説明

活性酸素殺菌装置

【課題】 器物、袋、或いは管状物体の外側と内側を同時に、処理される器具等の材質に関係なく殺菌でき、また表面上での薬物残留などの心配の無い殺菌装置を提供する。
【解決手段】 活性酸素殺菌装置は、器物、袋、或いは管状物体の外側を紫外線照射により殺菌する機構と、前記器物、前記袋、或いは前記管状物体の内側を紫外線によって酸素を含む気体から発生させた活性酸素化学種により殺菌する機構とを有する。器物、袋、或いは管状物体の外側は紫外線光源からの紫外線の直接照射によって、また、前記器物、前記袋、或いは前記管状物体の内側は、紫外線光源からの紫外線照射によって酸素を含む気体から発生させた活性酸素化学種を含む気体を送気ポンプ等の適当な送気手段によってその内側に導入することによって殺菌処理を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器、器具等の器物、又は袋、或いはホース、チューブ、パイプ等の管状物体、の外側・内側両方の表面を同時に殺菌するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線照射は、例えば低圧水銀ランプ、エキシマランプ等の紫外線光源から放射される紫外線と空気中の酸素分子との相互作用により生成する活性酸素化学種の強い酸化作用を利用して細菌等の微生物を構成する物質を分解することによって殺菌する方法として従来から広く利用されてきた。
【0003】
例えば、主たる放射光が波長185nmと254nmの紫外線である低圧水銀ランプを用いると、185nmの紫外線は酸素分子を分解してオゾン(O)を生成し(下記数式1及び2)、一方、254nmの紫外線は生成したオゾンを分解し励起状態の活性酸素原子(O・)を生成する(下記数式3)ので、下記数式1から3で示されるサイクル反応が起きることが知られている。なお、活性酸素原子(O・)以外に、ヒドロキシラジカル(・OH)、スーパーオキシド(O)等も高い酸化作用を有するので、これらの物質を総称して「活性酸素化学種」と呼ばれている。
【0004】
(数式1)
+hν(185nm)→O・+O・
【0005】
(数式2)
+O・→O
【0006】
(数式3)
+hν(254nm)→O・+O
【0007】
しかしながら、紫外線照射による従来の殺菌方法では、紫外線を物体の表面に照射して微生物を殺菌するため、紫外線照射を受けた部位の表面は殺菌されるが、紫外線が直接届かない部位、例えば、容器、器具等の器物の内部、又は袋の内部、或いはチューブ等の管状物体の内面までは殺菌できないという問題があった。
【0008】
ところで、気管支喘息等の呼吸器系疾患の治療に利用される吸入器(「ネブライザー」とも言う)は患部に生理的食塩水や抗生物質等の液体を送り込むための治療器具であり、吸入器本体、送気ホース等からなり、ポンプ等と組み合わせて使用され、その際、これら部材の中を液体が輸送される。従って、これらの内部の殺菌が十分でないと、この液体が細菌等によって汚染される恐れがある。
【0009】
この吸入器の内部の殺菌には従来より「高圧蒸気滅菌法」や「化学的消毒法」等が使用されているが、高圧蒸気滅菌法では使用可能な材質が限定されており、また化学的消毒法では表面上での化学薬剤物質の極微量の残留などの問題があり、共に殺菌法として欠点を有している。
【0010】
まず、高圧蒸気滅菌法の概要に関する記述は、例えば非特許文献1に開示されている。高圧蒸気滅菌法は、適当な温度及び圧力の飽和水蒸気を発生させ、あるいはこの飽和水蒸気を導入した滅菌処理室内で所定の時間加熱することにより、微生物を殺滅する方法である。滅菌温度は、被滅菌物の特性に応じて115〜135℃(この時、飽和水蒸気圧は170〜310kPa)が用いられる。この方法で利用する飽和水蒸気の熱は、同温度の空気に比べ熱エネルギーが大きく殺菌効果が高いため、比較的低い温度でしかも短時間での滅菌が可能である。
【0011】
しかし、高圧蒸気滅菌法では上記のように、100℃を超える温度と大気圧の2、3倍の圧力の飽和水蒸気を使用するため、このような高温、高圧、高湿下で変形・変質する材質からなる物品は滅菌処理できないという制約がある。
【0012】
一方、化学的消毒法の概要に関しては、例えば非特許文献2に開示されている。化学的消毒法は、アルコール類、アルデヒド類、塩素化合物、フェノール類、界面活性剤、等の化学薬剤を使用分野、被消毒対象物、対象微生物によって、単独あるいは併用して、清拭、洗浄、浸漬、散布、噴霧、薫蒸等の方法で、器物、用具、物品等を消毒する方法である。この方法は、簡便な操作である程度高い殺菌効果が得られるため、古くから多方面で利用されてきた。
