説明

洗車機

【課題】自動車の前後面及び側面をブラッシング洗浄する側面ブラシを車体に押し付けるとき過接触による車体やブラシの破損を防止する洗車機を提供する。
【解決手段】自動車の前後面及び側面をブラッシング洗浄する側面ブラシが所定角度傾斜したことを検出するか、あるいは自動車と側面ブラシとの相対位置と自動車の形状とに基づいて側面ブラシの前後方向もしくは左右方向の傾斜角度θ3を算出し、算出した傾斜角度θ3が所定値以上になったらブラシの相対移動を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車を跨ぐように門型に形成された洗車機本体を走行させて自動車の車体を洗浄するタイプの洗車機に関し、特に自動車の前後面及び側面をブラッシングする側面ブラシを備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、本出願人は特許文献1に示す洗車機を提案している。この洗車機は、側面ブラシを開閉する開閉機構と、側面ブラシを垂直方向に対し自動車の前後方向及び左右方向に揺動する揺動機構とを備え、側面ブラシを洗浄する自動車の前後面及び側面に所定角度傾斜した姿勢で接触させてブラッシング洗浄するものである。
【0003】
このような洗車機において、自動車の前後面を洗浄する場合、左右の側面ブラシを閉じて洗車機本体を走行させ、自動車の前面もしくは後面に押し付けて所定角度前傾もしくは後傾になると洗車機本体の走行を停止してから左右の側面ブラシを開き洗浄が行われる。また、自動車の側面を洗浄する場合は、左右の側面ブラシを自動車の側面に押し付け、所定角度傾斜した姿勢を保持するように開閉機構を制御して洗浄が行われる。
【0004】
さて、側面ブラシが所定角度傾斜したことを検出する手段として、所定量傾いた位置でスイッチングする近接スイッチを備えているが、このスイッチが何らかの原因で故障すると、側面ブラシの車体への押し付けが停止せず、過接触により車体やブラシを破損させてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−79455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、側面ブラシを車体に押し付けるときに過接触による車体やブラシの破損を防止する洗車機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するため本発明は、自動車の前後面及び側面をブラッシング洗浄する左右一対の側面ブラシと、該側面ブラシを自動車の前後方向に揺動自在に支持する前後揺動手段と、自動車と側面ブラシとを相対移動させる走行手段と、自動車と側面ブラシとの相対位置を検出する相対位置検出手段と、自動車の形状を検出する車形検出手段とを備えた洗車機において、前記相対位置検出手段で検出する自動車と側面ブラシとの相対位置と前記車形検出手段で検出する自動車の形状とに基づいて側面ブラシの前傾もしくは後傾角度を算出し、算出した傾斜角度が所定値以上になったら前記走行手段による相対移動を停止させる制御手段を備えたことを特徴とする洗車機を提供するものである。
【0008】
また、自動車の前後面及び側面をブラッシング洗浄する左右一対の側面ブラシと、該側面ブラシを自動車の前後方向に揺動自在に支持する前後揺動手段と、側面ブラシの傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段と、自動車と側面ブラシとを相対移動させる走行手段と、自動車と側面ブラシとの相対位置を検出する相対位置検出手段と、自動車の形状を検出する車形検出手段とを備えた洗車機において、前記傾斜角度検出手段で側面ブラシが所定角度傾斜したことを検出するか、あるいは前記車形検出手段で検出する自動車の形状と前記相対位置検出手段で検出する自動車と側面ブラシとの相対位置とに基づいて算出される側面ブラシの傾斜角度が所定値以上になったら前記走行手段による相対移動を停止させる制御手段を備えたことを特徴とする洗車機を提供するものである。
【0009】
