説明

洗車機

【課題】洗車の際に撥水コートやワックスなどのコーティング剤を塗布する洗車機において、コーティング剤の塗布ムラを効果的に抑制して均一に塗布可能にする洗車機を提供する。
【解決手段】洗車機本体1と被洗浄車両CAとを前後方向に相対移動させながら洗車を行う洗車機において、洗浄後の被洗浄車両CAの表面にコーティング剤を噴射して塗布するコーティング剤ノズルを備え、このコーティング剤ノズルが塗布面にコーティング剤を円環状に吹き付ける空円錐ノズル9(9a、9b)から成る構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば給油所に設置され洗車に使用される洗車機に関し、特に、洗車の際に撥水コートやワックスなどのコーティング剤を塗布する洗車機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給油所などに設置されている洗車機は、被洗浄車両と洗車機本体を前後方向に相対移動させながら、被洗浄車両に貯液タンクに貯留された液剤や洗浄水を噴射して洗車を行う構成とされている。また、液剤や洗浄水を噴射しながらブラッシングして洗浄することや、洗浄後に風を吹き付けて乾燥することが行われている。
【0003】
洗浄工程においては、先ず、洗浄水を用いて汚れを落とし、次いでシャンプーなどの液剤を用いて洗浄し、さらに洗浄水を用いて水洗いする。この洗浄工程の後で、各送風ノズルから送風して乾燥する乾燥工程が行われる。また、必要に応じて撥水コートやワックスなどの液剤(コーティング剤)塗布工程を適宜組み合わせて洗車を行う。このように、洗車の際に用いる液剤としては、各種のシャンプーや各種のコーティング剤が用いられており、それぞれ専用の貯液タンクに貯留され、タンク内に挿入されたチューブを介して、洗車工程の処理に応じて噴射され消費される。また、複数の洗車モードから所望のモードを選択し、使用する液剤の種類を選択して所定の洗車モードに設定する操作パネルやリモートパネルを備えている。操作パネルは洗車機本体に配設しているが、リモートパネルは洗車機本体から離れた位置に設置して、このリモートパネルと操作パネルとを電気的に接続して、リモートパネルに設定された洗車モードにより、洗車機を駆動可能にしている。
【0004】
上記した洗車機においては、被洗浄車両の上面に洗浄水や液剤を噴射するためのトップノズルと、被洗浄車両の側面に洗浄水や液剤を噴射するためのサイドノズルを備えている。特に、撥水コートやワックスなどのコーティング剤を塗布する場合には、その高級な仕上がり感を得るためには、コーティング剤をムラなく均一に塗布することが望まれる。
【0005】
そのために、コーティング剤をムラなく均一に塗布するための工夫が種々提案されており、本出願人からも、側面の上下に前後にずらした位置に二個の側面ノズルを設けた洗車機が既に出願されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−201420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上下に複数の噴射ノズルを有する側面ノズルであれば、多種の車両に対して、その側面の全面に各種の液剤を吹き付けることができる。さらに、上下の噴射ノズルを前後方向にずらして配設することで、液剤の広がりにより生じる塗布ムラや垂れシミを効果的に抑制して、撥水コートやワックスなどのコーティング剤を均一に塗布可能となる。しかし、複数の噴射ノズルを設けることは、装置部品のコストが高くなることに加えて、コーティング剤や水の消費量に対しても不利である。
【0008】
そのために、一個の噴射ノズルを用いてコーティング剤を均一に塗布可能な構成が望ましい。従来の噴射ノズルは、上下方向に扇状に広がる噴射ノズルを用いているので、前後方向には狭い所定の幅で噴射しており、洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させることで車両の側面に沿って連続的にコーティング剤を塗布している。しかしながら、狭い所定幅の扇状に吹き付けながら相対移動させる一度塗りでは、塗布面全体を十分均一に塗布することは困難である。
【0009】
