリア20の冷気が壁面を伝導して蒸気洗浄エリア18の壁面の温度を下げるのを防ぐことができ、その結果、蒸気48がその壁面31で結露して液化するのを防ぐことができる。加熱手段としては種々のものを挙げることができ、例えば面状ヒータやパイプヒータ等を挙げることができる。これらの加熱手段は、洗浄溶剤に対する耐性等を考慮して、内壁面又は外壁面に沿わせて設けることができる。
【0046】
また、液体洗浄エリア16と蒸気洗浄エリア18との境界付近の壁面には、断熱部材36を設けることが好ましい。断熱部材36を境界付近の壁面に設けることによって、蒸気洗浄エリア壁面の高い温度と、液体洗浄エリア壁面の低い温度との温度干渉を起こり難くすることができるので、それぞれのエリアでの効率的な洗浄を実現することができる。なお、蒸気洗浄エリア18と蒸気冷却エリア20との境界付近の壁面にも断熱部材35を設けることが好ましい。これらの断熱部材35,36の設置方法については、例えば熱伝導率が低く洗浄溶剤に対して耐性のある樹脂部材(例えば、ポリアセタール等)を断熱部材として用いた場合は、金属製の壁面の連続性を遮断するように設けることができる。
【0047】
蒸気冷却エリア20は、洗浄槽12の上部に設けられて、洗浄溶剤の蒸気を冷却して液化させるエリアである。この蒸気冷却エリア20は、液化できない蒸気がワーク出入口14から環境中に逃げない程度の高さ及び大きさであればよく、その高さ及び大きさは、洗浄槽12全体の容量に基づいて設計される。具体的には、本実施の形態においては、開口部の短辺Lに対する蒸気冷却エリア20の高さHのフリーボード比を1.5以上確保ようにしている。
【0048】
この蒸気冷却エリア20では、冷却された内壁面で蒸気が冷やされて液化する。こうした液化は蒸気冷却エリア20内の蒸気圧を下げ、ワーク44の表面に凝縮していた液滴を気化させ、その結果、ワーク44の乾燥が行われる。本発明においては、蒸気洗浄エリア18内での温度低下を防ぐように加熱手段30や断熱部材36を設けるので、ワーク44の温度が高く維持され、乾燥時に気化熱が奪われてもワーク44の温度が下がりすぎることがなく、再凝縮によるシミ等の発生も起こらないという利点がある。また、蒸気冷却エリア20の温度を低下させるようにヒートシンク32を設けるので、蒸気圧を下げてワーク44表面に凝縮していた液滴を速やかに気化させることができる。
【0049】
蒸気冷却エリア20の壁面には、図1及び図2に示すように、サーモモジュール64(ペルチェ素子)が適当な部位に所定の個数設けられている。このサーモモジュール64は、エリア内の温度を蒸気48が液化する程度の温度に冷却するために設けられるものであり、例えば図1及び図2に示すように、複数設けられていることが好ましい。
【0050】
また、蒸気洗浄エリア18と蒸気冷却エリア20との境界付近の蒸気冷却エリア20側には、ヒートシンク32を設けることが好ましい。このヒートシンク32は、熱伝導性の良いアルミニウムや銅等の金属材料で形成された加工部材であり、洗浄装置10においては、そのヒートシンク32を、蒸気洗浄エリア18と蒸気冷却エリア20との境界付近に、出し入れするワーク44の邪魔にならないように設けたので、蒸気洗浄エリア18ではより効率的な蒸気洗浄を行い、蒸気冷却エリア20ではより効率的な乾燥と蒸気の液化を行うことができる。特に、液化を効率的に行うことができる点で好ましく用いられる。
【0051】
ヒートシンク32は、図1に示すように、ヒートパイプ34に接続されている。ヒートシンク32の形状は、ワークの出し入れを阻害しないようになっていればよく、その形状は特に限定されないが、本実施の形態においては、図2に示すように、ヒートパイプ34の下側で洗浄槽12の内壁に沿うように環状のヒートシンク32が配置されている。また、図示しないが、洗浄槽12の内壁に沿って、2つのヒートシンク32が平行に配置されたものであってもよい。
【0052】
ヒートパイプ34としては、市販されている各種のものを用いることができ、例えば、従来から知られている一般的なヒートパイプを用いてもよいし、「ヒートレーン(登録商標)」(ティーエスヒートロニクス株式会社製)と呼ばれる蛇行細管型ヒートパイプを用いてもよい。これらのヒートパイプ34は、蒸気冷却エリア20に設けられたサーモモジュール64に接続されていることが好ましく、そのサーモモジュール64で熱交換してヒートシンク32を冷却することができる。
【0053】
蒸気冷却エリア20で液化された洗浄溶剤は、回収手段24により回収することができる。蒸気48は蒸気冷却エリア20の内壁面で液化し、その内壁面を流れ落ちる。回収手段24は、内壁面を流れ落ちる洗浄溶剤を受け止めるように設けてあればよく、例えば図1に示すように、内壁面に沿って受皿50を形成することが好ましい。この受皿50により、蒸気冷却エリア20で液化した洗浄溶剤を回収することができる。
【0054】
