洗濯機
【課題】使用環境に適した呼び水の供給時間を設定する。
【解決手段】本実施形態の洗濯機は、水槽内に水道水を供給する水道水供給手段と、水槽内の水位を検知する水位センサ11と、水を貯留する水貯留部を有し、当該水貯留部に水道水供給手段からの水の一部が呼び水として貯留された状態で駆動することによって本体外部の風呂水を吸引して水槽内に供給する風呂水給水用ポンプと、風呂水給水用ポンプによる風呂水の給水動作が開始される前に、水道水供給手段から水貯留部に呼び水を供給する呼び水供給部41と、洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において、風呂水の給水動作が成功したか否かを水位センサ11の検知結果に基づいて判断する判断部42と、判断部42の判断結果に基づいて、次回以降の呼び水供給部41による呼び水の供給時間を変更する呼び水供給時間変更部43とを備える。
【解決手段】本実施形態の洗濯機は、水槽内に水道水を供給する水道水供給手段と、水槽内の水位を検知する水位センサ11と、水を貯留する水貯留部を有し、当該水貯留部に水道水供給手段からの水の一部が呼び水として貯留された状態で駆動することによって本体外部の風呂水を吸引して水槽内に供給する風呂水給水用ポンプと、風呂水給水用ポンプによる風呂水の給水動作が開始される前に、水道水供給手段から水貯留部に呼び水を供給する呼び水供給部41と、洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において、風呂水の給水動作が成功したか否かを水位センサ11の検知結果に基づいて判断する判断部42と、判断部42の判断結果に基づいて、次回以降の呼び水供給部41による呼び水の供給時間を変更する呼び水供給時間変更部43とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洗い行程やすすぎ行程に風呂水を使用して、水道水の使用量を減らす構成の洗濯機がある。この種の洗濯機では、風呂水給水用ポンプに呼び水を貯留した状態で当該風呂水給水用ポンプを駆動することによって風呂水を吸引して水槽内に供給する。
上記構成の洗濯機においては、呼び水が不足した状態で風呂水給水用ポンプを駆動しても風呂水を吸引することができない。一方で、水道水圧は、各家庭の環境(立地条件、水道水の配管など)によって異なっている。そのため、水圧が低い環境に洗濯機が設置されたとしても呼び水を十分に供給できるように、呼び水の供給時間を長めに設定することが行われている。
しかしながら、呼び水の供給時間を長めに設定すると、水圧が高い環境に洗濯機が設置された場合に、呼び水が余分に供給されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−71298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、使用環境に適した呼び水の供給時間を設定することができる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の洗濯機は、本体と、水槽と、水道水供給手段と、水位検知手段と、風呂水給水用ポンプと、呼び水供給手段と、判断手段と、呼び水供給時間変更手段とを備える。本体は、洗濯機の外郭を形成する。水槽は、本体内に設けられ、内部に洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程に用いられる回転槽を有する。水道水供給手段は、水槽内に水道水を供給する。水位検知手段は、水槽内の水位を検知する。風呂水給水用ポンプは、水を貯留する水貯留部を有し、当該水貯留部に水道水供給手段からの水の一部が呼び水として貯留された状態で駆動することによって本体外部の風呂水を吸引して水槽内に供給する。呼び水供給手段は、風呂水給水用ポンプによる風呂水の給水動作が開始される前に、水道水供給手段から水貯留部に呼び水を供給する。判断手段は、洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において、風呂水の給水動作が成功したか否かを水位検知手段の検知結果に基づいて判断する。呼び水供給時間変更手段は、判断手段の判断結果に基づいて、次回以降の呼び水供給手段による呼び水の供給時間を変更する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1実施形態に係るものであり、洗濯機の構成を示す縦断側面図
【図2】給水装置およびその周辺部分を示す洗濯機の平面図
【図3】洗濯機の電気的構成を示すブロック図
【図4】制御装置による制御内容を示すフローチャート
【図5】水道水圧と呼び水供給時間との関係を示す図
【図6】呼び水供給時間短縮処理の内容を示すフローチャート
【図7】呼び水供給時間延長処理の内容を示すフローチャート
【図8】第2実施形態に係る図6相当図
【図9】第3実施形態に係る図7相当図
【図10】第4実施形態に係る図7相当図
【図11】第5実施形態に係るものであり、制御装置による制御内容を示すフローチャート
【図12】汲み上げ失敗回数と呼び水供給時間との関係を示す図
【図13】第6実施形態に係る図11相当図
【図14】風呂水給水時間と水位センサの信号レベルとの関係を示す図
【図15】第7実施形態に係る図11相当図
【図16】第8実施形態に係る図11相当図
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1から図7を参照して説明する。
図1に示すように、洗濯機1は、当該洗濯機1の外郭を形成する外箱1a(本体に相当)を備える。この外箱1a内には、上面が開放した有底円筒状の水槽2が弾性吊持機構3によって支持されている。この水槽2の内部には、上面が開放した有底円筒状の回転槽4が回転可能に設けられている。この回転槽4は、洗濯物を洗う洗い行程および洗濯物をすすぐすすぎ行程における洗濯槽、および、洗濯物を脱水する脱水行程における脱水槽として兼用される。回転槽4は、その周壁部に複数の貫通孔4aを有している。この貫通孔4aは、通水および通気が可能である。回転槽4の上部には、バランスリング5が取り付けられている。また、回転槽4内の底部には、撹拌体6が回転可能に設けられている。
【0008】
水槽2の下部には排水経路7が設けられている。この排水経路7には例えば電磁式の排水弁8が設けられており、この排水弁8が開放されることにより、水槽2内(回転槽4内)の水が機外に排水される。また、水槽2の底部には、水位検知用のエアトラップ9が設けられている。このエアトラップ9には、エアパイプ10を介して水位センサ11(水位検知手段に相当)が接続されている。この水位センサ11は、この場合、圧力センサからなり、エアトラップ9内の圧力に基づいて水槽2内(回転槽4内)の水位を検知する。
【0009】
水槽2の下部の中央部には、駆動機構部12が設けられている。この駆動機構部12は、可変速駆動可能なモータ、クラッチ機構、減速装置、ブレーキ装置(何れも図示せず)などを備えている。洗い行程時或いはすすぎ行程時においては、駆動機構部12は、モータの回転力を、減速装置によって減速するとともにクラッチ機構によって撹拌体6に伝達する。脱水行程時においては、駆動機構部12は、モータの回転力を、減速装置によって減速することなくクラッチ機構によって回転槽4及び撹拌体6に高速で伝達する。
外箱1aの上部には、トップカバー13が取り付けられている。このトップカバー13には、洗濯物の出し入れ口を開閉する例えば二つ折り式の蓋14が開閉可能に設けられている。なお、水槽2の上部には、槽カバー15が開閉可能に取り付けられている。
【0010】
トップカバー13の前部には、操作パネル16が設けられている。操作パネル16には、操作入力部16a(図3参照)が設けられている。この操作入力部16aは、電源スイッチ、スタート/一時停止スイッチ、洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程を含む洗濯運転コースなどの各種の運転コースを設定する運転コース設定スイッチ、洗い行程或いはすすぎ行程における水槽2内の水位を設定する水位設定スイッチ、風呂水の給水動作(洗い行程或いはすすぎ行程における給水を風呂水を使用して行う動作)を設定する風呂水設定スイッチ(何れも図示せず)などの各種のスイッチを有する。また、操作パネル16には、設定内容や運転状況などを表示する表示部16b(図3参照)が設けられている。この操作パネル16の裏面には制御装置17が設けられている。制御装置17は、マイクロコンピュータを主体としてROM、RAMなどを備えており、制御プログラムに基づいて洗濯機1の動作全般を制御する。
【0011】
トップカバー13内の後部には、給水装置21が設けられている。次に、この給水装置21の構成について図2を参照しながら説明する。なお、この給水装置21の詳細な構成については、例えば特許文献1に開示されているので、ここでは簡単に説明する。
給水装置21は、給水器22と、例えば電磁式の給水弁23(水道水供給手段に相当)と、風呂水給水用ポンプ24とを備える。この給水装置21は、洗い行程或いはすすぎ行程において、主として水道水を水槽2内に供給するとともに、風呂水の給水動作が設定された場合には、水道以外の水源として例えば浴槽(図示せず)内の風呂水を水槽2内に供給するものである。
【0012】
給水弁23は、図示しない給水ホースを介して水道の蛇口に接続されており、水道水を給水器22内に供給する。
給水器22は、給水弁23から供給された水道水を水槽2内に供給する。なお、この給水器22内には、図示しない小室が設けられており、この小室内に供給された水道水は、呼び水供給用チューブ25を通して風呂水給水用ポンプ24内に供給される(図2中、矢印A参照)。即ち、給水弁23から給水器22内に供給された水道水の大部分は、風呂水給水用ポンプ24内に供給されることなく水槽2内に供給されるが、給水器22内に供給された水道水の一部(小室内に供給された水道水)は、風呂水給水用ポンプ24内に呼び水として供給される。このように水道水の一部を呼び水として利用する構成では、呼び水の供給時間が数秒長くなるだけで水槽2内に流れる水道水量が増加してしまい、風呂水を有効に利用するという風呂水給水の本来の目的が没却されてしまう。本実施形態は、このような課題に対応するものである。
【0013】
風呂水給水用ポンプ24は、ポンプケース26(水貯留部に相当)と、ポンプモータ27とを備える。ポンプケース26は、風呂水用吸込口28を備える。この風呂水用吸込口28には、例えば浴槽内の風呂水を吸い上げるための吸引ホース(図示せず)が接続可能である。また、給水器22から呼び水供給用チューブ25を通して供給された呼び水は、このポンプケース26内に一時的に貯留される。
ポンプモータ27は、ポンプケース26内に呼び水が貯留された状態で駆動することによって、洗濯機1外部の風呂水を、吸引ホースを介して風呂水用吸込口28からポンプケース26内に吸引し、吸引した風呂水を風呂水供給用チューブ29を通して給水器22内に供給する(図2中、矢印B参照)。給水器22内に供給された風呂水は、水槽2内に供給される。
【0014】
次に、洗濯機1の電気的構成について図3を参照しながら説明する。
制御装置17には、水位センサ11、操作パネル16の操作入力部16aなどが接続されており、これら水位センサ11、操作入力部16aなどから各種の信号が入力される。制御装置17は、これらの入力信号と、予め記憶した制御プログラムに基づいて、排水弁8、駆動機構部12、表示部16b、給水弁23、風呂水給水用ポンプ24のポンプモータ27などを、駆動回路17aを介して制御する。
【0015】
また、制御装置17には、例えばEEPROMなどの記憶媒体からなる記憶部31が設けられている。
また、制御装置17にはタイマー32(計時手段に相当)が設けられている。このタイマー32は、洗濯運転が実行されてからの経過時間を計時する。なお、タイマー32は、洗濯運転を開始してからの経過時間を計時するようにしてもよいし、洗濯運転を終了してからの経過時間を計時するようにしてもよいし、洗濯運転の途中(例えば、洗い行程やすすぎ行程の開始時または終了時)からの経過時間を計時するようにしてもよい。
【0016】
また、制御装置17は、CPUにおいて制御プログラムを実行することにより、呼び水供給部41、判断部42、呼び水供給時間変更部43をソフトウェアによって仮想的に実現する。
呼び水供給部41は、風呂水給水用ポンプ24による風呂水の給水動作が開始される前に、給水弁23から風呂水給水用ポンプ24のポンプケース26内に呼び水を供給する。
判断部42は、各種の運転コースにおける洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において、風呂水の給水動作が成功したか否かを水位センサ11の検知結果に基づいて判断する。
呼び水供給時間変更部43は、判断部42の判断結果に基づいて、次回以降の呼び水供給部41による呼び水の供給時間を変更する。
【0017】
次に、上記構成の洗濯機1の動作について図4を参照しながら説明する。