【0013】
しかし、化学的消毒法では、使用する化学薬剤によっては、可燃性、不快感、刺激臭、腐食性を有するものがあり、また、化学薬剤に接触した被消毒対象物の表面上で処理作業後も極微量残留するものがある。このため、消毒された器物を使用する患者や消毒作業従事者の健康に悪影響を及ぼす可能性があるだけでなく、被消毒対象物が腐蝕されて破損する恐れもある。また、別の側面として近年、化学薬剤の使用は化学薬剤が効果を発揮しない抵抗性菌の出現を招くという問題も指摘されている。
【0014】
【非特許文献1】佐々木次雄、他編著「日本薬局方に準拠した滅菌法及び微生物殺滅法」財団法人日本規格協会、p.115〜136(1998年)
【非特許文献2】佐々木次雄、他編著「日本薬局方に準拠した滅菌法及び微生物殺滅法」財団法人日本規格協会、p.241〜259(1998年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上記の点に鑑みて創出されたものであって、器物、袋、或いは管状物体の外側と内側を同時に、処理される器具等の材質に関係なく殺菌でき、また表面上での薬物残留などの心配の無い殺菌装置を提供するものである。すなわち、器物、袋、或いは管状物体の外側を紫外線ランプから照射される紫外線により効果的に殺菌し、紫外線の届かないその内側を紫外線ランプで発生させた活性酸素化学種を用いて殺菌する機構を有する殺菌装置を提供することを目的とする。
【0016】
ここで、器物とは、容器(物を入れるうつわ。入れもの。)、器具(道具。うつわ。構造の比較的簡単な器械。)等を含むうつわものを言う。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に係る発明は、器物又は袋の外側を紫外線照射により殺菌する機構と、前記器物又は袋の内側を紫外線によって発生させた活性酸素化学種により殺菌する機構とを有することを特徴とする活性酸素殺菌装置である。
【0018】
請求項2に係る発明は、管状物体の外側を紫外線照射により殺菌する機構と、前記管状物体の内側を紫外線によって発生させた活性酸素化学種により殺菌する機構とを有することを特徴とする活性酸素殺菌装置である。
【0019】
請求項3に係る発明は、器物又は袋の外側と管状物体の外側を紫外線照射により殺菌する機構と、前記器物又は袋の内側と前記管状物体の内側を紫外線によって発生させた活性酸素化学種により殺菌する機構とを有することを特徴とする活性酸素殺菌装置である。
【0020】
請求項4に係る発明は、前記管状物体がホース、チューブ、パイプから選ばれる少なくとも1つである、請求項2又は3記載の活性酸素殺菌装置である。
【0021】
請求項5に係る発明は、呼吸器系疾患の治療に使用される吸入器について、吸入器本体の外側とそれに接続して使用される送気ホースの外側を紫外線照射により殺菌する機構と、前記吸入器本体の内側とそれに接続して使用される送気ホースの内側を紫外線によって発生させた活性酸素化学種により殺菌する機構とを有することを特徴とする活性酸素殺菌装置である。
【0022】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5記載の活性酸素殺菌装置において、紫外線照射は紫外線ランプを用いて行なうことを特徴とする活性酸素殺菌装置である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る発明においては、器物又は袋の外側は紫外線照射により殺菌することができると同時に、紫外線によって発生させた活性酸素化学種は気体物質と同様に挙動する性質を有し器物又は袋の内側に侵入させることができるので、この活性酸素化学種によってその器物又は袋の内面を殺菌することができるという、従来には無い効果が得られる。
【0024】
請求項2に係る発明においては、例えばホース、チューブ、パイプ等の管状物体の外側は紫外線照射により殺菌することができると同時に、紫外線によって発生させた活性酸素化学種は気体物質と同様に挙動する性質を有しホース、チューブ、パイプ等の管状物体の内側に侵入させることができるので、この活性酸素化学種によってホース、チューブ、パイプ等の管状物体の内面を殺菌することができるという、従来には無い効果が得られる。