高級な洗車仕上がりを発揮するためには、車体表面に塗布する撥水コートやワックスなどのコーティング剤の塗布厚みを均一に一様な厚みにすることが好ましいので、側面ノズルから噴射されるコーティング剤の塗布ムラを効果的に抑制することが望ましい。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み、洗車の際に撥水コートやワックスなどのコーティング剤を塗布する洗車機において、コーティング剤の塗布ムラを効果的に抑制して均一に塗布可能にする洗車機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させながら洗車を行う洗車機において、洗浄後の被洗浄車両の表面にコーティング剤を噴射して塗布するコーティング剤ノズルを備え、前記コーティング剤ノズルが塗布面に前記コーティング剤を円環状に吹き付ける空円錐ノズルから成ることを特徴としている。
【0012】
この構成によると、空円錐ノズルを用いてコーティング剤を吹き付けながら洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させるので、円環状部が重なる際に二度塗り効果を発揮する。そのために、コーティング剤の塗布ムラを効果的に抑制して均一に塗布可能となる洗車機を得ることができる。
【0013】
また本発明は上記構成の洗車機において、前記コーティング剤ノズルによって被洗浄車両のドアノブを含む側面に前記コーティング剤を噴射することを特徴としている。この構成によると、ドアノブを含む車体側面の被塗布面にコーティング剤を確実に二度塗りすることができ、均等な厚みのコーティング膜を形成することができる。
【0014】
また本発明は上記構成の洗車機において、塗布面に円環状に吹き付けられる前記コーティング剤の帯幅に対して外径を5〜15倍にしたことを特徴としている。この構成によると、洗車機本体と被洗浄車両とが相対移動する際に、所定の時間差を持って円環状部が重なる構成となり、所定の二度塗り効果を発揮して、コーティング剤を一様な厚みで塗布して高級な洗車仕上がりを発揮する。
【0015】
また本発明は上記構成の洗車機において、前記コーティング剤が撥水コートまたはワックスであることを特徴としている。この構成によると、撥水コートやワックス(艶出しコーティング)を一様な厚みで塗布できるので、高級な洗車仕上がりを発揮することができる。
【0016】
また本発明は上記構成の洗車機において、被洗浄車両の端部において、前記円環状部の左右両端の帯部が重なり合うように前記コーティング剤を噴射することを特徴としている。この構成によると、コーティング剤を車体の全塗布面に一様な厚みで塗布できるので、高級な洗車仕上がりを発揮することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、洗浄後の被洗浄車両の表面にコーティング剤を噴射して塗布するコーティング剤ノズルとして空円錐ノズルを用いているので、円環状部が重なる際に二度塗り効果を発揮し、コーティング剤の塗布ムラを効果的に抑制して均一に塗布可能となる洗車機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る洗車機の全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明に係る洗車機の概略正面図である。
【図3】本発明に係る洗車機が備える空円錐ノズルの噴射状態を示す概略正面図である。
【図4】本発明に係る洗車機が備える空円錐ノズルの噴射状態を示す概略平面図である。
【図5】空円錐ノズルの塗布状態を示す概略説明図である。
【図6】空円錐ノズルの重なり合う塗布状態を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1、図2は一実施形態の洗車機WAを示す側面図、概略正面図である。洗車機WAは左右の対向する2つのスタンド部90の上端を連結する天井部91を有して門型に形成される洗車機本体(本体部)1を備える。洗車機本体1の進入経路上にはリモートパネル7Aが配される。被洗浄車両CAはリモートパネル7Aの面前で停車し、リモートパネル7Aの操作によって洗車の受け付け等を行う。
【0020】
洗車機本体1の底面には地面に設けられた左右一対のレール2上に配される車輪3が設けられる。これにより、洗車機本体1はレール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に相対移動するように立設される。
【0021】
洗車機本体1には被洗浄車両CAをブラッシングする複数の回転するブラシを設けている。ブラシはトップブラシ4、サイドブラシ5及びロッカーブラシ6から成っている。トップブラシ4は被洗浄車両CAの上面を洗浄し、布(織布、編布、不織布等)や樹脂繊維から成るブラシ毛を放射状に固着して形成される。