制御装置17は、各種の運転コースにおいて洗い行程或いはすすぎ行程を開始すると、風呂水の給水動作が設定されているか否かを判断する(ステップA1)。制御装置17は、風呂水の給水動作が設定されている場合には(ステップA1:YES)、呼び水供給処理を開始する(ステップA2)。この呼び水供給処理では、制御装置17は、給水弁23を開放して水道水を給水器22内に供給する。このとき、給水器22内に供給された水道水の一部が、呼び水として風呂水給水用ポンプ24のポンプケース26内に供給され貯留される。制御装置17は、呼び水供給処理を開始すると、所定の呼び水供給時間が経過したか否かを判断する(ステップA3)。そして、制御装置17は、所定の呼び水供給時間が経過したと判断すると(ステップA3:YES)、呼び水供給処理を終了する(ステップA4)。
【0018】
上記の呼び水供給時間は、例えば洗濯機1が設置された環境(使用環境)における水道水圧に応じて設定できる。即ち、例えば図5に示すように、洗濯機1の使用環境における水道水圧が、想定される水圧のうち最高の水圧(この場合、15L/min)であれば、呼び水供給時間は、設定可能な時間のうち最短の時間(図5では10秒程度)が適している。洗濯機1の使用環境における水道水圧が、想定される水圧のうち最低の水圧(この場合、7L/min)であれば、呼び水供給時間は、設定可能な時間のうち最長の時間(図5では50秒程度)が適している。洗濯機1の使用環境における水道水圧が、想定される水圧のうち中間の水圧(この場合、11L/min)であれば、呼び水供給時間は、設定可能な時間のうち中間の時間(図5では30秒程度)が適している。
【0019】
呼び水供給処理を終了すると、制御装置17は、風呂水給水処理を開始する(ステップA5)。この風呂水給水処理では、制御装置17は、上記の呼び水供給処理によって風呂水給水用ポンプ24のポンプケース26内に呼び水を貯留した状態でポンプモータ27を駆動する。これにより、制御装置17は、洗濯機1外部の風呂水を、吸引ホースを介して風呂水用吸込口28からポンプケース26内に吸引し風呂水供給用チューブ29および給水器22を介して水槽2内に供給する。制御装置17は、風呂水給水処理を開始すると、所定の給水異常時間が経過したか否かを判断する(ステップA6)。
【0020】
この給水異常時間は、風呂水給水用ポンプ24の吸水性能に応じて、例えば次のように設定することができる。即ち、風呂水給水用ポンプ24による風呂水の吸水量が7L/minであるとすると、設定水量(例えば15L)の風呂水を吸水するためには少なくとも2分が必要である。また、風呂水給水用ポンプ24の吸引力によって浴槽内の風呂水を吸引ホースを通して風呂水給水用ポンプ24の風呂水用吸込口28に到達させるまで、つまり、浴槽内の風呂水を洗濯機1内(給水装置21)に汲み上げるまでに概ね2分程度が必要である。そして、これら設定水量の風呂水を吸水するための時間(この場合、2分程度)および風呂水を汲み上げるための時間(この場合、2分程度)にマージン時間(この場合、2分程度)を加え、その時間(この場合、6分程度)を給水異常時間として設定することができる。なお、給水異常時間は、このような設定方法に限られるものではなく、適宜変更して設定することができる。
【0021】
制御装置17は、所定の給水異常時間が経過していないと判断すると(ステップA6:NO)、水位センサ11からの入力信号に基づいて、水槽2内の水位が設定水位に到達したか否かを判断する(ステップA7)。制御装置17は、水槽2内の水位が設定水位に到達していないと判断すると(ステップA7:NO)、上記のステップA6に移行する。一方、制御装置17は、水槽2内の水位が設定水位に到達したと判断すると(ステップA7:YES)、風呂水給水処理を終了し(ステップA8)、呼び水供給時間短縮処理に移行する(ステップA9)。即ち、制御装置17は、所定の給水異常時間を経過せず(ステップA6:NO)、且つ、水槽2内の水位が設定水位に到達した場合(ステップA7:YES)、つまり、風呂水のみによって水槽2内の水位が設定水位に到達した場合に、風呂水給水処理が成功したと判断し、呼び水供給時間短縮処理を実行する。この呼び水供給時間短縮処理の内容については後述する。
【0022】
上記のステップA6において、制御装置17は、所定の給水異常時間が経過したと判断すると(ステップA6:YES)、風呂水給水処理を終了し(ステップA10)、呼び水供給時間延長処理に移行する(ステップA11)。即ち、制御装置17は、水槽2内の水位が設定水位に到達せず(ステップA7:NO)、且つ、所定の給水異常時間を経過した場合(ステップA6:YES)、つまり、風呂水のみによって水槽2内の水位が設定水位に到達しない場合に、風呂水給水処理が失敗したと判断し、呼び水供給時間延長処理を実行する。この呼び水供給時間延長処理の内容については後述する。
【0023】
上記のステップA1において、制御装置17は、風呂水の給水動作が設定されていない場合には(ステップA1:NO)、水道水給水処理を開始する(ステップA12)。また、制御装置17は、呼び水供給時間延長処理(ステップA11)を終了した場合にも、水道水給水処理を開始する(ステップA12)。この水道水給水処理では、制御装置17は、給水弁23を開放して水道水を給水器22を介して水槽2内に供給する。なお、この水道水給水処理においても、給水器22内に供給された水道水の一部は、呼び水供給用チューブ25を介して風呂水給水用ポンプ24のポンプケース26内に供給される。しかし、この場合、制御装置17は、ポンプモータ27を駆動しない。そのため、ポンプケース26内に供給された呼び水は、当該ポンプケース26内に貯留されたままとなる。制御装置17は、水道水供給処理を開始すると、水位センサ11からの入力信号に基づいて、水槽2内の水位が設定水位に到達したか否かを判断する(ステップA13)。そして、制御装置17は、水槽2内の水位が設定水位に到達したと判断すると(ステップA13:YES)、水道水供給処理を終了し(ステップA14)、この処理を終了する。
【0024】
次に、上記した呼び水供給時間短縮処理(ステップA9参照)について図6を参照しながら説明する。
制御装置17は、呼び水供給時間短縮処理を開始すると、その時点で設定されている呼び水供給時間が最短(図5では10秒)であるか否かを判断する(ステップB1)。制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最短でない場合には(ステップB1:NO)、呼び水供給時間を所定時間(この場合、5秒)短縮する(ステップB2)。そして、制御装置17は、短縮した呼び水供給時間を記憶部31に記憶し(ステップB3)、この処理を終了する。なお、制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最短である場合には(ステップB1:YES)、その呼び水供給時間を変更することなく、この処理を終了する。
【0025】
次に、上記した呼び水供給時間延長処理(ステップA11参照)について図7を参照しながら説明する。
制御装置17は、呼び水供給時間延長処理を開始すると、その時点で設定されている呼び水供給時間が最長(図5では50秒)であるか否かを判断する(ステップC1)。制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長でない場合には(ステップC1:NO)、呼び水供給時間を所定時間(この場合、5秒)延長する(ステップC2)。そして、制御装置17は、延長した呼び水供給時間を記憶部31に記憶し(ステップC3)、この処理を終了する。なお、制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長である場合には(ステップC1:YES)、その呼び水供給時間を変更することなく、この処理を終了する。
【0026】
本実施形態によれば、洗濯機1の制御装置17は、洗い行程或いはすすぎ行程において、風呂水の給水動作が成功したか否かを水位センサ11の検知結果に基づいて判断し、その判断結果に基づいて、次回以降の呼び水供給動作における呼び水の供給時間を変更する。これにより、洗濯機1の使用環境に適した呼び水の供給時間を設定することができる。
【0027】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図8を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による呼び水供給時間短縮処理の制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。なお、制御装置17は、洗い行程時或いはすすぎ行程時において、風呂水給水処理が成功した場合(図4中、ステップA6:NO、且つ、ステップA7:YESの場合)には、その成功回数を記憶部31に記憶する。また、制御装置17は、風呂水給水処理が連続して成功した場合(前回の風呂水給水処理に続いて今回の風呂水給水処理も成功した場合)に、記憶部31に記憶されている成功回数をカウントアップ(1増加)する。また、制御装置17は、風呂水給水処理が成功した場合であっても前回の風呂水給水処理が失敗している場合には、記憶部31に記憶されている成功回数をカウントアップしない。
【0028】
図8に示すように、制御装置17は、呼び水供給時間短縮処理を開始すると、その時点で設定されている呼び水供給時間が最短(図5では10秒)であるか否かを判断する(ステップD1)。制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最短でない場合には(ステップD1:NO)、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の成功回数に基づいて、過去に実行した風呂水給水処理が連続して所定回数(この場合、8回)成功しているか否かを判断する(ステップD2)。制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数成功していると判断すると(ステップD2:YES)、呼び水供給時間を所定時間(この場合、5秒)短縮し(ステップD3)、短縮した呼び水供給時間を記憶部31に記憶する(ステップD4)。そして、制御装置17は、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の成功回数をクリアし(ステップD5)、この処理を終了する。
【0029】
一方、制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数成功していないと判断した場合(ステップD2:NO)、つまり、風呂水給水処理の連続成功回数が所定回数に達していない場合には、呼び水供給時間を変更することなく、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の成功回数をカウントアップ(1増加)し(ステップD6)、この処理を終了する。
なお、制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最短である場合には(ステップD1:YES)、その呼び水供給時間を変更することなく、この処理を終了する。
【0030】
本実施形態によれば、呼び水供給時間短縮処理を、過去における風呂水給水処理の連続成功回数に基づいて実行するようにしたので、呼び水の供給時間を使用環境に応じて精度良く設定することができる。また、呼び水は十分に供給されているが浴槽内の風呂水が少なくて風呂水給水処理が失敗した場合、一時的に水圧が低くなったために呼び水を十分に供給できず風呂水給水処理が失敗した場合など、特殊な事情によって風呂水給水処理が失敗した場合に、不必要に呼び水供給時間が変更されてしまうことがない。
【0031】
なお、呼び水供給時間短縮処理を、過去における風呂水給水処理の連続成功回数ではなく、例えば過去の5回の風呂水給水処理のうち4回成功した場合に呼び水供給時間短縮処理を実行するなど、過去における風呂水給水処理の成功割合に基づいて呼び水供給時間短縮処理を実行するようにしてもよい。
【0032】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図9を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による呼び水供給時間延長処理の制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。なお、制御装置17は、洗い行程時或いはすすぎ行程時において、風呂水給水処理が失敗した場合(図4中、ステップA7:NO、且つ、ステップA6:YESの場合)には、その失敗回数を記憶部31に記憶する。また、制御装置17は、風呂水給水処理が連続して失敗した場合(前回の風呂水給水処理に続いて今回の風呂水給水処理も失敗した場合)に、記憶部31に記憶されている失敗回数をカウントアップ(1増加)する。また、制御装置17は、風呂水給水処理が失敗した場合であっても前回の風呂水給水処理が成功している場合には、記憶部31に記憶する失敗回数をカウントアップしない。
【0033】