【0025】
請求項3の係る発明においては、器物又は袋の外側と管状物体の外側は紫外線照射により殺菌することができると同時に、紫外線によって発生させた活性酸素化学種は気体物質と同様に挙動する性質を有し器物又は袋の内側と管状物体の内側に侵入させることができるので、この活性酸素化学種によってその器物又は袋の内面と管状物体の内面を殺菌することができるという、従来には無い効果が得られる。
【0026】
請求項5に係る発明においては、呼吸器系疾患の治療に使用される吸入器における吸入器本体の外側とそれに接続して使用される送気ホースの外側は紫外線照射により殺菌することができると同時に、紫外線によって発生させた活性酸素化学種は気体物質と同様に挙動する性質を有し前記吸入器本体の内側及び前記送気ホースの内側に侵入させることができるので、この活性酸素化学種によって前記吸入器本体の内面及び前記送気ホースの内面を殺菌することができるという、従来には無い効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、図面を参照して本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例】
【0028】
図1は、気管支喘息や他の呼吸器系疾患の治療に使用される吸入器(「ネブライザー」とも言う)を消毒する、本発明の活性酸素殺菌装置の構造及び機能を説明するための概念的模式図である。図1においては、同装置の内部を上から見たように描いてあり、送気ホースは吸入器本体に接続された状態で、消毒のために同装置内にセットされた様子が示されている。
【0029】
図1に示すように、本発明の活性酸素殺菌装置1は少なくとも、ケース2の内部に紫外線光源部3と紫外線照射処理区域6と活性酸素化学種供給機構9とを有しており、紫外線光源部3は少なくとも、ランプジャケット4とその内部に収納された紫外線ランプ5とから構成される。
【0030】
ランプジャケット4は254nmの波長近傍の紫外線は透過しこれより短波長の紫外線は透過しない材料、例えば溶融石英ガラス等の材料から構成し閉じた空間を形成している。紫外線ランプ5は少なくとも185nmと254nmの両波長の紫外線を放射するランプ、例えば低圧水銀ランプを用いる。同ランプの灯数は、必要な紫外線照度にもよるが、通常は8Wのランプを1灯使用する。同ランプの両端部は電源供給部(図示せず)に接続している。紫外線ランプ5は、殺菌効果の高い波長254nmの紫外線をランプジャケット4を透過して紫外線光源部3の外に放射すると同時に、波長185nmの紫外線の放射によりランプジャケット4の内部で活性酸素化学種を発生させる。
【0031】
殺菌処理すべき吸入器本体7と送気ホース8は、紫外線ランプ5からの波長254nmの紫外線直射光21が外表面に照射可能な、破線A及びBで囲まれた紫外線照射処理区域6内にセットされる。なお、吸入器本体7と送気ホース8は、その外表面がすべて確実に紫外線照射を受けるように、紫外線照射処理区域6の底面から適当な手段によって空中に浮いたような姿勢を取らせるようにする。これらの外表面は高度な殺菌レベルは要求されないので、紫外線直射光の影になる部位には、紫外線照射処理区域の壁面での紫外線反射光が当たればよい。
【0032】
図1で22は紫外線光源部3で発生させた活性酸素化学種を含む気体の流れを表わしている。吸入器本体7と送気ホース8の内部は、治療で使用する場合とは逆方向に活性酸素化学種を含む気体を流して殺菌処理を行なう。活性酸素化学種供給機構9は、紫外線光源部3で発生させた活性酸素化学種を紫外線照射処理区域6内にセットした吸入器本体7と送気ホース8の内部に供給する役割を果たす。活性酸素化学種供給機構9は、主として吸引ポンプ等で構成され、コネクター10及び11と連絡チューブ15を介してランプジャケット4と接続されており、ランプジャケット4側から活性酸素化学種を含む気体を取り入れ、吸入器本体7と連絡している送出ホース18の側へ同気体を送出している。また活性酸素化学種供給機構9は、活性酸素化学種の発生源である酸素を取り入れる為、空気取入れ口19からケース2内の空気を適宜吸入している。
【0033】
吸入器本体7と送気ホース8は、活性酸素化学種の流れの上流側がアダプターホース16、コネクター12及び送出ホース18を介して活性酸素化学種供給機構9と、また下流側がコネクター13及び14と連絡チューブ17を介してランプジャケット4と、それぞれ接続している。