【0022】
サイドブラシ5は左右一対設けられ、被洗浄車両CAの両側面と前後面に摺動して被洗浄車両CAを洗浄する。ロッカーブラシ6は左右一対設けられ、被洗浄車両CAのタイヤを含む側面下部を洗浄する。サイドブラシ5及びロッカーブラシ6もトップブラシ4と同様の回転軸及びブラシ毛を有している。
【0023】
洗車機本体1の一方の側方には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液する複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部50が配される。タンク収納部50の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を電磁弁等を介して分配する分配配管部51が設けられる。分配配管部51には第1、第2浄水ノズル11、13、第1、第2洗剤ノズル12、15、撥水コートノズル14、ワックスノズル16が導出される。洗車機本体1の後方には洗浄液や高圧空気を供給する供給部(不図示)が設けられ、分配配管部51に接続される。洗浄液は市水だけでなく、洗剤やワックス等の各種液剤と混合されてもよい。
【0024】
第1、第2浄水ノズル11、13は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して市水を噴射する。第1、第2洗剤ノズル12、15は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して洗剤を噴射する。撥水コートノズル14は洗車機本体1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対して撥水コート剤を噴射する。ワックスノズル16は洗車機本体1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対してワックスを噴射する。
【0025】
また、洗車機本体1には被洗浄車両CAを乾燥させるトップ送風ノズル21とサイド送風ノズル22とを設けている。洗車機本体1の中央上部にはトップ送風ノズル21が設けられ、両側方にはサイド送風ノズル22が設けられる。トップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22はブロワ20からの送風を被洗浄車両CAに対して吹き付けて乾燥させる。
【0026】
洗車機本体1の前面上部には車両センサ8が設けられている。車両センサ8は光電センサや超音波センサ等から成り、洗車機本体1に進入する被洗浄車両CAの外面形状を検知する。
【0027】
洗車機本体1の一方の側方の前面には操作パネル7が配される。操作パネル7はリモートパネル7Aと同様の操作ボタンを備え、被洗浄車両CAから降車したユーザ等の操作により洗車の受け付けや洗車条件の設定を行う。
【0028】
洗車条件の設定としてはシャンプー、ワックス掛け、撥水コート等を水洗いに追加するボタンが操作パネル7及びリモートパネル7Aに設けられる。また、高級なシャンプー、高級なワックス(例えば、艶出しコーティング)、高級な撥水コート、特殊なコート等を行うボタンも設けられている。さらに、フロントガード有り、フェンダーポール有り、ドアミラー有り、リヤワイパー有り、該当装備品無し等の装備品設定ボタンが設けられている。
【0029】
本実施形態の洗車機WAは、洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させながら、被洗浄車両の洗車を行う洗車機であって、先に説明した撥水コートノズル14やワックスノズル16などのコーティング剤ノズルとして空円錐ノズル9(9a、9b)を用いる構成とされている。すなわち、本実施形態の洗車機WAは、洗車機本体1と被洗浄車両CAとを前後方向に相対移動させながら洗車を行う洗車機であって、洗浄後の被洗浄車両CAの表面にコーティング剤を噴射して塗布するコーティング剤ノズルを備え、このコーティング剤ノズルが塗布面にコーティング剤を円環状に吹き付ける空円錐ノズル9(9a、9b)から成ることを特徴とする。
【0030】
空円錐ノズル9(9a、9b)は、車体側面の塗布面に中空円錐状(空円錐状ともいう)にコーティング剤を一体に噴射して、円環状にコーティング剤を吹き付けるコーティング剤ノズルである。例えば、図5に示すように、被洗浄車両CAの側面部の塗布面を所定幅の円環状部SAにコーティング剤を吹き付ける。