図9に示すように、制御装置17は、呼び水供給時間延長処理を開始すると、その時点で設定されている呼び水供給時間が最長(図5では50秒)であるか否かを判断する(ステップE1)。制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長でない場合には(ステップE1:NO)、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の失敗回数に基づいて、過去に実行した風呂水給水処理が連続して所定回数(この場合、2回)失敗しているか否かを判断する(ステップE2)。制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数失敗していると判断すると(ステップE2:YES)、呼び水供給時間を所定時間(この場合、5秒)延長し(ステップE3)、延長した呼び水供給時間を記憶部31に記憶する(ステップE4)。そして、制御装置17は、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の失敗回数をクリアし(ステップE5)、この処理を終了する。
【0034】
一方、制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数失敗していないと判断した場合(ステップE2:NO)、つまり、風呂水給水処理の連続失敗回数が所定回数に達していない場合には、呼び水供給時間を変更することなく、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の失敗回数をカウントアップ(1増加)し(ステップE6)、この処理を終了する。
なお、制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長である場合には(ステップE1:YES)、その呼び水供給時間を変更することなく、この処理を終了する。
【0035】
本実施形態によれば、呼び水供給時間延長処理を、過去における風呂水給水処理の連続失敗回数に基づいて実行するようにしたので、呼び水の供給時間を使用環境に応じて精度良く設定することができる。また、呼び水は十分に供給されているが浴槽内の風呂水が少なくて風呂水給水処理が失敗した場合、一時的に水圧が低くなったために呼び水を十分に供給できず風呂水給水処理が失敗した場合など、特殊な事情によって風呂水給水処理が失敗した場合に、不必要に呼び水供給時間が変更されてしまうことがない。
【0036】
なお、呼び水供給時間延長処理を、過去における風呂水給水処理の連続失敗回数ではなく、例えば過去の5回の風呂水給水処理のうち4回失敗した場合に呼び水供給時間延長処理を実行するなど、過去における風呂水給水処理の失敗割合に基づいて呼び水供給時間延長処理を実行するようにしてもよい。
【0037】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図10を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による呼び水供給時間延長処理の制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。なお、制御装置17は、洗い行程時或いはすすぎ行程時において風呂水給水処理が成功した場合には、上述の第2実施形態と同様に、記憶部31に記憶されている成功回数をカウントアップ(1増加)する。一方、制御装置17は、洗い行程時或いはすすぎ行程時において風呂水給水処理が失敗した場合には、上述の第3実施形態と同様に、記憶部31に記憶されている失敗回数をカウントアップ(1増加)する。
【0038】
図10に示すように、制御装置17は、呼び水供給時間延長処理を開始すると、その時点で設定されている呼び水供給時間が最長(図5では50秒)であるか否かを判断する(ステップF1)。制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長でない場合には(ステップF1:NO)、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の成功回数に基づいて、過去に実行した風呂水給水処理が連続して所定回数(この場合、3回)成功しているか否かを判断する(ステップF2)。制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数成功していないと判断すると(ステップF2:NO)、呼び水供給時間を所定時間(この場合、5秒)延長し(ステップF3)、延長した呼び水供給時間を記憶部31に記憶する(ステップF4)。そして、制御装置17は、記憶部31に記憶した風呂水給水処理の失敗回数をクリアし(ステップF5)、この処理を終了する。
【0039】
一方、制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数成功していると判断した場合(ステップF2:YES)、つまり、風呂水給水処理の連続成功回数が所定回数に達している場合には、呼び水供給時間を変更することなく、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の成功回数をクリアし(ステップF6)、この処理を終了する。
なお、制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長である場合には(ステップF1:YES)、その呼び水供給時間を変更することなく、この処理を終了する。
【0040】
本実施形態によれば、制御装置17は、風呂水給水処理が失敗した場合に実行する呼び水供給時間延長処理において、過去に実行した風呂水給水処理が連続して所定回数成功している場合には、呼び水供給時間を延長しない。即ち、風呂水給水処理が失敗したとしても、過去の風呂水給水処理において成功した傾向が強いのであれば、呼び水供給時間が変更されない。これにより、例えば、呼び水は十分に供給されているが浴槽内の風呂水が少なくて風呂水給水処理が失敗した場合、一時的に水圧が低くなったために呼び水を十分に供給できず風呂水給水処理が失敗した場合など、特殊な事情によって風呂水給水処理が失敗した場合に、不必要に呼び水供給時間が変更されてしまうことがない。
【0041】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図11を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。
即ち、制御装置17は、洗い行程を開始すると、当該洗い行程が初回の実行(例えば洗濯機1が各家庭に設置されてから初めての実行)であるか否かを判断する(ステップG1)。なお、初回であるか否かの判断は、例えば、洗い行程を1回でも実行したら実行済みフラグを設定するようにし、当該実行済みフラグの設定の有無に基づいて行うことができる。制御装置17は、洗い行程が初回の実行である場合には(ステップG1:YES)、呼び水供給処理を所定時間(この場合、45秒)実行する(ステップG2)。一方、制御装置17は、洗い行程が初回の実行でない場合には(ステップG1:NO)、呼び水供給処理を所定時間(この場合、15秒)実行する(ステップG3)。
【0042】
制御装置17は、呼び水供給処理を終了すると、風呂水給水処理を開始する(ステップG4)。制御装置17は、風呂水給水処理を開始すると、水位センサ11からの入力信号に基づいて、水槽2内の水位がリセット水位(判断水位に相当)に到達したか否かを判断する(ステップG5)。なお、リセット水位とは、洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において設定可能な水位(例えば、回転槽4内に投入された洗濯物の重量に応じて設定される水位)のうち最低の水位よりも低い水位であり、この場合、例えば図1に示す撹拌体6よりも低い高さであって、制御装置17が水槽2内の水が排水されたと判断する基準となる水位(排水基準水位)がリセット水位として設定されている。このリセット水位は、予め制御プログラムに組み込んでおいてもよいし、記憶部31に記憶して適宜変更できるようにしてもよい。
【0043】
制御装置17は、水槽2内の水位がリセット水位に到達していないと判断すると(ステップG5:NO)、水槽2内の水位変動が無いと判断し、所定の給水異常時間(この場合、10分)が経過したか否かを判断する(ステップG6)。なお、本実施形態における給水異常時間は、適宜変更して設定することができ、上述の第1実施形態と同様に風呂水給水用ポンプ24の吸水性能に応じて設定してもよいし、風呂水給水用ポンプ24の吸水性能とは無関係に設定してもよい。
【0044】
制御装置17は、所定の給水異常時間が経過していないと判断すると(ステップG6:NO)、上記のステップG5に移行する。一方、制御装置17は、所定の給水異常時間が経過したと判断すると(ステップG6:YES)、風呂水の汲み上げが不可能、つまり、風呂水給水処理が失敗したと判断し、風呂水給水処理を終了する(ステップG7)。そして、制御装置17は、水道水給水処理を実行し(ステップG8)、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に水道水供給処理を完了する。そして、制御装置17は、呼び水供給時間変更処理を実行し(ステップG9)、この処理を終了する。呼び水供給時間変更処理の内容については後述する。
【0045】
なお、制御装置17は、給水異常時間内に水槽2内の水位がリセット水位に到達した場合には(ステップG6:NO、且つ、ステップG5:YES)、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に風呂水給水処理を終了し(ステップG10)、この処理を終了する。
【0046】
次に、呼び水供給時間変更処理について説明する。
制御装置17は、風呂水の汲み上げが不可能と判断(ステップG5:NO、且つ、ステップG6:YES)すると、その判断回数を汲み上げ失敗回数として記憶部31に記憶する。そして、制御装置17は、記憶部31に記憶した汲み上げ失敗回数に応じて呼び水供給時間を変更する。即ち、制御装置17は、図12に示すように、汲み上げ失敗回数が0回であれば、呼び水供給時間を15秒に設定する。そして、制御装置17は、次回の呼び水供給処理(ステップG3参照)を、この変更後の呼び水供給時間(この場合、15秒)で実行する。ここで、制御装置17は、次回の風呂水給水処理において、変更後の呼び水供給時間によっても風呂水の汲み上げが不可能と判断した場合(ステップG5:NO、且つ、ステップG6:YES)には、汲み上げ失敗回数をカウントアップ(1増加)し、この汲み上げ失敗回数(1回)に応じて呼び水供給時間を20秒に設定する。つまり、制御装置17は、呼び水供給時間を5秒延長する。そして、制御装置17は、次回の呼び水供給処理(ステップG3参照)を、この変更後の呼び水供給時間(この場合、20秒)で実行する。このように、制御装置17は、風呂水の汲み上げが不可能と判断するたびに、呼び水供給時間を変更する。なお、この場合、制御装置17は、呼び水供給時間を所定回数(この場合、6回)延長した場合には、それ以降の風呂水給水処理において風呂水の汲み上げが不可能と判断しても、呼び水供給時間(この場合、45秒)をそれ以上変更しない。
【0047】
本実施形態によれば、洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において設定可能な水位のうち最低の水位よりも低い水位がリセット水位として設定され、風呂水の給水動作が開始されてから所定時間内(給水異常時間内)に水槽2内の水位がリセット水位に到達したことが水位センサ11によって検知されない場合に、水槽2内の水位の変動が無いと判断される。このようなリセット水位を水位変動の有無の判断基準とすることで、風呂水給水処理の失敗原因(呼び水の不足により失敗したのか、或いは、呼び水は十分であるが風呂水の不足により失敗したのか)を明確に区別することができる。
【0048】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について図13を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。
即ち、制御装置17は、洗い行程を開始すると、当該洗い行程が初回の実行であるか否かに応じて呼び水供給処理を異なる時間(この場合、45秒または15秒)で実行し(ステップH1〜H3)、呼び水供給処理を終了すると、風呂水給水処理を開始する(ステップH4)。制御装置17は、風呂水給水処理を開始すると、所定の給水異常時間(この場合、3分)が経過したか否かを判断する(ステップH5)。なお、本実施形態における給水異常時間は、上述の第5実施形態と同様に、適宜変更して設定することができる。
【0049】
制御装置17は、所定の給水異常時間が経過したと判断すると(ステップH5:YES)、水位センサ11からの入力信号に基づいて、水槽2内の水位変動の有無を判断する(ステップH6)。この場合、制御装置17は、図14に示すように、ポンプモータ27の駆動開始、つまり、風呂水の給水動作の開始から所定時間後(この場合、3分後)における水位センサ11の信号レベル(kHz)を基準レベルとして設定する。その後、制御装置17は、所定時間内(この場合、30秒内)における水位センサ11の信号レベルを検知する。そして、制御装置17は、この所定時間内(30秒内)に、水位センサ11の信号レベルが基準レベルよりも所定値(この場合、0.1kHz)だけ高いレベルを複数回(この場合、2回)超えたことを検知すると、水槽2内の水位が変動したと判断する。次に、制御装置17は、ポンプモータ27の駆動開始(風呂水の給水動作の開始)から所定時間後(この場合、3分30秒後)における水位センサ11の信号レベルを新たな基準レベルとして設定する。そして、制御装置17は、その後の所定時間内(30秒内)に、水位センサ11の信号レベルが基準レベルよりも所定値(0.1kHz)だけ高いレベルを複数回(2回)超えたことを検知すると、水槽2内の水位が変動したと判断する。即ち、制御装置17は、所定時間ごと(この場合、30秒ごと)に基準レベルを更新しながら、水槽2内の水位変動の有無を判断する。