また、自動車の側面をブラッシング洗浄する左右一対の側面ブラシと、該側面ブラシを自動車の側面に接離する開閉手段と、側面ブラシの開閉位置を検出する開閉位置検出手段と、側面ブラシを自動車の幅方向に揺動支持する左右揺動手段と、側面ブラシの揺動傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段を備えた洗車機において、前記傾斜角度検出手段で側面ブラシが所定角度傾斜したことを検出するか、あるいは前記開閉位置検出手段で側面ブラシが自動車の最小車幅より近づいたことを検出すると開閉手段を停止させる制御手段を備えたことを特徴とする洗車機を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、側面ブラシの傾斜を検出する近接スイッチや傾斜センサが故障したとしても側面ブラシを車体に過接触させてブラシや車体を破損させてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の洗車機を示す正面図である。
【図2】同洗車機の側面図である。
【図3】側面ブラシの平面図である。
【図4】側面ブラシの正面図である。
【図5】側面ブラシの側面図である。
【図6】制御系を示すブロック図である。
【図7】1往復洗車での側面ブラシの動作を示す説明図である。
【図8】前面洗浄を示す説明図である。
【図9】側面洗浄を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施態様について図面を基に説明する。図1は本発明の洗車機を示す正面図、図2は同洗車機の側面図である。
1は洗車機本体で、左右一対のレール2,2上を往復走行し、レール2,2間に停車される自動車を跨ぐように移動する。3,4・4は洗車機本体1に設けられる洗車処理装置としての回転ブラシで、3は車体面に沿って昇降動作し主に車体上面を洗浄する上面ブラシ、4・4は車体面に沿って開閉動作し車体の側面および前後面を洗浄する左右一対の側面ブラシである。5,6・6は洗車機本体1に設けられ洗浄後の車体の乾燥をはかる洗車処理装置としてのブロワノズルで、5は車体面に沿って昇降動作する上面ブロワノズル、6・6は車体面に沿って出没動作する左右一対の側面ブロワノズルである。
【0013】
7は洗車機本体1の前方に配置され本体1の走行に伴い自動車の上面位置を読み取る車形検出装置、8は洗車機本体1が単位距離走行する毎にパルス出力するエンコーダ、9,9は洗車機本体1を走行させる走行モータである。車形検出装置7は、自動車を幅方向に挾むようにして上下に複数の発光素子を配列した発光部7aと受光素子を配列した受光部7bを対向させ、発光部7aと受光部7bの対となる発光素子・受光素子間で形成される光軸が自動車の車体によって遮られたのを検知して車両を検出し、車体の上面位置を検知するものである。
【0014】
図3〜5は側面ブラシ4の構造を示す説明図であり、図3は平面図、図4は正面図、図5は側面図を示している。
左右一対の側面ブラシ4・4は、それぞれ本体1内の後方上部に左右に渡って水平に横架されたガイドレール10に挟持するキャリア11と、該キャリア11から吊下される回転軸12と、該回転軸12の周囲に植毛される布製又は樹脂製のブラシ体13とから構成され、開閉装置14を介してガイドレール10上を走行し左右別々に開閉可能にされるとともに、左右揺動装置15及び前後揺動装置16を介して左右方向及び前後方向に揺動自在にされる。キャリア11には、正逆可能な回転モータ17が取り付けられており、プーリ、ベルト等からなる連係装置18を介して回転軸12と連係され、ブラシを正転・逆転させる。
【0015】
開閉装置14は、側面ブラシ4を左右別々に開閉するものであり、図3に示すように、ブラシ開閉用モータ19と、一端がキャリア11に接続され、他端がスプロケット20を介して開閉モータ19の駆動軸に懸架されたチェーン21と、モータの駆動軸先端に接続されるブラシ走行位置検出用のエンコーダ22とから構成される。
【0016】
左右揺動装置15は、側面ブラシ4を垂直位置から下方が外側に開く位置まで揺動させるもので、図4に示すように、キャリア11の上面において回転軸12の上端を連結固定する支持板23と、該支持板23を一方向に揺動支持する支軸24と、支持板23が所定角度θ1傾斜した位置でスイッチングする第1近接スイッチ25と、支持板23が所定角度θ2(>θ1)傾斜した位置でスイッチングする第2近接スイッチ26とから構成される。
【0017】
前後揺動装置16は、側面ブラシ4を垂直位置から上方が本体1の前方及び後方に傾斜する位置までガイドレール10を揺動させるもので、図5に示すように、ガイドレール10の上部に連結する揺動アーム27と、該アーム27上端の前後に取り付けた第1スプリング28及び第2スプリング29と、ガイドレール軸の下部に取り付けられたスイッチアーム30と、このスイッチアーム30が所定角度θ3前傾もしくは後傾した位置でスイッチングする第1近接スイッチ31と、スイッチアーム30が所定角度θ4(>θ3)前傾もしくは後傾した位置でスイッチングする第2近接スイッチ32とから構成される。