回収された洗浄溶剤46は、洗浄槽12から分離して配置される水分離槽28に第2配管26によって送られる。図2及び図4に示すように、水分離槽28には、回収手段24で回収された洗浄溶剤46から水を分離する分離手段が設けられている。分離手段は特に限定されないが、例えば洗浄溶剤として水よりも比重の大きい有機溶剤を用いれば、水槽の中央を仕切る仕切板29を設けただけの簡単な方法によって、シミの原因となる水と洗浄溶剤46とを分離することができる。こうした回収手段24と水分離層28とを設けることにより、水を含んだ状態の洗浄溶剤が、液体洗浄エリア内の洗浄溶剤と混合するのを防ぐことができる。その結果、液体洗浄エリア18でのワーク44の洗浄を安定した状態で行うことができる。
【0055】
本実施の形態において、傾斜して設けた第1配管54と、回収手段24と水分離層28間を連結する第2配管26とを設けたことで、ゴミ等がふくまれていない清浄が保たれた洗浄溶剤44を蒸気発生槽52内に戻すことができる。すなわち、ワーク44に付着していたゴミ等が洗浄時に洗浄槽12の下部に設けられた液状洗浄エリア16内に落ちると、洗浄溶剤が汚れたものになり、これが蒸気発生槽52内に戻されると、清浄を保つことは困難となる。
【0056】
蒸気発生槽52は、図1〜図4に示すように、洗浄溶剤46をヒータ53等の加熱手段で加熱して蒸気を発生させる槽である。この蒸気発生槽52の側壁には、液面計39Cを設けてもよい。
【0057】
液体洗浄エリア16内に貯まる規定量の洗浄溶剤からオーバーフローした洗浄溶剤は、図1に示すように、第4配管27により、増加した液量は蒸気発生槽52に送る。こうすることにより、蒸気48が壁面31等で液化し、オーバーフロー槽38の液量が増加した場合であっても、洗浄槽12の液量と蒸気発生槽52の液量とのバランスを確保することができる。
【0058】
本発明において、図1に示すように、オーバーフローした洗浄溶剤が、蒸気発生槽52に直接流れ込む場合には、洗浄槽12と蒸気発生槽52とを連結する第4配管27は図1に示すようなU字型等の水封構造であることが望ましい。この第4配管27を水封構造とすることにより、特に蒸気発生槽52内の高温の蒸気が洗浄槽12に逆流するのを防ぐので、両槽の干渉を遮断することができる。その結果、両槽それぞれの処理条件を変動させることがなく、安定した条件で処理することができる。
【0059】
さらに、第4配管27内に、ゴミ等を除去するフィルター(図示せず)を設けておいてもよい。このようなフィルターを介在することで、ワーク44に付着していたゴミ等が洗浄時に洗浄槽12の下部に設けられた液状洗浄エリア16内に落ち、洗浄溶剤が汚れた状態となった場合でも、フィルターを通過することで、ゴミ等が除去され、蒸気発生槽52内の洗浄溶剤の清浄を保つことができる。
【0060】
以上説明したように、本発明の洗浄装置10では、洗浄槽12と蒸気発生槽52とを分離配置し、両槽を第1配管54で接続したので、高温の蒸気発生槽52の熱が洗浄槽12に伝わって洗浄槽12が温められるのを防ぐことができる。また、第1配管54は、蒸気洗浄エリア18側の取付位置22よりも蒸気発生槽52側の取付位置56の方が低くなるように設けられているので、蒸気発生槽52で発生した蒸気は第1配管54内を上昇して蒸気洗浄エリア18内に容易に供給されるが、第1配管54内で凝縮した温度の高い液状の洗浄溶剤は、洗浄槽12に入ることなく蒸気発生槽52に戻る。このことは、所定の温度に設定される液体洗浄エリアの洗浄溶剤の温度を安定なものとするので、液体洗浄エリアでのワークの洗浄を安定した状態で行うことができる。
【0061】
本発明の洗浄装置10で使用される洗浄溶剤としては、各種のものを挙げることができるが、例えばHFC(ハイドロ・フルオロ・カーボン)やHFE(ハイドロ・フルオロ・エーテル)等のフッ素系溶剤、臭素系溶剤等が用いられる。これらの洗浄溶剤は比較的価格が高いものが多いが、本発明の洗浄装置10は、洗浄溶剤の消費量をより低減させることができ、また、洗浄溶剤が環境中に逃げないようになっているので、好ましく用いることができる。
【0062】
また、蒸気発生槽52で発生した蒸気は蒸気洗浄エリア18に第1配管54内を上昇しつつ供給されるが、第1配管54内で凝縮した温度の高い液状の洗浄溶剤は、洗浄槽12に供給されることなく蒸気発生槽52に戻ることになるので、通常所定の温度に設定される液体洗浄エリア16の洗浄溶剤に、第1配管54内で液化した高温の洗浄溶剤が混ざることがない。その結果、液体洗浄エリア16でのワーク44の洗浄を安定した状態で行うことができるという効果がある。
【0063】
また、図4に示すように、蒸気発生槽52内の配管66は洗浄溶剤の高温蒸気に曝されるので、その配管66耐熱性と耐溶剤性のある材質からなるものが選択される。一例としては、テトラフルオロエチレン製の配管が好ましく用いられる。なお、符号67は注入口である。
【0064】
よって、本発明の洗浄装置10によれば、洗浄溶剤の消費量を低減できると共に、ワークの蒸気洗浄及び乾燥をより効果的に行うことができる。この洗浄装置10は、電子部品、精密部品、金属部品、プリント配線基板、ガラス基板その他の各種被洗浄物(ワーク)を極めて効率よく低コストで洗浄処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の洗浄装置の一例を示す概略正面図である。