【0050】
制御装置17は、水槽2内の水位変動が無いと判断すると(ステップH6:NO)、風呂水の汲み上げが不可能、つまり、風呂水給水処理が失敗したと判断し、風呂水給水処理を終了する(ステップH7)。そして、制御装置17は、水道水給水処理を実行し(ステップH8)、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に水道水供給処理を完了する。そして、制御装置17は、呼び水供給時間変更処理を実行し(ステップH9)、この処理を終了する。
【0051】
なお、制御装置17は、風呂水給水処理において、所定の給水異常時間が経過しなかった場合(ステップH5:NO)、および、水槽2内の水位変動が有った場合(ステップH6:YES)には、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に風呂水給水処理を終了し(ステップH10)、この処理を終了する。
【0052】
本実施形態によれば、ポンプモータ27の駆動開始後、つまり、風呂水の給水動作の開始後における水槽2内の水位を基準として、水位変動の有無を判断する。このような構成によっても、風呂水給水処理の失敗原因(呼び水の不足により失敗したのか、或いは、呼び水は十分であるが風呂水の不足により失敗したのか)を明確に区別することができる。
【0053】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について図15を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。本実施形態は、洗い行程或いはすすぎ行程を含む洗濯運転において、風呂水給水処理(風呂水の給水動作)が複数回(この場合、洗い行程で1回、すすぎ行程で1回の計2回)実行される場合の制御内容を示す。
【0054】
即ち、制御装置17は、洗い行程に続いてすすぎ行程を開始すると、当該すすぎ行程が初回の実行であるか否かに応じて呼び水供給処理を異なる時間(この場合、45秒または15秒)で実行し(ステップI1〜I3)、呼び水供給処理を終了すると、風呂水給水処理を開始する(ステップI4)。制御装置17は、風呂水給水処理を開始すると、汲み上げ不可判定処理を実行する(I5)。この汲み上げ不可判定処理では、制御装置17は、上述のリセット水位および給水異常時間に基づく判断処理(図11のステップG5,G6参照)、或いは、給水異常時間および水位変動の有無に基づく判断処理(図13のステップH5,H6参照)により、汲み上げ不可の判断を行う。
【0055】
そして、制御装置17は、汲み上げ不可と判断すると(ステップI6:YES)、直前の洗い行程において風呂水の給水動作が設定されていたか否か、つまり、直前の洗い行程における給水を風呂水を使用して行ったか否かを判断する(ステップI7)。制御装置17は、直前の洗い行程における給水を風呂水を使用して行っていない場合には(ステップI7:NO)、汲み上げ失敗回数をカウントアップ(1増加)し(ステップI8)、風呂水給水処理を終了する(ステップI9)。そして、制御装置17は、水道水給水処理を実行し(ステップI10)、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に水道水給水処理を終了する。そして、制御装置17は、呼び水供給時間変更処理を実行し(ステップI11)、この処理を終了する。
【0056】
なお、制御装置17は、汲み上げ不可と判断しない場合(ステップI6:NO)、および、直前の洗い行程における給水を風呂水を使用して行った場合(ステップI7:YES)には、風呂水給水処理を終了し(ステップI12)、この処理を終了する。
【0057】
本実施形態によれば、制御装置17は、洗い行程およびすすぎ行程を含む洗濯運転において、風呂水給水処理を複数回(この場合、2回)実行する場合には、これら複数回の風呂水の給水動作のうち2回目以降の給水動作(この場合、洗い行程に続くすすぎ行程における風呂水給水動作)が失敗したと判断(ステップI6:YES、且つ、ステップI7:YES)されても、呼び水の供給時間を変更しない。即ち、洗い行程における給水で風呂水を使用した場合、浴槽内の風呂水が少なくなっているため、洗い行程に続くすすぎ行程では、呼び水量が十分であっても風呂水の給水動作に失敗する場合がある。このような場合に、不必要に呼び水供給時間が変更されてしまうことがない。
【0058】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について図16を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。
即ち、制御装置17は、洗い行程或いはすすぎ行程を含む洗濯運転を開始すると、当該洗濯運転が初回の実行であるか否かに応じて洗い行程或いはすすぎ行程における呼び水供給処理を異なる時間(この場合、45秒または15秒)で実行し(ステップJ1〜J3)、呼び水供給処理を終了すると、風呂水給水処理を開始する(ステップJ4)。制御装置17は、風呂水給水処理を開始すると、汲み上げ不可判定処理を実行する(J5)。この汲み上げ不可判定処理では、制御装置17は、上述のリセット水位および給水異常時間に基づく判断処理(図11のステップG5,G6参照)、或いは、給水異常時間および水位変動の有無に基づく判断処理(図13のステップH5,H6参照)により、汲み上げ不可の判断を行う。
【0059】
そして、制御装置17は、汲み上げ不可と判断すると(ステップJ6:YES)、前回の洗濯運転の洗い行程或いはすすぎ行程において風呂水の給水動作が設定されていたか否か、つまり、前回の洗濯運転の洗い行程或いはすすぎ行程における給水を風呂水を使用して行ったか否かを判断する(ステップJ7)。制御装置17は、前回の洗濯運転の洗い行程或いはすすぎ行程における給水を風呂水を使用して行っていない場合には(ステップJ7:NO)、汲み上げ失敗回数をカウントアップ(1増加)し(ステップJ8)、風呂水給水処理を終了する(ステップJ9)。そして、制御装置17は、水道水給水処理を実行し(ステップJ10)、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に水道水給水処理を終了する。そして、制御装置17は、呼び水供給時間変更処理を実行し(ステップJ11)、この処理を終了する。
【0060】
制御装置17は、前回の洗濯運転の洗い行程或いはすすぎ行程における給水を風呂水を使用して行った場合(ステップJ7:YES)には、タイマー32からの入力信号に基づいて、前回の洗濯運転からの経過時間が所定時間(この場合、1時間)を越えていないか否かを判断する(ステップJ12)。そして、制御装置17は、前回の洗濯運転からの経過時間が所定時間を越えている場合には(ステップJ12:NO)、ステップJ8に移行する。
【0061】
なお、制御装置17は、汲み上げ不可と判断しない場合(ステップJ6:NO)、および、前回の洗濯運転からの経過時間が所定時間を越えていない場合(ステップJ12:YES)には、風呂水給水処理を終了し(ステップJ13)、この処理を終了する。
【0062】
本実施形態によれば、制御装置17は、タイマー32によって計時される前回の洗濯運転からの経過時間が所定時間を越えていない場合には(ステップJ7:YES)、風呂水の給水動作が失敗したと判断しても(ステップJ6:YES)、呼び水の供給時間を変更しない。即ち、前回の洗濯運転において風呂水の給水動作を実行した場合であって、前回の洗濯運転から今回の洗濯運転までの経過時間が短い場合には、浴槽内の風呂水が十分に残っていない可能性が高いため、今回の洗濯運転では、呼び水量が十分であっても風呂水の給水動作に失敗する場合がある。このような場合に、不必要に呼び水供給時間が変更されてしまうことがない。
【0063】
(その他の実施形態)
本実施形態の洗濯機は、例えば次のように変形または拡張することができる。
呼び水供給時間の初期値(例えば洗濯機1の工場出荷時における呼び水供給時間の設定値)は、例えば図5に示す設定可能な供給時間のうち最長の時間(この場合、最低の水道水圧:7L/minに対応する50秒)を設定するようにしてもよい。これにより、初回の運転時において、風呂水の給水動作が失敗してしまうことを極力回避することができる。このような構成は、洗濯機1を水道水圧が低い環境に設置する場合に有効である。
【0064】
これに代わり、呼び水供給時間の初期値は、設定可能な供給時間のうち最短の時間(この場合、最高の水道水圧:15L/minに対応する10秒)を設定するようにしてもよい。これにより、初回の運転時において、呼び水が余分に供給されてしまうことを極力回避することができる。このような構成は、洗濯機1を水道水圧が高い環境に設置する場合に有効である。
【0065】
本実施形態は、水槽2の軸方向が縦方向となる縦軸型の洗濯機1のみならず、水槽の軸方向が横方向となる横軸型の洗濯機にも適用することができる。
本実施形態は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
図面中、1は洗濯機、1aは外箱(本体)、2は水槽、4は回転槽、11は水位センサ(水位検知手段)、23は給水弁(水道水供給手段)、24は風呂水給水用ポンプ、26はポンプケース(水貯留部)、32はタイマー(計時手段)、41は呼び水供給部(呼び水供給手段)、42は判断部(判断手段)、43は呼び水供給時間変更部(呼び水供給時間変更手段)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洗い行程やすすぎ行程に風呂水を使用して、水道水の使用量を減らす構成の洗濯機がある。この種の洗濯機では、風呂水給水用ポンプに呼び水を貯留した状態で当該風呂水給水用ポンプを駆動することによって風呂水を吸引して水槽内に供給する。
上記構成の洗濯機においては、呼び水が不足した状態で風呂水給水用ポンプを駆動しても風呂水を吸引することができない。一方で、水道水圧は、各家庭の環境(立地条件、水道水の配管など)によって異なっている。そのため、水圧が低い環境に洗濯機が設置されたとしても呼び水を十分に供給できるように、呼び水の供給時間を長めに設定することが行われている。
しかしながら、呼び水の供給時間を長めに設定すると、水圧が高い環境に洗濯機が設置された場合に、呼び水が余分に供給されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−71298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、使用環境に適した呼び水の供給時間を設定することができる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の洗濯機は、本体と、水槽と、水道水供給手段と、水位検知手段と、風呂水給水用ポンプと、呼び水供給手段と、判断手段と、呼び水供給時間変更手段とを備える。本体は、洗濯機の外郭を形成する。水槽は、本体内に設けられ、内部に洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程に用いられる回転槽を有する。水道水供給手段は、水槽内に水道水を供給する。水位検知手段は、水槽内の水位を検知する。風呂水給水用ポンプは、水を貯留する水貯留部を有し、当該水貯留部に水道水供給手段からの水の一部が呼び水として貯留された状態で駆動することによって本体外部の風呂水を吸引して水槽内に供給する。呼び水供給手段は、風呂水給水用ポンプによる風呂水の給水動作が開始される前に、水道水供給手段から水貯留部に呼び水を供給する。判断手段は、洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において、風呂水の給水動作が成功したか否かを水位検知手段の検知結果に基づいて判断する。呼び水供給時間変更手段は、判断手段の判断結果に基づいて、次回以降の呼び水供給手段による呼び水の供給時間を変更する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1実施形態に係るものであり、洗濯機の構成を示す縦断側面図
【図2】給水装置およびその周辺部分を示す洗濯機の平面図
【図3】洗濯機の電気的構成を示すブロック図
【図4】制御装置による制御内容を示すフローチャート
【図5】水道水圧と呼び水供給時間との関係を示す図
【図6】呼び水供給時間短縮処理の内容を示すフローチャート
【図7】呼び水供給時間延長処理の内容を示すフローチャート
【図8】第2実施形態に係る図6相当図
【図9】第3実施形態に係る図7相当図
【図10】第4実施形態に係る図7相当図
【図11】第5実施形態に係るものであり、制御装置による制御内容を示すフローチャート
【図12】汲み上げ失敗回数と呼び水供給時間との関係を示す図
【図13】第6実施形態に係る図11相当図
【図14】風呂水給水時間と水位センサの信号レベルとの関係を示す図
【図15】第7実施形態に係る図11相当図
【図16】第8実施形態に係る図11相当図