【0018】
このような構成により、自動車の側面洗浄は、側面ブラシ4を車体に押し付け、第1近接スイッチ25がオンとなる所定角度θ1傾斜した状態で行われる。車体変化により、この傾きは変化していくが、第1近接スイッチ25でブラシの揺動角が所定角度θ1より小さくなったことが検出されると、開閉装置14によりブラシを車体に接近させるようし、第2近接スイッチ26がオンとなる所定角度θ2になったことが検出されると開閉装置14を駆動してブラシを車体から離すようにして、ブラシの揺動角を常にθ1<θ<θ2の範囲に保持する。
【0019】
また、自動車の前面及び後面洗浄は、洗車機本体1の走行に伴い側面ブラシ4を車体に押し付け、第1近接スイッチ31がオンとなる所定角度θ3前傾もしくは後傾した状態で本体1の走行を停止し、本体1を停止させたまま側面ブラシ4・4を回転させて左右に開いていくことで行われる。第2近接スイッチ32は、車体への過接触によりオンとなり、その時点で洗車を停止させる。
【0020】
図6は実施態様の制御系を示すブロック図である。
40は洗車制御部で、車形検出装置7と、エンコーダ8と、開閉装置14のエンコーダ22・22と、左右揺動装置15の各近接スイッチ25・26と、前後揺動装置16の各近接スイッチ31,32と、洗車駆動部41と、操作部42が接続されている。洗車駆動部41は、本体走行モータ9と、側面ブラシ4の回転モータ17と、開閉装置14の開閉モータ19が接続される他、上面ブラシ3、ブロワノズル5,6・6の駆動系が接続され、洗車制御部40で検出した自動車の上面形状・側面位置・端面位置に基づいて本体1・上面ブラシ3・側面ブラシ4・ブロワノズル5,6・6を駆動するものである。操作部42は、洗車内容の選択や洗車の開始入力を行う他、操作する人に対し表示や音声で注意事項や操作手順等を案内出力するものであり、通常は洗車機本体1前面に設けられるが、運転者が乗車したままドライブスルー形式で洗車を行う場合等には、本体1と別体とし洗車エリアの入口に設置されることになる。
【0021】
洗車制御部40は、走行エンコーダ8からの情報に基づいて洗車機本体1の走行位置を検出する走行位置検出部43と、車形検出装置7と走行エンコーダ8からの情報に基づいて自動車の上面形状を検出する車形検出部44と、開閉装置14のエンコーダ22・22と左右揺動装置15の各近接スイッチ25・26からの情報に基づいて自動車の側面位置を検出する側面位置検出部45と、開閉装置14のエンコーダ22・22からの情報に基づいて側面位置の異常を判定する側面エラー判定部46と、車形検出装置7と走行エンコーダ8からの情報に基づいて自動車の端面位置を検出する端面位置検出部47と、走行エンコーダ8と前後揺動装置16の各近接スイッチ31,32からの情報に基づいて端面位置の異常を判定する端面エラー判定部48と、各種データを記憶するデータ記憶部49を備えている。
【0022】
走行位置検出部43は、走行モータ9の駆動に伴い本体1が単位距離走行する毎にエンコーダ8が出力するパルス信号をカウントすることで本体1の走行位置を検知する。車形検出部44は、車形検出装置7の発光部7aに信号出力して発光素子を上から順に発光させ、これと同期して受光部7bにおける受光素子での受光レベルを取得して車体の上面位置を検知し、この上面位置を本体1の単位距離走行毎に蓄積して、上面形状データを形成する。
【0023】
側面位置検出部45は、開閉装置14の開閉モータ19の駆動に伴いエンコーダ22・22が出力するパルス信号をカウントしていき、近接スイッチ25で車体との接触を検出した時点のパルス数で車体側面までの距離を検知する。側面エラー判定部46は、エンコーダ22・22が出力するパルス信号が所定値以上に達しても近接スイッチ25からの入力がない場合に近接スイッチ25の異常を検知する。
【0024】
端面位置検出部47は、車形検出装置7で自動車の端面を検出してから走行エンコーダ8が出力するパルス信号のカウント数が、車形検出装置7と側面ブラシ4との距離Sに相当するパルス数に達することで、側面ブラシ4が自動車の前面に達したことを検知する。端面エラー判定部48は、走行エンコーダ8が出力するパルス信号のカウント数が所定値以上に達しても近接スイッチ31からの入力がない場合に近接スイッチ31の異常を検知する。
【0025】
以下、このように構成する洗車機の洗車動作について説明する。