【0034】
次に、本発明の活性酸素殺菌装置を用いた殺菌処理プロセスを説明する。まず、活性酸素殺菌装置1のケース2内は、予め適当な手段によって微細な埃等が存在しない清浄な雰囲気を形成しておく。殺菌処理すべき吸入器本体7と送気ホース8は、前述したように紫外線照射処理区域6内に的確に配置し、治療での使用時とは逆方向に吸気側コネクター12及び排気側コネクター13と接続する。
【0035】
次に、紫外線ランプ5を点灯させ、また活性酸素化学種供給機構9の吸引ポンプの動作を開始する。すると、紫外線ランプ5から放射される紫外線のうち波長254nmの紫外線(殺菌線)はランプジャケット4を透過してその外部に照射され、紫外線照射処理区域6内の吸入器本体7と送気ホース8の外表面に到達して表面上の細菌等を殺菌する。(図1で21はランプジャケット4を透過した紫外線を表わす。)一方、ランプジャケット4内部では、紫外線ランプ5から放射させる波長185nmの紫外線によって活性酸素原子(・O)等の活性酸素化学種が発生し徐々にその濃度が高まっていく。
【0036】
そして、これら活性酸素化学種を含む気体は、活性酸素化学種供給機構9によって連絡チューブ15を経由して吸引され送出ホース18から送出された後、アダプターホース16を経て吸入器本体7及びこれに接続された送気ホース8の内部に導入される。活性酸素化学種は気体分子と同様に挙動するので、吸入器本体7及び送気ホース8の内部の至る所にまで侵入し、吸入器本体7及び送気ホース8の内面に到達した活性酸素化学種は付着している細菌等を順次殺菌していく。処理を終えた活性酸素化学種を含む気体は、連絡チューブ17を経てランプジャケット4に回収されて戻ってくる。この時、活性酸素化学種は、吸入器本体7及び送気ホース8の内面の殺菌に消費されて、その濃度はかなり小さくなっているが、その後紫外線ランプ5からの紫外線照射を受けて濃度は復活する。
【0037】
吸入器本体7及び送気ホース8の内部を活性酸素化学種を含む気体に接触させる一連の処理を所定時間、例えば20分間行なった後、吸入器本体7及び送気ホース8を取り外し、活性酸素殺菌装置1から取り出す。
【0038】
次に、本発明者は、実際に微生物を使用して、本実施形態の活性酸素殺菌装置による殺菌処理の効果を確認する実験を行なった。本実験は、器物、袋、又は管状物体の内外面が所望レベルで殺菌されるかどうかを確認するものである。実験に使用した本発明の活性酸素殺菌装置1のケース2は、外形寸法が300mm×200mm×70mm、紫外線照射処理区域6の大きさはおよそ200mm×150mm×70mmである。紫外線ランプ5は、8Wの溶融石英製低圧水銀ランプ(岩崎電気株式会社製;形式QGL8W−31)を1灯用いた。容積当りの紫外線照射量は3.8W/リットルであった。
【0039】
本実験に使用した被処理試料は、吸入器本体7と送気ホース8を接続した状態でその外表面ならびに内表面に菌を付着させたものであり、菌液に浸漬させることにより外表面に菌を付着させ、また内部に一定濃度の菌液を通過させることによりその内表面に菌を付着させ、その後乾燥させて作成した。この吸入器本体7はポリプロピレン製であり、概略筒状の形態で、寸法は外径約40mm×長さ約100mmである。送気ホース8は塩化ビニール製である。この吸入器本体7には、その吸入口部に活性酸素殺菌装置1の活性酸素化学種供給機構9に繋がるアダプターホース16を、またその吸気口部にランプジャケット4に接続している連絡チューブ17に繋がる送気ホース8をそれぞれ取り付け、図1に示すように、殺菌処理を行なう場合と同様に活性酸素殺菌装置1の紫外線照射処理区域6内にセットした。活性酸素殺菌装置1を稼動させると、吸入器本体7および送気ホース8の外面には紫外線ランプ5からの紫外線がランプジャケット4を透過して到達し、吸入器本体7および送気ホース8の内面にはランプジャケット4内で発生した活性酸素化学種が活性酸素化学種供給機構9により供給される。
【0040】
本実験に用いた細菌の菌種は、緑膿菌(Pseudomonas fragi NBRC3458)で、初期菌数2.2×10CFUで使用した。CFUはColony Forming Unitの略称で、コロニーの個数を表わす。
【0041】