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1から図7を参照して説明する。
図1に示すように、洗濯機1は、当該洗濯機1の外郭を形成する外箱1a(本体に相当)を備える。この外箱1a内には、上面が開放した有底円筒状の水槽2が弾性吊持機構3によって支持されている。この水槽2の内部には、上面が開放した有底円筒状の回転槽4が回転可能に設けられている。この回転槽4は、洗濯物を洗う洗い行程および洗濯物をすすぐすすぎ行程における洗濯槽、および、洗濯物を脱水する脱水行程における脱水槽として兼用される。回転槽4は、その周壁部に複数の貫通孔4aを有している。この貫通孔4aは、通水および通気が可能である。回転槽4の上部には、バランスリング5が取り付けられている。また、回転槽4内の底部には、撹拌体6が回転可能に設けられている。
【0008】
水槽2の下部には排水経路7が設けられている。この排水経路7には例えば電磁式の排水弁8が設けられており、この排水弁8が開放されることにより、水槽2内(回転槽4内)の水が機外に排水される。また、水槽2の底部には、水位検知用のエアトラップ9が設けられている。このエアトラップ9には、エアパイプ10を介して水位センサ11(水位検知手段に相当)が接続されている。この水位センサ11は、この場合、圧力センサからなり、エアトラップ9内の圧力に基づいて水槽2内(回転槽4内)の水位を検知する。
【0009】
水槽2の下部の中央部には、駆動機構部12が設けられている。この駆動機構部12は、可変速駆動可能なモータ、クラッチ機構、減速装置、ブレーキ装置(何れも図示せず)などを備えている。洗い行程時或いはすすぎ行程時においては、駆動機構部12は、モータの回転力を、減速装置によって減速するとともにクラッチ機構によって撹拌体6に伝達する。脱水行程時においては、駆動機構部12は、モータの回転力を、減速装置によって減速することなくクラッチ機構によって回転槽4及び撹拌体6に高速で伝達する。
外箱1aの上部には、トップカバー13が取り付けられている。このトップカバー13には、洗濯物の出し入れ口を開閉する例えば二つ折り式の蓋14が開閉可能に設けられている。なお、水槽2の上部には、槽カバー15が開閉可能に取り付けられている。
【0010】
トップカバー13の前部には、操作パネル16が設けられている。操作パネル16には、操作入力部16a(図3参照)が設けられている。この操作入力部16aは、電源スイッチ、スタート/一時停止スイッチ、洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程を含む洗濯運転コースなどの各種の運転コースを設定する運転コース設定スイッチ、洗い行程或いはすすぎ行程における水槽2内の水位を設定する水位設定スイッチ、風呂水の給水動作(洗い行程或いはすすぎ行程における給水を風呂水を使用して行う動作)を設定する風呂水設定スイッチ(何れも図示せず)などの各種のスイッチを有する。また、操作パネル16には、設定内容や運転状況などを表示する表示部16b(図3参照)が設けられている。この操作パネル16の裏面には制御装置17が設けられている。制御装置17は、マイクロコンピュータを主体としてROM、RAMなどを備えており、制御プログラムに基づいて洗濯機1の動作全般を制御する。
【0011】
トップカバー13内の後部には、給水装置21が設けられている。次に、この給水装置21の構成について図2を参照しながら説明する。なお、この給水装置21の詳細な構成については、例えば特許文献1に開示されているので、ここでは簡単に説明する。
給水装置21は、給水器22と、例えば電磁式の給水弁23(水道水供給手段に相当)と、風呂水給水用ポンプ24とを備える。この給水装置21は、洗い行程或いはすすぎ行程において、主として水道水を水槽2内に供給するとともに、風呂水の給水動作が設定された場合には、水道以外の水源として例えば浴槽(図示せず)内の風呂水を水槽2内に供給するものである。
【0012】
給水弁23は、図示しない給水ホースを介して水道の蛇口に接続されており、水道水を給水器22内に供給する。
給水器22は、給水弁23から供給された水道水を水槽2内に供給する。なお、この給水器22内には、図示しない小室が設けられており、この小室内に供給された水道水は、呼び水供給用チューブ25を通して風呂水給水用ポンプ24内に供給される(図2中、矢印A参照)。即ち、給水弁23から給水器22内に供給された水道水の大部分は、風呂水給水用ポンプ24内に供給されることなく水槽2内に供給されるが、給水器22内に供給された水道水の一部(小室内に供給された水道水)は、風呂水給水用ポンプ24内に呼び水として供給される。このように水道水の一部を呼び水として利用する構成では、呼び水の供給時間が数秒長くなるだけで水槽2内に流れる水道水量が増加してしまい、風呂水を有効に利用するという風呂水給水の本来の目的が没却されてしまう。本実施形態は、このような課題に対応するものである。
【0013】
風呂水給水用ポンプ24は、ポンプケース26(水貯留部に相当)と、ポンプモータ27とを備える。ポンプケース26は、風呂水用吸込口28を備える。この風呂水用吸込口28には、例えば浴槽内の風呂水を吸い上げるための吸引ホース(図示せず)が接続可能である。また、給水器22から呼び水供給用チューブ25を通して供給された呼び水は、このポンプケース26内に一時的に貯留される。
ポンプモータ27は、ポンプケース26内に呼び水が貯留された状態で駆動することによって、洗濯機1外部の風呂水を、吸引ホースを介して風呂水用吸込口28からポンプケース26内に吸引し、吸引した風呂水を風呂水供給用チューブ29を通して給水器22内に供給する(図2中、矢印B参照)。給水器22内に供給された風呂水は、水槽2内に供給される。
【0014】
次に、洗濯機1の電気的構成について図3を参照しながら説明する。
制御装置17には、水位センサ11、操作パネル16の操作入力部16aなどが接続されており、これら水位センサ11、操作入力部16aなどから各種の信号が入力される。制御装置17は、これらの入力信号と、予め記憶した制御プログラムに基づいて、排水弁8、駆動機構部12、表示部16b、給水弁23、風呂水給水用ポンプ24のポンプモータ27などを、駆動回路17aを介して制御する。
【0015】
また、制御装置17には、例えばEEPROMなどの記憶媒体からなる記憶部31が設けられている。
また、制御装置17にはタイマー32(計時手段に相当)が設けられている。このタイマー32は、洗濯運転が実行されてからの経過時間を計時する。なお、タイマー32は、洗濯運転を開始してからの経過時間を計時するようにしてもよいし、洗濯運転を終了してからの経過時間を計時するようにしてもよいし、洗濯運転の途中(例えば、洗い行程やすすぎ行程の開始時または終了時)からの経過時間を計時するようにしてもよい。
【0016】
また、制御装置17は、CPUにおいて制御プログラムを実行することにより、呼び水供給部41、判断部42、呼び水供給時間変更部43をソフトウェアによって仮想的に実現する。
呼び水供給部41は、風呂水給水用ポンプ24による風呂水の給水動作が開始される前に、給水弁23から風呂水給水用ポンプ24のポンプケース26内に呼び水を供給する。
判断部42は、各種の運転コースにおける洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において、風呂水の給水動作が成功したか否かを水位センサ11の検知結果に基づいて判断する。
呼び水供給時間変更部43は、判断部42の判断結果に基づいて、次回以降の呼び水供給部41による呼び水の供給時間を変更する。
【0017】
次に、上記構成の洗濯機1の動作について図4を参照しながら説明する。
制御装置17は、各種の運転コースにおいて洗い行程或いはすすぎ行程を開始すると、風呂水の給水動作が設定されているか否かを判断する(ステップA1)。制御装置17は、風呂水の給水動作が設定されている場合には(ステップA1:YES)、呼び水供給処理を開始する(ステップA2)。この呼び水供給処理では、制御装置17は、給水弁23を開放して水道水を給水器22内に供給する。このとき、給水器22内に供給された水道水の一部が、呼び水として風呂水給水用ポンプ24のポンプケース26内に供給され貯留される。制御装置17は、呼び水供給処理を開始すると、所定の呼び水供給時間が経過したか否かを判断する(ステップA3)。そして、制御装置17は、所定の呼び水供給時間が経過したと判断すると(ステップA3:YES)、呼び水供給処理を終了する(ステップA4)。
【0018】
上記の呼び水供給時間は、例えば洗濯機1が設置された環境(使用環境)における水道水圧に応じて設定できる。即ち、例えば図5に示すように、洗濯機1の使用環境における水道水圧が、想定される水圧のうち最高の水圧(この場合、15L/min)であれば、呼び水供給時間は、設定可能な時間のうち最短の時間(図5では10秒程度)が適している。洗濯機1の使用環境における水道水圧が、想定される水圧のうち最低の水圧(この場合、7L/min)であれば、呼び水供給時間は、設定可能な時間のうち最長の時間(図5では50秒程度)が適している。洗濯機1の使用環境における水道水圧が、想定される水圧のうち中間の水圧(この場合、11L/min)であれば、呼び水供給時間は、設定可能な時間のうち中間の時間(図5では30秒程度)が適している。
【0019】
呼び水供給処理を終了すると、制御装置17は、風呂水給水処理を開始する(ステップA5)。この風呂水給水処理では、制御装置17は、上記の呼び水供給処理によって風呂水給水用ポンプ24のポンプケース26内に呼び水を貯留した状態でポンプモータ27を駆動する。これにより、制御装置17は、洗濯機1外部の風呂水を、吸引ホースを介して風呂水用吸込口28からポンプケース26内に吸引し風呂水供給用チューブ29および給水器22を介して水槽2内に供給する。制御装置17は、風呂水給水処理を開始すると、所定の給水異常時間が経過したか否かを判断する(ステップA6)。
【0020】
この給水異常時間は、風呂水給水用ポンプ24の吸水性能に応じて、例えば次のように設定することができる。即ち、風呂水給水用ポンプ24による風呂水の吸水量が7L/minであるとすると、設定水量(例えば15L)の風呂水を吸水するためには少なくとも2分が必要である。また、風呂水給水用ポンプ24の吸引力によって浴槽内の風呂水を吸引ホースを通して風呂水給水用ポンプ24の風呂水用吸込口28に到達させるまで、つまり、浴槽内の風呂水を洗濯機1内(給水装置21)に汲み上げるまでに概ね2分程度が必要である。そして、これら設定水量の風呂水を吸水するための時間(この場合、2分程度)および風呂水を汲み上げるための時間(この場合、2分程度)にマージン時間(この場合、2分程度)を加え、その時間(この場合、6分程度)を給水異常時間として設定することができる。なお、給水異常時間は、このような設定方法に限られるものではなく、適宜変更して設定することができる。
【0021】
制御装置17は、所定の給水異常時間が経過していないと判断すると(ステップA6:NO)、水位センサ11からの入力信号に基づいて、水槽2内の水位が設定水位に到達したか否かを判断する(ステップA7)。制御装置17は、水槽2内の水位が設定水位に到達していないと判断すると(ステップA7:NO)、上記のステップA6に移行する。一方、制御装置17は、水槽2内の水位が設定水位に到達したと判断すると(ステップA7:YES)、風呂水給水処理を終了し(ステップA8)、呼び水供給時間短縮処理に移行する(ステップA9)。即ち、制御装置17は、所定の給水異常時間を経過せず(ステップA6:NO)、且つ、水槽2内の水位が設定水位に到達した場合(ステップA7:YES)、つまり、風呂水のみによって水槽2内の水位が設定水位に到達した場合に、風呂水給水処理が成功したと判断し、呼び水供給時間短縮処理を実行する。この呼び水供給時間短縮処理の内容については後述する。
【0022】
上記のステップA6において、制御装置17は、所定の給水異常時間が経過したと判断すると(ステップA6:YES)、風呂水給水処理を終了し(ステップA10)、呼び水供給時間延長処理に移行する(ステップA11)。即ち、制御装置17は、水槽2内の水位が設定水位に到達せず(ステップA7:NO)、且つ、所定の給水異常時間を経過した場合(ステップA6:YES)、つまり、風呂水のみによって水槽2内の水位が設定水位に到達しない場合に、風呂水給水処理が失敗したと判断し、呼び水供給時間延長処理を実行する。この呼び水供給時間延長処理の内容については後述する。
【0023】
上記のステップA1において、制御装置17は、風呂水の給水動作が設定されていない場合には(ステップA1:NO)、水道水給水処理を開始する(ステップA12)。また、制御装置17は、呼び水供給時間延長処理(ステップA11)を終了した場合にも、水道水給水処理を開始する(ステップA12)。この水道水給水処理では、制御装置17は、給水弁23を開放して水道水を給水器22を介して水槽2内に供給する。なお、この水道水給水処理においても、給水器22内に供給された水道水の一部は、呼び水供給用チューブ25を介して風呂水給水用ポンプ24のポンプケース26内に供給される。しかし、この場合、制御装置17は、ポンプモータ27を駆動しない。そのため、ポンプケース26内に供給された呼び水は、当該ポンプケース26内に貯留されたままとなる。制御装置17は、水道水供給処理を開始すると、水位センサ11からの入力信号に基づいて、水槽2内の水位が設定水位に到達したか否かを判断する(ステップA13)。そして、制御装置17は、水槽2内の水位が設定水位に到達したと判断すると(ステップA13:YES)、水道水供給処理を終了し(ステップA14)、この処理を終了する。