【0031】
そして、空円錐ノズル9(9a、9b)を用いてコーティング剤を吹き付けながら洗車機本体1と被洗浄車両CAとを前後方向に相対移動させる(例えば、洗車機本体1を図中の矢印D1方向に移動する)ので、円環状部SAの左右の帯部が重なることで二度塗り効果を発揮する。そのために、コーティング剤の塗布ムラを効果的に抑制して均一に塗布可能となる洗車機を得ることができる。
【0032】
この空円錐ノズル9(9a、9b)は、ノズル中央部に設けられた細孔部から空円錐状に流体を噴射する従来公知の空円錐ノズルを用いる。また、本実施形態では、被塗布面から約50cm離れた位置から液剤を噴射して、円環状部SAの幅が約5cmで外径が約50cmとなるような空円錐ノズルを用いている。
【0033】
すなわち、円環状部SAは、その液剤の吹き付け幅(帯幅:約5cm)に対してその外径が約10倍程度(約50cm)とされる。また、空円錐状に吹出す拡散角度は所定範囲内であれば増減可能であるので、この帯幅に対する外径の好ましい範囲は5〜15倍程度がよいと想定される。すなわち、塗布面に円環状に吹き付けられるコーティング剤の帯幅に対して外径が5〜15倍程度であれば、洗車機本体1と被洗浄車両CAとが相対移動する際に、所定の時間差を持って円環状部が重なる構成となり、所定の二度塗り効果を発揮して、コーティング剤を一様な厚みで塗布して高級な洗車仕上がりを発揮する。
【0034】
このような円環状部SAを形成する空円錐ノズル9(9a、9b)を用いてコーティング剤を吹き付けながら、洗車機本体1と被洗浄車両CAとが相対移動すると、図6に示すように、噴射状態SA1が噴射状態SA2まで連続的に移動して、所定の時間差を持って円環状部SAが重なる構成となる。すなわち、重なり部KAを連続的に形成して所定の二度塗り効果を発揮する。そのために、コーティング剤を一様な厚みで塗布することができ、高級な洗車仕上がりを発揮する。
【0035】
次に、本実施形態の空円錐ノズルの噴射状態について図3および図4を用いてさらに説明する。
【0036】
図3に示すように、門型の洗車機本体1の所定の洗車位置に、被洗浄車両CAを停止して、洗車機本体1を被洗浄車両CAの前後方向に相対移動させながら所定の洗車工程を実行する。また、浄水ノズルを用いた汚れ落としや、洗剤ノズルとブラシを用いた洗浄の後に、撥水コートやワックス(艶出しコーティング)などのコーティング剤を塗布する。
【0037】
この際、図3の図中の左側に空円錐ノズル9aを配設し、右側に空円錐ノズル9bを配設して、被洗浄車両CAの左右の側面部に空円錐状にコーティング剤を吹き付ける。例えば、空円錐ノズル9aは円環状部SAaを形成するように所定角度に拡散しながらコーティング剤を噴射し、空円錐ノズル9bは円環状部SAbを形成するように所定角度に拡散しながらコーティング剤を噴射する。
【0038】
コーティング剤は、例えば艶出しコーティング剤であって、被塗布面に均一な塗膜厚みで塗布することで高級な仕上がり感を発揮する。特に、ドアノブ部などの人が頻繁に目にしたり触ったりする部分は、塗布厚みが均一で、一様な見栄えや手触り感を有していることが好ましい。
【0039】
そのために本実施形態では、空円錐ノズル9(9a、9b)を用いて被洗浄車両CAのドアノブを含む側面に艶出しコーティング剤を噴射しながら洗車機本体1を図4に示す矢印D1方向に移動させている。すなわち、艶出しコーティング剤を吹き付けながら洗車機本体1と被洗浄車両CAとを前後方向に相対移動させている。
【0040】
そのために、車体側面の塗布面を円環状部SAが水平移動して互いに重なり合いながら連続的に塗布していくことになる。すなわち、円環状の左右の環状部(帯部)が所定の時間差をおいて重なり合う構成となって二度塗りの効果を発揮して、塗膜厚みの均一化を図ることができる。このように、本実施形態によれば、コーティング剤の塗布ムラを効果的に抑制して均一に塗布可能となる。
【0041】
また、塗布面に対して確実に二度塗りを行うためには、円環状の左右の環状部が重なる位置まで洗車機本体1と被洗浄車両CAとを前後方向に相対移動させることが望ましい。このように、被洗浄車両CAの端部において、円環状部SAの左右両端の帯部が重なり合うようにコーティング剤を噴射する構成であれば、コーティング剤を車体の全塗布面に一様な厚みで塗布できるので、高級な洗車仕上がりを発揮することができる。
【0042】