図2は、活性酸素殺菌装置1を使用して吸入器本体7とそれに接続した送気ホース8の内外面を殺菌処理する実験における処理時間と殺菌効果との関係を示したグラフであり、同実験結果の一例として、送気ホース8の内面3箇所の菌数の平均を縦軸に取り処理時間に対する変化を示したものである。送気ホース8の内面の菌数は、図2に示すように、処理時間とともに指数関数的に減少し、約30分以降に菌数が10オーダー以下のレベルとなった。吸入器本体7の内面の菌数も同様の変化を示した。また吸入器本体7および送気ホース8の外面の菌数は、数分後に確認できないレベルに到達した。こうして、吸入器本体7および送気ホース8の内外両面に対して活性酸素殺菌装置1の高い殺菌効果が確認された。
【0042】
この実験結果から、要求される殺菌レベルが菌数10のオーダー以下であれば、吸入器本体7とそれに接続した送気ホース8の殺菌処理時間を少なくとも20分以上とすればよいことが分かる。
【0043】
なお、上記実施例では、被処理物の形態が、器物である吸入器本体と管状物体である送気ホースとを接続したものであったが、本発明では勿論、この他に、器物、管状物体それぞれ単独でも同様の効果が得られる。また、器物と管状物体とは互いに直接接続されていない状態で殺菌装置内にセットされていてもよい。この他、箱型、円筒型等、様々な形態を有する、容器、器具等を含む器物の内外面、袋の内外面、チューブ、パイプ等の他の管状物体の内外面の殺菌についても同様の結果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の装置は、器物又は袋、あるいはホース、チューブ、パイプ等の管状物体、の外側・内側両方の表面を同時に殺菌する殺菌装置に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の活性酸素殺菌装置の構造の概要を説明するための図であって、内部にセットされた被処理物が殺菌処理を受ける様子を模式的に示す図である。
【図2】本発明の活性酸素殺菌装置の作用効果を説明するための図であって、ホース内面の殺菌効果を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1…活性酸素殺菌装置
2…ケース
3…紫外線光源部
4…ランプジャケット
5…紫外線ランプ
6…紫外線照射処理区域
7…吸入器(ネブライザー)本体
8…送気ホース
9…活性酸素化学種供給機構
10、11、12、13、14…コネクター
15、17…連絡チューブ
16…アダプターチューブ
18…送出ホース
19…空気取入れ口
21…ランプジャケットを透過した紫外線
22…活性酸素化学種を含む気体の流れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器物又は袋の外側を紫外線照射により殺菌する機構と、前記器物又は袋の内側を紫外線照射によって発生させた活性酸素化学種により殺菌する機構とを有することを特徴とする活性酸素殺菌装置。
【請求項2】
管状物体の外側を紫外線照射により殺菌する機構と、前記管状物体の内側を紫外線照射によって発生させた活性酸素化学種により殺菌する機構とを有することを特徴とする活性酸素殺菌装置。
【請求項3】
器物又は袋の外側と管状物体の外側を紫外線照射により殺菌する機構と、前記器物又は袋の内側と前記管状物体の内側を紫外線照射によって発生させた活性酸素化学種により殺菌する機構とを有することを特徴とする活性酸素殺菌装置。
【請求項4】
前記管状物体は、ホース、チューブ、パイプから選ばれる少なくとも1つである請求項2又は3記載の活性酸素殺菌装置。
【請求項5】
呼吸器系疾患の治療に使用される吸入器について、吸入器本体の外側とそれに接続して使用される送気ホースの外側を紫外線照射により殺菌する機構と、前記吸入器本体の内側とそれに接続して使用される送気ホースの内側を紫外線照射によって発生させた活性酸素化学種により殺菌する機構とを有することを特徴とする活性酸素殺菌装置。
【請求項6】
前記紫外線照射は紫外線ランプを用いて行なうことを特徴とする請求項1ないし5記載の活性酸素殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−115973(P2006−115973A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305138(P2004−305138)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】