【0024】
次に、上記した呼び水供給時間短縮処理(ステップA9参照)について図6を参照しながら説明する。
制御装置17は、呼び水供給時間短縮処理を開始すると、その時点で設定されている呼び水供給時間が最短(図5では10秒)であるか否かを判断する(ステップB1)。制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最短でない場合には(ステップB1:NO)、呼び水供給時間を所定時間(この場合、5秒)短縮する(ステップB2)。そして、制御装置17は、短縮した呼び水供給時間を記憶部31に記憶し(ステップB3)、この処理を終了する。なお、制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最短である場合には(ステップB1:YES)、その呼び水供給時間を変更することなく、この処理を終了する。
【0025】
次に、上記した呼び水供給時間延長処理(ステップA11参照)について図7を参照しながら説明する。
制御装置17は、呼び水供給時間延長処理を開始すると、その時点で設定されている呼び水供給時間が最長(図5では50秒)であるか否かを判断する(ステップC1)。制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長でない場合には(ステップC1:NO)、呼び水供給時間を所定時間(この場合、5秒)延長する(ステップC2)。そして、制御装置17は、延長した呼び水供給時間を記憶部31に記憶し(ステップC3)、この処理を終了する。なお、制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長である場合には(ステップC1:YES)、その呼び水供給時間を変更することなく、この処理を終了する。
【0026】
本実施形態によれば、洗濯機1の制御装置17は、洗い行程或いはすすぎ行程において、風呂水の給水動作が成功したか否かを水位センサ11の検知結果に基づいて判断し、その判断結果に基づいて、次回以降の呼び水供給動作における呼び水の供給時間を変更する。これにより、洗濯機1の使用環境に適した呼び水の供給時間を設定することができる。
【0027】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図8を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による呼び水供給時間短縮処理の制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。なお、制御装置17は、洗い行程時或いはすすぎ行程時において、風呂水給水処理が成功した場合(図4中、ステップA6:NO、且つ、ステップA7:YESの場合)には、その成功回数を記憶部31に記憶する。また、制御装置17は、風呂水給水処理が連続して成功した場合(前回の風呂水給水処理に続いて今回の風呂水給水処理も成功した場合)に、記憶部31に記憶されている成功回数をカウントアップ(1増加)する。また、制御装置17は、風呂水給水処理が成功した場合であっても前回の風呂水給水処理が失敗している場合には、記憶部31に記憶されている成功回数をカウントアップしない。
【0028】
図8に示すように、制御装置17は、呼び水供給時間短縮処理を開始すると、その時点で設定されている呼び水供給時間が最短(図5では10秒)であるか否かを判断する(ステップD1)。制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最短でない場合には(ステップD1:NO)、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の成功回数に基づいて、過去に実行した風呂水給水処理が連続して所定回数(この場合、8回)成功しているか否かを判断する(ステップD2)。制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数成功していると判断すると(ステップD2:YES)、呼び水供給時間を所定時間(この場合、5秒)短縮し(ステップD3)、短縮した呼び水供給時間を記憶部31に記憶する(ステップD4)。そして、制御装置17は、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の成功回数をクリアし(ステップD5)、この処理を終了する。
【0029】
一方、制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数成功していないと判断した場合(ステップD2:NO)、つまり、風呂水給水処理の連続成功回数が所定回数に達していない場合には、呼び水供給時間を変更することなく、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の成功回数をカウントアップ(1増加)し(ステップD6)、この処理を終了する。
なお、制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最短である場合には(ステップD1:YES)、その呼び水供給時間を変更することなく、この処理を終了する。
【0030】
本実施形態によれば、呼び水供給時間短縮処理を、過去における風呂水給水処理の連続成功回数に基づいて実行するようにしたので、呼び水の供給時間を使用環境に応じて精度良く設定することができる。また、呼び水は十分に供給されているが浴槽内の風呂水が少なくて風呂水給水処理が失敗した場合、一時的に水圧が低くなったために呼び水を十分に供給できず風呂水給水処理が失敗した場合など、特殊な事情によって風呂水給水処理が失敗した場合に、不必要に呼び水供給時間が変更されてしまうことがない。
【0031】
なお、呼び水供給時間短縮処理を、過去における風呂水給水処理の連続成功回数ではなく、例えば過去の5回の風呂水給水処理のうち4回成功した場合に呼び水供給時間短縮処理を実行するなど、過去における風呂水給水処理の成功割合に基づいて呼び水供給時間短縮処理を実行するようにしてもよい。
【0032】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図9を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による呼び水供給時間延長処理の制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。なお、制御装置17は、洗い行程時或いはすすぎ行程時において、風呂水給水処理が失敗した場合(図4中、ステップA7:NO、且つ、ステップA6:YESの場合)には、その失敗回数を記憶部31に記憶する。また、制御装置17は、風呂水給水処理が連続して失敗した場合(前回の風呂水給水処理に続いて今回の風呂水給水処理も失敗した場合)に、記憶部31に記憶されている失敗回数をカウントアップ(1増加)する。また、制御装置17は、風呂水給水処理が失敗した場合であっても前回の風呂水給水処理が成功している場合には、記憶部31に記憶する失敗回数をカウントアップしない。
【0033】
図9に示すように、制御装置17は、呼び水供給時間延長処理を開始すると、その時点で設定されている呼び水供給時間が最長(図5では50秒)であるか否かを判断する(ステップE1)。制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長でない場合には(ステップE1:NO)、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の失敗回数に基づいて、過去に実行した風呂水給水処理が連続して所定回数(この場合、2回)失敗しているか否かを判断する(ステップE2)。制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数失敗していると判断すると(ステップE2:YES)、呼び水供給時間を所定時間(この場合、5秒)延長し(ステップE3)、延長した呼び水供給時間を記憶部31に記憶する(ステップE4)。そして、制御装置17は、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の失敗回数をクリアし(ステップE5)、この処理を終了する。
【0034】
一方、制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数失敗していないと判断した場合(ステップE2:NO)、つまり、風呂水給水処理の連続失敗回数が所定回数に達していない場合には、呼び水供給時間を変更することなく、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の失敗回数をカウントアップ(1増加)し(ステップE6)、この処理を終了する。
なお、制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長である場合には(ステップE1:YES)、その呼び水供給時間を変更することなく、この処理を終了する。
【0035】
本実施形態によれば、呼び水供給時間延長処理を、過去における風呂水給水処理の連続失敗回数に基づいて実行するようにしたので、呼び水の供給時間を使用環境に応じて精度良く設定することができる。また、呼び水は十分に供給されているが浴槽内の風呂水が少なくて風呂水給水処理が失敗した場合、一時的に水圧が低くなったために呼び水を十分に供給できず風呂水給水処理が失敗した場合など、特殊な事情によって風呂水給水処理が失敗した場合に、不必要に呼び水供給時間が変更されてしまうことがない。
【0036】
なお、呼び水供給時間延長処理を、過去における風呂水給水処理の連続失敗回数ではなく、例えば過去の5回の風呂水給水処理のうち4回失敗した場合に呼び水供給時間延長処理を実行するなど、過去における風呂水給水処理の失敗割合に基づいて呼び水供給時間延長処理を実行するようにしてもよい。
【0037】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図10を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による呼び水供給時間延長処理の制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。なお、制御装置17は、洗い行程時或いはすすぎ行程時において風呂水給水処理が成功した場合には、上述の第2実施形態と同様に、記憶部31に記憶されている成功回数をカウントアップ(1増加)する。一方、制御装置17は、洗い行程時或いはすすぎ行程時において風呂水給水処理が失敗した場合には、上述の第3実施形態と同様に、記憶部31に記憶されている失敗回数をカウントアップ(1増加)する。
【0038】
図10に示すように、制御装置17は、呼び水供給時間延長処理を開始すると、その時点で設定されている呼び水供給時間が最長(図5では50秒)であるか否かを判断する(ステップF1)。制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長でない場合には(ステップF1:NO)、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の成功回数に基づいて、過去に実行した風呂水給水処理が連続して所定回数(この場合、3回)成功しているか否かを判断する(ステップF2)。制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数成功していないと判断すると(ステップF2:NO)、呼び水供給時間を所定時間(この場合、5秒)延長し(ステップF3)、延長した呼び水供給時間を記憶部31に記憶する(ステップF4)。そして、制御装置17は、記憶部31に記憶した風呂水給水処理の失敗回数をクリアし(ステップF5)、この処理を終了する。
【0039】
一方、制御装置17は、風呂水給水処理が連続して所定回数成功していると判断した場合(ステップF2:YES)、つまり、風呂水給水処理の連続成功回数が所定回数に達している場合には、呼び水供給時間を変更することなく、記憶部31に記憶されている風呂水給水処理の成功回数をクリアし(ステップF6)、この処理を終了する。
なお、制御装置17は、設定されている呼び水供給時間が最長である場合には(ステップF1:YES)、その呼び水供給時間を変更することなく、この処理を終了する。
【0040】
本実施形態によれば、制御装置17は、風呂水給水処理が失敗した場合に実行する呼び水供給時間延長処理において、過去に実行した風呂水給水処理が連続して所定回数成功している場合には、呼び水供給時間を延長しない。即ち、風呂水給水処理が失敗したとしても、過去の風呂水給水処理において成功した傾向が強いのであれば、呼び水供給時間が変更されない。これにより、例えば、呼び水は十分に供給されているが浴槽内の風呂水が少なくて風呂水給水処理が失敗した場合、一時的に水圧が低くなったために呼び水を十分に供給できず風呂水給水処理が失敗した場合など、特殊な事情によって風呂水給水処理が失敗した場合に、不必要に呼び水供給時間が変更されてしまうことがない。