【図2】図1に示す洗浄装置の概略平面図である。
【図3】ワーク出入口に設けられるカバーの例を示す概略平面図である。
【図4】洗浄槽と水分離槽と蒸気発生槽とを繋ぐ配管形態の一例を示す概略正面図である。
【図5】特許文献1で提案された従来の洗浄装置を示す概略図である。
【図6】特許文献2で提案された従来の洗浄装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0066】
10 洗浄装置
12 洗浄槽
14 ワークの出入口
14a カバー
15 凹み
16 液体洗浄エリア
18 蒸気洗浄エリア
20 蒸気冷却エリア
22 蒸気洗浄エリア側の取付位置
24 回収手段
26 第2配管
27 第4配管
28 水分離槽
29 分離手段(仕切板)
30 ヒータ
31 壁面
32 冷却用ヒートシンク
34 ヒートパイプ
35,36 断熱部材
37 本槽
38 オーバーフロー槽
39A,39B,39C 液面計
40 冷却ユニット
41 循環ポンプ
42 フィルター
43 ノズル
44 ワーク
45 シャワー配管
46 洗浄溶剤
48 蒸気
50 受皿
52 蒸気発生槽
53 ヒータ
54 第1配管
56 蒸気発生槽側の取付位置
58 第3配管
60 超音波振動子
62,64 サーモモジュール
66 耐熱配管
67 注入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄溶剤を用いてワークを洗浄する洗浄槽と、当該洗浄槽から分離して配置されると共に前記洗浄溶剤の蒸気を発生させる蒸気発生槽とを有し、
前記洗浄槽は、当該洗浄槽の下部に設けられて前記洗浄溶剤の液体でワークを洗浄する液体洗浄エリアと、当該洗浄槽の中間部に設けられて前記洗浄溶剤の蒸気でワークを洗浄する蒸気洗浄エリアと、当該洗浄槽の上部に設けられて前記洗浄溶剤の蒸気を冷却して当該洗浄溶剤を液化させる蒸気冷却エリアと、さらにその上部のワーク出入口とを少なくとも備えており、
前記洗浄槽と前記蒸気発生槽との間には、当該蒸気発生槽で発生させた蒸気を前記蒸気洗浄エリアに供給するための第1配管が設けられ、
前記第1配管は、当該蒸気洗浄エリア側の取付位置よりも当該蒸気発生槽側の取付位置の方が低くなるように設けられていることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記第1配管が、樹脂材料からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄槽には、前記蒸気冷却エリアで液化された洗浄溶剤を回収する回収手段と、当該回収手段で回収される洗浄溶剤を、前記洗浄槽から分離して配置される水分離槽に送る第2配管とが設けられ、
前記水分離槽には、前記回収手段で回収された洗浄溶剤から水を分離する分離手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄槽と前記蒸気発生槽との間に、当該洗浄槽の液体洗浄エリア内に貯まる洗浄溶剤の余剰量を前記蒸気発生槽に送るための配管を設けた場合には、当該配管が水封構造で設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記蒸気洗浄エリアと前記蒸気冷却エリアとの境界付近の蒸気洗浄エリア側には、前記洗浄槽の壁面に加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記蒸気洗浄エリアと前記蒸気冷却エリアとの境界付近の蒸気冷却エリア側には、冷却用ヒートシンクが配置され、当該ヒートシンクには、ヒートパイプが接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記液体洗浄エリアと前記蒸気洗浄エリアとの境界付近の前記洗浄槽の壁面には、断熱部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記洗浄槽には、当該洗浄槽からオーバーフローした洗浄溶剤を受けるオーバーフロー槽が設けられ、前記オーバーフロー槽に流れ込んだ洗浄溶剤は、冷却ユニットを介して前記洗浄槽に循環されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記蒸気冷却エリアとワーク出入口とのフリーボード比は1.5以上であり、前記ワーク出入口にはカバーが設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−152231(P2007−152231A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351145(P2005−351145)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【出願人】(000237570)富士通オートメーション株式会社 (10)
【Fターム(参考)】