洗車する自動車を、洗車機本体1の前方より進入させ、本体1の車形検出装置7よりも手前で停車させる。停車位置は、図示しないタイヤ検知板やビームセンサ等の公知の停車検知手段によって与えられる。操作部42で1往復洗車を選択した場合、本体1の1往行に伴い、車形検出装置7で自動車Aの形状を読み取り、車体形状に合わせて後行するブラシ3・4・4を制御し車体面のブラッシング洗浄が行われ、続く本体1の1復行に伴い、ブロワノズル5,6・6から車体に空気を吹き付けて車体面のブロワ乾燥が行われる。
【0026】
図7は1往復洗車での側面ブラシ4・4の動作を示している。
洗車がスタートすると、本体1が往行を開始し、車形検出装置7で検出される自動車Aの前端に対し、側面ブラシ4・4を閉じてアプローチする(S1)。車形検出装置7が自動車の前端を検出してから、本体1が車形検出装置7と側面ブラシ4・4との距離S分走行すると、端面位置検出部47において側面ブラシ4が自動車の前端に達したと判断し、この位置から更に本体1を走行させて側面ブラシ4を車体前面に押し付ける。側面ブラシ4が前後揺動装置16により揺動し、近接スイッチ31が作動して所定角度θ3に前傾すると、本体1の往行を一旦停止させる。このとき、端面エラー判定部48では、側面ブラシ4が前面に達してからの距離を監視し、所定値Lよりも前進したら近接スイッチ31の異常を検知する。
【0027】
ここで、所定値Lは、検出した自動車前端の高さ位置に応じて決定される。図8に示すように、側面ブラシ4が自動車の前端に接触する位置P1から近接スイッチ31によって検出される前傾角度θ3に傾斜する位置P2までに移動する走行距離は、普通車がL1であるのに対し、ワンボックス車がL2(<L1)となる。前傾角度θ3及び床面から側面ブラシ4の支軸までの高さHは定数であり、自動車前端高さh1は車形検出装置7で取り込まれる上面形状から検出されるため、各走行距離L1(L2)=(h−h1)tanθ3で算出される。こうして、自動車前端高さh1に応じて所定値Lを決定し、この所定値Lを超えて本体1が走行しても近接スイッチ31が作動しない場合は、近接スイッチ31の異常を検知して洗車を中止する。
【0028】
側面ブラシ4が自動車前端に接触して所定角度前傾した状態から左右の側面ブラシ4を回転させながら左右に開いていき、自動車Aの前面が洗浄される。このとき、側面ブラシ4・4は、垂直姿勢に復帰しようとする力で車体面に接触し、車体前面から側面にかけての曲面に追従してブラッシングするようになる。すなわち、図7における軌跡Sを描いて車体前面から車体側面に回り込み、曲面が洗浄される。
【0029】
側面ブラシ4・4が開くと、前後方向で垂直姿勢に復帰するので、開閉装置14により車体側面に押し付け、左右のブラシをそれぞれ上方が自動車A側に傾倒したハの字姿勢になるように傾斜させて車体の側面洗浄が行われる。このとき、第1近接スイッチ25が作動し、第2近接スイッチ26が作動しない範囲、すなわち側面ブラシ4を角度θ1<θ<θ2の範囲で傾斜するように開閉装置14でブラシを接離させる。側面エラー判定部46では、開閉装置14のエンコーダ22・22が出力するパルス信号が所定値W以上に達しても近接スイッチ25からの入力がない場合に、近接スイッチ25の異常を検知する。
【0030】
ここで、所定値Wは、軽自動車の車幅を基準に決定される。すなわち、側面ブラシ4・4の待機位置間の距離をDとし、軽自動車の車幅をdとすると、所定値W=D−dで与えられる。図9に示すように、側面ブラシ4が開閉装置14により車体側面に接触して所定角度θ1に傾斜する位置に移動したとき、エンコーダ22で検出される待機位置からの走行距離w1,w2の和(w1+w2)を所定値Wと比較し、所定値W(=D−d)を超えて近接スイッチ31が作動しない場合は、近接スイッチ31の異常を検知して洗車を中止する。
【0031】
車形検出装置7が自動車Aの後端を検出し、本体1が車形検出装置7と側面ブラシ4・4との距離S分走行すると、側面ブラシ4・4が左右方向への押し付け力が無くなり左右方向の垂直姿勢に復帰する。この動作により、側面ブラシ4・4は車体側面から後面にかけての曲面に追従して車体後面に回り込んでいくため、曲面が確実にブラッシングされる。車体後面のブラッシングは、側面ブラシ4・4を閉じていき、そこから更に左右に開いていくことで行われる。その後、本体1を走行停止位置まで走行させて停止し、1往行のブラシ工程が終了となる。
【0032】