【0041】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図11を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。
即ち、制御装置17は、洗い行程を開始すると、当該洗い行程が初回の実行(例えば洗濯機1が各家庭に設置されてから初めての実行)であるか否かを判断する(ステップG1)。なお、初回であるか否かの判断は、例えば、洗い行程を1回でも実行したら実行済みフラグを設定するようにし、当該実行済みフラグの設定の有無に基づいて行うことができる。制御装置17は、洗い行程が初回の実行である場合には(ステップG1:YES)、呼び水供給処理を所定時間(この場合、45秒)実行する(ステップG2)。一方、制御装置17は、洗い行程が初回の実行でない場合には(ステップG1:NO)、呼び水供給処理を所定時間(この場合、15秒)実行する(ステップG3)。
【0042】
制御装置17は、呼び水供給処理を終了すると、風呂水給水処理を開始する(ステップG4)。制御装置17は、風呂水給水処理を開始すると、水位センサ11からの入力信号に基づいて、水槽2内の水位がリセット水位(判断水位に相当)に到達したか否かを判断する(ステップG5)。なお、リセット水位とは、洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において設定可能な水位(例えば、回転槽4内に投入された洗濯物の重量に応じて設定される水位)のうち最低の水位よりも低い水位であり、この場合、例えば図1に示す撹拌体6よりも低い高さであって、制御装置17が水槽2内の水が排水されたと判断する基準となる水位(排水基準水位)がリセット水位として設定されている。このリセット水位は、予め制御プログラムに組み込んでおいてもよいし、記憶部31に記憶して適宜変更できるようにしてもよい。
【0043】
制御装置17は、水槽2内の水位がリセット水位に到達していないと判断すると(ステップG5:NO)、水槽2内の水位変動が無いと判断し、所定の給水異常時間(この場合、10分)が経過したか否かを判断する(ステップG6)。なお、本実施形態における給水異常時間は、適宜変更して設定することができ、上述の第1実施形態と同様に風呂水給水用ポンプ24の吸水性能に応じて設定してもよいし、風呂水給水用ポンプ24の吸水性能とは無関係に設定してもよい。
【0044】
制御装置17は、所定の給水異常時間が経過していないと判断すると(ステップG6:NO)、上記のステップG5に移行する。一方、制御装置17は、所定の給水異常時間が経過したと判断すると(ステップG6:YES)、風呂水の汲み上げが不可能、つまり、風呂水給水処理が失敗したと判断し、風呂水給水処理を終了する(ステップG7)。そして、制御装置17は、水道水給水処理を実行し(ステップG8)、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に水道水供給処理を完了する。そして、制御装置17は、呼び水供給時間変更処理を実行し(ステップG9)、この処理を終了する。呼び水供給時間変更処理の内容については後述する。
【0045】
なお、制御装置17は、給水異常時間内に水槽2内の水位がリセット水位に到達した場合には(ステップG6:NO、且つ、ステップG5:YES)、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に風呂水給水処理を終了し(ステップG10)、この処理を終了する。
【0046】
次に、呼び水供給時間変更処理について説明する。
制御装置17は、風呂水の汲み上げが不可能と判断(ステップG5:NO、且つ、ステップG6:YES)すると、その判断回数を汲み上げ失敗回数として記憶部31に記憶する。そして、制御装置17は、記憶部31に記憶した汲み上げ失敗回数に応じて呼び水供給時間を変更する。即ち、制御装置17は、図12に示すように、汲み上げ失敗回数が0回であれば、呼び水供給時間を15秒に設定する。そして、制御装置17は、次回の呼び水供給処理(ステップG3参照)を、この変更後の呼び水供給時間(この場合、15秒)で実行する。ここで、制御装置17は、次回の風呂水給水処理において、変更後の呼び水供給時間によっても風呂水の汲み上げが不可能と判断した場合(ステップG5:NO、且つ、ステップG6:YES)には、汲み上げ失敗回数をカウントアップ(1増加)し、この汲み上げ失敗回数(1回)に応じて呼び水供給時間を20秒に設定する。つまり、制御装置17は、呼び水供給時間を5秒延長する。そして、制御装置17は、次回の呼び水供給処理(ステップG3参照)を、この変更後の呼び水供給時間(この場合、20秒)で実行する。このように、制御装置17は、風呂水の汲み上げが不可能と判断するたびに、呼び水供給時間を変更する。なお、この場合、制御装置17は、呼び水供給時間を所定回数(この場合、6回)延長した場合には、それ以降の風呂水給水処理において風呂水の汲み上げが不可能と判断しても、呼び水供給時間(この場合、45秒)をそれ以上変更しない。
【0047】
本実施形態によれば、洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において設定可能な水位のうち最低の水位よりも低い水位がリセット水位として設定され、風呂水の給水動作が開始されてから所定時間内(給水異常時間内)に水槽2内の水位がリセット水位に到達したことが水位センサ11によって検知されない場合に、水槽2内の水位の変動が無いと判断される。このようなリセット水位を水位変動の有無の判断基準とすることで、風呂水給水処理の失敗原因(呼び水の不足により失敗したのか、或いは、呼び水は十分であるが風呂水の不足により失敗したのか)を明確に区別することができる。
【0048】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について図13を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。
即ち、制御装置17は、洗い行程を開始すると、当該洗い行程が初回の実行であるか否かに応じて呼び水供給処理を異なる時間(この場合、45秒または15秒)で実行し(ステップH1〜H3)、呼び水供給処理を終了すると、風呂水給水処理を開始する(ステップH4)。制御装置17は、風呂水給水処理を開始すると、所定の給水異常時間(この場合、3分)が経過したか否かを判断する(ステップH5)。なお、本実施形態における給水異常時間は、上述の第5実施形態と同様に、適宜変更して設定することができる。
【0049】
制御装置17は、所定の給水異常時間が経過したと判断すると(ステップH5:YES)、水位センサ11からの入力信号に基づいて、水槽2内の水位変動の有無を判断する(ステップH6)。この場合、制御装置17は、図14に示すように、ポンプモータ27の駆動開始、つまり、風呂水の給水動作の開始から所定時間後(この場合、3分後)における水位センサ11の信号レベル(kHz)を基準レベルとして設定する。その後、制御装置17は、所定時間内(この場合、30秒内)における水位センサ11の信号レベルを検知する。そして、制御装置17は、この所定時間内(30秒内)に、水位センサ11の信号レベルが基準レベルよりも所定値(この場合、0.1kHz)だけ高いレベルを複数回(この場合、2回)超えたことを検知すると、水槽2内の水位が変動したと判断する。次に、制御装置17は、ポンプモータ27の駆動開始(風呂水の給水動作の開始)から所定時間後(この場合、3分30秒後)における水位センサ11の信号レベルを新たな基準レベルとして設定する。そして、制御装置17は、その後の所定時間内(30秒内)に、水位センサ11の信号レベルが基準レベルよりも所定値(0.1kHz)だけ高いレベルを複数回(2回)超えたことを検知すると、水槽2内の水位が変動したと判断する。即ち、制御装置17は、所定時間ごと(この場合、30秒ごと)に基準レベルを更新しながら、水槽2内の水位変動の有無を判断する。
【0050】
制御装置17は、水槽2内の水位変動が無いと判断すると(ステップH6:NO)、風呂水の汲み上げが不可能、つまり、風呂水給水処理が失敗したと判断し、風呂水給水処理を終了する(ステップH7)。そして、制御装置17は、水道水給水処理を実行し(ステップH8)、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に水道水供給処理を完了する。そして、制御装置17は、呼び水供給時間変更処理を実行し(ステップH9)、この処理を終了する。
【0051】
なお、制御装置17は、風呂水給水処理において、所定の給水異常時間が経過しなかった場合(ステップH5:NO)、および、水槽2内の水位変動が有った場合(ステップH6:YES)には、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に風呂水給水処理を終了し(ステップH10)、この処理を終了する。
【0052】
本実施形態によれば、ポンプモータ27の駆動開始後、つまり、風呂水の給水動作の開始後における水槽2内の水位を基準として、水位変動の有無を判断する。このような構成によっても、風呂水給水処理の失敗原因(呼び水の不足により失敗したのか、或いは、呼び水は十分であるが風呂水の不足により失敗したのか)を明確に区別することができる。
【0053】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について図15を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。本実施形態は、洗い行程或いはすすぎ行程を含む洗濯運転において、風呂水給水処理(風呂水の給水動作)が複数回(この場合、洗い行程で1回、すすぎ行程で1回の計2回)実行される場合の制御内容を示す。
【0054】
即ち、制御装置17は、洗い行程に続いてすすぎ行程を開始すると、当該すすぎ行程が初回の実行であるか否かに応じて呼び水供給処理を異なる時間(この場合、45秒または15秒)で実行し(ステップI1〜I3)、呼び水供給処理を終了すると、風呂水給水処理を開始する(ステップI4)。制御装置17は、風呂水給水処理を開始すると、汲み上げ不可判定処理を実行する(I5)。この汲み上げ不可判定処理では、制御装置17は、上述のリセット水位および給水異常時間に基づく判断処理(図11のステップG5,G6参照)、或いは、給水異常時間および水位変動の有無に基づく判断処理(図13のステップH5,H6参照)により、汲み上げ不可の判断を行う。
【0055】
そして、制御装置17は、汲み上げ不可と判断すると(ステップI6:YES)、直前の洗い行程において風呂水の給水動作が設定されていたか否か、つまり、直前の洗い行程における給水を風呂水を使用して行ったか否かを判断する(ステップI7)。制御装置17は、直前の洗い行程における給水を風呂水を使用して行っていない場合には(ステップI7:NO)、汲み上げ失敗回数をカウントアップ(1増加)し(ステップI8)、風呂水給水処理を終了する(ステップI9)。そして、制御装置17は、水道水給水処理を実行し(ステップI10)、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に水道水給水処理を終了する。そして、制御装置17は、呼び水供給時間変更処理を実行し(ステップI11)、この処理を終了する。
【0056】
なお、制御装置17は、汲み上げ不可と判断しない場合(ステップI6:NO)、および、直前の洗い行程における給水を風呂水を使用して行った場合(ステップI7:YES)には、風呂水給水処理を終了し(ステップI12)、この処理を終了する。
【0057】
本実施形態によれば、制御装置17は、洗い行程およびすすぎ行程を含む洗濯運転において、風呂水給水処理を複数回(この場合、2回)実行する場合には、これら複数回の風呂水の給水動作のうち2回目以降の給水動作(この場合、洗い行程に続くすすぎ行程における風呂水給水動作)が失敗したと判断(ステップI6:YES、且つ、ステップI7:YES)されても、呼び水の供給時間を変更しない。即ち、洗い行程における給水で風呂水を使用した場合、浴槽内の風呂水が少なくなっているため、洗い行程に続くすすぎ行程では、呼び水量が十分であっても風呂水の給水動作に失敗する場合がある。このような場合に、不必要に呼び水供給時間が変更されてしまうことがない。
【0058】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について図16を参照しながら説明する。本実施形態は、制御装置17による制御内容が、上述の第1実施形態と異なる。
即ち、制御装置17は、洗い行程或いはすすぎ行程を含む洗濯運転を開始すると、当該洗濯運転が初回の実行であるか否かに応じて洗い行程或いはすすぎ行程における呼び水供給処理を異なる時間(この場合、45秒または15秒)で実行し(ステップJ1〜J3)、呼び水供給処理を終了すると、風呂水給水処理を開始する(ステップJ4)。制御装置17は、風呂水給水処理を開始すると、汲み上げ不可判定処理を実行する(J5)。この汲み上げ不可判定処理では、制御装置17は、上述のリセット水位および給水異常時間に基づく判断処理(図11のステップG5,G6参照)、或いは、給水異常時間および水位変動の有無に基づく判断処理(図13のステップH5,H6参照)により、汲み上げ不可の判断を行う。