空円錐ノズル9(9a、9b)を用いたコーティング剤噴射工程であっても、コーティング剤や水の消費量は増加しない。これは、従来の上下方向に広がる扇状の噴射ノズルにより噴射するのと同じ量の水とコーティング剤を供給して、この水とコーティング剤を空円錐状に噴射しているからである。
【0043】
空円錐ノズル9(9a、9b)を用いて塗布するコーティング剤は、例えば、撥水コートやワックス(特に、艶出しコーティング剤)である。この構成であれば、撥水コートやワックス(艶出しコーティング剤)を一様な厚みで塗布できるので、高級な洗車仕上がりを発揮することができる。
【0044】
空円錐ノズル9(9a、9b)の設置位置は、洗車の際に艶出しコーティングなどの高級な仕上がりが求められる高級乗用車に共通な二点に固定しておくことができる。また、左右および上下に移動可能な構成として、洗車時に設定される車種、および、洗車時に検知される車幅や車高に応じた適当な位置に移動させる構成としてもよい。
【0045】
すなわち、洗車機本体1と被洗浄車両CAとを前後方向に相対移動させながら、コーティング剤を所定角度拡散した空円錐状に噴射することにより、空円錐ノズル9aが円環状部SAaを形成するように噴射し、空円錐ノズル9bが円環状部SAbを形成するように噴射して、被洗浄車両CAの所望される側面領域にコーティング剤を一様に塗布することが可能になる。
【0046】
上記したように、本発明に係る洗車機によれば、洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させながら洗車を行うと共に、洗浄後の被洗浄車両の表面にコーティング剤を噴射して塗布するコーティング剤ノズルとして空円錐ノズルを用いているので、円環状部分が重なる際に二度塗り効果を発揮し、コーティング剤の塗布ムラを効果的に抑制して、車両の表面にコーティング剤を均一に塗布可能となる洗車機を得ることができる。
【0047】
また、コーティング剤ノズルによって被洗浄車両のドアノブを含む側面にコーティング剤を噴射する構成であれば、ドアノブを含む車体側面の塗布面にコーティング剤を確実に二度塗りすることができ、均等な厚みのコーティング膜を形成することができる。
【0048】
特に、乗降車の際に、目にし手で触るドアノブ付近の艶出しコーティングを一様な厚みに成膜して良好に仕上げることで、高級な仕上がり感を実現して洗車効果を一層向上させることができる。このように、車両の持ち主だけでなく、洗車機の管理者にとっても好ましい洗車機を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
そのために、本発明に係る洗車機は、洗車の高級な仕上がりが求められる洗車場の洗車機として好適に適用される。
【符号の説明】
【0050】
1 洗車機本体
2 レール
3 車輪
9 空円錐ノズル
KA 重なり部
SA 円環状部
CA 被洗浄車両
WA 洗車機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させながら洗車を行う洗車機において、洗浄後の被洗浄車両の表面にコーティング剤を噴射して塗布するコーティング剤ノズルを備え、前記コーティング剤ノズルが塗布面に前記コーティング剤を円環状に吹き付ける空円錐ノズルから成ることを特徴とする洗車機。
【請求項2】
前記コーティング剤ノズルによって被洗浄車両のドアノブを含む側面に前記コーティング剤を噴射することを特徴とする請求項1に記載の洗車機。
【請求項3】
塗布面に円環状に吹き付けられる前記コーティング剤の帯幅に対して外径を5〜15倍にしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗車機。
【請求項4】
前記コーティング剤が撥水コートまたはワックスであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の洗車機
【請求項5】
被洗浄車両の端部において、前記円環状部の左右両端の帯部が重なり合うように前記コーティング剤を噴射することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の洗車機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−95234(P2013−95234A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238808(P2011−238808)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】