ここでは1往復でブラッシングとブローを実行する洗車コースを例示しているので、復行時にはブロワノズル5,6,6から送風して車体の水滴を除去する乾燥工程が行われる。このとき、側面ブラシ4による車体側面のブラッシングを行った際、車体側面距離w1,w2が検出されるので、このデータを基に側面ブロワノズル6・6を車体側面に進退させるようにすることができる。尚、2往復の洗車コースを選択した場合には、復行時にもブラシ工程が行われることになるが、このときの洗浄動作は、上記した車体前面の洗浄を車体後面で行い、車体後面の洗浄を車体前面で行われるものである。
【0033】
以上のように本発明は、側面ブラシ4の傾斜を検出する近接スイッチが故障等により作動しなかった場合であっても、車体に対する側面ブラシの接近度合いを認識して過接触することがなく、安全に洗車を行えるようにしたものである。
尚、上記実施態様では側面ブラシ4の傾斜を所定位置に取り付けた近接スイッチにより検出しているが、XY方向の傾斜が無段階で検出できる傾斜センサを用いた場合にも適用できる。傾斜センサを用いた場合では、センサ故障の安全装置として側面ブラシが異常な傾斜をしたときにスイッチングするリミットスイッチを取り付ける必要があるが、このスイッチを設けなくても良くなる。
【0034】
また、上記実施態様では門型洗車機に実施した例を示したが、コンベア式洗車機においても、洗車機本体の走行制御をコンベアによる自動車の搬送制御に代えて実施することにより、容易に実施可能である。また、ブラシやブロワのレイアウトが変えて、ドライブスルー方式の洗車機に応用することも可能である。また、1往復の洗車以外にも洗車機を2往復・3往復させて様々なニーズに応じた洗車動作をさせることができる。また、各ブロワノズル5,6,6を各ブラシ3,4,4よりも後方に配置し、ブラシとの間に車体上面に沿って昇降するシャッターを設けて隔離することで、片道単位での洗車も可能となる。
【符号の説明】
【0035】
1 洗車機本体
4・4 側面ブラシ
7 車形検出装置
14 開閉装置
15 左右揺動装置
16 前後揺動装置
40 洗車制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の前後面及び側面をブラッシング洗浄する左右一対の側面ブラシと、該側面ブラシを自動車の前後方向に揺動自在に支持する前後揺動手段と、自動車と側面ブラシとを相対移動させる走行手段と、自動車と側面ブラシとの相対位置を検出する相対位置検出手段と、自動車の形状を検出する車形検出手段とを備えた洗車機において、
前記相対位置検出手段で検出する自動車と側面ブラシとの相対位置と前記車形検出手段で検出する自動車の形状とに基づいて側面ブラシの前傾もしくは後傾角度を算出し、算出した傾斜角度が所定値以上になったら前記走行手段による相対移動を停止させる制御手段を備えたことを特徴とする洗車機。
【請求項2】
自動車の前後面及び側面をブラッシング洗浄する左右一対の側面ブラシと、該側面ブラシを自動車の前後方向に揺動自在に支持する前後揺動手段と、側面ブラシの傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段と、自動車と側面ブラシとを相対移動させる走行手段と、自動車と側面ブラシとの相対位置を検出する相対位置検出手段と、自動車の形状を検出する車形検出手段とを備えた洗車機において、
前記傾斜角度検出手段で側面ブラシが所定角度傾斜したことを検出するか、あるいは前記車形検出手段で検出する自動車の形状と前記相対位置検出手段で検出する自動車と側面ブラシとの相対位置とに基づいて算出される側面ブラシの傾斜角度が所定値以上になったら前記走行手段による相対移動を停止させる制御手段を備えたことを特徴とする洗車機。
【請求項3】
自動車の側面をブラッシング洗浄する左右一対の側面ブラシと、該側面ブラシを自動車の側面に接離する開閉手段と、側面ブラシの開閉位置を検出する開閉位置検出手段と、側面ブラシを自動車の幅方向に揺動支持する左右揺動手段と、側面ブラシの揺動傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段を備えた洗車機において、
前記傾斜角度検出手段で側面ブラシが所定角度傾斜したことを検出するか、あるいは前記開閉位置検出手段で側面ブラシが自動車の最小車幅より近づいたことを検出すると開閉手段を停止させる制御手段を備えたことを特徴とする洗車機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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