【0059】
そして、制御装置17は、汲み上げ不可と判断すると(ステップJ6:YES)、前回の洗濯運転の洗い行程或いはすすぎ行程において風呂水の給水動作が設定されていたか否か、つまり、前回の洗濯運転の洗い行程或いはすすぎ行程における給水を風呂水を使用して行ったか否かを判断する(ステップJ7)。制御装置17は、前回の洗濯運転の洗い行程或いはすすぎ行程における給水を風呂水を使用して行っていない場合には(ステップJ7:NO)、汲み上げ失敗回数をカウントアップ(1増加)し(ステップJ8)、風呂水給水処理を終了する(ステップJ9)。そして、制御装置17は、水道水給水処理を実行し(ステップJ10)、水槽2内の水位が設定水位に到達した後に水道水給水処理を終了する。そして、制御装置17は、呼び水供給時間変更処理を実行し(ステップJ11)、この処理を終了する。
【0060】
制御装置17は、前回の洗濯運転の洗い行程或いはすすぎ行程における給水を風呂水を使用して行った場合(ステップJ7:YES)には、タイマー32からの入力信号に基づいて、前回の洗濯運転からの経過時間が所定時間(この場合、1時間)を越えていないか否かを判断する(ステップJ12)。そして、制御装置17は、前回の洗濯運転からの経過時間が所定時間を越えている場合には(ステップJ12:NO)、ステップJ8に移行する。
【0061】
なお、制御装置17は、汲み上げ不可と判断しない場合(ステップJ6:NO)、および、前回の洗濯運転からの経過時間が所定時間を越えていない場合(ステップJ12:YES)には、風呂水給水処理を終了し(ステップJ13)、この処理を終了する。
【0062】
本実施形態によれば、制御装置17は、タイマー32によって計時される前回の洗濯運転からの経過時間が所定時間を越えていない場合には(ステップJ7:YES)、風呂水の給水動作が失敗したと判断しても(ステップJ6:YES)、呼び水の供給時間を変更しない。即ち、前回の洗濯運転において風呂水の給水動作を実行した場合であって、前回の洗濯運転から今回の洗濯運転までの経過時間が短い場合には、浴槽内の風呂水が十分に残っていない可能性が高いため、今回の洗濯運転では、呼び水量が十分であっても風呂水の給水動作に失敗する場合がある。このような場合に、不必要に呼び水供給時間が変更されてしまうことがない。
【0063】
(その他の実施形態)
本実施形態の洗濯機は、例えば次のように変形または拡張することができる。
呼び水供給時間の初期値(例えば洗濯機1の工場出荷時における呼び水供給時間の設定値)は、例えば図5に示す設定可能な供給時間のうち最長の時間(この場合、最低の水道水圧:7L/minに対応する50秒)を設定するようにしてもよい。これにより、初回の運転時において、風呂水の給水動作が失敗してしまうことを極力回避することができる。このような構成は、洗濯機1を水道水圧が低い環境に設置する場合に有効である。
【0064】
これに代わり、呼び水供給時間の初期値は、設定可能な供給時間のうち最短の時間(この場合、最高の水道水圧:15L/minに対応する10秒)を設定するようにしてもよい。これにより、初回の運転時において、呼び水が余分に供給されてしまうことを極力回避することができる。このような構成は、洗濯機1を水道水圧が高い環境に設置する場合に有効である。
【0065】
本実施形態は、水槽2の軸方向が縦方向となる縦軸型の洗濯機1のみならず、水槽の軸方向が横方向となる横軸型の洗濯機にも適用することができる。
本実施形態は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
図面中、1は洗濯機、1aは外箱(本体)、2は水槽、4は回転槽、11は水位センサ(水位検知手段)、23は給水弁(水道水供給手段)、24は風呂水給水用ポンプ、26はポンプケース(水貯留部)、32はタイマー(計時手段)、41は呼び水供給部(呼び水供給手段)、42は判断部(判断手段)、43は呼び水供給時間変更部(呼び水供給時間変更手段)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を形成する本体と、
前記本体内に設けられ、内部に洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程に用いられる回転槽を有する水槽と、
前記水槽内に水道水を供給する水道水供給手段と、
前記水槽内の水位を検知する水位検知手段と、
水を貯留する水貯留部を有し、当該水貯留部に前記水道水供給手段からの水の一部が呼び水として貯留された状態で駆動することによって前記本体外部の風呂水を吸引して前記水槽内に供給する風呂水給水用ポンプと、
前記風呂水給水用ポンプによる前記風呂水の給水動作が開始される前に、前記水道水供給手段から前記水貯留部に前記呼び水を供給する呼び水供給手段と、
前記洗い行程または前記すすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において、前記風呂水の給水動作が成功したか否かを前記水位検知手段の検知結果に基づいて判断する判断手段と、
前記判断手段の判断結果に基づいて、次回以降の前記呼び水供給手段による前記呼び水の供給時間を変更する呼び水供給時間変更手段と、
を備えることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記判断手段は、前記風呂水の給水動作において前記水槽内に供給される前記風呂水によって前記水槽内の水位が設定水位に到達したことが前記水位検知手段によって検知されたか否かに基づいて、前記風呂水の給水動作が成功したか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記判断手段は、前記風呂水の給水動作において前記水槽内の水位の変動が前記水位検知手段によって検知されない場合に、前記風呂水の給水動作が失敗したと判断し、
前記呼び水供給時間変更手段は、前記判断手段が前記風呂水の給水動作が失敗したと判断した場合に、次回以降の前記呼び水供給手段による前記呼び水の供給時間を変更することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記判断手段は、前記洗い行程または前記すすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において設定可能な水位のうち最低の水位よりも低い水位を判断水位として設定し、前記風呂水の給水動作が開始されてから所定時間内に前記水槽内の水位が前記判断水位に到達したことが前記水位検知手段によって検知されない場合に、前記水槽内の水位の変動が無いと判断することを特徴とする請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記呼び水供給時間変更手段は、前記洗い行程または前記すすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程を含む洗濯運転において、前記風呂水の給水動作が複数回実行される場合には、これら複数回の前記風呂水の給水動作のうち2回目以降の供給動作において前記判断手段が前記風呂水の給水動作が失敗したと判断しても前記呼び水の供給時間を変更しないことを特徴とする請求項3または4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記洗い行程または前記すすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程を含む洗濯運転が実行されてからの経過時間を計時する計時手段を備え、
前記呼び水供給時間変更手段は、前記計時手段によって計時される前回の前記洗濯運転からの経過時間が所定時間を越えていない場合には、前記判断手段が前記風呂水の給水動作が失敗したと判断しても前記呼び水の供給時間を変更しないことを特徴とする請求項3または4に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記呼び水の供給時間の初期値は、設定可能な供給時間のうち最長の時間が設定されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記呼び水の供給時間の初期値は、設定可能な供給時間のうち最短の時間が設定されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の洗濯機。
【請求項1】
外郭を形成する本体と、
前記本体内に設けられ、内部に洗い行程またはすすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程に用いられる回転槽を有する水槽と、
前記水槽内に水道水を供給する水道水供給手段と、
前記水槽内の水位を検知する水位検知手段と、
水を貯留する水貯留部を有し、当該水貯留部に前記水道水供給手段からの水の一部が呼び水として貯留された状態で駆動することによって前記本体外部の風呂水を吸引して前記水槽内に供給する風呂水給水用ポンプと、
前記風呂水給水用ポンプによる前記風呂水の給水動作が開始される前に、前記水道水供給手段から前記水貯留部に前記呼び水を供給する呼び水供給手段と、
前記洗い行程または前記すすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において、前記風呂水の給水動作が成功したか否かを前記水位検知手段の検知結果に基づいて判断する判断手段と、
前記判断手段の判断結果に基づいて、次回以降の前記呼び水供給手段による前記呼び水の供給時間を変更する呼び水供給時間変更手段と、
を備えることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記判断手段は、前記風呂水の給水動作において前記水槽内に供給される前記風呂水によって前記水槽内の水位が設定水位に到達したことが前記水位検知手段によって検知されたか否かに基づいて、前記風呂水の給水動作が成功したか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記判断手段は、前記風呂水の給水動作において前記水槽内の水位の変動が前記水位検知手段によって検知されない場合に、前記風呂水の給水動作が失敗したと判断し、
前記呼び水供給時間変更手段は、前記判断手段が前記風呂水の給水動作が失敗したと判断した場合に、次回以降の前記呼び水供給手段による前記呼び水の供給時間を変更することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記判断手段は、前記洗い行程または前記すすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程において設定可能な水位のうち最低の水位よりも低い水位を判断水位として設定し、前記風呂水の給水動作が開始されてから所定時間内に前記水槽内の水位が前記判断水位に到達したことが前記水位検知手段によって検知されない場合に、前記水槽内の水位の変動が無いと判断することを特徴とする請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記呼び水供給時間変更手段は、前記洗い行程または前記すすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程を含む洗濯運転において、前記風呂水の給水動作が複数回実行される場合には、これら複数回の前記風呂水の給水動作のうち2回目以降の供給動作において前記判断手段が前記風呂水の給水動作が失敗したと判断しても前記呼び水の供給時間を変更しないことを特徴とする請求項3または4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記洗い行程または前記すすぎ行程の少なくとも何れか1つの行程を含む洗濯運転が実行されてからの経過時間を計時する計時手段を備え、
前記呼び水供給時間変更手段は、前記計時手段によって計時される前回の前記洗濯運転からの経過時間が所定時間を越えていない場合には、前記判断手段が前記風呂水の給水動作が失敗したと判断しても前記呼び水の供給時間を変更しないことを特徴とする請求項3または4に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記呼び水の供給時間の初期値は、設定可能な供給時間のうち最長の時間が設定されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記呼び水の供給時間の初期値は、設定可能な供給時間のうち最短の時間が設定されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の洗濯機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−239982(P2011−239982A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115290(P2010−115290)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】
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